親と教師の性意識・性教育観について
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(2) . 親と教師の性意識・性教育観について. 片. 岡. 繁. 雄. 1, は じ め に. 近年, 開放化の一途をたどる性意識の変化に伴い, 「性」 の問題が深刻な ・社会問題として注目さ れるようになっ てきた. 特に青少年にみられる発育促進現象, さらにマスコミなどによる性情報の 氾濫が性の意識形成や性行動に大きな影響を与え, 性の悩みや不安を増大させ, 性的問題行動の若 年化, いわゆる 「性の混乱」 を生じさせているといわれている. これらは性教育の概念の混乱, 性 に関する価値観の多様性, 家族や社会の連帯性の欠除, 性教育の貧困さ, マスコミなどによる性情 報の商品化, さらに世界的な性の開放化など多くの要因が考えられる. これらの現実 に対して, 親 と して, 教 師 と して 無 関 心 で は い ら れ な い, な ぜ な ら 親 や 教 師 の も っ て い る 性 につ い て の 考 え 方 が,. わが子の (親にとっ て) , 児童生徒の (教師にとっ て) 性に関する価値観の形成や性的思考のモ デ ル に な る か ら で あ る.. わが国における性に関する調査研究は,197 1年日本性教育協会が総理府の委託をうけて行っ た「青 少年の性行動」 さらに 1 9 8 1 年同じく 「 青少年の性行動 」 −わが国の高校生・大学生に関する調査 , −がある. これらの調査研究は, わが国におけるはじめての全国規模の青少年の性に関するもの で あった, この中で 「 1970年代に顕在化した青少年の性意識と性行動の活発化, 低年令化を刺激, 促 進する社会・文化的諸要因は, 19 80年代を迎えた現在, さらに多様化, 複雑化しながら進行中であ )と 指 摘 して い る る」1 ,. 著者は先に多様化, 複雑化する青少年の性意識と性行動の実態を明らかにするために÷ 「中学生 2 3 } 「高校生 の性意識と性行動」 4 5 6 ) 「大学生の性意識と性行動−特に教員志 , ・ ’ の性意識と性行動」 , , 8 7 ) 望大学生について」, の調査研究を行っ た, この結果, 現代の青少年は性に関する価値観が未完成 であるにもかかわらず, 性的成熟は早期化し, 多様な性意識をもち, 多様で複雑な性行動をと づて いるという現実が明らかになっ た. そして早急に性教育の指導者を養成し, 指導体制, 指導内容, 方法などを明確にし, 「人間教育とt ての真の性教育」 を確立する必要性を指摘した 幻 性教育の担当者として, またわが子や児童生徒の性に関する教育の責任をもつものとしての親や 教師の性についての考え方が, わが子や児童生徒の性的価値観の形成や性的思考のモデルになるこ と, 「性教育においては, 日常生活の中で展開される教師や親の性に関する言動, 態度こそ強調さ 9 )と指摘されて はいるものの わが国における親や教師の性意識 性行動 れなければならない」 , , , とくに性教育観についての調査研究はきわめ て少ない現状である, 本研究は, わが子や児童生徒の性に関する価値形成, 性的思考, 性的態度などのモデルとなる親 と教師の性意識及び性教育観のちがいやその特徴を明らかにすることともに, 家庭及び学校におい て望ましい性教育を確立するための基礎資料を得ることを目的とする,. 149.
(3) . 片 岡. 繁 雄. 2. 研究方法 親については, 北海道 A 市における ・学校の父母780名に質問紙を配布し, 無記名, 自記法によ り473名 (回収率60 48名(回 ,6%)から回答を得た, うち無効回答25名(5 .3%)を除き, 有効回答は4 収率57 ,4%) であっ た. 教師について は, 同 じく北海道 A 市における現職小・中学校の教師948名 (小学校503名 中学 , 校445名) に同様な質問紙を配布し, 無記名・自記法により回答を得た, なお回収率は100%であっ た. し た が っ て 調 査 対 象 は, 親448名, 教 師948名 の1396名 で あ っ た, 調 査 内 容 に つ い て は, 愛 (Love) へ のイ メ ー ジ に つ い て, 性 (Sex) へ の イ メ ー ジ に つ い て ,. 処女童貞観について, 性道徳観について, 結婚観及び離婚観について, 男女交際に関する対応につ いて, 性に関するマスコミ観について, 性教育の必要性と指導経験 についてなどであった, 調査期間は, 親については昭和60年7月から8月 であり, 教師については, 小学校昭和58年4月 か ら 6月, 中学校昭和5 9年5月から7月ま でであっ た, なお親・教師の年代, 性別, 結婚形態につ い て は, 次 の と お り で あ る. ( )内% .. 年. 代. 性. 結. 別. 20∼30代. 40∼50代. 男. 女. 30L「. 147 ÷「. 184 ÷「. 264 ÷「. 形・ 態. 婚 恋. 〉. 愛. 見・ 合. い. 親. 親 N ;448. 教師. 6 ( 7 )※ .2. 32 ( )※ .8. 4 1 ( )※ .1. ( 58 )※ .9. ※ 305÷一. ※ 643÷」. ※ 753÷」. ※ 195÷ー. N =948. ( 32 ) ,2. 6 ) ( 7 .8. ( ) 79 .4. 注) 結婚形態のうち教師の独身者117名を除いた。 .. ( 20 ) .6. N =448. 教師 ・ 831 N−. 注). 300÷「. 148 ‐ ‐ 「. ( 67 ) ※ .0. ( 3 3 ) ※ .0. ( 4 7 ) .2. ( 52 ) ,8. ※ ※ 392÷ー. ※ ※ 439−」. ※※※ p<0. 005. 3, 結果と考察 1). 愛 (Love) へ の イ メ ー ジ につ い て. 愛 (Love) へ のイ メ ー ジ に つ い て は, 表 − 1 に 示 す と お り, 親 ・ 教 師 と も に 「思 い や り」 と し. たもの は, 802名 (57 ) であり, 次いで 「幸せ」 402名 (28 ,4% . .8%) 「結婚」 77名 (5 .5%) , 「そ コ の他 性, 何も感じないなど」115名 (8 .3%) であり, 「思いやり」 については教師が, 「結婚」 及 び 「幸せ」 については親 が有意に高率 であった, 年代別, 性別, 結婚形態別にみると, 「思いやり」 は20∼30代で女教師が, 「幸せ」 は20∼30代で 女親及 び変愛結婚 したものが, 「結婚」 は主として見合い結婚 した親を 除くすべての親がそれぞれ 有意の高率であっ た, なお 「その他」 は20∼30代で恋愛結婚した教師が有意に高率 であった, 「愛」 はそのあかしを明らかにすることもむずか しいし, また相手の愛を確かめること, さらに. 1 1 ) 相 手 の 愛 の 深 さ を 測 定 す る こ と も, き わ め て む ず か しい も の で あ る m} ,エ ー リ ッ ヒ . フ ロ ム は 「愛. の教育」 として性教育を考える 場合, 「愛の4つの要素」 つまり労苦, 責任, 尊敬, 理解をあげて いる, この中で 「理解」 ということについて, 成熟した愛が相手の願望 や要求に敏感であり, 相手 の 立 場 に立 っ て 考 え る こ と につ い て の 理 解 を 深 める こ と ができ ると して こ れ は本来親 に よって は ,. じめられるべきだが, 学校によってさらに発展させることができるとしている, 性教育に関する問 題のむ ずかしさは, 「愛とは何か」 という命題の中 でそれを明らかにすることができないことに多 150.
