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(1)

No. 1

窓口・渉外事務ミス防止講座

事務ミスを未然に

防止するための対応法

2021

  窓

1

(2)

皆さんは、事務ミスと聞いてどんなことをイメージしますか? 多くの方は、書 類の取扱いやオペレーションなど事務手続き上のミスを思い浮かべているのではな いかと思います。確かに間違いではないのですが、事務ミスに該当するのはこれだ けではありません。

例えば、「投資信託の説明を行う際、商品内容の説明はしたものの理解度の確認 をしっかり行わなかった」というケースを考えてみましょう。このケースでは、書 類の取扱いやオペレーションなどの事務手続きは発生していませんが、「理解度の 確認をしっかり行わなかった」ことが、コンプライアンス違反に該当しています。

つまり、たとえ事務手続きを行っていなくても、業務を行ううえでコンプライアン ス上問題のある対応をしていれば、これは「事務ミス」に該当するのです。

また、コンプライアンス上は問題がなくても事務ミスに該当するものがあります。

例えば、お客様から住所変更の依頼を受けたときに、受け取った書類に記入漏れが あったとします。このとき、書類を受け取った時点ですぐに指摘せず、しばらくたっ てから該当箇所の記入をお願いしたらどうなるでしょうか。あるいは、お客様が営 業店を後にしてから記入漏れに気づき、再度来店してもらったらどうなるでしょう か。お客様の中には、「この JA(JF)の対応は悪い」と不満を漏らす人も少なくな いと思います。つまり、コンプライアンス上は大きな問題はないものの、お客様か らクレームを受けるような対応を取った場合、これも「事務ミス」に該当するのです。

これらの点を踏まえ本講座では、窓口・渉外担当者が行わなければならない事務 手続き上の留意点はもちろんのこと、商品などの説明を行う際の留意点、お客様応 対における留意点など、事務ミスを未然に防止するためのポイントを徹底解説します。

さらには、皆さん自身や営業店全体で実践するための再発防止策の立て方も紹介 します。万一、事務ミスをしてしまったとき、同じミスを繰り返さないためにも、

ミスの原因を追究し、再発防止策を講じなければなりません。このとき、再発防止 策を自身で実践するだけでなくほかの職員と共有したり、営業店全体で取り組める 防止策についても立案できれば、より一層ミスを減らすことができるものと思いま す。

本講座でしっかり学習して窓口・渉外での事務ミス防止を徹底し、お客様の期待 に応えられる対応を心がけてください。

農林中金アカデミー

開 講 に あ た っ て

(3)

窓口・渉外事務ミス防止講座

〜 TEXT1 

事務ミスを未然に防止するための対応法

●プロローグ●正確・迅速に事務を行いお客様の期待に応えよう...

04

 

PART 1 なぜ事務ミスが起こるのか 11 ■1

 そもそも「事務ミス」とはいったい何なのか... 12

2

 事務ミスはどんな場面でも起こり得る... 17

3

 事務ミスが起こる原因は何なのか... 20

①不注意... 20

②仕事への慣れ... 22

③業務などの知識不足... 24

④他の職員とのコミュニケーション不足... 24

4

 杓子定規な対応ではお客様の支持は得られない... 26

 

PART 2 このような方法で事務ミスを防止しよう 29 ■1

 業務フロー図で仕事の流れを把握する... 30

2

 チェックリストで事務ミス防止を図ろう... 35

3

 応対時の状況を記録に残そう... 39

4

 書類を取り扱う際はこんな点に留意しよう... 46  

目 次

(4)

PART 3 事務ミスは JA・JF 全体で防止しよう 51

1

 相互協力のもと事務ミスを防止しよう... 52

2

 戸惑っている職員がいたらサポートしよう... 54

3

 ダブルチェックで事務ミス防止を図ろう... 57

4

 マニュアルの不備にはどう対応すべきか... 59

 

PART 4 高齢者取引における事務ミス防止策 63 ■1

 細心の注意を払い誠実な対応を心がけよう... 64

2

 高齢者への対応ではこんな点に留意しよう... 67

①意思能力の確認をしっかり行う... 67

②上席者・家族などを交えて応対する... 72

③商品等の説明や会話の仕方に注意する... 74

(5)

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PART

なぜ事務ミスが

起こるのか

(6)

事務ミスは、JA・JF 職員がミスだと思うからミスなのではありません。

お客様がミスだと感じたら、これは「ミス」以外の何ものでもないのです。

ですから、皆さんがミスではないと思っていても、お客様にとっては「JA

(JF)のミス」ということがあり得るのです。

例えば、遠隔地の小切手を持参したお客様が「この小切手はいつ現金にで きるの?」と聞いたとします。これは正確には「この小切手はいつ資金化で きるのか」という質問です。もし「現金にされると言いますと?」などと聞 いたら、お客様は怒るでしょう。JA・JF 職員は、「お客様が言っているの はこういうことだろうな」という連想を働かせ、「あさっての正午以降でし たら、資金化することが可能です」などと答える必要があるのです。しかし、

ここで「すみません。私では分かりかねますので、上司に聞いてきます」と 言ったら、やはりお客様は「この担当者は勉強していないな」「この JA(JF)

