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(1)

平成21年度

北米における水素ステーションの

技術動向調査報告書

平成22年3月

(2)

じ め に

水素社会の実現に向けての動きが着実に進んでいる。米国では「水素燃料イニシア ティブ」が開始され、実用化に向けた研究開発が強化されている。欧州でも「水素・ 燃料電池技術プラットフォーム会議」を立ち上げ、官民が協同して水素エネルギー実 現のための議論が進められている。 わが国でも、経済産業省の補助事業として2002 年度から水素・燃料電池実証プロ ジェクト(JHFC-1 プロジェクト)が開始され、現在第二期の活動(JHFC-2 プロジ ェクト)が進められている。 燃料電池自動車に水素を供給するためには、水素ステーションの整備・展開という 社会全体的な取り組みが必要となってくる。このためには水素の製造・供給技術の確 立が必要であり、これらの技術に関する実証研究が進められている。JHFC-1 プロジ ェクトでは35MPa の充填圧力での実証試験が行われたが、JHFC-2 プロジェクトで は燃料電池自動車の航続距離の伸長を図るため、より高圧の70MPa の充填圧力での 実証試験が行われている。欧米ではすでに70 MPa 充填を採用したパブリックの水素 ステーションが稼動して実証試験が進められており、実証データ収集とノウハウの蓄 積が進められている。 こうしたことから、欧米の先進事例や既存の水素ステーションの現状・普及政策を 把握・分析し、わが国の JHFC-2 プロジェクトの実証試験に活かすために、平成 21 年度は国際 WG(WG5)の活動として、欧米の主な水素ステーションを訪問調査す るとともに政府や関係企業の専門家と意見交換を行った。具体的には、ふたつの調査 団を組織し、その一方を財団法人エンジニアリング振興協会が中心となりカナダ・北 米西海岸地域での調査を実施し、もう一方を財団法人日本自動車研究所が中心となり 欧州米国東海岸での調査を実施した。本書は財団法人エンジニアリング振興協会が中 心となって実施した調査結果を取りまとめたものである。 本報告書が、わが国の水素エネルギーの普及のー助になれば幸いである。 平成22 年 3 月 財団法人 エンジニアリング振興協会

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目 次

1 ブリティッシュ・コロンビア州政府 ... 1 2 BC Transit ... 5 3 Air Liquide ... 10 4 カリフォルニア燃料電池パートナーシップ(CaFCP) ... 14 5 カリフォルニア大気資源局(CARB) ... 27 6 AC Transit ... 37 7 Shell サンタモニカ水素ステーション ... 50 8 カリフォルニア州南海岸大気保全管理区(SCAQMD) ... 57 9 Clean Energy ステーション ... 71

10 Fuel Cell Seminar & Exposition 2009 ... 79

11 まとめ ... 88

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調査の日程

日付 調査先・移動 宿泊地 11月9日(月) 移動 東京/成田 → ビクトリア ビクトリア 10日(火) ① ブリティッシュ・コロンビア州政府 ② BC Transit ③ Air Liquide 移動 ビクトリア → サンフランシスコ サンフランシスコ 11日(水) 移動 サンフランシスコ → サクラメント ④ カリフォルニア燃料電池パートナーシップ(CaFCP) ⑤ カリフォルニア大気資源局(CARB) 移動 サクラメント → サンフランシスコ サンフランシスコ 12日(木) ⑥ AC Transit 移動 サンフランシスコ → ロサンゼルス ロサンゼルス 13日(金) ⑦ Shell サンタモニカ水素ステーション ⑧ カリフォルニア州南海岸大気保全管理区(SCAQMD) ロサンゼルス 14日(土) 資料整理・打ち合わせ ロサンゼルス 15日(日) 資料整理・打ち合わせ ロサンゼルス 16日(月) ⑨ Clean Energy ステーション 移動 ロサンゼルス → パームスプリングス パームスプリングス 17日(火) ⑩ Fuel Cell Seminar パームスプリングス 18日(水) ⑩ Fuel Cell Seminar パームスプリングス

19日(木)

⑩ Fuel Cell Seminar

サンフランシスコ 移動 パームスプリングス → サンフランシスコ

20日(金) 移動 サンフランシスコ → 機内

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訪問先一覧

調査先 概要 ブリティッシュ・コロンビア州政 府 FC バスプロジェクトやカナダ水素ハイウエイなどの政策を推進 BC Transit ウィスラーで20 台の FC バスの運用を開始。 Air Liquide ウィスラーに世界最大の水素ステーションを建設。 カリフォルニア燃料電池パート ナーシップ(CaFCP) FCV/FC バスの実証を 1999 年より開始。2009 年 2 月に水素ス テーション展開のためのアクションプランを発表した。 カ リ フ ォ ル ニ ア 大 気 資 源 局 (CARB) ZEV プログラムを推進し、その一環として FCV や FC バスの導 入、水素エネルギーの導入を実施している。 AC Transit FC バスを運用中。オークランドステーションを改修するとともに、 エモリービルに FC バス・FCV 両用ステーションを建設する予 定。 Shell サンタモニカ水素ステー ション 一般ガソリンスタンドとの併用ステーション(35MPa 用)。キャノピ ー上に水電解装置等を設置。一般アクセス可能。 カリフォルニア州南海岸大気 保全管理区(SCAQMD)

Five Cities Program において、水素ステーション 5 カ所を運営 中。ステーションの助成にも積極的。

Clean Energy ステーション GM のドライブウエイプロジェクト用ステーション(70MPa 用)。プ

レクールも実施。短期間で建設した。

Fuel Cell Seminar 燃料電池関連のセミナー。各国の燃料電池関連の技術動向に

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調査参加者

氏名 所属 岡崎 健 [団 長] 東京工業大学 大学院 理工学研究科 工学系長・工学部長 田島 正喜 東京ガス株式会社 技術開発本部 技術戦略部 水素ビジネスプロジェクトグループ マネージャー 久保田 泰宏 新日本石油株式会社 新エネルギーシステム事業本部 FC・ソーラー事業 部 FC 開発グループ 古田 博貴 東京ガス株式会社 技術開発本部 技術戦略部 水素ビジネスプロジェクトグループ チームリーダー 岡田 耕治 東邦ガス株式会社 技術開発本部 技術研究所 環境・新エネルギーグループ 次長 山口 則和 大陽日酸株式会社 開発・エンジニアリング本部 水素プロジェクト統括部 技術部技術課 手塚 俊雄 (財)石油産業活性化センター 新燃料部 JHFC プロジェクト担当 石倉 威文 (社)日本ガス協会 技術開発部 燃料電池・水素プロジェクトグループ 丸田 昭輝 株式会社テクノバ 調査研究第一部 主査 戸室 仁一 財団法人 エンジニアリング振興協会 水素プロジェクト室 室長代理 カリフォルニア州南海岸大気保全管理区(SCAQMD)にて

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図表の出所

特に断りがない限り、訪問調査時でのプレゼンテーション資料や現地で撮影し た写真を用いた(プレゼンテーション資料は、翻訳・サイズを修正している場合が ある)。

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1

ブリティッシュ・コロンビア州政府

訪問先 ブリティッシュ・コロンビア州政府(BC 州)

住所:(BC Transit と合同会合)

訪問日時 2009 年 11 月 10 日(火)9:00∼12:00 対応者 Nathan Popp

Senior Project Manager

Climate Action Program, Ministry of Transportation Heather Bauer

Research Analyst, International Relations,

Climate Action Secretariat, Ministry of Environment

(1) 背景と政策目標 • この 20 世紀で、ブリティッシ ュ・コロンビア州(BC 州)1 気温は0.6∼1.7 度上昇した(図 1-1)。気温上昇の度合いは北 部ほど大きい。 図 1-1.20 世紀におけるブリティッシュ・コロンビア州 の気温上昇割合 • BC 州においては、交通部門からの GHG 排出量が 36%と、最大の排出 部門である。この割合はカナダ平均 (25∼28%)よりも高い。 図 1-2.BC 州の部門別 GHG 排出割合 1 ブリティッシュ・コロンビア州は人口約 425 万人で、カナダ 10 州のうち、オンタリオ州(人口 1254 万人、州都:トロント)、ケベック州(760 万人、州都:モントリオール)に次ぐ人口を擁する。州 都はビクトリアで、バンクーバーが最大都市(人口212 万人)。

