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(1)

§7

パート・アルバイト・派遣等で知っておくべき法的知識

1 パートタイム労働者

パートタイム労働者(=短時間労働者)とは、1 週間の所定労働時間が、同じ事業所 で雇用されている通常の労働者と比べ短い労働者をいいます。 アルバイト、臨時社員、契約社員など他の呼び方をされていても、この定義に当ては まれば、パートタイム労働者といえます。 パートタイム労働者と通常の労働者との均衡きんこうのとれた待遇を確保するための法律と して「パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)」があり ます。

2 パートタイム労働法で定められていること

(1)労働条件の明示 事業主は、労働基準法で定められた事項(P7 参照)に加え、昇給・退職手当・賞与 の有無・相談窓口を文書の交付等により明示しなければなりません。 【パートタイム労働法第6条】 (2)公正な待遇の確保 職務の内容、人材活用の仕組みや運用等が通常の労働者と同一のパートタイム労働者 には、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的 な取扱いをしてはなりません。 【パートタイム労働法第9条】 (3)通常の労働者への転換の機会 事業主は、通常の労働者への転換を進めるための措置を講じなくてはなりません。 【パートタイム労働法第 13条】 最近では、パート・アルバイト・派遣社員など、色々な働き方が増えています。 それぞれの雇用形態の特徴、仕事の内容、労働条件等を充分把握した上で働く ことが大切です。また、パート・アルバイト・派遣社員であっても、労働基準法な どの労働者保護法規は適用されます。 パートタイム労働

(2)

※講じる措置の例 ■通常の労働者を募集するときは、その募集内容をパートタイム労働者へ知らせる。 ■通常の労働者のポストを社内公募するときは、パートタイム労働者にも応募の機 会を与える。 ■通常の労働者へ転換するための試験制度を設ける。 など (4)苦情・紛争を解決する制度 事業主がパートタイム労働者から苦情を受けたときは、事業所内で自主的に解決する よう努力しなくてはなりません。 【パートタイム労働法第22条】 トラブル解決の制度として、都道府県労働局長による助言・指導・勧告や紛争調整委 員会による調停といった制度があります。 【パートタイム労働法第 24条・第 25条】

3 労働条件を確認しよう

パートタイム労働者の場合は、労働条件が一人ひとりで違っていることがあります。 事前に書面で労働条件を確認しておきましょう。 (1)年次有給休暇 パートタイム労働者にも、一定の条件を満たせば年次有給休暇があります。 【P20 年次有給休暇 参照】 (2)健康診断 パートタイム労働者の場合にも、週の所定労働時間が通常の労働者の 4 分の 3 以上 で、期間の定めのない労働契約であるか、1 年以上引き続き雇用されている(またはそ の見込みのある)場合、事業主は健康診断を実施しなければなりません。 【平成 19 年 10 月 1 日 基発 1001016 号】 【P28 健康診断 参照】

(3)

(3)雇用保険・社会保険の加入 パートタイム労働者の場合も、次の表の加入要件を満たせば、雇用保険・社会保険に 加入する必要があります。

保険の

種類

雇用保険 週の所定労働時間が 20 時間以上、かつ 31 日以上の雇用見込みがある 場合。 健康保険 常時従業員を使用する法人事業所、常時 5 人以上の従業員を使用する 個人事業所(サービス業の一部や農業、漁業等を除く)や認可を受けた 適用事業所に働くパートタイム労働者で、雇用期間が 2 か月を超え、1 週間の勤務時間が、その事業所の通常の労働者の所定労働時間の3/4 以 上で、1 か月の勤務日数が、所定労働日数の 3/4 以上ある場合。 また、勤務時間、勤務日数が通常の労働者の3/4 未満であっても、以 下の要件すべてを満たす場合には被保険者となります。 a 1 週間の所定労働時間が週 20 時間以上であること b 月額賃金 8.8 万円以上(年収 106 万円以上)であること c 雇用期間が 1 年以上見込まれること d 学生でないこと e 以下のいずれかに該当すること ・従業員数が 501 人以上の会社で働いている ・従業員数が 500 人以下の会社で働いていて、社会保険に加入する ことについて労使で合意がなされている 厚生年金 保険

