旧 究 論 文】 UDC :624
.
04 :624.
075.
2 :624.
075.
2.
014.
2 日本建築学 会構造 系論文報告 集 第 351 号・
昭 和 60 年 5月水平
力
を
受
け る
H
形 鋼柱
の
弾
塑
性
曲
げ
ね
じ
れ
座
屈
後
挙 動
と
耐 力
に
関
す
る
研 究
正 会 員 正 会 員 正 会 員村
井
野
木
松
森
潤千
捷
_
*秋
* *輔
** *1.
序一
定 軸圧縮 力 と 水平 力 を受ける H形 鋼 柱の弾 塑 性曲げ ね じれ 座 屈挙 動に及 ぽ す軸 力 比,
柱 細 長 比お よ び はり剛 比の影 響 を調べ るために,
Fig,
1に示す細 幅系H
形 面 柱 と箱 形 断面は り か ら な るL
字形 骨 組を 用いて行っ た実 験 的 研 究に よ ると,
水平変 位 を生じ,
かつ 曲 げねじれ変 形 を伴 う柱の最 大 耐 力を評価す る た めに は, 曲 げね じ れ座 屈 荷重の解 析の み で は不 十 分で, 座 屈 後 挙 動 解析による 詳細な検討が必 要である こと,
さ らに比 較 的細長 比 が 大 きい柱で は面外の元た わ み の影 響で そ の最 大 耐力 が大き く変動す ることか ら, 元た わみを 考 慮し た解 析が望ま れ るこ と が明らか になっ た3 }。
そこで本 報では,H
形 鋼 柱の曲 げね じれ座 屈 後 挙 動を 解 析す る た め の数 値 計 算 法 を 提 示し,
実 験 結 果3 〕との比 較に よっ てその妥 当性を検 証す る。
さ らに,
曲げ ね じ れ座
屈を支配 するパ ラメー
タの値の変動が曲げね じ れ座 屈 後耐 力に及ぼ す影 響 を, 本 解 析 法 を用い た数 値 計 算 結 果 よ り考 察し,
日本 建 築 学 会 「鋼 構 造 設 計 規 準」4)の柱設 △ HP
2c
〔a ) in・
plane (b)Fig
.
1 L・
Shaped Frame and Loading ConditionPout
−
of・
plane 本稿の一
部は文献1)お よび2)におい て発表し た。
寧 福 岡 大 学 助 手・
工博 躰 九 州大学 教 授・
工 博 # 孛 三重 大 学 教 授・
Ph.
D.
,
エ博 〔昭 和59年 7 月23日 原樞 受 理 日,
昭 和60年1月8日 改 訂 原 稿 受 理日,
討論期隈昭和δ0 年 8 月 末日} 計 式に対 する考 察 を行 う。 H 形 鋼 柱の 曲げ ね じれ座 屈後挙 動を解析す る方 法は す で に いくつ か の文 献に報告さ れて いる。
水平変位を 生じ ないH形 鋼 柱に関して は柱に元た わ み を仮 定して三次 元 的に取 り扱っ た増分 型数 値 計 算 法が示され5)−
7] , 水 平 変 位 を生じ る柱に関して はH形 断 面 を二つ の T形 断 面の集 合体と考え て求めた曲 げね じれ座 屈 後のつ り合い式を基 本に して数 値 解 析する方 法Slが示され て い る。 本 報で は,
柱に面 外の元た わ み と元ね じ れ を仮 定し,
そ れ ら を考慮 し た弾 塑 性つ り合い微 分 方 程 式を差 分法で数値解析す る 方 法に よっ た。 こ の解析 方 法は,
最 初か ら曲げね じ れ変 形 を与えて い る の で厳 密な意 味で は 座屈後挙 動 解析と は い え な いが,
あ く まで も曲げ ね じれ 座屈を生 じ る 柱の挙 動 を明ら かにする こと を 目的 と して いるので座 屈後挙 動 解 析 といい , こ の解 析 法か ら得 られ る最 大水平耐力を座 屈 後耐力と呼ぶ。
2.
数 値 解 析 法2.
1
解析 仮定 水平変位を 生 じ るH
形 鋼 柱の曲 げね じ れ 座 屈 後 挙 動 を 解 析する にあた り, 次の仮 定を設ける。
(1) 鋼 材の垂 直 応 カー
垂 直ひずみ関 係はFig.
2に示 すように ひずみ硬 化を考 慮し た Tri・
linear
型と す る。 (2) ひずみ の戻り (す な わ ち弾性 除 荷)は 考 慮 し な い。(3 > 柱 断
面
の板 厚は 無視し,
フ ラ ンジ お よ び ウェ ブ の断 面 積は その 板 厚 中心線上に集 中す る。
(4 >Fig.
3に示す残 留 応 力を仮 定 し,
その分布を次 σ σ 》 0 ε ε εy
stArchitectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
Fig
.
3 で=
「u(df+d
諮
Id6alized Distributiofi of Residual S1resses
σガ
ー
acUy ・ σガ α 古%
(σ 。 。
) bt+σ 。tdfW
Fig
.
4 Cress Section of Beam.
Column式で定 義 する
。
x≧0の フ ラ ンジで は σ7=
rlx 十rs x 〈0の フ ランジでは σr=−
rlx 十 rl ウェ ブの (wu ) 部分では σ。=
r、Y+ rw ウェ ブの (ω1
) 部 分では σ。
=−
r 、Y
+rwウェ
.
ブの (wm )部 分ではσ。
=
rma こ こに,Fig.
4 に示す よ うに断 面寸法を定義す る と き,
rl=
2(d
。,一
σ.、}/b,
r/=
σ。t,
r,=
(σ。ゴ σ。ε)/d
! r.=
σ。 ”+dw
(σ,w一
σ。t)/(2d
ノ),
rUt=
σ。 四 (5) 変 形は微 小で あ る。
(6) 断 面を構 成する板 要 素は平 面を保 持し,
断 面形 状 も変 化し ない 。 (7) 垂 直 応 力の変 化に よる せん断 応 力によっ て生じ る板 厚 中心面 内の せ ん断ひずみ は無 視する。
(8) 板 厚 中心 面に垂 直で,
部 材 軸 線に平 行な面 内で の せ ん断ひずみ は無 視する。 (9) 柱の面 外 元た わ み お よび元ね じ れ は そ れ ぞれ Ud=
lc
/1 oop・
sin (πz/lc
},
β6=−
Ue/d
で与え る (tc;
柱 材 長,d ;
断 面せい )。 (10) 局 部 座 屈は生じない もの と する。
(ll} は り は完 全 弾 性 体とし, は り の面 外 変 形は考 慮 し な い。
2.
