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時間・空間分解能制約を考慮した制御系設計による精密ステージの制御

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目次

第一章 序論 3 1.1 研究背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 1.2 研究目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 第二章 一定振幅・離散時間入力に基づく位置制御法 5 2.1 一定振幅・離散時間パルス入力手法(DIC)による位置制御系の実現法・・・ 5 2.1.1 原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 2.1.2 DICの実装・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 2.2 圧電リニアアクチュエータ(SPIDER)駆動精密ステージシステム・・・・・12 2.2.1 SPIDER 駆動ステージの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・12 2.2.2 SPIDER 駆動ステージの動作原理・・・・・・・・・・・・・・・15 2.3 シミュレーション結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 2.3.1 空間分解能 10 等分割でのDICシミュレーション・・・・・・・・17 2.3.2 振動を考慮したDICシミュレーション・・・・・・・・・・・・・20 2.3.3 空間分解能 2n分割でのDICシミュレーション・・・・・・・・・22 2.4 実験結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 2.4.1 スティックスリップ現象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 2.4.2 摩擦補償法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 2.4.3 摩擦補償を考慮したDIC制御法・・・・・・・・・・・・・・・・31 第三章 一定振幅・離散時間入力の2自由度制御への導入 38 3.1 2 自由度制御系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 3.2 一定振幅・離散時間パルス入力手法(DIC)による2 自由度系の実現・・・・41 3.2.1 原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41 3.2.2 DICの実装・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 3.3 シミュレーション結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43 3.3.1 1 自由度制御系と 2 自由度制御系のシミュレーション比較・・・・ 43 3.3.2 10 等分割と 2n分割でDICシミュレーションの比較・・・・・・・46 3.4 実験結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48 第四章 一定振幅・離散時間入力の連続軌跡追従制御への導入 50 4.1 連続軌跡追従制御系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 4.2 一定振幅・離散時間パルス入力手法(DIC)による連続軌跡追従制御系の実 現・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 4.3 シミュレーション結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56

(3)

2 4.4 実験結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59 4.5 フィードバック変調器を用いた離散値入力制御系の設計法との比較・・・・・ 61 4.5.1 フィードバック変調器を用いた離散値入力・・・・・・・・・・・ 61 4.5.2 シミュレーション結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 第五章 まとめ 66 5.1 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66 謝辞 67 参考文献 68 発表論文 69

(4)

3

第一章 序論

1.1 研究背景

近年、急速な技術革新による電子制御技術の性能向上により、様々な産業(製品)に おいて著しい高性能化が進んでいる。一方では、低演算量化、低コスト化といった要求も 強くなっている。このような制御技術を用いる製品の高性能化を果たす上で要求される指 標(目標)を以下に示す。 1. 高速・高応答性 2. 位置決め精度 3. 外乱抑圧特性 4. 特性変動に対する制御性能 ここで、制御系を構成する要素の一つにアクチュエータがあるが、その出力が離散値に 制約されているアクチュエータは連続出力が可能なアクチュエータより低コストできる。 例として、ステッピングモータやディジタル電磁弁等が挙げられ、これらを扱うために離 散値入力システムを制御対象とした制御法(1),(2)が必要とされる。 離散値入力システムに対する制御法としては、連続値の制御入力を離散値に変換するパ ルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を用いることによって、制御対象を連 続値入力システムとみなして制御系を設計する手法(3)がある。また、フィードバックを用い た量子化器によってデータ変換の精度を改善する変調器の動作原理を応用したフィード バック変調器を用いた離散値入力制御系の設計する手法等(4),(5)もある、その手法がたくさん に信号処理や音響機器関係の分野で利用する。 しかし、PWMが適切に動作するためには、アクチュエータの切り替え速度が制御周期に 比べ十分に速い、高速なスイッチングが必要であり、離散値アクチュエータは切り替え速 度が遅くて扱えないという問題がある。また、変調器をフィードバック変調器に応用し た制御手法(FBM:Feedback Modulators)では、離散値入力において時間的にゼロ次ホ ールドが仮定できる場合に限られている。 以上のように、高い制御性能が要求を満たすためには、上で述べたような各種制御理論 が扱われているが、設計法および調整法が困難である場合も多い。したがって、設計が簡 単で、時間分解能や空間分解能の制約が厳しいアクチュエータでも容易に取り扱え、低コ ストで固定小数演算を考慮したディジタル制御実現が可能な制御系設計が必要となってき ている。

(5)

4

1.2 研究目的

半導体製造に関わる超精密ステージ制御系においては、装置の大型化に起因し機械振動 の問題が顕在化している。また、超精密ステージは、一般的に粗微動ステージにより構成 される場合が多く、上側にナノ単位で位置決めをする微動ステージ、下側に大まかな位置 を決める粗動ステージという構成になっている。そして、粗動ステージには高速性の要求 からステッピングモータ等の一定振幅入力のアクチュエータが位置決め動作に用いられる。 本研究の目的は、アクチュエータ出力が一定振幅かつパルス状信号となる時間・空間分 解能制約を有する離散値入力の制御系に対し、パルス幅可変制御理論を応用し、低コスト なディジタル制御実現による実用的な設計法を提案することである。このようなアクチュ エータを用い、提案する制御法を、精密ステージの位置決め制御に応用し、前述した変 調器をフィードバック変調器に応用した制御手法(FBM:Feedback Modulators )と比較 し、提案手法の有効性を確かめる。 精密ステージの位置決め制御においては、制約条件が存在しない連続値入力システムに 対し、制御入力を一定振幅かつ離散値信号に変換するDIC(DIC:Discrete-valued Input Control )変換器を導入し、連続値入力システムを一定振幅かつ離散時間パルス入力という 制約条件下で実現する。そして実際に提案手法を、2 自由度制御、連続軌跡追従制御へ応用 し、精密ステージの位置決め制御を用いて実験検証し、提案手法が位置決めにも適用でき ることを確かめる。また、提案手法に固定小数演算を考慮し振幅条件を2n分割で実現し、 これについても精密ステージの位置決め制御に適用し実験検証、さらには連続軌跡追従制 御 系 に変 調 器 を フ ィ ー ド バ ッ ク 変 調 器 に 応 用 し た 制 御 手 法 (FBM:Feedback Modulators )と比較することにより提案手法の有効性を示す。 本論文は、以下のような構成となっている。 本研究では、第 2 章では、提案手法を用いた位置制御について、提案手法の導入法、シ ミュレーションおよび実験を行い、検証する。第3 章では、提案手法を用いた 2 自由度制 御について、提案手法の導入手法、シミュレーションを行い、検証する。第 4 章では、提 案手法を用いた連続軌跡追従制御について、提案手法の導入手法、シミュレーションを行 い、検証する。また、提案手法変調器をフィードバック変調器に応用した FBM 手法と 比較し、提案手法の有効性を検証する。最後に第5章で本論文のまとめを述べる。

