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学校現場における ADHD (注意欠陥ノ/多動性障害)◎現状と課題

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(1)

学校現場 における

ADHD

(注意欠陥ノ/多動性障害)◎現状 と課題

I

一秋 田県内の情緒障害学級 の実態調査か ら‑

武 田 篤 * 秋 田大学教育文化学部

嶋宮 幸恵**

市川市立八 幡小学校 藤 井 慶 博***

秋 田県教育庁幼児 。養護教育課

ADHD

児童生徒 の教育 的支援 の現状 と課題 を明 らか にす るため に,秋 田県 内 の情緒 障 害学級 で

ADHD

の児童生徒 を担任 して い る教 師 に実態調査 を行 った.担任教 師が

ADHD

児童生徒 を指導 す る上 で困難 を感 じて い る もの と して は,教室 か ら飛 び出 して しま う」,

「思 いっ さで行動 す る」 とい った衝動 的 な行動 や友達 との トラブル,教 師へ の反抗 的 な言 動 な どが あげ られ た. また,担任教 師 自身 が必要 と して い る もの と して は,

ADHD

を理 解 す るための研修 や どの よ うに指導す れば よいか とい った指導法 に関す ることに加 え,学 校全体 での支援 や保護者 ・医療機 関 との連携 をあげて いた.以上 の ことか ら,現在 の学校 現場 で は

ADHD

の児童生徒 を担任 す る特定 の教 師 だ けで な く, す べ て の教 師 に

ADHD

に関す る基本 的 な理解 を図 って い くとともに,保護者 や外部 の関係機 関 との円滑 で効果 的 な連携 を図 り,学 校全体 と して

ADHD

児童生徒 を支援 して い く体制 を確立 して い くこと が急務 な課題 と して提起 された.

キ ー ワー ド :

ADHD

,学校,教 師,支援

Ⅰ は じめ に

注 意 欠 陥/ 多動 性 障害

( ADHD)

とは行 動 上 に 発達水準 に相応 しない,持続 的 な不注意,多動性, 衝動性 の

3

つを中核症状 と して持っ発達障害であ る.

このよ うな行動上 の特徴 を示 す子 ど もたちが い るこ とは,一世紀以上前 か ら知 られて いたが, その原因 や診 断基準 が明確 で なか ったため,名称 も

1 9 4 0

年代

2 0 0 4

1

2 3

日受理

TI s s ue s ofSuppor tt o St ude nt s wi t h At t e nt i o n‑

De f i c i t /Hype r ac t i v i t yDi s or de r‑Fi ndi ngsf r om t he Sur v e y Re s e ar c h ofSpe c i alCl as sf orEmot i onal Di s t ur banc e si nAki t aPr e f e c t ur e

*At s us hiTAKE DA,Fac ul t yofEduc at i onandHuman St udi e s ,Aki t aUni ve r s i t y,Aki t a

*

*Yuki e SHI MAMI YA

,

Yawat a El e me nt ar y Sc hoo

l,

I c hi kawaCi t y,Chi baPr e f e c t ur e

***

Yos hi hi r oFUJ

I

I , Di v i s i onofI nf antandHandi c appe d Chi l dr e n‑ sEduc at i on,Aki t aPr e f e c t ur alBoar dof Educ at i on

26 2004

以降 「微小脳機能不 全」

,

脳 障害児症候群」

,

小児 期多動反応」,「過活動児童症候群」, そ して 「注意 欠陥障害」 な どと頻繁 に変 わ って きた (バ ーク レー,

1 9 9 9 ,2 0 0 0;

山崎

,2 0 0 0 ) .

現在 ヨー ロ ッパ で は世 界 保 健 機 関 の 「国 際疾 病 分 類

( I CD‑ 1 0 ) 」

に よ る

「多動性 障害」 とい う名称 が使 用 され, 北米 で はア メ リカ精神 医学会 の 「精神疾患 の診断 。統計 マニ ュ アル

( DSM‑ Ⅳ) 」

によ る 「注意欠 陥/多動性 障害」

とい う名称 が用 い られてお り, わが国で もこの名称 が一般 に用 い られ るに至 って い る.

さて, わが国 にお いて もここ数年来

ADHD

に対 して,研究者 だ けでな く, マス コ ミ等 で も頻繁 に取 り上 げ られ るよ うにな り,社会的関心が急激 に高 まっ て きて い る. これ らの背景 には,現在 のわが国 の学 校現場 が抱 え る不登校 や い じめ, さ らには学級崩壊 とい った,通常 の指導 で は対応 しきれ ない児童生徒 の存在 が浮 き上 が って きた ことと無縁 で はない とす

47

(2)

る見方が ある (

,2 0 0 3 ).

( 1 9 9 9 )

は,学級崩 壊や学校崩壊 を引 き起 こす荒れ る子 どもたちの中に

ADHDの子 ど もたちが い るので はないか とい った

危懐 や不安が

ADHD

に対す る社会的注 目を集 め る ことにつなが っているのではないか と指摘 している.

さ らに,最近 の障害児教育制度 における大 きな変 革 の流 れ も

ADHD

に対す る関心 を押 し上 げている と考え られ る.文部科学省 は

2 0 0 0

年以降特殊教育 に 関す る調査研究協力者会議を相次 いで

2

つ設置 した.