2 つ り合い微分方 程 式お よ び境界 条件 本 論文にお け る曲げね じれ座 屈 後 挙 動 解 析は,
前 述の よ う に柱に元 た わ み と 元 ね じ れ を仮定し て, 載荷初期か ら 2 軸 曲 げ を 受ける部 材とし て解 析し てい くもの で あ る。 し た がっ て,
本解析に用い るつ り合い 方 程 式は, 文 献9
)と同様に,F .
Nishino
らが 文 献lo)で求め た軸 力と曲げ お よびね じ りを受け る部 材のつ り合い微 分 方 程 式を利 用す る。 これは, 変位の基準点が断 面の任 意の点 に とっ て導か れ ている の で, 断 面の塑 性 化に伴う せ ん断 中心の移動 を考慮す る必 要が な く, 弾 性 時の断 面 重 心に 関す るつ り合い を考え る こ と によっ て幾 何学 的に も明 瞭 なつ り合い微 分 方 程 式 を求め得る。 そ こで,
この式を断 面 重 心 c に関 するつ り合い式に変形し,
さ らに元た わ み と元ね じ れ を考 慮す る1]〕と 次の よ うに本 問題 を支配 す るつ り合い微 分 方 程 式が求ま る。 [Mx
十(β十βσ)My
]”
− Pv
”=0 ・・
………・
(1−1
) [My−
(β+β6〕ルlx
]”
− P
(u+Ua )”
=0………・
(1−
2)M
乞一Mr
(u +Uo)”
+MyV
”
+[κ(β+βσ}1
・
+GJflt
]’
=0・
・
………・
………・
…・
……・
…
(1−
3} こ こ に;Mx,
My= x お よ びy軸 回 りの曲げモー
メン ト,
M.一
バ イモー
メ ン ト,
・一
∫
鋸 ・r
)dA
・(a2一
塑 応 力 ),G =
せ ん断 弾 性 係 数,
J ;St.
Venant
の ね じ り 定 数,
1u
,
η= 断 面 重 心 c の x および y方 向 変 位,
β=
ね じ れ角,
Ua=
柱の面外元 た わ み, β。=
柱の元ね じ れ,
C
)=
z に関す る微分。
・
・
本 報 告で ば本 解 析法の妥 当 性の検 証を文 献3>の実 験 結果 との比 較に よっ て行うの で,
境 界 条 件 式はFig.
1 の実 験 骨 組 と荷 重 条 件 を参 考に して次のよ うに与え ら れ る。
z=
OでH =
Ify, M』十(β十βc)Ms
十1Lfb
= 0・
・
・
・
・
…
(2−
1,
2) u=
=
O,
My−
(β十fia
)Mx
十M
.;
O……・
…
(2−
3,
4) β=
0,
β’
≡O・
・
……・
……….
…・
…・
………
(2−
5,
6) z=le
で v=0,
Mx+(β+βa)My =0 …………・
・
…
(2−7,
8
) u=
0,
My−
(β十βc)Mエ
ーMs
;=0………
(2−9,
10) β=
0,
β’
;
0……・
………・
………
(2−
1],ユ2 } こ こ に,
偽=
柱の y 方 向 横 力,
M,=
は りの抵 抗モー
メ ン ト,M
.,
M
。i;
柱 下 端お よ び柱上端 球 座の面 外 回 転 MsM8r 0 θ θ (rad ) SP.
8 Fig.
5 Friction al Roller馳
一
85
一
拘束力。 な お
,
文献3
)で示し たよ うに,
こ の回 転 拘 束 力を実 験 的に調べ た結 果,
回 転 力Ms と回 転 角 恥の関 係が お お むね Fig.
5の 実 線の ように 得ら れ た。 本 解 析 で は こ の 回転 拘束力を同図 の破線で示すMs −
es
関 係で 与え た。 破 線の立ち 上 がり こう配は あ る鉛 直 荷 重 下にお け る実 験 結 果の平 均 的なこ う配 をとり,
そ れら を鉛 直荷Pt
Po
。n)の関 数で近 似 し た。
以上 を式で示す と次の よ う にな る。
MSiton
.
crm=
Ks・
e
.十Ds ・
嘸/1
砧1
・
・
……・
・
…・
(3−
1) こ こに,
恥〈e。
。
のと き Ks=−
1.
57P
,十39.
lP 十13.
7 ………
(3−
2>Ds
==O……・
………・
・
………・
・
……・
・
(3−
3 ) 仏≧es。
の と きKs
; O・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(3−
4 >Ps
=MsK
=O.
02
P・
r)・
・
………・
…・
………・
(3−
5 ) 以 上に示 し たつ り合い微 分 方 程 式の解 法と し て, 本 報 では差 分 法 を適 用す る。
し たがっ て,
こ れ らの式 を変 位 表示 式に変換し な け ればな ら ない 。 そこ で,
軸圧縮力,2
軸曲げ お よ び ね じ り を考慮し て, 弾塑性域に拡 張し た 断 面 カー
変位関 係 式 を求め る と次の よ うに な る。
Mx
=Nx
十ElryU”
十Elxv ”
十EJ
ω πβ”
・
・
・
…
(4−
1)My =Ny
十EI
ンu” 十Ely
=v” 十EI
ω ,de ”・
・
・
…
(4−
2)M
β= 〈rω
+Els 。u”
+E∬xω
v”
+E1ω
β”・
…
(4−
3) ただし,
上式 中の各 種 断 面 量は後述の (7) 式一
(8) 式におい てま と めて定義さ れ る。 上式を (1 )式に代入 す る と変位表示さ れ た弾塑 性つ り合い微 分 方 程 式 が 次の よ うに求 まる。
[
Bxn
+EBxuu
”
+EBxvv
”
+E13
エ ββ”
−
Pv ]”
=0
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5−
1) [βyπ
十EB
紲 電』”
十EBy ”
z丿”
十EByP
β”
− P
司”
; Pt己告・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
(5−
2) [N
.+EI
、、、u”
+Elx
ωv”
+E
∬ωβ”
]”
− B
、。冠 ” +Bsvv”
+[(K
+GJ
}β’
}’
=B
地 ω各一
(κβ3
)「
・
・
・
・
・
・
・
…
9・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5−
3) 上 式におい て は式の表現 を簡潔 に す る た めに,
次の よ う な諸量 が定義 され てい る。
Bエ n=
ハ傷+β ’八ly , Bヱ=
lrs+β *ly Bxilx +β*Jyx,
Br β=
fωx+fi
*J ωy B.=
Ny一
β 象 ハJx,
Byu=
∬y一
β * lxyByv
=lsu
,−
fi
*lx,
ByP
=1
ω ヨー
β ホ1
ω エBeu =
ハら+EI
=yU”
+E
塩Z广÷EI
ω1β”
Bfi。= 篤 +E
∬,ゼ+E
∬s。v ” +E
∬ω 、β ” κ= ム +E1
「 trU”
+E
∬kyV”
+E
」「肛り
β”
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(6−1− 11
) た だ しN
.=Sx
(− P − N .