(6)

5

第二章 一定振幅・離散時間入力に基づく

位置制御法

第二章では、時間・空間分解能制約時の離散値入力制御法として本論で提案する一定振 幅・離散時間パルス入力手法(DIC )を位置決め制御に適用する方法について述べる。2.1 節で位置決め制御に DIC を実装する方法について述べる。2.2 節で実験装置について説明 し、2.3 節・2.4 節でシミュレーション及び実験結果を示す。

2.1 一定振幅・離散時間パルス入力手法(

DIC

による実現法

2.1.1 原理

ステージの位置決め動作を一定振幅かつ離散値入力のアクチュエータを用いる場合、コ ントローラ出力の信号を一定振幅かつ離散値に制約する必要がある。 この離散値入力システムに対してまずは、制約条件が存在しない連続値入力システム P (s )を考える。そして連続値入力システムP (s )と、適切に位置決めコントロールが出来てい る制御器C (s )が図 2.1 のような制御系を構成しているときを考える。この制御系を参照シ ステムと呼ぶことにする。尚、この図2.1 のような制御系の構成はフィードバック制御系の 一般的なブロック図である。 図において、rは目標値信号であり、uは制御入力、そしてy*は目標値信号に対応する出 力、今回の場合では位置である。 図2.1:参照システム 図2.2 は図 2.1 の参照システムに制御入力uを一定振幅かつ離散値信号udに変換する変

P(s)

C(s)

y*

r

+

u

P(s)

C(s)

y*

r

+

u

(7)

6

換器(DIC:Discrete-valued Input Control )を導入したシステムである。

本研究では、任意の目標値信号rに対して、一定振幅・離散時間パルス入力(DIC )と いう時間・空間分解能制約を考慮した離散値入力システムの出力y が、図 2.1 の参照システ ムの出力 y*にできるだけ等しくなるような制御設計を与える。次に提案する変換器につい て説明する。 図2.3 に示すように提案する一定振幅・離散時間パルス入力手法(DIC )の概念図であ る。本手法では、一定観測間隔Tmごとに制御入力 u(t)の大きさを判定し、u(t)の大きさに 応じて入力パルス時間間隔Tpを決定する、Tpmin最小入力パルス時間間隔である。 図2.2:制御入力の制約条件を考慮した制御系 まず初めに、一定振幅・離散時間パルス入力手法の一例として空間分解能制約を等分割 で実現する場合について述べる。ここでいう空間分解能制約とは、信号値に対する離散化、 つまり量子化のことである。また、等分割での一定振幅・離散時間パルス入力手法の概念 図は、図2.3 の縦軸を等分割に量子化したものである。なお、今回は振幅を 10 等分に分割 した例について説明する。 図2.3 のような Sin 波状の速度振動があるとき、設定した速度最大振幅値vmaxを分割・ 判別する。このとき速度最大振幅値vmaxを10 等分し、パルス入力の時間間隔Tpをそれぞ れ決定していく。パルス入力の時間間隔 Tpの決め方は次の(2.1)式に示した。ここで Tpmin はTpの最小値であり、ハードウェア等の制約から決まる値である。

Tp=Tpmin 、if vmax ×9 / 10 < v(t) ≦ vmax

Tp=2×Tpmin 、if vmax ×8 / 10 < v(t) ≦ vmax ×9 / 10

Tp=3×Tpmin 、if vmax ×7 / 10 < v(t) ≦ vmax ×8 / 10

Tp=4×Tpmin 、if vmax ×6 / 10 < v(t) ≦ vmax ×7 / 10

Tp=5×Tpmin 、if vmax ×5 / 10 < v(t) ≦ vmax ×6 / 10

Tp=6×Tpmin 、if vmax ×4 / 10 < v(t) ≦ vmax ×5 / 10 (2.1)

Tp=7×Tpmin 、if vmax ×3 / 10 < v(t) ≦ vmax ×4 / 10

Tp=8×Tpmin 、if vmax ×2 / 10 < v(t) ≦ vmax ×3 / 10

P(s)

C(s)

y

r

+

u

DIC

u

d

P(s)

C(s)

y

r

+

u

DIC

u

d

(8)

7

Tp=9×Tpmin 、if vmax ×1 / 10 < v(t) ≦ vmax ×2 / 10

Tp=10×Tpmin 、if 0 < v(t) ≦ vmax ×1 / 10 そして、一定振幅・離散時間パルス入力手法の振動制御への適応条件は、共振周波数n、 観測間隔Tm、パルス入力時間における最小間隔 Tpminの間の関係が(2.2)式を満たすことで ある。 1 / n≫ Tm ≫ Tpmin (2.2) 図2.3:離散値入力制御手法 ここでは、10 等分割のときと同様に固定小数型のディジタル制御での実装を考慮した。次 に、2nで一定振幅・離散時間入力手法を実現する場合について述べる。 図2.3 のような制御入力が与えられたとき、まず初めに設定した最大制御入力値umaxを 1/2nごとに分割・判別する。そして次に判別された値ごとにそれぞれ(2.3)式に示したよう にパルス入力の時間間隔Tpを決定する。ここでTpminはTpの最小値であり、ハードウェア 等の制約から決まる値である。