(4) . . 親と教師の性意識・性教育観について 表 −1 総. 別. 男. 20・30代. 40・50代. 男. n ;301. n =147. 齢. 年. 数. 愛 (Love) へ のイ メ ー ジについて 女′. 別. 総. 女. n =1279. n =448. のイメ」ジ ニ1396 nニ. ・ 264 n−. n =184. 802. 5 7 ) ( ,4. 教師 n=643. ニ305 nニ. コ948 n:. (5 2 ) ※ ,5. 誓ゴ. 77. (遇. 5 2 ( ) ,4. n=753. n;195. れ=831. ※. 教師. 10 8「 5 (3 )努 ,9. 十. れ=255÷」. ゐ 溢. 402. 2 8 ) ( ,8. 3 ( 2 )十 ,8. 375. 5 8 ) ( ,3. ( 63 ) ,0. ・ 147÷「 n−. 98. ) (…≦. ニ235 nニ. 3 ) (5 .3. ※. 192 一. 親 せ. 4 1 2. 443. (5 8 ) ,8 50. 7 (2 ) ,1. 一. 〆械. n=147. 一. , 檀,デ. ) (4 .2. 」 7. ) (2 ,3. ※ ※ 一 33. ) (5 .1. ※. 35 一. ) (4 ,6. (鶴 」 5. ) (2 ,6. 115. =392 h二. ニ439 nニ. 教師 n;86. ) (9 ,1. 159. 76. ( 5 1 ) ,4. ) ( 53 ,0. 258. 231. ) (5 8 .9. ( 5 8 ) ,8. 104 「 3 4 )十 ( ,7. 2 9 ( ) ,0. 親 2 ) (3 ,8. ※. 教師. 一. ニ230 れニ. , 0 7. (2 7 ) .7. ( 2 7 ) ,3. 43. 123. 2 8 ) ( ,0. n=37. ) (8 .3. 教師 n=41. ) (4 ,9. 2 2「. )十 (7 ,3. ※. 15一 ) (3 ,8. 15. 1 ( 0 ) ,1 26. ) (5 ,9. 親. 親. ◎3 r 1=29 そ の 他 (65 ,) ) (8 ,3. n =148. 親. 親 77. ニ300 nニ. 教師 ニ489 nニ. (5 8 ) ,8. (2 6 ) ,7. 19 18 「 18 「 7「 nコ3 「 婚 (83 ※ 十 9 8 ) ※ ( 1 2 9 ) 6 ) ( o ) ( , . ※ . . ※. (5 ) ,5. ( 52 ) ,5. 3 (6 ) ,6. 5 2. 203. ( 2 ) 7 ,0. ( 2 6 ) ,9. 結. =448 n;. 親. n−235÷「. ( 5 9 ) ,8. 幸. 結 婚 形態別 恋愛結婚 それ以外◎2. 教師◎1. 親 思 いやり. 数. 親. 親. 礼. ( ) 内は%. 17. 「. 12. ) )十 (8 (5 ,2 ,6 ※. 3 5. 一. ( 1 1 ) .4. 18. ) (9 ,8. 11. ) (4 .2. 二29 n:. ) (6 ,5. 1 5「. ※. 教師 51. ) (8 ,0. 72. ) (9 ,6. 14. ) (7 ,1. =71 nー. ) (8 ,6. 14. )十 (9 ) (5 ,5 ,0. 3 9. 一. 1 0 ) ( ,0. 32. ) (7 ,3. 0 05 0 1 0 ※※※ Pく0. 5 ※※ P<0, ※ P<0, ◎1 ;教師の総数 948名から独身者 117名を除いたものである。. ◎2;主として見合い結婚を示す。 ◎3;「性」「何も感じない」 その他・無回答を含む。 く の 問 題 を 生 じせ し め て いる と い え る.. しかし明確にしておかなけれ ばな らないことは, 「個人が愛をどのように考えているか」 を追求 2 )という点に注目しなければ する とき, 人間性の中で愛の問題と性の問題が大きなかかわりをもつ1 ならないことである, とくに性の交りは, 愛のあかしがあってはじめて人間の中で意味を獲得する という点である, もし愛のあかしがない性の交りであるなら, それはただ快楽を伴うだけで, 快楽 の対象としての異性との交りになり, 「人間性を無視した行為」 となるからである, 本研究において 「思いやり」 としたものが親・教師あわせて57 .4%であっ たことは, 約2人に1 人のものが,「思いやり=いたわり」 ということを 「愛」 の一部として説明しており, さらに 「幸せ」 を含めると86 ,2%であり, 性に関する指導をするものとして望ましいイメージである といえる,「思 1 3 ) いやり」 とは, 相手の立場に立っ て考え, 相手の感情を汲むこと (つまり共感的理解) であると するなら, 「思いやり=いたわり」 こそは, 人間の最も人間らしい愛の感情であるといえる. 「思い やり」 について教師が, 「幸せ」 「結婚」 について親が高率を示したことは, 教師は多くの児童生徒 151.
(5) . う. 片. 岡. 繁. 雄. を対象と, する教職性から対人的・相手意識のイメージをもつ傾向にあることを示し, 「思いやり= いたわり」 を 「愛のイメージ」 の中心にすえているのではないかと考えられる. 一方親は夫婦・家 族という立場から自己・自分意識のイメ ージをもつ傾向にあることを示し, 「愛のイメー ジ」 を夫 婦・家族・わが子の 「幸せ」 , 「結婚」 ということを中心にすえているのではないかと考えられる, 親と教師の ず愛 (Love) へのイメー ジ」 が, 世代により, 性別により, 結婚形態別に異なるこ とは, 性教育問題の根底の部分として, また性教育実施上のコンセンサスの問題として注目しなけ ればならない点であろう, 親は教師に比べて,「愛;結婚」というイメージを多くもっていることは, 特に興味深い. 2) 性 (Sex) へ のイ メ ー ジに つ い て. のイメージについては, 表−2に示すとおり, 親・教師ともに 「人間の本性」 とし 性 (Sex) へ● 表−2 総. 樵 のイメージ n;1396. 数. 年. 齢. 性 (Sex ) へのイメ ー ジに )い て 別. 男. 20・30代. 40・50代. nセ301. n=147. 男. 女. 総. =1279 n;. n=264. :448 れ=. 愛 323. (2 3 ) ,1. (2 5 ) .0. ニ305 nニ. 〈 1 3 n=6. n=753. n−195. 1 n=83. ( 22 ) .3. (2 5 ) ,9. 30. . 1 ( 6 ) ,3. ( 2 3 ) ,1. 82. n=112. 25 ( .の. 1 (3 ) ,1. 664. 7 ) (4 ,6. 遍鮒 廼』」 49 ) ( .9. (2 2 ) .6. (2 2 ) ,1. (2 ) 0 .6. n淋186. 56. (2 8 ) ,7. 2 (2 ) ,4. 大切なこと 247. 1 7 ( ) ・ .7. 2 ) ※ (2 .3 ※ 教師 ※ n=145÷」. ( 15 ) ,3. ( 4 1 ) ,5. 98. 66. (製● ) ,9. (5 3 ) .3. 191 , n−. 93. 42 ( ) ,6. (3 5 ) ,2. 162. 1 (1 ) .6. 389. 332. 46 ( ) .2. 5 1 ( ) .6. 1 (5 ) .7. 84. h=409. 43 ( ) .1. 49 ( ) .2. ( 12 ) ,5. 雪 2 . )麦 ( 一. 4 5. ( 14 ) ,8. 「. 34. (2 5 ) ※ (1 8 ) ,9 ,5 ※. 1 00 一 (1 5 ) ,6. 112. ( 14 ) ,9. 31. 0 ) (2 .9 87. 99. 19 ( ) ,8. (2 5 ) ,2. 61. 130. ( 4 1 ) ,2. ( 43 ) ,3. 68 「 (2 5 )十 ,8. ニ102 nニ. 190. 219. 48 ( ) .5. 9 (4 ) ,9. ※. 33一. ( 1 6 ) .9. (2 2 ) .8. (2 1 )十 ,3. 38 「 (2 5 )十 .7. 一. 一. 64 「. ※. 教師 ;133 n;. 6 5. ( 16 ) .0. 1 4 ) ( .3. ※. 7 7. 1 ( 7 ) ,5. 親 糾 1 1 ( ) .3. 9. ) (6 .1. 22. 11 ( ) .9. 21. ) (7 .9. n= 43. ) (9 .6. 25 、. ) (8 .4. 18. 1 2 ) ( ,2. 教師 50. ( 16 ) .4. 69. ( 10 ) .7. 97. ( 1 2 ) ,8. P<0, 05 005 ※※※ P<0, 48名 から独身者 11 7名を除いたものである。 @1 ;教師の総数 9. 22. . ) ( 1 1 ,3. ◎2;主として見合い結婚を示す。 @ )3;「恥ずかしい」「いやらしい」「何も感じない」 その他・無回答を含む。. 152. 81. 2 ) ( 7 ,0. 親 38. 教師 n=119. ニ439 nニ. 教師 141. 親. ◎3 n= 43 そ の 他 (96 ,). :392 n=. 親 125. 親 n二102÷「. n=148. 教師 155. 142. 69. 親 人間の本性. =300 n=. 親 34. 78. 教師 n=211. それ以外◎2. 教師 ◎1. 親 n;112. 結 婚 形態別 恋愛結婚. 親 184 , ね−. 教師 r 1=948. 数. 別 女. 親 ニ448 れニ. ( ) 内は%. n;103. 12 ( ) ,4. 47. 12 ( ) .0. 56. 1 2 ) ( ,8.
