M且 鬮0且R80F SHONAN I四STITUTE OF T囗CHNOM )GY Vol
.
30,
No
.
1,
1996フ
ラ
ン
ス
注
釈
刑 法
・財 産 犯 (
2
)
上
野 芳 久
*LES
CRIMES
ET
DELITS
CONTRE
LES
BIENS
(
II
)
一一
Commentaire
du
nouveau codep6nal 一
Yoshihisa
UENo
< 目 次> L は じ め に 2.
本 文 第3
部 財産に対 する重 罪及び軽罪 第 1 編 不法 領得 第 1 章 盗取第
1
節単 純 窃 盗及び加 重 窃盗 (第
311 −
4条 まで) (以 上前 号) 同 (第311 −5
条 以 下 ) 第2
節一
般規 定第
3
節自 然 人に適 用 さ れ る補 充 刑 および 法 人の責 任 (以 上本 号 ) 第 311
−
5 条 〔強 窃 盗 傷 害 〕 窃 盗の前後 ま た は 最 中 に,
他 人 を 暴 行 し,
8 日以 下の完 全 な 労 働 不 能 を 引 き起 こし た場 合は,
7年の拘 禁 刑 お よ び70
万 フ ラ ン の罰金で罰す る.
Art。
311−5
Le
vol est punide
sept ansd
’emprisonnement etde
700000Fd
’
ame 皿de
lorsqu
’il est pr6ced6,
aecompagm60u suivi
de
violences sur autrui ayant entrafn6 uneincapacit6
totale de travail pendant huitjours
auplus.
〔暴行を伴うこ と によ る加 重 〕窃盗の機 会に 他人に対する暴行が行わ れ た場 合は
,
そ の結 果いかん によっ て刑罰が加 重さ れ る.
本条か ら311−
7条 で は,
前 条 項 4 号と と もに,
そ の こ とが示さ れ て い る.
死亡の 場 合も含めて軽い順に並べ る と次の ようになる.
〈1) 完 全な労 働 能 力の喪 失 を もた らすにい たらな かっ た場 合 (前 条 項4
号 ) (2)8
日 以下の完 全な労働不能を引き起 こ し た場 合 (本 条 ) (3) 8 日 を越え る完 全な労 働不能を引 き起こ した場 合 (第311 −6
条 )身 体の
一
部 喪 失また は永 続 的な身 体 障 害 を 引 き起こ し た場 合 (同7
条) (5) 死亡 (同 10 条 ) 拘 禁刑5
年,
罰 金 50 万 フラ ン 拘 禁 刑 7 年 70 万フ ラ ン 拘禁 刑10
年100
万フ ラ ン 懲 役 刑15
年 100 万フ ラ ン 無期懲役刑100
万フ ラン 上記リス トの う ち11
)〜
(3
)はいずれ も軽罪に と どま るが,
(4)(5)にまで至ると,
軽 罪から重罪へ と罪質が変化 して い る こ と がわかる.
後 者は 「重 罪 窃 盗」 と呼 ばれ る (→ 第311 −7
条の 説 明 ).
* 教 養 課 程 助 教 授 平 成 7 年 10 月31
日受 付一 115一
湘 南工科 大 学 紀 要 第
30
巻 第1
号 なお,
暴 行が組 織 集 団に よる 窃 盗の際に行 われ た場 合に は,
刑 罰が20
年の懲 役,100
万フ ラ ン の罰 金と な り,
(4
)よ り も重 くなる (第 311−
9 条).
これ も重罪 窃盗.
〔旧法 との比較 〕 この よ うに新 法で は5
段 階に分 類さ れ た が,
旧 法で は単に 2段 階に分類されて いたにす ぎ ない80〕.
上 記 リス トに沿っ た形で い え ば,
(1
)〜
(2
)と (3
)〜
(5
)の2
段 階で, 前者は1
年以 上 5 年以下の拘 禁刑 (一
軽罪 ) (旧第382
条 項 ), 後 者 も10
年 以 上20
年 以 下の懲 役 刑 (=
重 罪 ) を 科 さ れ るに す ぎなかっ た (旧 第384
条 項.
次 段 第311 −6
条の説 明 欄に 掲 載 ).
新 法,
旧法 を 比 較 して み ると,
次 表の よ うになる.
【表III
】 新 法 旧 法 条 文 自由 刑 罰 金 (F
} 条 文 自 由 刑 罰 金 (F} (D
労 働 不能な し311 −4
条 項4
号 拘 禁 刑50
万382
条 拘 禁刑5
年 軽1
年以上0.
5
万以上 軽8
日以下の311 −5
条 拘 禁 刑 70 万5
年以下20
万以下 罪 労働不能 7 年 罪 (3
)8
日を 越 える311 −
6 条 拘 禁 刑100
万384
条 項 懲 役刑 な し 労 働 不能 10 年10
年以上 (4)永 続 的な311 −7
条 懲 役刑100
万20
年以 下 重 身 体 障 害 身 体一
部喪 失も同 15 年 重 (5} 死 亡311 −10
条 懲役 刑100
万 罪 罪 拷 問 ・ 野 蛮 行 為 も同 無期 大きな変 化は,
第一
に,
(3
}が重罪か ら軽 罪とされた点である.