Tp=Tpmin 、if umax/ 2 < u(t) ≦ umax

Tp=2×Tpmin 、if umax/ 4 < u(t) ≦ umax / 2

Tp=4×Tpmin 、if umax/ 8 < u(t) ≦ umax / 4

T

pmin

2×T

pmin

U

max

U

max

/ 2

U

max

/ 4

U

max

/ 8

0

T

m

T

pmin

2×T

pmin

U

max

U

max

/ 2

U

max

/ 4

U

max

/ 8

0

T

m (2.3)

(9)

8 Tp=8×Tpmin 、if 0 < u(t) ≦ umax / 8 そして,位置制御に適応するときでも一定振幅・離散時間パルス入力手法は固定小数型の ディジタル制御可能であることが(2.3)式からわかる。 また、(2.3)式では最大制御入力値umaxが正の値のときのみを扱っているが、負のときも 同様に最大制御入力値umaxを分割・判別し、パルス入力の時間間隔Tpをそれぞれ決定する。 また、制御入力u(t)が 0 のときにはパルスを発生させない。

(10)

9

2.1.2

DIC

の実装

本節では 2.1.1 節で述べた一定振幅・離散時間パルス入力手法(DIC )を位置制御に適 用した原理をMATLAB でのシミュレーション及び、VisualC++による実行プログラムを使 った実験検証するための構築方法について述べる。 図2.4,2.5 は MATLAB でシミュレーションする際の 10 等分割と 25分割でのDICの設計 について示したモデルである。次に図2.4 と 2.5 のブロック線図について述べる。 2.1.1 節で述べた原理を MATLAB の S-function の機能を使い C 言語によりプログラムを コーディングした。 10 等分割の場合は S-function への入力は 12、出力は 2 つある。25分割の場合はS-function への入力は18、出力は 2 つある。入力の1つ目は制御器からの制御入力u(t)、2つ目はパ ルスジェネレータの出力、3つ目の入力はS-function の出力ud(t)の 1 つ前の出力ud(t -1)、 4つ目の入力以降は3つ目と同様にそれぞれ1 つ前の出力を S-function の入力としている。 ここではパルスジェネレータから出力されるパルス間隔を観測間隔Tmの代わりに使用して いる。 実験では、VisualC++の MFC によるダイアログベースの実行プログラムに、C 言語を用 いて2.1.1 節で述べた原理道理に従いコーディングした。

(11)

10 1 u(t) z 1 Unit Delay8 z 1 Unit Delay7 z 1 Unit Delay6 z 1 Unit Delay5 z 1 Unit Delay4 z 1 Unit Delay3 z 1 Unit Delay2 z 1 Unit Delay10 z 1 Unit Delay1 z 1 Unit Delay pmt_pwm0_88 S-Function4 Discrete Pulse Generator Demux 1 v(t) 図2.4:DICブロック線図(10 等分割)

(12)

11 図2.5:DICブロック線図(2n分割) 1 ud(t) z 1 Unit Delay9 z 1 Unit Delay8 z 1 Unit Delay7 z 1 Unit Delay6 z 1 Unit Delay5 z 1 Unit Delay4 z 1 Unit Delay3 z 1 Unit Delay2 z 1 Unit Delay15 z 1 Unit Delay14 z 1 Unit Delay13 z 1 Unit Delay12 z 1 Unit Delay11 z 1 Unit Delay10 z 1 Unit Delay1 z 1 Unit Delay Dic2n_10 S-Function4 Discrete Pulse Generator Demux 1 u(t)

(13)

12

2.2 圧電リニアアクチュエータ( SPIDER )駆動

精密ステ-ジシステム

2.2.1 SPIDER 駆動ステージの概要

昨今の急速な半導体製造技術の革新によって、製造プロセスの表記もμm(マイクロメー トル)からnm(ナノメートル)に移行している。シリコンウェハに回路パターンを作り上 げる際には、光を用いてガラス板上に描かれた回路パターンをシリコンウェハ上に転写す る必要があるが、その際用いる光の波長が十分に短くないと、細かな回路パターンを転写 できない。しかし、露光装置分野では現在主流であるArF エキシマレーザが光源として用 いられており、ナノ領域での LSI 加工には不十分である。そこで注目されているのが電子 ビームを用いて、回路パターンをウェハ上に描画していく電子線(EB)露光装置である。 一方ステージ開発の分野では精密ステージ用アクチュエータとして、リードスクリュー 型ステッピングモータ、磁気型リニアモータ、リニア超音波モータの3 種類が主流となっ ている。リードスクリュー型ステッピングモータは、構造及び制御が簡単で、低コストで あるがステップ角に起因した分解能制限やトルクリップルがあり、高精度化には補助アク チュエータなどを用いなければならない。また、変換機構を持たないダイレクトドライブ 型のリニアモータは高速、高応答、非接触でクリーンであることから現在の主流となって いるが、次世代 EB 露光においては磁気シールドや冷却装置、真空雰囲気などを考慮した対 応が不可欠である。これに対して、リニア超音波モータは、非磁性、低発熱かつ高剛性と いう特徴を持つが、共振利用に起因した無駄時間や精度劣化、摩擦駆動に起因した摩耗と いう問題がある。 このような背景のもと、本研究に用いた実験装置の構成図を図2.6 に示す。ホスト PC か ら送られた入力指令はPCI スロットに装着したパラレル IO カードを利用して、サーボイン ターフェスユニット(モーションコントローラ)、アンプを通してSPIDER に送信される。 ここのアンプにおいて入力指令電圧は130/10 倍(以下 13 倍)されて送られる。また、エ ンコーダ及びリミットセンサよりステージの位置情報ストロークリミット情報が読み込ま れ、ホストPC に送られる。ホスト PC には OS として Windows98 を搭載した PC を用い、 VisualC++により実行プログラムを作成している。I/F カードには Interface Corporation 製

16/16bitI/O PCI ボード PCI-2735 を使用している。圧電素子を使用しているアクチュエー タを含むステージシステムは熊本テクノロジー、太平洋セメント社らの共同研究により開 発された。

(14)

