小 ・ 中 学 校 国 語 科 書 写 に お け る 基 礎 的 研 究
望 ま し い 筆 記 具 の 持 ち 方 指 導 に お け る 今 日 的 課 題 と 指 導 法 に つ い て 神 野 雄 二 一
は じ め に
本稿 は︑ 書写 書道 教育 に関 して 国語 科書 写教 育の 基礎 基本 の視 点に 立っ た 在り 方を
︑実 態調 査を 通し 考察 する もの であ る︒ 中で も︑ 小・ 中学 校で の望 まし い筆 記具 の持 ち方 指導 にお ける 今日 的課 題と 指導 法に つい て検 討し てみ たい
︒筆 者は かつ てこ れま で執 筆し た書 写書 道教 育に 関す る論 文ま た関 係資 料を 纏
(1 )
めた
︒ まず 本テ ーマ に関 する 学習 指導 要領 の関 係個 所を 抄録
(2 )
する
︒ 小学 校学 習指 導要 領 第2 章 第1 節 国語 第3
指導 計画 の作 成と 内 容の 取扱 い2
第2 の各 学年 の内 容の
︹伝 統的 な言 語文 化と 国語 の特 質に 関 する 事項
︺に つい ては
︑次 のと おり 取り 扱う もの とす る︒
︵2
︶﹁ 硬筆 を使 用 する 書写 の指 導は 各学 年で 行い
︑毛 筆を 使用 する 書写 の指 導は 第3 学年 以上 の各 学年 で行 うこ と︒ また
︑毛 筆を 使用 する 書写 の指 導は 硬筆 によ る書 写の 能力 の基 礎を 養う よう 指導 し︑ 文字 を正 しく 整え て書 くこ とが でき るよ うに する とと もに
︑各 学年 年間 30単 位時 間程 度を 配当 する こと
︒﹂ と明 記さ れて い る︒ また
︑第 2 各学 年の 目標 及び 内容
︹第 1学 年及 び第 2学 年︺ 内容
︹伝 統的 な言 語文 化と 国語 の特 質に 関す る事 項︺
︵1
︶ ウ 文字 に関 する 事 項︵ 2︶ に︑ 次の よう にあ る︒ 書写 に関 する 次の 事項 につ いて 指導 する
︒ ア 姿勢 や筆 記具 の持 ち方 を正 しく し︑ 文字 の形 に注 意し なが ら︑ 丁寧 に 書く こと
︒ イ 点画 の長 短や 方向
︑接 し方 や交 わり 方な どに 注意 して
︑筆 順に 従っ て 文字 を正 しく 書く こと
︒
また
︑中 学校 国語 科書 写に おけ る指 導は
︑以 下の よう にあ る︒ 中学 校学 習指 導要 領 第2 章 第1 節 国語 第3
指導 計画 の作 成と 内 容の 取扱 い
︵2
︶︹ 伝統 的な 言語 文化 と国 語の 特質 に関 する 事項
︺の
︵2
︶に 示す 事項 に つい ては
︑次 のと おり 取り 扱う こと
︒ ア 文字 を正 しく 整え て速 く書 くこ とが でき るよ うに する とと もに
︑書 写 の能 力を 学習 や生 活に 役立 てる 態度 を育 てる よう 配慮 する こと
︒ イ 硬筆 及び 毛筆 を使 用す る書 写の 指導 は各 学年 で行 い︑ 毛筆 を使 用す る 書写 の指 導は 硬筆 によ る書 写の 能力 の基 礎を 養う よう にす るこ と︒ ウ 書写 の指 導に 配当 する 授業 時数 は︑ 第1 学年 及び 第2 学年 では 年間 20 単位 時間 程度
︑第 3学 年で は年 間10 単位 時間 程度 とす るこ と︒
二 筆 記 具 の 持 ち 方 に 関 す る 先 行 研 究
筆記 具の 持ち 方に 関す る先 行研 究に おけ る︑ 主た る基 礎資 料・ 文献 を挙 げ る︒
○鈴 木慶 子著
﹃文 字を 手書 きさ せる 教育
︱「 書写
﹂に 何が でき るの か﹄
︵東 信 堂︑ 二〇 一五 年八 月︶
○酒 井直 美﹁ 書字 の姿 勢・ 用具 の持 ち方 に関 する 研究
︵2
︶︵
﹃書 写書 道教 育 研究
﹄第 八号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 一九 九四 年三 月︶
○酒 井直 美﹁ 書字 の姿 勢に 関す る考 察︵ 1︶
﹂︵
﹃書 写書 道教 育の 探求
久米 公 先生 御退 官記 念論 集﹄
︑一 九九 六年 二月
︶
○小 野瀬 雅人
﹁幼 児・ 児童 にお ける 筆記 具の 持ち 方と 手先 の巧 緻性 の関 係﹂
︵﹃ 鳴門 教育 大学 紀要
﹄︵ 教育 科学 編︶ 第十 一巻
︑鳴 門教 育大 学︑ 一九 九六 年 三月
︶
○杉 﨑哲 子﹁ 書写 用具 の多 様化 に対 応し た執 筆法 指導 のあ り方 に関 する 考察
﹂
︵﹃ 書写 書道 教育 研究
﹄第 一六 号︑ 全国 大学 書写 書道 教育 学会
︑二
〇〇 二年 三月
︶
○押 木秀 樹・ 近藤 聖子
・橋 本 愛﹁ 望ま しい 筆記 具の 持ち 方と その 合理 性お よび 検証 方法 につ いて
﹂︵
