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フランス注釈刑法・財産犯 (2)

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(1)

  M且 鬮0且R80F  SHONAN I四STITUTE OF T囗CHNOM )GY   Vol

30

 

No

1

1996

刑 法

財 産 犯 (

2

 野  芳 久

LES

 

CRIMES

 

ET

 

DELITS

 

CONTRE

 

LES

 

BIENS

II

   

一一

Commentaire

 

du

 nouveau  code  

p6nal 一

Yoshihisa

 

UENo

       < 目   次>       L は じ め に       2

本       文 第

3

部 財産に対 する重 罪及び軽罪   第 1 編  不法 領得    第 1 章  盗取

   

1

 

単 純 窃 盗及び加 重 窃盗 (第

311 −

4条 まで) (以 上前 号)        同       (第

311 −5

条 以 下 )      第

2

節 

般規 定

   

3

 

自 然 人に適 用 さ れ る補 充 刑 および 法 人の責 任 (以 上本 号 ) 第 311

5 条 〔強 窃 盗 傷 害 〕 窃 盗の前後 ま た は 最 中 に

他 人 を 暴 行 し

8 日以 下の完 全 な 労 働 不 能 を 引 き起 こし た場 合は

7年の拘 禁 刑 お よ び

70

万 フ ラ ン の罰金で罰す る

Art

311−5

 

Le

 vol est puni 

de

 sept  ans  

d

’emprisonnement  et 

de

700000Fd

ame 皿

de

 

lorsqu

’il est pr6ced6

 aecompagm6

0u  suivi  

de

 violences  sur autrui  ayant  entrafn6  une

incapacit6

 totale  de  travail  pendant  huit  

jours

 au

plus.

〔暴行を伴うこ と によ る加 重 〕

 

窃盗の機 会に 他人に対する暴行が行わ れ た場 合は

そ の結 果いかん によっ て刑罰が加 重さ れ る

本条か ら

311−

7条 で は

前 条   項 4 号と と もに

そ の こ とがさ れ て い る

死亡の 場 合含めて軽いに並べ る と次の ようになる

〈1) 完 全な労 働 能 力の喪 失 を もた らすにい たらな かっ た場 合 (前 条  項

4

号 ) (2)

8

日 以下の完 全な労働不能を引き起 こ し た場 合 (本 条 ) (3) 8 日 を越え る完 全な労 働不能を引 き起こ した場 合 (第

311 −6

条 )  

 

身 体の

部 喪 失また は永 続 的な身 体 障 害 を 引 き起こ し た場 合 (同

7

条) (5) 死亡 (同 10 条 ) 拘 禁刑

5

罰 金 50 万 フラ ン 拘 禁 刑 7 年        70 万フ ラ ン 拘禁 刑

10

年      

100

万フ ラ ン 懲 役 刑

15

年      100 万フ ラ ン 無期懲役刑      

100

万フ ラン 上記リス トの う ち

11

3

)はいずれ も軽罪に と どま るが

(4)(5)にまで至ると

軽 罪から重罪へ と罪質が変化 して い る こ と がわかる

後 者は 「重 罪 窃 盗」 と呼 ばれ る (→ 第

311 −7

条の 説 明 )

* 教 養 課 程 助 教 授  平 成 7 年 10 月

31

日受 付

一 115一

(2)

湘 南工科 大 学 紀 要   第

30

巻   第

1

号  なお

暴 行が組 織 集 団に よる 窃 盗の際に行 われ た場 合に は

刑 罰が

20

年の懲 役

,100

万フ ラ ン の罰 金と な り

4

)よ り も重 くなる (第 311

9 条)

これ も重罪 窃盗

〔旧法 との比較 〕  この よ うに新 法で は

5

段 階に分 類さ れ た が

旧 法で は単に 2段 階に分類されて いたにす ぎ ない80〕

上 記 沿 た形で い え ば

1

2

)と (

3

5

)の

2

段 階で, 前者は

1

年以 上 5 年以下の拘 禁刑 (

軽罪 ) (旧第

382

条   項 ), 後 者 も

10

年 以 上

20

年 以 下の懲 役 刑 (

重 罪 ) を 科 さ れ るに す ぎなかっ た (旧 第

384

条   項

次 段 第

311 −6

条の説 明 欄に 掲 載 )

新 法

旧法 を 比 較 して み ると

次 表の よ うになる

      【表

III

】 新 法 旧 法 条  文 自由 刑 罰 金 (

F

} 条   文 自 由 刑 罰 金 (F} (

D

労 働 不能な し

311 −4

条   項

4

号 拘 禁 刑

50

382

条 拘 禁刑

5

1

年以上

0.