一つ は

「 21

世紀 の特殊教育 の在 り方 に関す る調査研 究協力者会議」で

,2 0 01

1

月には 「一人一人のニー ズに応 じた特別 な支援 の在 り方 について」 とい う最 終報告書 が出 された. また もう一 つ は,「特別支援 教育 の在 り方 に関す る調査研究協力者会議」 で,

2 0 0 3

3

月 に 「今後 の特別支援教育 について (最終 報告)」が発表 された. これ らの報告書 で 目を引 く の は, これ までの 「特殊教育」 とい う用語 に変 え

特別支援教育」 とい う用語 を使用 して いる点 であ る.文部科学省 自体 も

2 0 01

1

月 には, それまでの

特殊教育課」 の名称 を 「特別支援教育課」 と変え, 障害児教育の方 向性 を大 き く変革 していこうとす る 姿勢 を前面 に打 ち出 している. さて, 「今後 の特別 支援教育 につ いて (最終報告)」の中で最 も注 目さ れ るのは, これまで特殊教育 の対象 として こなか っ た学習障害

( LD)や ADHD

,高機能 自閉症 とい っ た軽度発達障害 の子 どもたちを,新 たな教育 の対象 と して明確 に打 ち出 した ことである. この報告書 の 中で, 「通常学級 に在籍す る特別 な支援 を必要 とす る児童生徒 に関す る全国調査」 の結果が示 され,わ が国の通常学級 に在籍 している児童生徒 の うち学習 障害,ADHD, 高機能 自閉症 と推定 され る もの は

6. 3%

にのぼ るとされ た. この調査 は担任教 師の回 答 によるもので,専門家や医師の診断 によるもので はない ことか ら,必ず しも正確 な もの とはいえない が, それで もその割合 の高 さは注 目に値 す る.6.

3

% とい うことは

,1

クラス

3 0

人 の学級であれば,特 別 な支援 を必要 と している軽度発達障害 の児童生徒

2

人近 くいるとい うことになる. また, これ らの うち

ADHD

と推定 された ものは2.

5%

と見積 もられ ていることか ら

,1

学年

3

クラスのある学年で は, 1学年 に

2

人以上 の

ADHD

の児童生徒 が いること になる.

通常学級 に在籍す る

ADHD

を含 む軽度発達障害 の児童生徒 に対 して も積極的に支援 を行 ってい くと

48

い う方針 を打 ち出 した ことは, これ らの子 どもたち にとって大 きな福音であるが,一方で,実際の教育 現場では大 きな戸惑 いや不安 も存在す る.すなわち, そ もそ も大半 の教 師や学校 に とり

ADHDや学習障

害,高機能 自閉症 とはどんな障害 なのかの知識や理 解がほとんどな く,またどのような指導や対応を行 っ ていけばよいか もまった くわか らないとい うのが実 状である. したが って,学校現場 におけるこれ らの 児童生徒 の現状や支援 のあ り方 を明 らかに してい く

ことが急務 の課題 とな っている.

そ こで本研究で は,秋 田県内の小 中学校でADHD の児童生徒が在籍 していると公的に確認 されている 情緒障害学級 を対象 に して,ADHDの児童生徒 の 実態 と支援 の現状 を明 らかにす るとともに,今後 の 教育 の在 り方 を検討す るために実態調査 を行 うこと とした.調査 は予備調査 と本調査 とか らな り,予備 調査では秋 田県内の小中学校情緒障害学級 における

ADHD児童生徒 の在籍数 の推移 を検討 し,本調査

で は

ADHD児童生徒 を担任 して いる教 師 に対 して ADHD児童生徒 の行動特徴 や指導上 の課題等 に関

す るア ンケー ト調査 を実施 した.

予備調査 県 内情緒障害学級 にお ける

ADHD

在籍数の推移

1 .

方法

秋 田県情緒障害教育研究会が発行 している平成

5

年度か ら平成

1 4

年度 までの,過去

1 0

年間の 「秋 田県 情緒障害特殊学級教室概要一覧」 を資料 として,情 緒障害特殊学級 に在籍す る児童生徒 の障害種別の分 類 を行 った.分類 にあた って は,教室概要一覧 の

在籍児童生徒 の実態」欄 に記載 されて いる内容 か ら,筆者が広汎性発達障害 (自閉症),ADHD,精 神遅滞, その他, および不明の

5

カテゴ リーに分類 した. なお,実態欄 に 「自閉症,精神遅滞」 と複数 の障害種別が記載 されている際 には, 自閉症 を優先 し, 広汎性発達 障害 に分類 した. また, 実態欄 に

情緒 障害」 と しか記載 されていない ものにつ いて は不明に分類 した.

2 .

結果

県内小中学校 における過去

1 0

年間の情緒障害学級 の設置校 と在籍児童生徒数 の年度別推移 を図

1

に示 した.学級設置校 も在籍数 も年 をお うごとに増え, 平成

5

年度 には設置校が

3 5

校,在籍数が

61

人であ っ

秋 田大学教育文化学郡教育実践研究紀要

(3)

40201.00

4 つ̲)

U1

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J

学 級 設 fEEt校 数

l 電 冨 i

4。30 2。

O。

柑 #O

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平成567891()121314 年度

1

情緒障害学級設置校と児童生徒数の年度別推移

( U 0 n U U n U 0 n U UnU 0 9 87 b5 4 J2 1

平成567891(111121314 年度

2情緒障害学級における障害別の在籍児童生徒の

年度別推移

たのに対し,平成

14

年度にはそれぞれ

86

,127

と倍増していた. 図2に情緒障害学級における障害種別ごとの在籍児童生徒数の年度別推移を示した.障害種別では広汎性発達障害が圧倒的に多く,平成

8

年度以降は全体の

7

割前後を占めてきている.