﹃書 写書 道教 育研 究﹄ 第一 七号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 二〇
〇三 年三 月︶
○小 林比 出代
﹁左 利き 者の 望ま しい 硬筆 筆記 具の 持ち 方に 関す る文 献的 考察 九
熊本 大学 教育 実践 研究
熊本 大学 教育 学部 増刊 号︑ 九五
︱一
〇二
︑二
〇一 八
︱書 写教 育の 見地 から
︱︵
﹃書 写書 道教 育研 究﹄ 第二
〇号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 二〇
〇六 年三 月︶
○齋 木久 美・ 橋本 浩志
﹁中 学生 の書 字姿 勢お よび 筆記 具の 持ち 方の 適正 化を 目指 す研 究︱ カー ボン 紙法 の導 入に よる 筆圧 を意 識さ せる 取り 組み を通 し て︱
﹂︵
﹃書 写書 道教 育研 究﹄ 第二 一号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 二〇
〇七 年三 月︶
○小 林比 出代
﹁未 就学 児の 硬筆 筆記 具の 持ち 方と 書か れた 点画 の発 達段 階に おけ る変 化﹂
︵﹃ 書写 書道 教育 研究
﹄第 二五 号︑ 全国 大学 書写 書道 教育 学会
︑ 二〇 一一 年三 月︶
○廣 瀬裕 之・ 橋本 修左
﹁硬 筆書 写に おけ る縦 書き と横 書き に関 する 研究
︱持 ち方 と文 字の 質や 姿勢 との 関係
︱﹂
︵﹃ 書写 書道 教育 研究
﹄第 二六 号︑ 全国 大学 書写 書道 教育 学会
︑二
〇一 二年 三月
︶
○杉 﨑哲 子・ 滝本 貢悦
﹁硬 筆書 字に おけ る﹁ 持ち 方﹂ と﹁ 書き 進め 方﹂ との 相関 性﹂
︵﹃ 書写 書道 教育 研究
﹄第 二八 号︑ 全国 大学 書写 書道 教育 学会
︑二
〇一 四年 三月
︶
○清 水文 博﹁ 学校 で使 用さ れた 筆記 具の 歴史
︱筆 記具 の学 習の 見地 から
︱﹂
︵﹃ 書写 書道 教育 研究
﹄第 二九 号︑ 全国 大学 書写 書道 教育 学会
︑二
〇一 五年 三月
︶
○杉 﨑哲 子﹁ 毛筆 把持 によ る硬 筆の
﹁持 ち方
﹂改 善メ カニ ズム の検 討﹂
︵﹃ 書 写書 道教 育研 究﹄ 第二 九号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 二〇 一五 年三 月︶
○杉 﨑哲 子﹁ 左手 書字 にお ける
﹁持 ち方
﹂と
﹁書 き進 め方
﹂と の相 関性
﹂︵
﹃書 写書 道教 育研 究﹄ 第三
〇号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 二〇 一六 年三 月︶
○加 藤達 成監 修﹃ 書写
・書 道教 育史 資料
﹄︵ 全三 巻︶
︵東 京法 令出 版株 式会 社︑ 一九 八四 年︶ 近三
〇年 にお ける 本題 目に 関わ る主 たる 文献
・資 料を 取り 上げ た︒ 酒井 氏が
︑一 九九 四年 に指 摘し た以 下の 提言 は︑ その 後あ る程 度漸 進し て はい るも のの
︑こ れか らの 課題 と言 える
︒ 大正 期に おい て︑ 硬筆 用具 が一 般に 普及 する よう にな り︑ 硬筆 書教 授 の研 究︑ 実践 が盛 んに 行わ れる よう にな った
︒こ の硬 筆用 具が 使用 され るよ うに なっ た初 期の 段階 にお いて
︑用 具の 持ち 方に つい ては
︑英 習字 のテ キス トな どに 示さ れた 欧米 にお ける 硬筆 用具 の持 ち方 を受 け継 ぐと 思わ れる もの と︑ 用具 の性 質な どを 考慮 し︑ 自己 の経 験な どを 基に 考案 した と思 われ るも のな どが 示さ れた
︒し かし
︑そ れら の持 ち方 が何 故よ
い持 ち方 なの かな どと いう こと につ いて は︑ 具体 的且 つ科 学的 に解 明さ れて いな い︒ それ は︑ 現在 にお いて も同 様で ある
︒こ のこ とは
︑書 字の 姿勢
・用 具の 持ち 方の 指導 が充 分に 行わ れて こな かっ た一 因で あり
︑更 に︑ 乱れ の一 因で ある とも 考え られ る︒ 姿勢 につ いて は︑ 書写 教育 の立 場か らの 科学 的な 研究 は欠 落し てい る が︑ 医学 的な 立場 や学 校用 家具 研究 の立 場か らは
︑そ れぞ れ明 治期 から 研究 が行 われ てき てい る︒ これ ら︑ 他の 分野 にお ける 研究 の成 果を
︑書 写教 育の 立場 から 見直 し︑ 取り 込ん でい く必 要が ある と考 える
︒ 今後 は︑ この よう な考 え方 に立 ち︑ 現在 よい
︵正 しい
︶と され てい る 書字 の姿 勢・ 用具 の持 ち方 につ いて 見直 し︑ 具体 的且 つ科 学的 に姿 勢・ 用具 の持 ち方 につ いて 考え てい きた い︒
