ブナおよびコナ ラ属樹種の開花、受粉、花粉の採集および
花粉の発芽 につ いて
(鳥取 大学農学部造林学研究室) 昭和49年9月10日受理
Flowering, POnination, P01len c01lectiOn and P01len
Germination in n昭
ク
s and Oι
ι
π彼, SpeCies
Hayato HASHlZUME
rDψ″物 ヶげsづ肋″9tlFJY胞,Faじ"J炒 9/Aμ々"J脇セ
,拘
ォ肪 丁L/″Jν盗げlll,l The flowering Of
Я2とps
οセ″ひrfl was lnvestigated in 1974 The flowerbuds started to flower during the periOd from late March tO early April, and during the first half Of late April the flowering proceeded to the stage of full
bloom The receptive period Of female aowers and the periOd Of pollen dis― persal seemed tO be 7-10 days The process of aowering in R θ
μ″αtt was divided into five stages The f10wering began MIhen the mean air temperature of 10 days rOse to 2°
c
2 The stigma of R ♂″σ″αチα had three branches and recurved at the receptive
til■e lt was k■ 0、vn that pollen grains adhere to the surface Of stigmas
3 1n nじ
セ″α″,the pollen grains having nOrmal germinative power cOuld becollected about 7 days befOre natural pollen dispersal by means of planting the branches with nower buds into water lt was knolva that Fl ttc,ι αtt prOduces
about 240 thousand pomen grains per inaorescence and about 900 thousand
po■en grains per flower bud
4 Regarding the shape of ЯeF2s and oltttc夕 s pOnen, the dry polen was gener―
ally oval but the swolen p01len was, for the most part, round The type of
打9遷ps and Q″ιπ″s p01len was the tricolporate pollen The order of the siτ e of
pollen grains was as followsi n″効,勉(46μ)〉
Q諺
″筋ra(37μ)■ o2・tοITFOι力αυar 即SS¢S卿
勉G7μ)〉os伽
碗 03μ)■Q,じ"ぬs肋,(32μ)5 The germination percentage of mature polle■ of Яαμιs and Q″珍κ′s waS mOre than 93 percent The pollen grains began to germinate rapidly after soMring and almOst aH the polen germinated after 24 hours Optil■ al conditions for
the artiicial germination of pollen were pH 6 5, 20% sucrOse,1% agar and 25°
C
On
「
じ7¢″αサα and Q ,ι″
'sstP/t, and pH 55,20% sucrose, 1% agar and 35°C on
Q d♂″αrrt,Q ttο″FO'打α と,″ F79dSワSO″ αjrr and Q αヮ″勉勉 人
隼
と 口 橋 鳥取大学農学部研究報告XXⅧ
1975
ブナお よび コナ ラ属樹種 の開花、受粉、花粉 の採集 および花粉の発芽 につ いて 我が国の林業 および林学の研 究 は主 として針葉樹 を中 心 に進 め られて きたが、近 年森林資源の減少、森林 に対 す る価値観 の変化、森林 の公益 的機能の重視 など情勢の 変化 によって広葉樹 が見直 され るよ うにな り、新 しい考 え方 にたって広葉樹 の活用 や施葉 の方法 が研究 され るよ うになって きた。 筆者 はこの よ うな情勢 か ら、まず ブナ をとりあげ、1973 年 にブナ林造成の基礎 資料 をえるために中国地方の ブナ 林の結実状況 を調査 したpその結果、種子 の稔性 は地区 標高、林分の状態 な どによって異 な り、 とくに優 占度の 低 い林分の種子 は シイナや虫害粒 が多い ことがわか った。 種子 の稔性 の問題 はブナ林のみ な らず広葉樹林造成上 重要 な問題で あ り、 その基礎 となる生殖生理上の二、三 の問題 につ いて研究 したので報告す る。本研究 に際 し、 試料の採集 につ いてご協 力いただいた,島取大学蒜 山演習 林福富章技官 に厚 くお礼 を申 し上 げる。本研究 は昭利49 年度文部省科学研究費 によつて行 なわれた もので ある。 付記 して感謝 の意 を表す る 材 料 と 方 法 ブナ :1974年 1月 下旬 か ら5月上旬の期 間に数 回岡山 県真庭郡川上村,亀取大学蒜 山演習林のブナ林(標高700m) か ら花芽の着生 した枝(直径2.5∼ 3 cm、 長 さ1.5∼
2m)
を切 りとり、室 内で水挿 しして開花状況 を観察す ると共 に花粉 を採集 した。 また時 々現地 にでかけて開花状況 を 観察 した。 さらに採集 した花粉 につ いて形態調査 と発芽 試験 を行 なった。 ナ ラ類:クヌギ、 コナ ラ、ミズナ ラ、 カシワを供試材 料 として、花粉の形態調査 と発芽試験 を行 なった。 クヌ ギの花粉 は5月 1日 に,島取市面影演習林で、 コナ ラの花 粉 は,島取 大学構 内の樹木園(4月30日採集)と蒜 山演習林 (5月30日採集)で、 ミズナ ラの花粉 は蒜 山演習林 (5月 17月採集)と大山(6月 1日 採集 )で 、 カンワの花粉は蒜 山演習林(5月23日と 5月30日に採集)でそれぞれ採集 し た。開花 中の雄花序 をもぎりり、紙の上 に広 げて乾燥 さ せ、花粉 を採集 した。 花粉の発芽試験:花粉の人工発芽の最適条件 を決定す るため に、蒸糖濃度、寒天濃度、pHおよび温 度 の影響 を調べた。培養基 として寒天発芽床 を用いた。 リン酸2 カリウムとクエ ン酸でpH 3∼ 8の緩衝 液 を調整 し(リ ン酸 2カ リウム1,794g/ゼ (約102M)と
