「相談支援の目的」
「障がい者の権利擁護と虐待防止」
社会福祉法人「共友会」
理事長 岩尾 貢 2020石川県相談支援従事者初任者研修
科目の目標
• 相談支援の目的
• 権利擁護の観点から、障がい者にとっての適切な生活支援を理解し、自 分自身の当事者とのかかわりを見直すとともに、身体拘束や障害者虐待 の防止の意識を深める。
私たちは当事者の意向を大切にしているか 現場が自らに問い続けること
• 聞き取りはどの程度出来ていますか
• 私たちのことをどれだけ説明できていますか
• だれかの言い分だけを聞いていませんか
• 支援することは善意だと思っていませんか
• 出来ない事のみに関心がいっていませんか
• 何かを決めるとき本人の言い分や意向を聞いていますか
• 決めた内容を十分説明し理解を求めていますか
• そんなことは障がい者や認知症の人には無理だと思っていませんか
対人援助活動に必要不可欠なポイント
①人間の平等と尊厳
人は、一人一人かけがえのない貴重な命を持った存在であり、障害の有無や 老若男女、国籍、出身等に関わらず尊重されなければならない。
②人間に対する肯定的理解
様々な問題を抱える利用者は、現状があまりにも困難な状況にあるため自分 自身の本来持っている力を出し切れていない状況にあるだけで、すべての人 が、ワーカビリティ(自己問題解決能力)を持っているという強い信念
③援助者として利用者や家族と接するときに忘れてはならない視点 社会関係障害・・・岡村重夫
利用者自身の能力(インペアメント・ディスアビリティ)や属性のみで利用者を アセスメントするのではなく、常に社会との関係の中で見ていくことの必要性 人を理解するには(人と状況の全体性)
対人援助に不可欠なポイント①
「人間の平等と尊厳」
人は一人ひとりかけがえのない貴重な命を持った存在であり、認知症の有 無や年齢、性別、国籍、出身等にかかわらず尊重されなければならない。
すべての人が「生活の主体者」として生きる権利を持つ
☆当事者の「主体性」を尊重できていますか?
→
☆当事者を「生活者」としてとらえられていますか?
→
主体性がない=支援者が当事者の主体性が見えていない
「認知症のある人」である以前に、当事者はそれぞれに「既に地域で生 活している人」です
当事者は「主体者」であり「生活者」です!
対人援助に不可欠なポイント②
「人間に対する肯定的理解」
さまざまな課題を抱える当事者は、現状が困難な状況にあるために、自 分自身の本来持っている力を出し切れていない状況にあるだけで、すべ ての人が生活を獲得する力を持っているという強い信念
☆当事者を自分が守ってあげなければと思っていませんか?
→当事者を「できない人」にしているのは支援者自身かも・・・
☆当事者の「生きる力」「強さ」を信じられていますか?
→支援者自身が「当事者を信じられるかどうか」がとても重要
当事者には「生きる力」や「強さ」があります!
家に帰ろうとして出ていく力がある
援助者として必要な視点①
「人と状況の全体性の視点」(アセスメント)
人と環境の全体状況をとらえる視点のこと。当事者自身の障 がいや属性のみで当事者をアセスメントするのではなく、常に 社会との関係の中で見ていくことが重要
☆例えば「障がい者だから…」「以前は△△だから…」
→情報だけで当事者のことを決めつけていませんか?
→支援者の価値観を当事者にあてはめていませんか?
人には誰でも事情があります!