これは, 新法の総 則で軽 罪の上限が5
年か ら10
年に 引き上 げら れ た (131−4
条 )こ とに起因す るが,
旧 法で は最 低 10年 だっ た もの が 新 法で は最高 10 年になっ たこ と,
罰 金 刑が新 設さ れ たこ と を考え る と,
や は り罪質の変 化と みて よい で あ ろ う.
第二 に, 新法で 刑が軽く なっ た とい う点で は,
(3
)の ほかに も,
(4)の場 合がそれに該 当する.
旧法で は,
(3
)(4
}いずれの場 合も致死 (5
)の場 合と同じ刑 罰が科せ ら れて いた.
結 局,
新 法で は全 般 的に刑 罰が引 き上 げ られ た が,
(3)(4)の み がそ の例外とい うこ とに なるBl}.
そ の ほか第 三 に,
新 法で は重 罪で あ る (4)(5>の場 合につ いて も罰金刑が置かれて い るこ と, 第四に,
致 死の場 合,
拷 問・
野 蛮 行 為 を行っ た場 合に は無期懲役 刑 (死刑が 廃 止 さ れてい るの で最 高 刑 )に なること な ど も,
目にっ く変 化で あ る、
〔加 重基準 〕前 段の (1>
〜
(3
)では 「完 全な労 働 不能」 と 「8
日 」 を基 準と して刑 罰の軽 重が決め ら れて い る.
両 者は既に旧刑 法で も採用されてい た 基 準であ る が,
そ れは新 法の暴 行 罪につ い て も採用さ れ た (227−7
条以下 ).
さ ら に,
そ の暴行罪の 刑 罰 段 階に した が っ て作ら れ たの が, 本 条以下の盗取 罪の刑 罰 段 階なの であるs2,.
実 際, 結 果に よ る刑の重さに つ い て 「暴行を伴う盗 罪」と 「暴 行罪」 と を 比較して表にして み ると (【表IV】),
その よ うに して本 条 以 下の刑 罰 段 階が作 ら れ た様 子が見て取れ る.
そして 前 者を か な り重 く罰して い ること (=
財産罪が か な り重 く罰 せ られてい るこ と) がわか る.
第
一
に,
「完 全 な 労 働 不 能 」 とい う基準にっ い て考えて み る と, 暴 行・
傷 害の軽 重を, 被 害者の傷 害の部位 (例.
目, 鼻 ) な どに よ ら ず,
労 働能力の喪 失の 程 度に よっ て 計 測 して い る ところ が興 味 深い.
労 働内 容は人に よっ て 異な るの 注80)BLANCHOT
,
Droitp6nal
sp6cial,
Les cours de droit,
1993,
p.
20.
81)Circ
.
14 man993,
in CODE PENALtNOUVEAU CODE PENAL 1994−
95,
Dalloz,
p.
374,
375.
フ ラ ン ス注 釈 刑 法
・
財 産 犯 (2
)(上 野 芳 久 ) 【表 IV 】 暴 行を伴う盗 罪 (311 −4
条以下 ) 暴 行 罪 (222−
7 条以下 )条 文
自
由刑 罰金 条 文 自由刑 罰金 (F
) α1
労 働 不 能な し8
日以下の 労 働不能 〔3)8 日を 越え る 労働 不能 (4)永 続 的 障 害・
身 体一
部 喪 失 〔5) 死 亡3114
4
号311−5
311−
6 拘 禁 刑5
年 拘 禁刑7
年 拘 禁 刑 10年50
万70
万 100 万 軽 罪 な し な し (通常)222 −13
(加 重) 222−
11 (通 常 ) 222−12
(加 重 ) 222−
9 (通 常 )一
一
拘禁 刑 3 年 拘 禁 刑 3 年 拘 禁 刑5
年 拘 禁 刑 10 年一
一
30 万 30 万50
万 100 万 軽 罪311−7
311
ヨ0
(含 拷 問・
野 蛮 行 為の場 合) 懲 役 刑15
年 無 期 懲 役 刑100
万100
万 重 罪222 −10
(加 重 )222 −7
(通 常 )222 −8
(加 重 ) 拘 禁 刑 5 年 拘 禁 刑15
年 懲 役 刑20
年 重 罪 で,
た と え ば同 じ“
指の骨 折”
で も タ イ ピ ス トと運 転 手で は刑 罰が異なっ て くる可 能 性が あり,
そ の点で は や や問 題が 残る.
しか し,
労 働 が 可 能 か 否 かはかな り客 観 的に決 定で き る と 思 わ れるし,
特に 8 日とい う日数は客 観 的に決まるの で,
量 刑に おける恣意性の排除とい う面で一
定の有 効性を もっ 基準だ ともいえ る.
第二 に, 「8 日」とい う基準で ある が, な ぜ 8 日 とい う日数が基準にな っ て い る理 由は定 かで は ない.
おそ らく日本で い う1
週間と い う感覚だ と思わ れ るs3).
〔次 条との 関 係 〕 本 条は次 条 と 対 を な し て お りt 次 条 が,
暴 行の結 果 引 き起 こされた完 全 な労 働 不 能の状 態が8
日 「を越え る」場 合 (10
年の拘 禁 刑および100
万フ ラ ンの 罰金)で ある の に対し,
本 条は,8
日「以下 」の場 合 (7
年の拘 禁 刑お よ び70
万 フ ラ ンの罰 金)にっ い て規 定す る,
第311 −6
条 〔強 窃 盗 傷害〕 窃盗の前 後 また は最 中に,
他 人を暴 行 し,
8
日を 越 え る完全 な労働不 能を 引 き起こし た場合は IO 年の 拘 禁 刑 お よ び 100 万 フ ラ ン の罰 金で罰 す る.
