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小児期の皮下脂肪厚 : 第2編 : Turner症候群における検討

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(1)

米子底誌

J

Yonago Med Ass 40

181-185

1989 181

小 児 期 の 皮 下 脂 肪 厚

2

編 :

Turner

症候群における検討

鳥取大学医学部小児科学教室〈主任白木和夫教授)

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Yonago

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ABSTRACT

Skinfold thickness (SFT) was measured in 7 overweight patients with Turner's syndrome and compared with that in 24 obese girls to clarify unique bodyhabitus in the syndrome. Body weights of all the subjects were above the standard values by more than 20

9

6

.

Means of ulnar

triceps

subscapular and suprailiac SFT in Turner's syndrome were lower than those of the controls. Comparisons at the triceps (Turner's syndrome/control : 16.4/23.0) and at the ulnar (8.7/12.5) SFT exhibitedpvaluesless than 0.0,1 and at the subscapular (18.2/27.3) and the suprailiac (22.1/32.6) SFT less than 0.05 by the羽

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analysis.

The results suggest that the increment of body weight in Turner's syndrome is not solely related to the increased volume of fat tissue but is mainly caused by the change in lean body mass.

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者 = 居

手ヨ

肥満とやせの判定は身長と体重から求めた肥満度や body mass index によって行われていることが多い.

しかし, ζの方法は簡便な反面,除脂肪体重(以下

lean body mass)の個人差を全く無視しているため に体脂肪量を過小あるいは過大に評価するζとがあ り,第 1編5)~とおいて肥満の判定を肥満度だけで行う 乙とが十分ではないことが示された. Turner症候群は低身長,性腺機能不全と身体的な 特徴を合わせ持つ染色体異常による疾患であるが,経 過中ζl過体重となり易いととで知られている.また, (Accepted on December 28

1988) Turner症候群患者には糖尿病の発生頻度が高いとい う報告があるめが,肥満によっても弼糖能異常が生じ てくるために, Turner症候群の酎糖能を評価する場 合にはその肥満の程度を正確に判定しておく必要が忘 る1) 本研究においては, Turner症 候 群 7併につい て皮下脂肪厚を測定し肥満度と比較し,本症候群の体 構成成分の特殊性について検討を加えた. 対 象 1) Turner症候群 当院内分泌外来を受診したTurner症 候 群 患 児 の 中 で , 肥 満 度 +20形以上の症例7例について検討を

(2)

182 花 木 啓 表1. 対象の身長,体重,把満度

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N 年(議齢)

(cm)

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単純(思性春肥期満前女〉児 24 8(5.3~11) .0土1.5 1(107~148) 30.5土10.2 (28.8~57.2) 38.9土8.7 (3257..9~77 1土13.. 65)

Turner

症候群 7 (1120..17土1.~15 7.8) 1(116~133) 29.5土6.3 (29.0~42.5) 37.5土4.8 (20.2~50.7) 38.9土9.9 数値は

Mean

SD.

括弧内は範囲を示す.年齢についてのみ両群間

ζ

{

有意差を認める. 表 2. 対象の身長,体重,肥満度(超音波皮脂厚計) N 年 (歳鈴)

(cm

(kg重〉 肥 満

(

9

6

)

度 7 7.8土1.4 127.5土7.8 36.4土8.0 37.7土15.4 (5.3~10) (118~141) (29.3~53.5) (21. 1~58.6)

Turner

症候群 5 (11.7~15.8) 13.0土1.6 1(129~133) 31.7こと1.9 (34.5~42.5) 38.1土3.0 (20.2~44.6) 36.2:と10.1 数値は

Mean

SD.

括弧内は範囲を示す.年齢についてのみ雨群聞に有意差を認める. 加えた.

Turner

症候群

7

例はいずれも

G-band

染色 体分析によって診断が確定しており,それぞれ45X (2{列), 45

X

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4

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XX (2

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tl), 45

Xj47

XXX, 45

Xj

46 X,r (X), 45

X

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4

6

X,i (Xq)であった.7例のう ち5例は性発育を認めず

(Tanner

Pl), 2例は乳房 発育を認めた

(Tanner

P

2).

