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1.免疫グロブリンの起源と進化*

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Academic year: 2022

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(1)Vol. 22. No. 1. 1978 (9). 〔教 育 講 演 〕 免 疫 グ ロ ブ リン の 構 造 と 機 能. 1.免. 疫 グ ロ ブ リ ン の 起 源 と進 化*. 右. 田. 免 疫 グ ロ ブ リンの 起 源 が系 統 発 生 上 ど こか ら始 ま る か に つ い て は,古. くか ら議 論 が あ るが 明確 で は な い.カ. 俊. 介**. の 類 似 性」 とい う論文 を 発 表 した.彼 は 円 口類 の化 石 に. ブ. 別 の 円 口類 の 寄生 を見 た.円. 口類 は不 完全 な が ら始 め て. トガ ニ1)や カ タ ツ ム リ,2)エビ3)な どの体 液 中 に は 自然 の. 免 疫 を 身 に つ け て い る.そ れ は 寄 生 に 対 して 宿 主 が抗 体. ま ま で も異 種 赤 血 球凝 集 素,ま た は溶 血 素 が あ り,エ ビの. を 作 っ て 排 除 し,寄 生 体 は 組 織 適 合 抗 原 を 変 化 して 排除. 凝 集 素 は クジ ラの 赤 血 球 に特 異 性 が あ る.あ る ケ ムシ の. され な い よ うに,相 互 に競 い 合 う.そ れ が 免 疫 の発 生 の. 体 液 は ヒ トのO型 だけ を凝 集 す る.し か し抗 原 注射 に よ. 原 動 力 とな っ た の で は な い か と推 論 した.. る増 強 は な い.特 異性 だけ で あれ ば 植 物 由来 の ヒ ト血 球 I.B細. 凝 集 素 もあ るの で 抗 体 とは い え な い.カ メ ム シ4)や ヒ ト デ5)に 緑 膿 菌 や ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ を注 射 した実 験 で は, 注 射 後4か. 胞 の2段 階 分 化. 次 に 免 疫 の 本 質 を,分. 化 した 哺 乳 動 物 の 個 体 発 生 か. ら,逆 行 して 系 統 発 生 を た ど る こ とに す る.B細. ら6日 目に 凝 集 素や 特 異反 応 物 質 が 見 つ か っ. て,抗 原 に よ る導 入 と特 異 性 の2つ の条 件 に は 合 うが,. 化 は,幹 細 胞 よ り始 ま るが,第1段. 2回 目注 射 に よ る抗体 産 生 の促 進,よ. ロ ー ン の 分 化 で あ っ て,細. り明確 な特 異 性 の. 胞 の分. 階 は 抗 原 な しで の ク. 胞 膜 にIgMレ. セ プ ター を持. 獲 得 に は 欠 け,酸 また は、 ア ル カ リの条 件下 で も結 合 す る,. った リンパ 球 が 最 初 に あ らわ れ,次. 分 子量 が相 違 す る な ど,抗 体 の祖 先 と し て考 え て よい か. 方 持 っ たBリ. に つ い て は 疑 問 が あ る.1次. っ た リンパ 球 に 分 化 す る.こ の 段 階 は 各種 の ク ロー ンの. 構 造 の解 明 に よっ て将 来解. ンパ 球,次. にIgMとIgDを. い でIgGやIgAを. 両. 細胞 膜 に持. 