(6) . 親と教師の性意識・性教育観について. たもの は, 664名 (47 ,6%) .7%) ,1%) , 次いで 「愛」 323名 (23 , 「大切なこと」247名 (17 , 「そ 人間の本性 と 6 % ) 「 」 としたものは教師が 「 大切なこと 」 したものは の他」 162名 (11 であり , , , 親が有意に高率であっ た, 年代別,性別,結婚形態別にみると,「大切なこと」は男親を除いてすべての親が有意に高率であっ た,. 「人間の本性」 としての 「性」 の意味を考える場合, 3つの側面が考えられる, 1つ は男と女と いう性別 としての性であり, この中には男性か女性かという生物学的, 生理学的意味と男 らしさ, 女らしさという心理学的意味とがある, もう1つ は男と女とのかかわりを意味し, 性の交りを1つ の頂点とした男女の行動としての性である. さらにもう1つは, 性は愛として他者にかかわる契機, つまり性と愛の関係は統合されることによって成熟するものとしての本質的意味である, 人間性の中で 「性 (Se 」 を考えるとき, 愛を基盤にしなければならないことは当然であるが, x) 同時に種属保存 という本能的, 生物的意味をぬきにしては考えられない, つまり性は単なる生物学 4 )のである した 的, 肉体的衝動であるにもかかわらず 「愛」 として異性にかかわる契機でもある1 . がっ て 「人間の本性」 としてのイメージの中に 「性的衝動に基づく 快楽のみを求めて, 異性との性 行為」 と いう側面 だけの性のとらえ方をしているものがあってはならないことは云う ま でもない, いずれにしても従来の抑制的, 否定的な性 (Sex) へのイメージが, 人間の本性として, 愛として, 大切なこととした本質的イメージへ変化してきていることは注目しなけれ ばな らない. 教師は親に 比べて 「人間の本性」 としたものが, また親は教師に比べて 「大切なこと」 としたものが高率を示 したことは, 教師は児童生徒の性的発達という場面に教育的に接しており, 日頃から性的問題を解 決, 指導しなければならないことから, どうしても 「性・ (Sex) 」 というものを生物学的, 生理学的, 行動学的, そして本質的に幅広くとらえているものと考えられる. 一方親は夫婦, 家族という単位 の中で, とにかく 「性」 というものは 「大切なことだ」 とする情緒的イメージを多くもっているの で はな い か と 考 え ら れる. 性 (Sex) へ のイ メ ー ジ が 愛 (Love) へのイメージと同様に世代により, .性別により, 結婚形. 態により異なることは, 先にも指摘したように, 性教育実施上の基本的留意点として, また親と教 師 の コ ン セ ン サ ス の 問 題 と して 注 目 しな け れ ばな ら な い.. 以上 「愛」 と 「性」 の親と教師のイメ ージから性教育・指導のあり方をみると, 教師は 「思いや り」 ,「人間の本性」,として学校という集団場面において全人格的に幅広くとらえ, 親は 「幸せ」,「結 婚」 , 「大切なこと」 として夫婦, 家族における性と愛を情緒的にとられていることが理解できる, このことは教師による集団的, 本性的性と愛の教育, 親による個別的, 本質的性と愛の教育, それ ぞれが統合されることによって, 人間の基本的な性と愛とを形成する2つの重要な側面であること をふまえて, 具体的な指導を展開する必要があることを意味している, 3) 処女童貞観について 処女童貞観については, 表− 3 に示すとおり, 親・教師ともに 「結婚まで男女とも処女童貞であ るべき」 としたものは456名 (32 もよい」32 8 ,7%) , 次いで 「結婚まで男女とも処女童貞でなくて・ 名 (23 ,5%) ,0%) , 「結婚まで女は処女で, 男 は童貞でなくてもよい」140名 (10 , 「その他=あま り考えたことがない」472名 (33 ,8%) であり, 「男女とも処女童貞」 としたものは教師 が, 「男女 とも処女童貞でなくてもよい」 , 「女は処女, 男 は童貞でなくてもよい」 としたものは親が有意に高 率を示 した, 年代別, 性別, 結婚形態別にみると, 「男女とも処女童貞」 としたものは, 40∼50代で結婚して 153.
(7) . 片 岡 繁 雄 表− 3. \. 総. 熱. 数. 年. 男. 40・50代. n=301. n=147. 女. 男. 別. 総. 女. =1 r 1; ,279. ニ305 nニ. ;264 n‐. n=184. =643 n;. n=753. n=195. 親. 教師. 3 7「. 3 3「. 63. ( 2 0 ) .7. 55. 3 o5 」 4 ( 7 ) .4. ※ ・ 316 ÷」. 1 1−300. n=148. ニ392 nニ. =439 n;. 42 ( ) ,0. (1 9 ) .6 − 346 , n−. 52. ( 2 6 ) .7. 4 1 ( ) .6. 4 7「 1「 4 (15 7 ) ※ (2 ) ※ ,7 .7 ※ ※. 135 一 34 ( ) ,4. ※ ※ 2 11 一. 48 ( ) ,1. 親 ※. 84. 2 7 ( ) .9. (遁)「. 十. n=208÷」. ( 2 1 ) .9. 105. 34 ) ( ,4. l o 3. 」. 1 6 ( ) ,0. 5 3「 2 8 )十 ( .8. r l=120. 67. 2 5 ( ) .4 ※. 1 5 7. 一. (2 0 ) ,8. 51. 親. 親. ◎3 =146 n そ の 他 ( 3 2 ) ,6. 6 ( 2 ) ,8 教師 n=168. ( 2 6 ) ,2. 女は処女・ n= 9 4「 4 60 「 4「 4「 5 0 「 3 男は童貞で (2 1 1 9 ) ※ (2 ) ※ ( 3 )※ { ) ※ 2 1 7 ) 藁 (20 ,9 .0 .5 ,1 ‐ なくてよい ー−−−−−※ ー−−−−−※ ー−−−−−※− −ー−−−−−※ ※ 教師 ※ ※ ※ ※ 140 」 」. ‐ 30 ‐ ‐ 39 一 16 一 7」 n=46‐ 0 0 (1 ) . ) ) ) ) ) (4 (5 (4 (5 (3 .7 .9 .2 ,2 .6. 472.. n=831. 教師. 親 n=120「 否処女・童貞 ( 2 6 )十 .8. 3 ) (3 .8. n=448. ニ88 nニ. 2 ) ( 5 )憂 ( 1 7 ) 憂 (20 .8 ‐2 ‐9 ※. ※. ニ368÷」 nニ. 教師. 結 婚 形態別 恋愛結婚 それ以外趨潟. 親. 38 ( ) .8. 328. 数. 教師◎1. 51 n=88 「 男 女 共 ′ )※ ( 1 6 ) 処女・童貞 (19 .6 .9. 3 (2 ) ,5. ( ) 内は%. 親. 教師 ニ948 nニ. ) (32 ,7. 別. 20・30代. 親. ( 1 8 i 1=4. 456. 齢. 処女・ 童貞 観について. ( 2 0 ) ,2. 79. (26 ) ,3 99. (25 ) ,3. 4 1「 (2 7 )募 .7 6 9一 15 ( 7 .). 親 n;94. ( 2 1 ) ,0 教師 n;43. ) (5 ,2. 25 「 6 9「 1 3 6 )※ (2 )※ ( .9 .0. ー−−−−−※−ー−−−−−※− ※ ※. 2 0一. ) (5 ,1. 2 3一. ) (5 ,2. 親 106. 5 ) (3 .3. 40. (2 7 ) ,2. 58. (3 1 ) .6. 教師 n;326. 121. ( 3 4 ) ,4. 9 (3 ) .7. 205. 1 (3 ) ,9. 241. (3 2 ) .0. (遁)「 ※ 8 5. 一. 43 ( ) .5. n=146. ( 32 ) ,6. 105. (3 5 ) ,0. 41. (2 7 ) .7. 教師 =274 n:. ( 33 ) .0. 138. (35 ) .2. 136. ( 3 1 ) .0. 05 ) 5 ※ P<0, ※※※ P<0,駅 8名から独身者 11 ⑫1 ;教師の総数 94 7名 を除いたものである。. @2 ;主として見合い結婚を示す。 ◎3 ;「あまり考えたことはない」 その他・無回答を含む。. いる男教師が,.また 「男女とも処女童貞 でなくてもよい」 としたものは 40∼50代で 主として見 , , 合結婚をした男親が, さらに 「女は処女, 男 は童貞 でなくてもよい」 としたものは すべての親が , それぞれ有意に高率であっ た. 「結婚ま で男女とも処女童貞 であるべき」 としたものは親に比べて教師がふ また 「結婚まで男女 とも処女童貞でなくてもよ い」 , 「女は処女, 男 は童貞 でなくてもよい」 としたものは教師に比べて 親が高率を示 したことは, 教師は児童生徒の性非行と いう現実的問題に多くかかわっている・こと , また教師の67 .8%(643名)が40∼50代であることなどか ら考え合せると, 教師は現実的意識として, 結婚と性と生殖を一 本化し, 切り離しては考え られないきわめて保守的な認識をもっ ているものと みることができる. とりわけ40∼50代の男教師は保守的で閉鎖的な処女童貞観をもち 純潔な家系 , を維持するた めには, 一切の婚 前, 婚外交渉を認 めないといっ た意識をもつものが多いことは注目 される, 一方親はその67 .2% (301名) が20∼30代であり, 比較的若い層 の 親が結婚と性を切り離 154.
