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気 象観 測 デ ー 夕 を用 いた舗 装 表 面 放 出熱 量 の推 定 に 関 す る研 究

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Academic year: 2022

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(1)【 土木学 会舗装工学論文集. 第4巻1999年12月. 】. 気 象観 測 デ ー 夕 を用 いた舗 装 表 面 放 出熱 量 の推 定 に 関 す る研 究 福 田 萬 大1・ 浅 枝 隆2・ 藤 野 毅3 1. 2. 3. 正会 員. 工博. 大 成 ロテ ック㈱ 技 術 研 究 所(〒365‑0027埼. 玉 県鴻 巣市 大 字 上 谷1456). 正会員. 工.博 埼 玉 大 学 助 教 授. 大 学 院理 工学 研 究科(〒338‑8570埼. 玉 県浦 和 市 下 大 久 保255). 正会 員. 学博. 大 学 院理 工学 研 究科(〒338‑8570埼. 玉 県浦 和 市 下 大 久 保255). 埼玉大学助手. 舗 装 か ら放 出 さ れ る熱 量 を推 定 す る た め,夏. ・冬 を含 む約8ヶ 月 間 にわ た り,ア ス フ ァル ト舗 装 の 表 面. 温 度 お よ び 日射 量,赤 外 放 射 量,気 温,湿. 度,風 速,雨 量 の 観 測 を行 っ た.次 に,観 測 結 果 の 重 回 帰 分. 析 を行 い,ア ス フ ァ ル ト舗 装 表 面 温 度,日. 射 量,赤 外 放 射 量 に対 す る推 定 式 を作 成 して,実 測 値 との適. 合性 を調 べ た.そ. の結 果,積 雪 時,強 風 時,路 面 凍 結 時 を除 き,推 定 値 と実 測値 との 差 は 最 大 で も 舗装. 表面 温 度 が5℃ 以 内,日 射 量 ・赤 外 放 射 量 は50W/m2以 内で あ る こ とが わ か った.ま た,夏. ・冬 の 晴 天 時 お. よ び秋 の 降 雨 時 にお け る舗 装 表 面 か らの放 出 熱 量(赤 外 放 射 量+日 射 反射 量+顕 熱 量)の 推 定 値 と実 測 値 の 差 は最 大 で も50W/m2以 内で よ い相 関 を示 した.. Key. Words : heat island, asphalt pavement, thermal radiation, meteorological observation data, multiple reglession analysis. 1.ま. えが き. 雨 後 の 潜 熱 輸 送 量 は 小 さい と考 え られ る4)た め,本 研 究 で は 考 慮 して い な い.. 都 市 部 にお い て 問題 とな っ て い る ヒー トア イ ラ ン ド現 象 に対 し,道 路 舗 装 の与 え る影 響 は 必 ず しも 小. 舗 装 表 面 温度 の デ ー タ が な い 場 合 は,リ モ ー トセ ン シ ン グに よ る熱 画像 か らも表 面 温 度 を と らえ る こ. さ くな い こ とが 指 摘 さ れ て い る1),2),3).こ. の原 因. とが で き る5)が,日 射 量 や 気 温,風 速 な どの 気象 観. と して,都 市 部 面 積 の10〜20%を 占 め る道 路 の ほ と. 測 値 か ら舗 装 表 面 温度 を推 定 で きれ ば,舗 装 表 面 か. ん どが 水 密 性 の舗 装 で覆 わ れ て い るた め,水 の 蒸 発. らの 放 出 熱 量 を 見積 も る こ とが 容 易 にな る.. に よ る潜 熱 輸 送 が 期 待 で きな い こ とや,黒 色 で 舗 装. 