Title
ハウス栽培パッションフルーツの栽培技術開発 第4報.
紫系統パッションフルーツの結果に及ぼす花粉発芽およ
び花柱内での花粉管伸長の影響
Author(s)
松田, 昇; 島袋, 清香; 松村, まさと; 長堂, 嘉孝
Citation
沖縄農業, 43(1): 3-9
Issue Date
2009-08
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/4702
Rights
沖縄農業研究会
第4報.紫系統パ ッションフルーツの結果に及ぼす花粉発芽および 花柱内での花粉管伸長の影響
松 田 昇 l)・島 袋 清 香2)・松 村 まさと2)・長 堂 嘉 孝3)
(1)沖縄県農業研究センター, 2)沖縄県農業研究センター名護支所, 3)沖縄県農林水産部園芸振興課)
NoboruMATSUDA,SayakaSHIMABUKU,MasatoMATSUMURA,YoshitakaNAGADO: Developmentoftechniquesforcultivationgpassionfruitingreenhouse.
4.Effectofpollengerminationandpollentubegrowthonfruitsetinpurple passionfruit(Passiflora edulisSims)styles.
要 約 沖縄県で栽培されている紫系統パ ッションフ ルーツの結果不安定の要因を解明するため,花 粉発芽, 自家受粉および他家受粉 における花柱 内での花粉管伸長を調査 した. 1.花粉発芽率 と結果率の間には明確な関係は み られなかった. 2.晴天 日の自家受粉の花粉管は,受粉5時間 後で花柱基部まで達 し,曇雨天 日の花粉管 は,柱頭内で停滞 した. 3.曇雨天 日に他家受粉 を行 うと,花粉管は受 粉5時間後で花柱基部まで達することがわ かった.また,結果率が高 く,種子が多 く 含 まれていた. これ らのことか ら,県内で栽培されている紫 系統は,曇雨天日に自家受粉の花粉管伸長が抑 制されるため,結実率が低下するが,他家受粉 を行 うことによって結果率が高 くなることが明 らかになった. Abstract
Tofindthecauseofunstablefruitingof purplepassionfiuitscultivatedinOkinawa
Prefecture,Japan,pollen tube growth in style during pollen germination and self -andcross-pollinationwasstudied.
1,Noclearrelationship between pollen germination rateand fruitpercentage WasSeen.
2.Thepollen tubewasfわund toreach thestylebasein5hoursafterpollina -tion when self-pollinated on a sunny day,and,onacloudyorralnyday,the pollentuberemainedinthestyle. 3.When cross-pollinated on a cloudy,
ralnyday,thepollentubewasfわundto reach thestylebasein 5hoursafter po11ination.In addition,thefruitper -centagewashighwithalargenumber ofseeds.
From these,itwasdiscovered that,al -though thefruitpercentageofthepurple passion fruitlowers,asthecloudy,rainy weatherinhibitsthepollentubegrowthin self-pollination, the fruit percentage i n-creasesbycross-pollinating.
4 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009) 緒 言 沖縄県の紫系統パ ッシ ョンフルーツは,施設 下 において無電照 と電照栽培の組み合わせ によ り,周年供給が可能 となっているが,受粉 日に よって結果率の低下がみ られ収量が安定 しない. 紫系統パ ッシ ョンフルーツは 自家和合性のた め 自花 の花粉 で結果 し (Bose, 1990;N.Y. Nakasone, 1998), 露地栽 培では, 雨等 の気 象条件の影響を受けやすい.結果率の低下は, 開花 日の 日照時間が30分以下であること (竹内, 2004)や雨 による花粉の破裂 (石畑,1984)が 原因であると報告 されている. 沖縄県 においては,施設の導入 によ り開花期 が ビニール被覆下で,花粉が雨 に接触 しないに もかかわ らず,曇雨天 日に結果率が低下 し (松 田 ら,2005),その要因は明 らかでない. そ こで,本試験では,結果率の低下要因を明 らかにするため,花粉発芽, 自家受粉および他 家受粉が結果 に及ぼす影響を検討 したので報告 する. 