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第四章 一定振幅・離散時間入力の

4.1 連続軌跡追従制御系

加速度軌跡を有する目標値への位置追従特性を改善する手法に連続軌跡追従制御系 (continuous-path tracking (CPT) control system)がある。図4.1にCPT制御系のブロック 線図を示す。図4.1 中,p,v,aはそれぞれ位置、速度、加速度であり、

p

r

, v

r

, a

rはその目 標値である。Kはサーボアンプの電圧指令などの操作量uからaまでの変換ゲインを表す。

また,kp,kvは位置および速度フィードバックゲインである。

図 4.1: 連続軌跡追従制御系

この制御系もprからuへのフィードフォワードパスを持ち、2自由度制御構造となってい る。このブロック線図より,以下の関係式がえられる。

d sv p1 

(4.1)

sa

v1 (4.2)

Ku

a

(4.3)

r r

p r

v a

p K p k v v k

u 1

) (

)

(    

 (4.4)

外乱dの特性については後述することとし、まずはd=0とする。これらの関係より

v K a

 

p

r

k

p

p

s 1 s

1 K

1 s

s

k

v

 

d v

r

a

r

u

51





    

v r p r ar

p K p k v v k s K

p 1

) (

) 1 (

2 (4.5)

r r

p v r

v p a

p s s

k v K s

k p K s

k v K s

k

p K2 2 2 2 12

 (4.6)

となる。ここで,vsp

v

r

sp

r

, a

r

s

2

p

rの関係を用いると

 

 

  

 

 

 1  

2

1

2

s k K s

k p K

s k K s

k

p K

v p r v p (4.7)

となる。すなわち

2 1

2

 

 

p v

p v

r r

r s Kk s Kk

k K s k K s a

a v

v p

p (4.8)

となり、全ての目標値

p

r

, v

r

, a

rに対して、その出力p,v,aは完全に一致することになる。

しかしながら、現実的には操作量uに対する加速度 aは比例の関係ではなく、高域で減衰 するような帯域幅を有する。したがって、全ての周波数で完全追従することは不可能であ る。

また、加速度フィードフォワードを用いない場合、さらに加速度とともに速度フィード フォワードも用いない場合の伝達特性は、それぞれ

p v

p v

r

s K k s K k

k K s k K p

p

2

(4.9)

p v

p

r

s K k s K k

k K p

p

 

2 (4.10)

となる。分子の次数が低くなり、もはや式(4.8)のように伝達ゲインが 1 とはならない。こ こで、分子の効果は位相進み補償の効果に他ならず、それが失われた結果、制御帯域が狭 帯域化し,目標値追従特性が劣化する。

次に外乱 dに対する影響ついて考える。外乱に対する伝達特性p/d は,式(4.1)から(4.4) の関係において、目標値を零(

p

r

v

r

a

r

 0

)とし

p v

v

k K s k K s

s k K s d

p

2 2 (4.11)

と導出できる。したがって,フィードフォワードの有無に依存しない。つまり,フィード バックゲインkp,kvの値のみにより決定される。ここで,外乱応答特性を改善するために、

例えば積分特性などの動特性を追加したい場合には、ゲインkpを動特性を持つ制御器C(s)

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とすればよく、この場合にも式(4.8)で示した目標値の伝達特性は1のままである。

53

4.2 一定振幅・離散時間パルス入力手法( DIC )による

連続軌跡追従制御系の実現

4.1 節で述べた連続軌跡追従(CPT)制御系の制御効果を一定振幅かつ離散のパルス入力に するために、図4.2のようなブロックを考える。図4.2は、図4.1に示される制約条件が存 在しない連続値入力システムに対し、制御入力uを一定振幅かつ離散値信号ud に変換する 変換器DICを導入したシステムである。

