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験 による弾性係数推定の

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Academic year: 2022

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(1)【 土木学会舗 装工学論 文集. FWD試. 第3巻1998年12月. 】. 験 による弾性係数推定の. 精度 向上 に関す る検討 松 井 邦 人1・ 黒 林. 1. フェ ロー会員Ph.D東. 2. 学生会員. 3. 京電機 大学 教授 東京電機 大学. 東京 電機 大学 理 工学 研究科. 理 工学部. 理工学研究科. 建設工学専攻. 最小 二乗法 の概念 に基づ き,FWD試. 功2・ 西 山 大 三3. 建設工学科(〒350‑0394埼. 玉県比企郡鳩 山町石坂). 建設工学専攻(〒350‑0394埼. 玉県比企郡 鳩山町石坂). 修了(ア. イオ ワ大学留学 中)(Iowa City,IA52242,USA). 験 データを逆解析 して舗装構成層の弾性係数 を推定す るとき,結 果のば らつ き. が非常に大きい との指摘 がある.こ れ は,逆 解析問題に共通す る測定誤差 と数値計算上の不安定性に原因 があると思わ れ る.本 研 究の結果,特 異値分解 と適切な閾値 を設定 して正規マ トリックスのランク落 ちを行 うことに より,フ レキシ ブルな舗装 に対す る逆解析の精度 が向上す るこ とが明 らかになった.ま た同時に,コ ンクリー ト舗装で は,ガ ウス ・ニ ュー トン法 を適 用して も数 値計算上 の問題 点のため良い結果が得 られ ない ことも明 らかになった.. Key Words. 1.は. :. FWD, pavement, backcalculation, elastic moduli, linear elastic theory, Gauss-Newton method. 壊 評 価 の 国 際 シ ンポ ジ ウム を 開 き,さ. じめ に. らに,1998年. には. 老 朽 化 す る イ ン フ ラ ス トラ ク チ ャー と生産 設 備 の た め の 非破 壊 評 価 技 術 に 関す る 国 際 シ ンポ ジ ウム をISOE,. 舗 装 を合 理 的 に維 持 管理 して い く とい う工 学 的 かっ 経 済 的 な見 地 か ら,舗 装 各 層 の 構 造 特性 を知 るだ け で な く. 連 邦 航 空 局,非 破壊 試 験 情 報 セ ン ター,連 邦 道 路 局 の 主. 交 通 荷 重 の作 用 下 で 舗 装 の 挙 動 と個 々 の層 の 間 の相 互 作. 催 で 開 催 され る こ と にな って い る.こ の よ うに相 次 ぐ国. 用 を理 解 す る こ とが 重 要 で あ る.こ の 目的 を達 成 す る た. 際 シ ン ポ ジ ウム の 中で,FWDに. め,種 々様 々 な非 破 壊 試 験 機 が 開発 され,利 用 され て き. 高 くな って い る.. 対 す る注 目度 は 非 常 に. わ が 国 で は,1991年,1993年,1995年. て い る.. 回,国 内 の 主 なFWD試. 異 な った 試 験 機 を利 用 す る技術 者 が,そ れ ぞ れ の試 験. と これ ま で3. 験機 が 一 同 に集 ま り,共 通 試 験. 機 の長 所,短 所 だ け で な く舗 装 技 術 者 と して の 共 通 の 理. が 行 われ た.FWD研. 究 会 の 中で,測. 解 を得 る 目的 でASTM(Amerlcan. 逆 解 析 手 法 の開 発,さ. らに舗 装 構 造 の 特性 評 価 を行 っ て. Materials)は1988年. Society for Testing. 定デ ー タ の 分 析,. き た.し か し,測 定 され た表 面 た わ み か ら舗 装 の層 弾 性. に舗 装 の 非 破壊 試 験 と逆 解 析 に 関す. る第1回 国 際 シ ンポ ジ ウム を 開催 して い る.そ の後,1993. 係 数 の 推 定 方 法 に つ い て は 必 ず しも信 頼 を得 て い な い.. 年 に第2回 シ ンポ ジ ウム が 開 かれ,1999年. 良い 評価 が 得 られ ない 最 大 の 理 由 は,1台. に第3回. シン. Research. 測 定 デ ー タ の ば らつ き は小 さい もの の,逆 解 析 結 果 が 大. Board)で は,1991. 年 に非 破 壊 た わ み測 定試 験 の 可能 性 と限 界,お. よび 舗 装. 材 料 の剛 性 推 定 の た め の 逆 解 析 に 関 す る シ ンポ ジ ウム を 開 催 して い る.さ らに,ISOE(International of Optical. Engineering)は1996年. 験. 機 を用 い,同 じ場 所 で繰 り返 し表 面 た わ み を測 定 す る と,. ポ ジ ウムが 開 か れ る こ とに な っ て い る. TRB(Transportation. のFWD試. き くば らつ くた めで あ る. この よ うな ば らつ きの 原 因 に は,以 下 の よ うな こ とが 考 え られ る.. Society. に橋 梁 と道 路 の非 破. ―39―. 1)た わみ 測 定 誤 差:系 統 誤 差 と偶 然 誤 差 が考 え られ る..