5

万以上 軽  

8

日以下の

311 −5

拘 禁 刑 70 万

5

年以下

20

万以下 労働不能 7 年 罪 (

3

8

日を 越 える

311 −

6 条 拘 禁 刑

100

384

条   項 懲 役刑 な し 労 働 不能 10 年

10

(4)永 続 的な

311 −7

条 懲 役刑

100

20

年以 下 重 身 体 障 害 身 体

部喪 失も同 15 年 (5} 死 亡

311 −10

条 懲役 刑

100

罪 拷 問 ・ 野 蛮 行 為 も同 期   大きな変 化は

3

}が重罪か ら軽 罪とされた点である

これは, 新法の総 則で軽 罪の上限が

5

年か ら

10

年に 引き上 げら れ た (

131−4

条 )こ とに起因す るが

旧 法で は最 低 10年 だっ た もの が 新 法で は最高 10 年になっ たこ と

罰 金 刑が新 設さ れ たこ と を考え る と

や は り罪質の変 化と みて よい で あ ろ う

第二 に, 新法で 刑が軽く なっ た とい う点で は

3

)の ほかに も

(4)の場 合がそれに該 当する

旧法で は

3

)(

4

}いずれの場 合も致死 (

5

)の場 合と同じ刑 罰が科せ ら れて いた

結 局

新 法で は全 般 的に刑 罰が引 き上 げ られ た が

(3)(4)の み がそ の外とい うこ とに なるBl}

そ の ほか第 三 に

新 法で は重 罪で あ る (4)(5>の場 合につ いて も罰金刑がかれて い るこ と 四に

致 死の場 合

拷 問

野 蛮 行 為 を行っ た場 合に は無期懲役 刑 (死刑が 廃 止 さ れてい るの で最 高 刑 )に なること な ど も

目にっ く変 化で あ る

〔加 重基準 〕

 

前 段の 1

3

では 「完 全な労 働 不能」 と 「

8

日 」 を基 準と して刑 罰の軽 重が決め ら れて い る

両 者は既に旧刑 法で も採用されてい た 基 準であ る が

そ れは新 法の暴 行 罪につ い て も採用さ れ た (

227−7

条以下 )

さ ら に

そ の暴行罪の 刑 罰 段 階に した が っ て作ら れ たの が 本 条以下の盗取 罪の刑 罰 段 階なの であるs2,

実 際 結 果に よ る刑の重さに つ い て 「暴行を伴う盗 罪」と 「暴 行罪」 と を 比較して表にして み ると (【表IV】)

その よ うに して本 条 以 下の刑 罰 段 階が作 ら れ た様 子が見てれ る

そして 前 者を か な り重 くして い ること (

財産罪が か な り重 く罰 せ られてい るこ と) がわか る

 

「完 全 な 労 働 不 能 」 とい う基準にっ い て考えて み る と, 暴 行

傷 害の軽 重を, 被 害者の傷 害の部位 (例

目, 鼻 ) な どに よ ら ず

労 働能力の喪 失の 程 度に よっ て 計 測 して い る ところ が興 味 深い

労 働内 容は人に よっ て 異な るの 注

80)BLANCHOT

 Droit 

p6nal

 sp6cial

 Les cours  de droit

1993

 p

 20

81)Circ

14 man993

 in CODE  PENALtNOUVEAU  CODE  PENAL  1994

95

 Dalloz

 p

374

375

(3)

フ ラ ン ス注 釈 刑 法

財 産 犯 (

2

)(上 野 芳 久 ) 【表 IV 】 暴 行を伴う盗 罪 (

311 −4

条以下 ) 暴 行 罪 (222

7 条以下 )

条 文

由刑 罰金 条  文 自由刑 罰金 (

F

) α

1

労 働 不 能な し  

8

日以下の    労 働不能 〔3)8 日を 越え る    労働 不能 (4)永 続 的 障 害

   身 体

部 喪 失 〔5) 死 亡

3114

 

4

311−5

311

6 拘 禁 刑

5

年 拘 禁刑

7

年 拘 禁 刑 10年

50

70

万 100 万 軽 罪   な し  な し  (通常)

222 −13

(加 重) 222

11 (通 常 ) 222

−12

(加 重 ) 222

9  (通 常 )

  一

  一

拘禁 刑 3 年 拘 禁 刑 3 年 拘 禁 刑

5

年 拘 禁 刑 10 年

30 万 30 万

50

万 100 万 軽 罪

311−7

311

0

  (含 拷 問

野 蛮   行 為の場 合) 懲 役 刑

15

年 無 期 懲 役 刑

100

100

万 重 罪

222 −10

(加 重 )

222 −7

  (通 常 )

222 −8

  (加 重 ) 拘 禁 刑 5 年 拘 禁 刑

15

年 懲 役 刑

20

年 重 罪 で

た と え ば同 じ

指の骨 折

で も タ イ ピ ス トと運 転 手で は刑 罰が異なっ て くる可 能 性が あり

そ の点で は や や問 題が 残る

しか し

労 働 が 可 能 か 否 かはかな り客 観 的に決 定で き る と 思 わ れるし

特に 8 日とい う日数は客 観 的に決まるの で

量 刑に おける恣意性の排除とい う面で

定の有 効性を もっ 基準だ ともいえ る

  第二 に 「8 日」とい う基準で ある が, な ぜ 8 日 とい う日数が基準にな っ て い る理 由は定 かで は ない

おそ らく日本で い う

1

週間と い う感覚だ と思わ れ るs3)

〔次 条との 関 係 〕  本 条は次 条 と 対 を な し て お りt 次 条 が

暴 行の結 果 引 き起 こされた完 全 な労 働 不 能の状 態が

8

日 「を越え る」場 合 (

10

年の拘 禁 刑および

100

万フ ラ ンの 金)で ある の に

本 条は

,8

日「以下 」の場 合 (

7

拘 禁 刑お よ び

70

万 フ ラ ンの罰 金にっ い て規 定す る

311 −6

条 〔強 窃 盗 傷害〕   窃盗の前 後 また は最 中に

他 人を暴 行 し

 

8

日を 越 え る完全 な労働不 能を 引 き起こし た場合は  IO 年の 拘 禁 刑 お よ び 100 万 フ ラ ン の罰 金で罰 す   る

  保安 期間に関 す る 第 132

−23

条 第   項 お よ び 第   項  は本 条に 規定 する 犯罪に適 用す る

Art.311−6

  Le vol  est 

puni

 de dix ans  d

emprisonnement  et

 

de

 l OOOOOOFd ’amende  lorsqu

i

亘est pr6c6“

6

 accompagn60u  suivi  de vio 且ences  s”r autrui  ayant

 entrain6 胆ne  

incapacit6

 

totale

 

de

 

travail

 pendant

  plus 

de

 huit 

jours

 