クェ ン酸1.019g/?(約
5×10 aM)の
各水溶液 を混合す る)、 これ に 寒天 と廉糖 を別 えて加熟溶解後、直径2 cm、 高 さ4 cmの 管 びんに1.5mゼずっ流 し込 み(厚さ2∼3 mm)、 固 まっ てか ら花粉 を うす く一様 にまき付 けた。管 びんは コル ク 栓でふた を して恒温器 に入れ、明所で所定の温度で培養 した。発芽試験 は1サンプルにつ いて5回くり返 し、 そ の平均 をとった。 結 果 と 考 察1.ブ
ナの開花 ブナの葉芽 と花芽 は開花の前年の秋 にすで に肉眼 によ り区別で きる。花 芽は葉芽 に比べて著 しく月巴厚 して大 き い。 ブナの開花州犬況 は写真-1の
如 くで ある。花芽は3 月上旬頃 か らふ くらみ始 め、3月下旬 か ら4月上旬 には 芽鱗 の間か ら雄花 の花被 が見 えるよ うになる。花被 の表 面 には灰色∼灰褐色 の長 い毛 が密生 してお り、最初 この 毛 が外部 に現 われ る。4月 中旬 になると、 芽鱗 が一層 開 き、雄花序 の花榎 が伸長 して頭状 称花序 が外部 に現 わ れる。花榎 は一 層伸長 して2∼4 cmにな り、間 もな く下 垂す る。雄ず いは 、最初花被 で包 まれて保護 されてい る が、花梗 の伸長 に伴 って花糸 が伸長 して莉 が外部 に現 わ れる6そ して間 もな く花粉の飛散 が始 まる。花芽 には雄 花序のみ着生す るもの と雌雄両花序 を着生す るもの とが あった。 雌花序 は雄花序 よ りも上部 の葉腋 に着生す るので、外 部 に現 われる時期 が少 しな くれ る。雌花序 は4月中旬頃 芽の開缶 がかな り進 んで新葉 が展 開す る頃 には じめて認 め られ る。最初 は芽鱗で被 われているが、間もなく芽鱗 を破 って花序 が露 出す る。 その後 間 もな く総芭 が開 き柱 頭 が外部 に現 われ る。雌花序 は通常2個の雌花 よ りな り (しか し、3雌花 を有す る1個体 を筆者は発見 している) 総色で包 まれて い る。雌花は4裂した花被 と1子房 を有 し、花柱 は中ほ どか ら先 が三つ に分 かれて外方 に突 出 し ている。3裂した花柱 の先端部 は開花 の初期 には淡黄緑 色で閉 じてい るが、満 開期 には淡紅色 を帯 び、外方 に開 き柱頭 を形成す る。 満 開の時期 は1973年 が4月中旬、1974年 が4月下旬で 雌花の受容期 間は1週間か ら10日位 のよ うである。個 々 の本 の花粉飛散期 間は比較的短 く、数 日の よ うで あるが 、 林分の花粉飛散期 間は1週間か ら10日位の ようで ある。 5月 の初 めには花粉の飛散 が終 わ り、柱頭 は黒褐色 にな り、 しおれて不規則 に曲 る。 ブナの開花期 にブナ林 を遠 望す ると、写真-1の
16の如 く花芽が葉芽 よ りも早 く開 舒 を始 め るので、花の着生 している木 と着生 していない が人 隼 橋
礁
.
i
写真-1.
ブナの開花状況 (1974年)1:葉
芽(左)と花芽(右)(3月下旬)。2:花
芽がふ くらみ始 め る(3月下旬)。 3∼4:開
花開始期。雄花の花被 が外部 に現 われる(4月上∼中旬)。5:花
榎 が伸長 し、雄花序 が外部 に現 われ る(4月中旬)。6:雌
花序 が外部 に現 われ る(4月20日)。7:柱
頭 が見 えるよ うになる。推花序 は下垂す る(4月20日)。8:満
開期、雌推両花序 を着生 した枝(4月23日)。9:満
開期、雄花序のみ着生 した枝(4月23日)。10:満
開期の雌花序。柱頭 が突 出 し、 外反す る(4月23日)。 ■∼12:花粉飛散直前の雄花序(4月23日)。13:雄
花序の発達 の順序。14∼15:開花完 了 期。花柱 は しおれて曲 る(5月 4日)。16:ブ
ナの開花状況。花芽が葉芽 よ りも早 く開台子す る(4月20日)。ブナおよびコナ ラ属樹種の開花、受粉 、花粉の採集 および花粉の発芽 につ いて
97
PhOtO I Flowering in Fag″ sο胞″cra
21 Flower buds have began to grow(late March〉 3-4: ■ Leaf buds(left)and ■OWer buds(rightXlate `Iarch)
Stage of starting of fio、 ver opening The perianth of male nowers comes out(early April〉 5: PedunCles elongate
and male inflorescences appear(mid April) 6: Female inflorescences appear(Apri1 20〉 7:The style of female aOwers appears and male infiOrescences are RenFent(Apri1 20) 8:New ShOOt bearing both female and male
in■orescences 9: Ne、 v shoot bearittg only male infiorescences 10: Female inflorescence at the stage of full bloom The stigmas jut out and reCurve(Apri1 23) 11-12: Male infiorescences shortly before shedding p01len (Apri1 23) 131 Sequenfe of deveiopment of male in■ Orescences 14-15: Female and male in■ orescences at the stage of end OfユOWering The stigmas wither and bend(May 4) 16:The state of fiowering in Fpξ ″sじγ?″Ora
(Apri1 20) 木 とを容易 に見分 けることがで きる。 ブナの開花過程 は次の如 く分 けることがで きる。 雄花 の開花過程
1.開
花 開始期―芽鱗 が開 き、雄花の花被 が外部 か ら見 えるよ うになる。2.花
序露 出期―花榎 が伸長 して、雄花序 が外部 に現 わ れ る。3.府
露 出期一花梗 が一層伸長 して雄花序 が垂下す る。 同時 に花糸 が伸長 して府 が外部 か ら見 えるよ うになる。4.花
粉飛散期―花粉 が飛散す る。5.開
花完 了期一花粉の飛散 が終 わ り、花序 は しおれる。 第1表 ブナの開花期の気候*Table l. Chmatic data during the time of fl。 、vering of beech.