の教育体制は大丈夫だろうか」などと不信感を持つでしょう。

ここで紹介した「小切手の例」は、小切手を口座に入金するという事務が 後に続くことが予想されます。となれば、お客様から見たら、単なる職員の 知識不足、勉強不足なのではなく、お客様の期待する事務手続きを阻害する

「事務ミス」にほかならないのです。皆さんがミスと考えていなくても、お 客様が JA・JF のミスだと思えば、これはもはや「ミス」なのだということ を、皆さんは肝に銘じる必要があります。

お客様にはカウンターの内側も見えている

もう少し、具体的な例を続けます。例えば、お客様が定期貯金の払戻しの

PART 1 なぜ事務ミスが起こるのか

「事務ミス」とは手続き上のミスだけをいうのではありません。本稿では、

そもそも「事務ミス」とは何なのかについて考えてみましょう。

1  そもそも「事務ミス」とは

 いったい何なのか

(7)

ために来店しました。定期貯金証書と印鑑を押捺した払戻請求書を窓口担当 者に差し出したとします。印鑑がやや薄かったのですが、窓口担当者は「こ れなら十分印鑑照合できる」と考え、そのまま印鑑照合を行い、検印者の事 前検印を求めました。

ところが検印者から「印鑑が薄すぎる。もう 1 度、もらい直してくれ」と 言われました。窓口担当者は、お客様にその旨を伝えます。ところが、お客 様は「だったら、何で最初に言わないのか。もう 10 分も待っているのに、

何で今ごろそんなことを言うのか」と怒り出してしまいました。

このケースでお客様が怒るのには、実は伏線がありました。それは、窓口 担当者が検印者のところに、このお客様の定期貯金証書を持って行ったとき、

何やらひそひそと話をし、「もう 1 度、印鑑をもらい直せ」と指示を受ける タイミングでは、お客様のほうを窓口担当者が指さしていたことから、お客 様は「自分を信用していない」「怪しまれている」と思ったのです。JA・JF 職員から見たら、単に「もっと鮮明な印影をもらい直す」という事務上の手 続きなのですが、お客様は「私は信用されていない」「だから印鑑をもう 1 度押すことを要求された」と感じてしまったわけです。そこに「こんなに待 たされたのに、まだ手続きにも入っていない」といういらだちが重なって、

立腹したというわけです。

ロビーからカウンターの内側を眺めてみると、実にたくさんの光景が目に 入ることに驚きます。店頭が忙しいのに奥で資料に目を通している人がいた ら、お客様から見たら「こんなに待たせているのに、奥には暇な人がいる」

となります。検印者と窓口担当者が自分のことでひそひそと相談し、やがて 窓口担当者が自分のほうを指さしたといったことが、お客様からは見えてし まうのです。

若い職員には「完了キー恐怖症」の人も多い

よくあるケースで、こんなこともあります。取引時確認の際、本人確認書 類を提示してもらい、コピーを取ります。これはなるべく顔写真のあるもの がよいとされているので、運転免許証を取り受けるのがベストです。しかし 高齢者の中には、運転免許証を返上している人も少なくありません。にもか かわらず、「取引時確認をさせていただきますので、運転免許証はお持ちで

(8)

すか?」などと窓口担当者が聞きます。するとお客様は「いや、持っていな いですよ」と答えます。このとき窓口担当者は察しなければいけないのに、

最悪の方向に話を持っていってしまいます。これが「それではパスポートは お持ちですか?」という一言です。お客様は「そんなもの、持っているはず がないじゃないか」と怒ってしまうのです。お客様は、運転免許証もパスポー トもないことで、恥をかかされたと感じます。

なぜ、窓口担当者はこのような対応をしたのかというと、実は「正確な取 引時確認をしなければ」という使命感が強かったからです。間違いのない取 引時確認を行うには、顔写真があり、その場で本人と見比べて確認できるの が最も有効な方法に違いありません。この窓口担当者は、運転免許証で確認 しようとし、お客様が運転免許証を持っていないと分かると、パスポートで 確認しようとしたわけです。これは、「正確な事務」をしようと思って行っ たことがお客様を怒らせてしまった例です。ここでは、運転免許証がないと 言われた時点で、「それではパスポートかマイナンバーカードでも構いませ ん。 顔写真のある公的証明を何かお持ちではないですか」などと別の選択肢 も入れて、お客様が対応しやすいようにうかがうべきでした。

事務ミスというと、最も恐ろしい現金相違、「ケタチ」といわれる数字を 桁違いで入力するなどのオペレーションミス、税金の収納などの際にお客様 控えではない伝票を間違って返却するような返却伝票相違、マイカーローン などの取引で多い書類のもらい忘れ、もらい直し―などが思い浮かぶこと でしょう。

金融機関は「1 円合わなくても、合うまで残業する」とよくいわれますが、

まさにそのとおりです。現金はその場限りですから、職員はお客様から現金 を預かる際は、しっかりと勘定し、金額を確認しなければなりません。後か ら「1 万円足りなかった」は通用しないのです。