(10)

• BC 州の温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標(図 1-3): - 2007 年比で、州全体として 2020 年までに 33%削減、2050 年までに 80% 削減を目指す(中間目標として、2012 年までに 6%削減、2016 年までに 18% 削減を目指す)。 - BC 州の電源構成では、大部分が水力なので(図 1-4)、GHG 削減余地は 少ない。運輸部門からの削減が必要である。 - 2050 年の BC 州の GHG 削減目標(80%削減)が要求する GHG 排出量は、 現在の運輸部門由来 GHG 排出量(2400 万トン)よりも少ない。運輸部門 からのGHG の大幅な削減が必要である。 - 運輸部門の GHG 排出量は 2400 万トンで、うち乗用車が 40%、大型車が 27%、鉄道が 2%、航空機が 7%、船舶が 11%、オフロード車両が 15%で あり、乗用車に由来するGHG 排出量が大きい。 図 1-3.BC 州の GHG 削減目標 図 1-4.BC 州の電源構成

(11)

• BC 州政府は GHG 削減のために、以下のイニシアティブを実施している。 - 炭素税(現在10 ドル/トンだが、2012 年には 30 ドル/トンになる)2 - 炭素取引(Cap & Trade):

米国・カナダの西海岸州で「Western Climate Initiative」3を結成、C&T

の枠組みを議論中。 - 自動車からのGHG 排出量規制(カリフォルニア州と同レベルの規制を 2009 年より導入。2016 年には 2004 年比で‐30%を達成のこと) - 低炭素ファンド - コミュニティの排出量目標 • 2020 年までに BC 州の公共交通の利用者を 2 倍する(図 1-5)。そのために、 以下のような政策を推進している(これにより470 万トンの GHG を削減)。 - バンクーバー空港から市内までの、高速バス路線の新設 - シーバスの増設 - FC バス(ウィスラー)の導入 図 1-5.BC 州における公共交通部門の利用者拡大目標 2 10 ドル/トンの場合、ガソリンでは 1 リットルあたり 2.41 セント、ディーゼルでは 2.76 セントとな

る。「British Columbia Carbon Tax」(2008 年 2 月)

< http://www.sbr.gov.bc.ca/documents_library/notices/British_Columbia_Carbon_Tax.pdf > 参照。 3 パートナーはアリゾナ州、カリフォルニア州、モンタナ州、ニューメキシコ州、オレゴン州、ユタ 州、ワシントン州(以上米国)、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州、ケベック州(以上カ ナダ)。またオブザーバーとしてアラスカ州、コロラド州、アイダホ州、カンザス州、ネバダ州、ワ イオミング州(以上米国)、サスカチュワン州(以上カナダ)、バハ・カリフォルニア州、チワワ州、 コアウイラ州、ヌエボ・レオン州、ソノラ州、タマウリパス州(以上メキシコ)。 < http://www.westernclimateinitiative.org/ >参照。

(12)

(2) ディスカッション • BC Transit の FC バス(ウィスラー、20 台)へのサポートは、5 年間で 8800 万ドル(建設・運用コスト含める)。 - BC Transit 負担: 3500 万ドル(通常のディーゼルバスの導入・運用 のコスト相当分) - 州・連邦政府負担: 5300 万ドル(差額相当分) • 運輸省はウィスラーFC バスプロジェクトを支援しているが、FC フォークリ フトやそのほかの初期市場(バックアップ電源など)は、BC 州エネルギー省 やそのほかの州政府が支援している。 • 連邦政府レベルでも、FC・水素関連に対して以下のような支援機関・ファン ドがある:

- National Research Council(カナダ国立研究機構、NRC) - Natural Resources Canada(天然資源省)

- Sustainable Development Technology Canada(SDTC) - Federal Clean Energy Fund

(13)

2

BC Transit BC トランジット

訪問先 BC Transit

住所:520 Gorge Road East, Victoria, BC, Canada, V8W 2P3

訪問日時 2009 年 11 月 10 日(火)9:00∼12:00 対応者 Manuel Achadinha

President & CEO Stephen Brydon

Manager, Climate Action Ben Herlinger EIT

Sustainable Transportation Engineer

他3 名 (1) BC Transit の概要 • BC Transit は、BC 州政府が所有する公共バス会社である。 - バンクーバー地域以外のBC 州全土でバスを運用している(バンクーバー地 域の公共バスはBT Transit ではなく TransLink 社が管轄している。ただし 両者は協力して交通部門の低炭素化に取り組んでいる)。 - 利用者数: 5000 万人/年。 - バス所有台数: 1,000 台(アセットはバスのみ)。 - 2020 年までに公共バス利用者数を 2 倍にするという目標がある(BC 州政 府の目標)4 • 環境面における BC Transit の主な取り組みは以下の通り。

- ビクトリア地域ラピッドトランジット(Victoria Regional Rapid Transit) - 2010 年オリンピック/パラリンピック - 北米で最初のハイブリッド式二階建てバスの導入(英国Alexander Dennis 社の二階建てハイブリッドバスの導入) - 燃料電池バスフリート - カナダ水素ハイウエイ • BC Transit は水素バスアライアンス(欧州 HyFleet:CUTE、ロンドン UK Transit、AC Transit などと協力)のメンバーである。

• Partnership for Carbon Neutrality に参画している。 西海岸の米国7 州とカナダ 3 州が参加。

4 P.4 参照。

(14)

(2) BC Transit による FC バスデモンストレーション • 20 台の FC バス(12m 長)をウィスラーに導入し、通常の公共バスサービス に使用する。FC バスの構成を表 2-1 に、外観と内部構造を図 2-1 に示す。 表 2-1.新規に導入される FC バスの構成 車体 New Flyer 製 H40LFR 乗員 60 人(着席、立ち乗り) 航続距離 400∼450 km FC スタック Ballard HD6(150 kW)(図 2-2 参照) ドライブトレイン ISE 製 ThunderVolt ハイブリッドパワートレイン (図 2-4 参照)

水素容器 Dynetek 製 Dynecell タンク(35 MPa)×6 本(ルー フに設置)、水素量:45kg 二次電池 Valence Li phosphate 電池(614 V、47 kWh) 図 2-1.新規に導入される FC バス 電池 ドライブトレイン FC システム 冷却ファン 水素タンク リチウムイオン電池 ISE 製ドライブトレイン Ballard 製 FC システム FC システム・電 気系冷却装置 水素タンク

(15)

図 2-2.Ballard 製 HD6(150 kW)

図 2-3.New Flyer での車体製造

(16)

• FC バスは、2010 年オリンピックのためだけではなく、2014 年まで運用を行 うことを想定している。 - バスの寿命についても確認する(ただし、動力関係のシステムは交換も検討 する)。 - 全20 台の FC バスは、2010 年 1 月までにウィスラーに配備された。水素ス テーションも2009 年 12 月に完成し、2010 年 1 月に稼働している5 - 20 台が導入されれば、ウィスラーで稼働する 28 台の路線バスの約 2/3 が FC バスになる。2014 年には全台を FC バスにしたい(注:オリンピック時 には135 台のバスが稼働する)。 - FC バスは、毎日 20 時間の稼働を目指す。 • プレプロダクションバス(テスト用)は 2008 年 10 月に導入した。プレプロ ダクションバスの走行性能結果を表 2-2 に示す。 表 2-2.プレプロダクションバスの走行性能結果 走行距離 160 ∼525km/日(平均 309 km/日)、全走行距離 8650 km 運用時間 6.31∼16.25 h/日(平均 12.5 h/日)、全運用時間 338 時間 燃費 6.33∼11.71 kg/100 km (平均8.35 kg/100km=ディーゼル換算 35L/100km) (参)ディーゼルバスの燃費は50∼55 L/100 km その他 ・ 登坂にパワーが不足している。 ・ バッテリーはCobasys 製 NiMH を採用したが、同社が GM に買収され、バス用には電池を供給しなくなったため、プロ ダクションモデルではリチウムイオン電池を使用する。 ・ プロダクションモデルの燃費は10∼12 kg/100km 程度にな る見通し。 • FC バスが導入されるウィスラーは、FC システムにとっては過酷な環境であ る。 - 気温幅は‐20℃(冬)∼40℃(夏)と広く、春にはダストが多い(氷河か らのダスト)。 - 暖気のため、冬季の夜間はすべてのバス(現状のディーゼルでも)を電気ヒ ーターで保温する必要がある。 5 水素ステーションに関しては、P.10 参照。