Les

 

deux

 premiers  alin6as  

de

 

1

’article  l32

23  relatif 註la p6riode 

de

 s血ret6  sont apPlicables 血

  1

infraction pr色vue  par 且e pr6sent  article

 前 条の 説 明参

前 条と異 な り

第  項で保 安 期 間に関 す る 規 定の適 用 が あ るこ と が 明 らかにさ れてい る

〔旧 法との 比 較 〕

 旧法で は

本 条か ら第

311 −10

条まで の犯 罪 形 態

すべ て まと めて ユつ の条 文 (

384

次 頁掲 載)に規 定 さ

れ て い た

83; フラン スで は

huit 

jouTs

8 日間) とい う と1週間の意味に な る

ま た 2週間を意味す る言葉と し て

  quinze  

jours

15

    日 間 )とい う表 現が使われ る

小学 館ロ ベ

仏和 大 辞典 1238

2006

たしかに

初日 を算入 す れ ば8 日目 が 1週 間 後

    と な る

(4)

湘南工科 大 学 紀要   第

30

巻  第

1

r

−”− 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1

旧第

384

条 〔加重窃盗 〕     

lancient

 

Art.384

       

1

 

                                                                                                           

 

                                                                                                                      

1

  暴 行に よ っ て

死 亡

永 続 的 な 身 体障害

も しく は

1

DLe

 vol  aggrave  par des violences  ayant  entraine  

la

 

l

 

                

18

日 以上の全な労働 不 能を 生じ さ せ た こ と に よっ

l

  mort

 une  infirmite permanente  ou  une  

incapacite

 

l

 

                                                                                                                                                            

i

  て加重さ れ る場 合,     

l

  totale de travail personnel 

d’

une  dur6e sup6riure  

a

 

l

 

                

1

      

1

  

huit

 

jours

       

l

 

       ト        

1

  ま た は組 織さ れ た集 団に よっ て犯さ れ た場 合

   

lou

 commis  en  

bande

 organis6e      

l

 

                

1

窃盗は

10

年以 上

20

年以下の 期 懲役で罰せ られ

lsera

 puni 

de

 la reclusion  criminelle  

a

 temps  

de

 

dix

 

ti

 

l

                  

1

  る

     

l

  vingt  ans

     

i

l                     l                    I つ まり新法は

旧 条文をバ ラ に分 解

態 様 し た が 独 立 化 しか刑 罰細 分 化 し た わ

こ で も

新 法が旧 法の条文を 整 理 しなお して い ることが よく分か る (前 稿

87

頁の 「加 重 形 態による分類 表 」参照 )

311

−7

条 〔強窃盗 璽 傷害〕   窃盗の前 後 ま た は 最 中に

他人 を 暴 行 し

  身 体の

部 喪 失 ま たは永 続 的 な 身 体 障 害 を 引 き 起こ   した 場 合は

 

15

年の懲役 お よび

100

万フ ランの罰 金 で 罰 す る

  保 安期 間に関する第

132−23

条 第  項およ び第   項  は本条に規 定す る 犯 罪に適用 する

Art .

311

−7

 

Le

 yol  est puni 

de

 quinze ans  

de

 r6c 且usiom  criminel e

 et 

de

 

l

 

OOOOOOFd

’amende  lorsqu’

il

 est  pr6c6d6

 accompagn60u  suivi  

de

 violences

 SUr aUtrUi  ayant  entrain6  Une  mUtilatiOn  OU Une

 

in

血「mit6  pe『ma 匝ent

 

Les

 

deux

 premiers  alin6as  

de

 

1’

article  l32

−23

 relatif  

a

 

la

 P6riode  

de

 s血ret6 sont  apPlicab 且es 血

 

1’

infraction

 pr6vue  

par

 

le

 

pr6sent

 article

  窃盗の機 会他 人して暴 行し相手 方に傷害をお わ せ た事 例の

最 も重い結 果(身 体の

部 喪失

永 続 的な身 体 障害) を もたらした場 合につ い ての規 定 (第 311

5条の説 明 参 照 )

〔重罪 窃盗 (volS  qualifi6S)〕   前

2

条が軽 罪で あ るの と異な り

本 条の罪は重 罪である (第

311 −

5条の説 明 参 照 )

と こ ろ で

単 純 窃 盗 は

3

年の拘 禁刑で罰せ ら れ る軽 罪である が (

311−1

条 ), たとえば, 本 条の よう な場 合や次 条の よ うに武 器を所 持し た場 合に は罪 質が重罪に変化するこ とにな る

この よ うに重事 由の適用に よ り重罪になっ た盗罪は

し ば し ば 「重罪 窃盗 」と呼ば れ るs4)

311 −

8 条 〔持凶 器 強 窃 盗 〕   武器 を 使 用 し もしく は 使用 す る と脅 して

ま たは   許可を要 する武器もしくは携 帯を禁止 された武器 を  所 持 して窃盗を行った場合は

 

20

年の懲役 お よび 亘

00

万フ ランの罰金で 罰する

  保 安期間に関 す る第

132−23

条 第  項お よび第   項  は本条に規 定する犯罪に適 用する

Art.