「ケタチ」に代表されるオペレーションミスは、きわめて頻繁に犯してし まうミスです。若い職員の中には「完了キー恐怖症」があるといわれるほど です。「オペレーションが間違っているのではないかと不安で、完了キーを 押すのが怖い」というものです。税金等の伝票で、お客様控えではない伝票 を返却してしまい、後からお客様の自宅まで取り換えに伺うというのも、多 くの新入職員が経験するミスの 1 つです。これらが、職員の頭に浮かぶ事務

(9)

PART 1 ●なぜ事務ミスが起こるのか

ミスです。しかし、事務ミスはこれらだけではなく、先で挙げたものもお客 様から見たら JA・JF のミスであり、立派な「事務ミス」であることを認識 しておく必要があります。

今後事務ミスは複雑化することが予想される

さて、プロローグでも、JA・JF の取り扱う事務が多岐にわたっていると いう話をしました。お客様は「JA バンク(JF マリンバンク)職員は何でも 知っている」と思っています。皆さんも、レストランに行ったら、メニュー に載っているすべての料理を店員は知っているものと思っているはずです。

これと同じように、お客様は職員が取り扱っているすべての商品について 知っていて、取扱いもできるものと信じています。ですから、こうした期待 が裏切られると、お客様はがっかりするのです。しかし現実には、投資信託 や保険の商品性についてすべて熟知することは難しいことです。ですから、

何を見ればこうしたことが分かるか、だれに聞けば答えられるかを日ごろか ら押さえておくことも現実的な対応策となります。

そのうえで、最近増えているのは、投資信託などのリスク商品について、

十分な説明がなされなかったというお客様の指摘です。例えば「JA(JF)

が売るのだから、損することはないと思っていた。私は元本保証のある貯金 のようなものだと思って投資信託を買った。もし損する可能性があると知っ ていたら、買わなかった」とか「投資信託の分配金は、定期貯金の利息のよ うなものだと思っていた。元本から支払われるとは思っていなかった。もし そういうことを説明してもらえれば買わなかった」といったクレームが投資 信託を扱っている JA・JF では考えられます。

こうした点については、JA・JF 職員が説明していないとは思えませんが、

お客様が理解しない限り説明したことにはならないということになっていま す。これに則って考えれば、お客様が誤認している以上、金融機関は説明責 任を果たしたとはいえないのです。これは、場合によっては損害賠償につな がる問題です。このようなものも、最近では「事務ミス」と考えられていま す。ですから皆さんは、単に説明しただけでなく、お客様に理解してもらえ るよう分かりやすく、丁寧に説明する表現力も身につけなければなりません。

以上見てきたように、手続き上のミスだけが事務ミスではありません。事

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務ミスには、非常に多くの種類があります。そして、これらのミスは今後ま すます発生するジャンルが広がり、複雑化していくことが予想されます。渉 外をすれば事務が発生し、業務を行えば事務が発生するのですから、渉外や 業務によって生まれるミスは、すべて事務ミスといっても過言ではありませ ん。これは言い換えれば、それだけミスをするリスクが高いということなの です。皆さんは、こうしたことを意識しなければなりません。

(11)

前項で見たように、事務ミスは実に多岐にわたっています。あらゆる業務 におけるあらゆる場面に事務ミスのリスクが潜んでいるといったイメージで す。

例えば、定期貯金の証書を作る場面を想定してみましょう。お客様が初め て取引を行うのであれば、取引時確認を行います。これには、運転免許証な どの本人確認書類をコピーさせてもらう必要があります。この際、メガネ等 が必要といったセンシティブ情報は黒く塗りつぶすなどして分からないよう にします。センシティブ情報を口外することはもちろんしてはいけないこと ですが、黒塗りなどしないまま保管することもあってはなりません。運転免 許証が期限切れだったとか、住所が違っていたといった場合には、取引時確 認を行ったことにならないので注意しなければなりません。

ここまで終了した後で、顧客データを作るオペレーション(端末操作)を 行うことになります。お客様の情報を端末にインプットしていくのですが、

ここでも打込み間違いをしてはいけません。生年月日や住所の数字を 1 ヵ所 間違えただけで、正確なデータではなくなってしまうのです。

こうして顧客データを作ってから、やっと定期貯金の証書を作ることにな ります。まず、役席者に申告して証書を出してもらい、伝票に記載された情 報をインプットし、これを終えたら証書を機械にセットします。やがて印字 された証書が出てきます。この印字された証書を伝票と見比べ、間違いがな いか確認します。金額はどうか、預入期間はどうか、満期日はどうかなどを しっかりチェックするのです。ここまで行ったら、役席者に検印してもらい ます。検印は、役席者が確かに間違いないと認めて押印するものですから、

PART 1 なぜ事務ミスが起こるのか

事務ミスは、多忙なときや取扱件数の少ない手続きを行うときだけ起こると は限りません。ではどんなときに発生するのか──本稿で考えてみましょう。

2  事務ミスはどんな

 場面でも起こり得る

(12)