保安 期間に関 す る 第 132−23
条 第 項 お よ び 第 項 は本 条に 規定 する 犯罪に適 用す る,
Art.311−6
Le vol est
puni
de dix ans d’
emprisonnement et
de
l OOOOOOFd ’amende lorsqu’
i
亘est pr6c6“6
,accompagn60u suivi de vio 且ences s”r autrui ayant
entrain6 胆ne
incapacit6
totale
de
travail
pendantplus
de
huitjours
.
Les
deux
premiers alin6asde
1
’article l32−
23 relatif 註la p6riodede
s血ret6 sont apPlicables 血1
’
infraction pr色vue par 且e pr6sent article.
前 条の 説 明参照
.
前 条と異 な り,
第 項で保 安 期 間に関 す る 規 定の適 用 が あ るこ と が 明 らかにさ れてい る.
〔旧 法との 比 較 〕
旧法で は
,
本 条か ら第311 −10
条まで の犯 罪 形 態は,
すべ て まと めて ユつ の条 文 (第384
条,
次 頁に掲 載)に規 定 され て い た
.
83; フラン ス語で は
,
huitjouTs
(8 日間) とい う と1週間の意味に な る.
ま た 2週間を意味す る言葉と し て,
quinzejours
(15日 間 )とい う表 現が使われ る
.
小学 館ロ ベー
ル仏和 大 辞典 1238頁,
2006 頁,
たしかに,
初日 を算入 す れ ば8 日目 が 1週 間 後と な る
.
湘南工科 大 学 紀要 第
30
巻 第1
号r
−”−
ド
へ
1
旧第384
条 〔加重窃盗 〕lancient
Art.384
1
1
暴 行に よ っ て,
死 亡,
永 続 的 な 身 体障害,
も しく は1
(DLe
vol aggrave par des violences ayant entrainela
l
18
日 以上の完全な労働 不 能を 生じ さ せ た こ と に よっl
mort,
une infirmite permanente ou uneincapacite
l
i
て加重さ れ る場 合,l
totale de travail personneld’
une dur6e sup6riurea
l
1
1
huit
jours
l
ト
1
ま た は組 織さ れ た集 団に よっ て犯さ れ た場 合,
lou
commis enbande
organis6el
1
窃盗は10
年以 上20
年以下の 有期 懲役で罰せ られlsera
punide
la reclusion criminellea
tempsde
dix
ti
l
1
る.
l
vingt ans.
i
l l I つ まり新法は,
旧 条文をバ ラバ ラ に分 解 し,
行為態 様に し た が っ て条文を独 立 化 しかっ刑 罰を細 分 化 し た わ けで,
こ こ で も,
新 法が旧 法の条文を 整 理 しなお して い ることが よく分か る (前 稿87
頁の 「加 重 形 態による分類 表 」参照 ).
第311
−7
条 〔強窃盗 璽 傷害〕 窃盗の前 後 ま た は 最 中に,
他人 を 暴 行 し.
身 体の一
部 喪 失 ま たは永 続 的 な 身 体 障 害 を 引 き 起こ した 場 合は,
15
年の懲役 お よび100
万フ ランの罰 金 で 罰 す る。
保 安期 間に関する第132−23
条 第 項およ び第 項 は本条に規 定す る 犯 罪に適用 する、
Art .
311
−7
Le
yol est punide
quinze ansde
r6c 且usiom criminel 且eet
de
l
OOOOOOFd
’amende lorsqu’il
est pr6c6d6,
accompagn60u suivi
de
violencesSUr aUtrUi ayant entrain6 Une mUtilatiOn OU Une
in
血「mit6 pe『ma 匝ent.
Les
deux
premiers alin6asde
1’
article l32−23
relatif
a
la
P6riodede
s血ret6 sont apPlicab 且es 血
1’
infraction
pr6vuepar
le
pr6sent
article.
窃盗の機 会に他 人に対して暴 行し相手 方に傷害をお わ せ た事 例の 中で
,
最 も重い結 果(身 体の一
部 喪失,
永 続 的な身 体 障害) を もたらした場 合につ い ての規 定 (第 311−
5条の説 明 参 照 ).
〔重罪 窃盗 (volS qualifi6S)〕 前2
条が軽 罪で あ るの と異な り,
本 条の罪は重 罪である (第311 −
5条の説 明 参 照 ).
と こ ろ で,
単 純 窃 盗 は3
年の拘 禁刑で罰せ ら れ る軽 罪である が (311−1
条 ), たとえば, 本 条の よう な場 合や次 条の よ うに武 器を所 持し た場 合に は罪 質が重罪に変化するこ とにな る.
この よ うに加重事 由の適用に よ り重罪になっ た盗罪は,
し ば し ば 「重罪 窃盗 」と呼ば れ るs4).