)IA
十Mrx
ハly
=s
〆− P 一
ハ1r
〕ん4
十Mry
AT
ω=S
ω(− P
司 V,)IA
+M.βN
κ= (右十Iy)(−
P−−
Nr)/A十 Kr Ix=
Sx(Sx+β率s3 >/A−
(G
+β* ム,) ∬y=
Sy
(Sy
一
β 寧S
エ)IA
−
(1
』−
fi
’lxy
)ITy
;S、
r(Sy一
β孝Sエ
)/A−
(最,一
β宰右) ∬va; S ,(Sゴ←β *S .)/A−
(Gy
+β 寧 ん}1
ω 、,=S
、,・
Sω
μ一
Jwy , 1ωy=Sy・S
ω/A − lwx
lyω
=Sω
(Sy−
fi
’Sx)/14−
(恥躍一
β * 恥v) ∬エ ωニ
sω
〔sエ+β *s
.)/A−
(lt
,y +β拳1b
訂)1
ω一s
乙/A−
1. 1.;
(Sy一
β 串Sx
)1
右+lu)/A −
(堀一
β寧偏 ) ∬t。=
S
ω(k
+ん)/A − 1
. ∬iCy=
(S
.+β 孝Sy
)(右+ん)/、4−
(ムン+β *1
ヒ)Ix=lx。
+τ(lx。
呂+lx。
∂,lx
。=
lxy。
+τ(L,
y。
t+輪。
∂ ん瓢 扇+τ(1
。。
t+lys。
),
s、
c=s 。
e+τ(s、
,
st+Sx。
。
)Sy=Sye
十 τ(SVSt
十Svsc
)Iwy=
lavye十 r(lwyst十lwysc)駈 ロ 娠
。
+ τ(lwx。
置+lwxs∂8
ω=s
ω 。+τ(Sw
。t+sω
。∂Iw=
ちe十τ(lw
εt十島8∂,
A =
!le
十τ(ASt
十Asc
)1
. =Gxx
。+1
油。+τ{L
x、
。
匚+G
。。。
t+駈、
。
。
+lx。 。。
c)偏覃 翫
苫9十
lyyye
十 τ(磁翻 十lyyyst
十」近澗 c十1
』yysc )ムω
畧
あエ ェe十堀シ昭十 τ(ltuxxst十ltuyyst十lwxxsc+島照 )
1Vア= rllSyeL
− SyeR
十τ(SyStL
− SyStn
十SySCL
− S
螂 )}+rAA ,、+A
,,+τ(A
。,、+A
,,R+ ハ。,t,
+A
。 、尺)「+ r,
is
。 。ω 。− Sx
。 脚 、+ τ(s
エ 。ゆ。
−
s、 。,餌+ Sx。。 ω 。−
Sx。 ,ω 、)}+ rωIA
。wu十
AeUt
十 τ(Astwu
十!4Stwi十ASCw、
‘
十!4Scwt)} +rmlA。
ua + τ(A 。
,un +As。
w。
、
)}+ a。
(At−
A。
) 十TE εSt(Asc−
Asε}M
,x= r、
llxy
。L−
1
}。。R+τ佑。。‘厂11e
, 。,R+L
、y。CL一
砺。 ,。
)1
+ r、is
。eL+SxeR
+τ(s=
。、
L+s
翻 十SxscL
十s
=scA)1
十 rz匹eωu− lxewt
十τ(1
}stwu
−
1
]stwi十liscwu
一
在scwi )}十.
rwlSxew”十
Sxewt
+τ(Sx
。勘。
+s。
。 ,wt +Sxs
。wu +Sx
。。。
t)i
+ rmaヨs
。 。an +τ(Sx。
,un +Sxscua}}+σ y(s。
t− s
エc}十rE εst(Sxsc− Ssrst
)脇 ,
=
γ 1匹eL− 1
。 。。+ 鵡 。、L− ly
。胡 +ん。。L− ly
。 ,、)}十 r/
1SyeL
十SyeR
十τ(Sys肌
十SyStR
−
←SySCL
+Sy
。 ,R)}+ ay(S
ザS
,。)+τE
ε。,(Sys
,− Sys
,)M .
β; r、II
、、x。、− 1
、、x,ft+ r(lox
。 、厂 島π 。 、、+lwx
。,、一
娠 。 ,,)}+ γノls
ω
。 、+sω
。 ,+τ(sω
。、L +Sevs
、R+sω
s。ム+ sω
。、n)1
+σ。(sω
r ∫ω
∂ 十τE
εSt(sω
3σ一sω
St)K
戸 帽驫エ 。L一
娠酬 +(L
。, 。t.
一
驫 。R+τ(伝τ 。tL−
(=エ =stR十liyystL
−
LryestR
十Gr
=SCL− 1
=x=SCRArchitectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
十JseR十 τ(lxstL十ly
。
tL十lxstR十lystR十L,
scs.