(8) . 親と教師の性意識・性教育観について. した考えをもつものが多いなど, 近年における性の開放化の影響を強く受けたものの結果であると 思われる. つ まり愛情があれ ば, また責任がとれれ ば性の交りを認めるという割り切 って考える風 潮の影響であり, 結婚 という一種のセレモニーに関係 がなく, 性的な成熟と愛情のあり方にふさわ 1 5 } しい性関係をもつことが, 人間として最も大切で自然の姿である と考えているかもしれないし, また男女間の性にも, 性の交りを基盤にしながら, それをもう1つ 越える 「性の世界」 の拡がりが 必要であるといった考えもあるのかもしれない. いずれにしても性教育・指導にあたっては, 教師と親 との間に大きな差異があってはならない. しかし現実的 に両者の処女童貞観に, 世代により, 性別により, 結婚形態により大きな差異がみと められることに注目しなけれ ばな らない. とりわけ親は教師に比べて 「結婚まで女は処女, 男 は童 貞でなくてもよい」 とする, 「男子の側の性的自由, 女子の性的束縛」 , 「純潔は結婚の最大の条件」 といった性の二重価値基準を有しているものが多いことは注目に値する, 4) 性道徳観について 性道徳観について は, 表−4に示すとおり, 親・教師ともに 「愛し合っていれ ば, 結婚と切り離 表− 4 総. 数. 齢. 年. 別. 20・30代. 40・50代. n=301. n=147. 生道徳 観について 男. .女. 男. 性道徳観. 教師. =1 n= ,396. ニ948 nニ. ◎3 親. 夫 婦 以外 定. 否 567. 4 0 ) ( ,6. n;198. 4 4 ) ( ,2. 教師 n=369. 総. = 1 n= ,279. 617. ( 4 4 ) .2. 212. 恋愛結婚 それ以外◎2 ニ300 nニ. n=148. ニ392 nニ. ニ439 れニ. 教師 ◎1 ニ305 nニ. =643 n:. n=753. n=195. r l−831. 127. =198 n=. 親 70 12 8「 ※ ( 4 ) ( 4 2 5 ) 7 ,6 , 90 一. 279. 71. ) 4 ( 8 ,1. 38 ( ) ,6. 8 1. 288. ( 44 ) ,2 教師 ニ332 nニ. 親. 親. 93 42 「 6 3「 114 「 3 5 ) 2 8 ) ※ ( 3 4 ) ※ ( 3 7 )※ ( 4 (3 ) ※ ( ,2 ,6 ,2 ,9 ,8 ※ ※ ※ ・※ 教師 ※ ※ ※ ※ 83 176 一 28 5一 37 8一 n=461÷」 4 50 2 4 4 ) ( ) 5 ( ) ( 48 ) ( 7 ) ( ,2 .6 .7 ,3 ,6. ニ156 nニ. 29 ) ( .5. 4 ( 3 ) ,4. ( 3 8 ) ,2. n二156÷「. 34 ) ( .8 教師 ニ395 nニ. (4 7 ) ,5. 120. 78. (5 2 ) ,8. ( 40 ) ,0. 203. 129. 4 6 ( ) .2. 2 ) (3 ,9. 35 「 1「 12 ※ 2 6 ) ※ ( 3 ( 4 0 3 ) , , ※ ※. 2 1 9一 ( 5 5 ) .9. ※ ※. 17 6一 ( 4 0 ) .1. 親. 親. ( 15 ) ,2. =448 n;. 40 ) ( ,0. ◎4 =94 n そ の 他 ( 2 ) 1 ,0. 結 婚 形 態別. 親 ;264 n:. nコ184. ( 4 1 ) ,5. 8 ) (3 .9 愛しあって いればよい. 数. 別 女. 親 =448 n=. ( ) 内は%. 守 耳 1 9 ( )l. 教師. 一. n;118. 3 9. 12 ( ) ,5. 12 ( ) ,8. 44 50 ÷. 3 5「 1 ※ ※ 2 ( 1 6 ) ( 2 7 ) ( 2 3 8 ) . ,7 , ※ ※ − ÷ 」 79. 12 ( ) ,3. ※ ※. 8 7一 ( 1 1 ) .6. n=94. 2 ( 1 ) .0. 教師 31. 1 ( 5 ) ,9. n=104. (1 2 ) .5. 35 「 5 9「 3 ) ※ 1 9 ( ) ※ (2 .7 ,6 ※ ※. 44 一 ( 1 1 ) ,2. ※ i ※ 一 60. 1 3 ) ( .7. 0 05 05 ※※※ P<0. ※ P<0, 7名を除いたものである。 8名 から独身者 11 ◎1 ;教師の総数 94. ⑫2;主として見合い結婚を示す。 ◎3;「生殖を目ざした夫婦間の性行為だけを認める」「生殖・快楽を目ざした夫婦間の性行為だけを認める」 ◎4;「性の快楽を求めて, 性行為をすることを認める」「純潔, 処女, 一夫一婦制などにとらわれず, あるがままの気持ち であるがままに性行動を許そうとする」 その他・無回答を含む。. 155.
(9) . 片 岡 繁 雄. して性行為を認める」 としたものは617名 (44 .2%) , 次いで 「夫婦以外否定=生殖を目 ざした夫婦 生殖を ざした夫婦 間の性行為だけ認める, 目 間の性行為だけを認める」 567名 (40 .6%) , 「その他 ;性の快楽を求めて性行為を認める, 純潔, 処女, 一夫一婦制などにと らわれず, あるがままに性 行為を認める」2 12名 ( 15 .2%) であり, 「愛し合っていれ ばよ い」 としたものは教師が, 「夫婦以 外否定」 , 「その他」 としたものは親が有意に高率 であっ た. 年代別, 性別, 結婚形態別にみると, 「夫婦以外否定」 としたものは20∼30代の親が, 「愛し合っ ていればよい」 と したものは女教師を除くす べての教師が, 「その他」 としたものは女親を除くす べての親が有意に高率であった. 性道徳観は個々人 の性行動や性意識を内面から規定している道徳的規範であり, これは個人の価 6 ) 全体として親,教師とも 「愛し合っていれ ばよい」 と 値観に立脚されて構築されるものである1 , したもの は, 「夫婦以外否定」 としたものより 上回っていたことは, 「結婚 (夫婦) =性行為」 とい う従来の保守的な性道徳の図式が崩れ, 乱れつつあることを示しており, 先に指摘したごとく結婚 という一種のセレモニーに関係 がなく, 性的な成熟の度同いと愛情のあり方にふさわし W性関係を も つ こ と が 人 間 と し て, 自 然 の 姿 で あ る と す る 考 え の も の が増 え つ つ あ る の で は な い か と 思 わ ざ る. を得ない, と同時にこのことは, 今日における 「性道徳の乱れ」 と指摘される要因ともなっている の で はな い か と 考 え ら れ る.. 「愛 し合っ ていれ ばよい」 としたものについて教師は親に 比べて高率を示したことは, 親は開放 的, 進歩的であり, 教師は保守的, 閉鎖的であるとする考え方からすると理解できな いが, 教師は 愛のイメージを 「思いやり」 , 処女童貞観を 「男女とも処女童貞で , 性のイメージを 「人間の本性」 あるべき」 とするものが親に比べて高率であったことを考え合せると, 教師の性道徳観は性教育の 担当者と して 「人間の本性」 → 「思いやり」 → 「結婚までは処女童貞」 → 「愛のある性行為」 とい う図式にな っ ているのではないかと考えられる. つまり教師のもっ ている性道徳観は, 「快楽を求 めて」 , 「あるがままの性行為」 というもの ではなく, 「人間的愛の伴っ た性行為」 という本性的概 念が形成されているの ではないかと思われる, また 「夫婦以外否定」 としたものは20∼30代におい て教師に比べ て親 が高率を示したことは, 先に指摘したごとく, 親の67 ,2%が20∼30代であり, 結 婚間もない若い親 であり理解できる. さらに 「その他」 において親は教師に比べて高率を示した こ となどを考えると, 親の性道徳観の多様性を示すものとして注目される, 以上, 親・教師の性道徳観の結果をみると, 親・教師ともに多様な性道徳観をもち, 「日本の社 会特有のホンネとタテマエ」 を性についても使い分けており, 性に関する価値観が未だ確立してい な い こ と を 示 し て い る. し た が っ て 現 実 に 子 ど も た ち と 性 の 問 題 に つ い て 語 ろ う と して も, 自 ら の. 視点が充分に定ま っていないために, 伝える内容を持ち合わせていないということが現実の姿では ないかと考え られる. 人間と人間のふれあいの中 で生れ, 育っていく性教育を推進していくために は, 親自身, 教師自身 が自ら の注に対する価値や思考を確立し, 子どもたちのモデルになるべく性 意識の改革が特に必要であると考えられる. 5). 結婚観と離婚観について. 結婚観については, 表− 5 に示すとおり, 「家庭が築かれること」 としたものは766名 (54 .9%) , 次いで 「精神的に安定すること」357名 (25 % 6 ) 「 社会的に信用されること 5 ( 」6 名 4 7 % 「そ . . ) , ,, の他=自分の子孫を残すこと, 経済的に安定すること, 性的満足が得られること, 日常生活が便利 になることなど」 208名 (14 .8%) であり, 「社会的に信用されること」 としたものは親が有意に高 率 で あ っ た, 156.
