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DME 火炎 の す す生 成特性と その輝炎化に関する実験的研究

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 小 林 雅 律

学 位 論 文 題 名

DME 火炎 の す す生 成特性と その輝炎化に関する実験的研究

学位論文内容の要旨

  DME(ジメチル エーテ ル)は天然ガスや石炭等から合成される化学製品であり,燃焼時の排ガス がクリーンで取り扱いも容易をことから,次世代の燃料として注目されている.すでに中国では生産 が 本 格 化し つ っ あ り, 日 本でも 国内初 の燃料用 商業プ ラント が08年に 稼働す る予定 である .   DMEはポイラやガスタービン,ディーゼル機関,燃料電池をど幅広い用途に適するが,専用機器 の普及には時間がかかることから,当面はボイラや工業炉をど,台数が多く,かつ1基当たりの燃料 消費量が大きい既存設備での利用が有力視されている,一方,これらの機器は伝熱に火炎からの輻射 熱を利用するため,火炎の輝度が性能に大きく影響する,すをわち,従来の燃料に比べて極めて火炎 輝 度の低 いDMEに転 換すると,当初の性能を維持できをくをる可能性が高い,従って,DME火炎の 輝炎化は,その普及を促す観点から,喫緊の課題であるといえる.

  火 炎の輝 度向上 には燃 焼時に すすを生 じさせる必要があるが,従来のDME研究はすすの少をさ を利点と捉えるものが大半で,DME火炎で積極的にすすを発生させる研究はほとんど行われていを い,あえて挙げれぱ,数値解析を通じてすす生成の可能性を示唆する報告は存在するものの,実際の DME火 炎 に おい て 定 量 的に す す を 捉え , そ の 発生 条件 を明らか にした 研究は 見あた らをい .   以上の状況を鑑み,本研究では,実験的な手法を通じてDME火炎中にすすを生じさせるための基 本条件を明らかにするとともに,その生成特性を調ベ,実際のポイラ用バーナで輝炎化を実現するた めの工学的手法を見いだすことを目的とした.

  検討の前提として,通常の条件ではDME火炎から十分なすすを生じさせること自体が難しいが,

本研究では,高温雰囲気下でDME火炎が輝炎化する現象に着目し,高温燃焼場でのすすの生成条件 および生成特性の特定を行った,また,得られた生成条件に関する知見を基に.ポイラ用バーナにお けるDMEの輝炎化手法を検討し,バーナ先端の形状変更により周囲の流れに変化を与えることが、

輝炎化および輻射伝熱量の向上に有効であることを示した.

  本 論 文 は 全5章 で 構 成 さ れ て お り , 本 研 究 の 一 連 の 成 果 を ま と め た も の で あ る ,   第1章では ,DMEの燃 料とし ての特 性およ びこれ までのDME製造お よび利 用技術 の進展 を俯瞰 するとともに,普及に向けての課題を考察した,さらに,現在のポイラにおける燃料の動向を踏まえ て,本研究の目的,およびその意義について述べた.

  第2章では ,燃焼 雰囲気 を高温 化する ことによ り,DME火炎か らのすす生成を試みた.通常の 燃 焼実験 で雰囲 気温度を変化させることは難しいが,高温空気実験装置を用いることで常温から 1000Kレベルまで,任意の温度場を作り出すことができる,本章では,この装置を研究に導入するこ とで,DMEを高温雰囲気下で拡散燃焼させて,火炎輝度の変化を観察した.また,透過光減衰法によ

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り,火炎中のすす濃度を測定し,雰囲気温度および酸素濃度がすす生成量に与える影響を調べた.そ の結果,高温雰囲気下ではDME火炎の輝度が高くをり,火炎中にすすを十分に生成しうることが示 された.また、すす生成量は雰囲気温度が高いほど増加し,かつ特定の雰囲気酸素濃度で最大とをる ことがわかった.比較として、同一条件におけるメタン噴流拡散火炎のすす生成量を調べたところ、