(2) 逆解析結果 に与 える影響は大きい.系 統誤差はキャ リ. 数 を変 換 した もの で あ る.X=X0に. ブ レー シ ョン して取 り除 くことが重要.偶 然誤差の影. 開 を適 用 す る と. お い て テ イ ラー展. 響 は,測 定回数 を増やす こととセンサー の数 を多 くす. (2). るこ とで減少で きる. 2)モ デルパ ラメー タ誤差:逆 解析に用い る層厚やボア ソ. こ こに,A‑[]はn×mの. マ トリック ス で あ る. (2)を 式(1)のzに. 偏微分す る と. 代入 しdXで. ン比が正 しくない場合 に発生す る.層 厚誤差 の影響は. 式. (3). 無視できない量 であ るが,測 定誤差の影響に比べ,か. 上 式 の よ うな定 式 化 をガ ウ ス ・ニ ュー トン法 と呼 ん で い. な り小 さい.ボア ソン比の誤差の影響 は十分 に小 さく,. る.ま た,式(2)の. 左 辺 をUと お き,書 き直 す と. (4). 標 準的な値 を用いて良い. 3)モ デル化誤差:非 線 形挙動を示す ものに線形モデル を. ATを. 式(4)の 左 か ら掛 けて も式(3)が 得 られ る.. 用 いた り,動 的モデル を用い るべ き ものに静的モデル. 上式 を解 いて 補 正 量dXを. を適用す る場 合に生 じる.FWD試. 方程 式 で あ るの で,解. 験 は衝撃鰍. であ. るにもかかわ らず,慣 習的に静的モデル で逆解析を行 っている.工 学的 にそれで良い と思われ る場合 もあ る. 求 め る.式(3)はm元. 線 形連 立. く方 法 は 色 々存 在 す る.し か し,. 左 辺 の係 数 マ トリッ クス は,明. らか に対 称 で あ るが 必 ず. しも性 質 が 良 くない た め,計 算 に は注 意 を要 す る. マ ト リッ ク ス の性 質 の 良否 を判 定 す る指 標 に 条 件 数. が,十 分 に検討 する必要が あると思われ る. 4)逆 解 析アル ゴリズムの不安定 性:逆 解析問題 に潜在す. (condition number)が あ る.条 件 数 は最 大 特 異 値 を最 小. る数値解析上の不安定性である.測 定誤 差が大 きい と. 特 異 値 で 除 した も の で あ る.従 っ て,特 異値 分 解 を用 い. アル ゴ リズ ムの不安定 性の影響 が顕著 に現れるので,. て計 算 す るの が便 利 で あ る.Aを. 特 異値 分 解す る と. (5). 計算精度 に十分配慮す る必要がある.本 研究では5種 類 のアル ゴ リズムで逆解析 した結果 を示す ことに より,. こ こに、Dは. 特 異値 か らな る対 角 マ トリッ クス で あ り,. (6). 適切 なアル ゴ リズムの選択の重要性を示 した. 舗装 を対象 と した逆解析 にお いて,そ のアル ゴリズム. 式(4)を 特 異値 分 解 を用 い て解 く と,. (7). の不安定 性について は十分 に検討 され てきた とは言 えな い.本 研 究は,非 線形最小2乗 法の概 念に基づ く逆解 析. また式(3)の右辺 に特異値分解 を適用す ると, (8). アル ゴ リズ ムの不安定 性に配 慮 しつ つ,信 頼でき る逆解 析 ソフ トウェアの開発 と,そ れ が適 用で きる舗 装構 造の. と書 く こ とが で き る.式(5)を. 範囲につ いて検討 するこ とを 目的 と してい る.. 式(7)と 同 じ結 果 が得 られ る.し か し,式(3)の み 式(5)を 適 用 す る と,式(3)の. 2理. 論 的検 討. 式(3)の 両辺 に代 入 す る と 左辺に の. 右 辺 の係 数 マ トリ ック ス. の条 件 数 は式(4)の 条件 数 を二 乗 した ものと な り,条 件 数 の悪 い(大 きい)連 立 方 程 式 を解 く こ とに な る.い ま, 一 般 にCb=fと. (1)理 論 FWD試. 験 で計測 した表面たわみか ら舗装 を構成す る. い う連 立方 程 式 が あ る とき ,fがdf. だ け変 化 す る とき,bはdbだ. け変 化 す る.こ の 関係 を. 各層 の弾性 係 数 を推 定 してい る こ とが行 われ て い る. (9). 