ここで間違いが発見されたら、もう 1 度やり直しとなります。役席者の チェックが通り、検印をもらってやっとお客様に証書を渡すことができます。

定期貯金の新規作成だけで、これだけのプロセスを必要とするのです。

後から、お客様に記入してもらわなければならない書類に記入漏れが発見 されたら、「不備」として早急に補完しなければなりません。金額が違って いたら、オペレーションミスとして、訂正記録簿に記入のうえで、訂正のオ ペレーションをしなければなりません。この間、お客様はロビーで待たされ ることになります。こうした記入漏れに関する不備やオペレーションミスは、

いずれも「事務ミス」となります。これらのミスは、ミスの 2 大ジャンルと して認知されていると思います。それだけ多くミスが発生するということで す。

そのほかにも、「100 万円預かったと思いましたが、数えてみたら 99 万円 しかありませんでした」「いや、私は確かに 100 万円預けたはずだ」といっ た現金相違のミスがあります。これは「現金その場限り」ですから、後から

「足りなかった」では本来通用しません。

これらは、受付段階でのミスです。定期貯金証書を作成するだけでも、こ れだけのミス発生のリスクが、皆さんを取り囲んでいるのです。

定期貯金証書を作成する回数は決して少なくないと思います。皆さんの中 には、事務ミスというとほとんど行わない手続きなどで起こりやすいと考え がちですが、必ずしもそうとは限らないのです。

気を抜いたときに事務ミスは発生しやすい

皆さんは「ミスをしないように注意するぞ」という心構えを持って仕事を しているものと思いますが、例えば「今日は忙しくなりそうだから、頑張ら なければ」などと思っているときには、事務ミスは意外と少ないものです。

反対に、「今日はお客様も少ないし、暇だなぁ」などと気を緩めているとき にミスをしがちです。

例えば、店内にお客様が 1 人もいないときに電話がかかってきて「キャッ シュカードをなくしたんだけど…。どうやら盗まれたらしい」と言われたと します。「警察には届けましたか?」と聞くと「まだだよ。じゃあ今すぐに 届け出るよ」とお客様が答えます。本来であれば、電話を切ったあとすぐに

(13)

PART 1 ●なぜ事務ミスが起こるのか

キャッシュカード紛失のオペレーションをしなければならないのですが、顔 見知りのお客様が来店し、会話に夢中になっているうちに、オペレーション を忘れたとします。このとき、もしその日のうちに現金が ATM から引き出 されたらどうなるでしょうか。お客様からキャッシュカードを盗まれたとい う電話があったとき、すぐにお客様の普通貯金の残高を調べ、引き出されて いないことを確認する、そして紛失のオペレーションをし、ATM から犯人 がお金を下ろそうとしてもできないようにする、さらには犯人がお金を下ろ そうとしたら、すぐに捕まえられる体制を警察と取る──こうした行うべき ことを怠ったことによって現金が引き出されていますから、JA・JF が弁償 しなければなりませんし、お客様はもうこの JA・JF を信用しなくなります。

ここで取り上げたのは、店内にお客様がおらず気を抜いたときの 1 本の電話 によって引き起こされた大きな事務ミスの例です。こういうリスクがあらゆ る場面に潜んでいるのです。

事務ミスはどんな場面でも発生する可能性があります。ですから、皆さん は一瞬たりとも気を抜いてはいけないのです。事務の難易度ではなく、心の 持ちようによってミスは発生します。気の緩んだときに事務ミスは発生しや すくなるのです。

(14)

世の中には「知っていたけれどできなかったこと」と「知らなくてできな かったこと」があります。事務に関する知識があって、十分処理する能力も あったのにミスをしてしまうのが前者、お客様が言っていることの意味が分 からなかったり、もともと事務処理を行うために必要な知識やスキルが欠け ていたことでミスをしてしまったというのが後者です。

では、なぜ事務ミスが起きてしまうのでしょうか。主な原因として、以下 のものが挙げられます。具体的に見ていきましょう。

①不注意

②仕事への慣れ

③業務などの知識不足

④他の職員とのコミュニケーション不足

①不 注 意

分かってはいるけれど犯してしまうのが不注意によるミスです。「なぜ、

そんなミスをしてしまったのか?」と言われても、ミスをした本人が一番、

「何で自分はこんな単純なミスをしてしまったのだろう」と感じているもの です。「注意 1 秒、けが一生」という言葉がありますが、1 秒の注意を怠っ たせいで、当該事務を取り消す、新しく処理し直すといった余分な仕事が必 要となります。この間、お客様を待たせることになり、自分もその仕事にか

PART 1 なぜ事務ミスが起こるのか

本稿では、主な事務ミスの発生要因について見ていきます。皆さんの中にも、

思い当たるケースがあるはず。ポイントをしっかり押さえておきましょう。

3  事務ミスが起こる

 原因は何なのか

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かりきりになって、ミスをしなかった場合に比べて何倍もの時間をロスして しまいます。だからこそ、1 秒の注意を怠るなということなのです。

不注意によるミスをさらに細かく分析してみると、いつも注意力が足りな くてミスを繰り返す人と、めったにミスはしないのに、そのときはたまたま ミスをしてしまった人がいます。注意力が何かの瞬間に途切れてしまう人が いるものです。緊張感が持続しないとか、物事を軽く考えて、あるいは考え ずに行ってしまうといった人は前者に該当します。もし、自分がこういうタ イプだと自覚するのであれば、人一倍、注意して事務に取り組む決意が必要 です。めったにミスはしないが、たまたまそのときミスをしてしまったとい う人は、その原因を分析し、二度と繰り返さないようにしっかりと反省する ことです。