ADHD

が県内の情緒障害学級に在籍したのは,平成8年度の2人が最初である.その後平成

9

年度と

10

年度がそれぞれ

4

,平成

1

1年度が

5

人と微増であったが,平成

12

年度には

10

人と倍増し,平成

13

年度には

15

,平成

14

年度には

18

人と増加の一途をたどり,在籍児童生徒数に占める割合も

14%

を越えるに至っている.

本調査アンケートによる実態調査

1 .

対象と方法 対象は,平成

14

年度に情緒障害学級を設置している秋田県内の小中学校

86

校中,

ADHD

の児童生徒が在籍している

17

校(小学校8,中学校9校)とした.調査方法は,郵送によるアンケート方式で,

1

に示した内容について情緒障害学級担任に無記 262004

表 1 アンケー ト内容

I.ADHD

児童生徒の実態

1

.ADHD

児童生徒の行動評価

1)授業への注意集 中時間 (3段階評価) 2)行動や感情のコントロール ( )

3)持物 や机 の中の整理整頓 ( /′ )

4)遊びのルールを守れるか ( /′ )

5)友達とトラブル ( )

2 .ADHD

児童生徒の行動特徴 (自 由 記 述)

Ⅱ.担任教師の実態

1.指導する上で困難と感 じる点 (自 由 記 述)

2 .

担任が必要としている支援 ( /′ )

名で記載 して もらった.調査 は平成

1 4

1

1月 に実施 し,

1 2

校 (小学校8校, 中学校4校)か ら回答 を得 た (回収率

7 1 %) .

なお

,1

学級 に

2

人 の

ADHD

在籍 して いる小学校が

1

校 あ った ことか ら

,ADHD

の児童生徒数 は

1 3

人 であ る.

結果 の分析 は,選択項 目につ いて はその割合 を求 め,担任教師によ り自由記述 された項 目については, 筆者 が内容 を抽 出 し, カテ ゴ リー化 した.

2 .

結果

1

)ADHD

児童生徒 の実態 (1)

ADHD

児童生徒 の行動評価

3

に担任教 師 によ る

1 3

人 の

ADHD

児童生徒 の 行動評価 の結果 を示 した.

授業 に集 中で きる時間で は

2 0

分以下が

8

,4 0

以下 が

3

,4 1

分以上が

2

人 と

,2 0

分以下 の ものが

6

割以上 を 占め,

ADHD

の半数 以上 の児童生 徒 で は集 中で きる時間が きわめて短 い ことがわか った.

0 50 100%

授 業へ 集中 の 時 間

行動 コント や 感

整理整頓

遊びのルール

友達トとラのブル きどき

ほ と ん ど な い

3 ADHD

児童生徒の行動評価

49

(4)

行 動 や感 情 の コ ン トロールで は, で きな い ものが

9

人 , だ い た いで き る ものが

3

人 , で き る ものが

1

人 とい う結 果 で

,7

割 近 くの ものが行 動 や感 情 の 自

己 コ ン トロールが難 しか った.

持 ち物 や机 の 中 の整 理 整 頓 で は, 苦 手 な もの が

9

人 , 普 通 が

2

人 , 得 意 な ものが

2

人 と

,7

割 近 くの

ものが整理 整 頓 が苦 手 で あ った.

遊 びの ル ール を理 解 し,守 る こ とが で きるか ど う か で は,守 れ な い ものが

6

人 , だ い た い守 れ る もの

5

人 ,守 れ る ものが

2

人 で,半 数 近 くが ル ール を 守 る こ とが苦 手 で あ った.

友 達 との トラ ブル の有 無 につ いて は, よ くあ る も のが

2

人 , 時 々 あ る ものが

6

人 , ほ とん どな い もの

5

人 で あ った. トラブルが よ くあ る もの と時 々 あ る もの を合 わせ る と

6

割 以 上 に達 して いた.

50

( 2 )ADHD

児童 生 徒 の行 動 特 徴

担 任 教 師 に他 の児 童 生 徒 と比 べ た際 の

ADHD

行 動 特 徴 につ いて 自由 に記 述 して も らった と ころ,

27

件 の内容 が抽 出 され た. これ らの内容 を 「多動 ・ 衝 動 的 な行 動 」,「反 抗 的 な行動 」,「注意 力 の問題 」,

「整 理 整 頓 」 お よ び 「そ の他 」 の

5

カ テ ゴ リー に分 類 した結 果 を表

2

に示 した.

最 も多 か った もの は多動 ・衝 動 的 な行 動 に関 す る もの が

1 0

件 で, 「じっ と して お れ ず, 落 ち着 きが な い」,「授 業 中, 自分 が指 名 され る前 か ら発言 す る」

とい った ものが あ げ られ た.