311

8

  Le vo1 est puni 

de

 yingt  ans  

de

 r垂clusion  criminel e

 et 

de

 

l

 

OOO

 OOO 

F

 

d,

amende  

lorsqu,

il

 est commis  soit

 avec  usage  ou  menace  

d’

une  arme

 soit par une  personne  porteuse  

d

,une  arme  sOumise

 

a

 autorisation  ou  

dont

 

le

 port est prohib6

 

Les

 

deux

 premiers  alin6as  

de

 

1’

article  

l32−23

 relatif  

a

 la P6riode  

de

 sfiret6 so皿

t

 apP 且

icab

且es 

b

 

l’

infraction

 pr6vue  par 

le

 pr6sent article

(5)

フラ ン ス注釈 刑法

財 産犯 {

21

(上野 芳久 ) 「

tt

一一

rr一

t.

t.

t’

L一

tf’

一一

 

1 旨旧第

384

条 〔加重 窃盗 〕 1 旨  武 器 を 公 然とまたは隠 して所 持 した場 合

1

 

窃 盗は加重され

 

無期懲役で罰せ ら れ る

i

lancient

 Art

384 11

 

Le

 vol  aggrave  

par

 

le

 

port

 d

une  arme  apParente  ou

l

。ache 。

i

、e.a.puni.d。 1。 ,e,1。 ,i。n 。 ,imi。 ,11, a.pe,pet。

ite.

1

 

持凶 器強窃盗は, 今日 で は

強 姦事件 と と もに

最 も頻繁に重罪 院に登 場する犯罪で ある s5〕

こ で本条

裁 判 の実務を考慮に入れ るべ , 持凶 器窃盗の定義を明 確に して い る 86)

〔新旧法の比較

「所持 」の場 合〕   ヒに示 し た と お り 旧法 (第 384 条   項 )で は

窃 盗の際 単に武 器 を 所 持 するだ けで

無 期 懲 役にまで加 重された

こ れ に対し て新 法は, 所 持罪の対 象を 「許可を要する」または 「禁止 さ れ た」武 器と限 定を付し

刑 罰 も

20

年の懲 役 刑 に軽減 し た

もっ と も

組織集団に よ る窃 盗で武 器が使 用さ れた場 合 (正 確に は本 罪が行わ れた場 合 )に は 30年の 懲 役

100 万フ ラ ン の罰 金に まで 刑 罰が重 くな る (第

311 −9

条)

〔成 立 範 囲の拡 大

「使 用 」 「脅 し」の場 合 〕  しかし

他 方で

新法

武 器を使用 する と 「脅し た」にすぎ ない場 合も

実 際に武 器を使 用した場合と同じだ と評 価 し

そ の限 度で は持 凶 器 窃 盗 罪の成 立 範 囲を旧法よりも広げて い る

 さ ら に, 次段に み る ように, 武 器の意味も広 くなっ た

〔武器の意味 〕   「武器 」 (arme )とは何かにつ い ては その定義に関 する

定の躊躇を排 除すべ く8η 第 1 部総則第 132

75 条に規 定 が新 設さ れ た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  旨第

132−75

条 〔武器 〕      {Art

132

75       [                                                                                                                                                                                                                                   

 

1

  殺 人

傷 害の た めの道 具はすべ て武器で あ る

    旨 

Est

 une  arme  tout objet  conCu  

pour

 

tuer

 ou 

blesser.

 

                

旨  人に対 して危険を与え る お そ れ の あ る他のすべ て の  

Tout

 autre  objet  susceptible  de presenter un  

danger

 

l

I                                                                           I                                                                                l 道 具は

      旨       1 殺 人

傷 害

脅しの た めに使用さ れる場合

または 旨       1 その 所 持 者が殺 人

傷 害

脅 しを 予 定 する場 合

武 旨 器と み な さ れ る

       

l

      I

1

  第  項に定め ら れ た武器と見誤 り う る ほどの外 観 を

1

  Est assimile  a une  arme  tout objet  qui

 presentant I                                                                                                           I もっ 道 具は                              旨       ト 殺 人

傷 害の しの た め に使 用さ れ る場合

または

l

      l そ の所 持 者が殺人

傷 害のし を 予 定 す る場 合

武 旨 器とみなされる

       

i

       

il

pour 

les

 personnes  est assimil6  

a

 une  arme  

d

さs 

lors

 

l

qゴ

il

 est 。tili、

e

 p。u, t。。r

blesse

, 。u m nace , 。u q

il

 

i

est  

desti

。e

 P。 , ce1。

i

 q。

i

,n 。、t p。 ,t。u,

.a.t。 。r

 

blesse, 。u m ,nace ,

       

       旨

avec  1

arme  d壱員nie  au  

premier

 alin6a  une        ,essembl 。nce  d, n。ture 彑cr6。, 。ne c。nf。 ,

i

。 。

。、t

。tili、

6

 

P

。u, m ,nace , 

d

。 t。 ,, 。u 

d

。 

blesse

, 。u

   

desti

6,

 P。, ce1。

i

 q。

i

。n 。t p,tu,

.b、m nace , 

d

tuer 。u 

d

。 

blesse

       

l

      I  旧法 下で は

刑 法 典 第

3

部 「重 罪

軽 罪お よ び その処 罰 」 第

1

編 「公共利 益に対す る重罪

軽 罪」第

1

章 「国家の安全に対す る重罪

軽罪」の中に

次の ような規定が置か れてい た にす ぎず

第二 に

,1939

年 4月

18

日 デ ク レ

戦 争用 具

武 器 弾 薬 制 度につ い て定めるだ けで あ り

第三に

1973 年 3月 12 日デ クレ も

武器につ い て の

般 的定義規 定 を置か ない ま ま

1939

年 デク レ

ロ ワを適用する もので あっ た

しかし そ の後t 新刑 法 典の 第

4

部 85) LECLERC

 op

 cit

 p

187

86

Circ.