第311 −
8 条 〔持凶 器 強 窃 盗 〕 武器 を 使 用 し もしく は 使用 す る と脅 して,
ま たは 許可を要 する武器もしくは携 帯を禁止 された武器 を 所 持 して窃盗を行った場合は,
20
年の懲役 お よび 亘00
万フ ランの罰金で 罰する.
保 安期間に関 す る第132−23
条 第 項お よび第 項 は本条に規 定する犯罪に適 用する.
Art.
311−
8Le vo1 est puni
de
yingt ansde
r垂clusion criminel 且eet
de
l
OOO
OOOF
d,
amendelorsqu,
il
est commis soitavec usage ou menace
d’
une arme,
soit par une personne porteuse
d
,une arme sOumise
a
autorisation oudont
le
port est prohib6.
Les
deux
premiers alin6asde
1’
articlel32−23
relatifa
la P6riodede
sfiret6 so皿t
apP 且icab
且esb
l’
infraction
pr6vue parle
pr6sent article。
フラ ン ス注釈 刑法
・
財 産犯 {21
(上野 芳久 ) 「一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
tt
一
一
一一
rr一
一
「一
一
t.
t.
一
一
一
一
t’
一
一
一
一
一
”
L一
一
一
一
tf’
一一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
1 旨旧第384
条 〔加重 窃盗 〕 1 旨 武 器 を 公 然とまたは隠 して所 持 した場 合,
1
窃 盗は加重され
,
…
無期懲役で罰せ ら れ る
.
ilancient
Art.
384 11
Le
vol aggravepar
le
port
d’
une arme apParente oul
。ache 。i
、e.a.puni.d。 1。 ,e,1。 ,i。n 。 ,imi。 ,11, a.pe,pet。ite.
1持凶 器強窃盗は, 今日 で は
,
強 姦事件 と と もに,
最 も頻繁に重罪 院に登 場する犯罪で ある s5〕.
そこ で本条は,
裁 判上 の実務を考慮に入れ るべ く , 持凶 器窃盗の定義を明 確に して い る 86).
〔新旧法の比較一
「所持 」の場 合〕 ヒに示 し た と お り 旧法 (第 384 条 項 )で は,
窃 盗の際 単に武 器 を 所 持 するだ けで,
無 期 懲 役にまで加 重された.
こ れ に対し て新 法は, 所 持罪の対 象を 「許可を要する」または 「禁止 さ れ た」武 器と限 定を付し,
刑 罰 も20
年の懲 役 刑 に軽減 し た.
もっ と も,
組織集団に よ る窃 盗で武 器が使 用さ れた場 合 (正 確に は本 罪が行わ れた場 合 )に は 30年の 懲 役,
100 万フ ラ ン の罰 金に まで 刑 罰が重 くな る (第311 −9
条).
〔成 立 範 囲の拡 大一
「使 用 」 「脅 し」の場 合 〕 しかし,
他 方で,
新法は,
武 器を使用 する と 「脅し た」にすぎ ない場 合も,
実 際に武 器を使 用した場合と同じだ と評 価 し,
そ の限 度で は持 凶 器 窃 盗 罪の成 立 範 囲を旧法よりも広げて い る.
さ ら に, 次段に み る ように, 武 器の意味も広 くなっ た.
〔武器の意味 〕 「武器 」 (arme )とは何かにつ い ては, その定義に関 する一
定の躊躇を排 除すべ く8η, 第 1 部総則第 132−
75 条に規 定 が新 設さ れ た.
ドり
ヨ
ド
旨第
132−75
条 〔武器 〕 {Art.
132−
75 [1
殺 人,
傷 害の た めの道 具はすべ て武器で あ る.
旨Est
une arme tout objet conCupour
tuer
oublesser.
{
旨 人に対 して危険を与え る お そ れ の あ る他のすべ て の 旨
Tout
autre objet susceptible de presenter undanger
l
I I l 道 具は
,
旨 1 殺 人・
傷 害・
脅しの た めに使用さ れる場合,
または 旨 1 その 所 持 者が殺 人・
傷 害・
脅 しを 予 定 する場 合,
武 旨 器と み な さ れ る,
l
I1
第 項に定め ら れ た武器と見誤 り う る ほどの外 観 を1
Est assimile a une arme tout objet qui,
presentant I I もっ 道 具は, 旨 ト 殺 人・
傷 害の 脅しの た め に使 用さ れ る場合,
またはl
l そ の所 持 者が殺人・
傷 害の脅し を 予 定 す る場 合,
武 旨 器とみなされる.
i
il
pour
les
personnes est assimil6a
une armed
さslors
l
qゴ
il
est 。tili、e
p。u, t。。r,
・blesse
, 。u m 。nace , 。u q。・
il
i
est
desti
。e,
P。 , ce1。i
q。i
,n 。、t p。 ,t。u,,
.a.t。 。r,
!
blesse, 。u m ,nace ,
.