(10) . 親と教師の性意識・性教育観について 表− 5 総. 数. 年. 齢. 結婚観について 男. 別. 20・30代. 40・50代. n=301. n=147. 女. 男. ( ) 内は% 総. 別 女. n;184. ニ448 れニ. E 3 4 n=2. 教師 ニ305 nニ. ÷ Z ) (5 ※. n=753. =643 n;. n=831. nニー95. れ=37. 12 25 「 2 0「 ※ (4 ※ 5 ) ( 1 3 6 ) 13 6 ) ( . , ※ ,. ) (8 ,3. ※. 教師. ※ ※ 教師 ※ 」 3 2 5一 2 1 一 8一 nコ2 7 ) (1 ) ) (3 ) (3 ) (2 ,5 (3 .3 ,3 ,3 ,0. ニ25 nニ. ) (3 .0. 家庭 が築か. 157. れる こ と 766. ( 53 ) .8. 2 ) (5 .2. 教師 ニ525 nニ. 148. 5 (5 ) ,4. ) ( 4 8 ,5. 84. 5 7 ) ( ,1 377. 8 ) (5 ,6. )「 (蕊 1※ 一望 428 一. 6 ) ( 5 ,8. 357. (2 5 ) ,6. れ=110. 4 ) (2 .6. 86. 2 8 ) ( ,5. 24. 1 6 ( ) ,3. 37. ( 2 0 ) .1. 9 7. 一. ニ247 nニ. 103. 6 ) (2 ,1. ) 3 (3 .8. 144. 2 ) (2 ,4. 1 82. 2 4 ) ( .2. 1 5 ) ( .5. ,o. 」. ) (2 .6. ※. 15 一 ) (3 .4. 53 ) ( .8. 156. ) (52 ,0. 85. (5 7 ) .4. 教師 r I=471. 220. ) (5 6 ,1. 251. ( 5 ) 7 ,2. n=110. 73. 2 4 ) ( ,6. ( 2 7 ) .7. 90. ( 3 0 ) ,0. 2 0「 13 ) ※ ( .5 ※. nコ211. 65. 3 ) (3 ,3. 5 ) (2 .4. 107. ) 7 (2 ,3. 104. 一. ) ( 2 3 .7. 親 41. 3 ) ( 1 .7. 19. ) ( 13 .0. 38. 2 ) ( 0 .7. 教師 n=148. n=241. ) (5 6 ,7. 49 ( ) .7. 親. 208. 「 「 (10,16 ぼろ 8 )※ ) 一一一一一※ ー−−−−−※−. 教師. 教師. ◎3 n=60 そ の 他 ( 3 ) 1 .3 4 ) (1 .8. ニ439 nニ. 親. 親 精神的に安 定すること. ニ392 nニ. 親. 親 r 1=241. ) (54 ,9. n;148. 親. 親. 社会的に 7「 n=3 信用される (83 ,) ※ ) (4 ,7. コ300 n=. 教師 ◎1. ニ948 nニ. 65. 結 婚形態別 恋愛結婚 それ以外◎2. 親. 親 8 n=事1. こと. 数. n=1 ,279. 47. ( 1 5 ) ,4. 101. ( 15 ) .7. 118. 1 0 ) ( ,7. n=60. (ゐ1 (13,3) 3 0. 一 教師 =124. 5 ) ( 1 ,5. n. 4 (1 ) ,9. 33. 1 1 ) ( ,0 55. ( 14 ) ,0. 27. ) 8 (1 ,3 69. 15 ) ( .7. 0 05 0 1 ※※※ P<0, ※※ P<0, 05 ※ P<0, 4 8名から独身者 117名を除いたものである。 ◎1 ;教師の総数 9. ◎2 ;主として見合い結婚を示す。 」 その他 ◎3;「自分の子孫を残すこと」「経済的に安定すること」「性的満足が得られること」「日常生活が便利になること 無回答を含む。. 年代別, 性別, 結婚形 態別にみると, 「社会的に信用される」 としたものは女親を除いたすべ て の親が, 「家庭が築か れること」 としたものは男教師及 び女親が, 「精神的に安定すること」 とした ・の他」 としたものは女教師がそれぞれ有意に高 ものは主として見 合結婚をした教師 が, さらに 「そ 率 で あ っ た,. 現在, 結婚というものは, さま ざまな要素と形態をもち, 一定のパターンがない多様なものであ るといわれる が, 親や教師の結婚観は子どもたちの一つのモデルになることを考えると, 子どもの 結婚観形成に大きな影響を与えることは否定できない. 本調査の親・教師の結婚観において, 結婚 は単なる肉体的結合で はなく一組の男女の人間性を基礎にした相互扶助的な結 びつ きをもった 「家 庭を築くこと」, 常に愛情のある ふん囲気にひたって 「精神的に安定すること」 としたものが, 全 体として約8割であっ たことは, 結婚観としては望ましいものといえる, しかし結婚という ものを 「愛情の有無」 よりも社会的, 経済的要素の方がはるかに重要であるとするもの, また精神的なも 157.
(11) . 片 岡 繁 雄. のにとどまらず, 肉体的, 生活的な確かな 手 ごたえのある連帯感を得たいとするもの さらに年代 , により, 性別により, 結婚形態により異なることは, 結婚観について多様な考えがあることを示 し て い る.. 離婚観については, 表−6に示すとおり, 「一度結婚 したら別れるべき でない」 としたものは647 表−6 総. 数. 年 .齢. 別. 20・30代. 40・50代. n;301. n=147. 離婚観について 男 男. 女. 別. 総. 女. n=1 ,279. 親 ニ448 nニ. 離婚観 ・. 教師. =1 n= ,396. n;948. 別れるべき ではない 647. 46 ( ) .3. 4 ) ( 3 .8. n=264. 4 ( 7 ) ,6. ニ305 nニ. ニ643 れニ. ニ753 nニ. 442. 1 (3 ) .7. n=831. 0 (3 ) ,1. (4 2 ) .2. 69. ( 46 ) .9. 82. 114. n=196. ( 4 4 ) ,6. 43 ( ) .2. 307. (2 2 ) ,0. 4 ( 4 ) ,6. 315. ( 4 9 ) ,0. 381. 0 (5 ) ,6. 70. ( 35 ) ,9. 2 (2 ) ,3. ニ392 nニ. =439 れ:. ( 4 3 ) .8. 123. 73. 4 1 ( ) .0. ( 4 9 ) ,3. n=404. ( 48 ) ,6. 221. 183. 4 6 ) ( ,7. 0 (5 ) .3. G雛)「. 2 ) ( 7 .7. 親 114. 3 7 ( ) ,9. 43. 9 (2 ) ,3. 48. 109. n=157. 6 ) (2 .1. 4 1 ( ) .3. ( 35 ) .0. 188 (2 5 ) .0. 97. ・ 235 − れ−. ( 4 ) 9 .7. ) (2 8 .3. 41. れ−95. 1 ( 5 ) .5. (2 1 ) .2. 教師 108. 35 ) ( ,4. 177. (2 7 ) .5. 1 1 9. 一. ( 30 ) ,3. 41. 116. 6 (2 ) ,4. 親 60. 二9 ) ( 1 9. 35. (2 3 ) ,8. 54. (2 9 ) ,3. 1 6. (20 ) .3. 34. (2 3 ) ,0. 教師. 教師 n=212. 1 1=148. 教師 136. 親. ◎3 =95 n そ の 他 (2 1 ) .2. (船 n=3. 親 127. 教師 ニ285 nニ. 1 1=448. n=195. 親 −157 理由があれ n− (3 5 ) ばよい ,0. 結 婚 形態別 恋愛結婚 それ以外⑫2. 教師 ◎1. 教師 n=451. 数. 親 れ=184. 親 n;196. { ) 内は%. 61. (2 0 ) ,0. 151. ( 2 3 ) .5. 184. 4 (2 ) .4. 28. 1 4 ( ) .4. n=92. 2 3 ( ) ,1. 90. 3 (2 ) .0. 102. 3 (2 ) ,3. ※ P<0, 05 ⑩1 ;教師の総数 94 8名から独身者 11 7名を除いたものである。. ⑫2 ;主として見合い結婚を示す。 ⑫3 ;「考えたこともない」 その他・無回答を含む。. 名 (46 ,3%) ,7%) ,「理由があれ ば別れてもよい」442名(31 ,「その他=主として考えたことがない」 307名 (22 .0%) であり, 結婚形態別にみて, 恋愛結婚 した親が有意に高率であったことを除いて すべてにおいて有意の差は認められなか っ た. 従来, わが国 の 結婚規範は, 結婚の自由に対する許容度より, 離婚の自由に対する許容度がはる かに少ないこと, また一生連れ添うことを理想としてきたが, 「理由があれば別れてもよい」 と し たものが31 442名) であったことは, 3人に1人の割合であり, 「別れてもまた人生の一面だ」 ・ ,7% ( との考え, また 「自分の主体性を主軸において妥協を排除する結婚」 ということなど, 先に指摘し た結婚観の多様性と表裏一体的に, さま ざまな離婚観が存在していることを示している. とりわけ 変愛結婚した親 (67 0 f t) に 「理由があれば別れてもよい」 としたものが高率であっ た .2%は20∼3 ことは注目に値する. 158.