*
鳥取大学赤山演習林事務所(標高580m)で 観測する。**
降水量は合計を示す。 月20日か ら1週間位で あった。気温 との関係 をみ ると、 2月下旬 は平均気温 が-1.1° C、3月
上旬 と下旬は 2.1 ° C、4月
中旬は10,9°C、4月
下旬は12°Cである。 す なわち、 ブナは零度以下では芽が活動 を始 めないよ うで ある。平均気温 が2°Cに
なると芽がふ くらみ開花 を始 め る。 そ して10°C位
で満 開にな り花粉が飛 散 す るよ うで ある。 ブナの開花 につ いてはNielsen° らの研究 がある。彼 雌花の開花過程1.開
花 開始期―芽鱗 が開 き始 める。2.花
序露 出期―雌花序 が外部 か ら見 えるよ うになる。3.柱
頭露 出期―総芭 が開 き、柱頭 が外部 に現 われ る。4.満
開期―柱頭 が外反す る。5.開
花完 了期―柱頭 が しおれて不規則 に曲 る。 開花 と気候 との関係 蒜 山の ブナ林 に比較 的近 い鳥取 大学蒜 山演習林事務所 (標高580m)の観測資料 に基づいてブナの開花期の気候 を掲 げると第1表の通 りである。 ブナの芽 がふ くらみ始 め るのは3月上旬、開花開始期 は3月下旬 、満 開期 は4 らはEnglandのKew植
物園で12本の ヨー ロ ッパ ブナ (Fagvs sげJναケJca)に
ついて開花状況 を調査 している。 ヨーロ ッパ ブナは 5月 の初めに開芽 を始 め、5月
20日頃 開芽 と開花 を完 了す る。雌花 と雄花の開花過程 をそれぞ れ0∼ 3の 4期に分けているが、雌花で は柱頭 が外反 し 始め る時期(Stage l)か
ら柱頭 が完 全 に外反 した時期(Stage 2)ま
で を受粉の適期(受容期 間)と してい る。 雄花では、花粉飛散開始期 を Stage l、 花粉飛散最盛 月 日 D ale (1974年)気温Air tempera■ lre(°C) 湿
度 Humidiけ (%) 降 水量
**
Rainfall (Inm) 積 雪 深 D epdl Of (cm) 平均 卜tean 平
高 lvlax. 涅 低 Min. 2月 下旬Latter part 3月 上旬First part 3月 中旬Middle part 3月 下旬Latter part 3月 の平均 Mean of 4月上旬First part 4月 中旬Middle part 4月 下旬Latter part 4月 の平均 Mean of 5月 上旬First part -1.1 26
-4.7
98.3 75.2 49,0 23.2 48 3 5.0 0 2.1 1.5 2.1 1.5 7.2 5.0 7.0 6.4-31
-4.7
-2.9
-3.5
67.4 52.0 37.3 156.771
10,9 12.0 10.0 13.0 18 8 18.3 16 7 19 0 1.3-2.2
56
3.3 116.0 28,7 50 2 194.9 5.3 17.9!螺
写 真
-2.
ブナの受 粉 と花 粉 の採 集1:満
開期 の雌 花 の柱 頭(4月23日)。 2∼8:人
工受粉後 。花 粉 粒 は柱 頭 の 表面 に付 着 す る。4:柱
頭 の裏側 。5∼
6:開
花完 了期 の柱 頭(5月 4日)。7:自
然受粉 、花粉 粒 が2個認 め られ る(5月 4日)。 8∼9:切
り枝 の 水挿 法 によ る花粉 の採 集 。No.9はビニ ー ル袋 で被 った場 合 。10:もぎとった雄 花序 。Photo 2 PoninatiOn and pollen collection in Faglrsじγ?″o胞
1:Stigmas of female aowers at full bloom stage(Apri1 23)2-3:After contrOlled pollination Ponen grains ad here to the surface of stigmas 4: The back side oF stigmas 5-6i Sti富 興aS of female ■owers at the stage of end of fiowering(ヽray 4) 7:Two pollen grains observed in open pollination(May 4) 8-9:Pollen collection by planting branches 、vith fio、ver buds into 、vater 9: Excised branches covered with a vinyl bag 10: ヽ五ale
in■orescences plucked ott from shOots
期 をStage 2と して い る。 受粉適 期 の柱 頭 がみ られ る
るが、個 体 の平 均 飛散 期 間 は4日間で あ る。 ブナは雌 ず 時期 は5月 3日か ら17日までで 、 その期 間 は15日間で あ
い先 熟 で花 粉 が飛 び始 め る時 期 よ りも柱頭 が外部 に現 わ
るが、個 体 の平 均で は8日間で あ る。彼 らは ヨー ロ ッパ
れ る時 期 が数 日早 い とい う。 本研 究 において は、交通 不
ブナの雌 花 の受 容期 間 は10∼14日間で あ る と して い る。
便 な場 所 に ブナ が生 育 して お り開花期 間 をは っ き りさせ 花粉 の飛散 は5月 5日か ら21日の期 間(17日間)にみ られ
るこ とがで きなか った が、 開花期 間 は ヨー ロ ッパ ブナ の
ブナおよび コナ ラ属樹種の開花 、受粉、 場合 よ りも短 く、7∼10日位 の よ うに思 われる。雌花 と 雄花の開花時期 につ いては、雄花序 が雌花序 よ りも早 く 外部 に現 われるけれ ども、柱頭 が露 出す る時期 は花粉 が 飛ぶ時期 よ りも数 日早い よ うで ある。 ヨーロ ッパブナ と 同様 に雌ずい先熟(metandry)の よ うに思 われ る。
2,ブ
ナの受粉 受粉の状況 は写真-2の
如 くで ある。満 開期の雌花 に 花粉 をかけると、花粉は三つ に分岐 した柱頭の表面 (上 面)に
よ く付着す る。裏側 には白色の長 い毛 が密生 して お り、花粉がつ きに くい。 柱頭 の表面 に は粘着性物 質 が出ているよ うである。開花完 了期の柱頭 を顕微鏡で調 べた ところ、柱頭の表面 に花粉粒 が付着 しているのが観 察 された。樹木図鑑の記載ではブナの花柱 は3個となっ 第2表 切 り枝の水挿 しによるブナの花粉の採 集Table 2 Conection of ragvs crP,α rtt p。‖eli by
花粉の採集 および花粉の発芽 につ いて
ているξ
'4ブナの花柱は中ほどから先が三つに分かれて
お り、花柱 と柱頭 とをどこで区別 して よいか疑間に思 っ ていたが、花粉 は3裂した裂片の表面 によ く付着す るの で、ここが柱頭で あ ると考 えられる。植物形態学では雌 ずいの先端で、受粉の際花粉 が付着す る部分 を柱頭 とい うと定義 されてい る。Ndsen aら
はブすの花柱は短 く、 柱頭 は三つ に枝分 かれ してい ると記載 している。やは り 雌ず いの先端の3裂片 を柱頭 と考 えて よい と思 う。3.花
粉の採集 と生産量 1月 下旬、3月 L旬 、3月下旬、4月上旬および4月 下旬 に直径2.5∼ 3 cm、 長 さ1.5∼2mの
花芽の着生 した ブナの枝 を切 りとり室 内で水挿 しした。その結果は第2 表の通 りで ある。 1月 下 旬に切 りとった枝 は水挿 し後花planting branclles 、vill fio、、'cr buds ilito 、Vaic r.
