• 検索結果がありません。

切除不能・術後再発結腸直腸癌に対する

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "切除不能・術後再発結腸直腸癌に対する"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 医 学 ) 結 城 敏 志

学 位 論 文 題 名

切除不能・術後再発結腸直腸癌に対する

Irinotecan + bolus 5‑fluorouracil +

Levofolinate (New IFL) 療法の第I / II 相臨床試験 学位論文内容の要旨

【目的と背景】

Irinotecan(CPT−11)は本邦で開発された抗癌剤であり ,トポイソメラーゼIを阻害し,DNAの複製を 抑 え る 薬 剤 であ る.1991年Shimadaら が 前治 療を 有す る再 発・ 進行 大腸 癌を 対象 に単 剤の 第II相 試験を行い,奏効率31.3%と 本剤の抗腫瘍効果が報告された.

CPT−11は 欧 米 で 初 回 治 療 例 に 対 す る 大 規 模 無 作 為 化 比 較 試 験 が 行 わ れ た . 米 国 で はbolus 5―FU/LV十CPT−11(IFL療法 )と 米国 の 標準 治療 であ ったbolus5―FU/LV(Mayo療 法) の無 作為 化 比較 試験 を行 い, 奏効 率・ 無増 悪生 存期 間・ 生存 期間 中 央値 で有 意な 改善 を示 した.一方,欧州 で はinfusional5ーFU/LV十CPTー11と 欧 州の 標準 治療 であ ったinfusional5―FU/LVの 無作 為化 比 較試 験を 行い ,こ ちら も同 様に 奏効 率・ 無増 悪生 存期 間 ・生 存期 間中 央値 で有 意な改善を示し,

CPTー11の 初 回 治 療 例 に お け る 有 用 性 が報 告さ れた .以 上よ り欧 米 ではCPT−11十5ーFU/LV療 法 が 切 除 不 能 進 行 結 腸 直 腸 癌 に 対 す る 標 準 初 回 治 療 と し て 認 識 さ れ る よ う に な っ た . し か し , 欧 米でIFL療法 は消 化器 毒性 や 血栓 症に よる 早期 死亡 率が 高い こと が問 題と なり ,現 在 ではinfusional5ーFU/LVにCPT―11を 加え たFOLFIRI療 法 が標 準的 治療 のー っと 考えられている.

し か し ,bolus5ーFUで行 うIFL療 法は 皮 下埋 込み 型リ ザー バー 挿入 や携 帯型 持続 ポン プの 必要 性 も無いことから,外来患者に対する治療としては簡便か つ有用と考えられる.今回,本邦での安全な 投 与 法 を 確 立 す る た め に ,bolus5−FU/LV十CPTー11併 用 療 法(New IFL)の 最大 耐用 量お よび 推 奨 投 与 量 の 決 定 と 安 全 性 ・ 有 効 性 を 検 討 す る た め に 第I/II相 臨 床 試 験 を 計 画 し た .

【方法と結果】  

本 臨 床 試 験 は 北 海 道 内16施 設 で 組 織 し て い る 北 海 道 消 化 器 癌 化 学 療 法 研 究 会 に お い て , 本 臨 床 試 験 の 実 施 を 倫 理 委 員 会 で 承 認 さ れた16施 設で 行わ れた .症 例は 組織 学的 に確 定診 断さ れ た 年 齢75歳 以 下 の 切 除 不 能 あ る い は 術 後 再 発 結 腸 直 腸 癌 症 例 と し ,前 化学 療法 が1レジ メン 以 内 ,Performance Status (ECOG)が0〜2で患 者本 人か ら文 書に よる 同意 が得 られ てい る症 例と し た .5−FU/LVの 投 与 方 法 は , 本 邦 に お け る 保 険 承 認 用 法 で あ る 急 速 静 注 法(Roswell Park Memorial Institute(RPMI)レジ メン )を 参考 に,Day l‑8‑15‑22に投与した.LVは本邦ではノ体の Levofolinate(/‑LV)が保 険承 認と なっ てい るた めl‑LVを 用い ,250mg/m2を2時間 かけ て点 滴静 注 し た .5一FUは600mg/m2をPLVの 投 与1時 間 後 に 急 速 静 注 し た .CPT−11は90分 か け て 点 滴 静 注 し た .CPT―11の 投与 に関 して は, 本 邦に おけ るCPT―11単 剤の 標 準投 与法 の中 からB法 (二 週 間毎 :Day l‑15)を選 択し , 第I相試験における増量計画 はLevel l:lOOmg/m2,Level2:l25mg/m2, Level3:l50mg/m2とした.