(12) . 親と教師の性意識・性教育観について. 6) 男女交際に関する対応について 男女交際に関する対応については, 表− 7 に示すとおり, 「両立型=交際を続けてもよいが, 勉 表 −7 総. 数. 年 20・30代. 男 女交際 に関する対応 について 別. 齢. 40・50代. 女. 男. 別 女. 男. 鶴巻 へ. 1 I=301. n=147. ニ264 nニ. モ翼 n=1. ◎3. 学習中心型 (8 ) ,5 78. ) (8 ,7. n=109. ニ336 nニ. n;69. n=376. 15. 23. ) (7 .6. 1 0 ) ( ,2. ) (9 ,0. 16. 22. ) (6 ,1. 12 ( ) ,0. 31. 9. ) (8 ,3. ) (9 ,2. 34 ′. 6. ) (8 ,7. ) (9 .0. 4 E 3 n=3. 8 1 ( ) ,8 学校(家庭)に 連絡し, 先生 (親)から指導 してもらう 22. (2 ) .5. 251. 8 ( 3 ) ,4. 113. (7 6 ) ,9. 223. 141. 8 4 ) ( ,5. 7 6 ) ( ,6. ) (2 ,0. 274. 8 8 2 1 ) ) ′( ( ,5 .6. 54. 310. 82 ) ( ,4. 7 8 ( ) ,3. ) (2 ,9. ) (2 ,0. ) (2 .0. 6. 3. ) (2 ,3. ) (1 ,6. ) (2 ,8. ) (3 ,0. I. 12. (1 ) .4. ) (3 ,2. ) (7 ,0. ) (6 ,3. ) (6 .3. ※※※. P<0, 005. P<0, 0 5. ,. n=38. ) (8 ,5. 22. ) (7 .3. 16. 10 ) ( ,8. n=37. ) (9 ,2. 14. ) (8 ,3. 23. ) (9 ,8. モ過 n=3. 8 1 ) ( ,3. 250. 3 (8 ) ,3. 114. 7 7 ) ( ,0. n=327. 81 ) ( ,1. 141. 8 3 ) ( ,4. 186. 79 ( ) .5. 1= 9 1. ) (2 ,0. 5. (1 ) .7. 4. ) (2 ,7. n=12. ) (3 ,0. 3. ) (1 ,8. 9. ) (3 ,8. 親. 親. ※. =234 n:. 教師 10. 3. ◎5 n=37 そ の 他 (82 .) 65 教師 ) (7 ,3 n=28. n=169. 親 3. 6. 教師 1 I;13. n;403. 教師 90. 親 r 1; 9. n=148. 親. 親. 4 n=3E @ ) 3 4 両 立 型 (8 1 ) ,3 728 教師 8 1 ) ( ,5. ニ300 nニ. 教師. 教師 ・ 40 n−. ニ448 nニ. 親. 親. n=38. 恋愛結婚 それ以外◎2. 教師 ◎1. 教師. n=445. ’ 851 r l−. 結 婚 形態別. 親. 親 1 8 n=字. ( ) 内は% 数. 総. 16. 21. 1 0 ) ( .9 21. 7. ) (6 ,3. 18. 「. )十 (9 .8. ※. 0 2. 一. ) (5 ,4. 19. ) (7 ,2. n;37. ) (8 .2. 23. ) (7.7 ,. 14. ) (9 ,5. 教師 8. 1 1 ( ) .6. 7 nコ2. ) (6 ,7. 11. ) (6 ,5. ・16. ) (6 .9. 2名を除いたものである。 4 5名から独身者4 ◎1;教師 (中学校のみ) の総数4 ◎2;主として見合い結婚を示す。. ◎3 ; 「勉強の方 が大切なので, すぐ交際をやめさせる」「成績が上 がるまで一時的に交際をやめさせる」 ◎4 ; 「交際は続けてもよいから, 勉強もしっ かりやるように指導する」. ◎5;「成績が下がっても, 交際は続けさせる」「特に何もしない」 その他・無解答を含む。 ◎6 ;教師については, 中学校 445名とする。. 81 強もしっ かりやるように指導する」 としたものは728名 ( ,5%) , 次いで 「学習中心型=勉強の方 一時的に交際をやめさせる 」78名(8 成績が上がるまで をやめさせる が大切なので,すぐ交際 .7%) , , などであり, 親と教師, 年代別, 性別, 結婚形態別による有意な差は認められなかっ た, 男女交際に対して親・教師が「両立型」で対応する としたもにが8割をこえたことは, 従来の親・ 、 教師は子どもの異性のことはよく知らないとし, 男女交際や性の問題には精神的なひっ かかり (否 定的) を感じて積極的にあまり介入しない傾向がみられたが, 近年, 性の開放の風潮の中で家庭・ 学校においても, 親・教師の男女交際への対応が自然にできるようになっ たこと, また人間の基本 159.
(13) . 片 岡. 繁 雄. 的愛を形成する一つの動機となることが認識されるようにな っ たこと さらに異性が互いに理解し , 合い, 人間と しての幅を広 げ, 望ましい異性への関心・興味に対して寛容的になり .教育的に認識 , さ れ る よ う に な っ た こ と な ど の 現 れ で あ ろ う と 考 え ら れ る.. 7 )によると 「成績が下るから」 「中学生だか しか し現実的に中学生の男女交際についての調査1 , , らまだ早い」 と して親から反対されていると したものは12 .1%おり, さらに積極的には否定しない が, 高校受験や成績のことを考えて否定的, 消極的に対応されているとしたものは573%であった . ことは, 本調査の 「学習中心型」8 ,7%と比べ親・教師との間に大きな ズ レを示している. このこ とは現代 の日本は学歴社会といわれ, すべ ての国民が高学歴を志向する中で 親・教師は 「成績第 , 一」 を志向し, 「受験のさまた げ」, 「勉強の敵」 となるものを 極度に排除しようとすること とり , わけ男女関係については否定的に考えているの ではないかと考えられる, また特に親は 子どもが , 7 }つまり男に 男 であるか, 女であるかによっ て男女交際への対応が異なることが指 摘されている‘1 対しては学習中心的に, 女に対しては否定的に考えているように思われる. これらのことは 「男子 の側の性的自由, 女子の性的束縛」 , 「純潔は結婚の最大の条件」 , 「女子の性的被害の予防」 といっ たことが, 性意識の基底にあるため ではないかと考えられる. 7) 性 に 関 す る マ ス コ ミ 観 につ い て. 性に関する マスコミ観については, 表−8に示すとおり, 全回答数 (複数回答) に対して 有害 , 表− 8. 性 に関 する マ スコミ観について ( ) 内は回答合計及び回答合計に対する%. ぷ 巻 絹. 数. 年. 齢. 20・30代. 別. 男. 40・50代. 女. 別. 女. 男. 親. n=448 (761). 絹 総. r l=147 (239). n=184 (305). n=264 (456). n=448 (761). n=109 (151. n=336 (447). n=376 (501). n=69 ( 97 ). n=403 ( 539 ). 親. ※ ※ 奨. n=90 一 (15 ) .1. 有 害 論 978 (72 ) .0. 5 繕う. ※ ※. 2 0 一 (13 ) .2. ※ ※. 70 一 (15 ) .7. ※ ※. 87 一 (17 ) .4. 親. 5「 n=48. 350 「 135 ÷「 (63 ) ※ (56 ) 努 (67 ) 奨 ,0 .7 .5 ー−−−−−−努 ー−−−−−※− 一−−−−一美 奉 安自市 美 ※ 努 367 ÷一 12 6一 n=493一 ”玄 (82 ) 3 ) (82 ) .4 .4 .1. 親. n=148 (244). コ169 nニ ( 226 ). n=234 (313). 親. ◎3 n=2 136 107 「 87 「 116 「 れ=223 2 3「 論 (29.3) ※ (26.1)「 ※ (36 ) ※ (35 ) ※ (25 ) ※ (29 ) .4 .4 .1 .3 313. 肯 定. 4 @り. n=300 (517). 教師 ◎1. n摘445 ( 598 ). 奉 安自市. 給 女昏 形 態 冥別. 恋愛結婚 それ以外◎2. 親. n=301 (522). 安師 奉. (23 ) .0. 数. ・ 851 n一. ※ 安自市 ※ 奉 n=83 (15 ) (3.1) .4. 3 」. 70 「 153 「 ) ※ (29 ) ※ (28 .6 .7 ※ ※ ※ ※. 4 2一. (18 ) .6. 4 1一. (13 ) ,1. 親 173 ÷「 312 「 n=485 (56 ) 葵 (68 ) ※ (63 ) .7 .4 .7 一一−−−−一義 ー−−−−−※− 安自市 ※ 奉 403 443 9 0 一 n一・ (92 (80 ) ) (82 ) .4 .8 .2. j. 327 ÷「. 158 ÷「. 6 3 ( ) 憂 (64.8) 奨 .2 − −−−−一美 ※ 177 ÷」 266 ギ (78 ) (85 ) .3 .0. 親. 36 17 「 25 「 28 n=53 「 n=53 ) ※ (6 ) ) ※ (6 ) (7.0 (7.1) ※ (8.2 {7・0) .9 .1 68 ※ ミ . ※ ※ ※ 奉 安 自 市 数串市 ※ (5 0 ) ※ ‘ ※ , 」 ・ 4 5 13 5 一 10 ー 1 1ー n− n=1 7 (2 ) (2 (2 ) ) (2.2) (3.4) (4.1) (3,1) ,5 .2 .4 0 5 ※ P<o. ※※※ P<0, 005 (重複 回 答) @ )1 ;教師 (中学校のみj の総数 445名 から, 独身者4 2名 を除いたものである。 @)2 ;主として見合い結婚を示す。 ◎3 ; 「一概に有害だとは言えない」「今後の性教育の参考になる」「それほど問題となる内容ではないと患、う」 @)4 ; 「異常である」 「規制すべきである」「間違っ た知識を与えている」 「性意識を異常に高めるのでよくないと思う」 @〉5 ; 「わからない」 その他, 無回答を含む。. そ の 他. 160. ≧ ”〒 )「 ば暑 )1.