色 々な方 法が提案 されて いるが,こ こでは非線形最小 二 乗法 の概念 を用い,測 定 したたわみ と解 析たわみの差 が でき る限 り小 さくなる よ うに各層 の弾 性係数 を求めてい. と表せ る.││*││は*のノル ム(ベ ク トル*の 大 き さ)を 表 し. る.す なわち,. て い る.言 い 換 え る と条 件 数 は 右 辺 の相 対 誤 差 の 拡 大 率. (1). の 最 大値 を意 味 して い る.す な わ ち,式(3)を. 解 く よ り,. 式(4)を 解 く方 が 測 定 誤 差 の 拡 大 率 が 小 さい と言 うこ と. 測定たわみ. が で き る.. 解析たわみ 未知パ ラメータ. (2)計 算 例 最 小 値 を 見 つ け るた め に は繰 り返 し計 算 が必 要 とな る. 未 知 パ ラ メー タXは,各. 層 の弾 性係 数,あ るい は そ の係. ―40―. 式(3)を 直接 ガ ウ ス ・ジ ョル ダ ン法,コ QR分. 割 法,等. レス キ ー 法,. を用 い て解 くこ とが 多 い.本 研 究 で は,.

(3) 図‑1舗. 表‑1シ. 表‑2収. 束 まで の繰 り返 し計算 回数(全 デ ー タ数100). 表‑3収. 束 まで の繰 り返 し計算 回 数(全 デ ー タ数50). 装構造 断面. ミ ュ レー シ ョ ン た わ み(μm). プ ログ ラ ム名 図‑1に. 示 す よ うな舗 装 断 面 を対 象 と して,数 値 シ ミュ. muji:一. 般 化 逆 行 列 法,特 異 値 分 解,無 次 元化(BALM97'). レー シ ョン に よ りアル ゴ リズ ム の収 束 性 に つ い て比 較 し た.こ の断 面 に半 径15cmの. 円形 等 分布 荷 重5tfを. た と きの表 面 た わみ を表‑1に 図‑1の. 載荷 し. 示 した.. 断 面 の解 析 た わ み を基 準 と して,変 動 係 数1%. とな るた わみ を100セ ョル ダ ン法,コ. ッ ト準 備 した.式(3)を. レス キー 分 割 法,QR分. for Layer Moduliの97年. Analysis. 度 版)で は,弾 性係 数 を変数 と. り返 し計 算 の収 束 判 定 に変 数 の変 化 率 を. 用 い,す べ て の 変 数 の 変化 率 が0.1%以 下 とな れ ば収 束 し た とみ な し計算 を打 ち切 って い る.収 束 まで の 繰 り返 し 示 す.シ. ミュ レー シ ョンデ ー タ を用. い る限 り,計 算 手 法 の 問 で 大 き な差 は見 られ な い. 次 に,第1回. 共 通 試 験 デ ー タ を用 い て 逆 解析 を行 っ た.. 対 象 と した舗 装 断 面 は 図‑1と 同 じで あ り,使 用 した デ ー タ は機 関A ,B,Cの3台 のFWD試 験 機 で測 定 され た デ ー タで あ る.そ れ ぞれ の試 験 機 で50回 計 測 を行 っ て い る.こ の 実 測デ ー タ を用 い て50個 のデ ー タ を個 々 に逆 解 析 した とき,収 束 ま で の 繰 り返 し計 算 回数 を表‑3に す.ガ. ウス 消 去 法 で は,ほ. 示. とん どが 収 束 せ ず,最 大 繰 り. 返 し計 算 回 数 と して 設 定 した200回. ウス ・ニ ュー トン法,QR分. jordan:ガ. ウス ・ニ ュー トン法,ガ. ウス ・ジ ョル ダ ン法. chole:ガ. ウス ・ニ ュー トン法,コ. レス キー 法. 割法. 的 に判 断 して,無 次 元 化 を取 り入 れ た一 般 化 逆 マ トリ ッ. で 除 し無 次 元化 した もの を変 数 と し,一 般 化 逆 行 列 を適. 計 算 回数 を表‑2に. QR:ガ. 割 法 等 の5種 類. す るの で は な く,変 数 変 換 した弾 性係 数 を,そ の初 期 値. 用 して い る.繰. ウス ・ニ ュー トン法,特 異 値 分 解. ガ ウス ・ジ. の 方法 で解 き,逆 解 析 弾 性係 数 を 比較 した. この 比 較 の 中 で 使 用 したBALM97,(Back. gt‑svd:ガ. に達 して い る.