平成 23 年度 学内研究助成金 研究報告書
研 究 種 目
□奨 励 研 究 助 成 金 □研究成果刊行助成金
21世紀研究開発奨励金 (共同研究助成金)
□21世紀教育開発奨励金 (教育推進研究助成金)
研 究 課 題 名
PET、MRI を用いた画像統合解析による変性性認知症の病態解明ならび早期診断法の開発
研究者所属・氏名
研究代表者:医学部放射線医学教室・石井一成
共同研究者:医学部放射線医学教室・村上卓道、医学部内科学教室・楠 進、
三井良之、医学部精神神経科学教室・白川治、切目栄司、花田 一志
1.研究目的・内容
アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などの変性性認知症患者、健常高齢 者に 3 次元 MRI 検査、FDG-PET による糖代謝画像、11C-PIB によるアミロイドイメージングを行い、
得られた画像を統合的に解析し、それぞれの疾患の病態を探り、その結果を各疾患の早期診断可 能な画像統合診断法を開発する。
2.研究経過及び成果
3年計画の初年度 中間報告。
当大学病院において11C-PIB-PET によるアミロイドイメージングを実施できる体制を構築した。
MRI, FDG-PET, 11C-PIB をアルツハイマー病 18 例、レビー小体型認知症 5 例、早期アルツハイマ ー病疑い 3 例、前頭側頭葉変性症 2 例、正常 4 例に実施した。
アルツハイマー病 18 例全例において FDG-PET では頭頂側頭連合野、後部帯状回の糖代謝低下がみ られ、従来報告されているアルツハイマー病代謝低下パターンを呈していた。PIB-PET によるア ミロイドイメージングでは 17 例がアミロイド沈着陽性であったが、1 例においてアミロイド沈着 陰性であった。この症例が真にアルツハイマー病であるか否か今後の経過観察が必要である。
早期アルツハイマー病疑い 3 例においては FDG-PET にて全例で頭頂側頭連合野、後部帯状回の糖 代謝低下がみられ、アルツハイマー病パターンを呈していた。PiB-PET では 1 例はアミロイド沈 着陽性、1 例は陰性〜沈着疑いのあいまいな所見、1 例は陰性であった。
症例数は少ないがレビー小体型認知症 5 例による検討では脳ブドウ糖代謝はアルツハイマー病と 同様に頭頂側頭連合野、後部帯状回で低下がみられ、鑑別点として後頭葉の糖代謝低下が従来の 報告通りみられた。しかしアミロイド沈着は1例のみにみられただけであった。このことよりレ ビー小体型認知症における頭頂側頭連合野、後部帯状回の糖代謝低下はアルツハイマー病とは違 い、アミロイド沈着による神経細胞障害ではなく他の原因で引き起こされていることが考えられ た。
今年度、来年度引き続き症例を蓄積し、当初の計画通り認知症の病態解析を実施する予定である。
近畿大学
課題番号:KD13
3.本研究と関連した今後の研究計画
残り2年で目標症例件数を得て論文作成を計画。
4.成果の発表等
発 表 機 関 名 種類(著書・雑誌・口頭) 発表年月日(予定を含む) 第45回日本核医学会近畿地方会 口頭発表 平成24年7月28日予定