(17)

(3) ディスカッション ① BC Transit の取り組み • Environment Team を 2008 年 10 月に設置した。カーボンオフセットやキャ ップアンドトレードについて議論を進めている。カナダ(BC 州)では 2010 年から炭素 1 トンあたり 25 ドルのオフセットが必要になるが、BC Transit は本業のバス部門での対応は免除されている(公共交通なので)。その代り、 管理部門でのオフセットを要求されている。 ② FC バスの導入と運用 • FC バスの導入を増やして、現在の FC バスの価格(200 万ドル)を 100 万ド ル以下に押し下げなければならない。 - 北米の大手バス車体会社(New Flyer、Nova など)は、なぜかカナダに本 社がある。米国の公共バス機関がバスを購入する時には、政府から 80%の 補助金でるので、市場はきわめていびつであり(カナダにはそのような購入 補助金はない)、また新規のイノベーションを生み出す力に欠けている。 • ビクトリア地域にも水素ステーションが1か所ある(2005 年オープン)。FCV として、Ford の Focus が業務用に利用されているが、現在はサポートが得ら れていない状態である。 • 水素源に関して: - 初期的なWell-to-Wheel 分析では、既存のディーゼルバスと比較して GHG 排出量は62%削減可能となった。ただし、BC 州は再生可能エネルギー(水 力)の点で恵まれているので、今後州内での水素調達(例.水力利用水電解 や工業用オフガス利用)を検討したい。 - Well-to-Wheel 分析には、米国 GREET モデルをカナダの気候用に修正した 「GHGenius」モデル(NRC)を利用している。

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3 Air

Liquide

(ウィスラー水素ステーション)

訪問先 Air Liquide

住所:(BC Transit との合同会合)

訪問日時 2009 年 11 月 10 日(火)9:00∼12:00 対応者 Bruno Forget

Project Engineer, Hydrogen Energy

(1) Air Liquide の概要 • Air Liquide の 2008 年度売上は 131 億ユーロ。 • Air Liquide は過去 40 年間、水素ビジネスを行ってきた。 - 水素製造サイトは世界200 か所。95%は天然ガス改質である。 - 過去3 年間で 5 億ユーロ相当を投資している。 • 世界 12 カ所に水素パイプラインを有する。総延長 1700 km 超。 • Air Liquide は、GM のドライブウエイプロジェクトに参加し、水素ステーシ ョンを供給している(図 3-1)。 - 最初の水素ステーションを2005 年にレーク・ジャクソンに、続くステーシ ョンを2007 年にカパスケーシング(GM 研究所)に建設した。 - 2008∼2009 年に急速充填可能なステーションを 7 カ所建設した(70MPa 用、プレクールを利用し、水素5kg を 5 分で充填可能)。FCV は 3 台まで 連続充填可能である。 図 3-1.Air Liquide による GM 用水素ステーション

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(2) ウィスラー水素ステーションの概要 • ウィスラー水素ステーションは 2009 年 12 月に完成し、2010 年 1 月にオープ ンした(正式な開所は1 月 22 日)。 - 稼働は24 時間/365 日(運用率 99.9%)を目指す。リモート監視を実施して いる。 - 設計供給能力は1000 kg/日(470Nm3/h)で、世界最大の FCV・FCB 用ス テーションとなる6。実運用では500∼700 kg/日程度となる見通し。 図 3-2.ウィスラー水素ステーションの外観 • 水素は Air Liquide(ケベック州)から購入している。 - 水電解(水力発電を利用)で製造した水素を液化し、3 週間に 2 回程度輸送 している。 - 輸送用トレーラーの容量は3.5 トンで、輸送距離は 5000km7である。 - 将来はBC 州内で水素を電解で製造する計画がある。 6 ベルリン CEP ステーションの水素供給能力は 400 kg/日。 7 輸送途中でかなりのボイルオフロスが発生するであろうし、またクライオポンプの冷却でも水素を 消費してしまうが、水力由来水素のため、エネルギー効率はさほど重視していないと思われる。 ディスペンサ クライオポンプ 液体水素タンク液体水素タンク 気化器

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• ウィスラー水素ステーションの水素設備の概要を図 3-3 に示す。 - 輸送されてきた水素は、液体水素で貯蔵している(貯蔵容量10 トン)。BOG は回収し、蓄圧器に貯蔵する。 - クライオポンプ(3 台並列、容量 20L/min)で 45MPa に圧縮する。クライ オポンプの冷却に 5∼10 分かかるが、その分のロスは特に問題ないと考え ている。 - 蓄圧器は鋼製(30 フィート長、6 本)。 • 充填方法: - 充填(35 MPa)は、蓄圧器からのカスケード充填と、クライオポンプ(+ 気化器)からの直接充填の2 通りを考えている(バッファータンクからの差 圧充填と直接充填を、PLC コントロールにより最適に切り替えながら充填 を行う)。 - 充填速度は45 kg/10 分を目指す。 - 流量のコントロールは PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を使 用し、クライオポンプとディスペンサの両方を制御している。液体水素(ク ライオポンプ)だから、圧縮水素よりも制御が容易である。 - コミュニケーションは有線を採用している。 図 3-3.ウィスラー水素ステーションの構成 気化器 ディスペンサ 蓄圧器 BoG 回収 クライオポンプ

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(3) ディスカッション • テスト段階では、モバイル水素ステーションも活用した(図 3-4)。 図 3-4.モバイル水素ステーション • ステーションの基準はカナダの基準によるが、地域によって方針がかなり違う。 BC 州は、規制当局が一括されており、水素ステーションの設置が他の週より も容易である。 • 配管材料には、通常のステンレス(ただし Ni 含有量 12%以上)を採用してい る。

(22)

4

カリフォルニア燃料電池パートナーシップ(CaFCP)

訪問先 カリフォルニア燃料電池パートナーシップ(CaFCP)

住所:3300 Industrial Blvd. Suite1000, W. Sacramento, California

訪問日時 2009 年 11 月 11 日(水)9:30∼17:00 対応者 Catherine Dunwoody Executive Director Chris White Communications Director Bill Elrick

Technical Program Manager

他2 名 (1) CaFCP について • カリフォルニア燃料電池パートナーシップ(CaFCP)は、1999 年にスタート した、世界最初の燃料電池デモンストレーションプロジェクトである8 - 当初は2003 年までの予定であったが、その後 2007 年まで延長され、この 2006 年 10 月には、2012 年まで延長されることが発表された。 • 現状で、CaFCP に参画している水素ステーションは 21 カ所である9 - これまでに300 台の FCV・FC バスが運用され、総走行距離は 280 万マイ ルに達している。 - CaFCP は、地域に導入される車両(水素需要)に合わせて水素ステーショ ン(水素供給)を設置するためのコーディネーションを行なっている。また、 すべての水素ステーションは、必ずしもCaFCP で設置・管理しているわけ でない。 - CaFCP では、FCV 利用者をホームページで紹介するなどして、一般への PR に努めている。 - またCaFCP では、充填コミュニケーションなどの基準標準策定で貢献して きた。 8 CaFCP は、DaimlerChrysler、Ford、CARB のイニシアティブでスタートした。発足当初のメン

バーは、DaimlerChrysler、Ford、Ballard、ARCO(現 BP)、Shell、ChevronTexaco(現 Chevron)、 CARB、California Energy Commission(カリフォルニア州エネルギー委員会)である。メンバー シップは、フルメンバー(Full Partner)とアソシエートメンバー(Associate Member)に分かれ る。フルメンバーは運営費を負担し、運営チームに出席できる。アソシエイト・パートナーには資 金負担はないが、プロジェクトの運営には関与しない。