{
旨avec 1
’
arme d壱員nie aupremier
alin6a une 旨 ,essembl 。nce d, n。ture 彑cr6。, 。ne c。nf。 ,i
。 。,
。、t…
。tili、6
P
。u, m ,nace ,d
。 t。 ,, 。ud
。blesse
, 。u…
desti
。6,
P。, ce1。i
q。i
。n 。、t p。,t。u,,
.b、m ,nace ,d
。…
tuer 。u
d
。blesse
,.
l
I 旧法 下で は,
第一
に,
刑 法 典 第3
部 「重 罪・
軽 罪お よ び その処 罰 」 第1
編 「公共利 益に対す る重罪・
軽 罪」第1
章 「国家の安全に対す る重罪・
軽罪」の中に,
次の ような規定が置か れてい た にす ぎず,
第二 に,1939
年 4月18
日 デ ク レ・
ロ ワ も戦 争用 具・
武 器 弾 薬 制 度につ い て定めるだ けで あ り,
第三に,
1973 年 3月 12 日デ クレ も,
武器につ い て の一
般 的定義規 定 を置か ない ま ま1939
年 デク レ・
ロ ワを適用する もので あっ た,
しかし そ の後t 新刑 法 典の 第4
部 85) LECLERC,
op.
cit.
,
p.
187.
86
)Circ.
14 mai l993,
0p.
cit.
,
p.
375.
87) VERON
,
Droit p6nal special,
4e 6d.
,
1995,
p.
178.
前 稿では同 書の第3版を参 照し た が,
本 稿以後は,
原 則と して,
最近入手 でき た 第4版 (新 刑 法 典に則 した形に改定さ れた新版)を使用 する こ と にする.
湘 南工科 大学 紀 要 第
30
巻 第1
号 「国 民,
国家 及び公 共の平 和1
こ対する重罪お よび軽 罪1
制 定の際の議 論の過程で,
国 民議 会の主導に より, 上に示し た よ う な第132−75
条の 定義規 定が置か れ るこ とに なっ たので あ る8s).
ドド
ア
1
旧第 102 条 〔武器 〕lancient
Art.
1021
1
武 器 とい う 用 語 は,
切 る,
刺 す,
打っ た めの一
切の1
@Sont
comprisdans
le
mot armes toutes machines,
1
1
機械,
器 具・
道 具 を 含 む.
l
tous instruments ou ustensiles tranchants.
perCants ;
l
l
ou contondants.
1
1
ポ ケ ッ ト用の小 刀・ はさみ,
単な る杖,
その他 すべ1
Les
couteaux et ciseaux depoche,1es
cannes simplesl
じ
1
て の物は,
let
tous autres objetsquelconques
ne seronpas
}
1
殺 害,
傷 害 ま たは殴 打の た め に用い られ た と きのlr6put6s
armes qu’
autantqu
’
il
en aura etefait
usagel
l
み
,
武器 とみ なす。
lpuor
tuer,
blesser
oufrapper
i
I I 1
第
132−75
条は,
それ まで の判例を参 考に して89),
項に“
性 質上の武 器”
(arme par nature ),
項に“
用途上の武器
”
(arme par destination}, 項に“
外観上の武 器”
(arme par simulee )に関 する規定を置い た.
項, 項につ いて は
,
次に示すような一
定の場合に限り武 器とみなされて い る.
「
〔 項 ) 〔 項〕 し た が っ て,
本 来武 器と はいえ ない物 (例.
棒,
か なづ ち)も武 器に な り う るgo).
準 備 集 合 罪で いわ れて い る“
使用 上の凶 器”
と同 様の考え方で あ る といえ よ う.
本 条と第 132−
75 条と を合わ せて考え る と,
偽 物の武器 (armefactice
)(例.
モ デ ルガ ン)を所 持して窃盗を犯し た 場 合で も,
それ が被 害 者を脅す た めに使 用さ れ な か っ た と き は,
持 凶 器 窃 盗は成 立 し ない.
もっ と も,
実 務上,
こ の よ うな事 例が重 罪院に送られた こと は ない91).
〔「禁 止 さ れ た 」 武 器 〕 1939 年 4 月 18 日 デ ク レ・
ロ ワ , 1973 年 3 月 12 日 デ ク レは次の ように武 器 8種類を 規 定 するが,
本条の 「禁 止 さ れ た」武 器と は,
そ の うちの第1〜4
種および第6
種の もの (* )をい う92}.
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講鞴 飜
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撚
』
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… 一 囘 ・・guerre)1
鑾難爨
鷭
1
ご
贈
撫
客 観的要 素:(殺人,
傷 害の た めの 道 具で は な く) 人に対して 危険を与え る お そ れのあ る道具の み 主 観 的 要 素:撫
臨 鷲
鴬
灘
嘉
鬻 暮
}
・み 客 観的要 素:(危 険性はな く) 第 項に定め ら れ た武器と見 誤 り うる ほ どの外 観を もっ道 具の み 主 観 螺 :瓢
瓣
認
鷹鵝懲聚蠶篇
}
・ み これ は,
ちょ う ど 日本 刑法の凶 器 88) Circ.
14 mai l 993,
0p.
ciし,
p、
308.
89} Circ
.
14 mai l 993,
supra.
90) BLANCHOT
,
op.
cit,
,
p.
20.
91) Circ
.
14 mai 1993,
0p.
cit.
,
p.
375;VERON,
op.
ciし,
p.
178.
フ ラ ンス注釈 刑法
・
財 産 犯 (2)(t
野芳 久) 第311 −9
条 〔組織 的 強 窃 盗 〕 組 織さ れ た集 団によ る 窃盗は,
15年の懲役およ び 100 万フ ラ ンの罰 金で罰 す る
.