    ―393−

(2)

第I相 試 験 の 主 た る 評 価 項 目 は 最 大 耐 用 量 と 推 奨 投 与 量 の 決 定 , 有 害 事 象 の 評 価 , 副 次 評 価 項 目 は 奏 効 率 と し , 第II相 試験 の 主た る評 価項 目は 奏効 率, 副次 評価 項目 は無 増悪 生存 期 間,

生 存 期 間 , 有 害 事 象 の 評 価 と し た .2000年4月 か ら2003年12月 に23例 が 登 録 さ れ た . 年 齢 中 央 値 は57歳 , 男 女 比 は15:8で あ っ た . 23例 中4例 が術 後再 発で あり ,20例が 初回 化学 療 法で あった.

第I相 試 験 で はLevel2で6例 中4例 のDLTが 発 現 し た た め ,Level 2(125mg/m2)を 最 大 耐 用 量 ,Levell(lOOmg/m2)を 推 奨 投 与 量 と 決 定 し , 引 き続 き第II相 試験 の症 例登 録を 継続 し た,

奏効 率は 推 奨投 与量 で52.9%(9/17),Level2で83.3%(5/6)であり,第I/II相試験全体では奏効率 60.9%(95%信頼 区間 :38.5−80.3%) であ った .無 増悪 生存 期間 中 央値 は244日(95%信頼 区間:

167―321日 ), 生存 期間 中央 値は415日(95%信頼区間 :133ー697日)であり,1年 生存率は56.5%, 2年生 存率は30.4%であった.

【考察】

  推 奨投 与 量のCPT―11 Dose intensity(DI)は40mg/m2/週と なり ´IFL原法(83.3mg/m2/週)の約 半 量 と 低 用 量 に な っ た . 一 方 ,5−FUのDIはIFL原 法(333mg/m2/週 )に 対し て480mg/m2/週 と高 用 量 で あ っ た . し か し ,推 奨投 与 量17例の 有害 事象 にお いてbolus5―FUに 起因 する と思 わ れる Grade3以 上 の 口 内 炎 はIFL原 法 の2.2%と 比 較 し ,0%と5−FUの 用 量 が 増 え て い るに もか か わら ず 低 頻 度 で あ っ た . ま た ,CPT−11に 起 因 す る と 思 われ るGrade3以上 の下 痢はIFL原 法の22.7%

に対 し,O%と大 きく 発現 を抑 える こと ができた.骨髄抑制はGrade3以上の好中球 減少症が47.1%と IFL原 法 の53.8%よ り 発 現を 抑え た が, 発熱 性好 中球 減少 症はIFL原 法の7.1%と比 較し ,17.6%と 高頻度であった,しかしこれらの症例は,支持療法で重篤化することなく改善し,プロトコール規定通 りにCPT−11の 減量 を行 うこ とで それ 以 降は 重篤 な骨 髄抑 制が 無く ,外 来治 療継 続が 可能 であっ た,