枝の採取 ■ 時 期 Collecting
母 樹 枝 採 取 時 の 花 芽 の状 態
Statc ofコower
花 粉 の 半 飛 散 時 期 水 挿 か ら 花 粉 飛ifX までの 日数 Days ptallting 劉 ︱
日
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花粉の** 大 き さ (μ) 正 常** 花 衿 pOnen (%) 無 能 花 粉 AborSve (%) 発 芽 率 (%) 花 粉 管 長 (μ) 1月 21日 (-89日) 3月 5日 (-46日 ) 3月27日 (-24日 ) 4月 8日 (-16日) 4月 8日 (-12日) 4月20日 (-4日 ) 4月20日 (0日) N o. 配 血 No 3 No.3 No.1 上 同 冬芽の状態 芽が少 しふ くらむ 芽がふ くらみ、一 部の花芽で雄花の 花被 が外部 に現 わ れる 大部分の花芽で雄 花の花被が外部 に 現われる 雌雄両花序 とも芽 鱗 を破 つて外部に 現 われる 雄花では花粉が飛 び始める。雌花で は柱頭 が外部 に現 われる(満開期) 花 粉 は で き るが 、飛 散 せ ず 2月 5日 (-74日) 3月20日 (-31日) 4月6日 (-14日) 4月17日 (-7日) 4月16日 (-4日) 4月24日 (0日) 4月21日 (+1日) 15日 10日 9日 8日 4日 1日 なし (― ) 少 ない (+) やや 多 い (+) 多い (#) 多い (‖) 多い (#) 多い (‖) 33.3 88.7 (47.9) 39.7 45,7 (63.8) 44.2 45.2 45.5 99,0 95,2 (27.7) 95。9 91.2 (03) 96.6 92 9 97.8 1.0 22 0 2 83 96 87 0 401 301 1,284 631 備考 キ( )内
は満開日を基辛にして前(―)、 後(十 )の日数 を示す。**( )内
は巨大花粉の大 きさおよび出現率を示す。 粉が形成 されたが (自然の ものはこの日手期 には花粉未形 成)開花 しなかった。3月上旬以降 に切 りとった枝 はい ず れも開花 し、花粉 が採集で きた。 しか し、枝 を切 りと る時期 がおそいほど花粉 が早 くとれ、花粉の採集量 が多 く、花粉の発達 および発芽 がよかった。 3月 5日 (自然 飛散の46日前)に枝 を切 りとり、 3月20日 (自然飛散の 31日前)に採集 した花粉の発芽率は2%で
あったが、3 月27日 (自然飛散の24日前)に枝 を切 りとり、 4月 6日 (自然飛散の14日前)に
採集 した花粉の発芽率 は83%に 増加 した。 自然剪太態 における花粉母細胞の減数分7Akの時人 橋 期 は3月上旬で あった。花粉母糸田胞減数分裂後 に枝 を切 りとり水挿 しす ると発芽 力の ある花粉 をとることがで き る。 しか し、花粉の発育や発芽はあま り早 く枝 を切 りと るとよ くない。花粉は 自然飛散の約25日前 にとることが で きるが、 自然飛散の15日前(4月上旬)に枝 を切 りとり 水挿 しす ると、 自然の花粉 と同程度の発芽率(90%以上) を持 った花粉 を自然飛散 よ りも1週間早 くとることがで きる。 ブナの切 り枝 は水の吸 い上 げが悪 く、 また乾燥 に対 し て非常 に敏感で ある。切 り枝の水挿 しによって花粉 を採 集す る場合、枝 をその ままびん挿 しす ると(写真-2,8)、 花芽の発育 が悪 く、 また花芽が途 中で枯死 して花粉 がと れない場 合 がある。 ビニールの袋で包んで湿度 を高める と(写真-2,9)、 花梗 がょ く伸長 して花粉 が多 くとれる。 しか し、湿度 が高す ぎて カビが生 えることがある。花粉 の採集法 は、雄花序 の花榎が伸 びて花序 が下垂 し、 さら に花糸 が伸長 して鶏 が見 えるよ うになれば花榎の ところ で花序 をつみ とり、写真-2の10の如 く紙上 に拡 げて乾燥 させ ると、 1日 で花粉 が採集で きる。 ナ ラ類 の花粉の採集法 につ いては とくに実験 をしなか ったが、雄花序 が露 出 して下垂す るよ うになれば枝 を切 りとり室 内で水挿 しする。花粉飛 散の徴候 が認 め られる ようになれば花序 をもぎとり、紙上 に拡 げて乾燥 させ る と数時 間で花粉 をとるお とがで きる。 また山で花粉飛散 直前の雄花序 を直接採集 して持 ち帰 り、紙上 に拡 げて乾 燥 させれば容易 に花粉 をとることがで きる。 ブナの花粉の生産量 を調査 した結果は第3表の如 くで ある。 ブナの一つの花芽には普通3∼4個、平均 3.7個 第3表 ブナの花粉の生産量
Table 3. POllen productiOn by Fα
=,s cT92αια.