材料及び方法 沖縄県農業研究セ ンター名護支所内の無加温 ビニールハ ウス (ハ ウス外壁 を周年 に渡 り1 mmネ ッ トで被覆) において実施 した.整枝法 はつ り下げ型垣根整枝法 (畦幅1m×株間 3m x高さ1.6m)とした. 試験1.花粉発芽率が結果 に及ぼす影響 2003年 10月 に定植 した紫 系統 を供試 した. 2004年 3月17日か ら4月13日まで,花粉発芽の 日別変動を調査 した.花粉は 日別 に開花直後の 接触型の5花か ら採取 し,発芽率 を調査 した. 花粉の発芽試験は石畑 (石畑,1983) の方法に 準 じた.採取 した花粉は花粉発芽培地 に花か ら 採取 した柱頭の圧搾汁を塗布 し,散在散布によっ て置床 した.置床後,25℃の恒温器 に24時間静 置 し, 酢酸 カー ミ ンで染色 し,1.5mmX1.5 mm視野中の花粉数 と発芽花粉 を調査 した.発 芽率は花粉管が花粉の直径以上に伸長 したもの をカウン トした. また,花粉 を採取 した花 に新 たに5花 を追加 し,各調査 日10花ずつに筆で人 工受粉 を行 い結果率を調査 した.ハ ウス内の気 温は最高が30℃以上にな らないよう側窓 を開け 調整 した.その他 の管理は県の栽培指針 に準 じ た.ハウス内の温度はおんどとりJr(CTD-TR -515T&D製)で測定 した. 試験
2.
異なる気象条件 日の 自家受粉が花粉管 伸長 と結果 に及ぼす影響 2003年10月に定植 した紫系統 を供試 した.試 験は2005年 4月28日と 5月14日に行 った.受粉 に供試 した花は開花前 日に除雄 ・袋かけを行 い 自然交雑 を防止 した上で,翌 日の開荷確認後, 花粉 を3個の柱頭 に人工受粉 し,再び袋かけを 行 った.調査は花粉管 の伸長 を観察す るため, 受粉 1,3,5,7時間後 に受粉 した 5花ずつか ら,1花 当た り3本ある花柱のうち 1本の花柱 だけを子房直上で切 り取 り,F
A
A液 で固定 し た.固定後,流水中で1時間水洗 いし, メスで 花柱の柱頭か ら基部 まで中心か ら表皮を数カ所 切 開 し, 8N NaOH に12時間浸 して軟化 させ た.その後流水で1時間水洗 い し,0.1%アニ リンブルーで24時間染色 した. この花柱 をス ラ イ ドグラスにのせカバーグ ラスで押 しつぶ し, 蛍光顕微鏡下でマイクロメーターを用 いて伸長 した数本の花粉管の長 さを測定 した.結果は各 受粉 日とも柱頭 を切 り取 った20花を対象 に,受 粉10日後 に調査 した.果実特性は袋 に落下 した 果実 を調査 した.ハウス内の温度はおんどとり Jrで測定 した. 日照時間,降水量および相対湿 度は名護市のアメダス測定値 を用 いた.試験3.曇雨天 日の他家受粉が花粉管伸長 と結 果 に及ぼす影響 2005年9月に定植 した紫系統 を用 い,2005年 11月に電照 を開始 し,2006年1月19日に開花 し た花 を供試 した花粉 は 自家不和合性 を示す赤系 花粉 と紫系統 の 自家花粉 を用 いた.方法は試験 2と同様 に行 った. 開花前 日に除雄 ・袋かけを 行 い 自然交雑 を防止 した上で, 開花 当 日に花粉 親の花粉 をそれぞれ接触型の30花 に人工受粉 し, 再び袋か けを行 い受粉10日後 に結果率 を調査 し た.果実特性 は袋 に落下 した果実 を調査 した. ハ ウス内の温度はおん どと りJrで測定 し, 日照 時間 と降水量は名護市 のアメダス測定値 を用 い た. 結 果 試験1.花粉発芽率が結果 に及ぼす影響 花粉発芽率 と結果率 の推移 を図1,関係 を図 2に示 した. 結果率 は 日によって0%か ら100%と大 きな ば らつ きがみ られた.3月17日,21日は100%, 26日は60%であったが,18日か ら19日および22 日か ら23日は 0%で あった. 花粉発芽率 は,0 %か ら47%とば らつ きがみ られた.3月21か ら 28日にかけては30%か ら40%で推移 し,3月27 日が47%と最 も高か った.3月29日,31日は0 %であった.花粉発芽率 と結果率 の関係 をみ る と,一定 の傾 向が認め られなか った. ハ ウス内の最高温度および最低温度 の推移 を 図3に示 した.試験期間中の最低温度は,4月 6日の11.4℃,最高温度 は3月24日の35.7℃ で あった. D 結 果率(%) -●トー発芽率(㌔) 3/17 3/19 3/21 3/23 3/25 3/27 3′29 3/31 -1′2 4/4 4′64/8 4′10 図1.花粉発芽率と結果率の推移. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ( k
●●
-
●
●
●●
●
10 20 30 花粉発芽率(%) 図2.花粉発芽と結果の関係.●
=拭 40 50 一一●-t
高温度+
JL低温座 州♪
◆
● ● ● ● ●●●●● ●●
●
●
●
●
●
●
●
㌔
㌔
㌔ ㌔ ㌔ ♂ ㌔ ㌔ ㌔ ㌔ ㌔ ㌔㌔
図3.ハウス内温度の推移. 試験2.
