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令和元年度(平成31年度)学内研究助成金 研究報告書

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Academic year: 2022

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(1)令和元年度(平成 31 年度)学内研究助成金 研究報告書. 研. 究. 種. ■奨励研究助成金. □研究成果刊行助成金. □21 世紀研究開発奨励金 (共同研究助成金). □21 世紀教育開発奨励金 (教育推進研究助成金). 目. 研 究 課 題 名. 次世代型 眼局所徐放性抗菌剤の開発をめざして:貼付型ナノ眼瞼適用 製剤の作成と涙液中薬物挙動の評価. 研究者所属・氏名. 研究代表者:薬学部・長井 共同研究者:. 紀章. 1.研究目的・内容 眼感染症治療には点眼薬や眼軟膏が用いられるが、マイボーム腺での感染治療には十分ではないことや、 使用時の煩雑性に起因するコンプライアンスの低下により、耐性菌出現が問題視されている。一方近年、申請 者は薬物粒子径を約 100 nm にすることで薬物皮膚透過性が高まることを見出した。これら成果を背景に、マイ ボーム腺、角膜結膜への持続的な薬物供給システムの確立を目指し、「ナノ結晶を用いた貼付型眼瞼透過性 製剤“貼る目薬”」の開発を行う。 2.研究経過及び成果 (1) 貼付型眼瞼透過性製剤の開発 薬物(レボフロキサシンやレバミピド)にシクロデキストリン、メチルセルロース、界面活性剤(ソデ ィウムドキュセートなど) 、マンニトール及びベンザルコニウム塩化物を添加剤として用い、湿式ビーズミ ル法により破砕を行うことで、約 100 nm の粒子径を有するナノ結晶分散液の調製方法を確立した。さらに、 これら薬物ナノ結晶を水溶性ゲル基剤カルボキシビニルポリマー(カーボポール)にてゲル化することで、 皮膚傷害性の少ない薬物ナノ結晶含有塗布型貼付型眼瞼透過性製剤が作製できた。一方、溶解度をはじめ とした薬物特性から、レボフロキサシンに比べレバミピド製剤の方が高い安定性を示した。 (2) 貼付型眼瞼透過性製剤からの薬物放出性評価 塗布型眼瞼透過性製剤の皮膚透過性を確認するうえでゲルからの薬物放出量を検討することは重要であ る。そこでまず、より安定性の高かったレバミピドを検討薬物として選択し、家兎眼瞼皮膚を設置したフ ランツ型拡散セルを用い、眼瞼適用ゲルパッチからの薬物放出性を評価した。その結果、ナノ粒子含有製 剤では、薬物がゲル中からナノ粒子状態を維持したまま放出していることが確認できた。 (3) 薬 物 ナ ノ 結 晶 含 有 製 剤 の 涙 液 移 行 機 構 の 解 明 先に用いたレバミピドナ ノ 結 晶 眼 瞼 塗 布 製 剤 を 家兎眼瞼への適 用 後 、 薬 物 が 涙液中へ移行するかど うかを検討したところ、涙液中にてレバミピドの検出が認められた。また、適用 24 時間後においても涙液 中への薬物放出が確認できた。さらに、眼瞼中に存在するマイボーム腺に着目し、in vivo 系にて家兎眼瞼 への薬物適用後のマイボーム腺からの分泌液 マイバム中薬物濃度を測定したところ、涙液中に移行してい た薬物の大部分が、マイバムを介していることを明らかとした。 (4) 薬 物 ナ ノ 結 晶 含 有 製 剤 の 薬 効 評 価 ナノ結晶製剤の涙液中での薬効を評価すべく、調製に成功したレバミピドナノ結晶眼瞼塗布 製剤をドライアイモデルは角膜への酢酸処理により誘発させた家兎ドライアイモデルへ適用し た際の治癒促進効果を検討した。その結果、眼瞼製剤未処理時では、モデル作成 5 日後におい ても眼表面におけるムチン量の減少と開眼によるドライアイスポットが確認されたが、眼瞼適 用製剤処理により、ムチン量の分泌が促進し、ドライアイスポットも消失していた。 (5)結論 上記の研究成果により、今回作成したレバミピド眼瞼塗布型製剤は、ナノ結晶として薬物を持続的に放 出するとともに、眼瞼表面から侵入した薬物はマイボーム腺に移行し、マイバムとして眼表面に排出され ることで、涙液に移行することを見出した。さらに、これら涙液中に放出された薬物は、角膜や結膜に取 り込まれ治療効果を示すことを明らかとした。.

(2) 3.本研究と関連した今後の研究計画 本研究では、製造に成功したドライアイ治療薬レバミピドを用い、ナノ結晶の眼瞼への塗布に よる局所的な薬物供給の有用性を示すなど、本剤形が点眼に変わる持続的な薬物供給システムに なりうることを見出した。今後は、抗菌作用を有するレボフロキサシンを本剤形に適用し、貼付 剤としての処方設計を確立するとともに、感染性眼疾患の治療薬開発に向けても検討していく予 定である。以下に今後の研究計画を示す。 ・抗菌薬含有ナノ結晶眼瞼製剤の眼内薬物動態及び薬効の測定 家兎角膜を用いたナノ結晶眼瞼製剤のマイボーム腺及び角結膜への薬物到達量の評価 ナノ結晶眼瞼製剤が角膜上皮に与える影響(角膜上皮傷害性評価) ナノ結晶眼瞼製剤から放出されたレボフロキサシンの抗菌作用の解明. 4.成果の発表等 発. 表. 機. 関. 名. 種類(著書・雑誌・口頭). 発表年月日(予定を含む). Pharmaceutics. 雑誌. 2020 年 2 月 1 日. 第 69 回 日本薬学会関西支部総会・大会. 口頭. 2019 年 10 月 12 日. 第 69 回 日本薬学会関西支部総会・大会. ポスター. 2019 年 10 月 12 日.

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