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(2) CaFCP のアクションプラン ① アクションプラン

• CaFCP は、2009 年 2 月に「アクションプラン(Action Plan)」を発表、将 来の FCV 導入拡大と水素需要拡大のために、水素ステーションの設置拡大が 必要と主張している。 - 自動車メーカーにアンケートを行った結果、今後 FCV が 2014 年までに 4,300 台、2017 年までに 49,600 導入される見通しである(表 4-1)。 - この普及シナリオは、経済危機発生前に自動車各社に行ったアンケートに基 づくため、現在は状況が変わっている可能性がある。本年に実施するアンケ ートで再確認する10 - サンフランシスコ湾岸エリアでは2014 年までに FC バス 60 台程度と FCV 700 台程度が導入される見込みである。FC バスの導入では AC Transit が リードすると期待される11 - サクラメント地域は、規制・基準・標準の策定を行う。特にカリフォルニア 州は、水素を自動車用燃料として法律で位置づけた最初の州であり、販売の ために水素の計量技術を開発中である。サクラメント地域の水素ステーショ ンはそのための技術開発に貢献することになる。 表 4-1.カリフォルニアにおける FCV・FC バス導入台数見込み 2009 年 2010 年 2011 年 2012-14 年 2015-17 年 北部カリフォルニア (サンフランシスコ) 60 60 70 870 8,450 南部カリフォルニア サンタモニカ アーバイン トーランス ニューポートビーチ その他の地域 140 30 30 20 10 50 310 90 70 45 60 60 640 170 140 110 100 120 3,440 900 770 570 560 640 41,150 合計 200 370 710 4,300 49,600 10 2012 年以降に大幅に水素供給が不足するとの見通しを掲げているが、この数字見通しには懐疑的な 面があることをCaFCP も認めている。これは、アクションプラン予算について政府側のコミット を取れていないことも一因と思われる。 11 AC Transit に関しては P.39 参照。

(24)

- 2012 年までの FCV・FC バスの水素需要を賄うため、2012 年までに一般向 けステーションを40 カ所新設する必要がある(既存の 6 か所を含めて合計 で46 カ所)。なお、水素需要量の計算では、各 FCV は 1 日 1 kg を消費す ると仮定している(表 4-2)。 表 4-2.カリフォルニアにおけるステーションの展開計画 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 北部カリフォルニア サンフランシスコ サクラメント 南部カリフォルニア LA 市内 サンタモニカ アーバイン トーランス ニューポートビーチ バーバンク その他の南カリフォ ルニア 新設ステーション合計 10 か所 9 か所 11 か所 10 か所 注: 移動式(50 kg/日) 固定式(100 kg/日) 固定式(200 kg/日) 固定式(400 kg/日) 固定式(1000 kg/日) 固定式(FCB 400 kg/日、FCV 60 kg/日)

出所:CaFCP「Hydrogen Fuel Cell Vehicle and Station Deployment Plan: A Strategy for Meeting the Challenge Ahead Action Plan」

(25)

図 4-1.南カリフォルニア地域における水素コミュニティ展開のイメージ(2014 年まで) • 40 か所のステーションを建設するために、2012 年までの 4 年間で総額 1 億 8000 万ドルの投資(官・民合計)が必要であると見込まれる(表 4-3)。 - ステーションの建設には平均2 年ほどかかるので、運用は 2009∼2014 年に 順次始まることになる。 - ステーション建設費の 70%程度は連邦政府・カリフォルニア州が負担すべ きと考える。 表 4-3.水素ステーションの展開のイメージ(2012 年までの助成ステーション) 2009 2010 2011 2012 新規ステーション設置数 10 9 11 10 ①全ステーションコスト[mil ドル] 30.8 37.5 51.2 59.5 ②うち政府助成額[mil ドル] (助成割合) 23.4 (76%) 27.2 (73%) 35.9 (70%) 31.1 (52%) ③規制・広報関連コスト(政府負担)[mil ドル] 1.0 0.5 0.5 0.5 ④累積ステーションコスト(①+③の累計)[mil ドル] 31.8 68.8 121.5 181.5 ⑤累積政府助成額(②+③の累計)[mil ドル] 24.4 52.1 88.5 120.1

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• ステーションコスト試算における仮定を表 4-4 に示す。 - 2009 年に計画されているステーションの建設が始まる 2012 年には、ステ ーションコストは20%ほど低減すると仮定した。 - ステーションコスト(内訳)に関しては、CaFCP 参加ステーションにアン ケートを取って、情報を分析している(機密情報なので公表できない)。 表 4-4.アクションプランにおける投資額試算の前提:水素ステーションコスト 2009∼2011 年 2012 年以降 ステーション種類 平 均 設 備 資本コスト 平均運用・ 維持コスト 平 均 設 備 資本コスト 平均運用・ 維持コスト 移動式(50 kg/日) $1.5m $310k 固定式(100 kg/日) $3.0m $490k $2.4m $418k 固定式(200 kg/日) $3.5m $650k $2.8m $566k 固定式(400 kg/日) $4.0m $880k $3.2m $714k 固定式(1,000 kg/日) $5.5m $1.0m 固定式(FCB 400 kg/日、FCB 60kg/日) $5.5m $990k 注:設備資本コスト(CapEx)には、土地整備、エンジニアリング、許認可取得作業費用を含む。 運用・維持コスト(O&M)には、メンテナンス、保険、税金、土地リース費用を含む。 • ステーションビジネスモデルはまだ描き切れていない(表 4-5)。 表 4-5.ステーションビジネスモデルの検討事項 コスト 収入 ・設備投資 ・燃料製造 ・運用・メンテナンス費用 ・電気代 ・修理 ・土地代 ・税金、許認可費用 ・保険 ・燃料販売 ・税控除 ・保険控除(集団割引) ・助成 ・金銭以外の利益 -PR 効果 -リーダーシップの発揮 -技術開発 ・その他

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② アクションプランの実行 • 水素ステーションの展開こそがアクションプランの中心である。 - 現在のデモンストレーション用ステーションではなく、より毎日の運用に耐 えられる水素ステーションを設置しなければならない。 - 水素の批判者は、①高コスト、②大量入手が困難、③安全な貯蔵が困難、④ 液体燃料への競争力がない、と主張しているが12、②∼④は間違いである。 コスト(水素ステーション設置・運用コスト)についてのみ対応が必要であ る。この事実を連邦・州政府に説明し、ファンドを確保することが重要であ る。 • アクションプラン発表以来、カリフォルニアの 7 つのステーションへのファン ドが決まった。うち5 つは南カリフォルニア地域である。 • 数か所の大規模ステーション(1000 kg /日)と、多くの小規模ステーションを 展開する計画である。 図 4-2.アクションプランと 2010 年におけるステーション整備計画

12 例えば、チューDOE 長官は 2009 年 5 月 14 日の「MIT Technology Review 誌」で、水素に対して

「4 miracles」として知られる発言をして、米国の水素燃料電池関係者に波紋を投げた。 『一時期は盛り上がっていたと思うが、私自身は常に懐疑的であった。なぜなら水素の主な製造方 法は天然ガスの改質であるが、それは理想的な水素源でない。重要な燃料である天然ガスのエネル ギーのいく分かを失っている。これが第一の問題である。他の問題は、特に自動車に対しては、ま だ良い貯蔵メカニズムがないことだ。圧縮水素は最善のメカニズムだがかなりのボリュームを要す る。我々は貯蔵の高密度化について成功していない。他の問題として、燃料電池はまだ実現してい ない。またインフラも整備されていない。つまりこの4 つが同時に起こらなければならない。その ために、(この技術は)常に「遠い将来技術」であった。展開のためにはこの4 つのブレークスルー が必要であり、それは起こりそうもない』出所: http://beta.technologyreview.com/business/22651/ アクションプラン発 表後に設置が決ま ったステーション

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③ トラッキングツール • 水素ステーション設置の「計画」と「現実」を比較し、水素需要のアンバラン スを把握するために、「トラッキングツール」を開発した(図 4-3)。 - 現在のステーション設置計画に基づくと、南カリフォルニア地域では、2011 年まではFCV の水素需要を十分に賄えるが、2012 年以降に水素供給が大幅 に不足する。 図 4-3.トラッキングツール: 2014 年までの水素需給予測 (1,000) (800) (600) (400) (200) 0 200 400 2009 2010 2011 2012 2013 2014 LD V kg/ day