︵酒 井直 美﹁ 書字 の姿 勢・ 用具 の 持ち 方に 関す る研 究︵ 2︶
﹂﹃ 書写 書道 教育 研究
﹄第 八号
︑全 国大 学書 写 書道 教育 学会
︑一 九九 四年 三月
︶
三 小 学 校 国 語 科 書 写 受 講 生 へ の ア ン ケ ー ト 調 査 と 実 態 調 査
平成 二九 年度 にお ける 熊本 大学 書道 受講 者に 対し
︑平 成二 九年 四月
︑今 後 の書 写教 育の 在り 方を 考え るべ く︑ アン ケー ト調 査を 実施 した
︒調 査の 目的 は︑ 現在 書道 を受 講す る学 生の 書写 に関 する 意識 の在 り方
︑ま た書 写教 育の 教科 内容 の開 拓と 教材 開発 とい う︑ より 広い 視点 から 書写 をど のよ うに 認識 して いる か︑ その 実態 の把 握を めざ すも ので ある
︒ま た学 生が どの よう に筆 記具
︵毛 筆・ 硬筆
︶を 持っ てい るか の実 態調 査を 行っ た︒ ここ では
︑筆 記具 の持 ち方 の写 真を 撮影 した
︵図 1~ 6︶
︒ 調査 の対 象者 は︑ 熊本 大学 に在 籍す る二 年生
﹁国 語A
﹂受 講者 一〇 二名 で ある
︒調 査場 所は 3B 教室
︑調 査時 間は 三〇 分で ある
︒ 質問 は大 きく 三項 目に 分け アン ケー トを 課し たの で分 析・ 考察 する
︒ 問い は以 下の 通り であ る︒ 1︑ 小学 校国 語科 書写 の指 導に おけ る今 日的 課題 は何 だと 考え るか
︑思 うこ とを 述べ なさ い︒ 2︑
﹁手 書き 文字
﹂の 課題 と展 望に つい て︑ 思う こと を述 べな さい
︒ 3︑ 小学 校国 語科 書写 にお ける 望ま しい 筆記 用具 の持 ち方 指導 にお ける 今日
一〇
的課 題と 指導 法に つい て︑ 思う こと を述 べな さい
︒
①硬 筆筆 記具 使用 の場 合
②毛 筆筆 記具 使用 の場 合 以下 はそ の回 答で ある
︒
○1 に対 する 回答
・書 写の ねら いに
︑正 しく
︑整 えて
︑速 く書 く能 力と
︑学 習や 生活 に役 立て る態 度が ある
︒指 導者 は学 習内 容を 明確 にし 学習 者の 書写 能力 をい かに 伸 ばす かと いう 考え が一 般的 であ るが
︑目 の前 にい る児 童︑ 生徒 を適 切に 見 つめ 伸ば すこ とが 望ま れる
︒よ って 学習 者が 書写 の学 力を 社会 生活 に活 か せる こと
︑す なわ ち︑ 一人 一人 が文 字を 書く こと に自 信を もち 適切 かつ 効 果的 に︑ 気持 ちよ く書 ける よう な指 導を する こと が課 題で ある
︒
・小 学校 国語 科書 写の 指導 にお ける 今日 的課 題は
﹁筆 記具 の持 ち方
﹂だ と思 う︒ 現在 の子 ども は自 分の 字が 嫌い とい う人 が多 いと 思う ので
︑そ の原 因 とも いえ る︑ 小学 校の 時期 から 持ち 方の 徹底 をす べき だと 思う
︒
・文 字を 書く こと は︑ 情報 伝達 の重 要活 動で ある
︒そ れだ けで なく
︑す べて の学 習活 動の 基礎 とい える
︒読 みや すい 字を 適切 な速 さで 書く 能力 を育 て るこ とが 課題 であ ると 考え る︒
・か つて の書 写の 指導 は︑ 手本 を中 心と して
︑指 導者 の実 技能 力に 頼っ たも のに なり がち であ った
︒今 日は その ねら いを 達成 する ため
︑学 習内 容を よ り明 確に し︑ 学習 者の 書写 能力 をい かに 伸ば すか とい うこ とが 課題 であ る︒
・国 語科 書写 の授 業時 間に 手本 を見 て正 しく 整え て書 くだ けで なく
︑日 常生 活で の書 写力 を定 着さ せる こと が大 切と 思う
︒
・書 写の 専門 講師 が減 って いる こと が︑ 課題 であ ると 考え る︒ 書写 から 思考 や想 像力
︑言 語感 覚を 養う こと を目 標と して いる ため
︑書 写の 楽し さを 知っ てい る専 門講 師が 担当 した 方が
︑子 ども たち の関 心を より 高め る指 導が で きる と思 う︒
○2 に対 する 回答
・現 代に おい て︑ ワー ドプ ロセ ッサ ーの 発達 や︑ 文字 での やり とり がネ ット
・ ワー ク上 で行 うよ うに なっ てき てお り︑ 私た ちは 文字 を手 で書 く機 会が 減 少し てい る︒ しか し︑ 手書 き文 字で は︑ コミ ュニ ケー ショ ンと して の機 能
や︑ 記憶
︑思 考の 効果 など
︑手 書き の方 が大 きい 効果 が期 待で きる もの が 多く 存在 する