著 者 らは,舗 装 周辺 に お け る熱 的 環 境 を改 善 す る. 表 面 温 度 が 高 い た め,ア ス フ ァル ト舗装 表 面 か ら多. ため 車 道 用 の保 水性 舗 装 を考 案 し,そ の 表 面 か ら水. 量 の 赤 外 線 を放 射 して い る こ とな どが あ げ られ る.. を蒸 発 させ 気化 潜 熱 を 奪 わ せ て 舗 装 表 面 温 度 を低 下. 都 市 内 舗 装 の ほ とん どは黒 色 の水 密 な ア ス フ ァル. させ る こ とが 有効 で あ る こ と を,熱 容 量 に も とづ く. ト舗装 で あ るが,そ の放 出熱 量 を 見積 も る こ とに よ. 熱 収 支解 析 法 に よ り明 らか に した4)が,こ. り,都 市 内の 建 物 な ど他 の構造 物 と舗 装 との 熱 的 影. 時 的 に ア ス フ ァル ト舗 装 の 内 部 温度 お よび 気 象 の観. 響 を 比較 す る こ とが で き る 。. 測 を行 った.. の際,経. ア ス フ ァル ト舗 装 表 面 か ら上 空 へ 放 出 さ れ る熱 に. 本研 究 で は,過 去 の 実験 で得 られ た 気 象 観 測 デ ー. は,赤 外 放 射,日 射 の 反 射,顕 熱(舗 装 表 面 と空 気. タ(日 射 量,赤 外 放 射 量,気 温,湿 度,風 速)を 説. との 熱伝 達)お よび 潜 熱 が あ る.こ の うち赤 外 放 射. 明 変数 に と り,重 回帰 分 析 に よ りア ス フ ァル ト舗 装. 量 は舗 装 表 面 温 度 か ら,日 射 の反 射 量 は 日射 量 と舗. の 表 面 温度 を推 定 した.ま た,舗 装 表 面 温 度 と気 象. 装 表 面 の ア ル ベ ド(日 射 反 射 量/日 射 量)か ら,顕. 観 測 デ ー タ(気 温,湿 度,風 速)を 説 明 変数 と して,. 熱輸 送 量 は 風速 と舗 装 表 面 温 度 お よ び気 温 か ら計 算. 上空 か らの 日射 量お よ び 赤外 放 射 量 を推 定 した.. で きる 。な お,水 密 な ア ス フ ァル ト舗 装 の場 合,降. ―165―. これ らの 重 回帰 式 を 用 い て,ア ス フ ァル ト舗 装 表.

(2) 図‑1舗. 装 表面 に お け る熱 放 出モ デ ル と夏 季 日 中(1997年8月28日9〜17時. 平 均)の 放 出 熱 量 計 算 例. 面 か ら上 空 へ の 放 出 熱 量(赤 外 放 射 量,日 射 反 射 量, 顕 熱 輸 送 量)を 推 定 し,実 測 デ ー タ か ら計 算 した放 出熱 量 と比 較 して 重 回 帰 式 の適 合 性 を調 べ た. 2.舗. 装 表 面 に お け る熱 収 支. 舗 装 表 面 に は 太 陽 か らの 日射 お よ び大 気 や雲 か ら の赤 外 放 射 が 入 射 して 舗 装 を暖 め る.一 方,舗 装 か らは表 面 の ア ル ベ ドに 応 じて 日射 を反 射 す る と とも 図‑2舗. に,赤 外 放 射 お よび 顕 熱 を上 空 に放 出 して い る 。. 装 表 面 にお け る熱 収 支. こ の よ うな舗 装 表 面 に お け る熱 放 出モ デ ル を 図‑1 に 示 す 。 図 は,大 気環 境 お よび 歩 行 者 環 境(歩 行 者 に対 す る潜 熱 の 影 響 は な い)に つ い て の 熱 放 出状 態 お よび 夏 季 に お け るア ス フ ァル ト舗 装 と保 水 性 舗 装. mm/s〕,G:地. 中 伝 導 熱 量(W/m2)で. あ る.. 舗 装 表 面 か ら放 出 さ れ る 赤 外 放 射 量(Ru)は テ フ ァ ン ・ボ ル ツ マ ン 式 で あ る 式(3)か. 参 考 と して. こ こ に,ε:舗. 