決 され るか も しれ な い が,量 的 に 少 な い の で こ こで 止 っ. 準 備 で あ る.第2段. て い る.し か し,系 統 発 生 的 に は 明確 な境 界 を もっ た起. す る ク ロー ンの形 質 細胞 へ の 分 化,抗 体 の放 出,記 憶 細. 源 は あ りえず,む しろ徐 々 に登 場 して くる と考 え て よい.. 胞 の成 立 が お こる.こ の 哺 乳動 物 の 第2段 階 の過 程 は膜 にIgMを. 哺 乳 動 物 の 完成 した 免疫 の特 徴 と考 え られ る こ とは,. 階 は こ こに 抗 原 が 侵 入 す る と,対 応. もつ ク ロー ンで は,抗 原 の み に よっ て分 化 をお. 抗 原 に よ る導 入,生 体 に よ る抗 原 の 自己,非 自己 の認 識,. こす,系 統 発 生 で は ヒ トデ の場 合 に相 当 す る か も しれ な. 出来 る 抗体 の 特 異 性,免 疫 的 記 憶 の成 立,あ. い.膜 にIgMとIgDを. る い は 免疫. と もに,Tリ. 的 寛 容 の成 立 の5つ の条 件 が あ る.そ れ に 合 っ た免 疫 の 発 生 は原 索 動 物(ホ ヤ)か に あ らわ れ る.最. Sと14Sが 変 る.ヒ. 疫 に な る.こ れ は 無菌 飼 育 マ ウス と ヌー ドマ ウス で は共. ツメ ウ ナ ギ には 胸 腺 の原 基 が 認. に 血 清 中 にIgMの. とL鎖 よ り成 るIgの 単 量 体 と重 合 体,6.6 血 清 に あ り2MEの. ツジ 赤 血 球 やT2フ. ンパ球 以後 は,抗 原 と. こ る.そ の 結果 ア フ ィニ テ ィの 強 い記 憶 を と もな っ た免. ら脊 椎 動 物 に進 化 す る と と も. も原始 的 な脊 椎 動 物 で あ る無 顎 綱,円. 口類 の メ ク ラ ウナ ギ,ヤ め られ,H鎖. 持 つBリ. ンパ 球 の 関 与 が あ っ て 始 め て 第2段 階 が お. み 高 値 で,IgG,IgAは. 著 し く低 値. で あ る9)こ とか ら も判 明 した.. 還 元 で,単 量 体 の み に II.免 疫 の 遺 伝 と 抗 原 の 認 識 ァー ジ の免 疫 に よ り,こ こ. に抗 体 活 性 が認 め られ る.6)しか し抗 原 に対 す る結 合 力 は. さ らに 哺 乳 動 物 の 発 達 した 免 疫 は遺 伝 に 多 く支 配 され. 弱 く,ヤ ツ メ ウナ ギ に ヘ モ シ ア ニ ン,ヒ ツ ジ赤 血 球 な ど. てい る こ とが 明 らか に な り,組 織 適 合 抗 原遺 伝 子 に連 鎖. 注 射 して も抗 体 産 生 は 見 られず,7)抗体 産 生 の レパ ー トリ ーは狭い.. したIr遺 伝 子(immune. Burnet8)は1970年 *Origin. and. evolution. of immunoglobulin. 遺 伝 子 の産 物 のIa(I. region associated antigen)は. .. 電 気 泳 動 学 会 総 会(山. 支 配 を 受け. て い る.組 織 適 合 抗 原 遺 伝 子 の産 物 の組 織 適 合 抗 原 とIr. に 「免疫 グ ロブ リン と組 織 適 合 抗 原. 昭 和52年10月28日,第28回 **Shunsuke Migita ,金. response gene)の. 口市 市 民 会 館)に. 沢 大 学 が ん 研 究 所 分 子 免 疫 学. ‑9‑. お け る 教 育 講 演.. 共.