援助者として必要な視点②
援助・支援とは、当事者と支援者が互いに、「主体と主体」と して相互に話し合ってすすめていくものであり、当事者は援 助や支援を一方的に受ける「受け手ではない」ということ 当事者の強みの活用(ストレングス)
重要なのは・・・
当事者と支援者の「かかわり」と「信頼関係構築」
当事者 主体者です
生活者です 生きる力と権利があります
色んな事情や都合があります
価値・役割と知識・技術
• 慈善活動と専門活動
• 相談支援は専門活動
• 介護も専門活動
• 専門活動としての価値・役割
「サービス」「個人の尊重」「社会的正義」
• 専門活動としての知識・技術 援助技術や資源の活用
相談支援の目的
問題を抱えた人自らがその問題克服に主体的に関与できる状況作り 1、援助関係の形成
• 対人援助の基本要件、信頼関係のない援助はありえない
• ここで求められているのは専門職業的援助関係
• 面接による援助は、利用者が自分の抱えている課題や問題への「気づ き」を促し、明確化し、それを正面から受け止め、さらに解決に向けた本 人の取り組みを支える一連のプロセスのこと(ここで強調することは「主 体は利用者にあること」 援助者の価値観や治療観によって「気づき」を 促すといって押し付けないこと。)
• ケアマネジメントの実践原則は適切な相談面接技術によって可能となる。
2、情報収集
• 情報収集は意図的に行われる技法、日常的に求められる不可欠な機能
• 「聞き出す」ことではなく利用者との相互作用過程の中で必要な情報を見極め ながら、利用者本人が自分の問題についての「気づき」を深めることが重要
• 対人援助における情報収集は利用者本人が話す内容に一義的な価値をおき ますが、その内容は客観的事実と主観的事実に分類
• 利用者自身やその生活環境および社会関係に関する情報(客観的事実)
• 利用者本人が今の現実や自分の抱える問題・課題をどのように受け止めてい るか(主観的事実) 利用者本人の明確化のもつ意味は大きい
3、問題解決
• 利用者本人の問題解決へのアプローチは多岐にわたる 間接援助、直接援助
• 問題そのものも多様で複雑なことも多い
• 対人援助とは援助者と利用者の援助関係を基軸として利用者自身が 自分の問題について洞察を深め、新たな「気づき」を得ながら問題へ の対処能力や解決能力を高める過程といえる。
知識や援助技術の必要性
• 基本的技術は面接
• 施設従事者やサポートリーダーは援助技術を身につけなければならない
• 話を聞くこと(コミュニケーション)
• 課題を理解すること(生活課題を中心に)
• 解決の方法を考えること(資源を活用する)
• 地域を活用すること
どのように暮らしているか
• 暮らす上で必要なもの
• どこにあるか
• どのように手に入れているか
• 望む暮らしとは何か
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生活することの前提(生活には資源が必要)
• どこで暮らそうが資源を活用して生活は成り立つ
• 資源は連結している
• 法律やサービスも繋がっている
• 人の暮らしは有効資源活用
• 一方で規制が存在
• 資源を活用するには人の支援が必要(繋ぐ支援)
生活支援
• ニーズを中心に
• 地域資源を使う
• 資源を創造する
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生活の継続性
生活者にはなぜ地域の力を必要としているのか
• なじんだ自然や地域の中で
• なじみのある人と関係の中で
• なじみの家や物の中で
• なじみの生活スタイルで
障害の有無や高齢や認知症に関係なく
『私らしく生きたい』
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利用者の生活を支えること
• まず高齢者や認知症の人の生活についてどのように考えるべきか。
• 人の生き方は100人いれば100通りの生き方がある。
• その一人ひとりの生き方にかかわるのが皆さん。
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人と状況の全体性
• アセスメントは「ここで今」の「出会い」から始まる障害者や認知症高齢者、
家族との共同作業
• 「看られる対象」から共に「見る協働者」
• 症状や行動に固執せず障害者や認知症高齢者の生き方に理解の焦点 を当て、共に探る
• 生活問題を「人と状況の全体性」の中で見る
• アセスメントはどの過程においても実施される(自己実現まで延々と続く)
• 地域資源の種類と量(資源の理解は必要条件)
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権利擁護の視点
権利擁護とは
①利用者の適切な権利の行使の支援
②利用者への権利侵害の解消
③利用者への権利侵害の予防という意味がある
2000 年に介護保険がスタートして
• 福祉の構造改革(平成12年4月)
介護保険制度の導入
→措置から契約へ
利用者と事業者との契約に基づいて提供される
• 措置から契約によるサービス提供が行われるようになる
• 高齢者・障害者等への財産侵害、不公正な取引、経済的搾取、
身体的・精神的・性的虐待等の権利侵害 ⇒ 社会的関心
• 成年後見制度、地域福祉権利擁護制度、苦情解決、サービス評価、
オンブズパーソン等による監視、事業者情報の開示等が組み合わされて 権利擁護が実行
• 利用者の権利擁護が明確になり、医療・福祉・介護に携わる人は権利擁護 についても深い知識と実践力が求められるようになった
権利擁護の制度として
• 地域福祉権利擁護事業(平成11年10月施行)
福祉サービス利用支援事業(平成15年4月)
• 成年後見制度(平成12年4月施行)
法廷後見(障害が生じてからの事後的)
(後見、補佐、補助)
任意後見(自己の意思に基づく事前的)
市民後見制度
• 配偶者からの暴力防止及び被害者救済法(平成13年)
• 犯罪被害者救済法(平成16年)
• 高齢者虐待防止法 (平成18年4月施行)
• 公益通報保護法(平成18年4月1日から施行)
• 障害者虐待防止法(平成24年10月施行)
• 「児童虐待の防止等に関する法律」(平成12年5月成立、同年11月施行)
• 「障害者差別解消法」(平成28年4月1日施行)
障害者基本法