装 表 面 の 長 波 放 射 に 対 す る 射 出 率,. 以 下 の よ うに表 す こ とが で き る4),6).. σ:5.67×108(W/m2/K4),Ts:舗. 舗 装 表 面 が 吸収 す る 正 味放 射 量(Rn)は,式(1) 〜(2)で 示 さ れ る 。. であ る。 日 射 反 射 量(Su)は. (1) (2) こ こ に,Sd:日 ル ベ ド,Rd:大 m2),Ru:舗 m2),H:顕. 射 量(W/m2),α:舗. 装 表 面 か ら の 上 向 き の 赤 外 放 射 量(W/ 熱 輸 送 量(W/m2),l:水. 〔2453×103(J/kg)〕,E:蒸. (H)は. 装 表 面 温 度(℃). 式(4)よ. り,顕. (4) (5) こ こ に,Sd:日 ル ベ ド,Cpρ:空 K/m3)〕,CH:バ. の気化潜熱. Ts:舗. 発 量 〔(kg/m)/s=. ―166―. 熱輸送量. 式(5)の バ ル ク 式 よ り求 ま る 。. 装 表面の ア. 気 か ら の 下 向 き の 赤 外 放 射 量(W/. ら求 ま る 。. (3). 表 面 か らの放 出 熱 量 を 計 算 した 一例 を示 して い る. 舗 装 表 面 にお け る熱 収 支 式 は,図‑2を. ス. 射 量(W/m2),α:舗. 装 表 面 の ア. 気 の 体 積 熱 容 量. 〔1.21×105(J/. ル ク 輸 送 係 数,U:風. 装 表 面 温 度(℃),Ta:気. 温(℃)で. 速(m/s), あ る 。.

(3) 図‑3舗. 装 サ ン プ ル の概 要. 表‑1舗. 図‑4ア. 装材料の主な性状. 本 研 究 で 推 定 しよ う とす る 舗 装 表 面 の 放 出 熱 量 (Ru,Su,H)は,(3)〜(5)式. か らわ か る よ う に,. b)密 粒 黒 舗 装 表 面 温 度 お よ び 気 象 観 測 方 法 密 粒 黒 の 舗 装 表 面 温 度 は,表. 舗装 の 表 面 温 度 とア ル ベ ド,上 空 か らの 日射 量 と赤. 熱 電 対 温 度 計(タ. 外 放 射 量,気 温,風 速 が 与 え られ れ ば 見 積 も る こ と. て 測 定 した 。. が で き る.. 気 象 観 測 は,百 気 温,湿. 3.実. ル ベ ド計,赤 外 放 射 計 の 測 定 位 置. 験 概要. イ プT,素. 線 径0.65mm)を. 葉 箱 中 で 地 上1.5mの. 度 を 熱 電 対 温 度 計(タ. ミ ス タ 湿 度 計(ヴ ま た,30分. a)試 験 舗 装 の 構 築. た.. 舗 装 構 成 を 参 考 と して1993年7〜8月. に屋外 実験 場. (埼 玉県 鴻 巣 市)で 構 築 した9種 類 の舗 装70の う ち,. イ プT)お. さ1.5m)に. こ れ らの 測 定 値 は,1993年8月. ロ ガ ー(江. か ら1998年3月 藤 電 気 社 製,サ. す)を 表 層 と した もの で,図‑3に. c)日 射 量 お よ び 赤 外 放 射 量 の 測 定 方 法 上 空 か らの 日 射 量,赤. 舗 装 構 成 層 の 使 用 材 料 は,表 層 が 密粒 度 ア ス コ ン (以 下,密 粒 黒 と記 す),基. 層 が粗 粒度 ア ス コ ン,. 路 盤 が ア ス フ ァル ト安 定 処 理 お よ び 粒度 調 整砕 石 で 周辺 地 盤 か らの 伝 熱 の 影 響 を避 け るた め,舗 装 サ 表面. か ら深 さ30cmま で 設 置 して 断 熱 した.. ―167―. 示 す位 置 に アル ベ ド よび. 設 置 し測 定 し た.. 30分 間 隔 で デ ー タ ロ ガ ー(江 ッ クE)に. 取 り込. 弘 精 機 社 製,MR‑22お. こ れ らの 測 定 値 は,1997年8月. あ り,そ の 主な性 状 を表‑1に 示 す 。 