次 に多 か った もの は,反 抗 的 な行 動 に関 す る もの

4

件 で あ った. これ には単 に 「暴言 を吐 く」 とい っ た こ とば に よ る もの だ けで な く, 「自分 の思 いが通

らない と机 を倒 した り,筆入 れを投 げっ ける」 とい っ

2 ADHD児童生徒の行動特徴 多動 ・衝動的な行動

・じっとしておれず,落ち着 きがない

・多動である

・目新 しいことや興味のあるものにはす ぐに飛 びっ く

・黙 っていれず,常 に体のどこかを動か している

・常 に手 に何かを持 っていて動かす

・思 ったことを状況 に関係な く,す ぐ口に出す

・自分の興味のあることには,す ぐ行動 したがる

・かん しゃくを起 こしやすい

・授業中, 自分が指名 される前か ら発言する

・欲 しいものがあるとがまんできず,盗んで しまう 反抗的な行動

・反抗的な言動だけでな く,時に暴言を吐 く

・思い通 りにな らないと大声を出 して泣 く

・嫌なことや苦手なことには取 り組まず,意に合わないと大 きな声をあげる

・自分の思いが通 らないと机を倒 したり,筆入れを投 げっける 注意力の問題

・注意が散 りやすい

・授業中興味が向かないときは,隣や後 ろの子に話 しかけたりいたず らしたりする

・気になることがあると朝か らそのことで頑が一杯 になり,学習に集中できない 整理整頓

・常 に机の周 りがち らか っている

・身の回 りの整理整頓が極端 にできない そ の他

・強いこだわ りをもつ

・視線が合わない

・過去のことやこれか らのことについて, しつ こく何度 も同 じ質問を くり返す

・見通 しを持てないことに不安感をっの らせやすい

・字を小 さく書 けない

・ものを切 ったり作 ったりする活動が苦手

・できることとできないことがはっきりしている

・できないことを克服 しようという気がない

秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

(5)

た破 壊 的 な行 動 まで も含 まれ て い た.

ま た, 注 意 力 の 問 題 は

3

件 で

,

「注 意 が 散 りや す い」,「授 業 中興 味 が 向 か な い と きは, 隣 や後 ろの子 に話 しか けた りい たず ら した りす る」 とい った行 動 が あ げ られ た.

整 理 整 頓 に関 して は,「常 に机 の周 りが ち らか っ て い る」,「身 の回 りの整 理 整 頓 が極 端 にで きな い」

な どの記 載 が な され て い た.

そ の他 と して は, 「強 い こだ わ りを もっ 」,「視線 が合 わ な い」,「過 去 や これ か らの こ とにつ いて, し

26 2004

つ こ く何 度 も同 じ質 問 を くり返 す」 とい った ものが あ げ られ て い たが , これ らの特 徴 は

ADHD

の特 徴 とい うよ り,広 汎性 発達 障害 の特徴 と も考 え られ た.

した が って ,

ADHD

と して教 育 を受 け て い る もの の なか に は, 高 機 能 広 汎 性 発 達 障害 が疑 わ れ る もの

もい る こ とが示 唆 され た.

2)

担 任 教 師 の実 態

(1)指 導 す る上 で教 師 が 困難 と感 じる点

担 任 教 師 に

ADHD

の児 童 生 徒 を指 導 す る上 で , 困難 を感 じる点 につ いて 自由 に記 述 して も らった と

3

教師が困難を感 じる点 衝動的な行動

・嫌 なことがあると教室か ら飛 び出 して しまう

・周 りの状況を考えず,思 いっ きで行動す る

・場や状況を判断 して, 自分の行動や話をセーブできない

・情緒的に不安定で,行動の予測がつかない

・ものす ごいス ピー ドで行動す るため,制御で きない

・とて も明 るく,人 なっ こいが,突然の行動 に出て しまう

・注意の持続が難 しく,す ぐに目新 しいものに飛びっ く

・薬 (リタ リン)が切れると,人が変わ ったように行動の制御がで きな くなる 他の子 との関係

・競争の負 けが認め られず,友達 との トラブルが絶えない

・す ぐにカチ ンときて, いっ も友達 と トラブルを起 こす

・自己中心的で,他 と協調が とれないため注意を受 け, ますます悪循環 に陥 る

・他の子 どもたちがそばに寄 らな くなる

・どのように して周 りの子 に

,ADHD

の子 についての理解を図 っていけばよいか 学習指導

・その子への指導が中心 にな り,他の子 どもへの指導がで きな くなる

・話 を聞いているようで聞いてお らず,突拍子のない間違 いをす る

・教室か ら不意 に出ていったときは,授業を中断 して追 いかけなければな らない

・聞 き逃 しがおお く,大事 なことはいちいち声 をかけなければな らない

・みんなと一緒 に話を聞いて,行動することができない 反抗的な行動

・自分がや りたいことを抑え られ ると大声を上 げたり,バカなどと暴言を吐 く

・自分がで きないことには取 り組みを拒み,激 しく抵抗する

・わざと教師に反抗 し,怒 らせ るような挑発的な行動をとる

・失敗 したことや制せ られたことに過剰 に反応 し,物を投 げたり,壊 した りする 家庭 との連携

・保護者が

ADHD

という障害を受 け入れていないときの家庭 との連携の難 しさ

・保護者の理解が得 られず,学校 と家庭での指導が一貫 しない その他

・様々な問題行動 に振 り回され,指導 に自信を失 いかけた

・子 どもの問題行動 に巻 き込 まれ,つい感情的になって しまうことがある

・何度注意 して も同 じことを くり返すので, どうした らよいかわか らな くなる

・校内の先生方 に

ADHD

について正 しく理解 して もらうことが難 しい

・本 などで

ADHD

の知識を得て も,本当に子 どもの ことを理解 し,受 け入れ られ るようになるまでは時間がかか った

・薬の服用の ことや他機関 との連携が求め られ,仕事の負担が重 い

51

(6)

ころ,30件 の 内容 が抽 出 され た. これ らの 内容 を

衝動 的 な行動」, 「他 の子 との関係」,学習指導」,

反抗 的 な行動」,「家庭 との連携」 お よび 「その他」

6カテ ゴ リーに分類 した結果 を表 3に示 した.