︒そ のた め︑ 書写 の時 間を 通し て︑ 生徒 に﹁ 書く こと
﹂の 学 習を 進め てい くこ とが 必要 不可 欠で ある
︒
・﹁ 手書 き文 字﹂ は︑ すべ ての 学習 活動 の基 礎な ので
︑読 み易 く︑ 適切 な速 さ で書 く能 力を 見に つけ させ るこ とが 課題 であ る︒ 近年
︑コ ンピ ュー ター が 定着 し︑ 文字 がネ ット ワー クで やり 取り され るよ うに なり
︑今 後手 書き 文 字を 使う 機会 がよ り減 って いく と思 われ る︒ だが
︑日 常的 な礼 状な ど︑ 手 書き 文字 を使 うべ き場 面も ある ので
︑し っか りと 使い 分け るこ とが 必要 で ある
︒
・手 書き 文字 の学 習は すべ ての 学習 活動 の基 礎で ある
︒単 に読 めれ ば良 いと いう わけ では なく
︑適 切な 姿勢
︑持 ち方 で丁 寧か つそ の状 況に あっ た速 さ で書 くこ とが 課題 であ る︒ また IT 化が 進ん でい る中
︑手 で書 くこ との 意 義を 教え るこ とも 必要 であ る︒
・社 会に おい て自 分の 気持 ちを 表現 する 為に 文字 を使 う機 会と いう のは 少な くは ない
︒し かし 現代 はワ ープ ロを 使っ て﹁ 手書 きで 文字 を書 く﹂ こと 自 体が 減っ てい る︒ 文字 は個 性を 表し
︑誠 意を 表し
︑ぬ くも りを 与え ると いっ た書 写独 特の 特徴 を伝 えつ つ︑ 正し い持 ち方
︑書 き方 の指 導が 必要 とな る︒
○3 の① に対 する 回答
・硬 筆を 正し く持 たな いと 字の バラ ンス や筆 圧︑ 疲れ やす さな どに おい て 様々 なデ メリ ット を有 する
︒硬 筆は 使う 機会 が多 い為
︑自 分の くせ がつ い てし まう と直 りに くく なっ てし まう ので
︑な るべ く早 めに
︑ま ずは 補助 具
︵輪 ゴム 他︶ を使 うな どし て正 しい 持ち 方の 感覚 を身 につ けさ せる 必要 が ある
︒ま た学 校に 限ら ず︑ 家庭 での 指導 の協 力を あお ぐの も大 切に なる と 思う
︒
・小 学校 一年 生か ら正 しい 持ち 方を 指導 し︑ 習慣 をつ ける よう にす る︒ しか し私 自身 正し い持 ち方 でな い児 童へ の矯 正は あま り必 要な いの では ない か とも 考え る︒ それ は︑ 書き やす い持 ち方 の方 が書 くこ とが 楽し く感 じる と 思う ため
︒
一一
・私 は小 さい 頃か ら箸 の持 ち方 や鉛 筆の 持ち 方に つい て祖 父母 から 指導 を受 けて いた
︒そ のた め︑ 正し い持 ち方 を身 につ ける こと がで きた
︒正 しい 筆 記具 の持 ち方 はき れい に見 える だけ でな く︑ 余分 な力 が入 らず
︑疲 労も 少 なく てす む︒ 子ど もた ちに どう して 正し く持 つこ とが 望ま れる のか を問 い︑ 実際 にや って みる こと で︑ いつ もと 書き 方に 変化 があ るか どう か尋 ねて み るこ とが 良い ので はな いか と思 う︒
○3 の② に対 する 回答
・毛 筆の 持ち 方は 日本 や中 国の
﹁文 化﹂ の一 つで ある ため とて も大 切だ と考 える
︒や はり 正し い持 ち方 が姿 勢を 正し くし
︑き れい な文 字が 書け るこ と と供 に︑ 日本 の伝 統と その 文化 の美 しさ も子 供に 理解 して もら いた い︒ D VD や書 写の ビデ オで 興味 を持 たせ るこ とか ら始 める と良 いと 思う
︒
・筆 の持 ち方 がよ く分 から ずに
︑自 分な りに 書き やす い持 ち方 をし てい る子 ども がい るこ とが 課題 であ ると 考え る︒ 単鉤 法と 双鉤 法︑ 二つ の持 ち方 を 教師 が実 演し てみ せ︑ 持ち 方の コツ やポ イン トを 分り やす く説 明す る指 導 が考 えら れる
︒
・毛 筆は
︑学 校の 書写 の授 業で 初め て触 る子 ども たち も多 いだ ろう
︒初 めて 筆で 文字 を書 くと きに 正し い持 ち方 をき っち り教 え込 み︑ その 後も 正し い 持ち 方を きっ ちり 教え 込ん でい けれ ば︑ 正し い持 ち方 を続 けて いけ ると 思 う︒ だか ら︑ 子ど もた ちに 最初 に教 える 時に
︑な んと なく 教え るの では な く︑ きち んと 正し く教 える こと が大 切だ ろう
︒書 写の 時間 には 正し く筆 を 持つ こと を教 えな けれ ばな らな いと 思う
︒
・毛 筆を 使っ て文 字を 書く 機会 が少 ない ため
︑硬 筆と 持ち 方を 変え なけ れば なら ない 理由 を理 解で きな い児 童・ 生徒 も少 なく ない ので