総 合. ― 41―. ク ス の収 束 性 が よい.理. 由 と して考 え られ る こ とは,シ. ミュ レー シ ョ ンデ ー タで は,誤 差 は測 定値 だ け で あ るが, 実 測 デ ー タ は測 定 誤 差 だ け で な く,モ デ ル の曖 昧 さ も影 響 す るた め,更 に計 算 が 不 安 定 に な る た めで あ ろ う. 無 次 元 化 を取 り入 れ た 逆 解 析 で は,条 件 数 が他 と比 較 して 小 さい.す な わ ち,式(9)の 誤 差 の 拡 大 率 が 小 さ くな るた めで あ ろ うと思 わ れ る.一 般 化 逆 行 列 の計 算 は 特 異 値 分 解 を行 うと,条 件 数 を計 算 す る こ とが で き便 利 で あ る.条 件 数 が 大 き く な りす ぎ る と き ラ ン ク を落 と し,見 か けの 条件 数 を下 げ,計 算 の 安 定化 を 図 る こ とが で き る. 最 大 特 異値 ×10‑3を閾値 と し,特 異 値 が閾 値 よ り小 さ くな る とマ トリック スの ラ ン クを 下 げて い る. 尚,表‑2,表‑3の. 第1列. 目は収 束 す る ま で の 繰 り. 返 し計 算 回 数 で あ る.例 えば 表‑2の21〜50は,収 る ま での 繰 り返 し計 算 回 数 が21回 して い る.mujiを 使 用 した場 合11個 で収 束 して い る.. 以上50回. 束す. 以 下 を意 味. の デ ー タが そ の範 囲.

(4) 3.逆. 解 析 弾 性係 数 の精 度 向上 の検 討. (1)数 値 シ ミュ レー シ ョン FWD試. 験 で 同 じ場 所 で数 回計 測 したデ ー タ を逆 解 析. す る と,得. られ た 弾 性 係 数 の 問 に しば しば 大 き な ば らつ. き が 存 在 す る.信 頼 で き る逆解 析 手 法 が 選 択 され た とす る と,逆 解 析 結 果 の ば らつ きの 原 因 は 測 定 誤 差 が 支 配 的 に な る と言 うこ とが で き る.測 定 誤 差 は繰 り返 し計 測 す る こ とで,誤 差 の影 響 を軽 減 で き る. 図‑1の. 図‑2各. ア ス フ ァル ト舗 装 を対 象 と して,表‑1の. 平均データ数 にお ける弾 性係数 の変動 係数. た. わ み を 平均 値,変 動 係数 を1%で 正 規 分布 す る と仮 定 して 100セ. ッ トの た わ み デ ー タを算 出 した.そ の 中 か らn(=2,. 3,4,5,10)セ ッ トの 平 均 値 を用 い て逆 解 析 を行 い,各 層 の 弾 性 係 数 の 変動 係 数 を図‑2に. 示 す 。 予 測 され る こ とで. あ る が,平 均 した た わ み デ ー タ数 が 多 い ほ ど逆 解 析 弾 性 係 数 の ば らつ きが 小 さ くな っ て い る.な お 使 用 した プ ロ グ ラム はmujiで. あ る。. (2)評 価 関 数 の 等 高 線 本 問題 の よ うな 非線 形 最 小 化 問 題 にお い て,そ の 解 を 求 め るた め繰 り返 し計 算 を用 い る.そ の収 束 過 程 の 安 定. 図‑3誤. 差の無い ときの等高線. 図‑4誤. 差が含 まれ る ときの等高線. 性 ・不 安 定 性 を調 べ る こ と も結 果 の信 頼 度 を判 断 す る上 で 重 要 で あ る.評 価 関数 の等 高 線 を描 く こ とは,収 束 過 程 を ビジ ュア ル に見 る こ とが 出 来 る と言 う長 所 が あ る が, 一 方2次 元 に限 られ る と言 う欠 点 もあ る.本 問題 は未 知 パ ラ メー タが4個. で あ る の で4次 元 とい うこ とに な るが,. 2個 の 未 知 パ ラ メー タ の値 を固 定 す る と2次 元 に投 影 し た 平 面 上 で 等 高線 を描 く こ とが 出来 る. こ こで は,E2,E4の. 値 を固 定 して,E1‑E3平. に 等 高 線 を描 い た.図‑3は 線 で あ り,図‑4は. 面上. 測 定 誤 差 の 無 い と きの 等 高. 測 定誤 差 が含 まれ る と きの等 高線 の例. で あ る。 