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カリフォルニア州南海岸大気保全管理区(SCAQMD)

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図 8-2.カリフォルニア州の大気保全管理区(AQMD)・大気汚染規制区(APCD)

出所:CARBホームページ < http://www.arb.ca.gov/capcoa/roster.htm >

Amador APCD

Antelope Valley AQMD Bay Area AQMD Butte AQMD Calaveras APCD Colusa APCD

El Dorado County AQMD Feather River AQMD Glenn APCD

Great Basin APCD Imperial APCD Kern APCD

Lake County AQMD Lassen APCD Mariposa APCD

Mendocino County AQMD Modoc APCD

Mojave Desert AQMD Monterey Bay APCD North Coast AQMD Northern Sierra AQMD Northern Sonoma APCD Placer APCD

Sacramento Metro AQMD

San Diego APCD San Joaquin APCD San Luis Obispo APCD Santa Barbara APCD Shasta County AQMD Siskiyou APCD South Coast AQMD Tehama APCD Tuolumne APCD Ventura APCD Yolo-Solano AQMD

APCD = Air Pollution Control Districts AQMD = Air Quality Management Districts South Coast AQMD

(SCAQMD)管轄地域

(2) カリフォルニア州南海岸地域の特徴 

• SCAQMD は、ロサンゼルス市を中心と

する4つの郡(ロサンゼルス郡、オレン ジ郡、リバーサイド郡、サンベルナルド 郡)を管轄する。全面積は 11,000 平方 マイル(28,500 km2)で、1600 万人が 住んでいる。

図 8-3.SCAQMD管轄地域 

• 南海岸地域は海と山に囲まれており、地形的に汚染された大気が滞留しやすい

(これは自動車が普及する前の時代でも、家庭からの排気が滞留する問題があ った)。

• SCAQMDのミッションは、大気質の浄化。最近の研究では、南カリフォルニ

ア地区では、大気質の影響による死亡は5000人レベルであり、また大気質に ともなう短寿命化の割合は14年、と試算されている。

• ローカル(南カリフォルニア地区)な大気質向上と、地球全体に関わる気候変 動の問題の両方に対応するため、FCV デモンストレーションなどの取り組み を行っている。

- 水素は良くないという人もいるが、SCAQMD(カリフォルニア)は水素を 自動車燃料として採用するのが正しいと考えている。

- エネルギー問題に「銀の弾丸(万能薬)」はなく、複数の技術で解決するし なかい。10〜20年後だけではなく20年後を見据えた政策が必要。

(3) SCAQMD の水素関連活動 

• SCAQMDは1980年代より、水素・燃料電池に関わってきた。

- 1980 年代に燃料電池バスのデモンストレーション(Ballard 製スタック利 用)をDOEとともに支援。

- カリフォルニアで最初の水素ステーションを設置。現在は改良予定(35 MPa

充填用→70MPa充填用)。

- 定置用燃料電池(UTC製商用発電用、200 kW)を導入。

- CaFCPやCalifornia Stationary Fuel Cell Collaborativeに参画。

• 最近、定置用FCと自動車用FCの両方の相乗効果を考え、下水工場から発生 するメタンガスをFuelCell Energy製燃料電池(MCFC)で利用、自動車用水 素と家庭用燃料電池に使用するシステムの支援を始めた。

• SCAQMDの車両関連プロジェクト

- 水素内燃プリウス

- SunLine Transitの燃料電池バスの支援 - GMのFCV車両を支援

- Fordの水素内燃式シャトルバスの支援 - プラグイン水素バス

• 2008 年に実施した水素ステーション公募では、3 か所のステーションが新設 されることになった。

- ファウンテンバレー(Fountain Valley):下水処理ガスの利用

- エモリービル(Emeryville):PVを組み合わせた水電解による水素製造 - カリフォルニア州立大学LA校:水電解による水素製

• カリフォルニアでは、新設する水素ステーションで製造される水素量の 33% は再生可能エネルギーとしなければらないという規制がある。これは水素製造 量での換算値で、電力(水電解)などはグリーン電力証書を活用してかまわな い25