• 全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけが えのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障 害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら 共生する社会を実現するため障害者の自立及び社会参加の支援等のための施 策に関し、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとと もに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定 めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的 かつ計画的に推進することを目的とする。
地域社会における共生等
• 第三条
第一条に規定する社会の実現は、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、
基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわし い生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる事項を旨とし て図られなければならない。
一 全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる 分野の活動に参加する機会が確保されること。
二 全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が 確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。
三 全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための 手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のた めの手段についての選択の機会の拡大が図られること。
差別の禁止
• 第四条
何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を 侵害する行為をしてはならない。
2 社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その 実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによって前項の規定に 違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされ なければならない。
3 国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を 図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提 供を行うものとする。
「合理的配慮」とは
合理的配慮とは、障害のある方が日常生活や社会生活で受けるさまざま な制限をもたらす原因となる社会的障壁を取り除くために、障害のある方 に対し、個別の状況に応じて行われる配慮をいう。
典型的な例としては、車いすの方が乗り物に乗る時に手助けをすること や、窓口で障害のある方の障害の特性に応じたコミュニケーション手段(筆 談、読み上げなど)で対応することなどが挙げられる。
この法律では、合理的配慮に関しては、一律に義務とするのではなく、行 政機関などには率先した取組を行うべき主体として義務を課す一方で、民 間事業者に関しては努力義務を課した上で、対応指針によって自主的な 取組を促すこととしている。
しょうがいとは
• 障がい
• 障碍
碍→さまたげる 進行を邪魔して止める
• 障害
さまたげること。またあることをするのに、妨げとなるものや状況 身体上の機能が十分に働かないこと。障害競走の略。
• 障害物
• 障害者(法律用語)
障害と障がい者
• 障害はある一定の限られた人の問題ではなく、社会で生活するすべての人の 身近な問題
• 障害は交通事故で障がい者になった人もいれば後天的な病気でなった人、先 天的な病気でなった人もいる
• 障害は障害という面をとらえるばかりでなく生活(生活機能)や環境という面から も考え、社会全体で共通理解をもつように方向付け
制度に結び付ければ権利は守れるか
• 成年後見制度
当初は選挙権もはく奪 思想は禁治産者
経済的自由はない 自己決定権のはく奪 現在欠格条項の検討
制度に結びつけたからと言って権利が守られるわけではない
障害者差別解消法
障害を理由とする差別の解消を推進することにより、すべての国民が障害の有無 によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生す る社会の実現を目指し「障害者差別解消法」が公布される。
(平成25年6月26日公布 平成28年4月1日施行)
第1項:障害を理由とする差別等の権利侵害行為の禁止
第2項:社会的障壁の除去を怠ることによる権利侵害の防止 第3項:国による啓発・知識の普及を図るための取組
Ⅰ.差別を解消するための措置
Ⅱ.差別を解消するための支援措置
なぜ差別や偏見が生まれるか
「すべての人間は,生まれながらにして自由であり,かつ,尊厳と権利とについ て平等である。人間は,理性と良心とを授けられており,互いに同胞の精神を もって行動しなければならない」 ―世界人権宣言 第1条
★人はだれもが偏見に影響され得るという事実
★固定観念から異質なものへの拒否
★「偏見と差別に向き合う」
(1)考えたり話したりする能力を持つ人間は皆,偏見を宿すことがあり得る
(2)偏見を排除していくためには,しばしば意識的な努力と自覚が求められる
(3)十分な動機づけがあれば,偏見を取り除くことは可能
スティグマ( stigma )
• 汚名の烙印を押されるといった意味があり、心身の障害や貧困による 社会的な不利益や差別、屈辱感や劣等感のことをいう。
• 岩尾は社会的烙印と位置づけている 認知症の人を「認知」と呼ぶ
BPSD(徘徊、帰宅願望、入浴拒否等)
意味を問わずに分かった気でいる 報道も異質性を重視
ここから差別や偏見が生まれる これでは当事者性はわからない