New IFLの 抗 腫 瘍 効 果 は 奏 効 率60.9%, 無 増 悪 生 存 期 間8.1か 月 と い ず れ もIFL原 法 の39%, 7.0か 月 を 超 え る 良 好 な 成 績 で あ っ た . 生 存 期 間 中 央 値13.8か 月 はIFL原 法 の14.8か月 に ほば 匹敵 する 成 績と考えられた.現在,生存期間中央値が20か月を超える中,一見短いように見えるが Oxaliplatin(L−OHP)の 本邦 承認 前に 開 始さ れた 試験 であ り, 本試 験に おけ るL一OHP使用 症例が 21%と 低 頻 度 で あ っ た こ と と 二 次 治 療 例 も 含 ま れ て い た た め と 考 え ら れ た . New IFLはCPT―11を 隔 週 投 与 に し た 事 で 有 害 事 象 を お さ え ,5ーFU/LV投 与 は 本邦 承認 用 址を 減量せず取り入れることで高い奏 効率を得ることができたと考えられた,現在,標準治療として実施 さ れ て い るFOLFOXやFOLFIRIは 皮 下 埋 込 み 型 リ ザ ー バ ー 挿 入 と 携 帯 型 持 続 ポ ン プ 装 着 が 必 要 で あ る こ と か ら , 末 梢 静 脈 か ら 投 与 可 能 な 本 法 は 有 用 な 治 療 で あ る と 考 え ら れ た .

【結語】

切 除 不 能 ・ 術 後 再 発 結 腸 直 腸 癌 に 対 し てCPTー11十bolus5ーFU十/‑LV(New IFL)療 法の 第I/II 相臨 床試 験 を行 った . New IFL療 法はIFL原 法と 異な り有 害事 象は 低頻 度だ った が, 治療 効果は ほば 同等 で あっ た. 以上 よりNew IFL療法は日本人に 対して安全に施行可能で有用なレジメンであ ると考えられた,

394

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨

学 位 論 文 題 名

切 除 不 能 ・ 術 後 再 発 結 腸直 腸 癌 に 対す る

Irinotecan + bolus 5‑fluorouracil +

Levofolinate (New IFL) 療 法 の 第 I / u 相 臨 床 試 験

  Irinotecan(CPT―11) 十Bolus5ーfluorouracil(5―FU)十Leucovorin(LV):IFL療法は 試 験 開 始 当 時 、 米 国 に お い て 結 腸 直 腸 癌 に 対 す る 標 準 的 化 学 療 法 のー っと され てい た。

IFL療 法 は 良 好 な 抗 腫 瘍 効 果 を 示 す 一 方 、 特 に 消 化 器 毒 性 に よ る 治 療 関 連 死 亡 が 多 く、 その 毒性 のた め 本邦 へそ のま ま導 入す ることは困難と判断されていた。申請者は、 試 験 開 始 当 時 、 本 邦 に お け る 結 腸 直 腸 癌 に 対 す る 標 準 的 化 学 療 法 の ー っ と さ れ て い た Bolus5−FU十Levofolinate(l‑LV)にCPT−11を 加 え 、 治 療 ス ケ ジュ ール を改 変し たNew IFL療 法 の 推 奨 投 与 量 を 決 定 し 、 そ の 抗 腫 瘍 効 果 に っ い て 検 討 し た 。 第I相 試 験 の 結 果、 推奨 投与 量はCPT−11  10 0mg/耐(Dayl,15)、Bolus5―FU 600mg/而.1―LV 250mg/

缶(Dayl,8,15,22)に 決 定 し 、 奏 効率 は52.9%、 無増 悪生 存期 間は244日 、生 存期 間中 央 値 は415日 とIFL原 法 の 抗 腫 瘍 効 果 を 保 ち 、 有 害 事 象 発 現 頻 度 を 低 下 さ せ 、New IFL療 法の 安全 性と 有用 性を 示し た。

  口 頭 発 表 に 際 し 、 副 査 秋 田 教 授 よ りDLT設 定 の 根 拠 に 関 し て 、 好 中 球 減 少 症 の 責 任 薬 剤 に っ い て 、UGTIA1遺 伝 子 多 型 の 検 討 に っ い て の 質 問 が あ った 。こ れに 対し て申 請 者 は 、New IFL療 法 は 外 来 治 療 を 念 頭 に 置 い て い る た め 、DLTを厳 しく 設定 して いる こ と 、 好 中球 減少 症の 原因 薬剤 は過 去の 報告 よりBolus5ーFUが考 えら れる こと 、ま た、