前項の犯 罪の前 後ま たは最 中に,
他人 を 暴 行 し た場合は
20
年の懲 役 お よび100
万 フ ランの罰 金 で 罰 す る.
武 器 を 使 用 しもしくは使用す る と脅 し,
また は許可を 要 す る武器もしく は 携 帯 を 禁止さ れた武 器を所持 し て
,
本 罪を行っ た場 合は,
30
年の懲 役お よ び100
万 フ ラ ン の 罰 金で 罰 する.
保 安 期 間に関 す る 第132−23
条 第 項 お よ び 第 項は本 条に規 定 す る 犯 罪に適用する
.
Art .311−9
Le
vol enbande
organisEe est pu皿i
de
quinze ans
de
r6clusion criminel etde
l
OOO
OOO
F
d’
amende.
ll est puni
de
vingt ans de reclusion criminel et de l OOOOOOFd’
amende 且orsqu’
il est pr6c6d6,
accompagn6 ou suivi de vio 且ences sur alltrui
・
11
estpuni
de
trente ans de r6clusion criminel etde
1000000Fd
’
amende lorsq11’il
est commis soit ayecusage ou menace
d’
une arme,
soitpar
une personneporteuse
d
’une arrne soumisea
autorisation oudont 且e port est prohib6
.
Les
deux
premiers alin6asde
1’
article l32−23
「e 量atif b la P6riode “e s愈ret6 sont applicab 且es aux
1
’
infractionspr6vues
par le pr6sent article・
「
一
一
一
一
一
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一
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一
一
一一
一一
1
…
旧第 384 条 〔加重窃盗 〕lancient
Art.384
1 窃盗は,……
; Le vol
……
…
ま た は組織さ れ た集 団に よ。 て犯さnt
場 合,
1
・… mmis enb
・nd … g・・i
・ee
sera ・puni・d
・1
・1
−一
盤 些
璽 型 塑
脚 墾
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艶 桑
坐
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一
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哩 喚
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9
曇
ニー
一
一
一
一
一
〔組 織 犯 罪 (criminalit6 organise )へ の対応〕新 刑法 典の特 徴の
一
っ に組 織 犯 罪93〕へ の対応 が あ るが94},
い うま で もな く本条はその一
っ で あ る.
立 法者は,
あ らゆ る 形の組 織 犯 罪とより効 果的に戦うた めに,
旧 刑 法下で は盗 罪 (第 384 条 項)と爆発 物に よる破 壊 罪 (第435
条 項 )に すぎ な か っ た“
組 織 犯 罪を加重事由 と す る条 文”
を,
よ り多くの犯 罪にっ い て規定すること に した.
本 条 以 外に も,
たと え ば,
麻薬 取 引罪 (第222 −34
条以下 ),
監禁罪 (第224−3
条 ),
売 春 斡旋罪 (第225 −8
条),
強 要 罪 (第312
−
6 条 項 ),
詐 欺 罪 (第313 −
2条 5号 ),
贓 物 罪 (第 32ユー
2条 2号 ),
偽 造 通 貨 行 使 (第 442−2
条 項) な どで は主 体 が組織 集 団である場 合に は加重 さ れ るこ とに なっ た.
加重の理 由 は,
当該犯 罪を行っ た 犯 罪 者 達の集 団が犯 罪実 行 後も 残っ て し ま うこ と を考 慮に入れ た ため と考え ら れ る.
そ の意 味で は,
第 450−
1条で 定 義さ れ て い る集 団は,
第132−71
条の 集 団と類似 して い る95).
〔組 織 集 団と結 合 (r6union )〕とこ ろ で
,
上 記の多くの犯 罪で は 「結 合 」 も加重事 由と さ れて い る が,
こ れを 「組織 集団」 と混 同して は な らない.
組織 集団の場合は,
犯 罪 行 為者が,一
定の組 織の存 在を 基 礎 とする物理的 手 段を用い て,
重 罪・
軽 罪の実 行を準 備 した こ と,
すな わ ち予 謀 (pr6mediation )が あっ た こ と が前提と されて お り,
こ の点で結 合と異 なる.
(一
〔組織 集 団〕)なお
,
法 律上,
組織 集 団の要件と し て最低 何 人の参 加が必要か につ い て の規 定は ないが,
検 察 官 は,
少 人数の場 合に は 「結合」 と して処 理 し,
犯 罪が か な りの 人数に よっ て実 行さ れ た場 合にの み組 織 集 団の加重 事 由を採 用すること が あ る (組織集 団 と す ると軽 罪が 重罪 化され る)9G).
〔組織 集団 〕(unebande
organis6e )組 織され た 集 団とい え る た めには
,
第一
に,
複 数 人の結 合が あ るこ と,
第二 に,
活 動の着 想・
完成が 共 同に行 われ た93> 組 織 犯 罪につ いて は
,
南 部篤 「フ ラ ン ス 刑 法にお け る 組織犯 罪の規制」日本 大 学 57巻 4号 (1992年 1月 )
.
94) 恒 光徹 「フラン ス
ー
九 八 六 年 刑法 典 改正 法 案 {1)」岡 山 大 学 法 学会雑誌 37巻 1号178 頁 (1987 年),
95) Circ
.
14 mai l993,
0p.
ciし,
p,
307.
96)Circ.
14mai l 993,
supra・
湘南工科 大 学 紀 要
第 30 巻
第 1 号 こ と
,
が必要である97).