認知とは
認知=わかる力:人が自分らしく日々を暮らしていくために 欠かせない力
・覚える(記憶:記銘・保持)
・思い出せる(記憶:想起)
・場所がわかる(場所の見当識)
・時間がわかる(時間の見当識)
・人がわかる(人の見当識)
・それが何かわかる(理解)
・起こっていることがわかる(理解)
・どうしていいかわかる(判断・選択・実行)
・数えられる(計算)
・新しいことがわかる(学習) 等
立ちはだかる壁~スティグマ・社会的排除/孤立
目に見えないスティグマ
・スティグマとは:烙印、レッテル。固定された属性を意味する。
言葉ではなく関係を表す言葉(ゴフマン)
・スティグマのある人=私たち自身
相川章子
「スティグマとは,スティグマのある人とノーマルな人の二つのグループに区別することが できるような具体的な一組の人聞を意味するものではなく , 広 く 行 わ れ て い る 二 つ の 役 割 に よ る 社 会 過 程(apervasivetwo.rolesocialprocess)を 意 味 し て お り , そ れ も 少 な く と も あ る 人 との関係や人生のいずれかの局面において,あらゆる人が その両方の役割で , こ の 過 程 に 参 加 し て い る の で あ る 。 」
Goffman(1963), pp.137-138
セルフスティグマ(内なる偏見)
•スティグマ(社会的Public stigma)とセルフスティグマ(Selfs t i g m a )
• 認知的要素(ステレオタイプ)・感情的要素(偏見)・行動的要素(差別)
• セルフスティグマが生じる過程:社会的スティグマとの相互関連性
相川章子
日常的で緩やかなカミングアウト
• 露出せずに隠す(パッシング)
目立たないものにする(カヴァリング)
アイデンティティを確立し主張していく社会運動(アイデンティティ・ポリティクス)
• 「見せかけの受容」*
• 「日常的で緩やかなカミングアウト」*
• ピアサポート活動から見えてきたこと
相川章子
自己決定権
• 措置時代は決定をするのは行政
• 医療においては、患者は判断する能力や知識がないことを理由に医療の 内容・方法を決定するのは医師・看護師で患者は従えばよい
(以前の考え方で医療側のパターナリズム)
• 人には自分のことは自分で決めるという権利(自己決定権)があり医療で あろうが介護であろうが最大限に尊重されるべき
(新しい考え方)
• 憲法 13条「個人の尊重」幸福追求権
日常生活における権利侵害の懸念
• 日常生活の中で、気づかぬまま、利用者の権利、意思決定を侵害して いないだろうか?
• 支援者としての義務(業務)が優先された言動はないか?
• 常に利用者の意思が尊重されているか?
• 障がい者支援の「理念」以前の問題として、援助者としての「倫理」は保 たれているか?
倫理・理念・ケア
実践(ケア)
理念 倫理
理念(再構築)
実践(ケア)生活支援
■ 倫理
・人として守り行うべき道
・不変的、普遍的
■ 理念
・生活支援において「こうあるべき」という根本の考え 行動規範
・可変的
社会情勢等の影響を受け得る。実践に基づき、より 高い理想の追求、理念の再構築(積重ね)が可能
■ 実践
・理念に基づいた生活支援の実践
・基本的視点
人間の平等と尊厳 ・ 人間に対する肯定的理解 ・ 当事者性の重視・自己決定・自立・暮らしの継続
【当事者の自己実現】
倫理を基盤に 重層的かつ
発展的な 積み重ねが
可能
専門性の 発揮・進化
【理念と実践】
日本国憲法
第11条【基本的人権の享有と性質】
国民は、すべての基本的人権の亨有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基 本的人権は、侵すことの出来ない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる
第13条【個人の尊重、生命・自由・幸福追求の尊重】
すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権 利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を 必要とする
第14条【法の下の平等】
1項 すべての国民は、法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分又は門 地により、政治的、経済的又は社会的環境において、差別されない
社会福祉の拡大
• 日本国憲法では(11条)(13条)(14条)において基本的人権と人間誰も がもつ固有の権利としての幸福追求権を謳っている
• 憲法25条の最低限度の生活の保障からヒューマンサービスとして福祉 が拡大化した
当たり前の人として
• 当たり前に暮らし
• 当たり前に活動し
• 当たり前に参加し
• 当たり前に生きる
• しかし、この基本的な人としての尊厳が犯されやすい人たち
• その一つが権利侵害としての虐待問題
• そこで、障がい者の人を虐待から守る法律ができた
アサーティブネス:権利に対する自己主張、確信。態度やものの考え方の 基本において自他に対して関心を持ち、またその権利を認めること。
• アサーティブネス(Assertiveness)
① 自分自身のニーズを主張する権利
② 自分にとって何を最優先するのかを主張する権利
③ そして自分が主張するニーズや最優先するものを他者のものと同等の配慮を もって扱われる権利
④ 能力のある人と同じように尊敬を以って遇される権利
⑤ 自分の気持や意見や価値観を表現する権利
⑥ 過ちを犯す権利(失敗する権利)
⑦ 自分の意見を変更する権利
⑧ 何かのことについて理解せずに情報を求める権利
⑨ 人が何をしたいのかを聞く権利
⑩ 他人のために責任を負うのを拒否する権利
イギリスソーシャルワーク辞典(Collins Educational)より
ソーシャルワーク
• 当事者を取り巻く状況全体の中に、ひとりひとりの意思・気持ちを
支援の中心においたかかわりを重視
「相模原障害者施設事件」を考える
2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」に おいて、入所者19人を殺害し、さらに27人を負傷させた、いわゆる「相模原 障害者施設事件」が起き、元職員が逮捕されました。
• 精神障害者の起こした問題として理解するのか?