担任教 師が困難 を感 じる点 と して最 も多 くあげた もの は,衝動 的 な行動 に関す る もので

8

件であ った.

具体 的 には 「嫌 な ことが あ ると教室 か ら飛 び出 して しま う」

,

周 りの状況 を考 えず,思 いっ きで行動 す る」,薬 (リタ リン) が切 れ ると,人 が変 わ ったよ うに行動 の制御 がで きな くな る」 な ど行動 の 自己 コ ン トロ‑ルが難 しく, それが教 師 の一般 的 な指導 や 注意等 で は抑制 で きない ことが あげ られ た.

次 いで,他 の子 との関係 と学習指導 につ いて, そ れぞれ

5

件 ずつ あげ られ た.他 の子 との関係 で は,

「競争 で の負 けを認 め られず,友達 との トラブルが たえない」,「す ぐにカチ ンときて, いっ も友達 と ト

ラブルを起 こす」 とい った ことが あげ られ た. さ ら に,周 りの子 ど もたち との トラブルが絶 えない結果 と して, 「他 の子 ど もた ちが そば に寄 らな くな る」

とい った悪循環 に陥 ることも指摘 されて いた.

学 習 指導 に関 して は, 「その子 へ の指導 が 中心 に な り,他 の子 ど もへ の指導 がで きな くな る」,教室 か ら不意 に出て い った ときは,授業 を中断 して追 い か けな けれ ばな らな」 な どとい うもので あ った.

これ らは

ADHD

児童生徒 に対 す る教科学 習 の指導 法 に,教 師が困難 を抱 えてい るとい うことで はな く, そ もそ も集 団で の一斉指導 を行 うことがで きな くな

5 2

ることに対 す る困難性 で あ った.

反抗 的 な行動 につ いて は

4

件 で, た とえば 「自分 がや りたい ことを抑 え られ ると大声 を上 げた り,バ カな どと暴言 を吐 く」 とい った ことだ けに とどま ら ず,子 ど もによ って は 「わ ざ と教 師 に反抗 し,怒 ら せ るよ うな挑発 的 な行動 を とる」 もの もい る ことが あげ られて いた. た とえ教 師が この よ うな子 ど もの 言動 を

ADHD

とい う障害 によ る ものだ と理解 して いた と して も,実 際 の場面 で このよ うな行動 を冷静 に受 け止 め,指導 を行 って い くことの難 しさが伺 え た.

また数 と して は

2

件 と少 なか ったが, 「保護者 の 理解が得 られず,学校 と家庭 での指導が一貫 しない」

な ど,家庭 との連携 の難 しさをあげた ものがあ った.

その他 と して は,様 々な問題行動 に振 り回 され, 指導 に自信 を失 いか けた」,子 ど もの問題行動 に巻

き込 まれ, つ い感情 的 にな って しま うことが あ る」,

「何 度注意 して も同 じことを くり返 す ので, ど う し た らよいかわか らな くな る」 とい った意見 がみ られ た. これ らは,教 師 自身 が 自己の教 師 と して の力量 や指導力 の限界 にぶつか り,場合 によ って は教 師 と しての 自信喪失 をまね きかね ない状況 を示 して い る と も思 わ れ た. さ らに, 「校 内 の先 生 方 に

ADHD

について正 しく理解 して もらうことが難 しい」 といっ た意見 もあ り,担任教 師が校 内で孤立 しかねない状 況 も存在 して いた. これ らの ことか ら

ADHD

児童 生徒 へ の支援 は もちろんの ことで はあ るが,一方 で

4 教師が必要としている支援 研修や指導法

・ADHD

の障害を理解するための研修

・色々なタイプの

ADHD

に対する指導実践例やその予後について知 りたい

・読み書 きの学習障害 もあるので,学習支援に関する情報がほしい

・最近の動向や取 り組み状況

・周 りの子どもたちに

,ADHD

の子どもについてどのように理解させればよいか 校内体制の充実

・担当者にまかせきりなところがあり,他の職員の協力を得たい場面があっても求 められない

・学校全体での理解や対応を望む

・ADHD

の子どもの状態に応 じた,柔軟な教育 システムがほしい 外部 との連携

・保護者への対応の仕方

・子どもの障害をきちんと捉えられていない保護者 との協力体制をどのようにして 行けばよいか

・病院の先生の話を伺いたいが,どのように連絡をとればよいか

・教育的な対応だけでは限界 もあるので,医学的な対応の仕方や情報がほしい

秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

(7)

ADHD

を担任す る教 師 に対 して も早急 な,かつ 積極的な支援 を必要 と している現状が明 らか とな っ た.

( 2 )

担任教師が必要 としている支援

ADHD

の児童生徒 を担任 して い る教 師 白身が現 在求 めている支援 に関 しては

,1 2

件 の内容が抽出さ れた. これ らの内容 を 「研修や指導法」

,

校 内体制 の充実」 および 「外部 との連携」 の

3

カテゴ リーに 分類 した結果 を表

4

に示 した.