Santa Monica Irvine Torrance Newport Beach Other SoCAL Sacramento San Francisco

Santa Monica Irvine Torrance Newport Beach Other SoCAL Sacramento San Francisco

供給 不足 Year 2009 2010 2011 2012 2013 2014 Demand (kg/day) 193 370 712 Total Online (kg/day) 425 525 1245 2905 6265 9365 Supply/ Demand 220% 142% 175% 67% 145% 217% Demand (kg/day) 193 370 712 Existing Stations Supply (kg/day) 267 155 125 0 0 0 Funded Stations Supply (kg/day) 30 710 710 710 710 30 Supply/ Demand 154% 234% 117% 16% 16% 1% 104 495 123 -3597 -3597 -4277

Supply Gap (kg/day)

TOTAL AP Targets 4307 ACTUAL (Supply online and projected online) 4307 供給不足

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• 2050 年に GHG を 80%削減しなければならないことを考えると、アクション は今からでも決して遅くはない(図 4-4)。 図 4-4.2050 年に向かって (3) ディスカッション ① アクションプランの目的 • 「アクションプラン」の目的は、州政府(特にカリフォルニアエネルギー委員 会:CEC)に対するファンドの確保である。 • シュワルツネッガー知事は、強力なサポーターの一人である。 - カリフォルニア州は経済危機にあり、議会が予算をカットしがちである。 - シュワルツネッガー知事の次の知事候補に対するPR 活動を始めている。 - DOE はチュー長官によって水素関連予算削減の危機があったが、議会の反 対によって、予算がほぼ復活した13 • 連邦政府のステーション建設助成は通常 50%であるが、CARB は 70%までの 助成を行うという公募を行った(ただし上限あり)。また残りの 30%も、他 のファンドを組み合わせてもよい。 • CaFCP のアクションプランは、自動車メーカーの FCV 導入台数に基づいたス テーション配備計画である。 - カリフォルニアのみを対象としており、その点では DOE が作成している FCV 普及のシナリオ(オークリッジ国立研究所が主に作成)とは決して同 じではないが、一部を担うことになる。矛盾はない。 13 チューDOE 長官の強い意向を受け、DOE は 2010 年度予算(2009 年 10 月∼2010 年 9 月)におい て、エネルギー効率・再生可能エネルギー局(EERE)の水素関連予算を 6820 万ドル(2009 年実 績は約2 億ドル)に減額して 要求した(2009 年 5 月)。その後、議会によって復活し、1 億 7400 万ドルとし、オバマ大統領の署名(2010 年 10 月末)で確定した。

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② アクションプランにおける水素ステーションの展開 • アクションプランでは、将来のステーション技術(水素源、輸送・貯蔵方法) を特定していない。CaFCP に参加している企業でもいろいろな意見があるの で、台数だけ発表している。 • 大規模ステーションと小規模のサテライトステーションを展開するという考 え方もあるが、むしろコストアップになるのではないか。カリフォルニアでは、 通常の商業規模のステーション(200∼400 kg/日、将来は拡大して 1000kg/ 日)を増やすことを考えている。 - 2014∼2017 年までは、主力は 200∼400 kg/日のステーションになる。 - 商用ステーションの規模としては、400∼500kg/日(約 200Nm3/h)が下限 でと思われる。 - 米国でも、現在は基本的には差圧充填を採用している。商用ステーションは 直接充填になる可能性もあり、様々な方式が並列すると思われる。 ③ 水素ステーションの許認可関係 • 水素ステーションの普及のためには、ローカルの行政担当者の教育が重要であ る。カリフォルニア州では、州のコード(規制、基準)よりも、郡・市などの 地域のコードが重視される。 • ステーション建設は、基準を満たすだけではなく、地元に対して消防訓練や住 民への公聴会・説明会等を行い、理解を得る必要がある。また景観にも配慮す るため、地元自治体からから認可を得るのに7∼8 ヶ月かかることもある。 - 一応、米国にはFSTEP(Fire Service Training and Education Program)

という連邦レベルの基準があるが、最後は地域の消防署がステーション建設 の認可を出すので、地域との密接な協力が必要である。

• 現在 CaFCP は、カリフォルニア食品農業局および米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)と協力して水素計量方法を 研究している。

- 水素の計量では、フローレートの大きな変化に対応できなければならない。 - 2%の精度を確保するためには、マスフローメータ―が有望である。

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(4) CaFCP のその他の活動 ① 水素品質 • CaFCP は ASTM、SAE、ISO と協力して水素品質の検査方法の確立の研究を 行っている(図 4-5)。 - 既存の12 ステーションからの水素品質を調査した。 - 現在、パーティクルが問題となっている。現状でSAE と ISO が定めたパー ティクルサイズ基準を満たしているステーションはないため、SAE と ISO はその基準を削除した。 • パーティクルは、ノズルの着脱に伴う破片や、圧縮機の整備不良(オイル)、 ポリマー材などが考えられる。また、エアロゾルも問題である(エアロゾルは、 フィルターで除去できない)。 • ディスペンサに 2-5μmのフィルターを設置してパーティクルを除去すること を検討中している。 図 4-5.水素品質に関する検討の例 10 to 0.05 Particulates exceed SAE size

10 to 0.05

Particulates exceed SAE size

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② 車両ID の認証システム • CaFCP は車両 ID の認証システム(ID フィル)を研究している(図 4-6)。 - これは充填コミュニケーションとは別に、車両タイプの認証を充填前に自動 で行うものである。認証項目としては、車両ID、SAE J2799 認証の有無、 タンクのタイプ(Type 3、Type 4)、タンク容量、など。 - 充填直前に車両の上部あるいは下部で車両ID の認証を行う。SAE J2601 に この「ID フィル」を追加することも検討している。 図 4-6.車両 ID の認証システムの検討 ③ 教育とトレーニング • これまでに、3600 人の緊急対応員(消防局など)、行政官などの教育を行っ てきた。 • 基本的にカリフォルニアが中心だが、そのほかの州(フロリダ州、テキサス、 ワシントン州)なとでも行ってきた。 • 特に消防局の教育は重要。 - 日本では、水素ステーション設置に対する消防局の許認可権限が大きくない ことは驚きである。米国ではステーションの設置で地域の消防局に許認可が 必ず必要。 ID フィルを SEA J2601 v2 に追加 読取器 オプション 2: RFID アンテナを車両上部に設置 オプション1:RFID アンテナを車両下部に設置 可能性のある通信項目(検討) ・シリアル番号 ・SAE J2799対応状況(Y/N) ・車両タンク種類(Type3/Type4) ・車両タンク容量 ・車両搭載タンク数 ・最大タンクの容量 ・タンク圧力 ・タンクの温度条件(要検討)

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④ ステーション運用状況システム(Station Operational Status System:SOSS) • 携帯でも確認可能な、ステーション運用状況管理システムを開発中である(図 4-7)。水素の有無やステーションの稼働状態が分かるようにしたい。 図 4-7.ステーション運用状況システム(携帯用) (5) ディスカッション • カリフォルニアでは、トレーニングを受ければ 70MPa でもセルフ充填が可能。 - トレーニングは、水素の基本的物性や充填デモンストレーションなど。半日 ∼1 日程度。 - まだ各ステーションで別々にトレーニングを供給している段階。将来は、共 通のトレーニング方法の開発や、共通ID(トレーニングを証明する ID)の 発行を考えている。 • EV と比べて、水素 FCV の PR は難しい。人は簡単に EV=Zero Emission と 考えがち。実際には米国の電源構成の半分は石炭。その意味では、EV は Coaled Vehicle、あるいは Coal-Powered Vehicle である。

• 米国では、大手の石油会社が水素ステーションから撤退した(最近では BP)。 日本で、大手石油・エネルギー会社が自動車メーカー、工業ガスメーカーと協 力して水素ステーションの普及を進めていることが非常に興味深い。

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(6) 水素ステーション見学 • 技術的には 10 年前の技術で、現在撤去を検討している(図 4-8)。 - CaFCP から主要なエネルギー会社が脱退し、敷地内の水素ステーションの 運用も自分たちで行うことになった。 - CaFCP 敷地の近くに、新型のステーションを設置することを検討中。 • 充填は蓄圧器からの差圧充填のみ。現状で 35 MPa のみ対応している。 - 安全弁の元弁はなく、液体水素→→気化器→圧縮機として圧縮される。 - 配管の溶接が多くの箇所で使用されている。また過流防止弁は見慣れなかっ た。 図 4-8.CaFCP 水素ステーション ディスペンサの表示 液体水素タンク 制御パネル 圧縮装置 ディスペンサ

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5

カリフォルニア大気資源局(CARB)

訪問先 カリフォルニア大気資源局(California Air Resources Board:CARB)

住所:(CaFCP と合同会合)

訪問日時 2009 年 11 月 11 日(水)9:30∼17:00 対応者 Gerhard H Achtelik, Jr.