工夫をすることで慌てない環境を作る

飲み会などが多く寝不足の日があるとか、夜寝るのが遅く慢性的に睡眠時 間が少ないといった傾向のある人で、このような状態のときにミスを多発す るというのであれば、私生活から立て直す必要があります。私生活で悩みが あると仕事にすぐに影響してしまう人と、私生活は私生活、仕事は仕事と しっかり区別できる人がいます。前者は、私生活が充実していると生き生き と仕事をしますが、私生活で問題があると、注意力がなくなりミスを起こし ます。こういうタイプの人も、やはり自分で意識して、私生活の感情を仕事 に持ち込まない努力をする必要があります。

人によっては、端末の前に「完了キーを押す前に、もう 1 度確認」「オペ ミス 1 回、訂正 30 分」といった標語を張っているケースもあります。これ らは、「早く事務処理をしなければ」とか「目の前にいるお客様を待たせて はいけない」という意識が強いあまり、最後のところで雑なオペレーション をしてしまうという自覚がある人にとっては有効だと思います。はやる気持 ちを抑え、最終確認をすることで、単純なインプットの相違を発見できるか もしれないからです。

お客様が少ないときは余裕を持って正確な事務処理ができるのに、お客様 が立て込んでくると、すぐにパニックになってしまう人もいます。このよう な人は、「店内にいるお客様を待たせてはいけない」「早く事務処理をして、

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早く帰ってもらわなければならない」という意識が強く、複数のお客様が自 分の前に並んでしまうと、慌ててしまいがちです。そうするとどうしても注 意力が散漫になり、事務処理が雑になります。この結果、ミスをしてしまう のです。すぐにパニックになってしまうという自覚がある人は、こういうと きこそ落ち着いて、深呼吸をするイメージを持つとか、お客様と会話し「少 しお時間がかかりますが、よろしいですか?」と了解を得るなどの工夫をす ることで、慌てないで済む環境を作るとよいと思います。

不注意の原因にもいろいろなものがあります。大切なのは、ミスをした本 人が原因を分析し、先に挙げたような傾向があると自覚するのであれば、意 識的に直していくことです。

②仕事への慣れ

事務の習得に関してはよく「習うより慣れろ」といわれることがあります。

例えば、新入職員の多くは「お客様からの電話を取るのが怖い」と言います。

お客様の名前がよく分からないし、どんな言葉遣いをしたらよいかも分から ない、おまけに「××さんをお願いします」と言われても、営業店の先輩の 名前と顔がまだ一致していなかったりします。さらにこの先輩が不在の場合 は、伝言を聞いておかなければなりません。これを復唱し、メモを先輩の机

(17)

PART 1 ●なぜ事務ミスが起こるのか

の上に置いておくわけですが、メモの書き方も心配です。だからこそ、多く の新入職員が電話が鳴るのが怖い、電話を取るのに勇気がいるというのです。

しかし、JA・JF に入って半年してから、まだ「電話を取るのが怖い」と いう新入職員はほとんどいません。1 年が経ってみると「何であんなに電話 が怖かったのか分からない」「今は、意識することなく自然に電話でお客様 と話をしています」といった具合です。これはまさに「習うより慣れろ」で、

電話の受け方をマスターしたのです。

しかし、次の段階では「慣れ」がミスを生みます。最初のうちは慎重に行っ ていた事務処理も、だんだん慣れてくると「これくらいでいいかな」という 安易な気持ちが出てきます。

例えば、慣れないうちは印鑑照合を重ね合わせたり、何回か反復して確か めていたものが、こんなことをしなくても印影が同じかどうかくらいは見分 けられるという思いが強くなります。これが、不慣れなときには考えられな かったような重大なミスにつながっていくのです。致命的なミスをするのは、

得てしてこうしたときです。オドオドしながら事務をしていたときは、事務 処理は慎重です。しかし、慣れてきて「この事務はこんな感じでこなせば大 丈夫」といったおごった気持ちが芽生えると、慎重さが失われ、当然行わな ければならない手続きを勝手に省略したり、先の例のように注意義務を怠る といった傾向が出てきます。これが大きなミスにつながるのです。皆さんの 中には、先輩たちから「慣れたときほど慎重に」というアドバイスを受けた 人も多いと思いますが、こんなときこそ謙虚に受け止めてほしいと思います。

武道の言葉に「守しゅ」というものがあります。「守」は師匠の教えを学 んで守る段階、「破」は師匠の教えを破り、他流を学ぶこと、「離」は自分の 形を作ることです。最初のうちはまさに「守」の段階ですから、大きなミス はしないのです。ところが自分のスタイルを模索し始めると、自分勝手な事 務を行う危険性が高まります。武道であれば、自分の流儀を模索し、極めて いくことがゴールとなりますが、事務の仕事はそうではありません。規程に 則って、正しい事務処理をしなければならないのです。

仕事に慣れ、「事務の仕事に自信が出てきた」と思ったときほど、基本に 忠実に、怖れを持って事務に取り組むことが大切です。

(18)

