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令和元年度(平成31年度)学内研究助成金 研究報告書

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Academic year: 2022

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(1)令和元年度(平成 31 年度)学内研究助成金 研究報告書. 研. 究. 種. ■奨励研究助成金. □研究成果刊行助成金. □21 世紀研究開発奨励金 (共同研究助成金). □21 世紀教育開発奨励金 (教育推進研究助成金). 目. 研 究 課 題 名. ⿊潮流域に位置する和歌⼭県串本町の浅海性⿂類相. 研究者所属・氏名. 研究代表者: 農学部 共同研究者:. 環境管理学科. 助教. 松沼瑞樹. 1.研究目的・内容 世界の主要な暖流である黒潮は、日本とその周辺海域の魚類相の形成に大きな影響を与えてい ると考えられる。和歌山県・紀伊半島の沖合には黒潮が接岸するが、同海域の魚類相は体系的に 調査されていなかった。そこで、和歌山県串本町沿岸に設置された定置網で漁獲される魚類を中 心に、同海域に出現する魚類の定期的な調査を行った。本研究で得られた魚類の分布情報は南日 本の浅海性魚類相の成り立ちを理解する上で、基礎的な知見となることが期待される。 2.研究経過及び成果 魚類の採集調査は、2019 年 4 月から 2020 年 3 月までの期間に、可能な限り毎月最低 1 回の頻 度で計 17 回実施した。採集方法は、串本町串本漁港で水揚げされる定置網で漁獲した魚類を、毎 回の調査で、可能な限り 1 種につき最低 1 個体を採集した。ただし、商業的に価値のある魚類は、 購入するしか採集方法がないため今回の調査では採集できていない場合が多く、今後の課題であ る。定置網は通年操業しており、毎月の調査でその漁獲物を調査することができた。また、串本 町沿岸ではエビ刺し網が秋~冬季に操業されており、10 月と 11 月の調査ではエビ刺し網で漁獲 される魚類も採集することができた。さらに、地元漁業者等の協力で深海釣りなどで漁獲された 魚類も収集することができた。 調査の結果、107 科 271 種の魚類が確認された。これらのうち、確認された種数が最も多かっ た科はハゼ科(27 種、10%)で、次いでアジ科(13 種、5%)、テンジクダイ科(10 種、4%) 、 フグ科(9 種、3%) 、ベラ科・フサカサゴ科・ヒメジ科・スズメダイ科(7 種、3%)が多く確認 された。このような傾向は、和歌山県以外の地域の沿岸性魚類相(例えば鹿児島県)とよく一致 している。しかし、本研究の調査では上述のとおり特に商業種の記録が抜け落ちているため、紀 伊半島沿岸の魚類相の特性やほかの地域の魚類相との関係を検証するには今後の継続した調査が 必要である。 本研究の調査の過程で、テンジクダイ科やハタ科、ヒウチダイ科など複数の分類群で分布の北 限を更新する記録や国内から初めての記録となる可能性のある標本が得られた。これらの例は、 串本町沿岸の魚類相を特徴づけるものと考えられる。 本調査では 2348 個体の魚類が採集され、それらのすべてが近畿大学農学部の自然史標本コレ クションに登録された。これらの標本は、今回のような魚類相調査の直接的な証拠となるほか、 教育活動や学生・教員・学外の研究者が魚類標本を用いて行う研究(分類学等)に活用されるこ とが期待される。.

(2) 3.本研究と関連した今後の研究計画 地域の魚類相を明らかにするためには、継続した調査が必要不可欠であるため、今後も毎月 1 回の頻度で、同様の調査を行う予定である。また、和歌山県内の博物館など学外の研究機関・研 究者とも連携した調査を実施したいと考えている。さらに、近畿大学農学部や学外の研究機関に 所蔵されている和歌山県産の魚類標本や過去の文献記録、レジャーダイバーが撮影した生態写真 など採集調査以外の方法でも魚類の分布情報を収集していく必要があり、それにむけた研究体制 の構築が課題である。また、上述のとおり本研究の過程で分類学的に興味ある標本が採集された。 それらの研究も継続して行っていく予定である。. 4.成果の発表等 発. 表. 機. 関. 名. 種類(著書・雑誌・口頭). 発表年月日(予定を含む). 日本生物地理学会会報. 雑誌. 2020 年 11 月. 鹿児島県自然環境保全協会. 雑誌. 2020 年 6 月 8 日.

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