ン プ ル の 周 囲 は 発 泡 ス チ ロー ル(厚 さ10cm)を. 計 お よ び 赤 外 放 射 計(英. およ. 間 隔 でデ ー タ. 外 放 射 量 お よ び 日射 反 射 量. (い ず れ も 瞬 間 値)は,図‑4に. MS‑200)を. よ り,. よ り測 定 し. ー モ ダ ッ クE)に. ん だ.. 法 は3×3mで あ る 。. よ び サー. か ら1995年9月. ま で,30分. 密 粒 度 の ア ス フ ァル ト混 合 物(以 下,ア ス コ ン と記 示 す よ うに 平 面 寸. 高 さ にお け る. ァ イ サ ラ 社 製,HMW20UB)に. 量 計 お よ び 三 杯 式 風 速 計(高. び1997年8月. 埋設 し. 間 の雨 量 お よび 平 均 風 速 を転 倒 ま す型 雨. (1)舗 装 サ ン プ ルの 概 要 お よ び測 定 方 法 選 定 した 舗 装 サ ン プル は,東 京都 区 内 の 一般 的 な. 面 か ら1cmの 深 さ に. 取 り込 ん だ 。. か ら1998年3月 藤 電 気 社 製,サ. まで ーモダ.

(4) 表‑2密. 粒 黒舗 装 表面 温 度 の回 帰 式 とデ ー タ の範 囲. (a). (b). 図‑5密. 粒 黒 舗装 表 面温 度 ・気 象 デ ー タの 経 時 変 化 例 (c). 4.舗. 装 表面 温度 の 推 定. (1)重 回 帰 分 析 方 法 密 粒 黒 舗 装 の 表 面 温 度 の 説 明 変 数 と して 重 回 帰 分 析10)に. と りあ げ た の は,日. 量(Rd)お (U)で. 射 量(Sd),赤. よ び 気 温(Ta),湿. 外放射. 度(RH),風. 速 図‑6密. あ る.. こ れ ら の 観 測 値 が そ ろ っ て い る1997年8月 年3月 の 降 雨 時 を 除 く 日 中(7時 と し て 解 析 を 行 っ た(デ な お,成. 対象 こ こ に,Ts:密. ー タ 数4605)。 示 すよ. う に 舗 装 表 面 温 度 は 約1時 間 前 の 日射 量 の 影 響 を 強 く受 け る こ と か ら,日 分)の. 射 量 は1時 間 前(6時. の比較. 〜1998. 〜18時30分)を. 田 ら も指 摘 して い る1)が,図‑5に. 粒 黒 舗 装 表 面温 度 の 測 定 値 と推 定 値 〔式(6)〕. 〜17時30. 粒 黒 舗 装 表 面 温 度(℃),Sd:日. 射 量(W/m2),Rd:赤 (℃),RH:湿 表‑2で,各. 外 放 射 量(W/m2),Ta:気. 度(%),U:風. 速(m/s)で. 説 明 変 数 の 平 均 が0,標. あ る. 準 偏 差 が1と な. る よ う 基 準 化 し た 標 準 回 帰 係 数 を 見 る と,密. 観 測 値 を使 用 して い る 。. 温. 粒黒舗. 装 表 面 温 度 に 対 す る 寄 与 の 大 き い 説 明 変 数 は,気. 温. お よ び 日射 量 で あ る こ と が わ か る 。. (2)舗 装 表 面 温 度 の 重 回 帰 分 析 結 果 密 粒 黒 舗 装 表 面温 度 を 目的 変 数 と した重 回帰 分 析 結 果 か ら,重. 相 関 係 数 の 大 き い2つ に つ い て 表‑2お. よ び 式(6)〜(7)に. (3)舗 装 表 面 温 度 の 適 合 性 の 検 討 晴 天 時 の 夏(1997年8月25〜31日)お. 示 す.. (6) (7). (1998年2月15〜21日),降 雨 時 の 秋(1997年9月13 〜19日)の 各7日 間 に つ い て,密 粒 黒 舗 装 表 面 温 度 の 測 定 値 と式(6)に 6(a〜c)に. ―168―. よ び冬. よ る 推 定 値 を 比 較 した 結 果 を 図‑. 示す。.

