「 家庭内における障害者虐待に関する事例調査 」
結 果 報 告 書
平成 19 年 11月
社会福祉法人 滋賀県社会福祉協議会
はじめに
近年、「権利擁護」についての動きが大きく変わってまいりました。 本県では、平成8年に「サン・グループ事件」が発覚し、知的障害者を多く雇用していた会社の社長が従業 員に対する日常的な暴力、賃金の不払い、障害年金の横領等、深刻な権利侵害を起こした事件として今なお記 憶に新しいところです。この事件発覚後の10年間を振りかえりますと、判断能力が必ずしも十分とはいえない 認知症高齢者や障害者の方々に対する権利擁護については、様々な展開を見るに至りました。 まず、平成11年には、判断能力が不十分な方々を支援する法的整備として成年後見制度の創設、および、福 祉サービスの利用援助を目的とした地域福祉権利擁護事業が実施されました。また、平成18年には、高齢者虐 待防止法が施行され、虐待ケースの通報義務や市町村行政の責務が明確になりました。同時に、介護保険制度 改革に伴い市町村行政による地域包括支援センターが開設され、その機能の一環として、高齢者の虐待防止や 早期発見のための事業が始まりました。このように、「権利擁護」についての動きが大きく変わり、判断能力 が不十分な方々がお住まいの地域で安心して暮せる土壌が醸成されようとしています。 しかしながら、当権利擁護センターをはじめ多くの関係機関では、依然として高齢者や障害者に対する虐待 についての相談が日々寄せられているのも事実です。これらの虐待については、その背後にあるさまざまな影 響を受けて深刻化、複雑化したケースが目立っていますが、こうした虐待は家庭や施設など閉鎖された中で起 こっているため、実態を明らかにすることが困難で、十分な調査ができていないのが実情です。特に家庭内虐 待については、家族による虐待という性質上、全国的に見ても実態調査は当権利擁護センターの把握する限り 見あたりません。十分な実態把握ができていないことは、障害者虐待の予防やその支援のあり方を検討し、そ れに対応する基礎的資料を得ることができないことを意味します。 このような中、当権利擁護センターでは、判断能力が必ずしも十分とはいえない方々に対する権利擁護をさ らに進めることを目的に、障害者に対する家庭内虐待についての状況調査を行いました。この調査報告が、障 害者虐待の状況を明らかにし、虐待の予防やその支援のあり方等を検討するための一助となるものと考えてお ります。 なお、本調査では、市町行政や障害者生活支援センター等の関係機関が取り扱った「虐待ケース」について 回答していただきました。この場合、「虐待ケース」に該当するか否かについては、調査票記入上の留意事項 のQ5(P115)でも述べておりますとおり、記入者の判断に委ねることとしています。 最後に、本調査を進めるに際しましては、当権利擁護センターの権利擁護委員会委員長である龍谷大学社会 学部の村井龍治教授をはじめ、権利擁護委員会委員の皆様には本調査研究の企画段階から調査票の作成、得ら れたデータに対する考察等に至るまで、ご指導、ご助言をいただきました。本報告書の刊行に際しまして、改 めて深く感謝申し上げます。 平成19年11月 社会福祉法人 滋賀県社会福祉協議会 滋賀県権利擁護センター・高齢者総合相談センター目 次
Ⅰ 回収結果
1 調査対象機関等からの回収状況 1 2 個票の回収状況 1 3 事例保有率 2Ⅱ 一次集計結果(項目別単純集計結果)
1 「虐待事例あり」回答者の所属機関 3 2 被虐待者の性別と年齢 4 3 被虐待者の障害種別 5 4 被虐待者の居住市町 6 5 家族構成 7 6 被虐待者の生活状況 8 7 被虐待者の収入 9 8 被虐待者が親族等から受ける身体的介護の状況 10 9 被虐待者が親族等から受けるその他支援の状況 10 10 虐待者 11 11 虐待者世帯の経済状態 12 12 虐待の分類 12 13 虐待の頻度と自覚 14 14 虐待行為の理由 16 15 虐待事例を知った時期 18 16 虐待事例を知ったきっかけ 19 17 被虐待者が周囲に示す反応 20 18 被虐待者が示す反応の原因 21 19 虐待が起こる原因 22 20 関わった関係機関 23 21 解決状況 24 22 行った支援の内容 25 23 有効だった支援 26 24 支援において困ったこと 2926 虐待事例の概要 31 ⑴ 知的障害者に対する虐待事例 31 ⑵ 精神障害者に対する虐待事例 34 ⑶ 視覚障害者に対する虐待事例 35 ⑷ 聴覚障害者に対する虐待事例 35 ⑸ 肢体不自由者に対する虐待事例 36 ⑹ 内部障害者に対する虐待事例 37 ⑺ 重複障害者に対する虐待事例 37 ① 知的障害と精神障害の重複障害者 37 ② 知的障害と視覚障害の重複障害者 38 ③ 知的障害と聴覚障害の重複障害者 38 ④ 知的障害と音声言語障害の重複障害者 38 ⑤ 知的障害と肢体不自由の重複障害者 38 ⑥ 知的障害と内部障害の重複障害者 39 ⑦ その他の重複障害 39
Ⅲ 二次集計結果(クロス集計結果)
第1 回答のあった虐待事例はどのような虐待か? (虐待分類、性差等で虐待の現れ方の違い、属性に近いもの など) 1 虐待分類別の被虐待者の性別 42 2 被虐待者の年齢別の虐待分類 43 3 被虐待者の障害別の虐待分類 44 4 知的障害者に関する障害程度と虐待分類 45 5 被虐待者の障害別における虐待者 46 6 被虐待者の年齢別における虐待者 48 7 虐待分類間の重複発生傾向(障害別) 52 第2 どのような状況で虐待が起こっているのか? (経済状況や介護の程度などの家庭の「状況」 など) 1 虐待者世帯の経済状態と虐待の発生状況 59 2 被虐待者の収入額と経済的虐待の発生状況 60 3 親族等から被虐待者への支援状況 61 4 親族等から被虐待者への支援状況(経済的虐待ケース) 62 5 被虐待者が受ける介護の程度と虐待分類 637 被虐待者が周囲へ示す反応の原因(障害別) 69 8 被虐待者が同居している家族構成員 71 9 別居の虐待者による虐待ケースの虐待分類 73 第3 虐待が起こる要因は何か? (障害別・虐待別、介護の程度別の要因 など) 1 虐待が起こる要因(障害別) 74 2 被虐待者が受ける介護の程度と虐待要因 78 3 各虐待と虐待が起こる要因(障害別) 79 第4 支援のあり方は? (虐待ケースを知った「きっかけ」、今後必要な支援制度、体制 など) 1 関係機関が虐待事例を知った「きっかけ」 85 2 生活状況と事例発覚の「きっかけ」 89 3 障害別の事例発覚の「きっかけ」 93 4 今後必要な支援制度・体制(回答機関別) 95
Ⅳ 考察・まとめ
1 関係機関等が障害者虐待を取り扱った経験の有無について 99 2 障害者虐待の様相 99 ⑴ 浮かび上がる「被虐待者の状態像」 99 ⑵ 被虐待者のライフ・ステージと虐待者 100 ⑶ 虐待の内容に見る特徴的傾向 100 ⑷ 重複虐待 102 ⑸ 被虐待者の虐待に対する受け止め方、心理状況 102 3 今後、必要な制度・体制、早期発見・予防について 102 ⑴ 今後、必要な制度・体制について 102 ⑵ 障害者虐待の早期発見・予防について 104Ⅴ 付表
1 回答者が、障害者の権利侵害等について日頃感じていること(自由記述) 106 2 調査票記入上の留意事項 113 3 調査票 117Ⅰ 回収結果
1 調査対象機関等からの回答状況