6

例は低身長

ζ

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対して 輩出向化ホノレモン (stanozolo1)の少蚤投与(l ~2 mgj日, 4~60 カ月〉を受けていた. 2) 単純性肥満 当科を受診した単純性問i南町女児のなかで性発育を 認めず,身長105~ 150

cm

,肥満度+

2

5

9

6

以上の基 準を満たした24例について同様の検討を行った. ζ の群の平均身長,平均体重,平均肥満度は

Turner

症 候群女児7例のそれとほぼ間程度であった(表1). 超音波皮脂厚計による計測は,以上の中から

Tur-ner

症侯群

5

関と単純性肥満 7{対について行った.そ れぞれの群の身長,体重,肥満度はほぼ間程度であっ た〈表2). 方 法 2) 超音波皮脂厚計 超音波

A-mode

によるタットヘルス社製

TATT

T耳-500を用い,花木による報告5)(第 1縞)に基づ いて行った.前腕尺側,上腕後面,肩甲下部 ,J毘骨稜 上,大腿前面,下腿後苗について計測した.

2

.

肥満疫の計算 肥満度は性別,年齢別,身長別標準体室町を基準と して,それからの備位を百分率で表して求めた. 3. 性発育の判定 乳房の性発育段贈を

Tanner

の判定基準9)に基づい て分類した.

4

.

有志差の検定 皮 下 指 肪 厚 に 関 す る 有 志 差 の 検 定 は 対 応 の な い

W

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coxon

検定を用いて行った. 果 結

Turner

症候群の皮下時肪厚と肥満度の関係を正常 および肥満児のそれと対応させてみる(国 1:肩甲下 部〉と,各測定部位において,

Turner

症候群の皮下 脂肪淳は間程度の肥満度の女児に比べて低値をとる傾 1.皮下脂肪厚 向があった.

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、 ζれを詳細に検討するため,性発育,身長,体重, 前腕尺側,上腕後面,扇申下部,践骨稜上の部位の 肥満度がほぼ同一な単純性肥満女児24例の皮下時肪 皮下脂肪厚を測定した.部定は花木による報告5)(第 厚と比較した(図2). 4カ所の測定部{立において, l繍〉に基づいて行った

Turner

症{長野の皮下時j出j享は単純性肥満女児に比べ

(3)

:183

Turner

症侯群の皮下脂肪摩

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症 候 群 目 屋

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肩甲下部皮下脂肪厚と肥満度の関係(女児) .は正常あるいは単純性肥満

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症候群 図1.

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前 腕 尺 側 n=7

Turner

症侯群と単純性肥満の皮下脂肪厚

T: Turner

症候群,

S:

単純性肥満〈思春期前) 身体各部位で

Turner

症候群の皮下脂跡厚が有意に薄い. @は

Turner

症候群についての酒々の値を示す. 図

2

.

(4)

1

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花 木 啓 一 表

3

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超音波皮脂厚計による皮下脂肪厚

(mm)

肥満度十

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以上の女児 単純性肥満

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症候群

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下 腿 後 面

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6

単純性肥満の対象女児はすべて思春期前の性発育. 数値は

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て有意に低慌であった.特に四肢の脂肪分布を示す前 腕尺側と上腕後商の部位では明確であった.

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と同様に,超音波皮脂厚計を用い た計測でも前腕尺側と上腕後面において

Turner

症 候群患児の皮下指肪厚が有意に低値であった.他の部 位でも同様な額向を示した(表3). 考 察

Turner

症候群とは,女性の表現型をとり,性染色 体 (X)の短腕をlつしか持たない状態として規定さ れている.低身長と卵巣機能不全に加えて,いわゆる

Turner stigmata

めと呼ばれる特徴的な体型を持っ ている.小児期に発見された

Turner

症候群患児が, 学童期以降ζl肥満を合併するζとはよく経験されるこ とである.