(4)

1 派遣労働

派遣労働とは、派遣会社(派遣元)と雇用関係にある労働者が、別の会社(派遣先) に派遣され、派遣先会社から仕事の命令(指揮し きめいれい命令)を受けて働くことをいいます。 派遣元会社と派遣先会社との間では、労働者派遣契約が結ばれます。(図1) なお、労働者派遣は、複雑な労働形態となっていることから、派遣労働者の保護と雇 用の安定を図るため、労働者派遣法が制定されています。

2 労働者派遣事業の種類

労働者派遣は、派遣元会社が常時雇用している労働者だけを対象として労働者派遣を 行う「特定労働者派遣事業」(届出制)と、常時雇用している労働者だけでなく、あらか じめ登録した者や臨時の労働者も派遣する「一般労働者派遣事業」(許可制)に区別され ていました。 しかし、平成 27 年9月 30 日に改正法が施行され、許可制に一本化されました。 【派遣法第 5 条】 派遣労働 労働者派遣契約 派遣元 (派遣会社) 労働者派遣契約 派遣先 雇用関係 指揮命令 派 遣 労 働 者 図 1 請 負 事業者 請負契約 雇用関係 労 働 者 指揮命令 指揮命令はない 注文主 図 2 請負契約 【P13 トラブル注意!! 労働契約とよく似た請負契約 参照】

(5)

3 労働者派遣事業を行ってはならない業務及び派遣の期間

(1)労働者派遣事業を行ってはならない業務 「港湾運送業務」「建設業務」「警備業務」「病院等における医療関係の業務(下記①~ ③を除く)」については労働者を派遣することはできません。 ① 紹介予定派遣※ ②産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の業務を行う場合の労働 者派遣 ③へき地における医師の労働者派遣 【派遣法第 4 条】 ※紹介予定派遣・・・派遣先に直接雇用されることを前提に一定期間派遣スタッフ として就業し、派遣期間終了時に企業と本人が合意した場合、 社員(やアルバイト)として直接雇用される派遣形態 <日雇い派遣の禁止> 一部の例外を除き、日々または 30 日以内の期間を定めて雇用する労働者(日雇ひやとい 労働者)については、派遣労働者として派遣することが禁止されています。 (2)派遣可能期間について ①有期雇用派遣の場合 ア 事業所単位の期間制限 派遣先の同一の事業所における派遣労働者の受入れは3年を上限とし、それ を超えて受け入れるためには過半数労働組合等からの意見聴取が必要とされ、 意見があった場合には対応方針等の説明義務があります。 イ 個人単位の期間制限 派遣先の同一の組織単位(課)における同一の派遣労働者の受入れは3年が 上限です。 ②無期雇用派遣の場合、60 歳以上の派遣労働者を派遣する場合 派遣可能期間の制限はありません。 【派遣法第 35 条の3・第 40 条の2】

(6)

(3)労働契約申込みみなし制度 派遣先が法に定める違法派遣を受け入れている場合、派遣先が派遣労働者に対して、そ の派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込 み(直接雇用の申込み)をしたものとみなされます。 【派遣法第40条の6】