[概要] ・調査対象機関数(A) ・回答数 (B) ・回答率 (C)=(B/A) ・無効回答数 (D) ・有効回答数 (E) ・有効回答率 (F)=(E/A) 869 機関等 326 機関等 37.5 % 32 機関等 294 機関等 33.8 % [説明] 全調査対象施設・機関・団体等(以下「機関」という)合計869機関のうち、37.5%に当たる326 機関から、「該当事例あり」または「該当事例なし」いずれかの回答があった(該当事例がない場 合も、調査票にその旨記載の上、調査票の返送を依頼)。 このうち、32機関から提出のあった調査票(合計35票)については、下記のとおり、調査対象 事例としての要件に合致しないため、無効とした。 この結果、有効回答率は、33.8%であった。 (無効理由別無効回答数) ・被虐待者の年齢要件(18歳以上65歳未満)から外れているもの 22票 ・概ね5年以内の事例でないもの 7票 ・虐待者や虐待内容に記載がないなど、全体として内容が不明なもの 4票 ・虐待者が「虐待者」の定義から外れているもの 2票 小計 35票2 個票の回収状況
[概要] ・回収個票総数(G) ・個票総数のうち無効個票数(H) ・個票総数のうち有効個票数(I) ・有効個票のうち「該当事例なし」個票数(K) ・有効個票のうち「該当事例あり」個票数(L) ・「該当事例あり」個票のうち重複事例個票数(M) ・本調査標本数(N)=(L−M) 399 票 35 票 364 票 253 票 111 票 1 票 110 票[説明] 「該当事例なし」の機関についても、該当がない旨記載した調査票を1部のみ返送するよう求め た。また、「該当事例あり」の機関に対しては、把握するすべての事例について、それぞれ調査票 を分けて提出を求めたため、1機関から複数事例の提出があったところもあった。この結果、回 収した個票総数は399票で、無効回答35票を差し引いた364票が有効個票であった。 このうち、「該当事例なし」が253票、「該当事例あり」が111票である。 さらに、「該当事例あり」個票の全数について、被虐待者の居住市町名や障害の種類・程度、事 案の概要などについて突き合わせを行った結果、同一ケースについて2つの機関から重複して回 答されたものが1ケースあった。 以上により、本調査の標本数は、110票となり、これを基に、一次集計(項目別単純集計)およ び二次集計(クロス集計)を行うこととした。
3 事例保有率
[概要] ・有効回答機関のうち「該当事例あり」機関数(O) ・有効回答機関に占める「該当事例あり」機関率(P)=(O/E) 41 機関 13.9 % [説明] 1機関において該当事例が何例あったかは別として、該当事例があった機関をそれぞれ1件と してカウントすると、「該当事例あり」機関の実数は41機関で、全有効回答機関数294に占める割 合は、13.9%である。 一方、高齢者虐待の場合は、平成15年度に(財)医療経済研究・社会保険福祉協会が実施した 「家庭内における高齢者虐待に関する調査」(全国調査)において、回答のあった在宅介護支援セ ンター、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所等6,698機関のうち、42.8%に当たる2,865機関から 虐待事例の報告が行われている。 これらの結果を比較すると、関係機関が虐待事例を保有している率は、障害者虐待の方が高齢 者虐待よりも低いといえる。Ⅱ 一次集計結果(項目別単純集計結果)
1 「虐待事例あり」回答者の所属機関
「虐待事例あり」の回答があった機関等をグループ別にみると、図1のとおり、事例の報告が最も 多かったのは、作業所やデイサービスセンターなどの「通所型施設・居宅介護事業所」で28.2%(31件) である。続いて、「権利擁護センター等3次圏域機関」の24.5%(27件)、「生活支援センター等2次圏 域機関」の13.6%(15件)、「県・市町・市町社協」の11.8%(13件)の順となっている。2 被虐待者の性別と年齢
被虐待者の性別については、図2のとおり、「男性」が40.9%(45件)、「女性」が59.1%(65件)で、 「女性」の方が多い(「男性」のおよそ1.5倍となっている)。 また、虐待を受けている(いた)時の年齢については、図3のとおり、「20歳代」が最も多く 30.9%(34件)で、以下、「50歳代」23.6%(26件)、「40歳代」19.1%(21件)、「30歳代」14.6%(16件) の順となっている。3 被虐待者の障害種別
被虐待者の障害種別は図4のとおりである(複数回答)。 「知的障害」が最も多く63.6%(70件)、続いて、「精神障害」29.1%(32件)、「肢体不自由」16.4%(18 件)の順となっている。 なお、「身体障害」全体(視覚障害、聴覚・平衡機能障害、音声・言語・そしゃく機能障害、肢体 不自由、内部・免疫機能障害の合計)では、34.6%(38件)となり、「精神障害」よりも多くなっている。4 被虐待者の居住市町
被虐待者の居住市町別では、図5のとおり、「大津市」が最も多く21.8%(24件)続いて、「東近江市」 14.5%(16件)、「甲賀市」11.8%(13件)、「高島市」10.0%(11件)の順となっており、市町によって件 数に格差がみられる。 この点、家庭内における虐待的行為そのものが潜在化し関係者に把握されにくいという側面があ ることや、今回、調査対象となった施設や関係機関の地域別の回答状況(協力状況)によっても報 告される虐待件数に差がでることなどを考慮に入れれば、件数の多い市町は虐待が多く、少ない市 町は虐待が少ない、と単純に解釈することは適切ではない。5 家族構成
被虐待者の家族構成は図6のとおりである(複数回答)。 「親」が50.9%(56件)、「兄弟姉妹」が48.2%(53件)となっており、被虐待者の約半数が「親」ま たは「兄弟姉妹」と同居している。 なお、「一人暮らし」の被虐待者も6.4%(7件)と少数ながらある。6 被虐待者の生活状況
この項目は、被虐待者が虐待を受けていた当時、外部とのかかわりの観点から、どのような生活 状況にあったかをみるものである。 図7のとおり、「通所施設等に通所」が最も多く、45.4%(50件)で、以下、「未就労・福祉サービ ス利用なく在宅」20.0%(22件)、「一般企業(事業所)に通勤」9.1%(10件)、「ホームヘルプを利用 し在宅」7.3%(8件)の順となっている。 これらについて、さらに、「一般企業(事業所)に通勤」と「通所施設等に通所」を合わせると 54.5%(60件)となり、全体の半数余りが、普段、外出をしているケースである。 また、これに「ホームヘルプを利用し在宅」を加えると、61.8%(68件)となり、全体の60%余りが、 福祉サービスを利用するなど、何らかの形で外部とかかわりのある生活を送っていることがわかる。7 被虐待者の収入
被虐待者の収入の有無をみると、図8のとおり、80.0%(88件)が「収入あり」である。 また、収入額(月額)別では、図9のとおり、「5∼10万円」が最も多く56.4%(62件)で、「不明」 の25.5%(28件)を除くその他の区分は、いずれも数%となっている。 さらに、収入の内訳を見ると、「5∼10万円」は障害年金(1級または2級)のみ、または障害年 金+就労収入(作業所工賃を含む)であり、「0∼5万円」は就労収入のみとなっている。「10∼15 万円」および「15万円以上」については、概ね障害年金+就労収入である。8 被虐待者が親族等から受ける身体的介護の状況
被虐待者が親族等から受ける身体的介護(食事、排便、入浴、衣服の着脱等にかかる介護)の状 況を見ると、図10のとおり、「自立」が32.7%(36件)と最も多く、次いで、「概ね自立・部分介護」 15.5%(17件)、「半分未満の介護」14.5%(16件)の順となっている。9 被虐待者が親族等から受けるその他支援の状況