︑毛 筆の 特徴 を 伝え 時間 をか けな がら
︑正 しい 持ち 方を 指導 する 必要 があ るこ とが 課題 だ と思 う︒ この 調査 によ り︑ 学生 の回 答か ら︑ 書写 教育 にお ける 毛筆 使用 の重 要さ や︑ そし て文 字を 手書 きす るこ とへ の関 心の 深さ が読 み取 れる
︒学 生は
︑書 写教 育に 関す る指 導技 術を 身に つけ ると とも に︑ それ に対 する 教養 や知 識を 養い
たい と考 えて いる
︒確 かに 学生 の論 じた 意見 は︑ 多分 に印 象的 なも ので ある が︑ そこ に記 述さ れた 内容 を総 括し てみ ると
︑学 生の 求め る理 想と して の教 師像 が明 瞭に 浮か び上 がっ てい る︒ それ は単 なる 書写 に関 する 技術 の伝 授や
︑ 知識 の受 け売 りで はな く︑ 的確 な指 導理 念の 確立 と︑ より 人間 的な 教師 像で ある た ︒ だ︑ 回答 から 見る 限り 受講 生の 教師 への 意識 の実 態の 落差 が大 きく
︑指 導者 側と して は︑ 学習 者の 実態 に応 じた 指導
︑並 びに 意識 の向 上を 高め てい くこ とが 要求 され る︒ 近年
︑急 速な OA 化︑ コン ピュ ータ ーの 活用 等に より
︑精 神が 疲労 して お り︑ より 人間 的で 豊か な生 活環 境を 求め てい る︒ 書写 教育 に課 せら れた 使命 は大 きい とい えよ う︒ また 学生 への 実態 調査 から
︑決 して 望ま しい 筆記 具の 持ち 方が され てい な いこ とが 分か った
︒﹁ 図1
~6
﹂と して 取り 上げ た通 りで ある
︒今 日的 課題 と指 導法 につ いて は︑ 繰り 返し
︑丁 寧に
︑時 間を かけ て指 導す る以 外方 法は ない と思 われ る︒
四 中 学 校 国 語 科 書 写 受 講 生 へ の ア ン ケ ー ト 調 査 と 実 態 調 査
次に
︑熊 本県 立大 学の 書道 受講 生に 対し て筆 記具 の持 ち方 の写 真を 撮影 す ると とも に︑ アン ケー トを 課し たの で分 析・ 考察 する
︒ 平成 二九 年度 にお ける 熊本 県立 大学 書道 受講 生に 対し
︑平 成二 九年 四月
︑ 今後 の書 写教 育の 在り 方を 考え るべ く︑ アン ケー ト調 査を 実施 した
︒調 査の 目的 は︑ 前章 三と 同様
︑現 在書 道を 受講 する 学生 の書 写に 関す る意 識の 在り 方︑ また 書写 教育 の教 科内 容の 開拓 と教 材開 発と いう
︑よ り広 い視 点か ら書 写を どの よう に認 識し てい るか
︑そ の実 態の 把握 をめ ざす もの であ る︒ 学生 がど のよ うに 筆記 具︵ 毛筆
・硬 筆︶ を持 って いる かの 実態 調査 を行 った
︒ 調査 の対 象者 は︑ 熊本 県立 大学 に在 籍す る二 年生
﹁書 道﹂
︵実 技︶ 受講 生一 三名 であ る︒ 中学 校教 諭普 通免 許状
︵国 語︶ の取 得を めざ して いる
︒調 査場 所は 第6 講義 室︑ 調査 時間 は三
〇分 であ る︒ 調査 結果 の集 計・ 分析 をし てみ たい
︒ 問い は以 下の 通り であ る︒
一二
書写 教育 の今 後の 在り 方と して 大切 だと 思う こと を述 べよ
︒な かで も
﹁望 まし い筆 記具 の持 ち方 指導 にお ける 今日 的課 題と 指導 法﹂ につ いて 述べ なさ い︒ 回答
・今 後の 書写 教育 では
︑書 写を 単な る﹁ 文字 の書 き方 の伝 授﹂ とし てで はな く﹁ 国語 の力 を伸 ばす
﹂授 業と して 捉え るこ とが 重要 だと 考え る︒ もち ろ ん︑ 書写 教育 にお いて
﹁正 しく 整っ た文 字を 書け るよ うに なる こと
﹂は 大 切な こと だが
︑子 供た ちが その 過程 で﹁ どう 学ぶ のか
﹂と いう
﹁学 び﹂ の 意識 に目 を向 ける こと も重 要だ
︒特 に毛 筆な どは 日常 生活 で扱 わな いこ と が多 いた め︑ いか に関 心興 味を 持た せる かと いう こと が求 めら れる
︒﹁ 書 写が 何の 役に 立つ のか
﹂と 疑問 を抱 いて 抵抗 感を 持つ 児童
・生 徒に 対し
︑
﹁自 らの 手で 文字 を書 く﹂ こと の大 切さ
︑必 要性 を理 解さ せな けれ ばな らな い︒ その ため には
︑ま ず学 習者 の学 習要 求を 把握 し︑ 実態 に伴 った 指導 計 画を 立て るこ とが 必要 だ︒
﹁活 字離 れ﹂ と言 われ る現 代だ から こそ
︑自 らの 手で 文字 を書 き︑ 学ぶ こと が子 供た ちに とっ て大 切な こと であ ると 思う