14 mai  l993

0p

 cit

 p

375

87) VERON

 Droit p6nal special

4e 6d

1995

 p

178

前 稿は同 書の第3版を参 照し た が

本 稿以後は

原 則と して

最近入手     でき た 第4版 (新 刑 法 典に則 した形に改定さ れた新版)を使用 する こ と にする

(6)

湘 南工科 大学 紀 要  第

30

巻  第

1

号 「国 民

国家 及び公 共の平 和

1

する重罪お よび軽 罪

1

制 定のの議 論の過程で

国 民議 会の主導に より, 上に示し た よ う な第

132−75

条の 定義規 定が置か れ るこ とに なっ たので あ る8s)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

1

旧第 102 条 〔武器 〕     

lancient

 

Art.

102                              

1

               

1

  武 器 とい う 用 語 は

切 る

刺 す

打っ た めの

切の

1

 @

Sont

 compris  

dans

 

le

 mot  armes  toutes machines

 

1

                 

1

  機械

器 具

道 具 を 含 む

     

l

  tous instruments  ou  ustensiles  tranchants

 perCants  ;

               

l

      

l

  ou contondants

       

1

               

1

  ポ ケ ッ ト用の小 刀・ は

な る

他 す

1

 

Les

 couteaux  et ciseaux  de 

poche,1es

 cannes  simples  

l

              じ

1

  て の物は

       

let

 tous autres  objets  

quelconques

 ne seron  

pas

   

               

1

  殺 害

傷 害 ま たは殴 打の た め に用い られ た と きの

lr6put6s

 armes  qu

autant  

qu

il

 en aura  ete 

fait

 usage  

l

l

 

武器 とみ なす

       

lpuor

 tuer

 

blesser

 ou  

frapper

      

i

I      I       1

 第

132−75

条は

それ まで の判例を参 考に して89)

  項

性 質武 器

arme  par nature )

  項に

用途上の武

(arme  par destination   項

外観上の武 器

arme  par simulee 関 すい た

  項,   項につ い

て は

次に示すような

定の場合に限り武 器とみなされて い る

〔  項 ) 〔  項〕   し た が っ て

本 来武 器と はいえ ない物 (例

か なづ ち)も武 器に な り う るgo)

準 備 集 合 罪で いわ れて い る

使用 上の凶 器

と同 様のえ方で あ る といえ よ う

 本 条と第 132

75 条と を合わ せて考え る と

偽 物の武器 (arme  

factice

(例

モ デ ルガ ン)を所 持して窃盗を犯し た 場 合で も

それ が被 害 者を脅す た めに使 用さ れ な か っ た と き は

持 凶 器 窃 盗は成 立 し ない

もっ と も

実 務上

こ の よ うな事 例が重 罪院に送られた こと は ない91)

〔「禁 止 さ れ た 」 武 器 〕   1939 年 4 月 18 日 デ ク レ

, 1973 年 3 月 12 日 デ ク レは次の ように武 器 8種類を 規 定 するが

本条の 「禁 止 さ れ た」武 器と は

そ の うちの第

1〜4

種および第

6

種の もの (* )をい う92}

i

講鞴 飜

i

_ _

… 一 囘 ・・guerre)

1

鑾難爨

1

客 観的要 素:

傷 害の た めの 道 具で は な く) 人にして 危険を与え る お そ れのあ る道具の み 主 観 的 要 素:

臨 鷲

鬻 暮

・み 客 観的要 素:(危 険性はな く) 第  項に定め ら れ た武器と見 誤 り うる ほ どの外 観を もっ道 具の み 主 観 螺 :

鷹鵝懲聚蠶篇

・ み       これ は

ちょ う ど 日本 刑法の凶 器 88) Circ

14 mai  l 993

0p

 ciし

 p

308

89} Circ

14 mai  l 993

 supra

90) BLANCHOT

 op

 cit

 p

20

91) Circ

14 mai  1993

0p

 cit

 p

375VERON

 op

 ciし

 p

178

(7)

フ ラ ンス注釈 刑法

財 産 犯 (2)(

t

野芳 久) 第

311 −9

条 〔組織 的 強 窃 盗 〕   組 織さ れ た集 団によ る 窃盗は

 

15年の懲役およ び 100 万フ ラ ンの罰 金で罰 す る

  前項の犯 罪の前 後ま たは最 中に

 

他人 を 暴 行 し た場合は

 20

年の懲 役 お よび

100

万 フ ランの罰 金 で 罰 す る

  武 器 を 使 用 しもしくは使用す る と脅 し

また は許可

 

を 要 す る武器もしく は 携 帯 を 禁止さ れた武 器を所持   し て

本 罪を行っ た場 合は

  30

年の懲 役お よ び

100

万 フ ラ ン の 罰 金で 罰 する

  保 安 期 間に関 す る 第

132−23

条 第   項 お よ び 第  項

 

は本 条に規 定 す る 犯 罪に適用する

Art .311−9

 

Le

 vol  en 

bande

 organisEe  est pu皿

i

 

de

 quinze ans

 

de

 r6clusion  criminel  et 

de

 

l

 

OOO

 

OOO

 

F

 

d’

amende

  ll est  puni 

de

 vingt  ans  de reclusion  criminel  et  de l OOOOOOFd

amende 且orsqu

il est  pr6c6d6

 

accompagn6  ou suivi de vio 且ences  sur alltrui

 