1花芽当 り雄花序数
Number Of male inlOrescences per aower bud
l花芽当 り雌花序数
Number Of female inaOrescences perユOwer bud
l花序当 り推花数 の雄花序 が着生 している。雌花序 は普通一つの芽 に1個 着生 しているが、2個着生 してい る芽 も時 々見 られる。 1花序 当 り雄花数 は平均15.1個 、1雄花当 り雄ず いの数 は平均10.1個 で ある。1雄ず い当 り花粉粒の数 を頭微鏡 で調べた ところ、1,326∼1,740粒 、平均 1,555粒 の花粉 粒 が数 え られた。 これをもとに して計算す ると、1雄花 当 り花粉粒の数は約16,000粒 、1花序 当 り花粉粒の数 は 約24万 粒、1花芽当 り花粉粒の数 は約90万粒 となる。1 本の本 にどれだけ花芽が着生す るか調査 していないが、 豊作の年 には長 さ
1.5mの
枝 に 100個 以上の花芽力焉忍め られ る。ブナは風媒花であるといわれてい るが、この計算 からすれば19・びただ しい数の花粉が生産 され ることになる。4.花
粉の形態 ブナおよびナ ラ類 の花粉の形態 は写真-3の如 くで ある。 膨潤型花粉 は酢酸 カー ミンあるいはサ フラニ ンとフ ァス ト緑 で染色 して観察 した。乾燥型花粉 はバ ルサ ム・キ シ ロールで封入 して観察 した。花粉粒の外形 は、乾燥型で は各樹種 ともほぼだ円型で、長軸方向 に細長 い溝状 の発 芽藩 があ り、乾燥収縮 して表面は多少 しわになってい る。 膨潤型では、円形、三角状 円形 、広 だ円形 、卯形 などが み られるが、 クヌギは三角状 円形 や広 だ円形 の もの がや や 多 く、長径 と短径の差 が他 の樹種 よ りも大で ある。 ブ ナ、ミズナ ラ、カシワなどでは円形 の ものが多 く、長径 と短径の差 は月ヽさい。 ブナおよびナラ類 の花粉 には発芽 口が普通二つ ある。 発芽口は岩波°によると濤 中孔型で、細長 い発 芽溝の中 に発芽孔 があ り、花粉粒 は3溝
孔粒 (tri_ colporate polen)と 呼 ばれている。発芽 孔の形態 は光学顕微鏡 による観察でははっ きりしないが、乾燥花粉では細長 い発芽濤 の中央部 にさらに深 い溝状 の くばみがみ え る。膨潤花粉では、発芽孔の部分は夕糊莫が 局部的 に薄 くな り、大 きく口を開いたよ う にみ える。孔膜 は薄 くなめ らかで、開裂 あ るいは膨脹 しやすい といわれてい る。山崎η らが電子顕微鏡 で調べた ところによると、Q"?Tc,sの
発芽孔 の膜 面 は不規則で かす かに網 目状 の起伏 を有 し、全体 に微小 なイ ボ状物 が散在 しているとい う。 なお発芽孔 に面 した細胞 質の部分は局部的 に突起状 に ふ くれて花粉管のモ トを形成 してぃる。花 粉粒内には、生殖核 と花粉管核 の二つ がある。 花粉粒の大 きさは第1図るよび第4∼ 5 囲 ge 範 RaNumber Of male 10wers per
l雄花 当 り推 ず い数 Number Of sぬ mens per male
l雄ず い 当 り花粉粒 数 Number Of pollen grains per
l雄花 当 り花 粉粒数 Number Of pollen grains per
l花序 当 り花 粉粒数 Number OF pollen grains per
l花芽 当 り花 粉 粒数 Number Of ponen grains per
lniOrescence male nower inlOrescence 3.7 1,1 15.1 10.1 1,555 15,708 237,191 877,607 nolver bud
ブナおよび コナ ラ属樹種 の開花、受粉、花粉の採集 および花粉の発芽 につ いて
⑬
撚141
写 真-3.ブ
ナお よび ナ ラ類 の花 粉 の形 態 1∼3:ブ
ナ、正 常花粉 ◎4∼5:ブ
ナ、巨大花 粉(右イ貝1)。6:ブ
ナ、無能 花 粉(中央 の二つ)。 7∼8:ク
ヌギ 正 常花 粉 。9∼ 10:ミズナ ラ、正 常花 粉 。■∼12:カシワ、正 常花粉。 】シ潤 型花 粒 はNo.1を 除 き酢酸 カー ミンで染 色 す る(No,1は サ フ ラニ ン・ファス ト緑 の二重染色)。乾燥 型 花 粉 はバ ルサ ム・ キ シロー ルで 封入す る。No.4∼ 6は40(対物)×10(接眼)で、 その他 は40(対物)×15(接眼)で撮 影 す る。PhOto 3 Po‖en grains of FrfFlld and O■ゼ″ぢltS Species
l-3: Normal polten grains of FaF″ dどff″rljα 4-5: Giant pollen grains of Foξ″dfマ″a″(right) 6:Abortive pollen
grains of Fαょ″δじ″θ″●力(Central two)7-8: Normal polen grains of O″Fl c″s Cδ″r4ss,rtlα 9-10: Normal polen grahs
Of O IJlοJ4FO′lε
'υtt ξЮ dd?SθrrOι0 11-12:Normal pollen grains of O 材¢″勉 肱
Swollen pollen grains, except Photo No l, were stained with aceto carmine Dry pollen grains were mounted 、vith balsam‐ xytol
表の如 くで ある。花粉粒の大 きさは酢酸 カー ミンで染色
きく、 カシワ>クヌギ>ミズナラ>コナ ラの)隠になって して測定 した。 ブナの花粉粒 はナ ラ類のそれよ りも大 き
お り、筆者の調査 とは多少違 っている。 なおブナの花粉 く、37∼ 54μ、平均46μで ある。 また長径 と短径の差 は
の中に倍数性花粉 と思 われる巨大花粉 がまれ に認 め られ 平均 1.5μで円形 に近 い形 を してい る。調査樹種 中花粉
た。巨大花粉の大 きさは58∼75μ、平均64μで、三倍性 粒の最 も小 さい ものはクヌギで、26∼38μ、平均32μで
と思 われるもの と著 しく巨大で四倍性 と思 われ るもの と ある。花粉粒の大 きさはブナ
>カ
シワ■ ミズナ ラ>コ
ナがあつた(写真-3,4∼5)。 酢酸 カー ミ ンで 染 ま らない無 ラ■ クヌギの順で あった。山崎 ら7)がQ29Tc,sの花粉の
能花粉(写真-3,6)はブナで平均4%、 ミズナ ラ、 カシワ 大 きさを測定 した結果 によると、 カシワの花粉 が最 も大
では5%、 コナ ラでは
10%程
度認 め られた。飛散期 の花幸
11■.橋
26 30 34 38 42 花粉粒の直径 Diameter of
第1図 花粉粒 の大 きさの分布
Fig, 1. Distribution Of poHen diameter in Fα
=,s and Q29TcltS.
EEE
クヌギ Q“9,c″ s ac2と,ss,9Plα ×―――× コゥトラ Q29Tcws scT″ αια ● ・ ― ● ミ ズ ナ ラ Q29Tc″ ,卯ο″ =0′ 'cα ναT. =TOssCS9Trαια △――△ カシヮ Q29TC,S」92ιαια ― ブ ナ Fag″ s cT?2αια 酢酸カー ミンで染色 して測定す る。 第4表 ブナの花 粉 の特性Table 4. Characteristics of Faglrs c″9免αια pollen.
*酢
酸 カー ミンで染色 して測定する。第5表 ナ ラ類 の花 粉 の特性
Table 5, Characteristics Of Q29Tc2s pollen.