Turner

症候群患者には耐糖能異常の発生 が高頻度でみられると言われている7)10) しかし,肥 満であるζともやはり酎糖能異常の重要な危険国子で あるために叱

Turner

症候群患児の肥満の程度を正 確に判定しておかないと,

n

詰糖能異常の頗度が有意に 高いか否かを論ずる乙とはできなくなってしまう. 身長と体重か与求めた肥満度によって肥満と判定・さ れた

7

例の

Turner

疲候群女児の皮下脂肪厚が,ほ ぼ閉じ肥満度の単純性肥満女児に比べて有意に低値を とったことは,

Turner

症候群患児は肥満度という指 標では実際以上に肥満に判定されているととを示して いる.肥満度は身長と体重で決ってしまうため,低身 長であり,またずんぐりした体型の患児は皮下脂肪が 少なくても肥満度は高値になる.

Turner

症侯群女児 でも性発育を認める症例が散見され,また

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の補充療法を受けている児においてもやはり同様な体 型的特徴を持っているめので,

Turner

症投群のこの 特徴は性ホノレモンの影響ーではなく遺伝的に決められた ものと考えられた.

Turner

症候群では四肢の路肪を表すと考えられる 前腕尺側と上腕後面について,単純性肥満との差異が より明確であった.このことは

Turner

症候群の体型 の特徴を示すものと考えられる.

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を用いた皮下脂肪厚の測定に際し では,皮腐の弾性などの条件によって測定{誌のばらつ きが大きくなるζとがあるとされている.しかし,本 研究で行った超音波皮脂厚計による皮下脂訪厚の測定 値でも間諜に,

Turner

症候群患児の前腕尺側および 上腕後面皮下脂肪厚は単純性肥満女児のそれよりも有 意に{尉誌をとった.また,対象の年齢範囲の女児で は通常は皮下脂訪厚が年齢とともに増加するので,

Turner

疲候群

7

例の年齢の平均が単純性肥満のそれ より

4

.

7

歳高い事実は結果の有意性をより強めるもの であると考えられる. 身長と体重から求める指数である

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によってカナダエスキモ

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flJ:]満の頻度を調査した結 果,著しく高頭度であったと発表されたが,後にそれ はエスキモーは筋肉最が多く,がっしりした体型であ ったために

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ではより肥満に判定され ていたものであったととが,皮下指肪厚を測定して判 明したという報告がある11) 異なる人種の間では身長 と体重から求める指数を肥満の判定に用いるのは適当 ではないが,本症のように特徴的な体型を呈する疾患 についても間様であるζとが示された.

Turner

症投 群患児の肥満の程度を判定するときには,肥満度に加 えて皮下脂肪厚などの寵接脂肪紐織を反映する測定法 めを選ぶ必要がある. 本研究の対象となった

Turner

症候群では,肥満度 と皮下脂肪厚を比較することでその特徴的な体型に基 づく体構成成分の変化について検討するζとができ た.その他の肥満あるいはやせをきたす疾患について も本方法を用いることで,体脂肪量の変化,脂訪の分 布などについてより詳細な検討が可能になるものと思 われる. 結 語

1

.

Turner

症候群

7

例と思春期前単純性肥満女児 24例について前腕尺側,上腕後面,謂甲下部,腸骨稜 上の:皮下脂肪厚を測定した.

(5)

Turner

症候群の皮下脂肪厚 185

2

.

Turner

症候群の皮下脂肪厚は,身長,体重, 肥満度,性発育がほぼ等しい単純性肥満女児のそれと 比べて有意に低値をとった.

3

.

この不…致は,

Turner

症候群患児の特徴的体 型に起因しているものと考えられた. 4.

Turner

症候群などの体型的特徴を有する対象 者の肥満を判定するときには皮下脂肪摩などの直接脂 肪組織を反映する測定法を選ぷ必要がある. 稿を終えるにあたり,御指導ならびに御校閲を賜り ました思締小児科学教護白木和夫教授,また御校関を 賜りました産科婦人科学教室前回一雄教授,、公衆衛生 学教室主能勢隆之教授に深甚なる謝意を捧げます. また,本研究について直接の御指導を賜りました小 児科学教室大関武彦助教授に心より深謝致します. さらに,御協力頂きました小児科学教室の皆様方に 厚く御礼申し上げます. 本論文の一部姿旨は,第90回日本小児科学会学術 集会 (1987年,東京)において発表した. 文 献

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参照

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