(5) (a). (b) 図‑7降. 雨 日 の舗 装 表 面 温 度 の測 定 値 と推 定値 の 比較 (a). 図‑9文. 献 デ ー タ11),12)に. よる舗 装 表 面温 度 の 比較. 日 射 量 は 雲 量 な ど の 影 響 を 強 く受 け る た め,鴻. 巣. 市 と大 手 町 の 日射 量 に 違 い が あ る こ とは 容 易 に想 像 (b). で き る 。 し か し,夏. 季 と 冬 季 の 連 続6〜7日. て 測 定 値 と推 定 値 を 比 較 した 結 果,日. につ い. 中12時 前 後 の. 舗 装 表 面 温 度 ピ ー ク 値 付 近 で は 最 高 約5℃ 程 度 の 差 が あ る も の の,舗. 装 表 面 温度 の経 時 変化 の 様 子 はか. な り再 現 で き て い る と 考 え ら れ る 。 ま た,文. 献 デ ー タ11),12)に. 示 さ れ る 日射 量 の 値. を 用 い て 舗 装 表 面 温 度 を 比 較 した 結 果 を 図‑9(a〜 b)に. 示 す.こ. こ で,図‑9(a)11)は. 赤外放 射量. の 値 が な い た め 式(7)を,図‑9(b)12)は. 図‑8大. 手町のデータ による舗装表 面温度の比較. 使 用 して い る が,観. 式(6)を. 測 日 や 場 所 が 異 な る 場 合 で も,. 測 定 値 と推 定 値 は 極 め て 良 い 相 関 を 示 して い る.. 表‑2の 回帰 式 は 降 雨 時 を除 く 日中 のデ ー タ か ら求 め た もの で あ るが,図 か ら明 らか な よ うに,降 雨 日 を 含 め て も最 大5℃ 以 内 の 誤 差 で舗 装 表 面 温 度 が推. 5.日. 射 量,赤. 外 放 射 量,舗. 装 表 面 放 出熱 量. の推 定. 定 さ れ て い る.た だ し,図‑7に 示 す よ う に,降 雨 時 で舗 装 表 面 温 度 が0℃ 付 近 と な る場 合(図 の ○ 内). 舗 装 か ら放 出 さ れ る 熱 量 や 舗 装 表 面 の 熱 収 支 を 求. や 降 雨後 の 強 風 時 お よび 積 雪 時 に は,水 の蒸 発 や 凍. め る た め の 日 射 量,赤. 結 ・融解 の 潜 熱 の 影 響 で 測 定 値 と推 定 値 の整 合 性 が. 下 に 推 定 す る.. 外 放 射 量 を,同. 様 な手法で以. 悪 くな り,回 帰 式 は 適 用 で き な い と考 え られ る 。 次 に,本 研 究 の 実 験 場(埼 玉 県 鴻 巣 市)か. ら約50. km離 れ た 大 手 町(東 京 都)に お け る 日射 量(東 京 管 区 気 象 台 地 上 気 象 観 測 原 簿 に よ る)の 値 を 式(6)に. (1)日 射 量,赤 日射 量,赤 結 果 か ら,重. 外 放 射 量 の 重 回帰 分 析 結 果 外 放 射 量 を 目的 変数 と した 重 回 帰 分 析 相 関 係 数 の 大 き い も の を 表‑3〜4,式. 適 用 し,舗 装 表 面 温 度 を比 較 した結 果 を 図‑8(a〜. (8)〜(12)に. b)に. 射 量 の 場 合0.87,赤. 示 す.. ―169―. 示 す が,最. も 大 き い 重 相 関 係 数 は,日. 外 放 射 量 の 場 合0.96が. 得 ら れ た..