13 するためにリニアエンコーダがステージ稼動部の下面に取り付けてある。リニアエンコー ダはミツトヨ製で計測分解能は電気分割ユニットのスイッチ切り替えにより、最小 10nm となっている。制御入力となる圧電素子への最大印加電圧は±130V である。駆動周波数は 1kHz~60kHz まで設定変更が可能であり、ステージストロークは 4 インチウェハ対応の約 100mm となっている。ステージの仕様を表 2.1 に示し、また圧電素子の性能表を表 2.2 に 示す。また、圧電素子の静的な発生力は最大伸縮素子発生力660N(4脚同時)となる。予 圧力が50N、摺動面の摩擦力が 15N であることから足の運動に十分な駆動力が得られてい る。また、ガイドプレートの平均表面粗さが約 0.2μm であることから、伸縮方向に 39V のオフセット電圧を印加することで表面粗さの影響を軽減している。 図2.6:ハードウェア構成図 図 2.7:精密ステージ

Linear encoder

Linear

guide

Limit

sensor

SPIDER

Stage

Scale

PC

Motion controller

with servo system

control input

position

signal

operator

limit

signal

Guide

Plate

(15)

14 図2.8:アクチュエータ部拡大図 表2.1:ステージの仕様 可動部質量 1kg 駆動周波数設定 1~60kHz 最大推力 13N 最大印加電圧 ±130V ストローク 100mm 位置分解能 100nm 表2.2:アクチュエータ(SPIDER)の仕様 材質 PB(Zr,Ti)O3 密度 7.8×103kg/m3 伸縮率 660×10-12m/V 剪断率 1010×10-12m/V 積層枚数 4(伸縮)×4(剪断)

preload mechanism

20mm

piezoelectric actuator

preload mechanism

20mm

piezoelectric actuator

(16)

15

2.2.2 SPIDER 駆動ステージの動作原理

本研究で用いているステージ駆動用のアクチュエータ(SPIDER)は圧電素子の積層化に よって構成されている。この圧電素子に関しては二つの効果を得ることができる。一つは 素子の変形によって電圧の発生する圧電効果, もう一つが電圧を印加することにより素子 が変形する逆圧電効果である。本アクチュエータではこの逆圧電効果を利用している。圧 電素子に分極と同じ方向の電圧を印加すると縦に伸び横に縮む。また, 分極と異なる方向 の電圧を印加すると, 縦に伸び横に縮む。この二つの動作を組み合わせることでステージ を送り出すというものである。本アクチュエータはこの性質を利用し、図 2.9 のように剪 断・伸縮を組み合わせ、連続的に動作させることにより円運動を行うことが可能となる。 図2.10 には、アクチュエータが v=rωで円運動している様子を示しておく。 次に、圧電素子を利用したSPIDER の 1 脚分および、その円運動の動作ループを図 2.11 に示す。アクチュエータの脚は剪断方向4 層と伸縮方向 4 層の計 8 層により構成されてい る。伸縮方向に電圧を印加するとアクチュエータは上下に伸縮し剪断方向に電圧を印加す ると左右方向に剪断する。その脚を二本対とし、交互に円運動させ図2.12 のような動作ル ープを繰り返すことでそれに接するステージの連続移動を行っている。 図2.9:圧電素子の拡大図

(17)

16 図2.10:アクチュエータの円運動 図 2.11:SPIDER の脚の動作順序 図 2.12:ステージの送り順序

r

v

ω

SPIDER

Slide plate

r

v

ω

SPIDER

Slide plate

Stack A Stack B S e que nc e Stage surface

Stage feed direction

Sequence: Applied voltage for shear motion Applied voltage for expand motion

0 1 2 3 4 5 6 7 0 4 Sequence 0 1 2 3 5 6 7

Stage feed direction

Stack A Stack B S e que nc e Stage surface

Stage feed direction

Stack A Stack B S e que nc e Stage surface

Stage feed direction Stage feed direction

Sequence: Applied voltage for shear motion Applied voltage for expand motion

0 1 2 3 4 5 6 7 0 4 Sequence 0 1 2 3 5 6 7

Stage feed direction Sequence:

Applied voltage for shear motion Applied voltage for expand motion

0 1 2 3 4 5 6 7 0

Sequence: Applied voltage for shear motion Applied voltage for expand motion

0 1 2 3 4 5 6 7 0 4 Sequence 0 1 2 3 5 6 7

Stage feed direction

4 Sequence 0 1 2 3 5 6 7

(18)

17

)

45

.

257

(

9

.

1498

113699

.

1

s

s

P

2.3 シミュレーション結果

2.3.1 空間分解能 10 等分割での

DIC

シミュレーション

本節では、提案手法をフィドーバーク制御系に応用する。SPIDER 駆動精密ステージの位 置決め制御系に一定振幅・離散パルス入力手法(DIC )を適用させ、参照システムのみと DIC10 等分割を付加した制御システムときの制御入力と検出出力(位置)についてシミュ レーションによる比較・検討する。 ここで制御対象のモデルは、実機である SPIDER 駆動精密ステージをシステム同定する ことにより得た以下の 2 次系モデルを使用する。 シミュレーション条件としては、制御帯域c=100 Hz、観測周期Tmを5 ms、入力パル ス時間間隔Tpminの最小値を観測周期Tmの10 分の 1、つまり、0.5ms をとし、そして最大 制御入力値umaxを10 とした。また、DICからの出力は3、0、-3 の 3 値とした。 ここでは、DICの位置制御への有効性を示すことに着目し、まずは最大制御入力値umax を10 等分に分割し適用を行った。目標値r =0.05 mm に対する時間応答波形及び、制御入 力の応答についてのシミュレーション結果を図2.13 に示す。また、そのときの参照システ ム及び、提案手法両方のオーバーシュートと整定時間を表2.3 に示す。 表2.3:オーバーシュートと整定時間