両 図 は似 か よ って い る もの の若 干 異 な って い る. 両 図 に示 され た ◎ 印 は 図‑1に × 印 は 収 束 値 で あ る.初 E3=600kgf/m2と. 期 値 をE1=5000kgf/cm2,. して,E2,E4に. 値2000kgf/cm2,600kgf/cm2に を行 い,そ. 示 した 真 値 の位 置 で あ り. つ い て は それ らの真. の収 束 状 態 を そ れ ぞ れ の 図 に示 した.図‑3. で は ◎ 印 に 収 束 して い るが,図‑4で ず,離. 4.実. 測 デ ー タ の ば ら つ き と逆 解 析 結 果. そ れ ぞ れ 固 定 して逆 解 析 第1回FWD共. は◎ 印 で 最小 とな ら. れ た と ころ に 収 束 して い る.し か し,ど ち らの 場. 合 も安 定 して収 束 して い る こ とが 読 み とれ,繰. り返 し計. 算 上 の不 安 定性 は 生 じて い な い.. 通 試 験 の 中か ら,3機. 関(A,B,C)の デ ー. タ を用 い て 上 に述 べ た シ ミ ュ レー シ ョン と同様 にn(=1, 3,5)セ ッ トの 平均 値 を用 い て 逆 解 析 を行 った.舗 装 断 面 の寸 法,ボ. ア ソン比 は必 ず し も正 し くな い た め,測 定 誤. 差 だ けで な く,そ れ らの誤 差 も逆 解 析 結 果 に 現 れ て い る. しか し個 々 の誤 差 の影 響 を分 離 す る こ とは で き な い.. ―42.

(5) (1)測 定データ 3機 関のデー タはそれぞれ約50セ ッ トである.各機 関 の平均 たわみを表‑4に,変. 動係数 を図‑5に. 機 関A. 示す.測. 定デ ータのば らつ きは数値 シ ミュ レー シ ョンで用いたた わみデー タのば らつ き と比べ,遙 かに大 きいが,平 均化 す ることに よりば らつ きを軽減で きる.た だ し機 関Aに おいては,載 荷 点に近いD0とD200で. 計測 回数が増す ご. とに,た わみが徐 々に小 さくなってい る為,平 均化 して もあま りば らつ きに変化 はみ られ なか った.. (2)逆 解析結 果 各機 関の逆解 析結果 を表‑5に 差で ある.ま た,図‑6に. 示す.括 弧 内は標準偏. 機 関B. 変動係数 を示す.平 均を した. 測定たわみ のデー タセ ッ ト数 が多いほ ど,逆 解 析弾性係 数の変動係数 も小 さくなっている.し か し,機 関Cの 変 動 係数 は非 常に大き くなってい る.こ の理 由と して考 え られ るこ とは,セ ンサー数が他の機関 よ り少ない ことに 加 え,D1500の たわみのば らつきが非常 に大 きい ことで あ る.一 般 に逆解析 を行 うと路床 の弾性係数 は最も早 く収 束 し安定 してい るが,機 関Cの デー タで は,逆 解析結果 の変動係 数は小 さい もの の,繰 り返 し計算過程 で路床 の 機関C. 弾 性係数が ある幅で常 に変動 している.そ の傾 向が上位 の層 に影響 し,上 層 ・下層 路盤 の逆解 析弾性係数 のば ら つ きが大き くなっている.. (3)一 部の弾性係数の固定 BALM97'で. は,任 意 の層 の弾性係数 を所 定の値 に固. 定 して逆解析 を行 うことがで きる.路 床弾性係数の変動 が上位 の層 のば らつ きに影響す ると思われ るので,路 床 弾性係数 の収 束過 程にお ける値 の変動 を参考 に平均的 な. 図‑5各. 機 関のたわみ の変動係数. 表‑4各. 機 関 の 平 均 た わ み(μm). 値 に固定 して逆解 析 を行 った.そ の結果 を表‑6に,変 動 係数 を図‑7に. 示す.逆 解析結果 の平均値 はほとん ど. 影響 を受 けない ものの,上 位 の層 の逆解 析弾性係数の変 動係数 はか な り小 さくな り,そ の傾 向は機関Cで 特に顕 著 であ る.弾 性係数 の値 を一つ 固定す ることによ り,未 知パ ラメー タの数 が減 るだけでな く測 定誤差 の影響 を低 減 で きる. 表‑5各. 機 関 の 逆 解 析 結 果(kgf/cm2()内. は標 準 偏 差:1kgf/cm2→0.098MPa). ― 43―.