異な る気象条件 日の 自家受粉が花粉管 伸長 と結果 に及ぼす影響 4月28日と 5月14日の 自家受粉 した花柱 内で の花粉管伸長 を図4,5に示 した. 柱頭 か ら花 柱 基 部 まで の距 離 は, 4月28日で 11.2±0.42 mm, 5月14日で 13.6±0.35mmで あ った.4 月28日の花粉管 は受粉1時間後 には発芽 し,受 粉3
時間後 には花柱 中部 まで伸長 し,受粉5
時 間後 に花柱基部 まで達 した.一方,5月14日は6 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009) 受粉1時間後 に発芽 しているものの,受粉 5時 間後か ら7時間後 にお いて も花柱上部 にとどま り伸長が認め られなか った. 結果 率 につ いて表 1,果実特性 につ いて表2 に示 した. 結果 率 は4月28日で100%,5月14 日は25%であった.果実特性は 4月28日受粉区 にお いて大 き く,種子数が多か った. 気象概況 を表3,ハ ウス内温度 の推移 を図6 0 8 6 4 2 0 ( ∈ ∈ )仙 崎 2 0 8 6 4 2 0 (∈ ∈ )仙 蛸 ( 3 . ) 世 相 40 35 30 25 20 15 10 5 0 i 0 1 3 5 7 受粉後時間(hr) 図4.花粉管伸長の推移 (4月28日). 部 塞 柱 花 1 3 受粉後時間(hr) 5 7 図5.花粉管伸長の推移 (5月14日) ♂ ♂
b
P ♂♂
㌔ ㌔89㌔
㌔ ㌔ ㌔ 時刻 図6.ハウス内温度の推移. に示 した.4月28日は 日照時間が11.9hr,降水 量0mm と晴 れ で あ った. ハ ウス 内温 度 は, 8:00頃か ら急激 に上昇 し,14:00頃 に最高温 度34.3℃ に達 し,その後22:00頃までに20℃ ま で低下 した.5月14日は 日照時間が Ohr,降水 量6.5mmと曇 り一時雨 で あ った. ハ ウス 内温 度 の変化があま りみ られず,19℃か ら21℃ の間 で推移 した. 表 1. 4月28日と5月14日の結果率. 受粉日 受粉花数 結果数 結果率(%) 4/28 20 20 100 5/14 20 5 250 表2.果実特性. 受粉日 果実 重(d 長径(mm) 短 径(mm) 種 子 数 4/28 1096±72 749±49 614±15 2484±213 5/14 425±29 561:±22 492:±150
注 ±はSTD 表3.受粉日の気象概況. 受粉日 日照時間 降水量 相対湿度 (hr) (mm) (%) 4/28 119 00 71 5/14 65 87 注 アメダス名護観測地データー試験3.曇天時の他家受粉が花粉管伸長 と結果 に及ぼす影響 花粉管 の伸長 を図 7に示 した.柱頭か ら花柱 基部 まで の距離 は,14.7±0.4mmで あった. 花粉管 の顕微鏡下 の観察では,紫系統 の 自家受 粉 の花粉管は1- 2本が,受粉 1時間後で発芽 し,受粉3時間後 まで急激 に伸長 し,花柱長 の 1/2程度で停止 した.一方,赤系の他家受粉 の 花粉管は受粉5時間後 まで急激な伸長 を示 し, 多 くの花粉管が花柱基部 まで到達 した. 結果率 を表4に示 した.紫系の 自家受粉で 0 0 1 3 5 受粉後 時間(hr) 図7.花粉管伸長の推移 (1月19日) 5 0 (o o ) 世 鯛 ♂ ♂ ㌔ ㌔ ♂ ㌔ ㌔ ㌔ ㌔ ㌔ ㌔ ㌔ 時間 図8.ハウス内温度の推移. 考 察 パ ッシ ョンフルーツは, 自家不和合性 の黄系 と 自家 和 合 性 の紫 系 が あ る (Akamine and Girolame,1959;Bose,1990).