Manager Zero Emission Vehicle Infrastructure

(1) カリフォルニア大気資源局(CARB)の概要 • CARB はカリフォルニア州環境保護庁(Cal/EPA)傘下の組織で(図 5-1)、カ リフォルニア州の大気質改善を通じて公衆衛生・福祉・環境の改善を目的とする 組織である(表 5-1)。 - Cal/EPA は、カリフォルニア州の各分野における規制当局を統括するため に、1991 年に設立された。 - CARB は 1967 年にカリフォルニアの大気質保全(公害抑制)のために設立 された(連邦政府のEPA 設立よりも 1 年早い)。 - カリフォルニアは巨大な市場なので、CARB の規制には強い権限がある。 図 5-1.カリフォルニア州環境保護庁(Cal/EPA)の組織 出所:Cal/EPA ホームページ< http://www.calepa.ca.gov/About/OfficeSec.htm > 表 5-1.CARB の目的 ・健康な大気質を達成し、維持する ・大気汚染物質の原因とその解決策に関する研究を実施する ・カリフォルニア州の主たる大気汚染の原因である自動車によって引き起こされる深 刻な問題に対してシステマティックに対処する14 出所:CARB ホームページ < http://www.arb.ca.gov/html/aboutarb.htm >

14 原文は「Systematically attack the serious problem caused by motor vehicles, which are the

major causes of air pollution in the State」。

州知事オフィス

California Environmental Protection Agency (Cal/EPA)

Air Resources Board (ARB)

State Water Resources Control Board (SWRCB)

Regional Water Quality Control Boards (RWQCBs) Department of Toxic Substances Control (DTSC) Office of Environmental Health Hazard Assessment (OEHHA) Department of Pesticide Regulation (DPR)

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• CARB の全体的な運営や方向性は、カリフォルニア州知事によって指名された 11 人の理事によって決定される(表 9-2)。チェア以外は非常勤である。 表 9-2.CARB の理事(ボードメンバー)15 チェア(1 名) 加州内の大気質管理区・規 制区16からの代表(5 名) ・南海岸大気保全管理区(1 名) ・サンフランシスコベイエリア大気保全管理区(1 名) ・サンディエゴ大気汚染規制区(1 名) ・サンホアキン・バレー全域大気汚染規制区(1 名) ・その他の管理区・規制区(1 名) 専門家(3 名) ・自動車エンジニアリング分野の専門家(1 名) ・科学・農業・法律分野の専門家(1 名) ・物理学・外科医・健康影響分野の専門家(1 名) 一般市民(2 名) 出所:CARB ホームページ < http://www.arb.ca.gov/html/aboutarb.htm > (2) カリフォルニア州の水素政策 ① カリフォルニア水素ハイウエイ・ネットワーク • シュワルツネッガー知事が、2004 年 4 月にブループリント「California Hydrogen Blueprint Plan」の策定を署名した。このブループリントがカリフ ォルニア水素ハイウエイ・ネットワーク(CA H2 Net)の基本である17 ② FCV(EV)普及シナリオ • カリフォルニア州は GHG 排出量を 2050 年までに 1990 年比で 80%削減する ことを目指しており、そのためには州内の GHG 発生量の 28%を占める乗用 車からの削減が不可欠と考えている。 15 現在のボードメンバーは< http://www.arb.ca.gov/board/members.htm >参照。 16 カリフォルニア州には、35 の大気質管理区・規制区がある。P.59 参照。 17 カリフォルニア水素ハイウエイ・ネットワーク(CA H2 Net)は、「カリフォルニア州が環境、健康、 経済に配慮しつつエネルギーセキュリティを確保し、さらにエネルギー効率と再生可能エネルギー 利用を進める」ことを目的とするデモンストレーションプログラムである。2004 年に、200 人のエ キスパート(行政、産業界、大学、NGO)の意見を参考に、計画のブループリントを策定した。ブ ループリントでは、最終的に水素ステーションを州内に250 ヶ所まで増加させる予定であり、特に 州内のハイウエイ沿い20 マイルごとにに水素ステーションを建設する方針であった。現在はむし ろインフラを特定の都市部に集中して整備し、それをネットワークすることに計画を変更している。 なお水素は、最終的には再生可能エネルギーから製造することを目標にしている。

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• GHG 排出量 80%削減のためには、2050 年に向かって FCV と BEV を普及さ せることが必要。新車販売における代替燃料車両のシナリオを図 5-2 に示す。 図 5-2.GHG 排出量 80%削減のための FCV・BEV 普及シナリオ • FCV・FC バスの普及台数と水素ステーションの設置の見込みを図 5-3 に示す。 図 5-3.FCV・FC バスの普及台数と水素ステーションの設置の見込み 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2000 2010 2020 2030 2040 2050 Year % New veh icl e s ales

HEV 4% sales in 2010 (launch in 2000) PHEV 3% sales in 2020 (launch in 2010) BEV 1% sales in 2020 (launch in 2010) FCV 3% sales in 2025 (launch in 2015) 10 Year Sales Growth Conv. Veh. HEV FCV + BEV PHEV 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2000 2010 2020 2030 2040 2050 Year % New veh icl e s ales

HEV 4% sales in 2010 (launch in 2000) PHEV 3% sales in 2020 (launch in 2010) BEV 1% sales in 2020 (launch in 2010) FCV 3% sales in 2025 (launch in 2015)

10 Year Sales Growth

HEV 4% sales in 2010 (launch in 2000) PHEV 3% sales in 2020 (launch in 2010) BEV 1% sales in 2020 (launch in 2010) FCV 3% sales in 2025 (launch in 2015) 10 Year Sales Growth Conv. Veh. HEV FCV + BEV PHEV 技 技 術術 導導 入入 プレレ・・ココママーーシシャャルル期 市市 場場 リアルワールド条件での技術開 発と実証 技術の改良と初期市場 の準備(カリフォルニア 州とニューヨーク州) 他の大都市での大規模 導入による商業化 ZEV 7,500 (2014 年まで) 1 100,,000000台を台を目目 指 指ししたた導導入入 数千台 数百台 乗用車用 FCV FC バス 水素ステーション 10 台程度 最初のリテール用 ステーション 数十カ所 数 数百百カカ所所 数 数百百台台 数十百台