• 特殊な人間がしたことなのか?
• 深刻な障害者に対する差別・偏見の問題である(犯人・マスコミの扱い)
• 措置入院のあり方として、行政的には対処されている(入院・退院)
• 精神科医療に対する期待と誤解
• 福祉人材の問題はなかったのか?
• 何故、あのようにたくさんの重度の障害者が収容されていたのか?
障害者施設の元職員を逮捕 傷害容疑、入所者が大けが
• 宇都宮市西刑部町の知的障害者施設「ビ・ブライト」で、入所者の男性(28)
が4月に腰の骨を折るなどの大けがを負った事件で、栃木県警が11日に元 施設職員の男(22)を傷害容疑で逮捕したことが捜査関係者への取材でわ かった。また、施設職員の女についても同容疑で逮捕。
• 捜査関係者や施設を運営する社会福祉法人「瑞宝会」(同市下栗町)によると 入所者の男性は4月16日に血圧が低下したことなどから病院に搬送され、
腰椎(ようつい)骨折や脾臓(ひぞう)からの出血があると診断された。男性は 一時意識不明となった。事件後、男性の家族から被害届が出されていた。
障害者虐待防止法
• 障害者の虐待の予防と早期発見、及び養護者への支援を講じるための法律。
2011年6月成立、2012年10月施行。
• 正式名称を、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関す る法律」という。
• マイノリティーへの虐待に対する法的な取り組みとしては、
児童虐待防止法(「児童虐待の防止等に関する法律」、2000年11月施行) 高齢者虐待防止法(「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援 等に関する法律」、2006年4月施行)に続くものである。
高齢者虐待防止法と同じく、虐待に至った養護者への支援にも言及している。
虐待は人権侵害
• 最も身近な取り組みが人権侵害としての虐待行為の防止
• ところが、福祉・介護・看護の現場では何が虐待になるのか明確な 理解が進んでいるとは言えない
• 中には虐待になるとは思わずに行われている権利侵害もある
虐待内容による分類
• 基本的には、高齢者虐待防止法と同じである。
1、身体的虐待
障害者の身体に外傷が生じたり、生じる恐れのある暴行を加えること、または正当な理由 なく障害者の身体を拘束すること。
2、性的虐待
障害者に対してわいせつな行為をすること、または障害者にわいせつな行為をさせること 3、心理的虐待
障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応、不当な差別的言動その他、障害者に著 しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
4、放棄・放任による虐待(ネグレクト)
障害者を衰弱させるような著しい減食または長時間の放置のほか、他の労働者による1~
3の虐待行為の放置など、これに準じる行為を行うこと。
5、経済的虐待
障害者の財産を不当に処分することその他、障害者から不当に財産上の利益を得ること。
障害者虐待の定義
• 障害者虐待防止法において「障害者虐待」とは、養護者・障害者福祉施設従事者 等・使用者による障害者虐待をいうものとされている。
• 「養護者」とは、障害者の身辺の世話や金銭の管理などを行う、障害者の家族、
親族、同居人等で、同居していなくても、現に身辺の世話をしている親族・知人な どが該当する場合がある。
• 「障害者福祉施設従事者等」とは、障害者福祉施設または障害福祉サービス事 業等に係る業務に従事する人。
• 「使用者」とは、障害者を雇用する事業主または事業の経営担当者その他その事 業の労働者に関する事項について事業主のために行為をする人で、事業主には、
派遣労働者による役務の提供を受ける事業主なども含まれる。
障害者虐待防止法の対象となる障害者
• 障害者虐待防止法の対象となる障害者は、
身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)
• その他心身の機能の障害がある人で、障害及び社会的障壁により 継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあ る人。
• 障害者手帳を取得していない場合も含まれる。
• 18 歳未満も含まれる。
虐待者、被虐待者本人の「自覚」は問いません
• 虐待が発生している場合、虐待をしている人(虐待者)、虐待を受けている 人(被虐待者)に自覚があるとは限らない。
