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筍の皮の anthocyan 色素について(予報)
著者 河原 重信, 池尾 和子
雑誌名 奈良学芸大学紀要
巻 8
号 2
ページ 27‑30
発行年 1959‑02‑15
その他のタイトル Preliminary Report on Anthocyan Pigments of Bamboo Sheath
URL http://hdl.handle.net/10105/4840
筒の皮のanthocyan色素について(予報)
河 原 重 信・池 尾 和 子 (化学教室)
Shigenobu Kawahara and Kazuko Ikeo :
Preliminary Report on Anthocyan Pigments of Bamboo Sheath (昭和33年10月1日受理)
緒 論
筆者は,山城産の,モウソウ竹の筒の皮のanthocyan色素につき研究した。管の皮は,植物形 T'\ ∴ :∴ :Ill ‑:''十 色素と同様であると考えられるので,その考察の下に実験を行った。
実 験 の 部 (I)試料の調製
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ルに3 B間浸活した後,その浸漬液を吸引溜刺し,この滅液を試料として用いたo
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上記の様にして得られた試料液を 300Cで,減圧濃縮して,アルコールを回収し,約1/5容の アルコール溶液とした。
これを分液潰斗に入れ,溶液中に含まれている脂肪其の他の爽雑物を取り去る為, 2倍容CD ベンゼンを加えて,よく混和し,この不用のベンゼン層を除去した。この試料液は深紅色を呈し た。それ故,この液はanthocyanを含むものと考えられるので,この液を分液滅斗に入れflavone 色素及びエーテル可溶物を除くた掛こ, 3倍容のエーテルを加え,よく振達した。こゐ結果,上層 のエーテル亨容液は黄色に,下層の試料液は探紅色となった。この両層の液を分別した。この操作 をエーテルが無色になるまで,数回繰返したo 次に黄色のエーテル溶液に,希アンモニア水を加
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による還元反応を行った結果,赤色に変った。これによりflavone色素の存在が推定された。
次に前記のェ‑テルで振替後,分別した試料液に,等量のiso‑amyトalcohloを加え,充分振 遷し,暫時放置して, 2層に分れるのをまち,上層のiso‑amyトalcohol溶液と下層のアルコール 溶液とを分別した。この操作を数回繰返して行ったQ この時anthocyan 25,び一部分加水分解し て生じたと思われるanthocyanidinはiso‑amyトalcohol層に移行し,赤色を呈したO
義に生じたiso‑amyl‑alcohol溶液と試料アルコール溶液につき,夫々次の実験を行ったo 1) iso‑amyl‑alcohol溶液を試料として,ペーパークロマトグラフ法を行ったQ結果は,表4 の(1)の如くである。即ちanthocyan としてはcyaninとpaeoninの存在が推定された。
2)試料アルコール溶液を2等分して次の実験を行った。
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に,沈殿物を水洗し5%塩酸を加え,億過した anthocyanは減液に溶解し,赤色を呈したO このanthocyanを加水分解させるために, 20^塩酸を加え,加熱分解した。この加水分解 により生じたanthocyanidinを分離抽出するために,等量のiso‑amyトalcoholを加え友O
このanthocyanidinを抽出したiso‑amyトalcohol溶液を試料として,ペーパークロマトグラ
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河原重信・池尾和子フ法により, anthocyanidinの定性を行った結果は,表4の(2)の様であった。即ちcyanidin とpaeonidinが存在することが考えられた。
次にこのiso‑amyト
alcohol溶液を除去Lた埠no)塩醗ItJ'液 中・.㍗‑柄rfir蕪出‑t "、