物理的手 段につ い て の組 織・
予 謀 が ある こ と, 地 位の 高い参 加 者 が 多い こ と が,
単な る一
時 的 あ るい は偶 然に形成さ れ た集 団との違い である98).
新刑 法 典 は
,
次に示 すよ うに第一
部 総則第 132−
71 条に定 義 規 定を おい て いる が,
類似の規 定は, いわゆる“
安 全 と 自由”
法 (1981 年2
月2
日法)によっ て, 旧刑法 典 第385
条にも 置かれて いた.
もっ と も 旧第385
条は,
加 重 窃盗の 実行を目的と して形成さ れ た集 団にっ い て しか 規 定 して い な か っ た99).
〔段 階 的 刑罰〕こ こ で も
,
旧 法 と 比べ,
新 法が よ り き め細かい刑 罰 段 階 を 設 定 してい る こ と が わ か る.
っ ま り,
1
日法は,
窃盗が組 織 さ れ た集 団に よる場合 を 加 重 した が,
新 法は,
単に組 織さ れ た集団に よ る場合,
そ れ が暴 行を した場 合, 武器 を 使用 した場 合に分 類 し,
順に15
年,20
年,
30 年 (た だ し罰金は どの場合で も100
万 フラ ン) を科すこ と と し た.
最 高 刑は, 旧法で は20
年だっ た が,30
年に引き上 げ られた。
ところで
,
暴 行の結 果 とい う もの は“
労 働 不 能な し”
か ら嗣
死 亡”
ま で様々 で ある が,
の暴行の 場 合, 生 じ た結果 に より刑 罰が違 うの か, 違 うと すれ ば ど の規定に したが うのか,
にっ い て は規定が ない.
しか し,
おそら く,
結 果に よ り違 う刑 罰 が科せ ら れると する の が,
段 階 的刑 罰 を 重 視 する新 刑 法 典の趣 旨で あろう.
そ して その場 合は,
刑 罰のバ ラ ン ス か ら見て,
暴 行罪の 規定 (第 222−
7条 以 下 )で はな く, 暴行を伴 う窃 盗の規 定 (第311−4
条4
号, 第311−5
条〜
第311 −7
条,
第311 −10
条 )が適用 さ れ ることになろう.
〔→
本 稿 第311 −5
条の項 〕;
一
もしくは数 個の客 観 的 事 実に特 徴づ け ら れ, il一
もし くは数 個の犯罪の準 備の た めに形 成 さ れ た dl すべ て の集 団ま た は な され たすべ ての共謀は,1
法律上, 組 織 集 団とする.
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一
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二
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一
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一
一
一
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… 一
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sen 、d
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。i
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・p・6P
・ ・ati・n・
ca ・acte ・i・6
・pa・un ・u pl・ ・i・urs ・f・it・lmat6riels
,
d’
une ou de plusieursinfractions
.
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肩葡
5
蓁緬
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一
… 一
…
一
一
一
一
一
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”
i
i
第382
条 ( 項 )に定め る事由 〔暴 行, 破 壊,
はLl
Est
r6putebande
organis6el
i
この利用・ 合鍵 等の使 用.
駐 場 所へ の 侵 入,
飴 等i
・・u ・g・・up ・ … ・d・ m ・1f・i
・・u・se ・・bl・・n vu 。 d。i
l
の保 存 場 所へ の侵入〕の一
も し くは数個を と もなっ たlcommettre
un ou plusieurs volsl
i
加 重 窃 盗をi
。g9,av6 , p。 , un 。 。u p1。 、i
。urs .des
、ci,c。n。、ancesl
i
一
もしく・姻 斯 す・目 的で創 設・n ,
i
… e・ ・aV ・ ・… 1・382
(・1
・・e
・1
)… a・ac ・e
・・。・P。 ,unei
i
かっ その 実行に有 効な物 的 手 段の準備や所 持を す る性lpr6paration
ainsi que parla
pessessiondes
moyensi
i
質を持っ て い るlmat6riels
utilesa
『action.
i
i
違 法 行 為者の集 団 は,
l
i
塑雙 塑
並
竺
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_
一
一
一
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一
一
一
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一
一
一
一
一
一
一
一
_ _ 一
.
一
.
一
_ _ 一一_ 一一
一
.
一
」
〔刑罰 〕組 織 さ れ た集 団に よ る強 窃盗の場 合に は
,
保 安 期 間の適用がある (本 条 項 ).
また, 補 充 刑 (第
311 −14
条)。
外 国 人に対して は国 内滞 在禁 止 (第311 −15
条 ) が 適用され,
さ ら に,
法 人に対す る 刑事 責 任 (第311 −16
条) も認めら れる.
9η BLANCHOT,
op.
cit.
,
p.
20,
98; VERON,
op.
ciし,
p.
178.
フ ラン ス注 釈刑法
・
財産犯 (2
)(上野 芳 久 ) 第 311−
10 条 〔強盗致死,
拷問窃盗〕 窃 盗の前 後ま た は最 中に,
暴 行 して相 手を 死亡 させた場 合
,
また は拷問 も し くは野 蛮 な 行為を した場合 無期懲 役 お よ び 100 万 フ ラ ン の罰金で罰 する.