+1
。。 ,、+る。 、H+lysc
,)「+ r,il
。 ,y。wu− lyyy
,wt+ r(
1
』。 。。twu−
lyyystwi
+lyyyscnv
−
lyyy。 ,ωt)1
十 r
四
llxewu
+liewt+ r((。Stwu 十ksew。
r十lxstwt+
lx
。 , 。∂}+ r。 ,毘。 +τ(1。 。 ,um +lxs_
)「 +σ.(lyt
+G
厂lyc一
る。)+τE
ε。t(1。。c+k 。
c− lyst
−
LCst
>……・
…・
…一 …・
…・
・
(7−
1〜
34) 上式 に おいて は,
β*=
β+β6,
τ=E
。ノE
(E
。t=
ひずみ 硬 化 係 数,E =
弾 性 係 数 ),
σy=
降 伏 応 力,
ε。t= ひずみ 硬 化 開 始 ひずみ で あり;
また他の諸量は次の よ うに定 義 さ れ る断 面主軸に関 する諸 量である。 A−
fdA
,
s・−
f
ydA ,
Sy−
f
・dA
・・−
f
・dA
(・一
戦 ・爛 数 ),
・x−
f
・’dA
・y−
f
・ ・dA ;・・
y−
f
・ydA,
・w −f
Ω・
dA
…−
f
Ω・dA , J・
y−
f
Ω ・dA
,1
. . .・
・
f
・ ・dA
J・
・
.・
・
f
… dA,
・・
yy一
掴
・d
ん 聴 一∫
畑 島一
イ
・鵡 妬イ
・卿…
(8−
H6 ) (7 )式に お いて は 〔8)式で定 義され る断 面 諸 量に,
さ らに, e, t, C, SC , st , WU , wm , wl , L,
R とい っ た添 字が付 随し て い るが,
こ れらの添 字の意 味は 次の ようである。
e=
断 面 中の弾 性 部 分に関す る諸 量 t,
c=
断 面 中の引 張 降 伏ある いは 圧縮 降 伏して い る 部 分に関す る諸量 st,
sc;
断 面 中の引 張 ひずみ硬化 域 あ るい は 圧縮ひ ず み硬 化 域に達して い る部 分に関する諸量L ,R
= エ ≧0
あ るいは x<0
の フ ランジ部 分に関 する 諸量 ωu , w7n , ω ’=
Fig.
3に示さ れ るよ うに, 3分 割さ れ た ウェ ブの各要素部 分に関す る諸 量 な お,
こ れ らの断 面諸量の数値 計 算にあたっ て は,
あ る軸力と2 軸方向の 曲 率 (−
u”
,−
v”
)お よ び β”
の も とでの断面に お け る応 力状態 を決 定す ることが 必 要 とな る が,
こ れに は文 献 12)で示 し た方 法 を,Fig.
2とFig.
3で与え られ る ひずみ硬 化と残 留 応 力 を考 慮で き る よ うに改 善して利 用した。 こ の方 法は,
弾 塑 性を問わず,
H形 断 面の あ うゆる応 力 状態に対し て一
つ の形に表現 さ れ た断 面重 心ひずみ に関 す る二 次 方 程 式 か ら断 面重心ひ ず み が求め ら れ る とい う も の で あ り,H
形 断 面 全 体 を 90区 分 し た 場合の 断 面分割 法と比 較して,
断 面 重 心ひ ずみ を 求 める の に要する計 算 時間 を約 1/15に短 縮で き ること を確 認し てい る。
2.
3 数値計 算 法境 界条件式 (2}も同様に して変 位 表 示し
,
これ を考 u 慮 して変位表 示され たつ り合い微分方 程 式 (5 )を差分 表 示すれば,
柱の 各差 分 点にお け る面 外 変位 u,
面 内 変 位 v お よ びね じれ角 βに関する連 立L 次 方 程 式が得ら れ る。
こ れ を逐 次 計 算 法で解け ば柱の荷 重一
変形 関 係が 得られ る。 荷 重一
変 形 関 係の ピー
ク直 前 ま「
では水 平 力 H を 与え て解き,
そ れ以 後は柱下端の水 平 変 位 v を 既 知 量t 水 平 力 H を未 知 量と する方 程 式に組み換え て解い たIS〕。
さ らに変 形が進 んで面 外た わ み u が 卓 越 して く る と解の収 斂が悪く な る の で,
柱 中 央の面 外 変 位 U を 既 知 量と する連 立 方 程 式に組み換え て計算 を進めた。
な お,
実験 値に対 する数 値 計 算におい て は柱の材 長 方 向の 分 割 数を 30と し,
断 面 寸 法や材 料の機 械 的 性 質などの 入力デー
タ は文 献3)に お け る実 測値を使っ て い る。
2.
4 解 析 結 果および考 察 Fig.
6以 下に解 析 結 果と実 験 結 果と の 比較を 示 す。
図 中 ○ 印が実験結果を示 し,
実線が解析 結果を 示す。
→ 印は固 有 値 解析によ る分 岐 点と して求め た曲げね じれ座 屈荷重31を,
▽ 印は実験に おい て所 定 軸 力 を維 持で き た 最 終 測 定 点 を 示す。Fig.
6は面 内 荷 重一
変 形 関 係であり,
水 平 力H
と柱下端水平変位△ を, そ れ ぞ れ弾 性こう配 直線と メ カニ ズムラインの交点の水 平 力Hp。
ど 水 平 変 位 Aρc で無次元化して示してい る。
図中の一
点 鎖 線は メ カ ニ ズムライン,
破 線は曲げね じれ座 屈が生じない と仮 定 し た場 合の面 内荷重一
変形関 係3} であ る。Fig.
7と Fig、
8 の (a),
(b
),
(c>各図 は そ れ ぞ れ水 平 力 と柱 中 央の面 外 変位 u/d ,
ね じれ角 βお よ び柱 両 端の面 外た わ み角 θ との関係 を示す もの であり,
(c ) 図に お い て は実 線が 柱 上 端,
破 線が柱 下 端の面 外た わ み角を示す。
図中の A およ びR は,
そ れ ぞれ実 験 骨 組の柱に焼き な ま し を 行っ て いるもの とい ない もの との区 別を示し,
p, λ。,h
は そ れ ぞ れ,
載 荷 軸力 を降 伏 軸 力で無次元化し た軸 力 比,
柱 面 外 細 長比 お よ び は り 剛 比 を示す。
これ らの 図か ら分か る よ うに, 本解析法による解 析 結 果は お お む ね実 験に お け る柱の挙動 をよ く追 跡し てい る.
といえる。 た だ し 次の 3つ の 点で実 験結果 と 解析 結果の 対 応が不 十 分であっ た。 (1 )実 験におい てひずみ の戻りが大き く生じ てい る 場 合に は例え ば F遠.
6(a)の試 験 体の よ うに, 最 大 耐 力 後の下りこう 配 が解析結果の方がゆるやか に な る。
’
(2
)Fig.