③業務などの知識不足

前述の 2 つが知っていてできなかったことによるミスなのに対し、知識不 足によるミスは「知らなかったことによる」ものです。これには、大きく分 けて 3 つのケースがあります。1 つ目はお客様の言っている意味が分からず に正確な事務にまで至らないケース、2 つ目はお客様の言っている意味は分 かるものの、この要件を満たすための事務処理の方法が分からないケース、

3 つ目はほかの事務処理と混同するなど、知識が正確性を欠きミスにつなが るケースです。

窓口担当者になったばかりの職員に聞くと「お客様の言っている意味が分 からないのが悩み」などと言います。例えば「この手形を取り立てておいて」

と言われ、「手形を取り立てる」という言葉が理解できないといったケース です。次の段階は「手形を取り立てる」という意味は分かるものの、どうい う事務手続きをしたらよいのか分からないというケースです。最後は、期日 の近い手形(期近手形)なのに、個別取立ではなく集中取立として事務処理 してしまうといったケースです。なまじ集中取立の取扱いをしたことがある せいで、「手形の取立を依頼されたら、集中取立に回せばいい」という思い 込みをしてしまっているわけです。しかし、正しい事務手続きは個別に取り 立てることですから、先の方法ではミスにつながります。いずれにしても大 いに問題です。しっかり事務規程を読み、知識をインプットしなければいけ ません。

④他の職員とのコミュニケーション不足

JA・JF の事務は 1 人で行うものではありません。あくまで他の職員との 連携プレーであり、いわばチームで行うものです。それだけに、他の職員と のコミュニケーションは欠かせません。逆にいえば、日ごろから良好なコ ミュニケーションを取っておけば、何かあったときには助けてもらえるとい うことです。しかし、コミュニケーションが不足し、お互いに無関心といっ た風通しの悪い組織では、このような連携が機能しにくくなります。

(19)

PART 1 ●なぜ事務ミスが起こるのか

最近は働き方が多様ですから、正職員ばかりではなくパートや派遣社員の 人もいます。こうした環境の中で、専門用語や省略した言葉を使ったとした らどうでしょう。また正職員とはいえ、新人や窓口担当者になりたての職員 もいます。このような人たちにも理解できる言葉を使うだけでも、お互いの 意思疎通につながります。皆に理解できる言葉を使ったり、表現を工夫する ことは、コミュニケーションを良くするにはとても大切なことです。

日本には昔から「以心伝心」といった考え方があり、言わなくても分かる、

言葉にしなくても察するという文化があります。しかし、職場内ではこれは 通用しないでしょう。「言わなくても分かってくれるはず」「具体的なことは 言わなくても、お互いに察して、うまくやっていけるだろう」といった考え では、「もし伝わらなかったら」「もし察することができなかったら」ミスに つながる危険性があります。ですから、一緒に事務を遂行するにおいては、

お互いが理解できる言葉や表現で、具体的に報告・連絡・相談をしあうこと が重要です。

コミュニケーションの良い組織は、例外なく、報告・連絡・相談が密に図 られているものです。信頼関係がないと、悪い報告は隠そうとしますし、相 談しても親身になって考えてくれないと思えば、相談もしなくなります。

ここで注意したいのは、上司が「なぜ、報告をしてくれなかったのか?」

と叱ったときなどに言う若い職員の発言です。例えば「報告をしたかったの ですが、忙しそうにされていたので、話しかけたら悪いと思いました」といっ たものです。部下が話しやすい雰囲気を作っておくことも上司として必要な ことですが、上司が忙しそうだったからといって、報告できないと答える部 下にも問題があります。このようなときは、遠慮なく話しかければよいので す。報告しないことや報告が遅れることによるリスクは、JA・JF 全体のも のであって、若い職員のものではないのです。

良好なコミュニケーションが図られたら、皆で事務ミスを防止するような 体制ができるはずです。お客様の話がよく理解できず、お客様が明らかにイ ライラし始めたとき、さっと二線から先輩が出てきてくれて、助け舟を出し てくれるとしたら、どんなに心強いでしょう。

(20)

正確な事務手続きを実践するにはどうすればよいかが、本講座の大きな テーマです。しかし、「正確な事務をすること」は「手段」であって「目的」

ではありません。

プロローグで述べたように、お客様は JA・JF が正確な事務処理を行って くれることを、当然のこととして期待しています。もし正確な事務が行われ なかった場合は、失望につながります。正確な事務があって初めて、顧客満 足や感動レベルのサービスが可能となります。

しかし、あまりに事務の正確性を追求しようとすると、規程やマニュアル を重視するあまり、イレギュラーなケースは認めないといった杓子定規な対 応になりがちです。この結果、事務は正確なものの心が通わないので、お客 様の支持が得られない JA・JF になってしまう可能性があります。

皆さんは、ディズニーランドのレストランの有名なエピソードをご存知で しょうか。このレストランに若い夫婦が来店し、2 人分の料理以外にお子様 ランチを注文しました。決まりでは、お子様ランチは大人に出してはいけな いことになっています。不思議に思った店員は夫婦に「お子様ランチはどな たが食べるのですか?」と聞きました。すると夫婦はこう答えました。「今 日は亡くなった子どもの誕生日なんです。子どもは産まれたときから体が弱 く、誕生日を待たずにこの世を去りました。私たち夫婦は、子どもが産まれ たら、大好きなディズニーランドに家族で行こうと楽しみにしていましたが、