被虐待者が親族等から受けるその他支援の状況は図11のとおりである(複数回答)。 「日常的金銭管理」が50.0%(55件)、「財産管理」が35.5%(39件)となっており、前項の身体的介 護のほかに、金銭や財産管理にかかる支援を受けているケースが多く見られる。10 虐待者
虐待者の被虐待者との続柄は、図12のとおりである(複数回答)。 「父」が最も多く31.8%(35件)、次いで「母」28.2%(31件)となっており、全ケースの30%程度は、 「父」または「母」いずれかの「親」による虐待である。 次に「その他の親族」(義父・義母、おじ・おば等)が多く、17.3%(19件)となっている。 また、「兄」「弟」「姉」「妹」のいずれかが虐待を行っているケースも、全体の10∼15%程度見ら れる。11 虐待者世帯の経済状態
虐待者世帯全体の経済状態を見ると、図13のとおり、「不明」を除くと、「生活に困らない程度」 28.2%(31件)が最も多く、続いて「たびたび生活に困る」25.5%(28件)、「余裕がある」10.9%(12件) の順となっている。12 虐待の分類
虐待者が被虐待者に対して行った虐待の内容(虐待の分類)は図14および図15のとおりである(と もに複数回答)。 図14は、「虐待の有無」に関する設問に対し、虐待の事実が「ある(あった)」と断定的に回答し ているもののみを集計したものであり、図15は、さらに、これに「(断定できないが)ある(あった) と思う」という推定的な回答を行ったものを加えて集計したものである。 図14では、「経済的虐待」が最も多く39.1%(43件)、続いて「身体的虐待」36.4%(40件)、「心理的 虐待」25.5%(28件)、「介護や世話の放棄、放任」17.3%(19件)、「性的虐待」8.2%(9件)の順となっ ている。 図15で見ると、「経済的虐待」が最も多く59.1%(65件)、続いて「心理的虐待」52.7%(58件)、「身 体的虐待」51.8%(57件)、「介護や世話の放棄、放任」30.0%(33件)、「性的虐待」10.9%(12件)の順 となっている。 2つの図を比べると、「心理的虐待」を除いては、グラフの伸び方に概ね同じ傾向が見られるが、 「心理的虐待」については、図15の方の伸びが大きくなっている。これは、「心理的虐待」の場合は、 「虐待の有無」を断定することが、他の虐待の種類以上にむずかしいためと思われる。13 虐待の頻度と自覚
虐待の事実が「ある(あった)」と断定的に回答しているケースのみを対象として、さらに、虐待 の分類別に、虐待が行われる頻度と虐待者の虐待にかかる自覚の程度についても尋ねた。その結果 は図16のとおりである。 まず、「身体的虐待」(全40件)では、頻度については「日常的にある」と「時々ある」が同数の 35.0%(14件)で、虐待をしていることの自覚については、「明確にある」が37.5%(15件)、「多少ある」 が22.5%(9件)の順となっている。 「介護・世話の放棄、放任」(全19件)では、頻度については「日常的にある」が圧倒的に多く 63.2%(12件)で、「時々ある」は21.0%(4件)であるのに対し、自覚の有無については、「まったく ない」が最も多く31.6%(6件)、「多少ある」21.1%(4件)、の順となっており、全般的に自覚の希 薄さが窺える。 続いて、「心理的虐待」(全28件)では、頻度については、「日常的にある」が最も多く57.1%(16件) で、「時々ある」が28.6%(8件)となっている。自覚については、「明確にある」が35.7%(10件)で あったほかは、「多少ある」「ほとんどない」「まったくない」いずれも15%程度(4∼5件)であっ た。 「経済的虐待」(全43件)では、頻度については、「日常的にある」が圧倒的に多く60.5%(26件)で、 「時々ある」が18.6%(8件)となっている。一方、自覚については、「明確にある」が23.2%(10件)、 「まったくない」16.3%(7件)の順となっており、全体的に自覚の程度にバラツキが見られる。 最後に「性的虐待」(全9件)については同図のとおりであるが、サンプル数が少ないため、傾向 を把握することは困難である。日常的にある 時々ある まれにある 不明 無記入 22.2 22.2 22.2 22.2 11.2 図16 虐待の頻度と自覚
14 虐待行為の理由
虐待をする理由について、虐待者本人や家族の者等から何か聞いている場合に、その内容を自由 記述で求めたところ、46件の回答があった(複数回答)。 その理由を虐待の分類ごとに整理すると、以下のとおりである。 【身体的虐待について】 ・(知的障害の被虐待者に対して)「しつけ(または教育)のためにやっている」 8件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「しつけのためにやっている」 1件 ・(知的障害および視覚障害等の被虐待者に対して)「言うことを聞かないから」 1件 ・(肢体不自由の被虐待者に対して)「無理ばかり言う。感謝の言葉がない」 2件 ・(肢体不自由の被虐待者に対して)「(世話が)しんどい」 1件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「見ていてイライラする」 1件 ・(知的障害の被虐待者を屋内に閉じ込めることに対して)「本人のことが心配だから」 4件 ・(知的障害の被虐待者を屋内に閉じ込めることに対して)「世間体が悪い」 1件 ・(精神障害の被虐待者を屋内に閉じこめることに対して)「外出は何かあったらかなん」 1件 ・その他 5件 【介護や世話の放棄、放任について】 ・(肢体不自由の被虐待者に対して)「仕事や家事があり、構っていられない」 1件 ・(肢体不自由の被虐待者に対して)「死んでくれた方がよい」 1件 ・(知的障害の被虐待者に対して)「一人でお留守番ができるので」 1件 ・(知的障害、精神障害の被虐待者に対して)「20歳を越えているから」 1件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「ぐうたらだ。飯も食べさせるな」 1件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「今まで本人に迷惑をかけられている」 1件 ・その他 3件 【心理的虐待について】 ・(知的障害の被虐待者に対して)「しつけのためにやっている」 1件 ・(知的障害、精神障害の被虐待者に対して)「本人がしっかりしないから」 1件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「ぐうたらだ。とにかく働いてほしい」 1件 ・その他 2件【経済的虐待について】 ・(知的障害の被虐待者に対して)「共同生活だから、使って当然」 2件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「共同生活だから、使って当然」 1件 ・(聴覚障害の被虐待者に対して)「共同生活だから、使って当然」 1件 ・(知的障害の被虐待者に対して)「本人ができないので家族が管理している」 5件 ・(知的障害の被虐待者に対して)「本人の承諾をとっている」 2件 ・(知的障害の被虐待者に対して)サラ金返済等虐待者の生活苦のため 4件 ・(知的障害の被虐待者に対して)「本人の介護が大変だから」 1件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「家に置いてやっている」 1件 ・その他 1件 【性的虐待について】 ・(知的障害の被虐待者に対して)「本人が障害者であり、同意があるかないか判断ができない」 1件 ・(精神障害の被虐待者に対して)「本人が可愛く思えた」 1件
15 虐待事例を知った時期
