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窓口 1 つの 2 つの図書館?

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Academic year: 2021

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知県と高知市は、

現在の高知県立図書館と 高知市民図書館を移転し て、追手前小学校敷地に 合築して一体型の図書館 にしようとしています。

この構想は、図書館現場の検討なしにトップダウンで進められ、現場の職員ですら、どのような構想になっているのか全貌を知らされていません。その中で、県 は突然、現場では論議もされていないサービス内容を9月19日に新聞全面広告で打ち上げました。この広告はおかしなことに、「県立図書館は大きく進化してい こうとしています!」と書いてあり、高知市民図書館のことが書かれていません。結局、一体型図書館とは言っても、事実上、高知市民図書館はなくなってしま うのでしょうか?

この広告で打ち上げられているサービスには、現在、行われていないことも含まれています。しかし、一方で、運営費は削減できると言い切っています。図書 館の窓口も増やし、司書も増やし、本も増やし、サービスも増やすのにどうして運営費が削減できるのでしょうか? サービス向上は誰もが望むところですが、

空手形や形だけのものになってしまわないでしょうか? 図書館のサービスは数年間の一時的なものではありません。継続的に続けていけるのでしょうか?

県立図書館と高知市立の中央図書館とは、もともと、役割もサービス対象も違う図書館です。それを、建築費が安く済むからといって合築して本当によいサー ビスが提供されるのでしょうか? 私たちは、高知県の未来を築くために 50 年先、100 年先を見すえて、双方の図書館を単独整備し、県立図書館は県全体のサ ービスに専念し、高知市立図書館は、高知市民のために地域に密着したサービスを展開することを求めます。

窓口 1 つの 2 つの図書館?

図書館としては、県立と市立2つ同居するが、窓口は1つであると県・市は説明しています。そうすると、図書館長は2人いるのでしょうか? 窓口の職員は いったい誰の言うことをきいて仕事をすればよいのでしょうか? 「船頭多くして船陸に上がる」ことにはならないでしょうか? また、本は県と市、いったい どちらが買うのでしょうか? 利用が増えて、本も多く買わなければならなくなったときどうするのでしょうか? お互いにあっちが買ってくれと言い出したら、

目もあてられません。

一緒につくることで本当にメリットがあるのでしょうか?

本が一箇所で借りられるとメリットをうたっていますが、要は図書館がひとつ減ってしまう話です。本来、図書館は身近な地域にあるべきで、その設置を進め ていくことが、市町村や県に求められている仕事です。県立図書館は、身近な市町村の図書館ではできないサービスを行ったり、市町村では買えない本・雑誌な どを収集するところで、市町村の図書館とは役割が違います。

県があらたにうたっている役割分担では、県側は直接サービスを行わないような書かれ方がされています。県立図書館は当然、市町村支援を行いますが、直接 サービスを行わないというのは間違いです。市町村の規模ではできないサービスも提供する必要があります。(たとえば、データベースをたくさん用意し、貸出し は尐なくても、より専門的な問合せにもこたえられるような本や雑誌も収集・保存することなどがあげられます。)

結局、県立と市立を一緒くたにすると「あぶはちとらず」になってしまい、どんどん借りて読みたい面白い本も、よりつっこんで勉強したい専門的な本も両方 不足するということになってしまうことになりかねません。

追手前小学校敷地に 2 つも図書館を建てなければならないのでしょうか?

交通アクセスが良い場所としては、高知駅前にも県有地が約6200平米あります。こちらには、土佐幕末維新社中(仮)が構想されていますが、これは県立図書館 と一体的に整備しても問題ありません。例えば、県立図書館を土佐幕末維新社中(仮)と一体的に整備すれば、それぞれ別個に建設するより費用が浮きますし、そ の後の利用のあり方の転換も可能です。また、高知県立図書館には、現在でも、高知県の郷土資料を目当てに全国から歴史を調べに来る方が尐なくありません。

その意味でも同じ「合築」でももっと相性のいい相手はあるはずです。また、総合的な効果を出すためには、むしろ、同じ図書館同士よりも違った施設の方が相 乗効果・総合効果が期待できます。

図書館同士の合築で約18億円の施設整備費が浮くとされていますが、一方で、財務事務所跡地に計画されている新資料館のために、隣接の駐車場を約12億円 で購入することになっています。ただでさえ足りない駐車場がなくなってしまいます。それよりも、例えば、高知市民図書館と新資料館を合築にした方が無駄が ないのではないでしょうか? 運営費も削減できるとありますが、サービスの大幅向上をするならむしろ多くするべきです。

県立図書館と市立中央図書館をあわせたら大きくなるのは当たり前です

人口が高知県に近い福井県立図書館は約1万5000平米あります。このかなりの部分は書庫です。大きいといっても書庫だらけの図書館になります。しかし、

県立図書館には書庫が必須です。そういう大書庫を商店街の中に立地するのは果たしてふさわしいのでしょうか? また、1 万 3000 平米に 205 万冊も入るかどう かは疑問があります。出し入れの効率の悪い集密書架や積層書架と呼ばれるものを大量に入れなければならなくなります。これらを運用するためには、出納(出 し入れ)する人をより多く配置しなければならなくなります。さもなければ、導入費用も運用費用も多額で、公共図書館にとっては使い勝手の悪い自動化書庫を 入れなければならなくなります。

追手前小学校敷地に構想されて

いる高知県・高知市一体型図書館

はここが問題です

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合築して県立図書館の機能は果たせるのか?