それはかないませんでした。だから、子どもの誕生日に、こうしてディズ ニーランドに来たのです」。店員はすぐに夫婦を別の広い席に案内し、子ど も用の椅子も持ってきたそうです。そして、あたかもそこに子どもがいるか

PART 1 なぜ事務ミスが起こるのか

正確な事務手続きは大切ですが、マニュアルどおりの対応だけではお客様の 支持は得られません。本稿では、臨機応変な対応の重要性を見ていきます。

4  杓子定規な対応では

 お客様の支持は得られない

(21)

のように、お子様ランチを配膳したといいます。

このエピソードが感動を呼ぶのは、店員がマニュアルにはない、心の通っ た対応をしているからではないでしょうか。もし、規程どおりの対応を寸分 たがわずに実践することが目的だとしたら、「大変申し訳ありませんが、お 子さんではない方にお子様ランチは出せません」と言って断ることが「正し い取扱い」でしょう。しかしこんな対応で、だれがファンになるでしょう。

皆さんの対応もこれと同じです。正確な事務手続きは目的ではなく、お客様 に満足してもらうサービスを提供するための手段にすぎません。

お客様を守るためにルールがあることを意識しよう

では、どんなケースが考えられるかというと、次のようなケースです。い つもは夫婦で来店するのですが、今日はご主人が 1 人で来店しました。ご主 人の通帳から出金したのはよいのですが、奥さんの通帳からも出金を希望し ました。奥さんの出金伝票もご主人が代筆しました。

さて、このようなケースではどう対応すればよいでしょうか。正解はあり ませんが、まずは、なぜ奥さんが来店しないのかを聞くことだと思います。

例えば「ちょっと風邪気味で寝ている」といった理由だったらどうでしょう。

あるいは「家事がたまっているので、家で忙しくしている」といったものだっ たらどうでしょう。JA・JF には異例扱いという事務取扱いがあります。こ れは役席者の承諾があれば、規程にはない取扱いを認める場合があるという ものです。

このケースの場合、ご主人が奥さんの代理人として登録していないのであ れば、ご主人が奥さん名義の通帳から出金することは認めないというのが正 規の取扱いです。担当者が上席者に相談したところ、「××さんだったら、

よくご夫婦で来店されているし、異例扱いで出金に応じてもよい。ただし、

可能であれば奥様の意向を電話で確かめてみなさい」というものでした。そ こでご主人に聞くと「電話には出られるはずだよ」とのことでしたので、電 話をかけました。この結果、奥さんの意思も確認できたので、出金に応じま した。

以上が 1 つの対応の仕方です。しかしご主人と話をして、緊急を要さない なら、奥さんの通帳からの出金を断っても、JA・JF への信頼を高くする対

(22)

PART 1 ●なぜ事務ミスが起こるのか

応ができるかもしれません。

例えば、「金融機関はお客様を守らなければならない。このために、ご主 人であっても、代理人でなければ、奥様名義の通帳からの出金は認めないこ とになっている。もし、『どうしても』というのであれば出金するが、そう でなければ、お客様を守るための厳密な取扱いなので、後日、奥様が来店さ れて、ご自身で出金されることを希望する」といった対応です。あるいは、

渉外担当者が自宅に行って、奥さんに伝票を書いてもらい出金に応じると いった方法もあります。いずれも「規程がそうだから、このような対応をし ます」というものではありません。はじめにあるのは、お客様です。お客様 を守るために代筆での出金は認めないのであり、JA・JF のルールを守るた めにお客様の利便を害しているわけではありません。

ルールにない異例の取扱いをするとしても、これはお客様のためですし、

お客様を守るために奥さんの意向を確認するなど一定の補完措置は講じられ るのです。もちろん、お客様の貯金を危険にさらすのであれば、こうした対 応を取るべきではありません。この判断をするために役席者がいます。です から、役席者に相談して判断を仰ぐのです。

繰り返しになりますが、ルールを守ることが目的ではなく、お客様を守る ためにルールがあります。ルールを守ることは手段であって、目的ではあり ません。このことを常に意識しておくことが大切です。

(23)