黄系は,他家 受粉で結果 し,紫系統 は 自家 の花粉 を受粉す る と結果す る (石畑,1981)が,雨天時は花粉が %,赤 系の他家受粉 で100%を示 し,他家受粉 の結果率が高か った. 果実特性 について表5に示 した.他家受粉で 結果 した果実特性は正常果実であった. 気象概況 を表 6,ハ ウス内の温度推移 を図 8 に示 した.1月19日は午前中が雨模様で,午後 は曇 り ・晴れであった.ハ ウス内温度 は8:00 以後急激 に上昇 し,13:00に最高温度30℃ を示 した.13:00以後は緩やかに低下 したが,20℃ 以上で推移 した. 日照時間は5.7時 間, 降水量 は2mmであった. 表4.花粉親と結果の関係. 花粉親 受粉花数 結果数 結果率(%) 自家受粉 30 0 0 赤系 30 30 100 有意性 ** ** 注)**は1%水準で有意差あり(Tukey) 表5.花粉親と結実の関係. 花粉親 果実重(d 長径(m ) 短径(mm) 種子数 自家花粉 赤系 1125±93 764±36 696±24 2543±175 表6.気象概 況. 受粉日 降水量 (mm) 日照 時間 天 気概 況 (hr) 午前 午後 1月19日 2 57 雨 曇 り・晴れ 水 に接触 す る と破裂 し, 発 芽せず 結果 しな い (Akamineら,1959;石畑,1984). 沖縄県 の紫系統パ ッシ ョンフルーツの結果率 の低下 は, 開花期が ビニール被覆下 にあ り,花 粉が水 に直接ふれない ことか ら,花粉 の破裂 に よるものでない と推察 され る.
8 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009) そ こで,結果率低下 の原 因を花粉発芽,花粉 管伸長 の観点か ら調査 した. 紫系パ ッシ ョンフルーツの花粉発芽は,温度 の影響 を受 ける.花粉発芽 は柱頭圧搾汁添加培 地 で最 高 45.1%の発芽率 が認 め られ, 発芽適 温は,25℃か ら30℃であ り15℃以下ではほとん ど発芽せず,35℃ではわずか に発芽が認め られ る (石畑,1983). 本試験では,花粉発芽率は 0%か ら47.3%と ば らつきがあったが,平均発芽率で31.5%と既 報 に近 くなった. ハ ウス内の最高温度 は21.3℃か ら35℃,最低 温度が11.4℃か ら18.5℃で推移 した. また, 日 中の 7:00か ら19:00 (開花前か ら受粉終 了後 5時間) の平均温度 は,20℃以上で推移 して い る ことか ら,既報 の花粉発芽 の不適温度ではな かった と考 え られた.本試験では,花粉発芽率 の 日別変動 のみ を明 らか に し,発芽 力の原 因 と なる花粉稔性 と発芽率 との関係 の詳細な調査 を 実施 してないため,花粉発芽 のば らつきの原 因 は明 らかでない.今後,詳細な調査が必要であ ろ う. 花粉発芽率 と結果率の関係は,発芽率22.9% 以下で結果せず,27.8%以上で結果が認め られ る傾 向にあったが,発芽率が高 くて も結果率0 %の 日がみ られ 両者 に有意な相関は認め られ なか った. この ことか ら,沖縄県 の紫系統パ ッシ ョンフ ルーツの結果率低下 の要 因は,花粉発芽 に由来 す るものでな く,他 の要 因が影響 しているもの と考 え られた. 紫系統パ ッシ ョンフルーツの花粉管 は,受粉 後1時間で乳頭状の組織 に伸長 し,3時間後 に 花柱溝 内,6時間後 に子房 内へ侵入 し, 18時間 か ら24時 間後 には 受 精 が 終 了す る (Ho and Shii,1986;石畑,1987). 