6
〔c)の よ うに,
大 変 形 を生 じた試 験 体に 対 して は,
解が収 斂し な く な る た め に実 験の崩 壊 領 域ま で追 跡す る こと がで き な かっ た。
(3) 細 長比 が大きい試験体で は,例えばFig.
6
(e,
f
) の よ うに,
最 大 耐力の差 が若 干 大き く な る。
し た がっ て,
解析の精 度 を向 上させ るた めに は,
ひずみ の戻り を考慮す ること,
これによっ て (2)の問 題 も同 時にあ る程 度は改善さ れ る と考え られ,
さ らに, より厳 密な元た わ み形を考慮 す るこ と,
などが 必要とな るが,
一
87
一
N工 工一
Eleotronio LibraryHIH ps 1.0 o.s o HtH pa t.o o.s o HIH pc t.o o,s /1 HtH t o HIH 1 o o 1,O1.D(a)1.o4.0atdipe 1.01.0
(c)
].o(e)aXnpc HtH ! o ].o pa.e
s o 4.0ntdDe l.O") Fig.6 alA r・c Comparisonof pc.o
.5
o a,rO.2{a)
Fig,7 o,1 e.a Cornparisenof HiH p 1. o. o U/H l o o HtH Pc l.O P.5 t.o2.0(b)3.0a.obtdvc J.O O 1.V H-A Relations ze(d)xoa,DAtnee..o(g)
"lb-o.i
O B{rad)(b)
Mid-Span Defetmations of Bearn-Column
O.1o.2( o,1a)Fig.8 o.4
Comparisen
vtb
-O.1
Oh B(cad)
(b)
of Mid-Span Deformationsof Beam-Columnxo4.0rLtaPc
-O.06o{c
-O.06
o,Ob e{cad)}
O o.06(c)e(rad}Architectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
一
方で は,
ひずみの 戻りを無 視し,
面 外元 た わみ の最 大 値 を材 長の1
/1000
に固定 して行っ た本 解 析 法に よっ て も,
水 平 力 を受けて曲げ ね じれ変形を生じ るH形 鋼 柱の 最大耐力や変形 性状を ほ ぼ予 測 し得るこ とが確か め ら れ た。
,
以 上の考 察に用い た実 験 結 果S, は,
序文で も 述べ た よ うに細 幅 系H形 断面柱に対して得ら れ たもの であり,
こ の断 面 系は実 験 的に曲げ ね じれ座 屈 現 象を明確に とらえ たい とい う意 図の もとに採 用してい た。一
般 的に は広 幅 系や中 幅 系の H形断面柱が多く使 用さ れ る が,
本 解 析 法 はこれらの柱に対し て も適 用で き る。3.
曲 げね じ れ座 屈後耐 力の変 動 性「
一
定 軸圧縮 力と水平力 を受け るH
形 鋼 柱の弾 塑 性 曲 げ ね じれ座 屈後耐 力に対し て, そ れ を 支 配する主な パ ラ メー
タ,
すな わち,
柱 断 面 形,
軸 力 比,
柱 面 外 細 長 比,
は り剛比,
面 外 元た わ み お よび残 留 応 力が どの ように影 響する かを,
前 節におい てその妥 当 性が検 証さ れ た本
解 析 法に よ る数 値 計 算 結 果か ら検 討す る。 3.
1 解 析 計 画 解析骨 組 は実 験骨 組 と 同 じFig.
1のL
字形 骨組で あ り, は り は完全 弾 性体と し た。
ただし, 耐 力 的に不 利な 条件を想 定し て柱 両 端の面 外 回転に対し ては ピン支 持 と し, ね じれ に対し て は固定 支 持と した。
数 値解 析を行うにあ たっ て, 前 記の パ ラ メー
タの値 を 次の よ うに設定し た。
(1
>柱断 面 ;一
般に使 用 さ れ てい る 広 幅 お よび中幅 系H
形断 面の2
種類を考え1
そρ断 面 寸 法は文 献 9),
で、
求め た仮 想 断 面で与え る。
広 幅H
形 断 面H −
100× ユ00×4.
49×5.
39(mm ) 中 幅H
形 断 面H −
100×50Xl.
g3×’
2.
81(mm ) (2) 軸 力 比 p ;一
般 的な軸 力 比と して p;
O.
2
を,
比 較 的 高い軸圧縮力 を受け る場 合と して p=
o.
5を 選 ん だ。 (3
) 面外細長 比 λ.;断 面形 お よび軸 力 比との関 連で 次の よ うに設定し た。
広幅H
形断面 p=0.2
の と き λy=80
,100
,120
,130
p=
0.
5の と き λ,= 60,
70,80
中 幅H
形 断 面 p・
O.
・
2
の と き λ,=IOO,120,140
,160
p=
0.
5の と き 鳧= 70,80,
90,
100(4 } は り 剛 比
k
;h
= ユ.
0と2.
q
の 2つ の 場 合を想 定し た。
(5) 残留応 力 }残 留応 力分布はFig.
3に示す よ うに 仮 定 し, 同 図中の σr。
とσ。
t をTable
lの よ うに設 定し た。
こ こに, 基 準 値は文 献 14)を参 考に し て決 めた値 で あ り,
変動 値は基 準 値に O.
1σyを 加えた もの で あ る。 (6) 元 た わみ Uo お よ び 元ね じれ βび;元 たわ み Ue 8 Table l Va]ue of Parameters ParameterCoefficient ☆1WF 邯 ★2 Standard Value0.
300.
25 Residua ユ Stress σ2一
α・
σ 「 θ o シ σ ガ α ガσ3
α oVariedVa ユue0.
400.
35 α 古 Standard ▽alue0.
300.
40 Standard Value10001000 InitialCroockedness ・ δ=
見ノ
Kδ K δ VariedValue 750 ア50±1:Wide
−
Width H−
Shaped Co1umnt2 :Medium
−
Width H−
Shaped ColumnLS Table 1に示 す 最 大 値 を もつ 2つ の正弦半 波形を設定 す る
。
元ね じ れ βo は一
Uo/d
と す る。
こ こ に,
表 中の 変 動 値は,
文献 15)の 柱の元 たわ み の調 査結果にょる と,
そ れ らの ほと ん ど が材 長の 1/750以.