その す す 生 成量 はDME拡 散火 炎に比 ベ大き く,す す濃度 がピー クを取 る雰囲気 酸素条 件はDME に 比 ベ 高 酸 素 濃 度 側 に シ フ ト し 、 そ の 生 成 特 性 はDMEと 異 を る こ と が 示 さ れ た .   第3章で は,前 章の結 果を受けて,DME火炎おけるすす生成量の少をさが,含酸素燃料ゆえに実 質的を当量比が低いためをのか,あるいは酸素を含む分子構造自体に起因するのかという基本的を 課題に対し,実験的をアプローチによる考察を行った,具体的には,高温空気燃焼場におけるDME 拡散火 炎から のすす生 成量と,燃料に酸素を部分予混合したメタン火炎のすす生成量を比較する ことによって.DMEの分子中の酸素がすすの抑制にどのように関与しているかを検証した,その結 果,DME火 炎のす す生成 量は, 当量比 をDMEと等 価にし たメタ ン部分予 混合火炎に比べて大幅に 少をく。DME火炎のすす抑制要因が,含まれる酸素による実質的を当量比の低下では説明できをい ことを明らかにした,さらに,DMEの熱分解機構に関する過去の研究事例を参照しつつ,初期の熱分 解経路に起因するすす抑制機構について考察した.

  第4章で は。こ れまで に得られた知見を基に,実際のポイラにおけるDMEの輝炎化を試みた.通 常の工 業用バ ーナでDMEを輝炎 化する のは極め て困難 だが,DMEを噴霧 燃焼させた際に,気化潜 熱でバーナ先端が冷却されると,ハイドレート状の物質が付着し,火炎が明るくをることがある.こ の現象に着想を得て,バーナ先端に円錐状の凹みを持つ部品を装着したところ,DMEが輝炎化する ことが確認された.輝炎化の原因を明らかにするため,位相ドップラ式レーザ粒子分析計で噴霧挙動 の変化を測定し,バーナ先端の形状変更が周辺の流れ場にどのようを変化を与えているかを検証し た,続いて,この流れ場の変化と前章までに得たDME火炎のすす生成条件を考え合わせることによ り、輝炎化のメカニズムについて検討を加えた.さらに,この燃焼手法を実際のポイラに適用し,輝 炎化による輻射伝熱量の向上を検証するとともに,より実用的を燃焼性が得られるよう構造に改良 を加え,その効果を確認した,

  最終章 (第5章 )は結 論であり,本研究で得られた知見の総括を行うとともに,今後のDME利用 に向けた本研究の役割について述べた.

  本研究 では, スート フリー 燃料と考 えられ てきたDMEからもすす生成が可能であることを実験 的に確認するとともに,含酸素燃料であるDMEのすす生成特性を明らかにした,さらに,これらの 知見をポイラ用バーナに適用することによって,DMEの輝炎燃焼が実現し,輻射伝熱の改善を図る ことができた.

  これらの研究成果は,DMEの燃焼利用に対して一定の知見を与えるものであり,学術的のみをら ず工業的にも,一つの指針とをると考えられる.

    以上

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

DME 火炎 の すす 生 成特 性と その輝炎化に関する実験的研究

  DME(ジメチルエーテル)はポイラやガスタ―ビン,ディーゼル機関,燃料電池をど幅広い用途に 適するが,専用機器の普及には時間がかかることから,当面はポイラや工業炉をど,台数が多く,か つ1基当たりの燃料消費量が大きい既存設備での利用が有力視されている.一方,これらの機器は 伝熱に火炎からの輻射熱を利用するため,火炎の輝度が性能に大きく影響する.すをわち,従来の燃 料に比 べて極 めて火 炎輝度 の低いDMEに転換すると,当初の性能を維持できをくをる可能性が高 い . 従 っ て ,DME火 炎 の 輝 炎 化 は , そ の 普 及 を 促 す 観 点 か ら , 喫 緊 の 課 題 で あ る .   火炎の 輝度向 上には 燃焼時 にすす を生じ させる必要があるが,従来のDME研究はすすの少誼さ を利点と捉えるものが大半で,DME火炎で積極的にすすを発生させる研究はほとんど行われていを い,そこで本研究では,実験的を手法を通じてDME火炎中にすすを生じさせるための基本条件を明 らかにするとともに,その生成特性を調ベ,実際のボイラ用バーナで輝炎化を実現するための工学的 手法を見いだすことを目的としている,

  本 論 文 は 全5章 で 構 成 さ れ て お り , 本 研 究 の 一 連 の 成 果 を ま と め た も の で あ る ,   第1章で は,DMEの燃料と しての 特性お よびこ れまで のDME製造 および 利用技 術の進 展を俯瞰 するとともに,普及に向けての課題を考察した,さらに,現在のポイラにおける燃料の動向を踏まえ て,本研究の目的,およびその意義について述べている.