担任教 師が求 めて い る支援 で最 も多 か ったの は 研 修 や指 導 法 に関 す る こ とで あ った. た とえ ば

「 ADHD

を理解す るための研修」 や 「色 々なタイプ

ADHD

に対す る指導実践例 やその予後 につ いて 知 りたい」 といったことがあげ られていた. したが っ て, ここで も

ADHD

の児童生徒 を実際 に担任 し, 指導 にあた って きている教師 自身 も, まだ障害 に対 す る理解が十分ではな く,具体的 にどのよ うに指導 していけばよいのか暗中模索 の状態 に置かれている ことが伺えた.

校 内体制 の充実 に関 して は,「担任 にまかせ きり なところがあり,他の職員の協力を得たい場面があっ て も求 め られな

」 など,学校全体での支援体制 を 求 める意見があげ られていた.

また,外部 との連携 については 「子 どもの障害 を きちん と捉え られていない保護者 との協力体制 をど のよ うに行 えばよいか」 とい った家庭 との連携 のあ り方や 「病院の先生 の話 を伺 いたいが, どのよ うに 連絡 を とればよいか」 といった医療機関 との連携 の あ り方があげ られていた.

考察

情緒障害学級 に在籍す る

ADHD

児童生徒 の行動 特徴 とその指導 にあた って きている教師の実態 につ いてみて きたが,実際の教育現場では多 くの困難や 課題 を抱えていることが明 らか とな った.以下 に今 回 のア ンケー ト結果 を もとに,

ADHD

に対 して現 在 の学校現場 に求 め られている課題 を中心 に検討 を 加 えてみたい.

1. 学校現場 における

ADHD

理解 の現状

今回の調査 の結果 か ら,学校現場 で は

ADHD

い う障害がまだ十分 に理解 されていない現状が明 ら か とな った.実際 に

ADHD

の児童生徒 を担任 して いる教師で も,

「 ADHD

を理解す るための研修」や

26 2004

指導実践例 やその予後 につ いて知 りたい」 とい う 意見や 「学校全体での理解や対応 を望 む」 といった 周 りの教師の理解が十分ではないことなどがあげ ら れていた. これ は,

ADHD

とい う障害が教育現場 で注 目されは じめたのが ここ数年前か らであ り (原,

1 9 9 9 )

, 多 くの教 師 に とりそ もそ も

ADHD

とはど のよ うな障害 なのかについての理解がないのが実状 といえる. したが って, まずはいかに して管理職 を は じめ現職 の教 師 に,

ADHD

につ いての理解 や啓 蒙 を図 ってい くかが大 きな課題 となる.

今回の調査 で明 らか にな ったよ うに,

ADHD

児童生徒 を担任す る教師が指導上困難 と感 じること と して最 も多 くあげて いたのは,

ADHD

児童生徒 の学習面 の遅れや問題ではな く,彼 らの衝動的な行 動 に関 してであ った.周囲の状況 を考えず に思 いっ さで行動 した り,教室か ら飛 び出 した りすれば,担 任 は授業 の中断を余儀 な くされ るだけでな く,子 ど もの安全 を確保す る上か らも他 の子 を教室 に残 して

At ) HD

の子 どもを追 いか けなければな らな くなる.

衝動性 の高 い

ADHD

の児童生徒で は,担任一人 で の対応 は極 めて困難 な現実があ り,決 して教師の指 導力の問題ではないことをまず管理職が しっか り認 識 し,加配の教諭等 を配置す るなど,人的補強を行 うことが求め られ る. また, ともすれば担任一人 に まかせ きりで,他の職員 の協力が得 られないとの意 見 に もあ ったよ うに, いかに して学校全体 と しての 共通理解 を図 り,支援や協力体制 を整えてい くかが 管理職 に求 め られている.

2 .

二次的障害‑の対応

ADHD

の支援 にあた って は,教 師や保護者 が, まず子 どもの示す困難性 は本人 の努力不足や怠 けの ためではな く, それは障害 に基づ くものであるとい うことを正 しく理解 し,意欲 の低下や 自信欠如, さ らに学校生活への不適応 といった二次的障害を防 ぐ ことが求 め られ る.教 師が,

ADHD

に関す る基礎 的な理解 を持 っていないと, ともすれば注意や叱 る ことばか りが多 くな って しま う.

ADHD

の子 ど も たちは叱責 ばか りされてい くうちに, 「自分 なんて だめなんだ」 とか,「自分 にはどうせで きない」 と い ったマイナス感情 を強 め, 「自分が価値 のある存 在である」 とか 「自分 自身 に対 して肯定的な感情 を 持 っ」 とい った 自尊感情

( S e l fe s t e e m)

の発達 を 阻害 されて しま うことになる.