• 虐待者が、「指導・しつけ・教育」の名の下に不適切な行為を続けているこ とや、被虐待者が、自身の障害の特性から自分のされていることが虐待 だと認識していないこともある。
また、長期間にわたって虐待を受けた場合などでは、被虐待者が無力感 から諦めてしまっていることもある。
荒田寛
虐待の予防・早期発見
• 事故報告書や苦情の詳細な分析
• 提供する介護の質を点検し、虐待につながりかねない不適切なケアを改善し、介護 の質を高めるための取り組みに関する指導
• 要介護施設・事業所の経営者・管理者層と一般職員が一体となって権利擁護や虐待 防止の意識の醸成と認知症ケア等に対する理解を高めるための研修の実施等に関 する指導
• 苦情対応システムへの外部委員や介護相談員などの外部の眼を導入することによ る施設・事業所運営の透明化に関する指導 など
弁護士 延命 政之
(1)虐待対応の目的
①障害者の安全を確保し、虐待を受けている状況を速やかに解消すること
②障害者虐待の要因になっている職場環境や業務運営、サービス提供のあり 方を改善し、虐待の再発を防止すること
(2)障害者への支援の視点
①障害者の安全確保、権利利益を守る迅速な対応
②障害者の意志の尊重と自己決定の支援
③本人保護と危機介入
虐待はクライエントが複数いる 虐待を受ける側と虐待をする側 両者を支援しないと解決しない
虐待対応の視点
通報の義務と通報者の保護
• 施設従事者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合、施設従事 者等には通報義務がある
• 通報は秘密漏示罪その他の守秘義務違反にあたらない
• 公益通報者保護法
事業所内部で法令違反行為が生じ、又は生じようとしている旨を
①事業所内部
②行政機関
③事業所外部に対して所定の要件を満たして(例えば行政機関への通報を行おう とする場合には、①不正の目的で行われた通報でないこと、②通報内容が真実 であると信じる相当の理由があることが必要)
公益通報を行った場合、通報者に対する保護が規定されている。
①解雇の無効
②その他不利益な取扱い(降格、減給、訓告、自宅待機命令、給与上の差別、
退職の強要、専ら雑務に従事させること、退職金の減給・没収等)の禁止
身体拘束
• 身体拘束や行動制限は許されるか 原則禁止
• なぜ身体拘束は許されないのか 身体的弊害
精神的弊害 社会的弊害
なぜ身体拘束は許されないのか?①
(1)身体的弊害
身体拘束
本人の身体機能が低下したり
転倒事故や転落事故、制具による事故などを 発生させる危険性がある
(弁護士 延命政之)
(2)精神的弊害
①本人に不安や怒り、屈辱、あきらめ等精神的苦痛を与え、人間としての尊厳を 侵す
②本人の認知症がさらに進行し、せん妄の頻発をもたらす恐れがある
③本人の家族に大きな精神的苦痛を与える
④介護スタッフが、ケアに対して誇りが持てなくなり、安易な拘束が士気の低下 を招く
(弁護士 延命政之)
なぜ身体拘束は許されないのか?②
(3)社会的弊害
介護保険法で認められ、公的な存在である介護機関に対する、
社会的な信頼を失う恐れがある
法令尊守(コンプライアンス)違反
なぜ身体拘束は許されないのか?③
(弁護士 延命政之)
身体拘束廃止に向けてなすべきこと
(1)みんなで議論し、共通の意識を持つ 議論の対象
①他に代わるべき方法がないか?
②身体拘束を必要としない状態とは?
(2)トップが決意し、スタッフが一丸となって取り組む
(3)環境を整備し、応援体制を整備する
(弁護士 延命政之)
現場から
• わかっていても
• 無意識に
• 忙しくてつい
• イライラして
• 知らなかった
• やってられない
• 私たちだって傷つく
しんどいケアはあるか
職員の負担感は十分なアセスメントがない事もありますが、例えば
①家に帰るとの訴えや
②排泄行為がうまくいかず便まみれになる事や
③食べてくれない、食べても食べてないと訴える、
何でも食べて目が離せない、咽喉に詰める
④風呂に入ってくれない
⑤無断で外に出てしまい行方不明になる
⑥他の利用者とのトラブル
⑦水分を取ってくれない
⑧頻繁なナースコール
⑨拒薬 ⑩急変
⑪転倒 ⑫お金や物がなくなったと訴える
⑬眠ってくれない ⑭家族からの要求やクレームなどが現場感覚
その他同じことを何度も聞く、付きまとって離れてくれない、会話が成り立たない、
泣き叫ぶ、ののしる、暴力等
「権利侵害の恐れがある行為」と「権利侵害になる行為」?