• CaFCP:Action Plan

- 先導的コミュニティ:アーバイン、ニューポートビーチ、トーランス、サン タモニカ

- 二次的コミュニティ:ロザンゼルス、バーバンク

25 CARB(P.34)参照。

(4) Five Cities Program の総括 

• 現在南カリフォルニアには、10か所の一般向けステーションがあるが、うち5 か所はSCAQMDの「Five Cities Program」用として設置されたステーショ ンである(図 8-4)。

- Five Cities Programは2006年から2010年までの5年プロジェクト。

- Five Cities Programでは、30台の改造プリウス(水素内燃式)を導入した。

改造はQuantumが実施(米国トヨタは改造を許可したが、支援はしてくれ

なかった)。改造しても排気ガスのSULEVスタンダードに適合。

- Five Cities Programでは、2種類のタイプの水素ステーション(オンサイ ト水電解、モバイル式)を採用した。これはSCAQMDの意向でそうしたの ではなく、Air Products and Chemicalsからの提案書に基づくものである

(バーバンクの水素ステーションは、最近、電解装置から天然ガス水蒸気改 質に変更した。これは水素量拡大のためである(100 kg/日))。

図 8-4.Five Cities Programの水素ステーション

Five Cities Programステーション

(開所日) 水素製造技術

サンタアナ(2006年1月11日) 移動型 オンタリオ(2006年1月11日) 移動型 リバーサイド(2006年1月17日) 水電気分解 バーバンク(2006年1月31日) 水電気分解 サンタモニカ(2006615日) 水電気分解

水電気分解

製造能力:0.5 kg/ 52 kg @ 6250 psi 移動型

Air ProductsHF-150 150 kg @ 6600 psi

• 現在、運用に関する総括的報告をまとめている。2010 年 5 月の米国水素協会 年会で発表する予定。

- 水素内燃プリウスは、初期にはターボのレスポンスが悪いなどの影響があっ たため、最初に参加したドライバーの印象は悪かった。その後改良してレス ポンス性は向上したが、初期の車両で悪い印象を持ったドライバーは、その 後も満足度は向上していない。このことから、ドライバーの印象が重要であ ることが判明した。

- これまでに、1 台の車両の水素タンク(Quantum 製複合容器)で水素リー クが発生したが、その問題は解決した。

- コストの点で、水電解ステーションがよいのか、移動式ステーションがよい のかの判断はまだしていない。ただし水素充填量の計測の点では、水電解式

(圧縮機使用)は悪くはないが、移動式(8本の蓄圧器からの差圧充填)は 非常に精度が悪いことが分かった。しかし、水電解は水素需要が少ないと、

効率が非常に低下する。

- 水素の価格は、DOEの目標価格と同じ4ドル/kgを目指す。BPのバーバン ク水素ステーション(SMR)は、水素需要さえあれば4ドル/kgを達成でき る見通しを得たとのことである(現在は水素需要が少ないので 7〜14 ドル /kgとなってしまう)。

• ステーションの運用継続・70MPa化:

- Five Cities Programの水素ステーションは、2010年以降も継続したい(ま

た 70MPa 充填対応としたい)と考えているが、基本的に Five Cities

Program での水素ステーションは、各市のごみ処理場などに設置されてい

るため、あまり一般のFCV車両が充填に訪れるのには適当ではないという 問題がある。

- 移動式ステーションは、蓄圧器は現在のままとし、圧縮機のみをディスペン サ横に設置することで、70MPa化を図りたい(そのほうが低コスト)。

- 可能であれば70MPa充填用ステーションの蓄圧器にも複合容器を使用した い。LindeやPowertech labで実績がある。

- 70MPa化には、プレクールとコミュニケーションの設置が不可欠であるが、

詳細はまだ決まっていない。コミュニケーション方式は、おそらく提案者

(Air Products)の意向によることになる。

(5) 将来のステーションの在り方 

• ステーションコストの低減に関して、Shell は仕様統一(水素製造・貯蔵・供 給技術の選択)よりも、水素需要量の確保のほうが重要と述べている。最適充 填圧力(35MPa、70MPa)に関してもまだ評価段階。