︒
・小 学校 に入 学し てす ぐ︑ 鉛筆 のに ぎり 方や ひら がな やカ タカ ナの 練習 を国 語の なか の書 写の 時間 にし た記 憶が ある
︒学 年が あが るに つれ 漢字 が増 え てい き︑ 小学 三︑ 四年 生の 頃に は毛 筆書 写を 行っ た︒ 私は
︑文 字は 一生 涯 用い るも ので
︑履 歴書 など を書 くと きに
︑そ の人 の第 一印 象を 与え るも の だと も感 じて いる
︒だ から
︑小 学校 低学 年の うち から
︑書 き順
︑字 形な ど をし っか り指 導し
︑整 った 文字 を書 かせ る指 導を 行う 必要 があ ると 考え る︒ 中学 校に なる と︑ 今ま で親 しん でい た楷 書だ けで はな く︑ 行書 体も 書く
︒ その ため
︑行 書と 楷書 の違 いを 理解 させ
︑文 字を 書く こと
︑筆 で文 字を 書 くこ との 楽し さを 学ば せる こと がで きる 指導 をし てい くべ きで はな いか と 考え る︒ 高校 生に なる と︑ 芸術 教科 の一 つと して 書道 が存 在す る︒ その た め︑ 文字 を整 えて 書く こと も大 事で はあ るが
︑芸 術と して 文字 を書 くこ と︑ 筆を 扱い 文字 を書 くこ とを 楽し むこ とが でき るよ うな 指導 を行 って いく べ きだ と考 える
︒こ のよ うな こと から
︑書 写教 育は 本来 の目 的で ある
︑字 形 を整 える など の要 素を ふま えつ つ︑ 学年 にそ った 書写 教育 を行 うべ きだ と 考え る︒
・私 は︑ 子ど もの 実態 に即 した 授業 展開 のあ り方 が大 切だ と思 う︒ 小学 校低 学年 の頃 は︑ 絵を 描い たり
︑文 字を 書い たり する 活動 型の 学習 が好 きで あっ たは ずな のに
︑学 年が 上が るに つれ
︑抵 抗を 示す よう にな る︒ ここ に子 ど もに 合わ せた 指導 が行 われ てい ない ので はと いう 疑問 がで てく る︒ おそ ら く︑ 黙っ てお 手本 通り に書 きな さい とい うよ うな 指導 が行 われ てい る可 能 性が 低く はな いの だろ う︒ 文字 には 個性 が表 れて おり 一人 一人 の子 ども の 個性 を尊 重す るよ うな 授業 が望 まし いと 考え る︒ もち ろん 前提 とし て﹁ と め︑ はね
︑は らい
﹂の よう な基 本事 項を 押さ えた 上で の話 であ る︒ この 調査 から 学生 の多 くは
︑書 写教 育に 相当 の関 心を 示し 期待 を寄 せて お り︑ また 卒業 後も 書写 を学 び続 けた いと
︑そ の学 習の 必要 性を 感じ てい るこ とが 分か った
︒ま た︑ 書写 教育 の今 後の 在り 方が 具体 的に 示さ れて おり
︑書 写教 育を 探求 する 姿勢 が窺 われ た︒ 筆記 具の 持ち 方の 実態 調査 では
︑略 ぼ前 章同 様の 結果 が得 られ た︒ やは り︑ 基礎
・基 本に 徹し た地 道な 指導 が求 めら れよ う︒
五 望 ま し い 筆 記 具 の 持 ち 方 指 導 に お け る 今 日 的 課 題 と 指 導 法 に つ い て
これ まで 同テ ーマ に関 して
︑ど のよ うな 研究 が進 めら れて きた か︑ 筆記 具 の持 ち方 に関 する 先行 研究 の中 で︑ 興味 ある 研究 を抽 出す る︒
・本 研究 では
︑従 前か ら説 かれ てい る﹁ 持ち 方﹂ と﹁ 書き 進め 方﹂ との 関係 につ いて
︑科 学的 デー タを もと に三 指の 働き を詳 細に 解明 する こと がで き た︒ 今回 は︑ 児童
・生 徒へ の時 間を 要す る調 査が 困難 であ るこ とか ら成 人 を対 象に 調査 を行 った が︑
﹁持 ち方
﹂の 指導 は︑ 将来 的な 持ち 方が 決定 され る入 門期 や低 学年 の時 代に おい て特 に重 要視 され てい る︒ この 成果 を生 か し発 達段 階を 考慮 しな がら
︑筆 記具 の特 性を 加味 した
﹁持 ち方
﹂の 再検 討 等の 課題 克服 に向 けて
︑今 後も 研究 を進 めた いと 考え てい る︒
︵杉 﨑哲 子・ 滝本 貢悦
﹁硬 筆書 字に おけ る﹁ 持ち 方﹂ と﹁ 書き 進め 方﹂ との 相関 性﹂
︑﹃ 書 写書 道教 育研 究﹄ 第二 八号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 二〇 一四 年三 月︶
・本 研究 では 科学 的デ ータ に基 づい て毛 筆把 持に よる 硬筆 の持 ち方 好転 の現 一三
象に つい て追 求し た︒ これ が一 方向 の分 析に 過ぎ ない とい うこ とは 承知 し てい るが