本試験 にお いて,4月28日の 自家受粉 の花粉 管 は,受粉1時間後 に花柱内へ伸長 し,受粉 5 時間後 に花柱基部 まで到達 している ことか ら, 既報告 と同様 の伸長 を示 し,紫系統パ ッシ ョン フルーツでは 自家受粉 によ り,受粉後5時間以 上で花柱基部 を通過す るもの と考 え られた. 一方, 5月14日は,4月28日と同様 に受粉 1 時間後 に花柱 内へ伸長す るが,受粉5時間後で も伸長せず,柱頭 内で停止 した. 結果率は 4月28日で高 く,5月14日で低下 し, 後者 の果実長径,短径が小 さく種子形成が認め られない ことか ら,受精 してない ことが明 らか であった. 気象条件 とパ ッシ ョンフルーツの花粉管伸長 の関係 につ いては報告がな い. 本試験 で4月 28日は最高温度が34.2℃ と高 く終 日晴れ,5月 14日は最高温度21.8℃,最低温度 19℃ と比較的 低 い温度で推移 し,日照時間が少な く, ときお り雨が降 り,両者間にに大きな違 いがみ られた. この ことか ら,受粉日の気象条件が変化す る ことによって花柱 内に花粉管伸長 を阻害す るよ うな生理的な変化が生 じているもの と考 え られ た. パ ッシ ョンフルーツは, 自家不和合性, 自家 和合性 に分類 され 自家和合性 の花粉管は,受 粉1時間で柱頭組織 に侵入 し,24時間後 に受精 す る.一方, 自家不和合性 の花粉管 は,柱頭お よび花柱 の上部で停止 し,受精 しないか或 いは 極端 に少な い(Hoand Shii, 1986;Regoet
al,2000). 本試験 において,紫系統パ ッシ ョンフルーツ に対 し, 自家不和合性 を示す赤系の花粉 を他家 受粉す ると,花粉管 は受粉1時間後 に発芽が認 め られ,受粉5時間後か ら 7時間後で花柱基部 まで 達 した. この 結 果 は , 鹿 児 島県 と台 湾 (Hoand Shii,1986;石畑 , 1987) の紫 系統
の 自家受粉 における花粉管伸長 の報告 とはぼ一 致 し, 1月19日の気象条件下 において,他家受 粉 によ り正常な花粉管 の伸長が行われた もの と 考 え られた. 一方, 自家受粉では,花粉管が受粉1時間後 に発芽 し,受粉3時間後 までは赤系の花粉菅 と 同様な伸長 を示 したが,花柱 中部で停止 して い る ことか ら,1月19日の気象条件下 において, 自家受粉で弱 い 自家不和合性が認め らられた. 結果率は 自家受粉で低下す る 日で も,赤系の花 粉 を他家受粉す る ことによって高 くな り, 自家 不和合性 を示すパ ッシ ョンフルーツは,交雑和 合性 の他家受粉 によって結果率が高 くなるとい う報告 (AkamineandGirolame (1959)) と 一致 した. 以上の ことか ら,沖縄県で栽培 されて いる紫 系統パ ッシ ョンフルーツは,開花期 の気象条件 によって 自家花粉 の花粉管伸長 に差があ り,花 粉管 の伸長程度が結果率 に影響 して いる ことが 明 らか になった. また,曇雨天 日に他家受粉で 結果率が高 まる ことか ら,安定結果 の有効 な手 段であるため,花粉親 を検討す る必要がある と 考 え られ る. 謝 辞 本研究 は農林水産省高度化事業 において実施 した.試験 を行 うに当た り,貴重なご助言 をい ただいた琉球大学農学部安谷屋信一教授 に厚 く お礼 申し上げ ます. また,試験 にご協力いただ いた沖縄県農業研究セ ンター名護支所熱帯果樹 担 当の職員 に深 く感謝致 します. 引用文献
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