市町村の図書館・図書室の支援は県立図書館の核となる機能ですが、県立図書館は、市町村の規模ではできない直接サービス(窓口サービス)も行います。従 って、身近な要求が多い迅速な処理が求められる市立図書館と、対応に時間がかかる専門的な要求にこたえる県立図書館の窓口を一本化すると、窓口は便利にな るどころか混乱する可能性があります。実際の現場のサービスに日常的にたずさわらない職員が市町村の図書館・図書室の支援をするという発想は、手術をめっ たにしたことのない医者が大学で外科学を教えるようなもので、まったくの官僚的な机上の空論です。

市町村支援は単独整備の方が効率良く行えます

市町村支援のための専任職員の配置や図書購入費の増額は大いに望まれるところです。しかし、それは合築でなければできないものではありません。それどこ ろか、合築すると繁忙な窓口のために県立図書館のマンパワーを相当さかなければならないことになります。いくら市町村専任としたところで、目の前に来てい るお客が多ければ対応しなければなりません。また、蔵書などの資料を使った調べもののお手伝いを「レファレンス・サービス」と言いますが、このサービスは 司書としての勉強と経験を積んでいないとなかなかできません。これも県立図書館の重要な窓口です。貸出しばかりでなく、このレファレンスも大幅に増加する 可能性があります。レファレンスは貸出しと違って1件当り時間がかかりますので、職員の質だけでなく量も必要です。これが市民図書館のサービスといっしょ くたになるとかえって非効率になる可能性があります。高知市民図書館にも司書を配置し、貸出しや日常の疑問にこたえるレファレンスは市民図書館で、より専 門的な貸出しとレファレンスは県立図書館でと役割分担し、それぞれ単独整備した方が、利用者にもわかりやすく現場の混乱もありません。

追手前小学校敷地への駐車場整備は問題だらけです

現在の県立図書館は利用者が高知市とその近郊の人に大変偏っています。公共交通は比較的便利な場所にありますが、駐車場がないことが大きな原因と考えら れます。高知県全体の人が利用できる県立図書館にするためには駐車場の整備が絶対必要です。これをしなければ、事実上、来るなと言っているのと同じです。

しかし、そのことが今回の構想では位置づけられていません。高知市民図書館としても、市町村合併により市域が広くなった今、一定の駐車場は求められます。

従って、追手前小学校敷地には高知市民図書館本館を県立と合築せずに整備して、市民図書館としての駐車場も含め、その必要な機能を果たせるようにすべきで す。両図書館をいっしょくたに整備し、あわせて駐車場もというのは、この土地では無理があります。また、日曜市やよさこい祭りなどを考慮すると交通の混乱 も拡大します。

50 年、100 年先を見すえなければならない図書館整備としてはスケジュールが拙速に過ぎます

新県立図書館と新高知市民図書館の整備は、合築ありきで検討されるべきものではありません。基本的には単独整備が常識です。そうでなければ、すでに県立 図書館があった時代に、高知市民図書館が整備された意味がありません。これは、図書館というものは身近な地域にたくさん整備されるべきだという全国に影響 を与えた先駆的な考えにより行われたのです。それを転換するというのなら、体系だった理由が必要です。

平成26年度末の完成を急いでいるのは、市町村合併特例債の関係です。しかし、県立図書館までこれにひきづられ、50年、100年先に影響を与える選択を、

お尻に火がついたようにして行ってよいのでしょうか? 県立図書館はもっとじっくり考えるべきです。お金が足りなければ、国にも訴えるべきです。県立図書 館も満足に整備できない国なんて恥ずかしいと思いませんか?

県立図書館も高知市民図書館も単独整備の方が進化できます!

全面広告にあげられている「図書館の進化」は大いに行うべきです。しかし、これは合築でなくてもできることばかりです。むしろ、これ だけのサービスを行うとすると、合築ではスペースが足りなさ過ぎます。

情報拠点になるためにはもっとたくさんのデータベースが必要です。すると、閲覧用の端末も多数置かなければなりません。

サラリーマンの課題解決にこたえられるレベルのレファレンスには大量の資料と専用カウンターが必要です。これもスペースを取ります。もちろん専門的な司 書も配置しなければなりません。彼らの事務室も必要です。

誰もが利用しやすい図書館にするためには、本を高いところに置かず、本だなと本だなの間もゆったり取る必要があります。ますますスペースが必要になりま す。

市町村を支援するためには、たくさんの本をストックするスペースが必要です。

資料保存センターになるためには、大きな書庫と貴重なものを入れる特別書庫が必要です。貴重なものは通常の本よりスペースが必要です。(貴重な和装本は 箱などに入れて横に置く必要があります。)

生涯学習を支援するためには、最低でも大学等の通信教育に対応できる必要があります。そのためには、レポート作成のための専門的雑誌をそろえる必要があ りますが、現在の県立図書館は極めて貧弱です。専門的雑誌を増やすと、そのために必要な書庫が大幅に増えます。

科学館は図書館のおまけではありません!

高知県は寺田寅彦氏や牧野富太郎氏のような優れた学者を出しているにも関わらず、総じて、科学は低迷していると言われていま す。これを振興するためには、図書館のおまけのように科学館をつくっても効果がありません。科学館も博物館の一種で専門の学芸

員が必要です。もっと根本的にしっかり検討する必要があります。また、上に述べたようにただでさえスペースが不足がちなのにこんなに拙速に考えてよいので しょうか?

将来の高知県の知的レベルに関わる大問題です。意見をどんどん出しましょう!

県の意見送付先 〒780-0850 高知県教育委員会生涯学習課 (電子メール)[email protected]

高知の図書館を考える県民の会(作成)

〒780-0821 高知市桜井町 1-11-26 濱田方 http://blog.ap.teacup.com/kochinotoshokan/

参照

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