保安 期 間に関 する第132−23
条第 項 お よ び 第 項 は本 条に規 定する犯罪に適用 する.
Art .311−
10Le vol est pun 董
de
且a r6clusion criminel 且e ムperp6tuit6 et
de
l
OOOOOO
F
d’
amende 且orsqu’
il
estPr6c6d6 , aecomPagn60u suivi soit de vio 且ences
ayant entrain61a mort
,
soitde
tortures
oud
’actesde
barbarie.
Les
deux
premiers alin6asde
1
’article l32−
23 relatif 血1a Pく…riodede
s血ret6 sont apPlicablesi
且’
infraction
pr6v皿e par le pr6sent artiele
.
新法は
.
拷問・
野蛮な行 為を し た場 合に も窃 盗 を重 く罰 す る規 定 を 新設した.
こ の場 合は,
条 文か らも明 らか な よう に致死の結 果が生じ た か否か は問わ ない.
致 死の場 合 と並ん で,
最 高の無 期 懲 役で罰せ ら れ る可 能 性 も あ る が,
それは お そ らく被 害 者が死 亡 もしくは そ れに匹 敵 する場合に限ら れ よ う.
(→ 第311−5
条の説 明 〕新 法が, 窃盗の後の暴行につ い て も
,
窃 盗 と は 別 罪 とせ ずに,
窃盗の加 重形態と して罰す ることに した点にっ いて は,
次 条の 〔経 緯 〕を参 照.
窃盗の前
,
最中,
後を問 わない の であるか らloe) , 日本 刑法の 第 240 条 (強盗致死 傷 罪 )にお けるよ う な“
強盗の手 段 と して の暴 行か ら死の結 果 が 生 じた こと を要するか”
とい う問題は生じ ない.
もっ とも,
強 盗の機 会に行われ た こ とで 足 り る とする説 (判 例,
団 藤,
藤 木 等 ) をと れば,
同じ よ う な結 論にな ろ う.
第 311−
11条 〔準 加 重 窃 盗 〕 正犯 または共 犯の逃 走を助けまた は処罰 を免れ さ せ る ために,
窃盗後に暴 行を行っ た場合,
そ の窃盗は.
第 311−
4条,
第 311−
5条,
第 311−
6 条,
第311−7
条,
第311 −9
条,
第311−10
条に いうのと同じ意 味での 暴 行 を 伴 う 窃 盗 と す る.
Art.
311−
llConstitue,
au sensdes
articles311 −4,311 −5,311 −6
,311−
7.
311 −
9,
311−
10,
un vol suivide
violences 且e volala
suiteduquel
des
violences ont 6t6 commises pourfavoriser
la
fuite
ou assurer1
’impunit6
d’
un auteur oud,
un complice.
これ は,
新 刑 法 典で 置かれた新しい犯罪 形 態である.
犯人の逃走を援助し又は犯 人が処罰 を免れ る よ うにするた め に,
窃 盗 行 為の後に暴 行 を 行っ た窃 盗 を罰し よ う とい うの であ り, 日本の事 後 強 盗 (第 238 条 )に似て い る.
異な るの は,
事 後 強 盗の場合 は,
(1
)財物 を取り返され るの を防ぐ,
逮 捕を免れ る,
ま た は罪 跡を隠滅する た めに行わ れ る こ とと さ れ る点,
(2)暴 行だ けで なく脅 迫 を する場 合も成 立す る点,
(3)共犯のた めに行う場 合は含 まれ ない点などである.
「正 犯の逃走 を助ける た め」と は
,
たとえば,
犯人が,
逃 走の 際に,
自動 車の運 転者に無 理 や り協力さ せるよ う な場 合lellである.
〔経緯 〕従来, 判例は厳 格に
,
窃盗の後の暴 行は窃 盗と は別の犯 罪だ と解 釈 して きた.
そ こで新 法はこ の解 釈を排除するた め に,
加重 事由と して の暴 行 (第 311−
4条 4号,
第 311−
5 条 以 下 )に は,
窃盗の 前・ 最 中だ けで な く 「後」 も含 まれ る と して,
窃 盗 行 為 と非 常に接 近 した時間 内 な ら加 重事由になる こと を明確に し たの で あ る.
これに対 して本 罪は,
窃 盗 行 為が 完 全に終わ っ た後に行わ れ た暴行にっ い て の規 定で あ る.
本 来で あれ ば,
かっ て判 例が そ う解 し た と お り,
窃盗 と暴 行と は別個の犯 罪とい うこ とにな ろ う.
し か し,
暴 行が逃 走 援 助 又は処 罰免 除の ため に行わ れ る場 合には, 暴 行と窃盗との関 連 性 は 直 接 的だ 1°2 ) と言 える.
した がっ て,
暴行が加重事 由と して考 慮さ れる 100) また,
フ ラ ン ス刑 法では 強 盗 とい う主 体は考 え られてお らず,
し たがって窃盗 と暴 行と は別 個独 立の犯罪とい う感 覚 が あること も,
日本の ような問 題が生 じない ことの理 由の一
つ になろ う.
101) BOULOC,
R.
S.
C.
1993,
p.
485.
102) Doc.
Senat 54 (1991−
1992)、
p.
31.
ただ し,
こ の元老 院の段 階では,
窃盗 後に限ら れて い な かっ た.
一
123一
湘 南工科大学紀要 第