53

(8)

一般 に

ADHD

3

分 の

2

程度 は成長 とともに多 動 もお さま り,適応 してい くとされているが,残 り

3

分 の 1で は年齢がすすむにつれ不適応や反抗挑 戦性障害,行為障害 などを引 き起 こすよ うになるこ とが指摘 されて い る (斉藤 ・原 田,

1 9 9 9;

原 田,

1 9 9 9 )

.反抗挑戦性障害 とは,教 師や親 に反抗 し, わざと怒 らせ るよ うに挑発 を くり返 した り,急 に怒 りだ して物 を投 げた り, けんか した りす ることであ る. さ らに子 どもによ って は反抗挑戦性障害か ら, 窃盗や恐喝,他人 の物 を壊すなど社会的規範 を侵害 す るよ うな ことを反復 させ る,行為障害へ と移行 し て い くもの もい るとされ る (杉 山,

2 0 0 0;

原 田,

2 0 0 2 )

. 田中

( 2 0 0 0 )

は,反抗挑戦性障害 や行為障 害 の原因 は子 どもの生物学的要因 と養育状況 などの 環境的な要因が, その時代 の文化的要因の影響で複 雑 に絡み合 いなが ら生 じるもの として理解すべ きで あると述べている.今回のア ンケー トで も 「わざと 教師に反抗 し,怒 らせ るよ うな挑発的な行動 をとる」

とか 「暴言 を吐 く」,物 を投 げた り壊 した りす る」

といった反抗的な言動があげ られていたが, これは まさ しく,反抗挑戦性障害 といえ る. したが って,

ADHD

の指導 や支援 にあた って は, いか に して 自 尊感情 の発達 を保障 し, さ らに反抗挑戦性障害や行 為障害 にいた らないよ うに してい くかを,長期的視 点 に立 って考慮 してい くことも極 めて重要 な課題で ある.

3 .

保護者 の障害受容への対応

ADHD

が精神遅滞 や 自閉症 な どの障害 と異 な る 点 に,診断 され る時期の問題があげ られ る.すなわ ち,精神遅滞や 自閉症 などの大半 は就学前 の幼児期 に診 断が な され るのに対 し,

ADHD

で は入学後 に 診 断 され ることが多 い.一般 に,

ADHD

で は個別 での対応がなされた り小集団のなかであれば,比較 的落 ち着 いてい られ ることが多 い.そのため家庭や 幼稚園,保育園 といった場で は,多動や衝動的な行 動が あ って も, 「元気 でやん ち ゃな子 ど も」 と して みなされ ることが多 い. しか し,小学校 に入学す る と事態 は一変す る.すなわち,幼稚園や保育園 と比 べ集団 は大 き くな り,加 えて一斉授業で長時間 じっ と座 っていることが求め られる. このようななかで,

ADHD

の子 ど もは 「嫌 な ことが あ ると教室 か ら飛

び出 して しま う」,「自分がや りたい ことを抑 え られ ると大声 をあげた り,バ カなどと暴言 を吐 く」,「す

54

ぐにカチ ンときて, いっ も友達 との トラブルを起 こ す」 といった,教師やクラスの子 どもたちが 「困 る」

言動を頻発 させ るようになる. このような状態になっ て,その子がただ単 に元気で,やんちゃな子ではな いと初 めて疑 いを持っよ うになるのは担任教師であ る. したが って担任や学校側 は,その ことを保護者 にどう伝え,理解 して もらうかが大 きな課題 となる.

保護者 に授業参観等 を通 して子 どもの実状をみて も らって も,容易 には理解が進 まない場合や逆 に担任 の指導力や学校側 の対応 に問題があるのではないか とい った感情的な

蝶 を引 き起 こす場合 もある. ま た,保護者が単 に元気でやんちゃな子ではない こと を 自覚 して医療機 関 を受診 し,

ADHD

との診 断を 受 けた として も, その障害 を受容す るまでには多 く の時間を要 した り心理的葛藤を抱えた りす ることに なる. た とえば,保護者がす ぐに障害を受 け入れ る ことがで きず, 自分 たちの朕や子育てに問題があ っ たので はないか と自責 の念 を強めた り, また,母親 が障害 として受 け入れて も父親が受 け入れ ることが で きないなどの夫婦間での葛藤 を引 き起 こした りも す る (中田

,2 0 0 2 ).

今回のア ンケー ト結果 のなか に もあ ったよ うに 「保護者が

ADHD

とい う障害 を 受 け入 れて いない ときの家庭 との連携 の難 しさ」,

保護者 の理解 が得 られず,学校 と家庭 での指導が 一貫 しない」 とい った意見 は,保護者 の障害受容 の 難 しさを反映 している.確かに教師にとり保護者 の 十分 な理解が得 られない ことは,指導や支援 をお こ な う上で困惑す ることも多 いであろ うが, しか し保 護者 の心情 を十分 くみ取 り,時間をか けなが ら協力 体制 を築 いてい くことがなによ り大切 と思われ る.

4 .

他機関 との連携

今回の調査では,医療機関をは じめ とす る他機関 との連携 に関す る意見 は思 いの ほか少 なか った.

ADHD

が他 の発達障害 と異 にす る点 と して は,薬 剤が障害の基本症状 に直接的効果 を もた らす ことが あげ られ る (

,2 0 0 3 ) .ADHD

に一般 に用 い られ ている薬剤 はメチル フェニデー ト (商品名,リタ リ

ン) とい う中枢神経刺激剤 で あ る. この薬剤 は,

ADHD

にみ られ る多動 や注意持続 時間,衝動性 と いった症状 を改善 し, その有効率 は

5 0‑95%

とされ ている (バ ーク レー

,2 0 0 0 ).

わが国 の医療機関 に おいて も, ここ数年

ADHD

が注 目され るにつれて, 精神科 だ けでな く,小児科 で も

ADHD

に対 して こ

秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

(9)

の薬剤 をよ く用 いるよ うにな って きている (加我 ・ 宮本,2

0 0 3 ) .