︑か つて の実 践研 究の 結果 につ いて 追実 験を 加え
︑感 覚的 を可 視 化で きた こと と毛 筆の 特性 につ いて 言及 でき たこ とが 大き な成 果だ と考 え てい る︒ これ から のI CT 化の 推進 を見 据え 文字 を手 書き する こと の重 要 性が 問い 直さ れて いる
︒そ のた めに 必要 とさ れる 科学 的な 根拠 とい う視 点 は合 理性 の追 求だ けに ある ので はな く︑ 人が 自身 の感 覚を 再認 する こと に も重 要で ある
︒自 身の 感覚 をと らえ るこ と︑ 触感 をつ くる
﹁テ クタ イル
﹂ の考 え方 が︑ 人間 らし い教 育の あり 方に 結び つい てい くの では ない かと 考 えて いる
︒︵ 杉﨑 哲子
﹁毛 筆把 持に よる 硬筆 の﹁ 持ち 方﹂ 改善 メカ ニズ ムの 検討
﹂︑
﹃書 写書 道教 育研 究﹄ 第二 九号
︑全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 二〇 一五 年三 月︶
・現 代的 な表 現で はな いが
︑持 ち方 の是 正に 関し ては
﹁矯 正﹂ とい う立 場も 必要 とな る︒ 書字
・書 写と いう もの が習 慣的 なも ので ある から
︑あ る程 度 の強 制力 を持 たせ なが ら進 めて いか ない と効 果は 見ら れな いか らで ある
︒ 方法 的に は︑ 大き く次 の3 方法 が用 いら れる
︒
①手 指の 動き から 考え る方 法
②書 写用 具自 体に 変化 をつ ける 方法
③補 助具 を用 いる 方法 (中 略︶ その こと を確 実に 押さ え︑ 単な る形 態的 な指 導に 陥ら ない こと が︑
﹁実 技指 導を 行う 実践 能力 の育 成﹂ への 第一 歩で あろ うと 考え る︒
﹁文 字を 書 く﹂ とい うこ とは
︑静 止し たフ ォー ムの 良否 では なく
︑運 動的 な機 能性 に彩 られ たも のな ので ある
︒︵ 小竹 光夫
﹁実 技指 導を 行う 実践 能力 の育 成︵ 1︶
︱ 硬筆 書写 用具 の持 ち方 への 取り 組み
︱﹂
︑﹃ 実技 教育 研究
﹄18
︑二
〇〇 四年 一 月﹂ 近年 同テ ーマ に関 して
︑科 学的 デー タに 基づ いて 研究 が進 めら れて きて は いる もの の︑ まだ その 解明 から はこ れか らと いえ よう
︒今 後文 字を 書く こと をさ まざ まな 視点 から 考究 して いく こと が重 要で ある
︒関 係諸 分野 との 連携 が求 めら れよ う︒ 次に 過去 にお いて
︑望 まし い筆 記具 の持 ち方 指導 にお ける 今日 的課 題と 指 導法 につ いて どの よう な内 容が 考え られ てき たの だろ うか
︒こ こに 二例 を図 版で 取り 上げ る︒ 江戸 期・ 明治 期刊 行図 書に おけ る筆 記具 の持 ち方 につ いて
見て みた い︵ 図7
・8
︶︒ 図7
【書 名︼
﹃筆 道稽 古早 学問 二﹄
︻巻 冊︼ 全四 冊二 六丁
︻著 者︼ 笹山 梅庵
︻成 立︼ 天保 十一 年版 図8
【書 名︼
﹃運 筆自 在書 法要 訣︵ 全︶
﹄︻ 巻冊
︼全 一冊 七六 丁︻ 著者
︼湯 川梧 窓
︻成 立︼ 明治 四二 年十 一月
︻発 行所
︼青 木嵩 山堂 両著 は︑ 図版 とと もに 丁寧 な解 説が なさ れて おり
︑同 問題 は︑ 時代 を問 わ ず大 切な 内容 を含 んだ もの との 認識 があ り︑ それ 相応 の取 り扱 われ かた をし てき たこ とが 分か る︒ 過去 の研 究成 果を 踏ま え︑ 基礎 研究 を続 けて いく こと が重 要で ある
︒史 的考 察は 今後 の課 題と した い︒
六 お わ り に
国語 科書 写教 育の 研究 は︑ 基礎 論の 概観
・展 望と とも に︑ 更な る実 践研 究 の成 果と 蓄積 が課 題で あろ う︒ 今後 教材 の研 究を 進め
︑そ れを 具体 的に 書写 教育 に有 効に 活か すた めの 教材 開発 を行 うこ とが 求め られ る︒ これ から はこ れま での 狭い 指導 に囚 われ るこ とな く︑ 現状 の改 善を 期し て︑ 魅力 に富 んだ 教育 を考 える 必要 があ る︒ そし て生 涯に わた って 文字 文化 を重 視し
︑さ らに 文字 文化 を創 造し てい くこ とが 大切 であ ろう
︒ 毛筆 によ る書 写教 育の 学習 実践 は︑ 我が 国の 伝統 的で 豊か な言 語文 化を 認 識し
︑ま た文 字文 化を 尊重 し︑ 親し んで いく 態度 を育 成す るこ とが 重要 であ る︒ 今ま さに 書写 教育 の創 造的 な営 為が 求め られ てお り︑ 特に 次世 代を 担う 青少 年の 育成 は急 務と いえ る︒ 本稿 で取 り上 げた