虐待事例を知った時期については、図17のとおり、2006年が29.1%(32件)と最も多く、以下、 2005年20.9%(23件)、2003年12.7%(14件)、2004年11.8%(13件)の順となっている。
福祉サービス等の利用中に本人・家族等の様子から気づいた(12)
16 虐待事例を知ったきっかけ
虐待事例を知ったきっかけについては、図18のとおりである(複数回答)。 「その他関係機関・団体等からの相談・連絡」が最も多く28.1%(31件)、続いて「被虐待者本人か らの相談」24.5%(27件)、「福祉サービス等の利用調整中に関係者から知らされた」12.7%(14件)、 「福祉サービス等の利用中に本人・家族等の様子から気づいた」10.9%(12件)の順となっている。17 被虐待者が周囲に示す反応
被虐待者が周囲の者にどのような反応を示しているかについては、図19のとおり、「相談等の助け を求めている」が23.6%(26件)と最も多く、続いて、「特に反応なし」20.9%(23件)、「あきらめて いる」17.3%(19件)の順となっている。
18 被虐待者が示す反応の原因
前項による「被虐待者が周囲に示す反応」の原因については、図20のとおり、「虐待されているこ とが十分理解できない」が19.1%(21件)と最も多く、以下、「その他」を除き、「わからない」15.5% (17件)、「虐待者に知られたくない・さらなる虐待が怖い」10.9%(12件)の順となっている。
19 虐待が起こる原因
虐待が起こる原因については、図21のとおりである(複数回答)。 その全体的な状況を示したものが、各項目における上のグラフである。 「障害に対する無理解・無関心」が37.3%(41件)、「虐待者の性格、精神的問題」が36.4%(40件) と並んでおり、続いて、「失業・借金等の生活上の問題」29.17%(32件)、「虐待者が介護等で精神的 に疲れている」24.5%(27件)の順となっている。 また、複数の原因がある事例を中心として、その主たる原因と思われるもののみを集計したものが、 各項目の下のグラフである。 前段と同様の傾向を示しており、「障害に対する無理解・無関心」と「虐待者の性格、精神的問題」 が10.0%(11件)と同数で、「その他」を除き、以下、「失業・借金等の生活上の問題」5.5%(6件)、 「虐待者が介護等で精神的に疲れている」4.5%(5件)の順となっている。20 関わった関係機関
虐待事例の解決に向けて関わりのあった機関・団体等は、図22のとおりである(複数回答)。 「市町」が67.3%(74件)と最も多く、全体のおよそ2/3のケースにかかわりがあることがわかる。 そのほかでは、「障害者生活支援センター」の35.5%(39件)、「市町社会福祉協議会」32.7%(36件) が多く、続いて、「更生・授産等通所施設」26.4%(29件)、「権利擁護センター」24.5%(27件)の順 となっている。21 解決状況
事例の解決状況については、図23のとおり、「未解決(支援中・見守り中)」が29.1%(32件)、続い て「すでに解決」24.5%(27件)、「わからない」18.2%(20件)の順となっている。
「わかならい」を除き、「その後再発」と「未解決」を合わせると、解決されていないケースは全 体の42.7%(47件)以上で、解決済みのケースより多い。
22 行った支援の内容
回答があった機関が、事例の解決に向け被虐待者等に行った支援の内容について記述式で記入を 求め、項目ごとに整理したものが、図24である(複数回答)。 これを見ると、「関係機関との協議、調整等」が34.5%(38件)と最も多く、続いて、「関係者会議 の開催(への出席)」29.0%(32件)、「本人への聞き取り」26.3%(29件)、「家族との調整」22.7%(25 件)の順となっている。23 有効だった支援
虐待事例の解決に向け、特に有効であった支援の内容およびその支援が有効であった理由を記述 式で求めたところ、49件について回答があった(複数回答)。それらを支援の内容別に要約すると、 以下のとおりである。 【関係者会議の開催(への参加)】(24件) (有効だった理由) ・関係者が情報を持ち寄ることで、全体の状況が把握・共有できた。 ・本人や家族の心情などがわかり、関係者の共通理解のもとで対応が図れた。 ・解決に向けての役割分担が明確にできた。 ・支援の方向性が確認できた。 ・キーパーソン(例えば親戚の人)がわかり、その人からのアプローチが有効だった。 ・民生委員や親族にも参加してもらい、地域での見守りができるようになった。 ・関係機関で話し合い、一時的に途絶えていた福祉サービスの再利用が図れた。 ・他の関係者にも事例を知ってもらい、かかわってもらえるようになったことで、精神的にかな り楽になった。 ・被虐待者本人がいろんな関係者に訴えに行っても、関係者が共通認識をもっているので、同じ 内容で話を受け止めることができた。 【地域福祉権利擁護事業の利用支援】(7件) (有効だった理由) ・(知的障害者に経済的虐待を行っていた虐待者から)被害を防ぐことができた。 ・(知的障害者に経済的虐待を行っていた虐待者から)年金通帳と印鑑を取り上げることができた。 ・(知的障害者に経済的虐待を行っていた虐待者が)被虐待者の家を訪問することがなくなった。 ・(知的障害者が、虐待者から介護の放棄や経済的虐待などを受けていたが)地権事業の利用によ り、ホームヘルプサービスを活用し、食事の確保などができるようになった。 ・(知的障害者に経済的虐待を行っていた虐待者が)通帳から勝手に金を下ろすことがなくなった。 ・(精神障害者に経済的虐待を行っていた虐待者が)金銭を要求しにくくなった。【通所・在宅サービスの利用支援】(7件) (有効だった理由) ・(精神障害者が経済的虐待や性的虐待などを受けていたが)被虐待者がホームヘルプサービスを 利用するようになったことで、虐待者が被虐待者の家を訪問しにくくなった。 ・(精神障害者が身体的虐待や性的虐待などを受けていたが)ホームヘルプサービスの利用によ り、外部の者との交流が図られ、被虐待者や虐待者に気持ちの変化が現れてきた。 ・(知的障害者が身体的虐待や心理的虐待などを受けていたが)デイサービス、ホームヘルプサー ビスの利用により、本人・虐待者ともリフレッシュできた。 ・(知的障害者が介護の放棄や経済的虐待などを受けていたが)ホームヘルプサービスでヘルパー が訪問することにより、家庭内の様子の把握や虐待者とのかかわりが日常的にもてるようになった。 ・(視覚障害・肢体不自由・知的障害のある被虐待者が、身体的虐待や介護の放棄などを受けてい たが)ホームヘルプサービスの利用により、虐待者の介護負担の軽減が図れた。 ・(肢体不自由者が身体的虐待と心理的虐待を受けていたが)ショートステイを利用し家族と離れ たことにより、お互いが休息できた。 ・(音声言語障害と精神障害のある被虐待者が、身体的虐待や介護の放棄などを受けていたが)デ イサービスの利用により、虐待者の介護負担の軽減が図れた。 【入所サービスの利用支援】(3件) (有効だった理由) ・(知的障害者が身体的虐待や経済的虐待などを受けていたが)遠方の施設に入所させることによ り、虐待を防ぐことができた。 ・(精神障害者が心理的虐待や経済的虐待などを受けていたが)生活訓練施設に入所したことによ り、家族との距離を一旦とり、生活能力の向上(生活リズムの調整、就労支援等)が図れた。 ・(精神障害者が身体的虐待と経済的虐待を受けていたが)生活訓練施設への入所により、虐待を 受けることがなくなった。 【本人への聞き取り】(3件) (有効だった理由) ・虐待の現状を把握できた。 ・父母が留守のときに弟と妹から身体的虐待などを受けることがわかったので、父母が家に帰っ ている時間に作業所から帰すようにした。 ・本人が、「自分のことを考えてくれる人がいる」と思い、気持ちが落ち着いた。