下に収ま っ て いる こ と か ら,
現 実に生じ得る元た わみ の最 大 値と して こ の値 を採用 し た。
以 上6つ の パ ラ メー
タ を種々変 化させ て数 値 解 析を行っ た。 な お,
鋼 材の材 料 特 性はSS
4ユ を想定し, 次の よ うな値に統一
し た。
降 伏 応 力 ay
=
2,
4t/cmZ,
弾 性係 数E
= 2100 t/cm2.
降 伏ひずみ εy! ay/E ,
ひずみ硬 化 開始ひずみ εSt=
lqε暫 ひずみ硬化係 数E。
き 0.
02E 3.
2 解 析 結 果お よ び考 察 広 幅H 形 断 面 柱に対 する解 析 結 果 を.
Fig.
9とFig.
10 に,
中 幅H 形 断 面 柱に対す る結 果をFig.
llと Fig.
12 に示す。 各 図は (a)一
(d)の 4図からな り,
これ らは あ る同一
軸力比 ρ と は り剛比h
の組み合わ せ の も とで,
残 留 応 力と元た わみ を変 化させ た場 合の解析 結 果 を水 平 力と細長比の関係で ま とめた もの である。
図中 上 部の右 下 がりの実 線 と破 線の折 線で結ば れた黒 丸が各 細 長 比に 対してプロ ッ トされ た曲 げね じ れ座 屈 後 耐 力を示 す。
各 図の (a)と (b
)中の △ 印は曲げ ね じ れ座 屈 荷 重であり,
▲ は曲 げね じれ座 屈が生 じずに面 内 最 大 耐 力に達した場 合 を示す。
ま た, 各 図の下 部に示され る折 線は,
残 留 応 力あるい は元た わ みを 変 化させ た場 合の曲 げね じ れ座 屈 後 耐力の変 動 量の割 合 ζ を 各 細 長 比ごとに プロ ッ トし た もの である。
こ こ に,
ζ=
・
1−
(破 線の耐 力 /実線の耐力) で あ る。
こ の ζを以 後 変 動 率と呼ぶ。
こ の値か ら, 曲 げ ね じ れ 座屈 後 耐 力に及ぼす残 留 応 力と元たわみ の影 響 の度合の 変動性を,
細長 比をパ ラ メー
タ に し て読み取る ことがで きる。
各図の (d
)に 示 さ れ る ◎ 印 は,
日本建 築 学 会 「鋼 構 造 設 計 規 準」q )の柱 設 計式か ら 短期許 容 最 大曲
げモー
メ ン トを 求 め,P ・
A
モー
メ ン トを無視し て,
一
89
一
N工 工一
Eleotronio LibraryArchitectural Institute of Japan ArchitecturalInstitute ofJapan HIH Pa(g) 1.0 O.5 o80 100120 130
(a}
Fig.9 Ay H/H p(c) 1. Maximum o Strengths{b)of
Wide-Width HIH pa(c) 1.0 e.s e BO 100 120 130 Xy{c)
H-Shaped Beam-Columns
{p=o.
z,H/H pe(c) O.5 o k=1) (d) u H/H pa(c> 1,O o,s o 607a
{a)
Fig.10 80 Xy HIH pe(o 1.0 Maximum O,5 e Strengths 60 70 BO X y(b)of
Wide-Width H HfH pe(g) 1.0 O.5 o 60 70 80 1(c)
-Shaped
Beam-Columns y H/H pa{c) LO o.s o(p=O.5,
h=1> 6070 80(d)
xy H/H pc'(c) LO O.5 o HIH Pc(g) 1.0 o.s o 100120 140 160(a}
Fig.'11 xy H/H pe(g) LO O.5 Maximum 7080 90100(a)
Fig,12 Ay o 100 120 140(b}
Strengthsof Med HtH pc(o 1.D o.s Maximum o 70 80 90(b)
Strengthsof Med 160 ]um-xy HIH pe(c) LO o.s WidthH IOO IUrn-xy o leO 120 140 160 X y(c)
-Shaped
Beam-Columns
(p=
HIH po(4) 1.0 WidthH O.5 o 7o so ge loo x y(c)
-Shaped
Beam-Columns(p==
HIH pc(c) LO o.s o O.2, h=1> H/H Pc(c) ]..e O.5 o{d}
y O.5.h=1)(d)
yArchitectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
こ れを 単に柱材 長 ‘
。
で除 して水 平 力に換算し た も の で あ る。
これ らの図 よ り, 残 留 応 力お よび元たわ み を変勤さ せ た場合の曲 げね じれ座 屈 後 耐 力の変 動 性につ い てま と め る と次の よ うになる
。
(
1
)元たわ みを変 動 させ た場 合 1各 図の (a)と (b
) より分か るように,
元た わ み が大き く な る と,
曲 げね じ れ座 屈 後 耐 力の変動率 ζは 細 長 比の 増大と と もに大き く なる。 ま た (a)と (b
)の 比較か ら, 元た わ み の 変 動が座 屈 後 耐 力に及ぼ す影 響につ い て,
残 留 応 力の差が どの よ うに 影 響 する か を 見る こ と が で き,
Fig.
12の 中 幅H
形 断 面柱の p=
0.
5の場 合 を除い て ζの差は ほ と ん どない ことが分か る。
中 幅H
形断面柱の p=O.
5の場 合 に は, 軸力 比が大き い こと か ら,
圧縮残 留 応 力 と 元た わ みの増大が柱の降 伏 を早めて,
剛性の 低 下も促 進され る た めに変 動 率 ζに差が出て く る と考え ら れ る。
広 幅H
形 断 面柱の p=
0.
5の場 合に は,
中 幅H形 断 面柱に較べ て面外 曲 げ 剛 性が高い ために‘ 軸 力 比が大きい にもか か わ らず残 留 応 力や元た わ みの この程度の差に おい て は,
座屈後 耐 力の変動性にそ れ 程 影 響 し なかっ た とい え る。
(2 )残 留 応 力を変 動 さ せ た場 合;各図の (C)よ り 分 か る よ うに
,
こ の場 合に も残 留応 力の増加に よ る座屈 後 耐 力の 変 動 率 ζは細長比の増 大と ともに大きくなっ て い る。
また,
図には 示 していない が,
Ka=
lOOO の場 合と (c)のKa=750
の場合の ζの比 較 を 行うと,
(1> と 同 じ理由で , 中 幅H形 断 面 柱の p=
O.