(6) 表‑3日. 射 量 の 回 帰式. 表‑4赤. 外放 射 量 の 回 帰 式. (a). (8) (9) (10) (11) (12) こ こ に,Sd:日. 射 量(W/m2),Ts:密. 面 温 度(℃),Ta:気. 温(℃),RH:湿. 速(m/s),Rd:赤. 外 放 射 量(W/m2)で. (2)日 射 量,赤. 粒黒舗装 表 度(%),U:風 あ る.. 外放射量 の適合性の検討. 舗 装 表 面 温 度 の 場 合 と 同 様 に,晴 1997年8月25〜31日. 天 の 続 い た夏 の. (c). お よ び 冬 の1998年2月15〜21日,. 降 雨 の 続 い た 秋 の1997年9月13〜19日 て,日. (b). の7日 間 に つ い. 射 量 ・赤 外 放 射 量 の 測 定 値 と 式(8)・. 式(11). に よ る 推 定 値 を 比 較 した 結 果 を 図‑10(a〜c)お よ び 図‑11(a〜c)に. 示 す.. 日 中 の 日 射 量 は,図‑10か. ら降 雨 日 も 含 め ほ ぼ100. W/m2以 内 の 誤 差 で 推 定 可 能 と 思 わ れ る.し. か し,日. 射 の な い 夜 間 の推 定 値 は プラ ス に計 算 され る こ とが 多 い た め,日. 図‑10日. 射 量 の 測 定 値 と推 定 値 の 比 較. 射 量 の推 定 は 日の 出〜 日没 の 問で 行 う. 方が推 定 精 度 は 良 い 。 赤 外 放 射 量 は 昼 夜 を 問 わ ず,夏. 変 化 の 様 子 も よ く再 現 して い る. ・冬 の 晴 天 時,秋. 次 に,文. 献 デ ー タ11),12)に. の 降 雨 時 と も に 測 定 値 と推 定 値 は 極 め て 良 い 相 関 を. し た 結 果 を 図‑12(a〜b)に,赤. 示 して お り,そ. 結 果 を 図‑13に 示 す 。. の 差 は 最 大 で も50W/m2程. 度 で,経. 時. ―170―. つ い て 日射 量 を 推 定 外 放射量 の推定.

(7) (a)1997年8月25〜31日. (a)姫. 野 ら,つくば 市,1984年. (b)田. 中 ら,1996年7月17日. (b)1998年2月15〜21日. (c)峰. 雨 日,1997年9月13〜19日. 図‑12文. 献 デ ー タ11),12) (c)田. 図‑16赤. に よ る 日射 量 の 比 較. 中 ら,1996年7月17日. 外 放射 量 の 測 定 値 と推 定 値 の 比 較. た だ し,図‑12(a)は. 湿 度 の 値 が な い た め に式. (10)を,図‑12(b)は. 式(8)を,図‑13は. 使 用 して い る.日. 図‑13文. 程 度 小 さ め の 値 を 示 し て い る も の の,日. 定 値 は 最 高 で も50w/m2程. に よ る赤 外 放 射 量の 比 較. 式(11)を (a)夏:1997年8月25〜31日 冬:6998年2月15〜21日. 射 量 の 推 定 値 は 最 高100〜150w/m2. 変 化 の 様 子 は よ く再 現 さ れ て お り,赤. 献 デ ー タ12). 射量の経時 外放射率の推. 度 の 差 で あ る.. (3)舗 装 表 面 放 出熱 量 の推 定 密 粒 黒 舗 装 表 面 か らの 放 出熱 量(QT)は で 表 され る.. 式(13). (13) QTの. 計 算 値(測. ら計 算)と. 推定値. 定 し た 舗 装 表 面 温 度,日 〔式(6),(8)で. 温 度,日. 射 率 か ら 計 算 〕 を,夏. 31日)と. 冬 季(1998年2月15〜21日)お. (1997年9月13〜19日)に 14(a〜b)に. 射量 か. (b)降. 雨 日:1997年9月13〜19日. 推 定 した 舗 装 表 面 季(1997年8月25〜 よび降雨 日. つ い て 比 較 した 結 果 を 図‑. 示 す.. 計 算 に は 式(3)〜(5),(13)を 温 度 の 推 定 値 に は 式(6)を,日 (8)を 用 い,式(3)の ×10‑3を5),式(5)の 図‑14(a)か. 