【法律相談の利用支援】(2件) (有効だった理由) ・(知的障害者が、家族により知らないうちに借金させられていたが)弁護士相談を受けることに より、早期に解決した。 ・(精神障害者が、多重債務のある虐待者の連帯保証人にさせられていたが)弁護士相談を受け、 虐待者・本人ともに自己破産することにより解決した。 【被虐待者への指導・助言】(2件) (有効だった理由) ・訪問回数を徐々に増やしていき、知的障害のある被虐待者に対し生活指導等を行う中で、高齢・ 病弱な虐待者からの自立意識を持たせることができた。 ・知的障害のある被虐待者と家事(調理)を共にする中で、普段の生活状況や悩みを聞き取るこ とができた。 【虐待者への指導・助言】(1件) (有効だった理由) ・(知的障害者に経済的虐待を行っている家族に対し)作業所に通所している他の利用者も小遣い 銭をもらっている実情を説明し、理解してもらえた。 【警察への通報・連絡】(1件) (有効だった理由) ・(知的障害者に身体的虐待や経済的虐待などを行っている虐待者の内縁の夫について)警察に連 絡し、裁判により解決することができた。 【その他】(5件)
24 支援において困ったこと
虐待事例の解決に向けての支援において困ったことは図25のとおりである(複数回答)。
「虐待者の性格や精神上の問題」が33.6%(37件)と最も多く、「特になし」と「その他」を除く と、以下、「虐待者から介入を拒否された」18.2%(20件)、「虐待者等との信頼が築けない」12.7%(14 件)、「かかわる側に介入する権限がない」9.1%(10件)の順となっている。
25 今後必要な支援制度・体制
虐待事例の解決に向けての支援上、今後必要と思われる制度や体制について、特に必要性の感じ られるものを3つまで求めたところ、図26のとおりであった(複数回答)。 「関係機関による支援ネットワーク」が56.4%(62件)と最も多く、続いて「関係者の資質向上に関 する研修」30.0%(33件)、「法にもとづく介入権限」27.3%(30件)、「関係者向けの対応マニュアル」 23.6%(26件)の順となっている。26 虐待事例の概要
(1)知的障害者に対する虐待事例 事例の概要 虐待の内容 虐待者 祖母の支援のために訪問していると、時間内に父親が、本人にたしなめる ような口調や「∼を早くしろ!」という命令口調に対し、返すことばなく、 おびえた様に行動に移していた。 介 護 放 棄 心理的虐待 父 本人からの訴えにより知る。内容は娘の夫が、娘の留守中に、私を足げり したり、たたいたりする。体にアザなど、あとがのこるまでの強さではな いようで、痕跡はみられなかった。今まで、時々あったようである。関係 者に集まってもらい、状況・内容等の確認を行い、アプローチ方法をさぐっ た。 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 娘の夫 本人おこづかいをほとんど保持していない。家族によると使うクセがつく と困る。 経済的虐待 父・母 無認可作業所に通所していた知的障害者に、タバコの火を押しつけたよ うなやけどの跡や、アザを発見した。実母にたずねると、内縁の夫(同 居)によるものと話を聞いた。本人の口からも「○○のおっちゃんこわい」 「ごめんなさい」「たたかないで、言うことをききます」等の発言が片言の ように毎日耳にするようになった。 身体的虐待 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 その他の同居人 弟が姉の財産(年金、父の遺産等)を管理。一部市社協の権利擁護事業に よる金銭管理支援も受けているが、ほとんど渡そうとしない。仕事で姉と はずーっと別々に住んでいたが、それまで25年勤めていた会社を辞めて、 姉の住んでいる家に戻ってきた。(姉は一人ぐらしであった)弟は昨年結 婚したばかりであり、現在は姉・弟・弟嫁の3人暮らしである。現在、弟 と嫁が生活しやすいようにと、リフォーム中であるが、そのお金もどこか ら出ているのか明らかではない。 経済的虐待 弟・弟の妻 支援センターのデイサービスに通っておられた当人を当施設が引き継い だ。支援センターの担当者は、何度か夫と話をしていたので、当施設は、 夫のその事は知らない事として、金銭に関わる問題が生じた時は、その担 当者から対応してもらっていた。 経済的虐待 その他の親族夫 被虐待者が生活ホームのキーパーに、祖母が年金を使っていることを話し たことから発覚。年金通帳・印鑑を管理し、全て使いこんでいた。 経済的虐待 祖母(別居) 授産施設に被虐待者が相談 心理的虐待経済的虐待 姉(別居) 従兄弟より、同居の兄が年金を使いこんでいると市役所に相談。被虐待者 の障害年金、作業所の給料を本人に一切渡さず、兄が使っていることがわ かる。まともな食事を与えず、本人を外出させない。福祉サービスの利用 を入れると被虐待者が拒否をするが、理由をたずねると「兄ちゃんが行く な、と言ってます」とのことで、兄が被虐待者にサービス利用を止めるよ うに言いきかせている。電気やテレビをつけさせない。兄以外の人物の悪 口を言い、本人が接触しないようにする。 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 兄 施設に通所している知的障害者にアザがあり、同居家族による虐待が疑わ れた。 身体的虐待 兄施設利用料が発生することになり、父親の方から施設の利用を中止しいた いとの相談があった。 心理的虐待経済的虐待 父 近隣の方が事務所にみえ、当人の姿が数日見えず心配していたら、久しぶ りに顔を見た時身体にアザがあり「たたかれた」と言っていたとの事。実 兄が亡くなってからは、虐待が疑われると来訪者が心配される。詳細は不 明で来訪者も具体的な事を多く語ることはなかった。匿名も希望される。 身体的虐待 心理的虐待 兄の妻 軽度知的障害者の通帳を母が預かり、本人の意に反し、金銭を引き出し使 用しているとの訴えがあった。 経済的虐待 母 暴力によるアザが全身にみられた。 身体的虐待心理的虐待 経済的虐待 兄・祖母(別居) 小規模作業所を利用している知的障害者に、家族の介護放棄が見られる。 介 護 放 棄 父・母・弟姉・姉の夫 その他の親族 本人から助けを求める電話。家族による相談。 身体的虐待 父 本人からの訴え(胸を触られた)。父の金銭管理により、必要なサービス を受けられない。同居家族の介護を負わされており自分の時間が確保出来 ない。 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 性 的 虐 待 父 本人からの訴え。 身体的虐待心理的虐待 夫 本人の訴えにより判明。 身体的虐待経済的虐待 夫 施設に通所している知的障害者の言動により知った。食事がきちんととれ てない。汚れた衣服を着ている。両親(特に父親が多いが)からお金が ないので「ボーリングには行けない」「服は買えない」「携帯も直せない」 「風邪をひいてもお医者に行けない」「薬代がない」と言われる。身体の具 合が悪くても「休んだら怒られるので出勤した」と言う。具合が悪くて途 中で送ったりするが、その時も「帰ったら怒られる」と言う。両親共に(特 に母親)知的にボーダーで、家庭の養育能力がかなり低い。お金もある時 にパッと使って、後で困るという感じであり、本人の収入もあてにされて いる様子。 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 父・母 帰省期間が終了し、帰寮した際、足などにアザが見られた。 身体的虐待 その他の同居人 アザのあとがあり、本人に確認する。2∼3回確認する。 身体的虐待心理的虐待 弟・妹 本人から、息子が帰って来ると、勝手に通帳からお金を下ろされていたこ との訴えがあった。 心理的虐待経済的虐待 息子(別居) 父から受けている事を本人から聞き出す。(以前からも話としてはあった) 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 性 的 虐 待 父 ヘルプサービスを利用するようになって、本人が1人で過ごしている時間 があるなど、本人の生活状況や家庭状況が明らかになってきたため。 介 護 放 棄 母
