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Academic year: 2021

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日腎会誌 2011;53(5):667−671.

巻 頭 言

金沢医科大学医学部腎臓内科学  横山 仁 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態病理学  田口 尚

特集:膜性腎症

 膜性腎症は,腎糸球体係蹄基底膜上皮下の免疫複合体沈着と補体の活性化により惹起される疾患であ り,これまで多くは特発性(一次性)として考えられてきた。一方,膠原病,悪性腫瘍,薬物,感染症な どに伴う二次性膜性腎症も臨床病理学的に重要である。本企画でも取り上げられている糸球体係蹄上皮 細胞に存在する内因性抗原の重要性が,最近の研究で明らかとなってきた。特に,新生児膜性腎症にお ける中性エンドペプチダーゼあるいは成人特発性膜性腎症の約 70∼80 %に抗体が陽性と報告された膜 型ホスホリパーゼ A2受容体(M-type phospholipase A2 receptor:PLA2R)が注目されている。このような膜

性腎症を免疫学的な側面より,抗体 IgG サブクラスとその背景にある細胞性免疫,特に T リンパ球異常 について昭和大学黒木亜紀先生に考察いただいた。さらに実験腎炎からみたヒト膜性腎症について,北 里大学鎌田貢壽先生に動物実験モデル(Heymann 腎炎)から得られているこれまでの知見と対比して解 説いただいた。また,横山がわが国における疫学として日本腎臓学会が推進している腎臓病総合レジス トリーのまとめを中心に,高齢化しつつある現状を報告するとともに,世界各国特にアジアからの報告 と比較し,わが国における膜性腎症の臨床的な特徴を示した。さらに,病理学的立場から膜性腎症のさ まざまな病理像を,光顕と電顕とを対比し,特に高電子密度沈着物(免疫複合体)の経時的変化,各種疾 患に合併した際の病理像,そして予後因子としての病理の重要性を長崎大学田口 尚先生に解説いただ いた。さらに特発性膜性腎症をめぐる話題 up to date として,抗 M 型 PLA2R 抗体を中心に名古屋大学 今井圓裕先生に最新の知見を報告いただいた。この抗 M 型 PLA2R 抗体については,免疫学的側面,実 験腎炎,さらに二次性疾患の立場からそれぞれの本特集論文のなかでも取り上げられており,この発見 のインパクトの強さを反映している。重複する部分もあるが,それぞれの立場からの解説を尊重して原 文の通り掲載させていただいた。二次性の基礎疾患は多岐にわたるが,その特徴を愛知医科大学木村行 宏先生,今井裕一先生に解説いただくとともに,二次性膜性腎症のなかで最も多く,臨床的にも重要な ループス腎炎(V 型)について自治医科大学湯村和子先生にまとめていただいた。厚生労働省進行性腎障 害調査研究班難治性ネフローゼ症候群分科会で本症の「診療指針」を担当された福岡大学斉藤喬雄先生に 治療と予後に関して解説いただいた。  最後に,本企画が会員の方々にとってわが国における「膜性腎症」の理解の一助となり,日々の診療・ 研究・教育に活用いただければ幸いである。  利益相反自己申告:申告すべきものなし

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