11

 est 

puni

 

de

 trente ans  de r6clusion  criminel  et 

de

  1000000Fd

amende  lorsq11’

il

 est commis  soit ayec

 

usage  ou  menace  

d’

une  arme

 soit 

par

 une  personne

 

porteuse  

d

’une  arrne  soumise  

a

 autorisation  ou

 dont 且e port est prohib6

 

Les

 

deux

 premiers  alin6as  

de

 

1’

article  l32

−23

 「e 量atif  b la P6riode e sret6 sont  applicab 且es aux

 

1

infractions 

pr6vues

 par le pr6sent article

一一

一一

一一

  一

一一

T

− }一

冖一

r=

冖一

一…一

一一

一一

1

旧第 384 条 〔加重窃盗 〕

       

lancient

 

Art.384

1   窃盗は,

……

      

;  Le  vol

……

ま た は組織さ れ た集 団に よ。 て犯さ

nt

場 合

 

1

・… mmis  en  

b

・nd … g・・

i

ee

 sera ・puni・

d

1

1

−一

盤 些

璽 型 塑

脚 墾

艶 桑

L

聖墜 狸

哩 喚

哩 璽 迦

9

〔組 織 犯 罪 (criminalit6  organise )へ の対応〕

 

新 刑法 典の特 徴の

っ に組 織 犯 罪93〕へ の応 が あ るが94}

ま で もな く

っ で あ る

立 法者は

あ らゆ る 形の組 織 犯 罪とより効 果的にうた めに

旧 刑 法下で は盗 罪 (第 384 条  項)と爆発 物に よる破 壊 罪 (第

435

条   項 )に すぎ な か っ た

組 織 犯 罪を加重事由 と す る条 文

よ り多くの犯 罪にっ い て規定すること に した

本 条 以 外に も

たと え ば

麻薬 取 引罪 (第

222 −34

条以下 )

監禁罪 (第

224−3

条 )

売 春 斡旋罪 (第

225 −8

条)

強 要 罪 (第

312

6 条   項 )

詐 欺 罪

313 −

2条 5号 )

贓 物 罪 (第 32ユ

2条 2号 )

偽 造 通 貨 行 使 (第 442

−2

条  項) な どで は主 体 が組織 集 団である場 合に は加重 さ れ るこ とに なっ た

加重の理 由 は

当該犯 罪を行っ た 犯 罪 者 達の集 団が犯 罪実 行 後も 残っ て し ま うこ と を考 慮に入れ た ため と考え ら れ る

そ の意 味で は

第 450

1 定 義さ れ い る集 団は

132−71

条の 集 団と類似 して い る95)

〔組 織 集 団と結 合 (r6union )〕

 

とこ ろ で

上 記の多くの犯 罪で は 「結 合 」 も加重事 由と さ れて い る が

こ れを 「組織 集団」 と混 同して は な らない

組織 集団の場合は

犯 罪 行 為者が

,一

定の組 織存 在を 基 礎 とする物理的 手 段を用い て

重 罪

軽 罪の実 行を準 備 した こ と

すな わ ち予 謀 (pr6mediation )が あっ た こ と が前提と されて お り

こ の点で結 合と異 なる

〔組織 集 団〕)

 

なお

法 律上

組織 集 団の要件と し て最低 何 人の参 加が必要か につ い て の規 定は ないが

検 察 官 は

少 人数の場 合に は 「結合」 と して処 理 し

犯 罪が か な りの 人数に よっ て実 行さ れ た場 合にの み組 織 集 団の加重 事 由を採 用すること が あ る (組織集 団 と す ると軽 罪が 重罪 化され る)9G)

〔組織 集団 〕(une  

bande

 organis6e

 

組 織され た 集 団とい え る た めには

複 数 人の結 合が あ るこ と

第二 に

活 動の着 想

完成が 共 同に行 われ た

93> 組 織 犯 罪につ いて は

南 部

 

篤 「フ ラ ン ス 刑 法にお け る 組織犯 罪の規制」日本 大 学 57巻 4号 (1992年 1月 )

94) 恒 光

 

徹 「フラン ス

九 八 六 年 刑法 典 改正 法 案 {1)」岡 山 大 学 法 学会雑誌 37巻 1号178 頁 (1987 年)

95) Circ

14 mai  l993

0p

 ciし

 p

307

96Circ

14mai  l 993

 supra

(8)

湘南工科 大 学 紀 要

 

第 30 巻

 

第 1 号 こ と

が必要である97)

的手 段つ い て の組 織

予 謀 が ある こ と, 地 位の 高い参 加 者 が 多い こ と が

単な る

時 的 あ るい は偶 然に形成さ れ た集 団との違い である98)

 

新刑 法 典 は

次に示 すよ うに

部 総則第 132

71 条に定 義 規 定を おい て いる が

類似の規 定は, いわゆる

安 全 と 自由

法 (1981 年

2

2

日法)によっ て 旧刑法 典 第

385

条にも 置かれて いた

もっ と も 旧第

385

条は

加 重 窃盗の 実行を目的と して形成さ れ た集 団にっ い て しか 規 定 して い な か っ た99)

〔段 階 的 刑罰〕

 

こ こ で も

旧 法 と 比べ

新 法が よ り き め刑 罰 段 階 を 設 定 し る こ と が わ か る

っ ま り

1

日法は

窃盗が組 織 さ れ た集 団に よる場合 を 加 重 した が

新 法は

  単に組 織さ れ た集団に よ る場合

  そ れ が暴 行を した場 合,   武器 を 使用 した場 合に分 類 し

順に

15

,20

30 年 (た だ し金は どので も

100

万 フラ ン) を科すこ と と し た

最 高 刑は, 旧法で は

20

年だっ た が

,30

年に引き上 げ られた

 