粉 は大部分 が形態的 に正常で あった。
5.花
粉の発芽試験 成熟花粉の発芽率、花粉 の発芽経過、花粉の人工発芽 の条件 などを調べた。 成熟花粉 の発 芽率 は(第4∼ 5表)、 ブナでは平均96%
コナ ラで は93%、 その他の樹種では95%以上で あった。 また花粉管 の伸長 も良好で あった。 花粉の発芽状況 および発 芽の経過は写真4おもび第2 ∼3図の如 くで ある。 ブナおよびナ ラ類の花粉はまき付 け後1∼2時間で発芽 を始 めた。 まず発芽孔の近 くの花 粉管 の原基 が急速 に発達 して発 芽孔 を破 って外部 に現 わ れ、花粉管 を形成 して伸長す る。花粉管は必ず発芽孔か ら発生す る。普通1個の花粉粒 か ら花粉管 が1個発生す るが、 まれに2個発生す ることがある。 まき付 け後 の発芽経過 につ いてみると、まき付 け後発 芽率 は急激 に増加 し、 ブナでは12時間後 に79%、 24時 間 後 に91%に達 した。 その後 は徐 々に増加 し、72時間後の 人 あ O g 0 3 0 ① 鷺 臨 ]習 M 50 gr 46 pol 母 樹 MOher花粉粒の大 きさSize of pollen grains* 正 常花 粉
NOrmal pollen (%) 無能花粉 AbOrive po‖en (%) 発 芽 率 Germl― naion (%) 花粉管 長 Tube lengtla (μ) 最 刀 M . (μ) 大 蟷 n 景 M く 平 均 Av. (μ) 短 径 MinOr dlam. (μ) 長 径 h4aiOr diam. (μ) No.1 No.2 No 3 No 4 平 均 AN/erage 巨大花 粉 Giani pollen 41 43 37 40 (37) 58 49 54 50 50 45 2 47 1 45.5 45。4 45.8 63 8 44.6 46.2 44 9 坐 4 45,0 61.2 45,7 47.9 46.0 46.4 46 5 66.3 98 96 98 96 7 4 2 4 4 98 96 95 93 1,284 1,024 631 798 934 樹
種 Species
花粉粒の大 きさSize of po‖en grains* 正常花粉
NOrmal pO‖en (%) 緑能花粉 AbOrtlve ponen (%) 発 芽 率 Cermト natlon (%) 花 粉 管 長 Tube lengtla (μ) 最 小 Min, (μ) 最 大 M務(. (μ) 平 均 A■・. (μ) 短 径 MinOr diam (μ) 長 径 MaiOr dlam. (μ) クヌギ
Q
αc″ιjδ s,覚α コナ ラ Q scT,a施 ミズナ ラ Q ttοf2gοJ'ca ναT =″OδS9d9TTcιQ カ シワ Q J92ι αια 26 28 32 34 38 38 42 40 32 33 37 37 30 32 36 86 35 34 37 39 99 90 95 95 1 10 5 5 98 98 95 97 790 555 642 673*酢
酸 カー ミンで染色 して測 定 す る。ブナおよび コナ ラ属樹種の開花、受粉、花粉の採集 および花粉の発芽 につ いて ▼ 鬱 電
″―
る拶
↑
写 真-4.ブ
ナ お よびナ ラ類 の花 粉発 芽1:ブ
ナ、 ま き付 けか ら2時間後 。2∼3:ブ
ナ、4時間後 。4:ブ
ナ、12時 間後 。5∼6:ブ
ナ、24時間後 。 核 の移動 がみ られ る(矢F「)。 7∼8:ク
ヌギ、発 芽初 期(No,7)と 24時間後(No.8)。 9∼ 10:ミ ズナ ラ、発 芽初 期(No.9)と 24時間後(No 10)。 11∼12:カ シヮ、発 芽初 期(No.11)と24時 間後(No.12)。
Photo 4 Po‖ cn germination in Fα ξ″sand O,σγじ″s speCieS
l:Fag lrdじ/ヮ″α胞2 hOurs aFter sowing 2_3:Fじ ″″αra After 4 hOurs 4:「 じ″″αtt A■er 12 hOurs 5-6:F
つそPlaサα After 24 hOurs The transfer of nucletts is observed 7-8: o″ ?々 lls αじ
"'ss力, Early stage of poJen ger mination(No 7)and after 24 hours(No 8) 9-10: O ljPο″ξο′″αυar ttossゼ S?″a″ Early stage of pollen germi nation(No 9)and after 24 hours(No 10) 11-12: o 」ゼ″raた Early stage of pollen germination(No ll)and
aFter 24 hours(No 12) 発 芽率 は98%であ った。花粉管 の伸 長 は ま き付 け後24時
針 葉樹 に比 べ て非 常 に急速 で あ る。花 粉管 は最初 真 っ直 問 まで は急激 に、 その後 は緩慢 に増加 した。花粉管 は
24
ぐに伸 長 して い るが、や がで他 の花粉管 と交叉 した り、 時 間後 に約900μ 、72時 間後 に1,300μ に達 した。クヌギ絡 まって くる。 花粉 の発 芽率 は最適 条 件 で は24時間でほ で は、 ブナ と同様 にま き付 け後 急激 に発 芽率 が増加 し、
ぼ最高値 に達 す る。 した が って花 粉 の稔性 調査 の た めの 6時間後 に91%、 12時 間後 に95%、 24時間後 に96%に達
発 芽試験 で あれ ば、24時間培 養 す れ ば十分 で あ る と思 わ した。発 芽率 は最高98%であ った。花 粉 管 の伸 長 は ま き
れ る。 付 け後24時間 まで は急激 に、 その後 はや や緩慢 に増 加 し
花粉 の人工発 芽 の条件 、す なわ ち蒸糖濃 度 、寒天 濃 度 、 た。24時間後 の管長 は570μ、72時間後 の それは1,040μ
水 素 イ オ ン濃 度 お よび温 度 につ いて試験 した結 果 は第6∼ で あ った。 以上 の よ うに、 ブナや ナ ラ類 の花粉 の発 芽 は
10表
お よび第4図の通 りで あ る。鞠
碑
10% 00 50 0 ∞ s ど o o 曽 o a g 捜 電 宣 一g H o O 稚 〓 , ∞ 雪 。 一 〇 や 多 ゃ E 〇 一一〇 儀 “照 蛉 安 葉 弾 ヽ f 留 P 当 〓 5 一一 o 銀 L 部 黎 ヾ % ︲00 50 脇 d E o 留 & 電 o 一 , g 唱 も o 雑 絲 憩 株 慧 0 24 48 72 hr. H寺
問 Time 第2図 ブナの花 粉 の発 芽経過
Fig。 2. Time cOurse for the germinaion Of
Fαg,s cT?″aを,pollen.