(6) 機 関A. 機 関A. 機 関B. 機 関R. 機 関C. 機 関C. 図‑6各. 表‑6各. 図‑7各. 機 関の逆解 析結果 の変動係数. 機 関 の 路床 固 定の 場 合の 逆 解析 結 果(kgf/cm2()内. ―44―. 機 関の路床 固定の ときの変動係数. は標 準 偏 差:1kgf/cm2→0.098NPa).

(7) 5.コ. ン ク リー ト舗 装 へ の 適 用. と図‑12の. よ う,E2,E3で. は約100%と. な っ て い る.. 更 に厚 い コ ン ク リー ト版 の舗 装C2を 対象 と して 逆解 析 の数 値 シ ミュ レ ーシ ョン を行 っ た.表‑7に. (1)数 値 シ ミュ レー シ ョン ア ス フ ァル ト舗 装 と比 べ コ ンク リー ト舗 装 の逆 解析 が 不 安 定 で あ る こ とが 知 られ て い る.そ の原 因 が'コ ン ク リー ト版 の そ りに よ る も の か,逆 解 析 の数 値 計 算 上 に あ るの か,明. らか で ない.こ. み の真 値 を用 い て逆 解 析 す る と,ほ ぼ弾 性係 数 の 真 値 に 収 束 す るが,変 動 係 数1%の 誤 差 を含 む デ ー タ を100セ ト作 成 し逆 解 析 す る と,全 く収 束 しな い.そ. こで,E2と. ‑13は. た わ み の真 値 を用 い て 評 価 関 数 を描 き. ,E1をE3. の 初 期値 を 上 に 述 べ た 同 じ値 と し逆解 析 を 行 い,そ. ミュ レー シ ョン に よ り検 討 す る こ とに した. 類 の コ ン ク リー ト舗 装 断 面 で シ ミュ レー. 次 に,図‑14に. 数E1を300000kgf/cm2,上. 高線 を描 き,収 束過 程 を示 した.100セ. 層 路 盤 の 弾 性 係 数E2を. 層 路 盤 の 弾 性 係数E3を2000kgf/cm2,路. の収. 束 過程 を記 した.ス ムー ズ に 収 束す る様 子が うか が え る.. シ ョン を行 って い る.両 断 面 と も コ ン ク リー トの 弾性 係. 5000kgf/cm2,下. ッ. E4の 値 を真 値 に固 定 し,評 価 関 数 の 等 高線 を描 い た.図. こで は舗 装 断 面C1とC2の2. 種 類 の厚 さの 異 な る コ ン ク リー ト版 を 対象 と して数 値 シ. 図‑8の2種. 記 した た わ. 測 定 誤差 を含 む デ ー タ を用 い て 同様 に等. ち 収 束 した デ ー タは4セ. ッ トのデ ー タ の う. ッ トだ け で あ り,残 りは 図‑14. 用. の よ うな 挙 動 を 示 し,収 束 す る様 子が 見 られ な い.評 価. い て そ れ ぞ れ の断 面 の表 面 た わ み を 計 算 し,そ れ を真 値. 関 数 の 等 高線 が ほ ぼ 平行 な線 に な り,フ ラ ッ トな谷 底 の. と して い る.こ の表 面 た わ み を表‑7に. 形 状 を示 し,最 小値 を 特 定 す る こ とは 難 しい.