5の場 合を除い て はξ
に ほとんど差が な か っ た。
(3
)残 留 応 力 と 元たわみを 同 時に変 動 させ た場 合; 各図の (d
)よ り分か る よ.
うに,
曲 げね じれ座 屈 後 耐 力 の変動率 ζは, こ れ らの パ ラメー
タ の値を独 立に変動 さ せ た 場合よ り も当 然 大き く なっ てい る。
前 述の (1) と (2 )に おい て,
中 幅H 形 断 面 柱の p=
0,
5の場 合を 除 け ば,
残留
応 力と元た わ み のどち ら かを 独 立に変動さ せ た場 合だは一
方の パ ラ メー
タの値は座 屈 後 耐 力の変動 率 ζに ほ と ん ど影 響し ない こ と を述べ た。
その結 果 と して,
(d
)にお け る変 動 率 ζの値は,
(a)と (c)の変 動 率 ζの和に ほぼ等し く なっ て いる。
し たがっ て,
広 幅H
形 断面 柱お よび低 軸 力 下の中 幅H
形 断 面 柱に おいて は,
残 留 応 力と元たわ み はそれぞれがほ ほ1
独 立に曲げ ね じれ座屈後 耐 力に影 響す る と い え る。(4 )曲 げね じれ座 屈 荷 重につ い て ;各 図の (a)と(
b
) に曲げね じれ座 屈 荷 重 と曲 げね じ れ座 屈 後 耐 力の比 較を 示 す。 細 長 比が大きい範囲で は曲 げね じ れ座 屈 荷 重が か な り危 険側の耐力を示 し てい る。
特に中幅H
形 断 面 柱の 場合に その 傾 向が強い。
こ こ で,
曲 げね じ れ座 屈 荷 重が 座屈 後 耐力 よ り も高く な る細 長 比の領 域の目 安をつ け る た め に, 広 幅お よ び中 幅H形 断 面 柱の 両 方に対して,
曲 げね じれ座 屈 荷 重が曲げ ね じ れ 座屈 後 耐力 と等し く なるP
』1
0
.
5
0
0
.
5
1 .
O
m 〔a )Wide・
Width H−
Shaped Beam−Colum
皿5(ac;
O,
40,
K.=
750)OP
.
1
0 .5
0
0 .5
LO
【皿(b) Medium
・
Width H−
Shaped Beam−
Celumns 〔actO.
35,
Ka
;
1000)P
』1
0
.
5
0
0
。
5
1 .
0
皿〔c ) Medium
・
Width H−
Shaped Beam・
C
σlumns(αc=
0.
35,
Ka=
750)Fig
.
13「
Comparison of Ihteraction Curves between DeslgnFormula and Present Analysis
一 91 一
細 長比で
,
載荷 軸 力 P とEuler
座屈 荷重P
,(= π aE 〃 鳰,A ・
=
柱 断 面 積 )との比 P /P.を とっ て み る と,
広 幅H
形 断 面 柱で は約 O.
2,
中 幅H
形 断 面柱で は約0.
3
とい う結果になっ た。 し たがっ て,
そ れぞれの 断 面 形に対し てPIP
,の値が 上記の値 以上に な る軸 力と細長 比の組 み合わ せのも とで は, 曲げ ね じれ座 屈 荷 重 が 座 屈後耐 力 よりも大き くな る とい え る。
(5 ) 「鋼 構 造 設 計 規準 」1 ) の柱 設 計 式に よ る耐 力につ いて ;各 図の (
d
)に柱 設計式か ら求ま る短 期 許 容 耐 力 を 示 す。 広幅H形 断 面 柱につ い て は,
設計式に よる耐 力 は本 解 析に よる曲げ ね じ れ座屈後 耐 力と 比 較 してお お む ね安 全側であ り,
残 留 応 力 と元た わ みの変動量 が本解析 で仮定し た程 度で あ れ ば,
その変 動 性 を十 分に包含し得 る安 全性を確 保して い るとい え る。
細長 比の増 大と と も に低 下す る耐 力の こ う 配 も 両 者はお お む ね一
致 してお り,
細長 比が大きい程 座 屈 後 耐 力の変 動が大きい こと を 考 慮す れ ば,
こ の柱 設 計 式は曲げね じ れ変 形を 生 じる柱 に関して は合 理 的に耐 力 を評 価し得る と考え ら れ る。 中 幅H
形 断 面 柱につ い ても,
p−
0.
2の場 合に は広 幅H
形 断 面 柱の場 合と 同様の こ と がい える が,Fig.
12(d
)のp =
0.
5の場 合に は, 細長 比 が100
を越える領 域で柱 設 計 式が危 険 側の耐 力 を示す結果になっ て いる。 ここ で,
p=0.
2 と0.
5以 外の軸 力比の も とで の曲げ ね じれ 座屈 後 耐 力を求め て, そ の ときの柱端 部モー
メ ン トm =(=Mx
/Mx。,
Mx。=
x 軸回 りの降 伏モー
メン ト) を軸 力比ρ と の相関 関係で示し,
柱設計式に よ る短期 許容耐力と 比較す る とFig.
13の よ うに な る。 図中の 痘 は解 析 骨 組 柱の構 面 内座屈に対す る 細 長 比 を表す。 こ れ らの図か らも,
中 幅H
形 断 面 柱では高 軸 力 域で柱 設 計 式 に よる耐 力が本 解 析 結 果よ り危 険側の耐 力 を示す領 域が あ ること が分か る。 し た がっ て,
軸 力比 が大き く,
かつ 細 長比の大きい中 幅H
形 断 面 柱を設 計す る場 合に は,
柱 設 計 式に対して余 裕を持っ た設 計が望ま れ る。一
方,
広 幅H形 断 面 柱では,
本 解 析による耐 力 曲 線の平 均 的なこ う配 が柱 設 計 式に よ る耐 力 直線の こう配 とほぼ同じ で あ る こと か ら,
軸 力とモー
メ ン トの両 方に対し て ほぼ均 等 な安 全 率が柱 設 計 式に包 含されて い るとい え る。
な お,
は り剛 比h
の差は,
広 幅H
形 断 面 柱におい て,
大きいはり剛 比をもつ 柱の曲げ ね じれ座 屈 後 耐 力が小さ い は り剛 比の柱より もわずか に大き く現れる程 度であ り,
中 幅H
形 断 面 柱に は その影 響はほ と ん どみ ら れ な かっ た。 4.