Overshoot[%] Settling time[s]

continuous

5

0.015

DIC10 等分割

0.4

0.033

図 2.13(a)で点線が目標値信号、一点鎖線が参照システムの連続時間制御による位置決 め制御、そして実線が本論文で提案しているDICを用いた位置決め制御の応答結果である。 図 2.13(a)より、理想としている参照システムによる位置決め制御の結果と、DIC を用 いた位置決め制御の結果を比較したとき、提案手法では位置決めにかかる時間が若干遅く なるが、位置決め制御は可能であることが確認できる。 (2.4)

(19)

18 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference continuous discrete(DIC 10等分割) 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous discrete(DIC 10等分割) 一方、図2.13(b)は一点鎖線が参照システムの位置決め制御を行った際の制御入力の値、 実線が DIC を用いた位置決め制御を行った際のパルスによる制御入力の結果である。図 2.13(b)を見てみると、定常状態において参照システムの制御入力の値は 0 となっている が、提案手法を用いた方では制御入力が出続けてしまっていることが確認できる。このこ とから提案手法でも目標値に収束するが、定常状態においては少し振動状態になっている。 そこで、定常状態における振動を分かりやすいため、図2.13(a)の定常状態を拡大した ものを図2.14 に示す。図 2.14 から、一点鎖線で表わした参照システムの応答に比べ、実線 で表わした提案手法を用いた位置決めの応答の方は、目標値付近で若干振動していること が明確にわかる。 (a)Position (b)Control Input 図2.13:シミュレーション結果(DIC 10 等分割)

(20)

19 0.12 0.125 0.13 0.135 0.14 0.145 0.15 0.155 0.16 0.045 0.046 0.047 0.048 0.049 0.05 0.051 0.052 0.053 0.054 0.055

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference continuous discrete(DIC 10等分割) 図2.14:定常状態における振動の様子

(21)

20

2.3.2 定常時の振動を考慮した

DIC

シミュレーション

前節で述べたように、提案手法を用いた位置決め制御では、定常状態において整定はし ているが目標値付近で若干振動が出てしまうという問題があった。そこで本節では、定常 時における目標値付近の振動を考慮した提案手法の制御入力と検出出力(位置)について シミュレーションを行う。 振動をなくす方法としては、フィルタを使った方法や出力の移動平均を取って出力を鈍 らせるムービングアベレージ法(MA:Moving Average)等が挙げられるが、本論文では 提案手法の原理の拡張を考慮し、位置決めが出来たら制御入力を 0 にするという方法を使 用する。 2.1.1 節の原理で述べた(2.3)式を例にすると、図 2.14 の振動の原因としては制御入力が 0 のときパルスを出力しないという判定にならず、制御入力の判定が 0 < u(t) ≦ umax / 8 のときを繰り返してしまっていることが原因である。そこで制御入力を 0 にする条件とし て、制御入力の判定が0 < u(t) ≦ umax / 8、つまり出力するパルス間隔(Tp=8×Tpmin) が最大となっている状態が繰り返される場合、位置決めが出来ていると判断し、制御入力 を 0 にするというコードを追加する。尚、実行プログラム内で書いたプログラムの詳細に ついては付録の方に載せておく。 図2.15 は定常時の振動を考慮したDICのシミュレーションの結果である。図中には参照 システムの連続時間制御による応答波形も重ねて示す。尚、使用する制御対象のモデルや シミュレーション条件は2.3.1 節と同様である。 図2.15(a)より、振動を考慮したDIC では目標値付近での振動がなくなっていること が確認できる。そして、同図(b)からも位置決めが出来た後、パルスを出力していないこ とが確認できる。また、オーバーシュートと整定時間は表2.3 と同様な結果となっており、 以上のことから提案手法を位置決め制御に適用する際は、定常時における目標値付近の振 動を考慮したプログラムを用いた方が良いことがわかる。

(22)

21 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference continuous discrete(DIC 10等分割) 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous discrete(DIC 10等分割) (a)Position (b)Control Input 図 2.15:振動を考慮したシミュレーション結果(DIC 10 等分割)

(23)

22

2.3.3 空間分解能 2

分割での

DIC

シミュレーション

前節は、振幅条件を10 等分割にするとき提案手法の有効性を検証したが、本節では、参 照システムのみのときと固定小数演算を考慮し、提案手法を振幅条件2n分割方で制御入力 と検出出力(位置)についてシミュレーションによる比較・検討する。 制御対象のモデルは、実機である SPIDER 駆動精密ステージを考慮し、2.3.1 節の(2.4)式 の2 次系モデルを同じにする。 シミュレーション条件としては、制御帯域c=100 Hz、観測周期Tmを8 ms、入力パル ス時間間隔の最小値Tpminを0.5 ms、最大制御入力値umaxを10、分割条件は 25とした。 また、DICからの出力は3、0、-3 の 3 値とした。そして、ここでは前節で述べた目標値付 近での振動を考慮した提案手法を利用する。 目標値r =0.05 mm に対する時間応答波形及び、制御入力の応答についてのシミュレーシ ョン結果を図2.16 に示す。また、そのときの参照システム及び、提案手法両方のオーバー シュートと整定時間を表2.4 に示す。 表2.4:オーバーシュートと整定時間

Overshoot[%] Settling time[s]

continuous

5

0.015

DIC2

5

分割

0.3

0.02

図 2.16(a)で点線が目標値信号、一点鎖線が参照システムの連続時間制御による位置決 め制御、そして実線が目標値付近の振動を考慮した振幅条件が 25分割のときの DIC を用い た位置決め制御の応答である。図 2.16(a)より、振幅条件が 10 等分割のときと同様に、 目標とする参照システムによる位置決め制御の結果と、DIC を用いた位置決め制御の結果 を比較したとき、提案手法では位置決めにかかる時間が若干遅くなるが、位置決め制御は 可能であることが確認できる。 また、図2.16(b)は一点鎖線が参照システムの位置決め制御を行った際の制御入力の値、 実線が振幅条件25分割のときの DIC での位置決め制御を行った際に生じたパルスによる制 御入力の結果である。図 2.16(b)からも、制御入力がパルスで出力される提案手法でも位 置決め制御が可能であることが確認できる。

(24)