明らかに権利侵害にあたる行為はあるが、
グレーゾーンにあたる行為もある。
⇒違いはどこにあるのだろうか・・・
「私(利用者)」と「スタッフ」の関係を考えてみよう。
-スタッフからみて「関係ができている!」ではなく、利用者からみて
「あの人は安心できる。あの人は信用できる」という関係が築けているか。
グレーゾーンは虐待か
• 適切でない支援 誤ったケア
• 職員による虐待のタイプ
①幼児化
「障がい者を責任負えない、信頼できない」子どものように扱うこと
②非人格化
障がい者の個別のニーズを無視して、流れ作業的にサービスを提供する こと
③非人間化
障がい者を無視するだけでなく、彼ら自身の人生に対する責任を引き受 けるためのプライバシーや能力を奪い取ること
(福富昌城)
安全と保護という名の人権侵害
• 病院・施設やグループホームでの施錠は認められていませんが、安 全と保護のためと福祉サービス側の都合で行われてしまうことがある
• たとえ善意で行われたとしても法によって厳しく規定されていることを 医療・福祉サービス従事者は認識しなければならない
身体拘束
無断外出に伴う事故防止の目的
→利用者に対して身体拘束をしても良いか?
→居室・玄関に鍵をかけても良いか?
利用者の安全 VS 利用者の権利
目的は正当だが、手段が正当でない
「利用者の権利」を守りながら、事前の対応策と事後の処理に万全 を期す
虐待
【刑事】 人権侵害であり、犯罪である。
【民事】 利用契約における債務不履行である。
「利用者の権利」を守る立場にある医療・介護職としての自殺行為
身体拘束をなくすための5つの方針
①トップが決意し、事業所が一丸となって取り組む
②みんなで議論し、共通の意識をもつ
③身体拘束の必要のない状態の実現をめざす
④事故の起きない環境を整備し、柔軟な応援体制を確保する
⑤常に代替的な方法を考え、身体拘束をするケースはサービス機関では ないと理解
「高齢者虐待」に該当するおそれのある 具体的行為例について
• 養介護施設従事者等による虐待は、絶対に許されるものでありま せん。しかし、今までは「本人の安全と保護のため」との理由で 無意識に、むしろ善意で身体の拘束などの虐待が行なわれてきた 現実があります。また倫理観の欠如による虐待の事実も拭いされ ません。
• 今一度、権利侵害も含め、『障害者虐待』に該当するおそれのあ る具体的行為例を振り返ってみましょう
暴力や体罰によって身体に傷・あざ・痛みを与える行為。身体を縛 りつけたり、過剰な投薬によって身体の動きを抑制する行為。
≪具体的な行為例≫
身体的虐待
叩きつける 平手打ちする 殴る・蹴る つねる
やけどを させる
無理やり
食べ物や飲み物を 口に入れる
異物を 口に入れる
熱湯を
飲ませる 監禁する
施設側の都合で 不要な薬を服用
させる
部屋に 閉じ込める
柱やイスやベッ
ドに縛り付ける ・・・等
性的虐待
本人が同意していない性的な行為やその強要(表面上は同意している ように見えても、本心からの同意かどうかを見極める必要がある)。
≪具体的な行為例≫
性交
わいせつな図 画を配布する
理由もなく不必 要に身体に触る
性的行為を強 要する
わいせつな映 ・・・等 像をみせる 裸の写真やビ
デオを撮る
裸にする わいせつな
言葉を発する
キスをする 性器への接触
心理的虐待
脅し、侮辱、無視、嫌がらせ、不当な差別的言動などによって精 神的に苦痛を与えること。
≪具体的な行為例≫
子ども扱い ・・・等 する 意図的に
恥をかかせる
仲間に 入れない 意図的に
無視する 拒絶的な
反応を示す 悪口を言う
怒鳴る ののしる 脅迫する
バカ・アホ等 侮辱するような 言葉を浴びせる
介護・世話の放棄・放置(ネグレクト)
食事・排せつ・入浴・洗濯などの身辺の世話や介助をしない、必要 な福祉サービス・医療・教育を受けさせない、第三者等による虐待 行為の放置など障害者の生活環境や身体・精神的状態を悪化させる こと。
≪具体的な行為例≫
十分な食事や 水分を与えない
入浴や着替え をさせない
排泄の介助を しない
劣悪な住環境の 中で生活させる
掃除をしない
病気やけがを しても 受診させない
意図的に 無視する
同居人等による 虐待行為を