図 4.2: 一定振幅・離散時間パルス入力手法

ここでは、一定振幅・離散時間パルス入力手法(DIC)の概念図を図4.2に示した。今回 は加速度を省き、代わりに外乱オブザーバと速度提案した手法の有効性を検証する。ここ では、制御角周波数c=40 rad/s 、kv=30、フィルタ角周波数s =90rad/sとし、伝達関数を 式(4.12)に示す。Pnの伝達関数を式(4.13)に示す。ここで、k=1669.32である。DIC10等分 割とDIC2分割の実現方法はそれぞれに2.1節に説明されている。

2 ) 1 / ( ) 1

(  

s s

s

F

(4.12)

s2

Pnk (4.13) CTP制御系に外乱オブザーバを使っている。ここに外乱オブザーバについて説明する。

外乱オブザーバとは、制御入力と出力情報を用いて制御対象にかかる外力を推定し、そ れをフィードバックすることで外乱補償を行うものである。

外乱オブザーバのブロック図を図4.3(a)に示す。ここで外乱をd、制御対象の伝達関 数をP(s)とし、入力をiref、モデルの伝達関数をPn(s)、出力をyとすると

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y p i

d

ref

n1 (4.14) となるため、入力と制御対象の逆特性から外乱 d が計算で求められる。しかし、制御対 象に積分特性を含んでいる場合、位置の微分が必要となるため、その実現は難しく、仮 に可能であったとしても、高周波でハイゲインとなるため観測ノイズの影響を非常に受 けやすくなる。そこで次式に示しようにdに低域通過フィルタを通して得られる出力

d ˆ

推定値とする。また、nはF×Pn-1がプロパーになるように決定する。

s d d F

d n

i

d ( 1)

ˆ 1

 

(4.15) これを図示したのが図 4.3(b)である。この点線で囲まれた部分は、制御対象への入力 および出力から外乱を推定するため、外乱オブザーバ(disturbance observer)と呼ばれ る。このとき、外乱オブザーバの極は式(4.15)のローパスフィルタの極に相当するため、

フィルタの時定数をできるだけ小さくすることで遅れの少ない推定値を得ることができ る。しかし、実際にあまりに小さくしすぎると、観測ノイズや制御対象のモデル化誤差 などの影響を受け、正しい推定が行えなくなるため、その決定にトレードオフは避けら れない。本研究では、図4.3(b)の等価ブロック図として、図4.3(c)を用いてシミュ レーションを行う。

(a) (b) (c)

図4.3:外乱オブザーバのブロック線図

次に、外乱のないd=0の場合について考える。すると、式(4.15)は ) 0

1 (

ˆ 1 

 

d

d s F

d n

i

d

(4.16) となる。したがって、出力yは式(4.17)

ref

d n d

F i pp F

y P 1

1 

 (4.17) となる。ここで、Fd=1とできれば

yPniref (4.18) P

Pn-1

iref y

d +

+ 

d

P Pn-1

iref y

d +

+ 

d

y P

Pn-1 iref d

+

+ 

Fd dˆ

y

P Pn-1 iref d

+

+ 

Fd dˆ

y

P Pn-1 iref d

+

+ 

Fd dˆ

y

P Pn-1 iref d

+

+ 

Fd dˆ

P Pn

iref y

d +

+ 

Fd×Pn-1 dˆ

P Pn

iref y

d +

+ 

Fd×Pn-1 dˆ

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となり、入力信号 irefに対する制御対象は見掛け上、ノミナルモデル Pnの特性となる。

したがって、Fd =1となる周波数帯域に限り制御対象の特性をノミナルモデル化することが 可能である。

以上のように、制御対象のノミナルモデルとフィルタによる外乱オブザーバを実装する ことにより、F ≈1となるフィルタ帯域内で制御対象に加える外乱を抑圧し、見掛け上の制 御対象をノミナルモデルとみなすことができる。この二つの点が外乱オブザーバ補償の利 点である。

一定振幅・離散時間パルス入力手法(DIC)を位置制御に適用した原理をMATLABでの シミュレーション及び、VisualC++による実行プログラムを使った実験検証するための構築

方法は2.1.2節で説明している。

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