為に,醇酸ソーダ‑
で溶液を中和した。
この溶液の一部を取
り,フェ ‑リ ンク1'
溶液の還元反応を行 った結果,赤褐色の 沈殿が生じた。叉一 部の溶液に phenyl hydrazine の塩酸塩 と酷酸ソーダ‑を加 えて,湧浴上で約半
時問! ‑11直し 蝣V* <:;
放置した。抽出した 沈殿を 櫨別し,
アセト ンを加え, アセトン可溶部と 不溶部に分けたO
この不溶部を60%
アルコールで再結晶 して,黄色針状結晶 cD osazon を得たO
それ故,糖の存在が
壮蝣'izさ:†I ‑^。こ̲'、
溶液の一部を試料と
してペーパークロマ トグラフ法により,
表4の(4)の結果が
試 料 液
濃 縮
&ll‑:漂齢 1‑ :‑圭でし35 0
液
ベンゼンを加え振凌
】 i
ベンゼン溶液 アルコール液溶 1エーテルを加え
I数回振鎗
アルコール溶液
iso‑amyl富cohol
エ‑テル溶液(黄色) 4N NKUOH を加え振擾 iso‑amyl‑alcohol溶液 アルコーju溶液 エ‑テル溶液 アンモこヤ溶液
(無色) (黄色) l塩基性酷酸鉛溶液を加える】
渡 液 沈殿物
5%HCも
醇酸鉛溶液を加える
1 1
漉 液 沈殿物
水洗後10%塩酸酸性 アルコールを加える
〜 〜
残 洛 塩酸串液
脛禦
iso‑amyトalcohol溶液(赤色) 塩酸
I I
残 洛 アルコ‑ル溶液
I
iェ‑テルを加える
1 1
エーテル溶液 沈殿
酪酸ソーダ‑で中和後 塩酸フエニールヒドラデン
と酪酸ソ‑ダを加え加熱
液 漬ンた トえ セ加 物アを
‑‑出〜
梼
l I
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60%アルコールを加えた
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・シ¥ ;<'lt ∴‑ "‑ '蝣n'fiK
l濃縮
osazon
田圃fflMM
得られた。即ち,糖 としてはgalactoseが 存在すると推定され
・>‑o
一二 I.I ∴ ・ ∴ ‑;*'∴
なった後すみやかに吸引混過したO 沈殿を水洗し,後アルコールで脱水
し,更に10%塩酸酸性アルコール に溶解させた。溶液を漉別し溝液 に3倍容のエーテルを加えると anthocyanの塩化物が沈殿した。こ の沈敗を試料としてペーパークロマ トグラフ法FCより定性を行った結果 は表4の(3)の様であった。即ち
anthocyan としては cyanin と
paeonmの存在が推定された。以上の実験経過を図示すれば,左 の如くであるO
(3)ペーパークロマトグラム法に よる実験操作
表1.溶媒の組成と展開条件
表2・ anthocyan結晶標品のRf値および渡紙上の色
〔注〕 PI: pelargonidin, C: cyanidin, Pe: paeonidin, D: delphinidin, G: glucose, Ga: galactose;
例へはP1.‑3.5‑G.G.ほ pelargnaidin 3.5‑
diglucosideを示す
表3‑ anthocyanidin結晶標晶のRf値および渡紙上の色 色
」
表4・ペーパークロマトグラムの結果表 luf 叫
anthocyan加水分解前
HA‑ E‑1 E‑2 HA
のiso‑amyLalcohol溶 級
2屋ithocyan iso‑a‑yl盟oT漂
0.36士0.05赤 0.028士0.07赤 0‑62附近 黄
結 果 0.25士0.07赤
0.58附近 貴
3厩アントシアンの塩化陸士0‑05霊lo.25
・・J
3
0
赤 赤
cyanm,paeon intflavonepi gmentshjfejlL二
cyanidin , paeonidin
と推定
cyanm , paeonin
と推定
(30)
河原重信・池尾和子結 論
筒の皮のanthocyan色素はanthocyanidinとしてはcyanidinとpaeonidinが存在すること が知られた。この外にpelargonidin及びflavone系の色素も存在すると思われた。糖としては galactose の存在が認められたO 唯この実験において,ペーパークロマトグラフ法に用いる anthocyan及びanthocyanidinの結晶僚晶が入手出来なかったので,それによる比較試験が出 来なかったことを,一言つけ加えておくO最後にこの実験に当り本教室専攻生土橋駿暗君の協力 を得たことを探謝する。