― Germinaion percentage ●十
-O PЛ
ttn mbe lenghGerminaion conditOns: 20% sucrose, 1% agar, 25° C
0 24 48 72 hr
H手 間 Time
第3図 クヌギの花 粉 の発 芽経 過
Fig. 3. Time course for he germination of
Q,c r Clrs,c,ι
's Stttα
pOllen.
― Gerlllinaion percenttge
O一―● POuen ttbe lengh
Germinaion condiions: 20%sucrose, 1%agar, 25°C 第6表 ブナ とナ ラ類の花粉の発芽 におよばす薫糖濃度の影響
Table 6. Effects of concentration Of sucrOse on the gerniinatiOn Of Fag″ δ and Q29Tctrs ponen.
第7表 ブす とナ ラ類の花粉の発芽 におよばす寒天濃度の影響
Table 7. Effects Of concentration of agar on the germination Of Fα
=vs and Q″9Tcπ s p011en. ン一 ′ , ′ ‘ ′
│
ブナ 慕糖濃度I F cr92ιια ク ヌ ギ Q actιiss'阿α ヨ ナ ラ
Q
δ9TTc胞 ミ ズ ナ ラ Q "οπ =ο ′Jcα VαT gTο dscsCTT'どα カシ ワ Q J?,ι αια SucrOse l発 芽 率 :│と i'テ
;; │を
与
i;;│ 花 粉管 長 Tube lengdl (μ) 発 芽 奉 Germ■ naion (%) 花粉管 長 Tube lengh (μ) 発 芽 率 Germl― naion (%) 花粉管 長 Tube length (μ) 発 芽 率 Germト naion (%) 花粉管 長 Tube lengh (μ) 発 芽 率 Germl (%) 花粉 管 長 Tube leng占 (μ) 010 1 64
158 269 719 264 66 77 93 95 91 70 124 575 598 360 62 10 61 86 65 39 51 363 484 201 79 25 90 90 61 16 52 290 379 199 24 83 95 96 92 81 211 630 678 339 67 培養条件 1 25° C24時間 25°C24日手間 35°C24H寺問 25°C24時
間 35°C24時
間 寒天 濃 度 Agar traion (%) ブナ F cT92αια ク ヌ ギ Q aclrttsd加,a コ α ナ ラ d9″″αια ミ ズ ナ ラ Q ,ο,どο 'cc VαT =TOSSes9,ゲ αια カ
ン ワ
Q
ど?2,αια輸
FI爾
発 芽 率Germl natlon (%) 花粉管 長 Tube lengdl (μ) 発 芽 率 Germi natl on (%) 花粉管 長 Tube lengh (μ) 発 芽 率 Germl― naion (%) 花粉管 長 Tube lengh (μ) 発 芽 率 Cerm■ naion (%) 花 粉管 長 Tube lengdl (μ) 1 2 3 77 1 719 71 1 359 64 1 268 90 87 82 433 301 268 379 285 184 678 559 498 培 養 条件 25° C24時 間 25°C48時
間 25°C48時
間 25°C24時
間 35°C24H寺間ブナおよび コナ ラ属樹種の開花、受粉 、花粉 の採集 および花粉の発芽 につ いて
第 8表 ナラ類の花粉の発芽におよばす水素イオン濃度の影響
Table 8. EIects of hydrogen ion concentration of media on he germination of Qv?Tc2S pOllen.
pH ク ヌ ギ Q ac″ ιtss'卯α コ ナ ラ Q serTα ια ミ ズ ナ ラ Q flDο″gοど 'cα VOメ grOSScs9rゲ αιa カ ン ワ Q J¢″ιCια 発 芽 率 Germト natiOn (%) 花粉 管 長 Tube length (μ) 発 芽 率 Germl nation (%) 花粉管長 tuも e lengtll (μ) 発 芽 率 Cerml― nation (%) 花 粉管 長 Tube length (μ) 発 芽 率 Germト nation (%) 花粉管 長 Tube length (μ) 3.5 4.5 5.5
65
7.5 24 83 89 93 88 19 112 494 628 273 18 65 81 68 29 16 298 467 315 125 18 60 88 84 26 22 135 374 267 73 11 84 91 88 75 31 276 479 328 119 CerminatiOn naedia: 20% sucrose, 1% agar. Incubated at 35°C for 24 hours第9表 ブナ とナ ラ類の花粉の発芽 におよばす温度の影響
Table 9. Effects of temperature on he germinatiOn of Fα
=ヶs and Q,9Tc,s.
Germination media:20%sucrose, 19ち agar 第10表 ブナ とナ ラ類の花粉の人工発芽の最適条件
TaЫe 10.田he Optimum colldltiOns tOr he artificial germinaion of Fα gtsarld Qv?TC,S弾1len.