ベランダにアルミの柵を張り巡らし、玄関の鍵は外側からしかかけられな いようにしているため、同居家族による監禁が疑われた。 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 夫 その他の親族 認定調査のため障害者宅を訪問した際に、虐待者から生活状況の説明があ り、虐待が疑われた。 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 その他の同居人 本人から、以前虐待をうけていたという訴えがあった。 身体的虐待心理的虐待 夫 近所の方から市役所にTELあり、「長い間入浴できていないようなので、 入浴のサービスは利用できないか」と相談があった。 介 護 放 棄経済的虐待 母・姉 母より、支援センター及び市障害福祉課に相談があった。「溺愛していた 父が、近頃は、暴力をふるうので困っている」と。 身体的虐待 父 ギャンブルなどが原因で、多重債務となった夫が、本人の勤労収入や子の 年金などを搾取している。 経済的虐待 夫 ものごとがうまくできなかったり、生活態度が悪いと思われた時に、父が しつけと称して暴力をふるう。 身体的虐待 父 妹の愛人が家にころがり込んできて、知的障害のある本人を含め、両親等 家族に経済的虐待や身体的虐待を加えている。本人からは、障害者年金と 作業所工賃を搾取している(暴力はない)。 経済的虐待 その他の同居人 共同作業所職員が家庭訪問したところ、弟夫婦より、じめじめとした住環 境の悪い部屋に住まわされていたほか、作業所の給料約1万円も取られて いることがわかった。 介 護 放 棄 経済的虐待 弟・弟の妻 姉は本人に食事を十分与えてない。本人は姉の残飯を食べている。風呂に 入れてもらえないので、しかたなく作業所の帰りにグループホームで入浴 している。姉は自分の財産を使うことに抵抗があり、本人の年金等を使っ て生活している。本人はグループホームへの入所を望んでいたが、本人が 年金を持って入所することがわかった途端に反対しはじめた。 介 護 放 棄 経済的虐待 姉 本人の体にあざが多く手が動きにくい、虐待の跡と思われる。母がしつけ としてビール瓶でたたいている。本人の話では「手が万引きするのでビー ル瓶で何度もたたかれる」手がつぶれたようになっている。年金は父が管 理している。母は人格障害の疑いあり。 身体的虐待 その他の親族母 本人の夫の母から日常的に暴言・暴力・年金搾取がある。おなかを蹴る。 バケツを投げつける。生ゴミを『食べろ』と言う。部屋中の物を散乱させ る。ヒステリックにわめき続ける。 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 その他の親族 地域福祉権利擁護事業利用者で専門員が訪問時に請求書を発見。本人は知 らないと言うが本人名での借金がある。姉が本人の名前で契約していた。 筆跡は本人ではない。本人は妹から「兄ちゃん名前ちょっと貸してくれへ んか」と言われたが意味もわからず「いい」と答えた事がある。 経済的虐待 妹(別居) 通所している利用者に青アザが多く、アイロンの火傷痕あり。また、爪が 不自然に剥がれている。 身体的虐待心理的虐待 父・母 姉夫婦に年金、給料を管理されている。DV的な事もある。 身体的虐待経済的虐待 姉の夫(別居)姉(別居)
死亡した妻の妹夫婦に金銭(給料)を搾取されている。 経済的虐待 その他の親族(別居) 民委「母が息子の年金等を使っているらしい」と町社協に相談し、そのま ま当機関へ相談のあったもの。 経済的虐待 母 義父が本人の胸を数回さわった。 性 的 虐 待 その他の親族 (2)精神障害者に対する虐待事例 事例の概要 虐待の内容 虐待者 本人の年金を父が管理し、本人には月3万円渡すのみ。本人はその内1万 円を生活費として祖母に渡し、月2万円と工賃で医療費・交通費・作業所 での昼食代・利用料・衣類代等をまかなわなければならない状態。 心理的虐待 経済的虐待 父・祖母 被虐待者の夫より「(被虐待者の)兄が家に来て、本人からお金をとって いる」との話がある。被虐待者からも「兄さんが来て『○○○のお金がほ しい』と言われた」との話がある。 心理的虐待 経済的虐待 性 的 虐 待 兄 兄よりの傷が認められた。 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 性 的 虐 待 娘(別居)・兄 兄の妻・弟 施設通所中、本人から「父から背中をたたかれて痛い」と言ってこられた。 後日、こちらが入浴介助中、背中にきずがあったのを確認する。母親が亡 くなった事により、父親が日中さびしがり、1日に5・6回娘が通所して いる施設に本人が通所しているかどうかの確認が入る。本人が事故を起こ した事により、それ以来一切、外出・通院・通所を父親が拒絶するように なる。施設から本人への電話の取りつぎもされない。本人からは父親が外 出中に電話をかけてこられ、「作業所に通いたい」「外出したいけど父親が こわいし探して追いかけてくる」とのこと。 身体的虐待 心理的虐待 性 的 虐 待 父 通院されている精神科病院のケースワーカーより、情報提供があった (ケースワーカーは、外来受診の際の面談で、虐待について知った)。 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 父・母 母・兄と生活をしていたが、以前兄からの性的な虐待や本人が受給してい る年金を使ってしまわれることがあったよう。母が死亡し、兄と2人きり の生活となることで再び同じような性的・経済的な虐待が起こる危険性が 高く、兄との生活に距離を取り、本人の自立を目標にショートステイ利用 後に施設入所となる。 身体的虐待 介 護 放 棄 経済的虐待 性 的 虐 待 兄 施設に入所している精神障害者との面談にて知った。通院先のケースワー カーに伺った。 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 父 本人は重度の精神障害者であり、継続的な医療と、生活面での介護を必要 としていた。しかし、父が亡くなり、母が病気で入院したため、同居家族 が姉だけとなり、姉が通院などの介護をしなくなり、保健や福祉の支援も 拒否し続けた。 介 護 放 棄 姉