23 (a)Position (b)Control Input 図2.16:シミュレーション結果(DIC 25分割) 次に、2.3.2 節で示した空間分解能が 10 等分割での提案手法と、本節で示した空間分解 能が25分割での提案手法それぞれの制御入力と検出出力(位置)について比較したものを 図2.17 に示す。図中には再び参照システムによる時間応答も重ねて示す。 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

disctete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

disctete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

pu

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

pu

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 2

5

分割)

(25)

24 (a)Position (b)Control Input 図2.17:空間分解能 10 等分割と 25分割の比較 図2.17(a)で点線が目標値信号、一点鎖線が参照システムの連続時間制御による位置決 め制御、破線が振幅条件10 等分割のときのDIC を用いた位置決め制御、そして実線が振 幅条件25分割のときのDICを用いた位置決め制御の応答である。図2.17(a)より、振幅 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

(26)

25

条件が10 等分割のときと、25分割のときを比較すると、ほぼ同様な位置決めることが確認

できる。また、それぞれのオーバーシュートと整定時間について示した表2.5 に示す。

表2.5:オーバーシュートと整定時間

Overshoot[%] Settling time[s]

continuous

5

0.015

DIC10 等分割

0.4

0.033

DIC2

5

分割

0.3

0.02

表2.5 をみると、提案手法の振幅条件が 10 等分割のときと、25分割のときとでオーバー シュート、整定時間ほぼ同じになっている。表 2.5 の値から、振幅条件が 10 等分割と 25 分割は同様に位置決め制御ができることが顕著に確認できる。 一方、図 2.17(b)は一点鎖線が参照システムの位置決め制御を行った際の制御入力の値、 破線が振幅条件 10 等分割のときの提案手法での位置決め制御を行った際のパルスによる制 御入力、実線が振幅条件 25 分割のときの提案手法での位置決め制御を行った際のパルスに よる制御入力の結果である。図 2.17(b)をみると、振幅条件が 25 分割の方が、振幅条件が 10 等分割に比べ、パルス(制御入力)を出力し終わる時間が早いことが確認できる。これ は、25 分割の方が早く位置決め制御できていることを示している。振幅条件を 10 等分割の ような等分割より、振幅条件が 25 分割のような 2 倍、1/2 倍という固定小数演算を考慮した 方が良い結果となっている原因としては、出力するパルス幅を決定する判定条件が大きな 要因だと考えられる。 10 等分割のような制御入力の最大値を等分割で分割する判定条件は、2.1.1 節の(2.1)式の v(t)が u(t)に、vmaxが umaxになったものである。また、2

5 分割のような固定小数演算を考慮 した提案手法の判定条件は、2.1.1 節の(2.3)式である。これら両方の式を比較すると、(2.3) 式のような等分割より、2n 分割の方が最小のパルス幅を出力する判定の範囲が広くとれる めであると考えられる。また、今回の場合では特に振幅条件 10 等分割より、2n 分割の方が 最大のパルス幅を出力する判定の範囲が狭くなるからという理由も考えられる。ここで等 分割の振幅条件のとき分割条件を更に細かくすれば、最大のパルス幅を出力する判定の範 囲は 2n 分割と同様に狭くなることは明らかである。しかし、分割条件を 10 等分割から 20 等分割にする場合、シミュレーションでは設計が更に細かく、プログラムの量もその分増 えるため良策であるとは言えない。

(27)

26

以上のことから、判定条件では振幅条件 2n分割の方が、等分割より制御する際は難しい と考えてきたが、図 2.17 のシミュレーションを見る限り振幅条件 2n分割の提案手法を用い た位置決め制御の方が良いことがわかった。

(28)

27

2.4 実験結果

本節では、SPIDER 駆動ステージで実験検証するに当たって考慮することが必要な摩擦 の影響から起こる“スティックスリップ現象”や、その改善方法について述べる。 そして、前節から述べてきた提案手法を実際にリニアモータ駆動の精密ステージに対し、 擬似的に制御入力に制約条件下で、提案手法の有効性を検証する。

2.4.1 スティックスリップ現象

スティックスリップ現象とは、 摩擦の速度負勾配特性の影響によって精密ステージの位 置が目標値近傍で振動する現象である。ここで図2.18 においてステージにおける摩擦の速 度負勾配特性示す。 スティックスリップ現象の発生プロセスは以下の通りである。 1. 摩擦の影響によりステージが目標値に到達せずに静止する。 2. 積分(I)制御器の積分動作により、制御入力が徐々に増大する。 3. 制御入力が静止摩擦力を上回るとステージは動き出すが、動作に伴い動摩擦が減 少し、必要以上の力が印加され目標値を超えてしまう。 4. この動作が正方向、負方向に繰り返されることでステージの位置が目標値近傍で 振動する。 実際に SPIDER 駆動精密ステージを用い PID 制御(制御帯域幅 50 Hz、サンプリング時間 0.5 ms、目標値 0 mm)により位置決め制御実験を行った時のスティックスリップ現象発生 時の制御入力及び位置出力波形を図2.19 に示す。 このように、 スティックスリップ現象は摩擦力の影響によるところが大きいため、 摩 擦駆動を駆動原理とする精密ステージにおいては、 このスティックスリップ現象を回避す ることが重要課題となる。

(29)

28 図2.18:SPIDER 駆動ステージの摩擦の速度負勾配特性 図2.19:スティックスリップ現象 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -0.02 -0.015 -0.01 -0.005 0 0.005 Time [s] R ef er en ce an d Po si tio n[ m m ] :Reference :Position data 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -2 -1 0 1 2 3 4 5 Time [s] Co nt ro l I np ut [V ] :Control Input -30 -20 -10 0 10 20 30 -6 -4 -2 0 2 4 6

Steady-state Velocity [mm/s]

F

ri

ct

io

n

u[

V

]

(30)