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③ 水素ステーションへの助成 • カリフォルニア州(CARB)が行った公募で、現在までに決定した水素ステー ションへの助成額を表 5-2 に示す。 - 助成額はステーション建設コストの70%が基本だが、上限もある(1700 万 ドル、再生可能エネルギー由来の場合は2700 万ドル)。 - 35MPa・70MPa 充填対応、一般アクセスの保証、最大水素流量 4.5 kg/5 分 の確保などが助成の条件となっている。そのほかの仕様(充填方式、圧縮機 タイプ、材料など)は提案者に任されている。最大流量を確保するために、 プレクールとコミュニケーションは必須。コミュニケーションは SAE J2601 に準拠。また同時に助成を受けるステーションは、充填に関する情報 をカリフォルニア州(NREL)に提供しなければならない。 - 多くのステーションは、2011 年ごろに運用が始まる見込み。 • 「全コスト」の内訳はステーションごとに異なり、一概にステーション建設費 用を定義できない。コストには、水素設備(水素製造・貯蔵・供給)の他に、 実験的な設備(フォンテインバレーの MCFC など)、ステーションの見栄え (特に地域のステーション、花壇など)、既存ステーションに併設する場合の 改造費などが含まれている。土地代は含まない。 • これらの助成ステーションの他に Shell が独自に設置・計画している一般向け ステーションもある。 表 5-2.カリフォルニア州が助成する水素ステーション 場所(提案者) 州の助成 (milドル) 全コスト (milドル) 供給能力 (kg/日) 特徴 Newport Beach (Shell Hydrogen) 1.7 4.03 100 公共ステーション(充填:35 / 70 MPa)、オ ンサイトSMR、複数同時充填 Fountain Valley (APCI、Orange County Sanitation District) 2.7 8.19 100 下水汚泥消化ガスを MCFC に利用し、電 力と水素を同時生産 Harbor City (Mebtabi Station Services、APCI) 1.7 2.47 100 Chevron ガソリンスタンドに設置、 高圧で水素輸送 Los Angeles (UCLA) 1.7 4.32 140 研究用(サンタモニカ水素ステーションのバ ックアップ用)、オンサイトSMR Los Angeles (CSULA) 2.7 4.4 60 エンジニアリング研究用、100%再生可能エ ネルギー利用(オンサイト水電解) San Francisco Airport(SFO、Linde) 1.7 2.41 120 多目的用(空港内シャトルバス、LDV)、液 体水素で輸送、ハイタン併用 Emeryville (AC Transit) 2.7 5.56 60 多目的用(FC バスと LDV)、オンサイト電解 (太陽電池利用)と水素輸送の併用

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(3) ZEV 関連プログラム ① ZEV プログラム

• 現状で、2012 年の 20%の ZEV リクワイヤメントは決定しており、その達成 には、ZEV(BEV、水素 FCV)、Enhanced-AT PZEV(プラグインハイブリ ッド)、AT PZEV また PZEV で埋めることができる。

• 現状の ZEV 構造は複雑すぎるという反対も多く、現在 ZEV スタッフは、新た に「ZEV2」をボードに提案しているところである18

- ZEV2 では、真に Zero Emission ではない車両(ハイブリッドなど)を ZEV 法の枠からPavley 法(LEV III)に移行させる。

- ZEV を FCV、BEV に限定することで、それらの技術の市場化を推進させる ことを目指す。 図 5-4.現在の ZEV 構造 • 現在の ZEV リクワイヤメントから予想される FCV 普及台数を表 5-3 に示す。 表 5-3. ZEV リクワイヤメントから予想される FCV 普及台数 18 今後、2010 年中ごろまでに LEV Ⅲの基準を策定し、その後に ZEV 規制の修正を提案する予定と のこと。 50,000 25,000 2,500 Required Vehicles 25,000 5,357 250 Gold Fuel Cell

Vehicles 2015-2017 2012-2014 2009-2011* Type 50,000 25,000 2,500 Required Vehicles 25,000 5,357 250 Gold Fuel Cell

Vehicles

2015-2017 2012-2014

2009-2011* Type

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• ZEV 法に関わるクレジット数には変更はない(表 5-4)。経営が厳しいとさ れている米国の大手自動車メーカーもZEV 規制には従うとみている。

表 5-4.ZEV 法におけるクレジット数

② ZBus プログラム

• 大手公共バス会社(200 台以上)に Zero Emission Bus の運用を義務付けるこ とを検討している19 19 ゼロエミッションバス(Zbus)プログラムは CARB による規制で、200 台以上のバスを運用してい る事業者に対して、Zbus(電池、FC、トロリー)の購入(年間導入台数の 15%)を義務付けてい るものである。購入義務付け実施までの措置として、代替燃料バスの導入を進める「代替燃料パス」 と、ディーゼルバスを継続して導入する代わりにZbus デモンストレーションが義務付けられる「デ ィーゼルパス」が設けられており、カリフォルニア州のバス事業のデモンストレーション(Santa Clara VTA、AC トランジット、SunLine トランジット)はこの「ディーゼルパス」の一環として 行われている。またこのデモンストレーションに対して、加州政府から1430 万ドル、連邦政府か ら630 万ドル、ベイエリア大気質管理区(BAAQMD)から 200 万ドルがファンドされている(総 デモンストレーション費用に対するファンド率は54%)。 本プログラムは2000 年に採用されたが、Zbus の技術の未成熟とコスト高のために、購入義務付け 実施がこれまで2 回延期されている。また現在進められているサンフランシスコ湾岸 ZEB デモンス トレーション(AC トランジット主導)による 12 台の FC ハイブリッドバスデモンストレーション は、2006 年の実施延期の条件でもある(ファンドは加州政府から 700 万ドル、連邦政府から 570 万ドル、ベイエリア大気質管理区(BAAQMD)から 200 万ドル)。 なお2010 年 1 月 29 日に、購入義務付けの再延期が決定された。CARB は 2012 年 7 月までに公聴 会を実施し、実施の再検討を行うことになっている。

CARB「Zero Emission Buses」< http://www.arb.ca.gov/msprog/bus/zeb/zeb.htm >参照。

なおCARB のプレゼンテーション(2009 年 7 月)では、各バスの価格は以下のようになっている。 ディーゼルバス: 380,000 ドル ディーゼルハイブリッドバス: 560,000 ドル CNG バス: 490,000 ドル CNG ハイブリッドバス: 630,000 ドル バッテリ式電気バス: 1,200,000 ドル FC ハイブリッドバス: 2,200,000 ドル 出所:Status Report on the Zero Emission Bus Regulation, Air Resources Board Meeting,

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(4) その他の FCV に関係する規制 ① 水素源における再生可能エネルギーの利用義務付け • カリフォルニア州法 SB1505 では、水素ステーションの水素源に再生可能エ ネルギーの利用を義務付けている(表 5-5)。 表 5-5.カリフォルニア州法 SB1505 セミッション削減 (ガソリン比) WTT での NOx(+オゾン発生活性ガス)の 50%削減 WTW での GHG の 30%削減 WTT での有害物質の増加なし エネルギー源要求 33%の水素は再生可能エネルギー由来 対象(閾値) ・州が助成しているステーション:直ちに対応のこと ・州内の水素供給量が 350 万 kg/年に達した場合(FCV 換算で 10,000 台程度)には、全てのステーションが対応のこと ・免除規定はあるが、CARB のボードの承認必要(厳しい) 再生可能エネルギ ーの種類 バイオマス、ソーラー熱、PV、風力、地熱、バイオ燃料利用 FC、 小規模水力(30 MW 以下)、発酵メタン、ランドフィルガス、波力 発電、海水温度差発電、潮流発電など 電力の場合には、グリーン電力証書を活用してもよい

② クリーン燃料販売(Clean Fuels Outlet Regulation:CFO)

• 全ての大手ガソリンスタンド所有者・リース者は、州内で特定の燃料の自動車 の普及台数が2 万台に達したら、その燃料を提供しなければならないという規 制がある。 - 現在、「FCV 普及台数が 2000 台に達したら、水素を提供しなければならな い」と修正を行っている(2010 年 12 月の制定に向かって作業中)。ただし 地域を限定したり、スタンドの負荷を緩和する手段も盛り込まれる予定。 - 今後2010 年 4 月 1 日のワークショップ20とその後のボード会合で方針が打 ち出される。 20 < http://www.arb.ca.gov/msprog/mailouts/msc1009/msc1009.pdf >参照。

(42)

③ 低炭素燃料基準 • 交通部門全体における炭素排出原単位(カーボンインテンシティ)を 2020 年 までに、2010 年比(ガソリン・ディーゼル)で 10%削減する目標がある。 - 低炭素燃料であるバイオ燃料、電力、水素、天然ガスなどの導入の促進が期 待される(表 5-6)。 - FCV や BEV も大幅に GHG を削減できる可能性があるが、絶対的な導入量 が不足している。 表 5-6.水素・電気による CO2 削減効果 ④ 水素車両の補助 • CARB では、水素利用自動車の普及のために、補助を行っている。 • 自動車・シャトルバス向け:100 万ドルの採択先