温 度 Temper― (°C) ブ
ナ ,I c,92α ια ク ヌ ギ
Q
αc″ι 'ss'珈 α コ ナ ラ Q ,9T″ αια ミ ズ ナ ラQ
れo2gοど 'cα V DT =Tο SS9SerTαιロ カ シ ワQ
じ9,ιαια 発 芽 率 Germト nation (%) 花 粉管 長 Tube length (μ) 発 芽 率 Cermト nation (%) 花粉管 長 Tube length (μ) 発 芽 率 Germ■ nation (%) 花粉管 長 Tube length (μ) 発 芽 率 Germi_ nation (%) 花粉 管 長 Tube length (μ) 発 芽 率 Cermト nation (%) 花粉 管 長 Tube length (μ ) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 6 14 66 74 77 73 64 47 6 0` 0 20 109 358 521 719 316 102 41 27 0 0 4 44 91 94 98 96 93 81 4 0 0 12 105 483 650 790 773 709 381 17 0 0 0.1 4 13 醜 96 96 96 93 1 0 0 5 11 40 180 299 462 516 276 12 0 0 0。1 2 18 35 93 94 94 93 1 0 0 9 9 67 165 427 584 631 458 14 0 0 0 1 12 37 88 97 97 95 17 0 0 0 9 28 177 372 617 667 282 24 0 備 考 24時間培養 48時間培養 瑯時間培養 24時間培養 24時間培養 種 樹 Specles 水 素 イオ ン濃度 Concentration Of II iOli (pH) 熊 糖 濃 度 Concentration Of (%) 寒 天 濃 度 Concentration Of agar (%) 温度 Temperature (°C) ブ
ナ rL C年92αια ク ヌ ギ
Q
αc″ι 'ss'″ α コ ナ ラ Q s9rrαオα ミ ズ ナ ラ Q flBο2gοど 'cα ッ =″οSSeserTα ια カ シ ワ Q J92ιaιa 6.565
5.555
55
20 20 20 20 20 1 1∼2 1 1 1 25 25 35 35 35隼 橋 f ぎ P B E 5 一一 0 出 暉 却 奈 櫂 0 ∞ 0 , 電 0 0 角 O a g O いゃ 、 E F ︼ 角 O h ︶ 述 W 牡 ド 的 郎 および ScamOni l)の 研究 がある。 それによるとF,g,s sJルαι」
caの
花粉 は蕪糖濃度10∼40%で
発芽 したが、最 適濃度 は20%で
あった。またQ"9Tc″s Tοb2SとQ,s¢ssJザテS の最適藤糖濃度 は20%で
あるという。寒天濃度はQ″?TC,S, CοTノ」tt s,4あ,s, CαT,れ,sで
は1%が
最適 とされて いる。温度 につ いては、Fα =,S sわαιげccの花粉発 芽の 最適温度 は18∼30°C、 Q2?Tc"S S″bゼT,Q s9ss'どJsの それは30°Cで
、 ぃず れの樹種 も戸外9.6∼22°Cでは発芽 しなかった とい う。藤糖濃度 と寒天濃度 についてDengler らの結果 と本研究 の結果 はよ く一致す る。 しか し、発芽 温度 につ いてはかな り大 きな違 いがみ られ る。筆者の研 究 によると、 ブナおよびクヌギの花粉 は冷蔵庫 中に放置 しておいて も発芽す る。花粉発芽の最低温度 を正確 に確 かめていないが、2°C前
後 の ようで ある。Fαgvs s,ルαと,c,の花粉が9,6∼22°Cで
発芽 しない とい うこ と は ど うい うことか理解で きない。本研究 において とくに 注 目された ことは、 ブナおよび クヌギ とコナ ラ、 ミズナ ラ、 カシワの花粉発 芽の適温 が異 な り、前者 が後者 よ り も低 い ことで あった。一般 に冬咲 く花 の花粉 は比較的低 温 を好み、夏咲 く花の花粉は高温 を好 む傾向があるとい われているが、ブナ科植物 の場合 も開花時期 と花粉発 芽 の適温 とはある程度関連 があるよ うで ある。開花時期は ブナが最 も早 く雪 どけと同時 に花 が咲 く、次いで クヌギ コナ ラが早 く、ミズナ ラ、 カシワが最 もおそい。 摘要
1.1974年
にブナの開花状況 を調査 した。花芽は 3月 下旬∼4月上旬 に開花 を開始 し、4月
下旬に満 開とな り、 5月 の初 めに開花 を完 了 した。雌花の受容期間および花 粉飛散期 間は7∼10日のよ うであった。 ブナの開花経過 は5期に分 けることがで きた。 ブナは旬間平均気温 が2°Cで
開花 を始 め、10°Cで
満 開 となった。2.ブ
ナの雌ず いの柱頭 は三つの裂片 か らな り、受容 期 に外反 した。花粉 は柱頭の表面 に付着す ることがわか った。3.ブ
ナで は、切 り枝の水挿 し法 によ り正常 な発芽 力 を持 った花粉 を自然飛散 よ りも1週間早 くとることがで きた。 ブナの花粉の生産量 は1花序 当 り約24万 粒、1花 芽当 り約90万粒 と推定 された。4.ブ
ナおよびナ ラ類の花粉の外形 は乾燥型ではほぼ 楕 円形 であったが、膨潤型では円形 の ものが多かった。 花粉粒 は3濤孔粒で あった。花粉粒の大 きさはブナ (46 ″)>カンワ(37μ )■ ミズナ ラ(37μ )>コナ ラ(33μ ) pH 第4図 ブナの花粉の発芽 にお よぼす水素 イオ ン濃度の 影響Table 4. Effects of hydrOgen iOn cOncentration
of media On he germinaion of Fα
=″ s
CT?″αια pOllen。 ― Cermlnaion percentage ●‐――● Po■en tube length
GerminatiOn media:20%sucrose, 1%agar.
Incubated at 25° C for 24 hours.
藤糖濃度 は
0%か
ら40%まで10%おきに試験 した。 ブ ナおよびナ ラ類の花粉 は0∼40%の
いず れの濃度で も発 芽 したが、各樹種 とも20%区
で発芽率 が最 も高 く、 かつ 花粉管 の伸長 が最 も良好であった。寒天濃度は1∼3%
の範囲で試験 した。 クヌギを除 き1%区
で発芽率 および 花粉管の伸長 が最 もよかった。水素イォ ン濃度はpH 3
か らpH 8の
範囲で試験 した。 いず れのpHで
も発 芽 し たが、 ブす とクヌギはpH6.5で、 コナ ラ、 ミズナ ラ、カ ンワはpH5.5で最 も良好 な発芽 を示 した。温度は0°Cか ら50°Cま で5°Cおきに試験 した。ブナ、 クヌギ、 コナ ラおよび ミズナ ラの花粉は5°Cから45°Cま で の いずれ の温度で も発芽 したが、 カシワの花粉 は10°Cか ら45°C
の範囲の温度で発芽 した。発芽率 か ら判断す ると、花粉 発芽の最低温度は、 ブす とクヌギでは0°Cと 5°Cの間 にあ り、 コナ ラと ミズナ ラでは5°C、 カシヮでは10°C
である。最高温度は、 コナ ラと ミズナ ラでは45°C、ブナ、 クヌギ、 カシワでは45°Cと50°Cの間にある。 最適温度 は、 ブナ とクヌギでは25°C、 コナ ラ、ミズナ ラ、 カシ ヮでは35°Cで
ある。 花 粉 の人 工 発芽の最適条件 は第10 表の通 りで、 ブナ とクヌギで はpH6.5、 床糖濃度20%、 寒天濃度 1%、 温度25°C、 コナ ラ、 ミズナ ラ、 カシ ワ ではpH5.5、 業糖濃度20%、 寒天濃度 1%、 温度35°C
である。 Fαg″sぉょびQ29Tc2sの花粉の発芽についてはDengb rブナおよびコナラ醐 種の開花、受粉、花粉の採集および花粉の発芽について
107
■ タスギ(32μ )の順であった。
文
献 〕
.プ
ナおよ びナ ラ類の成熟花粉の発芽率は皓%以
上で、花粉の稔性1-よ高かつた。花粉はまき付 け後急速 に発