29

2.4.2 摩擦補償法

スティックスリップ現象を防ぎ、 整定時間の短縮を図るため、 PID 制御系に bang-bang 制御に基づく摩擦補償法を導入した。bang-bang 制御とは、 ステージが摩擦の影響によって 静止してしまった際、 事前に同定した静止摩擦力相当の補償電圧 { Fsp, Fsn} をフィードフ ォワード的に加えることで摩擦によるステージの静止を防ぐというものである。ここで Fsp は正方向補償電圧、Fsn は負方向補償電圧である。bang-bang 制御つき制御系のブロック図 を図2.20 に示す。 bang-bang 制御を用いて目標値 0.05mmのステップ位置指令を加えた時の実験結果を図 2.21 に示す。図でわかるように bang-bang 制御により補償電圧が制御入力に加算されること によりステージが動きだすため、PID 制御のみの場合と比べて目標値への追従が若干早くな っていることが確認できる。 また、提案手法にbang-bang 制御を追加したブロック図を図 2.22 に示す。 図2.20:bang-bang 制御つき制御系のブロック図

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

( x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

( x )

Fsn ( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

i

s

k

i

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

( x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

Fsn

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

Controller

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

( x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

( x )

Fsn ( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

i

s

k

i

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

( x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

Fsn

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

Controller

pos_ref

(31)

30 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 Time [s] P o si ti o n [ m m ] reference PID PID+bang-bang 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10 Time [s] C o n tr o l In p u t [V ] PID PID+bang-bang

(a)Position (b)Control Input 図2.21:bang-bang 制御 図2.22:DIC+bang-bang 制御

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

(x )

Fsn(x)

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

i

s

k

i

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

Fsn

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

Controller

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

(x )

Fsn(x)

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

i

s

k

i

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

Fsn

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

Controller

pos_ref

DIC

NRUSM

position

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

(x )

Fsn(x)

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

i

s

k

i

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

Fsn

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

Controller

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

(x )

Fsn(x)

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

i

s

k

i

pos_ref

position

NRUSM

bang-bang compensation

error

F

sp

(x )

F

sn

( x )

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

s

k

i

s

k

i

SPIDER

error

F

sp

Fsn

pos err

< vel =0>

d

dt

vel

Controller

pos_ref

DIC

(32)

31

2.4.3 摩擦補償を考慮した

DIC

制御法

本節では、2.3 節で述べてきた提案手法について、リニアモータ駆動の精密ステージを用 いて実験し、提案手法の位置決め制御への応用の有効性を検証する。 実験としては、リニアモータ駆動の精密ステージに対し、擬似的に制御入力に制約条件 を課し行う。また、実験はVisualC++の MFC によるダイアログベースの実行プログラムに より動作させる。実験用に作成したダイアログを図2.23 に示す。図 2.23 のダイアログは、 提案手法(DIC )をプログラム上でON/OFF 変更することなくダイアログ上で変更でき、 後 述 す る変 調 器 を フ ィ ー ド バ ッ ク 変 調 器 に 応 用 し た 制 御 手 法 (FBM:Feedback Modulators)もダイアログ上で簡単にON/OFF 変更することが可能となっており、実験を する際ユーザーに使い易い用にプログラムを作成してある。尚、プログラムの詳細につい ては付録の方に載せておく。 図2.23:実行プログラム

(33)

32 ・振幅条件10 等分割での提案手法 まず、2.3.2 節で述べたDIC10 等分割にした提案手法について実験を検証する。 目標値r =0.05 mm に対する時間応答波形及び、制御入力の応答についての実験結果を 2.24 に示す。また、そのときの参照システム及び、提案手法両方のオーバーシュートと整 定時間を表2.6 に示す。実験条件は、2.3.2 節のシミュレーション条件と同様である。 表2.6:オーバーシュートと整定時間

Overshoot[%] Settling time[s]

continuous

2.6

0.009

DIC10 等分割

20.4

0.113

図2.24(a)は図 2.15(a)のシミュレーション結果と同様に、点線が目標値信号、一点 鎖線がDIC なし参照システムの位置決め制御の結果、そして実線が振幅条件を10 等分割 にした位置決め制御の結果となっている。また、図2.24(b)も図 2.15(b)のシミュレー ション結果と同様に制御入力を示す、点線が参照システムの位置決め制御を行った際の制 御入力の値、実線が振幅条件10 等分割のときの提案手法での位置決め制御を行った際のパ ルスによる制御入力の結果となっている。 図2.24(a)より、提案手法は 2.3.2 節の図 2.15(a)のシミュレーション結果と比較し たとき、オーバーシュートが増大し、整定時間も遅くなっていることがわかる。これはア クチュエータのステージ駆動摩擦力の影響が参照システムに比べ大きいからである。また、 図2.24(b)をみてみると、提案手法を用いた位置決め制御では、理想とする参照システム による位置決め制御とは違い、制御入力をパルス状にしているため、今回の場合で言えば 制御入力を0 から 3、または 0 から-3 のようにステージの静止摩擦の影響をより受けやす いことがわかる。このため、表2.6 の値をみてオーバーシュートが増大し、整定時間が遅れ てしまったことがわかる。 以上のことから、提案手法を用いた位置決め制御は、ステージの駆動摩擦力の影響をよ り顕著に受けるためオーバーシュートが発生し、整定が遅れてしまうが、一定振幅かつ離 散値パルス入力という厳しい時間・空間分解能制約があるときでも、提案手法は位置決め 制御が可能であることが実験により確認できた。

(34)

33 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

discrete(DIC 10等分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 10等分割)

(a)Position (b)Control Input 図2.24:実験結果(DIC 10 等分割)

(35)

34 ・振幅条件25分割での提案手法 次に、2.3.3 節で述べた振幅条件を 25分割にした提案手法について実験検証する。 目標値r =0.05 mm に対する時間応答波形及び、制御入力の応答についての実験結果を図 2.25 に示す。また、そのときの参照システム及び、提案手法両方のオーバーシュートと整 定時間を表2.7 に示す。実験条件は、2.3.3 節のシミュレーション条件と同様である。 表2.7:オーバーシュートと整定時間

