審 査 論 文 要 旨(日本文)
論文提出者氏名: 片桐 誠一朗 審査論文
審 査 論 文
題 名:Combination of Ponatinib with Hedgehog Antagonist Vismodegib for Therapy-Resistant BCR-ABL1-Positive Leukemia
(治療抵抗性BCR-ABL陽性白血病に対するポナチニブとヘッジホッグ阻害剤 ビスモデジブの併用)
著 者:Seiichiro Katagiri, Tetsuzo Tauchi, Seiichi Okabe, Yosuke Minami, Shinya Kimura, Taira Maekawa, Tomoki Naoe, and Kazuma Ohyashiki 掲載誌:Clinical Cancer Reseach19(6)1-11
(審査論文要旨:日本語論文の場合1,000字以内・英語論文の場合500 words)
目的: Hedgehog シグナルは胎生期の臓器形成に重要な因子として同定され、成人の正常組
織に対しては影響をほとんど及ぼしていないが、悪性腫瘍においては過剰な発現が報告され ている。また白血病幹細胞の維持、自己増殖においても大きく影響を及ぼしていると報告さ れている。BCR-ABL 陽性白血病においても Hedgehog の活性化は報告されており、また
Hedgehogシグナルを阻害することで白血病の発症能の低下を認めた報告もされている。
方法: BCR-ABL陽性白血病において、遺伝子変異によるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)への
耐性が問題となっている。特にT315I変異は第二世代のTKIにも耐性を持ち、非常に強い治 療抵抗性を示す。我々は NOD/SCID マウスに発現した T315I変異を伴う BCR-ABL 陽性白 血病細胞に対して、Hedgehog阻害剤である Vismodegibと第3世代 TKI の Ponatinib の併 用効果をin vitroおよびin vivoで検証を行った。
結果: VismodegibとPonatinib の併用によりNOD/SCIDマウスに発現した白血病細胞の減 少が確認された。末梢血中の CD19 陽性細胞は両者の併用したマウスで有意に減少した。ま た脾臓の重量と骨髄のBCR-ABL mRNA発現量もPonatinib単剤よりも併用したマウスで有 意に減少した。さらにVismodegibを用いることで、白血病細胞の移植による二次発症の抑制 を認めたことから Hedgehog 阻害剤が白血病幹細胞の自己増殖能を抑制する可能性が示唆さ れた。
結論:これらの実験結果からHedgehog阻害剤とTKIの併用はBCR-ABL陽性白血病の微小 残存病変を制御し、より高い治療効果が期待されると考えられた。
東 京 医 科 大 学