兄弟の配偶者に本人さんの存在を知られない様にされている、と本人の口 から(精神科通院されている人) 心理的虐待経済的虐待 母 普段きれいにひげをそってもらって、朝来所(送迎により)されるが、無 精ひげをはやしたままの来所。右目眼球出血が見られた。迎えに来てくれ た弟嫁(介護者)に問うと、数日間弟嫁が入院しており、その間、弟への 負荷が強まり、弟が本人へ手をあげたというエピソードをきかれた。弟嫁 もイラだちがあり、止めなかったとのこと。 身体的虐待 心理的虐待 母・弟 弟の妻 その他の親族 本人からの相談により、父から母・本人に対して暴力があるとうかがった。 身体的虐待心理的虐待 父 本人から聞き取りの中で、同居していた際、兄から暴力があったこと、父 が本人の年金を使いこもうとしていたことをうかがう。 身体的虐待経済的虐待 父・兄 他の通院患者からの連絡。以前から孫への虐待もあり施設入所していたた め、患者へも虐待がすすんだ。 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 息子の妻 入院患者が退院を拒否する。母が死亡後2∼3年して父親から性的虐待が はじまり、虐待状況が続いている。対応の結果、援護寮に入所する。父親 自身に虐待行為の確認作業が実施される。しかし1ヶ月が経過しない間 に、本人は父親宅に戻る事を強く要求して、元の世界に戻る。 性 的 虐 待 父 精神科(アル中)入院の患者の資産を親族で処分しようとする動きがある。 経済的虐待 その他の親族(別居) 本人入院中に無断で兄の妻は保険契約貸付300万弱を受領し、サラ金返済 にあてた。 経済的虐待 兄の妻(別居) 多重債務をかかえた姉の連帯保証人になっており、食費も捻出できず電気 も止められている。 経済的虐待 姉 (3)視覚障害者に対する虐待事例 事例の概要 虐待の内容 虐待者 よろず相談へ来所。夫とその弟で自営業。同一敷地内に弟の家があり、昼 食は弟宅で、夕食は兄宅で食べている。姑は入院中であるが退院してくる と、相談者が世話をするように言われている(姑は認知症の症状有)介護 保険を利用することを話すと、介護料の出費を渋る。昼食も弟宅で取るこ とになっているが、義妹は、食事の用意をほとんどせず、外へ食べに行っ てしまう(相談者は置いていかれることがある)何かというと、夫は離婚 しても良い、実家へ帰れと言う。 心理的虐待 その他の親族夫 (別居) (4)聴覚障害者に対する虐待事例 年金や本人の預貯金を弟が管理しており、本人の自由にならない。又、宗 教的な事もあり、かなりの高額な金銭の要求をされていた。保険証がなく 病院に行けない。体調が悪くても、家族に相談が出来ないし、治療が受け られない。 経済的虐待 弟の妻・妹兄・弟 その他の親族
(5)肢体不自由者に対する虐待事例 事例の概要 虐待の内容 虐待者 施設に通所している利用者同士が悩みを話し合っておられて、相談を受け た利用者から話を聞く。その後、腕にアザや体にアザができていることが 発覚。しかし、本人は虐待を否定している。 身体的虐待 心理的虐待 母 顔面をはらした状態でたびたび通所された。足など服のかくれた部分にあ ざができていた。 身体的虐待 父・母・弟 本人夏休み帰省中に、近くに住む本人の妹より施設に電話あり。本人が家 の風呂場に倒れているところを見つけ、病院へ搬送し、入院となったとの ことであった。妹さんの話では、本人や風呂場の状況から見て、介護放棄 が疑われるとのことであった。 介 護 放 棄 心理的虐待 妻・娘 17年夏、風邪気味の利用者に対し、医師の対応を家族等に訪問ヘルパー等 が何度も伝えるが死んでくれる方が良いのでと放置された。18年春にも黄 疸症状が有り、家族に医療の対応を伝えるが、同じ言葉を何度も家族の中 から受けた。ヘルパーは余計なことはしなくて良いと言われ無視された。 身体的虐待 介 護 放 棄 心理的虐待 母・姉・妹・そ の他の親族 入院時に、時々暴力を受けていた。 身体的虐待 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 妻 訪問時、顔にアザがあった。 身体的虐待心理的虐待 性 的 虐 待 母・弟 1年間程入浴されてなく、不充分な食事提供、排泄介助が充分にされてい ないなど、介護の放任が疑われた。 介 護 放 棄経済的虐待 父・妹・妹の夫 女性との同居に反対する両親等が、本人と女性を家から追い出そうとする。 身体的虐待心理的虐待 経済的虐待 父(別居) 母(別居) 妹(別居) その他の親族 (別居) 要介護状態(うつ病)になった母の介護サービスの利用のため、介護保険 のケアマネージャーとホームヘルパーが自宅に訪問して、両親による自己 流介護によるトラブルを知った。水分制限(トイレの回数をへらすため)、 家にいるのが幸せと頑なに思いこみ障害者サービスを受けさせない、父母 のいさかいの飛び火でなぐられる等があり本人もヘルパーに訴えていた。 身体的虐待 心理的虐待 父・母 娘夫婦の間で暴力があり警察が入った時に、本人(母)が虐待されている 事がわかった。食事を作ってもらえない、風呂に入れてもらえない、年金 を使えない状態。どんどんやせ細ってきて、近所の人が食べ物を持って行 くと娘の夫から「いらん事するな」と怒られ近寄れない。 介護放棄 経済的虐待 娘・娘の夫・孫 隣家に住む両親がドアをたたく、わめきちらす等の不当な干渉を行うので これをやめさせたい。 身体的虐待心理的虐待 父(別居)母(別居)
(6)内部障害者に対する虐待事例 事例の概要 虐待の内容 虐待者 本人が直接電話で訴えてきた。本人は難病で筋力がなく重い物が持てない 状態なのに、別居の兄や姉が来る毎に暴言を吐き耐えられない。がまんも 限界。夫は知っていても見ないふりをしている。26年間あらゆるいじめに 耐えて暮らしてきた。何度も死にたいと思った。 心理的虐待 その他の親族(別居) (7)重複障害者に対する虐待事例 ①知的障害と精神障害の重複障害者 事例の概要 虐待の内容 虐待者 他町から転入して来られ、親等と同居となったが、福祉サービス(通所) を利用。しかし、本人が居場所を失い、施設入所へ移行。その間、金銭的 トラブルや放任的な虐待があったものと見込まれる。 介 護 放 棄 経済的虐待 その他の同居人母 本人の給食費、利用料の未払いが続く中連絡を取ると、妹からお金の相談 を受ける。 身体的虐待 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 妹・妹の夫 両親他界された頃より奇異な発言が現れ精神科病院へ入院となる。退院 後、自宅(アパート)での1人暮らしを目指し、生活訓練施設へ入所とな るが、保護者となっている姉からの経済的援助や免許更新に関する手続き、 必要物品の持参等の本人に対する世話の協力をして頂けなかった。本人、 施設退所後も全く協力を得られず、社会資源の利用により、地域生活を送 ることができていた。 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 姉 本人の年金が振込まれている通帳から、毎月引き落としがされており、何 の引き落としか本人にきいたところ、実兄から高額な浄水器や健康布団を 購入させられていた事が判明。消費者センターに連絡し、クーリングオフ できないかを相談、その後本人は地域福祉権利擁護制度を利用している。 心理的虐待 経済的虐待 父・母・兄兄の妻 亡夫の兄夫婦に、本人の年金と生活保護費の振り込まれる通帳を管理され ており、その中から月5万円程度しか渡してもらえない。また、別居の実 母も本人の年金等を自分のために使おうとねらっている。 経済的虐待 母(別居) その他の親族 (別居) 夫から日常的に叩かれる等の暴力。夫と姑からは日常的に言葉の暴力。食 事を与えられない事もある。 身体的虐待 介 護 放 棄 心理的虐待 夫 その他の親族 33才軽度の知的障害女性。離婚した夫と同居が続いており、DVと年金搾 取が続いている。本人の姉(35才:軽度知的障害)とも相手は関係があり、 本人と姉とは同居生活。 身体的虐待 経済的虐待 夫