UGTIA1遺 伝 子 多 型 の 検 討 はProtocolに 規 定 し て お ら ず 毒 性 が 強 く 発 現 し た1例 の み 検 討 し 、UGTIAl*28の 多 型 を 認 め た こ と を 回 答 し た 。 次 い で 、 副 査 近 藤 教 授 か ら 本 レ ジメ ンの コン プラ イ アン スに つい て、 結腸 直腸癌化学療法における本レジメンの位置づ け に つ い て 、将 来的 な展 望と して 分子 標的 薬剤 の必 要性 に つい ての 質問 があ った 。こ れに 対 し て 申 請者 は、 有害 事象 によ るProtocol脱 落例 は数 例 にと どま り、 多く の症 例は 病勢 の 進 行 で 治療 変更 とな った こと 、過 去に 報告 され たMeta−analysisよ り転 移性 結腸 直腸 癌 に お い て 全 治 療 期 間 中 にCPTー11、5ーFU/LV、Oxaliplatinの3剤を 使い 切る こと が生 存 の 延 長 に っ な が る こ と が 報 告 さ れ て お り 、lst lineあ る い は2nd lineのい ずれ かで CPT−11を含 んだNew IFL療 法を 行う こと が推 奨さ れる こ と、 分子 標的 薬剤 に関 して は海 外 の 無 作 為 化 比 較 試 験 に お い て 生 存 期 間 延 長 が 示 さ れ て い る こ とか ら、 今後 本邦 にお いて も重 要な 位置 づ けに なる と考 えら れる こと を回 答し た。 さら に主 査浅香教授よりIFL

博 俊

正 弘

香 田

浅 秋

授 授

教 教

査 査

主 副

(4)

原 法 と のLV量の 違 い 、下 痢 の発 生 頻 度低 下 に っいて、 現在標準 的に行わ れている

FOLFIRIと比較した本レジメンの利点についての質問があった。これに対して申請者は

LV量 の違いを 比較した 試験はなく 、本試験 の1―LVは試験開始時に本邦で承認を得て いた投与方法(RPMIくRoswell Park Memorial Institute>レジメン)の用量を採用したこと、

下 痢 つ いて はCPT−11のDose IntensityがIFL原 法の50%以下 になって いることか ら CPT←11によると考えられる下痢の発生頻度が減少したと推察されること、また、New IFL 療法は末梢静脈からの投与が可能であることから、CVポートを必要とするFOLFIRI療法 が 行 え な ぃ 症 例 に お い て 治 療オ プ ショ ン と なる 可 能性 が あ るこ と を回 答 し た。

本研究は 、CPT−11十bolus5―FU十1−LV療法を日本人を対象に用量設定し直したとこ ろ、抗腫瘍効果は減弱させずに毒性のみを軽減することを明らかにした。本研究よりNew IFL療 法 は 、CVポー ト 管 理ができ ず、標準 的化学療法 といわれ るFOLFIRI療法(CVポ ートを用いた持続静注併用)を行うことができない症例に対する治療オプションとして期待 される。

審査員一 同は、こ れらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位など も併せ申請者が博士(医学)の学位を受けるのに十分な資格を有するものと判定した。

396

参照

関連したドキュメント

 仮定2.癌の進行が信頼を持ってモニターできる

今回completionpneumonectomyを施行したが,再

Yoshinobu Hattorit, Seisaku Kamibayashi', Hirofumi Satoh2,Michihisa Kojima,r, Toru Watanabe3 and Kenji Omura3 uKijima Hospital 2Department of Surgery, Yokohama Sakae Kyosai

     原 著  岡田凹第四謄窒﹁グサすーム﹂

たらした。ただ、PPI に比較して P-CAB はより強 い腸内細菌叢の構成の変化を誘導した。両薬剤とも Bacteroidetes 門と Streptococcus 属の有意な増加(PPI

5) Goéré D, Glehen O, Quenet F, et al: Second-look surgery plus hyperthermic intraperitoneal chemotherapy versus surveillance in patients at high risk of developing

2013年,会議録を除く」にて検索したところ論文数18 Fig. Intra-operative findings in the case 1 : Arrow- head shows the partial laceration of the anterior rec- tal wall.

Physiologic evaluation of the patient with lung cancer being considered for resectional surgery: Diagnosis and management of lung cancer, 3rd ed: American College of Chest