• 70MPa の連続充填は、水素製造・貯蔵・供給の問題ではなく、むしろプレク

ールの問題で制限される。カリフォルニア大学アーバイン校の水素ステーショ ンはプレクールの制限で連続充填ができていない。利用者から不満が来ている。

• ステーション共通仕様の検討は、むしろShellで行っている。

(6) 規制関係: 

• 水素ステーションに関する基準は20程度あるが、一番重要なものはNFPA 52

(Vehicular Gaseous Fuel Systems Code)、NFPA 55:(Compressed Gases and Cryogenic Fluids Code)である

• 米国には、水素ディスペンサとガソリンディスペンサの併設に関する規制はな い(併設可能)。ただし、水素ディスペンサでも50〜70フィート(16〜23 m) のセットバックが定められている(適切な措置で緩和される)。

• 実際の規制は、むしろ地域コミュニティの要求になる(Five Cities Program で選ばれた市は、実は水素ステーション設置の許可が得やすい市であった)。

• 技術的・インフラ的な要件以外で制約をかけられた水素ステーションもある

(DOE のデモプログラムに参加しているチノの水素ステーションは、交通が 激しいため、充填可能台数を制限されている)。

(7) ディスカッション 

①  米国政府の政策

• DOE のチュー長官は、最初は水素に否定的であり、水素関連予算を大幅に削 ろうとしたが、議会はこれを復活させた。そのため、DOE でも水素関連活動 を継続している。DOTも公共用燃料電池バスのプロジェクトを進めている。

• オバマ大統領はグリーンテクノロジーを推進しており、その点ではプラグイン HEV や電気ドライブトレインもその一環である。南カリフォルニアはグリー ンテクノロジーの中心的センターとなることを目指している。

• 南カリフォルニアにある水素ステーションの多くは、DOE との共同ファンド で設置したものである(SunLine、カリフォルニア大学アーバイン校、ロサン ゼルス空港、バーバンク)。

②  水素ステーションのあり方

• BP は、水素ステーションビジネスから撤退した。また CaFCP からも脱退し た。

- バーバンクの水素ステーションは、BP によって水素製造量を 100 kg/日

(SMR)に拡大したが、ほとんど利用されなかった。BPは稼働率が低かっ たことを非常に不満に感じている。

• 水素供給方式:

- 需要量が拡大すれば、液体水素供給、さらにパイプライン供給の可能性がで てくる。基本的には需要量で決まる。

- 天然ガスパイプラインを水素パイプラインに変更することはできない。リー クの問題がある。

• 現在米国では、ホーム充填の検討が進められている。

- SCAQMD はこれまでに天然ガス自動車のホーム充填実証を行ってきた

(3500 psi=24 MPa)。

- 仕様の検討には、自動車各社、ガス技術研究所(GTI)などが参画している

(RFP:Request for Proposal段階)26

- 基本的にホーム充填は問題ないと考える。すでにホンダが似たコンセプトを 提示している。

• 水素脆化は特に問題になっていない。

- Five Cities Programのステーションは、業者(Air Products)に定期メン テナンスを依頼しているが、問題は聞いていない。

- 今後、ステーションを撤去した時に、水素脆化の有無を検討する。

26 「700 bar Residential Home Fueling Appliance」としてDOE・SCAQMDを中心に検討されてい る。参加企業はChrysler、Daimler、Ford、GM、Honda、Hyundai、Nissan、Toyota、Volkswagen、

NEC。総額522,000ドル。現在提案書を募集中。

http://www.aqmd.gov/TAO/ConferencesWorkshops/Retreats/9-2009_LarryWatkins.pdf

ドキュメント内 untitled (ページ 65-79)