しか し, ここで留意 しな くてはな らない ことが

2

点 あげ られ る. まず,ADHDに極 めて有効 とされ

るメチル フェニデー トであるが, この薬剤 の特徴 と して即効性 も高 いが,効果 が持続す る時間 は

3‑4

時間 と短 い点があげ られ る. したが って,朝 に

1

服用す るとお昼頃には薬剤の血中濃度が下が り,再 び多動や注意欠陥,衝動性 の症状が出現す る.つ ま り, この薬剤 は決 して

ADHDその ものを治す薬で

はないことをまず理解 しておかなければな らない.

2

点 目は,今回の調査結果 のなか に もあ ったよ う

ADHD

として教育を受 けているもののなかには, 高機能広汎性発達障害が疑 われ る子 どももいた こと

と関連す る.高機能広汎性発達障害の子 どものなか には,

ADHD

と同様 に不注意 や多動,衝動性 の高 い ものがいるため, その行動特徴 のみに着 目す ると 鑑別診断を誤 って しまうことがある (平林 。笛木 ・ 小林,2

0 0 0 ).加 えて, これ らの子 ど もに もメチル

フェニデー トが奏効す るケースがあるため, ます ま す鑑別診断を誤 らせて しまう危険性を高 くしている.

臨床的 には,一部 に

ADHD

と高機能広汎性発達障 害 を合併 す るケース も存在 す るとの意見 もあ るが (平林,2

0 01;

栗 田,2

0 0 2 )

,基本的に両者 は別 々の 障害であ り,何 よ りも彼 らの教育 をお こな ってい く 上では,その指導や支援のあ りかたが大 きく異 なる.

指導方針 を誤れば,子 どもたちが適切 な支援や対応 を受 けることがで きないだけでな く,成人後の社会 生活 に大 きな支障を きた しかねないことに留意 しな ければな らない. したが って,ADHDとされた子 どもで も,指導 してい くなかで高機能広汎性発達障 害が疑われ る際には,軽度発達障害を鑑別診断で き る専門医療機関への再受診 も考慮 し,密接 な連携 を 図 ってい くべ きと思われた.

加我牧子 ・宮本信也

( 2 0 0 3 )

:注意欠陥/多動性 障

( ADHD)

me t hyl phe ni dat e .

脳 と発達.3

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( 2 0 0 3 ):今後 の特別支援教育 の在 り方 につ いて

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中田洋二郎

( 2 0 02 ):子 ど もの障害 を ど う受容 す る

か.大月書店.

21

世紀の特殊教育 の在 り方 に関す る調査研究協力者 会議

( 2 0 0

1):

21

世紀 の特殊教育 の在 り方 につ い て‑一人一人のニーズに応 じた特別 な支援 の在 り 方 について (最終報告).文部科学省.

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2 9

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ADHD

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LD

(学習障害) 一研究 と実践.1

0 ( 2 ) ,1 0 8‑ 1 1 6. ,

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( 2 0 0 0 ):ADHD

(注意欠陥多動性障害)

の概念.精神療法.2

6 ( 3) ,2 2 7 ‑ 2 37.

Summar y

Thepr e s e ntpape ri sar e por toft hes ur ve yr e ‑ s e ar c ht hatwasc ar r i e doutt oi nve s t i gat ehow t e ac he r s woul d be s uppor t i ng s t ude nt s wi t h At L e nt i on‑ De f i c i t Hype r ac t i vi t y Di s or de r ( ADHD) .Theque s t i onnai r ei nqui r i ngbe havi or al f e at ur e sofADHD anddi f f i c ul t yi ns uppor t i ng wass e ntf ort het e ac he r swhot akec har geof

55

(10)

pupi l swi t hADHD.Ther e s ul t si ndi c at e dt hatt he pr obl e ms t hatt e ac he r s e xpe r i e nc e d mos tf r e ‑ que nt l yt husr e qui r i ngur ge nc yi nv ol v e dav a r i ‑ e t y ofr e pul s i v e be hav i or s t he s t ude nt s wi t h ADHD.Bywayofi l l us t r at i on,i twasr e por t e d t hatt he r ewe r es t ude nt swhowoul dof t e nr un awayf r om t hec l as s r oo m,be hav e di mpul s i v e l y

,

ands of or t h.The r ewe r eal s ot hos es t ude nt swho we r er e por t e dl ynotabl et oge tal ongwi t hpe e r s

,

whoe ve ndi s pl aye dr e be l l i ousbe hav i or st owar d t e ac he r s .Te ac he r si nc har geofas pe c i alc l as sf or s uc hs t ude nt swi s he dt ot akepar ti ni n‑ s e r vi c e t r ai ni ngc our s e s .The yal s or e que s t e dt hatane t ‑ wor k s ys t e m bee s t abl i s he d be t we e n t e ac he r s

,

par e nt s ,andme di c ali ns t i t ut i ons .Thepape rc on‑

c l ude swi t hapr opos alt hatac ompr e he ns i v es ys ‑ t e m be e s t abl i s he d

,

whe r e by al lt he par t i e s c o nc e r ne dwoul dbe c o meabl et oc oope r at ewi t h e ac hot he r.

Ke yWor ds: ADHD,Sc hoo l ,Te ac he r,Suppor t ( Re c e i v e dJanuar y2 3,2 0 0 4 )

56 秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要

参照

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