(14) . 親と教師の性意識・性教育観について. とするもの 「有害論=異常である. 規制すべきである. 間違っ た知識を与えている. 性意識を異常 に高めるのでよくない」 としたものは978名 (72 ,0%) , 有害でないとするもの 「肯定論=一概に有 13名 害だと は言えな い. 今後の性教育の参 考にな る, それ ほど問題 となる内 容で はない」 は3 有害論 」 については教師が 「 は 6 名 ( 5 0 %) であ り 8 その他=わからないなど 」 (23 , , 「肯 ,0%) ,「 ,, 定論」「その他」 については親が有意に高率であっ た. また年代別, 性別, 結婚形態別にみると,「有 害論」 についてはいずれも教師が, 「肯定論」 についてはいずれも親が, 「その他」 については40∼ 50代で結婚している男親がいずれも有意に高率であっ た. テレビ, 週間誌などのマスコミにおける性の取扱い方に対して, 親・教師ともに有害とするもの を え は72 ,0% で あ っ た こ と は, 今 日 の マ ス コ ミ が エ ン ジ ョ イ メ ン トと して, 性 に 商 品 価 値 与 , 本来. 精神的なものをぬきにしては扱えな い性の問題を肉体だけの問題, 下半身だけの問題に緩小化し, それを営利主義化していることを示し, 児童生徒 の性意識・性行動に重大な問題を与えていること に対する批判であり, 嫌悪感の現れでもあると思われる, また肯定とするものが23 .0%であっ たこ とは, 今日のマスコミの性記事に対して, 性教育の参考になる, 問題となる内容ではないとしてお り, テレビや週間誌などにより自ら の性への興味関心を満たすという 「マスコミ の性」 を良心的に 解釈する寛容的進歩派とみるべきであるが, 子 どもたちに与える影響などの視点が欠落しているの ではないかと考えられる, いずれにしても子 どもたちの日常生活の中に1つの商品として, 性が氾 濫している現状を親と教師がどのように認識する か, またその評価が異なることは性教育実施上, 留意しなけれ ばならない重要な問題である. 特に今日の子 どもたち の性への接し方は, 積極的であ りすべての記事や情報に受容的であるのに対し, 親・教師の接し方, 評価は, 拒否的で有害意識が 高いために大きなギャッ プが生じていることを親・教師が十分認識しなけれ ばならない, 8) 性教育の必要性について 性教育の必要性について は, 表− 9 に示すとおり, 「思う」 としたものは1230名 (88 ,1%) , 「思 表−9 巻 結. 姿 女. 親. 性教育\. 奉 安師 れ=948. 親. 思. う. 1 ,230 ) (88 .1. 0「 n=37. ( 82 ) ※ .6 ※ 奉 安師 ※. 0一 n=86. 2 0・30代. 親 ◎3 コ78 n (17 ) .4 次自市 孝 n=88 ) (9.3. 別 40・50代. 女. 男. 男. ( ) 内は%. 数. 別. 総. 女. :1 n= ,279. 親 n=301 n=305. (90 ) .7. 思 わ な い , 166 11 ) ( .9. 齢. 認−龍. 生 の必要ず. =1 n= ,396. 448 , n一. 年. 性教育の必要 性 について. 48 ) (15 .9. nコ147. n=264. n=184. それ以外◎2. n=300. n=148 ,. n=392. nコ439. 教師◎1 n=195. 831 , n−. 232 138 「 117 「 ) ) ※ (87 (79 ) ※ (75 ,9 .0 ,6 一一−−−−※−ー−−−−−※− ※ ※ 182 678 一 588 一 ‐ ) 0 ) (93 4 ( 9 (91 ) .3 .0 ,. n=370 ) (82 .6. n=643. n=753. 親. 30 「 (20 ) 完 .4. 46 ÷「−. 32. 2 5 ) 萎 (12.1) ( ・O 5一 7 ( 10 ) ,0. 数(師 nコ758 ) (91 .2. 親 n=78 ) (17 .4. 数 (師. ※. 33 ) (10 .8. n=448. 多難 冥 BU 結 女昏 非. 恋愛結婚. 13 ) (6.7. r 1=73 ) (8 .8. 246 「 (82 ) ※ ,0 一一一−−−※ ※. 36 6一. (93 ) .4. 124 ) (83 ,8 392 ) (89 .3. 24 54 「 ) ) ※ (16 (18.0 .2 ※ ※ 47 2 6一 ) (10 (6.6) .7. ) 5 Pく0,駅 ◎1 ;教師の総数 948名から独身者 117名を除いたものである。 ◎2 ;主として見合い結婚 を示す。 ◎3 ;その他,無回答を含 む。 ※※※. 161.
(15) . 片 岡. 繁 雄. わない」 としたものは166名 (11 ,9%) であり, 「思う」 としたものについては教師が有意に高率 で あっ た. 年代別, 性別, 結婚形態別にみると, 「思う」 としたものは, 40∼50代で恋愛結婚した男 教師が, 「思わない」 としたものは, 同 じく40∼50代で恋愛結婚した男親が有意に高率 であった. 8 )性の科学的理解にもとづいて 性に対する健全な態度を養い 現代社会にふさわし 性教育は,1 , , い男女関係を基本とした人間関係の育成にあると いわれるように, 単なる性についての知識教育で はない, まして性器教育 でもない. すなわち性と人間関係の教育は相手の幸せや喜びを分ち合える 源としてセックスという意識に立ち, 責任感, 思いやり, 人間的愛のある関係 にするための準備と して, 解剖学, 生理学をはじめ心理学, 哲学的, 社会学的背景に対する知識, 態度, 行動を得させ るものとしてとらえることができる, したがっ て人間の生き方と切り離した性の知識を いくら与え ても, 子どもたちにとっては何ら意味をもたないことから, 親・教師はまず性に対する自分の考え 方や態度を明確にもち, 「性的にどう生きるのが人間的 であるのか」 ということを真剣に自らに問 いかけなければ, 子 どもたちとの性の対話, すなわち性教育は不可能に近いということを認識する 必要がある, 性教育の必要性について親・教師ともに9割の ものがその必要性を認識している ことは (特に親 に比 べ て教師が高率である) , 子どもたちの発育発達の促進現象, マスコミの性情報の氾濫, 性の 開放という風潮の中で, 親・教師ともに子どもたちの性に関する現実問題を多くかかえているため で は な い か と 思 わ れ る,. 特に注目すべきこと は, 恋愛結婚している40∼50代の男親と男教師の必要性認識の差である. こ の認識の差は今日の子 どもたちの性意識, 性行動に対する認識の差を示すものと して興味深い, ま た男親の4人に1人 (2 5 .0%) が 「必要と思わない」 としており, このことは父親は多忙 で性的な かかわりはすべて母親まかせ で, わが子との性の対話に対する無関心さを示すものとして注目しな けれ ばな らない, 特に母子一体性が指摘される今 日, 男親 の性や性教育に対する役割をもう一度見 直す必要があると思われる. 9) 性教育の指導経験について. 性教育の指導経験については,表−10に示すとおり,指導経験が「有」としたものは740名(53 ,0%) , 「無」 と したもの は656名 (47 % 0 ) 有 」 と したものに であり 「 ついては教師が 無 としたも 「 」 . , , のは親が有意に高率 であっ た. また年代別, 性別, 結婚形態別にみると, 「有」 としたものはいず れも教師が, 「無」 としたものはいずれも親が有意に高率であっ た. 性教育の指導の経験があると したものが教師に高率 であっ たことは, 教育課程におい て分散的で はある が正式に位 置 づ けられていること, また必要観が高いこと, さらに日常の学校生活において 現実的な性の問題を解決・指導していることなどのためであると考えられる, 一方親は, その必要 性は認めてはいるものの, 性教育指導経験も少なく, 特に専門的教育を受けていないことなど 子 , どもの一つの性的現象に対してどのように対応し どのように指導したらよいかわか らないという , こ と の た め で あ ろ う と 考 え られ る.. 9 }は 「人生段階的に従うならば その後の段階で予 しかし性教育指導にあたって, ニューマンら1 , 想されることがらに対して, それにそなえるという意味から, 前段階にその準備をしておくことが 重要である」 とのべて いるように, 性的成熟が急激になる思春期になうてからはじめて性教育を行 うということではなく, その前段階としての学童期, またそれ以前の幼児期, さらにそれ以前の生 れたときから家庭生活 の中で (あるいは学校生活の中 で) 性の教育・指導を進めていくことが必要 で あ る, 162.