窓口・渉外事務ミス防止講座

〜 TEXT2 

ケース別 事務ミス防止策

再発防止策の立て方

PART 1 ケース別に見る事務ミス防止策 5

1

 貯金・為替業務における事務ミス防止策... 6

①お客様の要望により職員が伝票の代筆を行った... 6

②伝票の記入漏れに気づかず手続きを行った... 8

③公的書類ではない書類で取引時確認を行った... 9

④遠隔地居住者の口座開設を受け付けた... 12

⑤入金伝票の金額と現金の一致を確認しなかった... 14

⑥口座への入金を依頼された際に金額を誤入力した... 15

⑦払戻請求書の印影と届出印の照合をしなかった... 16

⑧退職した経理担当者に会社の貯金を払い戻した... 18

⑨口座名義人の妻を名乗る者にその旨を確認せず払い戻した... 19

⑩代理人を名乗る者にその旨を確認せず払い戻した... 21

⑪貯金者の死亡を知っていたが家族からの払戻しに応じた... 22

⑫貯金の相続手続きで何度もお客様を来店させた... 25

⑬紛失届を受けたもののすぐに手続きしなかった... 27

⑭貯金者に無断で第三者からの残高照会に応じた... 28

⑮10 万円を超える振込にもかかわらず取引時確認を怠った... 30

⑯振込依頼書の記入内容を精査せずに受け付けた... 31

⑰間違った振込手数料を取り受けた... 33

⑱営業終了間際の振込が翌日扱いになることを伝えなかった... 34

⑲先日付の振込を依頼されたものの手続きを失念した... 36

⑳組戻しを依頼されたが取消電文の発信を要請した... 37

㉑線引小切手を持参した一見客に対して支払った... 38

㉒窓口で先日付小切手の入金依頼を受け付けた... 40

目 次

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窓口・渉外事務ミス防止講座

〜 TEXT2 

ケース別 事務ミス防止策

再発防止策の立て方

PART 1 ケース別に見る事務ミス防止策 5

1

 貯金・為替業務における事務ミス防止策... 6

①お客様の要望により職員が伝票の代筆を行った... 6

②伝票の記入漏れに気づかず手続きを行った... 8

③公的書類ではない書類で取引時確認を行った... 9

④遠隔地居住者の口座開設を受け付けた... 12

⑤入金伝票の金額と現金の一致を確認しなかった... 14

⑥口座への入金を依頼された際に金額を誤入力した... 15

⑦払戻請求書の印影と届出印の照合をしなかった... 16

⑧退職した経理担当者に会社の貯金を払い戻した... 18

⑨口座名義人の妻を名乗る者にその旨を確認せず払い戻した... 19

⑩代理人を名乗る者にその旨を確認せず払い戻した... 21

⑪貯金者の死亡を知っていたが家族からの払戻しに応じた... 22

⑫貯金の相続手続きで何度もお客様を来店させた... 25

⑬紛失届を受けたもののすぐに手続きしなかった... 27

⑭貯金者に無断で第三者からの残高照会に応じた... 28

⑮10 万円を超える振込にもかかわらず取引時確認を怠った... 30

⑯振込依頼書の記入内容を精査せずに受け付けた... 31

⑰間違った振込手数料を取り受けた... 33

⑱営業終了間際の振込が翌日扱いになることを伝えなかった... 34

⑲先日付の振込を依頼されたものの手続きを失念した... 36

⑳組戻しを依頼されたが取消電文の発信を要請した... 37

㉑線引小切手を持参した一見客に対して支払った... 38

㉒窓口で先日付小切手の入金依頼を受け付けた... 40

目 次

2

 融資業務における事務ミス防止策 ... 42

①住宅ローンの申込受付時に金利タイプを確認しなかった... 42

②申込を受けた個人ローンの進捗管理を怠った... 44

③個人ローンの優遇金利について確認しなかった... 45

④申込を受けたときの条件で融資を実行した... 47

⑤審査に時間がかかった理由を窓口担当者が伝えた... 48

⑥取り受けた決算書について補正するのを失念した... 50

⑦プロパー融資で資金使途の確認を怠った... 51

⑧農業(漁業)信用基金協会付融資が免責となった... 53

3

 その他業務における事務ミス防止策 ... 55

①お客様応対時にほかのお客様の情報を話した... 55

②お客様の情報を応対していた同居親族に話した... 56

③個人情報の記載された書類をゴミ箱に捨てた... 58

④お客様の書類を別のお客様に郵送した... 59

⑤ FAX や電子メールを誤って送信した... 60

⑥休暇前などに業務の引継ぎを十分行わなかった... 62

 

PART 2 お客様からのクレームにはこう対応する 65 ■1

 クレーム発生時の初期対応を押さえよう... 66

2

 来店したお客様へのクレーム対応法 ... 71

3

 電話でのクレームにはこのように対応しよう ... 76

4

 金融 ADR の仕組みについても押さえよう ... 80

 

PART 3 再発防止策はこのように立案しよう 85 ■1

 ミスの原因を追究し再発防止を図ろう ... 86

2

 再発防止策は営業店等で共有しよう ... 93

3

 他業種も参考にして再発防止策を考えよう ... 99

(25)

窓口・渉外事務ミス防止講座

〜付録  事務ミス防止に役立つマニュアルの作り方 〜

1

 自分でマニュアルを作り事務ミス防止に努めよう... 2

2

 マニュアル作成時のポイントを押さえよう... 6

3

 マニュアルの中身は定期的に確認・更新を... 12

4

 マニュアルの取扱いはこんな点に留意しよう... 15

5

 ケース別に見る記載のポイント... 17

①口座開設... 18

②貯金の払戻し... 26

③相続貯金の払戻し... 30

④貯金者の住所変更... 34

⑤振込の手続き... 36

⑥住宅ローンの申込受付... 38

⑦農業融資の申込受付... 40

⑧リスク商品の販売... 42

目 次

参照

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