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蒲生ラグーン奥部水域の水理変化   

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Academic year: 2022

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(1)

排水門

400m地点 排水門外

750m地点 溜め池 N

砂浜

0 200  400  600  800 

図-1  蒲生ラグーン平面図

蒲生ラグーン奥部水域の水理変化   

東北学院大学大学院  学生員  ○佐々木  孝行 東北学院大学工学部  学生員    阿部  康彦  東北学院大学工学部  学生員    前田  忠夫  東北学院大学工学部  正 員    上原  忠保 

1. はじめに 

  シギ、チドリ等の渡り鳥の飛来地として有名な蒲生ラグーンには餌となる底生生物が数多く存在している が、近年、蒲生ラグーン入り口付近では人間が度々横断するため、警戒心の強い鳥たちにとっては休息や採 餌の場としては好ましくない状況である。本研究は昨年度に引き続き人間の影響の少ない奥部右側水域の塩 分特性やその水域内にある試作人工干潟内の地形や底質を調べた。以上より奥部右側水域は渡り鳥の餌とな る底生生物にとって良好な環境であるのかを、また試作人工干潟は露出して機能しているのかを検討するも のである。

2. 観測地点と観測方法

  導流堤を0mとし、ラグーン奥部に向かって400m の位置に観測所を設け水位の連続観測を行った。

750m 地点においては塩分の連続観測を行った。ま た養魚場からの排水門が、津波堤防の建設に伴い増 設されたことからラグーン側の水門は常時開放状態 にあり、溜め池の水の汽水化と排水門付近の塩分の 変化を測定するために新たに測点(図-1 排水門外,

池内)を設けた。また、試作人工干潟では地形測量 を行った。同時に底質を採取し分析した。

3. 観測結果および考察 

  図-2 は 750m 地点における日最大塩分の時間変化 である。期間は 2006 年、2007 年および 2008 年まで の 5 月〜11 月を比べたものである。図-3 より、長期 間の比較においても年々塩分が濃くなっていること がわかる。 

図-3 (a)は2006年12月25日、図-2 (b)は2008年 12月24日の塩分の平面分布を示したものである。

過去の結果では導流堤から離れるほど奥部の塩分が 低下する傾向が見られたため、それと比較するため 今年度も測定を行った。過去の結果と比べてみると、

今年度は奥に行くにつれて塩分が薄くなる傾向はほ とんど見られず、またほぼ全域にわたって 25 以上と 

   

池内 養魚場

キーワード:蒲生ラグーン・塩分・水位・干潟

連絡先:〒985-8537  宮城県多賀城市中央一丁目13番一号  Tel 022-368-1115

図-2 750m地点 塩分の時間変化 0

5 10 15 20 25 30 35

4 6 7 9 10 12

時間(月)

塩分

2006年 日最大塩分 2007年 日最大塩分 2008年 日最大塩分

- 251 -

II-79

土木学会東北支部技術研究発表会(平成20年度)

(2)

(a)  2006 年 12 月 25 日 

距離(m) 

0 50 100

浅いため塩分 測定不可能

0 10 15 20 25 30 塩分

導流堤

(b)  2008 年 12 月 24 日 

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0 2 4 6 8

強熱減量(%)

深さ方向(m)

2002/12/16  強熱減量 2007/6/19 強熱減量 2008/12/9 強熱減量 塩分濃度が濃くなっていることがわかる。これらの

結果は去年からの津波堤防の築造の影響もあると考 えられる。 

図-4 は試作人工干潟③2.0m 地点の地形の経年変 化である。試作人工干潟を造成する際に当時の奥部 水域の低潮位が約 T.P.+0.27mであることから高さ の平均がこの付近になるようにし、これよりも高い 部分と低い部分が混在するようにした。試作人工干 潟③は①、②より後に造成され、2002 年(1)12 月に最 初の測量を行った。その結果、当時は T.P.+0.3m付 近に砂を盛っていたが、2007 年には全体的に 10cm ほど沈下が起きている。この理由としては 30cmほ ど堆積していてヘドロの上に造成されたことと、砂 の流出があったと考えられる。本年度は砂を盛り測 量を行った。本年度の地形は昨年と比較し高くなっ ているが、2002 年と比較するとまだまだ低いことが わかる。 

図-7 は試作人工干潟③の底質の鉛直分布である。

また本年度は砂を盛ったため昨年と比較しわずかに 低くなった傾向がわかるが、造成直後に比べると強 熱減量の値が多くなってきたことから有機物量が増 し、ヘドロ化が進んでいることがわかる。 

底生生物(ゴカイ)の良好な生息条件は塩分 15〜

25 の範囲内で、砂泥質の底質を好むとされている。

今回の結果より奥部右側水域では底生生物のすみに くい環境になりつつあることがわかった。 

 

4. おわりに 

以上のことから、試作人工干潟を底生生物の良好 な生息条件にするため、今後 2002 年の地盤高近く まで砂を盛り、干潟としての機能を維持していく予 定だ。

本研究を行うにあたり、東北学院大学工学部職員 の高橋宏氏、水理学研究室の本年度学生の諸氏に観 測や資料整理において大変お世話になった。ここに 記して、感謝の意を表する。

参考文献(1) 鈴木 俊也・上原 忠保:平成 14 年度土木 学 会 東 北 支 部 技 術 研 究 発 表 会   講 演 概 要 Ⅱ -47,  pp.194-195.  

図-2 奥部右側水域の平面分

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

0 1 2 3 4

距離(m)

地盤高(m)

2002/12/16 2007/6/19 2008/12/9

図-4 試作人工干潟③  2.0m地点地形の経年変化

図-5 試作人工干潟①強熱減量の鉛直分布

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土木学会東北支部技術研究発表会(平成20年度)

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