- 4×Quantum Hydrogen ICE Prius(CSU Humboldt、CARB、UCLA) - 2×Ford HICE Shuttle Buses(East Palo Alto、San Diego)

- 1×GM Fuel Cell Equinox(University of California Irvine) • 公共用バス: 700 万ドルの採択先

- Bay Area Transit Bus Demonstration(AC Transit など) - SunLine Transit Bus Demonstration

- Burbank Plug-in Fuel Cell Bus

0% 95.85

Gasoline

57% 41.37

Electricity (CA mix)

64% 34.90

Electricity (CA marginal)

65% 33.09

Hydrogen (CA mix)

Reduction compared to gasoline Grams of CO2 per mJ

of fuel energy Pathway

Well-to-Wheels GHG (based on carbon intensity)

0% 95.85

Gasoline

57% 41.37

Electricity (CA mix)

64% 34.90

Electricity (CA marginal)

65% 33.09

Hydrogen (CA mix)

Reduction compared to gasoline Grams of CO2 per mJ

of fuel energy Pathway

Well-to-Wheels GHG (based on carbon intensity)

(43)

⑤ 代替燃料ファンド(AB118) • 今後 7.5 年間で、1 億 200 万ドル/年を代替燃料の普及に投ずる。うち 4000 万 ドルを水素ステーションの整備に、3500 万ドルを水素基準・認証研究(特に 計量方法の開発)に使用する。 • 連邦・州政府のファンドの負担割合を増加させなければならない(今後、高コ ストな再生可能エネルギーの導入支援や、小規模ビジネスの補助のために)。 ⑥ カリフォルニア州の関連法律・規制のまとめ • カリフォルニア州の関連法律・規制を表 5-7 にまとめる。 表 5-7.カリフォルニア州の関連法律・規制のまとめ 規制・法律 内容 ZEV 規制 自動車メーカーがZEV を生産することを要求 ZBus 規制 公共バス機関がZEB を運用することを要求 低炭素燃料基準 2020 年までに交通部門の炭素排出原単位を 10%削減 クリーン燃料販売 大手ステーション所有者に代替燃料の販売を義務付け AB118 代替燃料ファンド、州政府によるインベストメントの加速 SB1505 水素源における再生可能エネルギーの利用義務付け (5) ディスカッション • 技術が違えば水素コストは当然異なり、リテール価格も異なることになろうが、 現状でカリフォルニアではステーションで水素を販売できない。 - 州法で、販売のためには計量精度が必要で、現状で水素をただしく計量する 方法が確立していないためである。カリフォルニア食品農業局(California Food & Agriculture)が定める計量精度は 2%である。

- 現状では、水素ステーションで水素を販売することは違法なので、多くのス テーションは無料で充填させているか、メンバーシップ(年会費)を徴収す るなどの方法をとっている。 - 水素価格目標は5 ドル/kg だが、大規模ステーションにならなければ難しい。 • 現状で、水素ステーションのビジネスモデルを描くことは不可能。CARB はで きるだけサポートしたい。

(44)

- CARB はカリフォルニアエネルギー委員会(CEC)から、再生可能エネル ギー普及のために1 億 2000 万ドル/年(7 年間)の予算を確保した。再生可 能エネルギー由来水素も対象になる。 - 現在カリフォルニアでは、カリフォルニア州法(SB)1505 によって、新規 のス水素テーションのエネルギー(水素製造含む)の 33%を再生可能エネ ルギー由来とすることを定めている。 • フォンティンバレーの水素ステーションは、下水汚泥を発酵させてメタンを生 産し、MCFC で水素と電力を賄う予定。FC には MCFC(FuelCell Energy 製) を使用する。 - コンセプト証明のためのデモンストレーションでもあるが、潜在的な市場は 大きい(下水処理工場)。また自家発電設備に対する連邦政府からの補助金 (4000 ドル/kW)もあてにできるので、興味をもつ施設は多いはず。 • カリフォルニアでは、再生可能エネルギーの展開が重要な政治的命題である。 - 水素は、天然ガス由来でも 40%の GHG 削減に寄与するが、政治的には再 生可能エネルギーに結び付けて考えなければならない。 - 現実には、カリフォルニア州の再生可能エネルギーの導入割合はまだ非常に 少ない。 • カリフォルニアでは、35MPa 充填、70MPa 充填ともセルフ充填が可能で、実 際に行われている。 - ステーションのコード:NAFP 52、ICC コード - ミシガン州は、水素充填は専用スタッフが基本(主に雇用のため)。

(45)

6 AC

Transit

トランジット

訪問先 AC Transit

住所:1100 Seminary Avenue, Oakland, California

訪問日時 2009 年 11 月 12 日(水)10:00∼12:00 対応者 Jaimie Levin

Director of Alternative Fuels Policy and Marketing

(1) AC Tansit の概要

• AC Transit(Alameda-Contra Costa Transit)は、サンフランシスコ湾岸の 14 の公共交通機関のひとつ(図 6-1)。 - 湾東側地域(アラメダ郡、コントラ・コスタ郡)で公共バスを運行している。 - 所有バスは630 台。年間予算は 3 億 2500 万ドルである。 • 現在は、カリフォルニア燃料電池パートナーシップ(CaFCP)、米国水素協 会(NHA)のメンバーである。 - 今後導入される排出量取引(キャップ・アンド・トレード)にそなえ、自社 のGHG 排出量を正しく把握し、二重カウントによる不利益を予防するため に、カリフォルニア気候アクションレジストリ(California Climate Action Registry)、気候レジストリ(Climate Registry)にも参加している。 図 6-1.AC Transit の概要 AC Transit の概要 従業員 2190 人 年間予算 3 億 2500 万ドル 所有バス台数 630 台 サービス地域 アラメダ郡、コントラ・コスタ郡 (13 市 150 万人) 運行路線数 105 本 (うち 26 本は湾の対岸へのサ ービス) 年間の利用者 延べ 6700 万人 AC Transit のサービス地域

(46)

(2) FC バスデモンストレーション ① FC バスデモンストレーション(フェイズ 1) • AC Transit は 1999 年に水素プロジェクトを始めた。 • 公共サービス機関が FC バスデモンストレーションを実施する意義は以下のと おり。 - 「リアルワールド」のデータが得られることは重要(UTC のラボでも実証 できないことができる)。 - PR 効果が高い(1500 万人が FC バスを「見た」と言っている) • 現在、3 台の FC バスを運行している。FC バスは

Van Hool 製車体に UTC 製燃料電池、Siemens 製 モーターを搭載している。インテグレーションは ISE が実施した(図 6-2)21 図 6-2.FC バス • フェイズ 1 の成果: - 総走行距離205,000 マイル、乗車人数 45.1 万人。 - ディーゼルバスより 3700kg 重いにも関わらず、エアコン利用時で 65%、 エアコン不使用時で70%も燃費が良い。 - 天然ガス由来水素を利用した場合でも、Well-to-Wheel で GHG ガス排出量 を 43%削減できることが分かった(再生可能エネルギー由来水素ならば 100%削減が可能)。 - 利用者アンケートを行った結果を表 6-1 に示す。 表 6-1.利用者アンケートの結果 AC Transit の燃料電池プログラムを好評価 地域の行政機関の意見に、よい影響を与えた 代替燃料検討を重要と考える AC Transit がさらに FC バスプロジェクトを拡大することに賛成 84% 70% 90% 81% 21 P.49 参照。

図  2-4.ISE におけるインテグレーション
図  4-1.南カリフォルニア地域における水素コミュニティ展開のイメージ(2014 年まで)  •  40 か所のステーションを建設するために、2012 年までの 4 年間で総額 1 億 8000 万ドルの投資(官・民合計)が必要であると見込まれる(表 4-3)。  -  ステーションの建設には平均 2 年ほどかかるので、運用は 2009∼2014 年に 順次始まることになる。 -  ステーション建設費の 70%程度は連邦政府・カリフォルニア州が負担すべ きと考える。 表  4-3.水素ステーションの展開の
表  5-4.ZEV 法におけるクレジット数
図  6-12.制御画面の例
+7

参照

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