4 派遣される前に確認しよう! - 派遣の就業条件 -

派遣元(派遣会社)の事業主は、労働者を派遣するとき、就業条件等を書面により明示 しなければなりません。派遣される前によく確認しましょう。

5 派遣元会社の責任・派遣先会社の責任

労働基準法(有給休暇・産前産後休業などの申請も含む)、労働安全衛生法、男女雇用 機会均等法、社会保険などにおける派遣労働者の保護については、原則として派遣元会社 に責任があります。 なお、派遣先会社にも、男女雇用機会均等法が定める妊娠・出産等を理由とする不利益 取扱いの禁止、セクシュアルハラスメント対策、妊娠中及び出産後の健康管理に関する措 置の規定が適用され、派遣労働者に対して使用者としての責任があります。 また、労働基準法における労働時間、休憩、休日、育児時間、生理休暇などや、労働安 全衛生法における安全衛生管理体制などについても、派遣先会社に責任があります。 【派遣法第 44 条等】 加えて、派遣元会社・派遣先会社は、それぞれ責任者を置き、派遣労働者の苦情処理な どに当たる必要があります。 【派遣法第 36 条・第 41 条】

6 派遣労働者の雇用保険・社会保険の加入

(1)雇用保険 派遣労働者の場合も、次の要件をいずれも満たせば、雇用保険に加入する必要があります。

(7)

ここがポイント!

―パート・アルバイト・派遣労働者にも守られるべき個人情報の保護―

パートタイム労働者やアルバイト・派遣労働者として働こうとする求職者を会社が採用 選考する際に、就職差別につながる質問や書類の提出を求めないことは当然のことです が、採用後も労働者の個人情報を取り扱う際は、雇用管理上の利用目的に必要な範囲内に 限られています。 【P13 公正な採用選考を! 参照】 また、派遣労働者として働こうとする求職者が、派遣元会社への登録や雇用される際に も、会社には上記と同様の対応が求められています。さらに、派遣元事業主が、派遣先に 提供することができる派遣労働者の個人情報は、派遣先に通知すべき事項(氏名、性別、 社会保険等の加入の有無等)のほか、業務遂行能力に関わる情報に限られています。 加えて派遣元事業主は、業務の必要な範囲で収集された派遣労働者の個人情報について 適正に管理しなければならないことなどが義務付けられています。【派遣法第24条の3】 (2)社会保険 派遣労働者の場合も、加入の対象となる事業所(P25 参照)で働いていて、次の要 件をいずれも満たせば、社会保険に加入する必要があります。 ①2か月を超える期間の約束で雇われている場合、または、2か月以内の期間の約束 で雇われている場合で、結果的に 2 か月を超える期間雇われるに至った場合。 ②1 週の所定労働時間と1か月の勤務日数がその事務所の通常の労働者の3/4以上 であること。 また、3/4未満であっても一定の条件(P51参照)を満たす場合には被保険者 となります。 労働者派遣事業・職業紹介事業等についての相談窓口 大阪労働局 需給調整事業部 需給調整事業第 2 課 TEL 06-4790-6319 ・雇用保険はハローワーク、社会保険は年金事務所が相談窓口です。

(8)

学生のアルバイトをめぐるトラブルが社会的に大きな問題になっています。 本来、学生の本分である学業と生活補助のためのアルバイトとの適切な両立 が求められるところ、「ブラックバイト」と呼ばれるアルバイトの雇用者は、 ・採用時に合意した以上のシフトを入れる ・一方的に急なシフト変更を命じる ・試験の準備期間や試験期間にシフトを入れる ・「人手が足りない」といった理由で学生を休ませない ・退職を申し出た学生に対し、「ノルマ」や「罰金」を理由に辞めさせない など、学生に配慮しない対応を行うことによって、学生が学業に専念できず 留年や退学に追い込まれるような事態が生じています。 厚生労働省は、ホームページで「アルバイトを始める前に知っておきたい7 つのポイント」を示しています。 「ブラックバイト」から自分を守るために、学生の皆さんは、これらのポイ ントを十分理解したうえでアルバイトに臨むようにしましょう。 「アルバイトを始める前に知っておきたい7つのポイント」 http://www.check-roudou.mhlw.go.jp/pdf/parttime.pdf トラブル注意!!

「ブラックバイト」に気をつけよう!

参照

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