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右左折率により変化する飽和交通流率の観測

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅳ-19. 右左折率により変化する飽和交通流率の観測 高知工科大学 学生員 文野雅也 高知工科大学 学生員 山田俊和 高知工科大学 正会員 吉井稔雄 1.はじ .はじめに. 間を表-1 に示す。なお、同時間帯における横断歩行. 本稿では、信号交差点における飽和交通流率につ いて取り上げ、現地観測調査により得られた右左折. 者および自転車の数は 1 サイクルあたり多くても数 人で、無視できる程度の少ないものである。. 率と飽和交通流率の関係を報告する。. 至高知 IC. App.4. ITS の進展にともなって、これまでは獲得が非常 に困難であったOD交通量や旅行時間等のデータを. 歩道. 比較的容易に獲得することが出来るようになりつつ ある。これらの新しく獲得される観測データを用い. App.1 至南国 至高知駅. App.2. て、高度な交通制御を実施することが期待されてい る。なかでも、信号制御に関しては、信号交差点に おける方向別交通量を観測し、それを利用すること. App.3. で、より効率的な運用を実施することができる。 至鏡川大橋. 本研究では、時間帯別の方向別交通量を与えた際 の最適な信号パラメータを決定するツールの開発を 目標とし、本稿では、そのツールの検証を行うため のフィールドデータ獲得を目的とする。具体的には、 定周期信号制御交差点において、飽和交通流率と大 型車混入率,右左折率との関係を調査し、結果を整. 図-1 観測交差点 交差点詳細図 表‑1 サイクル長と ル長と各現示 各現示の有効青時間 単位:秒. 理する。. サ イクル 長 150. 2.調査 .調査概要. 1φ 88. 2φ 8. 3φ 36. 注)ロスタイムは6秒/サイクルとして算出. 以下にて調査を実施した。 調査場所:高知市北金田交差点. 3.観測 .観測結果. 調査日時:平成 12 年 3 月 13,14,15,17 日. 3.1. 3.1. 飽和交通 飽和交通流率と大型車換算係数 算係数. 7:00~10:00a.m. 調査項目:・車種別方向別交通量(サイクル単位) ・交差点に進入する車両 10 台ごとの 通過に要する時間 調査時間帯のアプローチ 2 方向では、都心に向か う通勤交通が多く、同交差点を先頭として 2km 程度. 4φ 12. 図-2 は、各アプローチにおいて、10 台の車両が 交差点に流入するのに要する時間を、10 台中に含ま れる大型車の台数別の平均値として示したものであ る。ただし、発進ロスの影響を除くため、青時間開 始直後の最初の 10 台についてはデータから除いて いる。. の渋滞が定常的に発生する。その他のアプローチで. 図より, アプローチ 1,2 は 3,4 に比べ長い通過時間. も近飽和の交通状況となっており、飽和交通流率の. を要している事が読み取れる。これは、アプローチ. 観測に適していると考えられるので、同交差点を調. 1,2 の 2.7m に対して、アプローチ 3,4 は 3.25m と車. 査対象交差点として選定した。同交差点の詳細図な. 線幅員が違うことが原因である。さらに、大型車数. らびに現示を図-1に、サイクル長ならびに有効青時. が増加するにつれ、10 台の車両通過に要する時間が 増加していることが確認できる。なお、大型車台数. キーワード:交通量調査,方向別交通量,飽和交通流率,需要交通量 連絡先:782-8502 高知県香美郡土佐山田町, TEL:0887-57-2406,. FAX: 0887-57-2420, E-mail: yoshii@infra.kochi—tech.ac.jp. の 4 台目で時間が減少しているが、これは、10 台中 に大型車が 3 台以上含まれるサンプル数が少ないた.

(2) 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅳ-19. めではないかと考えられる。また、アプローチ 1,2. を確認できた。対して、アプローチ 3 では、反対の. と 3,4 における飽和交通流率と大型車換算係数(全. 結果が得られた。これはアプローチ 3 における右折. アプローチ共通)を算出した結果を表-2 に示す。. 車両台数ならびに右折率が、いずれも他のアプロー チとの比較で大きな値となっており、このことが異. 15. なる傾向を示した原因であると考えられる。なお、. 時間(秒). 14. アプロー チ アプロー チ アプロー チ アプロー チ. 13. 1 2 3 4. アプローチ 3 においては、右折専用車線を超えて連 なる右折待ち車両が直進車の交通を妨げ、右折専用 車線の上流で 1 車線を閉塞するため、サイクル開始. 12. 直後は 2 車線分の車両が流入するのに対して、その. 11 0. 1. 2 3 大 型 車台 数 ( 台). 4. 5. 後は残りの 1 車線分の交通のみ流入するという現象. 図-2 車両 車両 10 台が交差点流 差点流入に要する 要する平均時間 表-2 飽和 飽和交通流率と大型 と大型車換算係数 算係数 飽和交 通流率 アプロー チ 1,2 アプロー チ 3,4 大 型 車換算係数. が発生している。 3.3. 3.3. 左折率と 左折率と飽和交通流率の関係 図-5 は、サイクルあたりの交通量が多いアプロー チ 1,2 を対象とし、各サイクルにおける過飽和時の. 2920 [pcu/h] 3140 [pcu/h] 1.5. 左折率と車両平均通過台数の関係を示したものであ る。両アプローチともに、左折率の増加に従ってサ イクルあたりの通過台数が減少していることが確認. 3.2. 時間の経 時間の経過に伴 過に伴う飽和交通流率の変化 の変化 図-3 は、各アプローチ別に青時間開始時からの 10 台ごとの交差点流入レートを、大型車が含まれない 場合のみ抽出して平均した結果、図-4 は、各アプロ ーチ別の右折車両台数と右折率を示したものである。 図-3 に示すように、アプローチ 1,2,4 では右上がり. できる。さらに、左折率が 20%を超えた場合に急激 に通過台数が減少するという結果が得られた。この ことに関しては、今後さらに観測を加えることによ り、こういった性質があるものかどうかについて確 認を行う予定である。 75. 3400. アプロー チ アプロー チ アプロー チ アプロー チ. 3200 3000. 1 2 3 4. アプロー チ 2. 70 65 60 55 4-8. 2800. 10. 50. 号パラメータを決定するツールの開発を行い、その 右折台 数 右折率. 実用化に向けて、本稿で獲得されたデータを用いた 検証を行い、その有効性を示すことが急務であるも のと考える。. 4. 3. ア プ ロ ー チ. ア プ ロ ー チ. ア プ ロ ー チ. ア プ ロ ー チ. 2. 0 1. 0. 時間帯別,方向別の交通量に基づいて効率的な信 右折率( %). 20. 100. 16-20 20以上. 4.今後の展望 今後の展望. 30. 200 150. 12-16. 図-5 過飽 過飽和時における左 ける左折率と平均 と平均通過台数. 図-3 飽和 飽和交通流率の時間 の時間変化 250. 8-12. 左折率( %). サ イクル 開始か らの 台 数 ( 台). 右折台数(台/時). 車両平均通過台数 (台/サ イ ク ル). 3600. アプロー チ 1. 1〜 10 11 〜 20 21 〜 30 31 〜 40 41 〜 50 51 〜 60 61 〜 70. 交差点へ の 流入レート( 台/時). のグラフになり、サイクル開始時の発進損失の影響. アプロー チ. 図-4 各ア 各アプローチの右折 の右折台数と右折 と右折率. 参考文 参考文献 1)(社)交通工学研究会:交通信号の手引き 2) Highway Capacity Manual, TRB Special Report 209, 1994.

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