使 用 した.舗. 装表 面. 射 量の推定値 には式. εは1.00を,式(4)のCHは1.6 αに は0.08を. 使 用 し た. 図‑14密. ら 放 出 熱 量 の 計 算 値 と 推 定 値 は,. 夏 季 お よ び 冬 季 と も に 良 い 相 関 を 示 し,お. お む ね50. w/m2以 内 の 誤 差 で 推 定 さ れ て い る と い え る. ま た,図‑14(b)の. 粒 黒 舗装 表 面 か らの 放 出熱 量 の 比 較. 舗 装 表 面 温 度 の 測 定 値 が 推 定 値 よ り約8℃ 低 い.こ れ は,降 雨 が 昼 頃 に止 ん だ後,風 速6m/sを こ え るか. 降 雨 日 に つ い て も9月13〜18. 日 の 計 算 値 と推 定 値 は ほ ぼ 同 様 の 値 で あ る が,9月. な り強 い風 が 吹 い た た め,路 面 が水 の蒸 発 潜 熱 を奪. 19日 の み 推 定 値 が 計 算 値 よ り150w/m2程. わ れ急 激 に表 面温 度 が低 下 した も の と考 え られ,こ. と な っ て い る.こ. 度 大 き い値. の 日 は 図‑6に 示 す よ う に,最. の よ うな強 風 時 の推 定 精 度 は 悪 い.. 高の. ―171―.

(8) 6.結. 参考文献. 論. 1) 成 田 健. 重 回帰 分 析 に よ り密 粒 黒 舗 装 表 面 温 度,日 射 量, 赤 外 放 射 量 の 推 定 式 〔式(6)〜(12)〕. 一, 関 根 毅:. と熱 収 支 の 解 析,. を得 た 。各 推. 2) 浅 枝 隆,. 定 式 は,説 明 変 数 が 多 い もの ほ ど高 い 重 相 関係 数 を. て,. 与 え る が,こ れ ら を式(13)に 適 用 す る こ とで,舗 装 か ら放 出 さ れ る熱 量 は お お む ね50w/m2以 内 の誤 差 で. 地 理 学 評 論,pp.125〜137,. 藤 野 毅:. 1991.. 舗 装 面 の熱 収 支 と 蓄 熱 特 性 に つ い. 水 文 ・水 資 源 学 会 誌,. 3)Asaeda,T.,. 推 定 で き る こ とが わ か った.. ア ス フ ァ ル ト舗 装 面 の 表 面 温 度. 第5巻4号,. pp.3〜7,. 1992.. Ca,V.T. and Wake, A.: Heat storage. pavement and its effect. on the. of. lower atmosphere,. Atmospheric Environment , Vol . 30, No.3, pp .413-427 ,. た だ し,積 雪 日お よび 降 雨 後 の強 風 時 や 低 温 で 路. 1996.. 面 が 凍結 す る恐 れ の あ る場 合 を除 き,日 射 量 は 日の. 4) 福 田 萬 大,. 出 か ら 日没 の 問 で 適 用 す るの が よ い.. 越 川 喜 孝,. 辻 井 豪,. 浅枝. 隆,. 藤 野 毅:. 夏 季 に 給 ・散 水 し た 保 水 性 舗 装 の 熱 環 境 緩 和 特 性 に. ①. 密粒 黒 舗 装 表 面 温 度 の 推 定 式:. 関 す る 実 験 的 研 究, pp.225〜236,. (6) (7) ②. 5) 梅 干 野 晃:. の 熱 環 境 に 関 す る 学 際 シ ン ポ ジ ウ ム,. 日射 量 の 推 定 式:. pp.10〜21,. (8). 水 環 境 の 気 象 学,. pp.132〜133,. (9) (10). p.151, 深 沢 邦 彦,. 実 験 的 研 究,. (11) (12). 10) 奥 野 忠 一,. (13). 11) 姫 野 賢 治,. 