﹁小
・中 学校 国語 科書 写に おけ る基 礎的 研究
︱望 まし い 筆記 具の 持ち 方指 導に おけ る今 日的 課題 と指 導法 につ いて
︱﹂ は︑ 古く て新 しい 今日 的課 題で あり
︑最 も書 写書 道教 育に おけ る基 礎・ 基本 とな るテ ーマ とい える
︒ 教員 養成 にお ける 書写 教育 の在 り方 は︑ 今後 も幾 度と なく 議論 され るで あ ろう
︒将 来の 書写 教育 の在 り方 を探 り︑ その 動向 とこ れか らの 課題 のい くつ かを 指摘 した く︑ 教科 教育 の基 礎研 究と して 本稿 を執 筆し た︒ 今回 実施 した 学生 への 意識 調査
︑実 態把 握は
︑大 切な 問題 提起 をし てい る︒ 将来 にお ける 学校 教育 は︑ 生涯 学習 の基 礎を 培う 場と して とら え︑ 位置 づけ
一四
られ る必 要が あろ う︒ 現在 世界 的な 規模 で教 育改 革が 叫ば れる なか
︑書 写書 道教 育の 充実 と発 展の ため に︑ 本稿 の執 筆を 契機 とし て︑ 更に 書写 書道 教育 に関 する 研究 を進 めて いき たい
︒
︻ 注
︼
︵1
︶筆 者は 二〇 一五 年三 月﹃ 書写 書道 教育 論考
﹄︵ 創想 舎︶ を刊 行し た︒ 同 著で
︑小
・中 学校 国語 科書 写に 関わ る論 文と して 次の 通り 掲載 した
︒ 第Ⅰ 部 書写 書道 教育 研究
︵学 術論 文︶
・第 四章
書写 書道 教育 試論
︱生 涯学 習の 視点 に立 った 書写 書道 教育 の 在り 方︱
・第 五章
書写 書道 教育 に関 する 基礎 的研 究︱ 仮名 指導 にお ける 字源 の 有効 性に つい て︱
・第 七章
書写 書道 教科 書に 関す る基 礎的 研究
︱京 都市 学校 歴史 博物 館 の取 り組 みと 所蔵 品を 中心 に︱
・第 九章
書写 書道 教科 書に 関す る基 礎的 研究
︱京 都府 立総 合資 料館 の 取り 組み と所 蔵品 を中 心に
︱
・第 一一 章 今井 凌雪 先生 にお ける 教育 者と して の功 績︱ 筑波 大学 での 講義 を中 心と して
︱ 第Ⅱ 部 書写 書道 教育 研究
︵研 究ノ ート
︶
・1
︑今 井凌 雪先 生の 書学 書道 史・ 書道 教育
︱氷 斎先 生書 話︱
・3
︑書 写書 道教 科書 に関 する 基礎 的研 究︱ 巻菱 湖の
﹃千 字文
﹄を 使用 して の実 践的 研究
︱
・4
︑書 写書 道教 科書 に関 する 基礎 的研 究︱ 日月 斎所 蔵習 字手 本一 覧︱
・5
︑東 京学 芸大 学・ 筑波 大学 等で 受講 した 講義 録
︵2
︶新 学習 指導 要領 は︑ 平成 二九 年三 月告 示さ れた
︒
︻ 主 要 参 考 文 献 ︼
・久 米公 著﹃ 書写 書道 教育 要説
﹄︵ 萱原 書房
︑一 九八 九年 一月
︶
・富 田富 貴雄 著﹃ 史的 観点 に基 づく 書写 教育 の研 究﹄
︵大 学教 育出 版︑ 一九 九 六年 六月
︶
・﹃ 書写 書道 教育 研究
﹄創 刊号
~第 三一 号︑
︵全 国大 学書 写書 道教 育学 会︑ 一 九八 七~ 二〇 一七 年︶
・海 後宗 臣等 編﹃ 日本 教科 書大 系・ 近代 編 第二 七巻
︵習 字︶
﹄︵ 講談 社︑ 一 九七 八年 一二 月︶
・井 上敏 夫編
﹃国 語教 育史 資料
﹄﹁ 第二 巻教 科書 史﹂
︵東 京法 令出 版株 式会 社︑ 一九 八一 年四 月︶
・﹃ 国語 科教 育学 研究 の成 果と 展望
﹄︵ 全国 大学 国語 教育 学会 編著
︑明 治図 書︑ 二〇
〇二 年六 月︶
・松 本宏 揮著
﹃書 法教 育の 実践
﹄︵ 私家 版︑ 二〇
〇六 年二 月︶
・平 形精 一編 著﹃ 文字 文化 と書 写書 道教 育﹄
︵萱 原書 房︑ 二〇 一一 年三 月︶
・﹃ 国語 科教 育学 研究 の成 果と 展望
Ⅱ﹄
︵全 国大 学国 語教 育学 会編 著︑ 学芸 図 書︑ 二〇 一三 年三 月︶
・文 部科 学省
﹃高 等学 校学 習指 導要 領解 説﹄ 芸術 編︵ 教育 出版
︑二
〇〇 九年 一一 月︶
・﹃ 明解 書写 教育
﹄︵ 全国 大学 書写 書道 教育 学会 編︑ 萱原 書房
︑二
〇一 七年 四 月︶
一五
一六 図1 毛筆の持ち方①
(親指が人差し指を包み込んでいる)
図2 毛筆の持ち方②
(指に力が入り過ぎている)
図3 毛筆の持ち方③(小指が離れている)
図7 『筆道稽古早学問二』
図8 『運筆自在書法要訣(全)』
図6 硬筆の持ち方③
(ボールペンを倒し過ぎている)
図5 硬筆の持ち方②
(指に力が入り過ぎている)
図4 硬筆の持ち方①
(人差し指が親指を包み込んでいる)
︻問 題の ある 筆記 具の 持ち 方の 事例
︼