放置する 他の労働者によ
る虐待行為を 放置する
・・・等
経済的虐待
本人の同意なしに財産・年金・賃金を搾取したり勝手に運用する、本 人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること。
≪具体的な行為例≫
収入を没収・
横領する
年金や賃金を 渡さない
日常生活に 必要な金銭を
渡さない
本人の同意なしに 財産や預貯金を 処分・運用する
本人の了解を 得ずに現金を
引き出す
本人の同意なし に年金等を管理
して渡さない
賃金を 支払わない
賃金額が最低賃 金に満たない
使用者が強制的に
通帳を没収する ・・・等
早期発見
• 要介護施設・事業所における不適切なケアや障害者虐待の実態は、外部 から把握しにくい特徴がある
• 初期段階で発見することができるよう、施設法人の中に虐待を発見できる 仕組みを作る
• 業務の中に障害者虐待が疑われる行為が発見された場合には、虐待担当 部署へ報告し調査をする体制整備も必要
• 苦情対応機関、オンブズマン、弁護士、医師・保健師等の専門職とのネット ワークを構築し、連携を強化するなど虐待の早期発見に取り組む
弁護士 延命 政之
私たちに求められているもの
• 高齢者や認知症の正しい理解
• 言葉の使い方
• かかわりの振り返り
• 観察力、コミュニケーション能力、分析力
• 専門性(知識・技術・倫理)
• チーム(利用者・家族・地域住民が入る)
• システム
障害者虐待への対応には複数の支援しなければならない人がいる
• 一つは虐待を受けている障害者自身
• もう一つは虐待をしている養護者
• この双方を支援しないと根本的な解決は望めない
• 犯罪的行為は許されない(例えば振り込め詐欺)
• 虐待をしている側の支援は特に重要 原因は実に多様
権利擁護は権利論、制度論だけで論じるのではなくかかわりで支援
• 法は守らなければならない
• それだけでは解決しない
• 私たちは誰のために何をする人たちか
• 尊厳と自立、社会参加
• 生活支援の中に権利擁護がある
• 当事者を理解すること(アセスメント)、かかわること 本人の人生に軸をおいて考える
生活者としての生き方を尊重 健康的な側面の理解
援助を受ける感情に関心を持つ
支援者の姿勢や感情も影響 (荒田寛)
かかわりの点検を
• ~したいの実現
• ニーズに基づき
• 当事者性を重視(行動の意味を考える シグナル・サイン)
• コミュニケーションによる信頼と安心 接遇(スタッフに多くを言わない)
ダメという言葉を使わない 同じ目の高さで接する
高齢者のペースに合わせる やさしく接する
基本は笑顔と挨拶
• 環境
生活しやすい環境 馴染みを重視
現場の声を聞く 地域ケア
検討すべき課題
• 制度に結び付けたからと言って権利擁護が図られたとは言えない
• 法にも不備はある
• 福祉職は権利の代行者ではない
• 代理行為は極力避ける
• 監視者として機能できるか
• 自己決定という実践的魂
高齢者や障がい者は回復(リカバリー)に可能性を持ち疾病モデル では測り知れない可能性を持っている
当事者性の重視
本当に障がい者と言われている人たちの声を聞いているか 当事者の人たちの大変さ
問題を分かった気にならないこと(深刻さへの気づき)
当事者の可能性、力をみくびらない(プラスのイメージを)
依存しながら生きていく人々の切なさ(プライバシー、誇り)
生活のしづらさ
1) 障がい者の障害は個性としてとらえる 2) 生活のしづらさを理解する
① 障害によるしづらさ
② 周りとのずれによるしづらさ
③ 経験のないことによるしづらさ
私自身の実践の到達点
• 私の実践課題は当事者の主体性の確立と自己決定の実践的支援。
• それはソーシャルワーカーの視点。
• 当事者のあるがままの姿に如何に向き合い関わり続け、その内なる 世界を共感しながら求める生き方にどのような共働の姿があるのか をたえず問い続けている。
• 私たちも当事者によって成長し続けている。そうした相互関係のあり 方を模索し続けるのが当事者性。
• 当事者一人一人の個別性と社会に対するメッセージは地域のあり 方も含めてインパクトのある主張である。
• ケアマネジメントはソーシャルワーク実践を