Overshoot[%] Settling time[s]

continuous

2.6

0.009

DIC2

5

等分割

14.6

0.066

図2.25(a)は図 2.16(a)のシミュレーション結果と同様に、点線が目標値信号、一点 鎖線が参照システムの位置決め制御の結果、そして実線が振幅条件を25分割にしたときの 提案手法の位置決め制御の結果となっている。また、図2.25(b)も図 2.16(b)のシミュ レーション結果と同様に、一点鎖線が参照システムの位置決め制御を行った際の制御入力 の値、実線が振幅条件25分割のときの提案手法での位置決め制御を行った際のパルスによ る制御入力の結果となっている。 図2.25(a)より、提案手法は 2.3.3 節の図 2.16(a)のシミュレーション結果と比較す ると、オーバーシュートが増大しているが、これは振幅条件が10 等分割のときと同様にス テージ駆動静止摩擦力の影響が考えられる。 また、図2.25(b)から提案手法の位置決め制御において、制御入力がパルス状に出力さ れていることが確認できる。以上のことから、振幅条件が25分割の場合でも提案手法はシ ミュレーションと同様に位置決め制御が可能であることが実験により確認できた。

(36)

35 (a)Position (b)Control Input 図2.25:実験結果(DIC 25分割) 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

s

iti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

s

iti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 2

5

分割)

(37)

36 ・振幅条件10 等分割と 25分割の比較 最後に2.3.3 節でも述べた振幅条件を 10 等分割にしたときと、25分割にしたときの提案 手法についての実験結果について比較検証する。 目標値r =0.05 mm に対する時間応答波形及び、制御入力の応答についての実験結果を図 2.26 に示す。また、そのときの参照システム及び、提案手法両方のオーバーシュートと整 定時間を表2.8 に示す。実験条件は、それぞれ 2.3.2 節、2.3.3 節のシミュレーション条件 と同様である。 表2.8:オーバーシュートと整定時間

Overshoot[%] Settling time[s]

continuous

2.6

0.009

DIC10 等分割

20.4

0.113

DIC2

5

分割

14.6

0.066

図2.26 や、表 2.8 を見てもわかるように、シミュレーション結果と同様に、振幅条件が 10 等分割のときより、25分割のときの方が優れていることが実験により確認できた。この 結果は、2.3.3 節で述べたように判定条件の違いが1つの要因であると考えられる。しかし、 実験結果を見ると、シミュレーション結果より顕著に差が見えることがわかる。これは、 振幅条件25分割の方が10 等分割のときに比べ、ステージ駆動静止摩擦力の影響が小さくな るためであると考えられる。振幅条件25分割では位置決め制御を行う際、判定条件の都合 上、最初にパルスを多く出力するため、ステージ駆動摩擦力が参照システムのときと似て、 動摩擦による影響を受け、静止摩擦の影響が10 等分割に比べ小さくなるのだと考えられる。

(38)

37 (a)Position (b)Control Input 図2.26:空間分解能 10 等分割と 25分割の比較 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

Time [s]

P

o

si

ti

o

n

[

m

m

]

reference

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 -5 0 5 10

Time [s]

C

o

n

tr

o

l

In

p

u

t

[V

]

continuous

discrete(DIC 10等分割)

discrete(DIC 2

5

分割)

(39)

38

第三章 一定振幅・離散時間入力の2自由度

制御への導入

3.1 2 自由度制御系

図3.1 に示す制御対象 とフィードバック制御器 からなる制御系では、目標値r から制御量yまでの目標値応答特性 と外乱dからyまでの外乱応答特性 は、 それぞれ次式の伝達関数で表される。 (3.1) (3.2) ここで、簡単な計算より (3.3) となることがわかる。これは の特性を により決定した場合、 の特性もこ の関係から一意に決まってしまう。逆もまた同様で, の特性を により決定した 場合, の特性も一意に決まってしまうことを意味する。したがって、2 つの特性に対 する要求性能を同一の C(s)で達成しなくてはならない。具体的には、外乱応答特性を改善 するためには制御帯域を広帯域化したいが、そうすると目標値応答特性のオーバーシュー トが増大したり、振動したりする。これは外部から2 つの入力rとdがあるにも関わらず, という一つの偏差情報のみで C(s)の制御演算が行われ、制御対象を駆動す ることに起因する。以上の結果より、最終的な特性の決定には両者のトレードオフが必要 となる。このような単一のフィードバック制御器 C(s)による制御系を 1 自由度制御系(one degree-of-freedom control system)とよぶ。

図 3.1:フィードバック制御系(1自由度制御系)

)

(s

P

C

(s

)

)

(s

G

yr

G

yd

(s

)

)

(

)

(

)

(

1

)

(

)

(

)

(

)

(

s

G

s

P

s

C

s

P

s

C

s

r

s

y

yr

)

(

)

(

)

(

1

)

(

)

(

)

(

s

G

s

P

s

C

s

P

s

d

s

y

yd

1

)

(

)

(

)

(

s

P

s

G

s

G

yr yd ) (s Gyr

C

(s

)

Gyd(s) ) (s Gyd

C

(s

)

) (s Gyr

)

)

(

(

r

P

s

d

e

r

y

)

(s

P

)

(s

C

d

表 2.5:オーバーシュートと整定時間
図 3.1:フィードバック制御系(1自由度制御系) )(sPC(s))(sGyr G yd (s )))(()(1)()()()(GssPsCsPsCsrsyyr))(()(1)()()(GssPsCsPsdsyyd)1())((sPssGGyryd)(sGyrC(s)Gyd(s))(sGydC(s))(sGyr))((rPsdery)(sP)(sCd
図 3.6 より実線が DIC なし、点線が DIC 10 等分割、一点鎖線が DIC 2 5 分割である。図
図 3.7 に破線が DIC なし、点線が DIC 10 等分割、一点鎖線が DIC 2 5 分割である。図 3.7 や、表 3.3 を見てもわかるように、シミュレーション結果と同様に、振幅条件が 10 等分割 のときより、2 5 分割のときの方が優れていることが実験により確認できた。実験結果を見 ると、シミュレーション結果よりも顕著に差が現れていることがわかる。 DIC なし制御と DIC 2 5 分割の実験結果はシミュレーション結果よりオーバーシュートが大きいし、整定時 間も遅くなり。 DIC 10 等

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