結 論一
定 軸 圧 縮 力と水 平 力 を 受け るH
形 鋼 柱の弾 塑 性 曲 げ ね じれ座 屈 後 挙 動の数 値 解 析 法 を提 示 し,
実 験 結 果 との 比 較・
検 証に よっ て そ の妥 当 性を確 認 し た。 さら に,
本 解 析 法 を用い て,
曲 げね じれ座 屈を支 配 す るパ ラ メー
タ の値を種々変化さ せ て行っ た 数値 計算結果一
一
か ら, こ れ ら の パ ラ メー
タ の値の変 動が曲げね じれ座 屈 後 耐 力に及ぽ す影 響 を検 討し た結 果, 次の結 論が得ら れ た。
(1) 軸 力 比が大き く, かつ 中 幅H形 断 面柱の よ うに 面 外 曲げ剛 性が小さい柱で は,
残 留 応 力や元た わ み の変 動が曲げ ね じ れ座 屈後耐 力の変動に大き く影 響 する。
(2) 広 幅H
形 断 面柱や 低 軸 圧縮力下の中 幅H形 断 面 柱に おい て は, 残留応力 と 元 たわ み は互い にほ ぼ独 立に 曲 げね じれ座 屈 後 耐 力の変 動に髭 響し,
そ の度合は細長 比が大き い ほど顕 著に な る。
(3) 載 荷 軸 力と弱 軸 回り の Euler座 屈 荷 重との 比 の値が広 幅H形 断 面 柱で は約O.
2以 上, 中 幅H
形 断 柱で は約0.
3以上の とき,
曲 げね じれ座屈荷 重は曲げね じれ 座 屈 後 耐 力よりも大きい。
(4) 日本 建 築 学 会 「鋼 構 造 設 計 規 準」4]の 柱 設計式 に よる短 期 許 容 耐 力は曲げね じれ座屈 後 耐 力に対 してお お む ね安 全 側の耐 力 を与え る が, 細長 比 が大きい 場 合に は残 留 応 力 や元た わみ の影 響で曲 げね じれ座 屈後耐 力が 大き く変動す る こと を考 慮す れば,
こ の柱 設 計 式は ほぼ 妥当 な耐力 を評 価し得るといえる。 参考 文 献 1) 松 井 千 秋,
森 野 捷 輔,
木 村 潤一
:一
定 軸 力と水 平 力 を受 け るH形 鋼柱の曲げ捩れ 座 屈後 挙動解 析,
日本 建 築 学 会 九州 支 部 研 究 報 告,
第27号,
昭和58年 3月 2)松井千秋,
森 野 捷 輔,
木 村 潤一
:一
定 軸 力 と 水 平 力 を 受 け るH形 鋼柱の弾塑性曲 げ捩れ座 屈後挙動 解 析、
日本 建 築 学 会 大 会学 術 講 演 梗 概 集,
昭 和58年9月 3>松 井 千 秋,
森野捷輔,
木村 潤一
:水 平 力を受け るH形 鋼 柱の弾 塑 性 曲 げ捩れ座 屈に関する実験的研究,
日本建築 学 会 論 文 報 告 集,
第344号,
昭 和59年10月 4) 日本 建 築 学 会 1鋼構 造 設 計 規 準,
1970 5) 鈴木敏 郎,
小 野 徹 郎 他 :鉄 骨 柱の変形 能 力に関す る考 察,
日本 建 築 学 会 大 会学 術 講 演 梗 概 集,
昭和50年10 月 6)若林 実,
中村 武,
中 島正愛 :H 形 断 面 柱の構 面 外 弾 塑 性 安 定に関 する研 究, 日本 建築学会 近畿支部 研究 報告 集,
昭 和52年5月 7) 椋 代 仁 郎.
上 牧 久二,
高 松 隆 夫 :圧縮と等曲げ を受け る H形 鋼 柱の塑性 変 形 性 状,
日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集,
昭 和54年9月 8) 加 藤 勉,
秋 山 宏 :H形 断 面 柱の塑 性 曲 げ 捩れ座屈解 析,
日本建築 学会論文報告集,
第264号,
昭 和53年2月 9} C.
Matsui,
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Morino andJ.
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PlasticLateral
・
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UDC :624.
04 :624.
075.
2:624.
075.
2.
014.
2
POST
ELASTIC
・
PLASTIC
LATERAL
・
TORSIONAL
BUCKLING
BEHAVIOR
AND
STRENGTH
OF
H
・
SHAPED
STEEL
BEAM
・
COLUMNS
PERMITTED
TO
$WAY
by
Dr.
JUMCHl KIMURA,
Research Assistant of FukuokaUniv
.
,
Dr
.
CHIAKI MATSUI
,
Professot
of
Kyushu
Univ
.
and Ph,
D.
,
D匚 SHOSUKE MORINO,
Professor of Mie Univ.
,
Members of A.
工.
J.
An analytical method to evaluate the post elastic
−
plastic Lateral.
torsional buckling behavior of H−
shapedbeam.
columns permitted to.
sway under axiaHorce and.
horizon
ヒalLoad
is presented and it is ascertained that thqse analytical reSuhs show good ag[eement with the exper 孟mental results.
Using the present method
,
a parametric study is carried out tQ investigate the effec.
t of variations Qf parameters which affect thelateral
.
torsionalb
ロcklingbehavior
,
on.
the postlateral
.
torsionalbuckling
s亡rengths ofH −
shapedbeam
−
columns permitted to sway.
Summarizing
the results of analysis,
it
is
concluded ;(1)
For the
beam−
co 且umns ofH,
−
shaped cross sectionin
the medium−
width fl.
ange series 皿der
high
axihlforce
ratio , 出e maximum strengths are remarkably changedby
the variations of residual stresses and initial croockednesses.
(2)
For,
thebeam・
columns of H−
shaped cross section in the medium−
widthflange
series underlow
axialforce
・ati・Q・i・ th・wid ・
・
width flang・・e・i・ ・,
・ach va ・i・・i・n 。f・e・id岨 1… ess and i・iti・1・1
・ ・ck ・d
・gss
hti
・an alm ・ ・!
independent
effect on reduction of those maximum strengths,
and thosedegrees
ar『pronounced with theincreas
,
ein
しhe
sLe 興derness
ratio.
.
,
(
3
) D・ ・ig・ f・ ・rP
・1’
・