②知的障害と視覚障害の重複障害者 事例の概要 虐待の内容 虐待者 施設に通所している知的障害者の入浴介助をした時、わきの下にやけどの 跡があるのに気がついた。本人にどうしたのかたずねるが、返答なしでし た。施設職員さん、家族の方、他のヘルパーに聞くがわからずじまいでし た。 身体的虐待 心理的虐待 その他の同居人 ③知的障害と聴覚障害の重複障害者 事例の概要 虐待の内容 虐待者 施設に通所していたが、2006年9月にあざを何ヶ所も作ってきたので、職 員がそのまま帰宅させる事に危険を感じ、一時的にホームで預かる事とし た。以前からも少しあざを作っては来ていた様であった。 身体的虐待 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 兄 妊娠を機に病院受診され、病院から経済的理由や障害がある実父母がおら ず、義母らしい人が支援している、胎児も障害をもっている可能性が高い ことから連絡が入った。年金が本人の手元にない、妊娠の状況がはっきり しないことから、虐待ではないかと疑われた。 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 性 的 虐 待 その他の同居人 施設より相談がある。家での食事や入浴が満足に出来ていない。本人の年 金を生活費に使用。両親ともに(手帳は持っていないが)知的障害の疑い がある。 介 護 放 棄 経済的虐待 父・母・兄姉・妹 通所している作業所職員がアザを発見。→生命の危機が感じられたため、 緊急避難した。 身体的虐待 心理的虐待 経済的虐待 兄 ④知的障害と音声言語障害の重複障害者 事例の概要 虐待の内容 虐待者 家族からの報告により発覚した。以前本人が夜遅くまで帰宅しないことが あった。 身体的虐待経済的虐待 弟 ⑤知的障害と肢体不自由の重複障害者 事例の概要 虐待の内容 虐待者 給食費等のまとまったお金が払えなかったので話を聞く。 経済的虐待 夫・息子(別居)娘 その他の同居人 本人が高校1年の時に交通事故で障害者になる。車椅子生活で言葉が通じ にくく知能も低くなり、全面的に介助が必要な生活。その中で家族が手を 出してしまい暴力を受けている。顔をはらしている事がある。 身体的虐待 父・母・弟
⑥知的障害と内部障害の重複障害者 事例の概要 虐待の内容 虐待者 虐待者(当事者父)が死亡により、相続等、今後の生活支援に関する総合 相談で受付たところ、虐待者が被虐待者名義の債務を作っていたことが分 かる。 経済的虐待 父・母 兄(別居)・妹 本人40才の頃より民生委員活動としてかかわりは持っていた。45才の頃 「厚生年金受給者現況届(?)」の書類のかき方を教えてとたずねてこられ た時「お家の人に聞いたらいいのに」と思い話をしたところ、「この頃家 族がへんなんや」と話しはじめられたのがきっかけである。 介 護 放 棄 心理的虐待 その他の親族父・母・兄 ⑦その他の重複障害者 事例の概要 虐待の内容 虐待者 居宅介護利用時、アザがみられた。又、家族の介護の様子をみて疑われた。 [知的障害・視覚障害・音声言語障害・肢体不自由] 身体的虐待 介 護 放 棄 心理的虐待 母・弟 民生委員から「風呂に入れていない、食事を十分に与えられていない」な どの通報が市に入り、そこから支援センターに連絡があった。[知的障害・ 視覚障害・聴覚障害・肢体不自由] 介 護 放 棄 心理的虐待 経済的虐待 弟 ショートステイと次のショートステイの間、自宅に居る時に体中傷だらけ になって戻ってくる。つねられたアザ、たたく(姉の夫の証言)、やけど のあと、切り傷、ひっかき傷、血のにじんだ傷などが目立つ。特に下半身 に多い。本人の姉が主に世話をしてきたが、姉の認知症が重くなっている のが関係していると思われる。[視覚障害・聴覚障害・肢体不自由] 身体的虐待 姉 昨年父親が死亡し、その後時々ケガが目立つようになってきた。鼻の上の ケガ、目尻を切っている、頭の中にキズ、等が確認されている。本人に聞 くと「兄嫁にたたかれた」と言う(「こけた」と言う時もある)以前(父 生存時)から本人と父は厄介者扱いされていて家に居づらく作業所の送迎 バスも遠くで降りて30分以上歩いて帰宅を遅らせる等していた。[知的障 害・精神障害・音声言語障害・肢体不自由] 身体的虐待 兄の妻
第1 回答のあった虐待事例はどのような虐待か?
1 虐待分類別の被虐待者の性別
一次集計における図2(4ページ)では、被虐待者の性別について、「男性」が40.9%(45件)、「女 性」59.1%(65件)であることが示された。 図27は、一次集計をさらに分析するために、虐待分類に沿って「被虐待者の性別」を集計したも のである。「介護・世話の放棄、放任」と「経済的虐待」については男性が女性を上回り、逆に、「身 体的虐待」「性的虐待」については女性が男性を上回っている。2 被虐待者の年齢別の虐待分類
図28は、被虐待者を年齢別にみた場合、各年齢層がどのような虐待を受けているかを示している。 この図を見る限りでは、特に20歳代の7割以上が身体的虐待を受けており、また60歳代では経済的 虐待を受けているケースが9割近くにも達している。一方、年齢の推移に伴う虐待の現われ方につ いては、年齢層が移るごとに複雑に変動している様子がうかがえる。しかし、各虐待の変動は値の 昇降をくり返すというものであり、一定の変動傾向を現しているとは言い難い。3 被虐待者の障害別の虐待分類
一次集計の図15(13ページ)では、回答のあった事例について虐待分類をしたところ、「経済的虐 待」が最多となり、ついで「心理的虐待」または「身体的虐待」が多いことが示された。 図29は、これらの事例について、さらに障害別に分類集計したものである。 身体障害については、他の障害では「経済的虐待」が最多であるのに対して、「心理的虐待」 (61.3%)が最多となっている。また、他の障害と比較して「介護・世話の放棄、放任」(38.7%)が やや多くなっている。 知的障害は、「経済的虐待」(64.3%)が最も多く、ついで「身体的虐待」(52.9%)「心理的虐待」 (48.6%)の順となっている。 精神障害については、知的障害と同様、「経済的虐待」(65.6%)が最多であり、また、他の障害と 比較して「性的虐待」(21.9%)の占める割合が多くなっている。4 知的障害者に関する障害程度と虐待分類
図30は、回答のあった事例のうち、最も多い事例が得られた知的障害(70件、63.6%)について、 その障害の程度別に虐待分類を示したグラフである。 障害の程度が「重度・中度」と「軽度」を比較すると、「重度・中度」では「身体的虐待」が同程 度に出現しているのに対して、「軽度」になると減少する様子がうかがえる。また、「重度」から「中 度」、「軽度」へと移るに伴い、「経済的虐待」の順次増加が見受けられる。5 被虐待者の障害別における虐待者
一次集計の図12(11ページ)では、被虐待者にとっての虐待者の続柄について分類したところ、 虐待者は「父」「母」が最も多く、ついで「その他の親族」(義父・義母、おじ・おば等)、「兄弟姉妹」 となっていることが示された。 図31∼33は、一次集計で示した虐待者(続柄)について、さらに障害別に分類集計したものである。 これらの図から明らかなように、一次集計の図12と障害別に分類した図31∼33は比較的類似したグ ラフ形状を示しており、また、障害別の図31、32、33も相互に類似したグラフ形状であることがう かがえる。つまり、身体障害、知的障害、精神障害という障害区分にかかわらず、虐待者は、概し て「父」「母」「その他の親族」「兄弟姉妹」が多いことがわかる。 夫婦間の虐待について、該当する件数が少ないために印象としての記述に留めざるを得ないが、 身体障害では虐待者として「夫」「妻」が同件数(3件)であるのに対して、知的障害は「夫」から 妻への虐待のみが現れ(9件)、精神障害は、「夫」から妻への虐待が3件、「妻」から夫への虐待は 1件となっている。 (1)身体障害者に対する虐待者(2)知的障害者に対する虐待者