ところで

暴 行の結 果 とい う もの は

労 働 不 能な し

か ら

死 亡

ま で様々 で ある が

  の暴行の 場 合 じ た結果 に より刑 罰が違 うの か, 違 うと すれ ば ど の規定に したが うのか

にっ い て は規定が ない

しか し

おそら く

結 果に よ り違 う刑 罰 が科せ ら れると する の が

段 階 的刑 罰 を 重 視 する新 刑 法 典の趣 旨で あろう

そ して その場 合

刑 罰のバ ン ス か ら見て

暴 行罪の 規定 (第 222

7条 以 下 )で はな を伴 う窃 盗の規 定 (第

311−4

4

号, 第

311−5

311 −7

311 −10

条 )が適用 さ れ ることになろう

本 稿 第

311 −5

条の項 〕

数 個客 観 的 事 実に特 徴づ け ら れ, il

くは数 個の犯罪の準 備の た めに形 成 さ れ た dl すべ て の集 団ま た は な され たすべ の共謀は,  

1

法律上, 組 織 集 団とする

t

繭蘿棄面

一一

… 曹

} 一

斎匸苑

2

… 一

… 一

… 一

”一

一一

… … 一

1

 

 

 

一一

一一

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

_

1

lC

。n,tit。 。 un , 

b

。nd 。 。 .gani,

6eau

 sen 、 

d

。 1

1

i

 tut

i9

,。up 。m 。nt  

f

。 ,me 。u t。ut。 ,nt,nt。 et。blie en  vu 。 d。  

ii

・p・

6P

・ ・ati・n

ca ・acte ・i・

6

・pa・un ・u  pl・ ・i・urs ・f・it・

lmat6riels

 d

une  ou  de plusieurs 

infractions

肩葡

5

蓁緬

顧 氤

一一

T

薦 ;

1

… 一

… 一

… 一

i

i

382

条 (  項 )に定め る事由 〔暴 行, 破 壊

Ll

 

Est

 r6pute  

bande

 organis6e

         

l

i

この利用・ 合鍵 等の使 用

駐 場 所へ の 侵 入

飴 等

i

・・u ・g・・up ・ … ・d・ m ・1f・

i

・・u・se ・・bl・・n vu 。 d。

 

i

l

保 存 場 所〕の

も し くは数個を と もなっ た

lcommettre

 un  ou  plusieurs vols

      

l

i

加 重 窃 盗を

       

i

。g9,av6 , p。 , un 。 。u p1。 、

i

。urs .

des

cicnances

 

l

i

目 的創 設

n ,

   

i

… e・ ・aV ・ ・ 1

382

1

e

1

)… a・ac ・

e

・・。・P。 ,une  

i

i

かっ その 実行に有 効な物 的 手 段の準備や所 持を す る性

lpr6paration

 ainsi que par 

la

 pessession 

des

 moyens

  

i

i

質を持っ て い る

       

lmat6riels

 utiles  

a

action

      

i

i

違 法 行 為者の集 団 は

         

l

       

i

塑雙 塑

_

_

_ _

_

_一

1

_

_

_ _ 一

_ _ 一一_ 一一

〔刑罰 〕

 

組 織 さ れ た集 団に よ る強 窃盗の場 合に は

保 安 期 間の適用がある (本 条   項 )

 

また, 補 充 刑 (第

311 −14

条)

外 国 人に対して は国 内滞 在禁 止 (第

311 −15

条 ) が 適用され

さ ら に

法 人に対す る 刑事 責 任 (第

311 −16

条) も認めら れる

9η BLANCHOT

 op

 cit

 p

20

98; VERON

 op

 ciし

 p

178

(9)

フ ラン ス注 釈刑法

財産犯 (

2

)(上野 芳 久 ) 第 311

10 条 〔強盗致死

拷問窃盗〕   窃 盗の前 後ま た は最 中に

暴 行 して相 手を 死亡 させ

 

た場 合

また は拷問 も し くは野 蛮 な 行為を した場合  無期懲 役 お よ び 100 万 フ ラ ン の罰金で罰 する

  保安 期 間に関 する第

132−23

条第  項 お よ び 第   項  は本 条に規 定する犯罪に適用 する

Art .311−

10

  Le vol  est pun 董

de

且a r6clusion  criminel 且e ム

perp6tuit6 et 

de

 

l

 

OOOOOO

 

F

 

d’

amende 且orsqu

il

 est

Pr6c6d6 , aecomPagn60u  suivi  soit  de vio 且ences

ayant  entrain61a  mort

 soit 

de

 

tortures

 ou  

d

actes

de

 

barbarie.

  Les 

deux

 premiers  alin6as  

de

 

1

’article  l32

23 relatif 血1a P…riode  

de

 sret6 sont  apPlicables  

i

且’

infraction

 pr6v皿e par le pr6sent artiele

 

新法は

拷問

野蛮な行 為を し た場 合に も窃 盗 を重 く罰 す る規 定 を 新設した

こ の場 合は

条 文か らも明 らか な よう に致死の結 果が生じ た か否か は問わ ない

致 死の場 合 と並ん で

最 高の無 期 懲 役で罰せ ら れ る可 能 性 も あ る が

それは お そ らく被 害 者が死 亡 もしくは そ れに匹 敵 する場合に限ら れ よ う

(→ 第

311−5

説 明 〕

 

新 法が, 窃盗の後の暴行につ い て も

窃 盗 と は 別 罪 とせ ずに

窃盗の加 重形態と して罰す ることに した点にっ いて は

次 条の 経 緯 〕を参 照

 

窃盗の前

最中

後を問 わない の であるか らloe) , 日本 刑法の 第 240 条 (強盗致死 傷 罪 )にお けるよ う な

強盗の手 段 と して の暴 行か ら死の結 果 が 生 じた こと を要するか

とい う問題は生じ ない

もっ とも

強 盗の機 会に行われ た こ とで 足 り る とする説 (判 例

団 藤

藤 木 等 ) をと れば

同じ よ う な結 論にな ろ う

第 311

11条 〔準 加 重 窃 盗 〕 正犯 または共 犯の逃 走を助けまた は処罰 を免れ さ せ る ために

盗後に暴 行を行っ た場合

そ の窃盗は

第 311

4条

第 311

5条

第 311

6 条

311−7

311 −9

311−10

条に いうのと同じ意 味での 暴 行 を 伴 う 窃 盗 と す る

Art.

