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ユウガオ花粉を用いたスイカの単為結実に関する研究

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Academic year: 2021

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北海 道大学 大学 院農学院 修士論文発 表会, 2020210

ユウガオ花粉を用いたスイカの単為結実に関する研究

生物資源科学専攻 作物生産生物講座 園芸学 鈴鹿明広

1.はじめに

スイカの雌花にユウガオ花粉を受粉すると単為結実が生じる。他の異属であるニガ ウリやトウガンなどの花粉を受粉しても単為結実は生じないことから、スイカとユウ ガオ花粉の間には単為結実を誘起する何か特異的な関係があると考えられる。これま でに異属花粉を利用したスイカの単為結実のメカニズムに関する研究報告はない。こ の単為結実現象のメカニズムを解明するために、異属花粉を受粉したスイカ子房の子 房径および細胞径の測定、花粉管動向の観察を行い、異属花粉の受粉によって 誘起さ れる形態的特徴について調査した。また

RNA-seq

を用いたトランスクリプトーム解 析を行い、異属花粉の受粉によって誘起される単為結実に関する遺伝子について調査 した。

2.方法

子房親にはスイカ品種‘富士光

TR’を用いた。花粉親にはスイカ品種‘富士光

TR’、ユウガオ品種‘かちどき 2

号’、ニガウリ品種‘太れいし’を用いた。実験区

は受粉処理区と無受粉区(対照区)を設けた。受粉処理区はスイ カ花粉区、ユウガオ 花粉区、ニガウリ花粉区を設けた。①子房径測定 受粉後

0~6

日まで

1

日おきに子房 径を測定した。②細胞径測定 胎座組織および果皮組織の細胞径を倒立型顕微鏡を用 いて測定した。③花粉管観察 アニリンブルー溶液で切片を染色し、倒立型蛍光顕微 鏡を用いて花粉管の観察を行った。④トランスクリプトーム解析.子房組織から

RNA

を抽出した後、

Illumina Hiseq 2500

によるシーケンシングを行って得られたリ ードカウント情報をもとに発現量解析を行った。

3.結果と考察

①スイカ花粉区およびユウガオ花粉区では子房の肥大が継続したが、ニガウリ花粉 区および無受粉区では受粉後

3

日以降は子房の肥大が生じず最終的に萎縮した。②ス イカ花粉区では受粉後

24

時間、ユウガオ花粉区では受粉後

60

時間に胎座組織の細胞 肥大が生じた。③すべての受粉処理区で花粉の発芽、花粉管の子房への伸長が見られ た。スイカ花粉区では受粉後早期での花粉管の子房への進入率が高く、他の受粉区よ りも花粉管の伸長スピードが速いことが示唆された。スイカ花粉区でのみ受粉後

48

時間以降で花粉管の胚珠への進入が見られ、受精がこのタイミングで起きていること が考えられた。④発現変動遺伝子解析では

6

つの植物ホルモンに関する遺伝子が発現 変動遺伝子として検出された。着果が起きるスイカ花粉区、ユウガオ花粉区ではエチ レン、オーキシンに関する遺伝子が制御されている可能性が示唆された。受粉処理に よってアブシジン酸、ジベレリン、サイトカイニンに関する遺伝子が制御されている 可能性が示唆された。異属花粉の受粉によって防御応答のシグナル伝達系が刺激さ れ、ジャスモン酸の応答が誘導されている可能性が示唆された。

参照

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