コ. 床 の 弾 性係 数E4を1000kgf/cm2と. 値 を平 均 値 と見 な し変 動 係 数1%と ッ ト発 生 させ,た. して い る.BISARを. 示 す.こ れ らの. な る正 規 乱数 を100セ. ンク リ. ー ト舗 装 で は ,測 定 誤 差 を 考 慮 した 数 値 シ ミュ レー シ ョ ンで さえ,層 弾 性係数 を推 定 す る こ とは容 易 で な い.. わみ の測 定 値 と して い る.. この よ うに算 出 した た わ み デ ー タ を 用 い て 逆解 析 を行 った.収 束判 定基 準 はす べ て の弾 性係 数 の 変化 率 が0.1% 以 下,最 大繰 り返 し計 算 回 数 を200回. 舗 装C2. 舗 装C1. と して い る.. (2)逆 解 析 と評 価 関 数 の等 高 線 舗 装C1断 面 で た わみ の真 値 を用 い て 逆 解析 す る とス ム ー ズ に収 束す る が ,上 で述 べ た100セ ッ トのデ ー タを用 い て,4層. とも未 知 パ ラ メ ー タ とす る とほ とん ど収 束 せ. ず,最 大 繰 り返 し回 数 に達 す る.そ こで,E2とE4の 真 値 に 固 定 し,E1とE3を. 値を. 未 知 パ ラメ ー タ と して 評 価 関数. の 等 高線 を描 き,収 束 過 程 を調 べ る こ とに した.図‑9. 図‑8コ 表‑7シ. ン ク リー ト舗 装 構 造 断 面 ミ ュ レー シ ョ ン た わ み(μm). は た わ み の 真 値 を用 い た とき の等 高 線 で あ り,初 期 値 を E1=15000kg/cm2,E3=800kgf/cm2と 同 図 に示 した.図‑10は. した とき,収 束過 程 も. 誤 差 を含 ん だ100セ. み デ ー タの 中か らラ ン ダ ム に1セ. ッ トの た わ. ッ トと りだ し,等 高 線. と収 束 過 程 を示 した も の で あ る.真 値 と若 干 異 な る値 で は あ る が安 定 して収 束 して い る. この よ うに 二 つ の 層 の 弾 性 係 数 を 固 定 して逆 解 析 す る と,こ の 場 合す べ て のデ ー タ で収 束 し,弾 性 係 数 の平 均 値 は真 値 に近 い.逆 解 析結 果 の変動 係 数 を 図‑11に. 示 す.. 個 々 の た わ み デ ー タ を逆 解 析 す る と3層 目の弾 性 係 数 の 変動 係 数 は20%を. 越 えて い るが,5回. 均 して逆 解 析す る とば らつ きは10%程 次 に,E4の. の測 定デ ー タ を平 度 とな って い る.. 値 だ け を真 値 に固 定 して 逆解 析 を行 った.. 評 価 関数 の 値 が 一 番 小 さ くな っ た とき の 弾性 係数 の組 み 合 わ せ を収 束 値 と見 な し,弾 性 係数 の 変動 係数 を 求 め る. ― 45―. 図‑9舗. 装C1で. の 誤 差 の 無 い とき の等 高線.