311

ll

Constitue,

 au sens  

des

 articles 

311 −4,311 −5,311 −6

311−

7

311 −

9

311

10

un  vol  suivi  

de

 violences e vol

ala

 suite  

duquel

 

des

 violences  ont  6t6 commises  pour

favoriser

 

la

 

fuite

 ou  assurer 

1

impunit6

 

d’

un  auteur ou 

d,

un  complice

 これ は

新 刑 法 典で かれたしい犯罪 形 態である

犯人の逃走を援助し又は犯 人が処罰 を免れ る よ うにするた め に

窃 盗 行 為の後に暴 行 を 行っ た窃 盗 を罰し よ う とい うの であ り, 日本の事 後 強 盗 (第 238 条 )に似て い る

異な るの は

事 後 強 盗の合 は

1

)財物 を取り返され るの を防ぐ

逮 捕を免れ る

ま た は罪 跡を隠滅する た めに行わ れ る こ とと さ れ る点

(2)暴 行だ けで なく脅 迫 を する場 合も成 立す る点

(3)共犯のた めに行う場 合は含 まれ ない点などである

 

「正 犯の逃走 を助ける た め」と は

たとえば

犯人が

逃 走の

自動 車の運 転者に無 理 や り協力さ せるよ う な場 合lellである

〔経緯 〕

 

従来, 判例は厳 格に

窃盗の後の暴 行は窃 盗と は別の犯 罪だ と解 釈 して きた

そ こで新 法はこ の解 釈を排除するた め に

加重 事由と して の暴 行 (第 311

4条 4号

第 311

5 条 以 下 )に は

窃盗の ・ 最 中だ けく 「」 も含 まれ る と して

窃 盗 行 為 と非 常に接 近 した時間 内 な ら加 重事由になる こと を明確に し たの で あ る

 これに対 して本 罪は

窃 盗 行 為が 完 全に終わ っ た後に行わ れ た暴行にっ い て の規 定で あ る

本 来で あれ ば

かっ て判 例が そ う解 し た と お り

窃盗 と暴 行と は別個の犯 罪とい うこ とにな ろ う

し か し

暴 行が逃 走 援 助 又は処 罰免 除の ため に行わ れ る場 合には, 暴 行と窃盗との関 連 性 は 直 接 的だ 1°2 ) と言 える

した がっ て

暴行が加重事 由と して考 慮さ れる 100) また

フ ラ ン ス刑 法では 強 盗 とい う主 体は考 え られてお らず

し たがって窃盗 と暴 行と は別 個独 立の犯罪とい う感 覚 が あること     も

日本の ような問 題が生 じない ことの理 由の

つ になろ う

101) BOULOC

 R

S

C

1993

 p

485

102) Doc

 Senat 54 1991

1992

 p

31

ただ し

こ の元老 院の段 階では

窃盗 後に限ら れて い な かっ た

123

(10)

湘 南工科大学紀要  第

30

巻   第 1 号 場 合 (第 31!

4条 4号

第 311

5条以下)と同 様に加重 さ れ るべ だ とえ られ (その意 味加 重 窃 盗 と 呼ぶこと がで きよ う )

本 条がかれ たの で あ る

〔刑 罰 〕

 

暴 行 を 伴 う窃盗は, 生 じ た結果が何か によ っ て刑罰が少 しずつ 加重 されてい くこ と は

31i −5

条の 解説に書い た と お りで あ る が

本 条も暴 行 を 伴 う窃 盗の

型である の で, そ れ と まっ た く同 様に

生 じた 結 果 が何かに よっ て第

311 −4

311 −7

311− 10

条の そ れ ぞ れに規 定されて い る刑罰を科せ ら れ るこ とに な る わ けで あ る

 

第 311

9 条 (組 織 的 強 窃盗 )は

生じ た結 果に よる加 重で は な く

組 織 とい う特 別な行 為主体に対する加 重で あ る が

暴 行 が あっ た場 合

  項で再 度 加 重さ れ ること が あ るの で

本 条で規 定されたのだ と思わ れ る

た と え ば

組織 集 団 が 窃 盗 を し た 後に逃 走 し

その 逃 走 中

ら かの 理由で事 情 を 知 っ て通報し よ う と し た人に暴 行を加えた よ う な場 合は

組織 的 窃盗罪 (第

311 −9

条   項 ) と暴 行 罪 (発 生 した結 果 等の区 別に従い第

222 −

7条

第 222

−13

条の いずれ かの条 文)が適 用に なるので はな く

311 −9

条   項の 窃盗 と さ れ る ことにな る

 

逆に

第 311

8 条 (持凶器 強窃盗)は適用さ れ ないが

これ は暴 行 とは関係の ない行為 形 態に よる加 重で あ り

暴 行 を 伴 う窃盗の

型で あ る本条と は関係が ないか らで あ る

参照

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注2)

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