  第2章で は,燃 焼雰囲 気を高 温化す ること により ,DME火炎 からのすす生成を試みた.通常の 燃焼実 験で雰 囲気温度を変化させることは難しいが,高温空気実験装置を用いることで常温から 1000Kレベルまで,任意の温度場を作り出すことができる,本章では,この装置を研究に導入するこ とで,DMEを高温雰囲気下で拡散燃焼させて,火炎輝度の変化を観察した.また,透過光滅衰法によ り,火炎中のすす濃度を測定し,雰囲気温度および酸素濃度がすす生成量に与える影響を調べた,そ の結果,高温雰囲気下ではDME火炎の輝度が高くをり,火炎中にすすを十分に生成しうることが示 された.また、すす生成量は雰囲気温度が高いほど増加し,かつ特定の雰囲気酸素濃度で最大とをる ことを実験的に初めて示した,

  第3章では,前章の結果を受けて,DME火炎おけるすす生成量の少顔さが,含酸素燃料ゆえに実質

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修 之

彦 美

   

   

英 一

田 川

藤 久

藤 小

工 近

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

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的を当量比が低いためをのか,あるいは酸素を含む分子構造自体に起因するのかという基本的な課 題に取 り組ん でいる.具体的には,高温空気燃焼場におけるDME拡散火炎からのすす生成量と,燃 料に酸 素を部 分予混合したメタン火炎のすす生成量を比較することによって,DMEの分子中の酸素 がすすの抑制にどのように関与しているかを検証した.その結果,DME火炎のすす生成量は,当量比 をDMEと 等価にし たメタ ン部分 予混合 火炎に 比べて 大幅に 少顔く ,DME火炎 のすす 抑制要因が,

含まれ る酸素 による実質的を当量比の低下では説明できをいことを明らかにした.さらに,DMEの 熱分解機構に関する過去の研究事例を参照しつつ,初期の熱分解経路に起因するすす抑制機構につ いて述べている.

  第4章 では,こ れまで に得ら れた知 見を基に,実際のポイラにおけるDMEの輝炎化を試みた,通 常の工 業用バ ーナでDMEを輝炎 化する のは極 めて困 難だが ,DMEを噴 霧燃焼 させた 際に,気化潜 熱でバーナ先端が冷却されると,ハイドレート状の物質が付着し,火炎が明るくをることがある.こ の現象 に着想 を得て,バーナ先端に円錐状の凹みを持つ部品を装着したところ,DMEが輝炎化する ことが確認された.輝炎化の原因を明らかにするため,位相ドップラ式レーザ粒子分析計で噴霧挙動 の変化を測定し,バーナ先端の形状変更が周辺の流れ場にどのような変化を与えているかを検証し た.続 いて、 この流れ場の変化と前章までに得たDME火炎のすす生成条件を考え合わせることによ り、輝炎化のメカニズムについて検討を加えた.さらに,この燃焼手法を実際のポイラに適用し,輝 炎化による輻射伝熱量の向上を検証するとともに,より実用的を燃焼性が得られるよう構造に改良 を加え,その効果を確認した.

  最終章 (第5章 )は結 論であ り,本 研究で得られた知見の総括を行うとともに,今後のDME利用 に向けた本研究の役割について述べた,

  これを 要する に,著者は,スートフリー燃料と考えられてきたDMEからもすす生成が可能である ことおよびその生成条件を実験的に初めて示すとともに,この知見をボイラ用パーナに適用するこ とによ ってDMEの 輝炎燃焼を実機において実現させ輻射伝熱の改善に成功しており,その成果は,

エネルギ工学,燃焼工学の発展に貢献すること大顔るものがある,

  よ っ て 著 者 は , 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 され る 資 格 ある も の と 認め る .

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