(8) 図‑10舗. 装C1で. 図‑14舗. の誤差が含 まれ る ときの等高線. 装C2で. の誤差が含 まれ るときの等高線. 6.結. 論. 1)ガ. ウス ・ニ ュー トン法 に基 づ く逆 解 析 で は,式(7)の. よ うに 特 異 値 分 解 を用 い た 定 式 化 で繰 り返 し計 算 す る のが よい.さ らに'適 切 な 閾 値 を設 定 して マ トリッ ク ス の ラ ン ク落 ち を させ るの が 重 要 で あ る. 2)測 定 誤 差 が 逆解 析 結 果 に お よ ぼ す 影 響 が 大 き い こ と が 明 らか で あ り,少 な く と も4,5回 図‑112,4層. を 固 定 した ときの 変 動 係数. 計 測 した たわ み. デ ー タの平 均 値 を用 い て逆 解 析 す るの が 望 ま しい. 3)繰. り返 し計 算 の 収 束 性が悪 い とき,そ の 時 の路 床 の弾. 性 係 数 の変 動 を観 察 し,そ の 平 均 的 な値 に 固定 し,そ して残 りの 弾 性 係 数 に つ い て 逆 解 析す る の が 望 ま し い. 4)コ ン ク リー ト舗 装 で は,ガ ウ ス ・ニ ュー トン法 に基 づ く逆 解 析 で,安 定 して層 弾性 係 数 を推 定 す る こ とは 非 常 に難 しい.こ の傾 向は コ ン ク リー ト版 の厚 さが 厚 い ほ ど顕 著 に現 れ る.先 見 晴報 の よ うな別 の情 報 を加 え る必 要 が あ る. 図‑124層. を固 定 した とき の変 動 係 数 コ ンク リー ト舗 装 で は特 に 逆解 析 が難 しい と言 われ て き た.こ の原 因 は,非 線 形 温 度 分 布 に よ るそ りで あ る と 思 わ れ て きた が,そ れ だ け で な く数 値 計 算 上 に も大 き な 問 題 点 が あ る こ とが 明 らか に な った.こ の よ うな傾 向 は ア ス フ ァル ト舗 装 で も岡性 の 高 い 舗 装 断 面 で は 同 じ よ う な傾 向が 見 られ る.こ の よ うな こ とを考 慮 す る と,本 手 法 が適 用 で き る舗 装 は フ レキ シ ブル な断 面 で あ り,比 較 的 剛 な断 面 に対 して は必 ず し も信 頼 で き る結 果 が 得 られ な い ので 注 意 を要 す る.. 図‑13舗. 装C2で. の誤差の無い ときの等高線. ― 46―.

(9) 参考文献 1). Bush, A.J. and Baladi, G.Y.eds. : Nondestructive Thsting of Pavement and. 5). 松 井 邦 人, 井 上 武 美, 三 瓶 辰 之: 舗 装各 層 の 弾 性係 数 を表. Backcalculation of Moduli, ASTM,. 面 た わみ か ら推 定す る一 手 法, 土木 学会 論 文 集, V第420号,. 1988. 2). pp. 107‑114,. Von Quintas, Hi. , Bush A.L. and Baladi, G.Y. eds. : Nondestructive. Testing. of. Pavements. 6). 亀 山修 一, 姫 野 賢 治, 丸 山輝 彦, 笠 原. and. 4). Transportation. Research. Boad:. 篤: 遺 伝 的 ア ル ゴ. リズ ム を用 い た 舗 装 体 の 弾 性係 数 の 逆 解析, 土 木 学 会 論 文. Backcalculation of Moduli (secondvolume), ASTM, 1994, 3). 1990.. 集, No. 550/V‑33, 7). Nondesreuctive. 屠. 偉新. pp. 195‑204,. 丸 山暉 彦, 高 橋. 1996. 11.. 修: 拡 張 ベ イ ズ 法 に よ る舗 装. Deflection Testing and Backcalculation of Pavements,. 弾 性係 数 の 逆 解 析 に 関 す る基 礎 的研 究. Transpotation Research Record, No.1377, 1991.. 第1巻, 8). Chase, S.B. ed.: Nondestructive Evaluation of Bridges. 9). IMPROVING. MODULI Kunihito When. pavement. results. often. analyses.. widely. It is made. will improve based. layer. method. moduli. vary.. This. clear that. the accuracy is unable. OF. FROM. is likely appropriate. of backcalculated reliable. from FWD data caused. by numerical. selection moduli layer. and. based. for asphalt moduli. value. pavement.. of concrete. instability.. ― 47―. on the. instability. of threshold. PAVEMENT. FWD. Isao KUROBAYASHI. are estimated. to produce. 岡 村 良 夫: 逆 問題 とそ の解 き 方, オー ム社, 1992.. ACCURACY. ESTIMATED. MATSUI,. リー ズ10,. 1992.. Engineering, 1996.. FOR. pp. 15‑22, 1996.. 久保 司郎: 逆 問題, 計算 力 学 とCAEシ. and Highways, The International Society for Optical. EFFORT. 舗 装 工 学 論 文 集,. DATA Taizo NISHIYAMA. least. square. commonly. along with. concept,. singular. because. the estimated. encountered. It is also found that. pavement. LAYER. value. in inverse decomposition. the Gauss. of its inherent. Newton. numerical. 培 風 館,.

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参照

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