荒 木 美 民,. No.366,. PAVEMENT. ESTIMATED. SURFACE. Takatomo. The. field. observation. temperature, observed. solar for. infrared. radiation. surface. temperature. estimate pavement. the. total. surface. FUKUDA,. was. continued. radiation,. a period. of. 8. were the. heat. flux. and. showed. ( =. estimate. radiation,. months. radiations infrared a good. with. of. estimated. radiation. + with. 1986.. 清 田 勝:. 歩行環 境 に影響 を及. RADIATION. FROM. thermal. radiation. and. from. reflected. solar measured.. ―172―. and. radiation. and. temperature,. multiple 50W/m2. +. pavement.. velocity. Surface. using 5•Ž. AN ASPHALT. sensible. DATA. FUJINO. asphalt. wind. winter.. calculated within. the. and Takeshi. 土木学会. 1998.. OBSERVATION. humidity,. summer that. 土 木 学 会 論 文 集,. pp.49〜58, VII一6,. temperature,. were. correlation. ア ス フ ァ ル ト舗 装 の. 論 文 集, No.587,. ASAEDA. the. including. compared. pp.123〜132,. METEOROLOGICAL. Takashi. to. infrared about. measured and. THERMAL. USING. 多変量解析法. 1981.. 勝 呂 太:. 三 浦 哲 彦,. 1988.. 吉 澤 正:. 日科 技 連 出 版 社,. 1992.. ぼ す 歩 行 者 系 道 路 舗 装 材 の 熱 特 性 に つ い て,. よ. ある。. ON THE. 隆:. V‑36,. (社)日 本 道 路 協 会,. 芳 賀 敏 郎,. 渡 辺 隆,. V‑4,. 12) 田 中 孝 典,. 粒. 黒 舗 装 表 面 か ら の 放 出 熱 量(w/m2),Ru:式(3)に. STUDY. 浅枝. No.571,. 内 部 温 度 の 推 定 に 関 す る 研 究,. 向 き 赤 外 放 射 量(w/m2),Ta:. る 上 向 き 赤 外 放 射 量(w/m2)で. 藤 野 毅,. (社)日 本 道 路 協 会,. 久 米 均,. (改 訂 版),. 速(m/s),QT:密. p.86,. 1997.. 9) 舗 装 試 験 法 便 覧,. 粒 黒 舗 装 表 面 温 度(℃),Sd:日. 度(%),U:風. 朝 倉 書 店,. 土 木 学 会 論 文 集,. pp.149〜158,. 舗 装 表 面 放 出熱 量 の 推 定 式:. 気 温(℃),RH:湿. 土 木 学 会,. 1994.. 8) ア ス フ ァ ル ト舗 装 要 綱,. 射 量(w/m2),Rd:下. 都 市. 夏 季 自然 状 態 で の 各 種 舗 装 の熱 環 境 緩 和 特 性 に関 す る. 下向 き赤 外 放 射 量 の 推 定 式:. こ こ に,Ts:密. V‑42,. 1995.. 7) 福 田 萬 大,. ④. No.613,. 建 築 学 の 立 場 か ら 見 た 都 市 熱 環 境,. 6) 近 藤 純 正 編 著:. ③. 土 木 学 会 論 文 集,. 1999。. regression The heat. The. surface. precipitation solar analysis. equations transportation. were. radiation. and. equations, are. able ). to from.

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参照

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