(16) . 親と教師の性意識・性教育観について 表 −10 性教育の指導経 験について 総. 数. 年. 齢. 女. 男. 別. 男. 別. 総. 女. =1 n= ,279. 20・30代. 40・50代. ニ301 nニ. n=147. n=184. E 3 4 n=2. 1 1;448. 8 n=牢1. の経験. 教師. n=1 ,396. 二948 n:. ニ305 nニ. n;643. n=753. r 1=195. n=831. 740. 53 ( ) ,0. nコ300. n;148. ニ392 nニ. ニ439 nニ. 教師 ◎1. 親. 親 有. 結 婚 形態別 恋愛結婚 それ以外◎2. 親. 親 性教育\. ( ) 内は% 数. 11 0 「 nニニ152 4 1 3 ) 2 ) ※ (3 2 ) ※ ( 3 4 3 ) ※ (2 ) ※ ( ) ※ ( (33 .9 ,7 ,8 ,0 ,9 ,9 ※ ※− ‐ ‐ ‐ n;152 I. 105. ※. 「. ※. 47. 「. 42. 「. ※. ※ 教師 努 ※ 教師 ※ ※ ※ 」 一 524 45 一 13 4 一 n−− , =5 403 一 18 5一 = 8 8÷ n: 63 6 8 ) ( ) ( ( 60 ) 6 62 ( 0 ( ) (6 2 ) ) ,1 ,7 ,3 .7 ,7 .0. 親. 46 「 106 「 3 5 )※ ( 3 1 ) ※ ( ,3 ,1 ※. ー−−−−−※‐州繭−−−− ※ ※ 271 一 253 一. 4 ( 6 ) ,5. ( 6 1 ) ,7. 親. ◎3 nニニ296 142 「 15 4 「 n;296 100 「 196 ÷「 ÷「 6 無 ) 5 8 ) ※ (6 77 ) ※ ( 5 6 8 ) ※ ( 6 6 ) ※ ( ( ) 奨 (6 ,1 ,3 ,2 .0 ,1 .1 ※ ※ ※ ※ 656 教師 ※ ※ ※ ※ 4 ) ( 7 ,0 6 1 一 nニニ307 240 一 2 9 9一 12 0一 6 3 1 (3 ) ( ) 3 3 9 7 ) 3 7 ) ( ( 39 3 ) ( ,9 .3 , , ,. 102 「 19 4「 4 68 ) ※ (6 )莞 ( ,9 ,7 ※ ※ 168 ÷」. (3 8 ) ,3. ) 5 ※※※ P<0,駅 7名を除いたものである。 8名から独身者 11 ◎1 ;教師の総数 94. ◎2;主として見合い結婚を示す。 ◎3;その他, 無回答を含む。. 今日, 「性の開放化」 という風潮の中 で, 子どもたちの現実的な性と愛の問題を指導・解決して いく ためには, 親と教師の性意識のちがいを明確に把握した上 で, 親と教師が一体的に推進してい かなければならない, そのためには教員養成大学における 「性教育学」 の充実とともに, 父親, 母 親のための 「性教育講座」 等の開設により, それぞれの教育・指導資質を高めていく必要があると 思 わ れ る,. 4. 要. 約. 北海道 A 市における現職小学校・中学校教師948名, 及 び小 学生・中学生の子どもをもつ親448 名について, 性意識及び性教育観のちがいについて調査し, 次の結果を得た. 1)「愛 (Love) 」 へのイメージについては, 親・教師ともに 「思いやり」 としたものは57 .4%,「幸 せ」 としたもの28 ,8%, 「結婚」 としたもの5 ,5%であり, 「思いやり」 としたものは教 師が, 「幸せ」 「結婚」 としたものは親が高率であっ た. また 「思いやり」 としたものについては, 20∼30代, 女 教師が, 「幸せ」 は, 20∼30代, 恋愛結婚した女親が, 「結婚」 は主として見合結婚したものを除く すべての親が高率であった, 2)「性 (Sex) 」 へのイメージについては, 親・教師ともに 「人間の本性」 としたものは47 ,6%, 1 % 大切なもの としたもの 「愛」 としたもの23 「 」 1 %であり 人間の本性 7 7 「 」 としたものは教 , , . , 師が, 「大切なもの」 としたものは親が高率 であった. また 「大切なもの」 としたものについては, 163.
(17) . 片 岡 繁 雄. 男親を除くすべての親が高率であっ た. 3) 処女童貞観については, 親・教師ともに 「結婚まで男女とも処女童貞であるべきである」 とし たものは32 .5%, 「女は処女, 男 ,7%, 「結婚まで男女とも処女童貞でなくてもよい」 としたもの23 は童貞でなくてもよい」 としたもの10 ,0%であり, 「男女とも処女童貞」 と したものについては教 師が, 「男女とも処 女童貞でなくてもよい」 「女は処女, 男 は童貞でなくてもよい」 としたものにつ いて は親が高率であっ た, また・「男女とも処女童貞」 としたものについては, 40∼50代, 結婚して 0代, 主として見 いる教師が, 「男女 とも処女童貞でなくてもよい」 としたものについては, 40∼5 合結婚 した男親 が, 「女は処女, 男 は童貞でなくてもよい」 としたものについては, すべての親 が 高率であった, 4)性道徳観については,親・教師ともに「愛し合っていれ ば性行為を認める」としたものは44 .2%, ば性行為は認める 」と 愛し合 ていれ 6 %であり 「 「夫婦以外の性行為は否定」 としたものは40 っ . , したものについては教師 が, 「夫婦以外 の性行為は否定」 としたものについては親が高率であった. また 「愛し合っていれ ば性 行為は認める」 としたものについては, 女教師を除くすべての教師が, 「夫婦以外 の性行為は否定」 としたものについては, 20∼30代の親が高率であっ た, 結婚観については, 親・教師ともに 「家庭が築かれる」 としたものは54 .9%, 「精神的に安定 5 する」 としたもの2 ,6%, 「社会的に信用される」 としたもの4 .7%であり, 「社会的に信用される」 5). と し た も の に つ い て は親 が高 率 で あ っ た,. また離婚観につ いて は, 親・教師ともに 「一度結婚 したら別れるべきではない」 としたものは 46 .3%, 「理由があれば別れてもよい」 としたもの31 .7%で, 親と教師との間に有意な差は認めら れな か っ た. 6) 男女交際に関する対応については, 親・教師ともに 「両立型」 と したものは8 1 .5%, 「学習中 %であり 心型」 としたもの8 親と教師との間に有意な差 7 は認められなか った. . , 7) 性に関するマスコミ観について は, 親・教師ともに 「有害」 と したもしたものは7 2 .0%, 「有 害ではない」 としたもの23 としたものについては教師が 0 %であり 「 有害 」 有害でない 「 」 とし , , , たものは親が高率であっ た,. 8 8)性教育の必要性については, 親・教師ともに 「必要である」 としたものは8 .1%,「必要でない」 と し た も の11 .9% で あ り, 「必 要 で あ る」 と し た も の に つ い て は, 教 師 が 高 率 で あ っ た. ま た 「必. した男教師が, 一方 「必要でない」 とした 要である」 と したものについては, 40∼50代, 恋愛結婚. も の に つ い て は, 40∼50代, 恋 愛 結 婚 し た 男 親 がそ れ ぞ れ 高 率 で あ っ た, 9)性教育の指導経験については,親・教師ともに「有」としたものは5 3 ,0%,「無」としたもの47 .0%. であり, 「有」 としたものについては教師 が, 「無」 としたものについては親 がそれぞれ高率 であっ た,. 164.
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