(2) (10)生. 物物理化学. に 細胞 膜 に並 ん で 分布 す るが,Ir遺. 伝 子 に は い くつ か の. 異 な る.従 っ て以 前 に は 自己 と非 自己 を 認 識 し て,こ れ. 亜 領 域 が あ っ て,そ れ ぞ れ は1細 胞 上 に 相 異 な っ たIa. に対 す る抗 体 を作 る とい わ れ た こ とが,3種. の セ ッ トとな っ て 表 現 され る(Fig.1).Iaは. る分 担 作 業 に 分 割 され,抗 原 が ハ プ テ ン担 体 で あれ ば,. 食 細胞 に も. の細 胞 に よ. Tリ ンパ 球 に も向 様 に 発 現 して い る が,正 常 で は これ ら. マ ク ロフ ァー ジに 処 理 され た 担 体 がT細. の セ ッ トは 相 同 で あ る た め に,相 互 作 用 は お こ らな い.. て,ハ プ テ ンに 対 す る抗 体 産 生 がB細 胞 で お こ る とい う. 胞 に 認 識 され. しか し食 細 胞 が 抗 原 を 摂 取 す る と,抗 原 は リソ ゾー ム酵. 分 業 に な る.そ の1つ1つ. 素 で 処 理 され るが,糖 や 脂 肪 の 分解 酵 素 に くらべ て,蛋. 免 疫 グ ロブ リン産 生 が 制 御 され て い る こ とに な る.こ れ. の ス テ ップ の制 御 に よ っ て,. 白分 解 酵 素 は 少 な い の で,抗 原 が蛋 白 で あ れ ば未 分 解 物. らを ま と めた のがFig.2で. が 残 る.こ れ はIaに. 胞 か らあ るが,節 足,棘 皮 動 物 な ど に血 清 抗 体,細 胞 性. 球 は 自己 のIaの. 結 合 して細 胞 膜 に並 ぶ.Tリ. ンパ. セ ッ トを 介 して,食 細 胞 のIaを 点 検 す. る時 に,自 己 と相 異 す るIaが あ れ ば,自 己 のIaセ. あ っ て,食 細 胞 の機 能 は 単 細. 抗 体 の祖 先 が あ らわ れ るが,そ. の時 に は 細 胞 間 協 同 作業. ット. な どは ない ので,単 独 の不 完 全 な 免 疫 で あ る.円 口類 以. に どれ か,こ れ と結 合 す る ク ロー ン が あ っ て 引 き金 に な. 後 急 速 に発 達 して,多 岐 に 分 化 した 哺 乳 類 の免 疫 機構 が. る.結 合 の特 異 性 は そ れ 程 強 くな くて もよ い.そ の 結果. 完 成 され る.. リンホ カ イ ンの1種,T細. 胞 因 子 を分 泌 す る(Fig.1).. これ が 抗 原 の認 識 で あ っ て,自 己 と非 自己 の認 識 は,自 己 蛋 白 の修 飾 され たIaに. 対 して は,サ. プ レ ッサ ーT細. III.免 疫 グ ロ ブ リ ン の 進 化. 次 に 免疫 系 の進 化 に 伴 っ て免 疫 グ ロ ブ リンの構 造上,. 胞 が 分 担 し,非 自己 に対 して は ヘ ル パ ーT細 胞 が担 当 す. ど の よ うな 進 化 が お こっ た か に っ い て は,板 鮒 類 で構 造. る よ うに 分 業 が 成 立 して い る と考 え られ る.一 方B細 胞. 上 哺 乳 動 物 のIgMと. が 先 の 第2段 階 の 分 化 を お こす た め に は,対 応 す る抗 原. IgMが. が 細 胞 膜 の レセ プ ター に 結 合 し,同 時 に ヘ ル パ ーT細 胞. は再 びIgMか. か らのT細 胞 因 子 が 働 くとい う2つ リ ヒ ッ トが 必 要 で あ. で つけ 加 わ る.つ け 加 わ る とい うのは,免 疫 グ ロ ブ リン. り,そ の 結果 作 られ る抗 体 はB細 胞 に結 合 した 抗 原 に対. の不 変 部(C領. す る抗 体 で あ っ て,T細. に よ り長 さを 増 して,そ. 胞 に よ っ て認 識 され た抗 原 と は. 比 較 して,類. あ るが,IgM以. 後IgGが. 似 性 を 確 か め られ た 両 棲類 で 加わ り,IgA. ら分 岐 して 鳥 類 で 加 わ り,IgEは. 域)の 不 平 等 交 差(tandem. 哺乳類. duplication). の部 分 が 新 しい ク ラス に対 応 す. る こ とで あ る.そ れ は 免 疫 グ ロ ブ リソ のL鎖,H鎖 変 部 は1次 構 造 上 類 似 性 が 多 く,1つ. の不. の先 祖 の遺 伝 子 か. ら分 化 し て由 来 して い る とみ な され る.分 化 は 免 疫 グ ロ ブ リン の ク ラス,タ ラス,サ. イ プ の数 だ け に と ど ま らず,サ. ブ タ イ プが さ らに 分 化 して 発 生 して い る.そ れ. と平 行 して 免 疫 グ ロ ブ リン可 変 部(V領 み,1次. 1. Three cell cooperation for antibody formation. 1) Antigen processing by macrophage and B cell. 2) Not-self recognition and release of T-factor by T cell. 3) Two hits on B cell and release of antibody.. ブク. 域)の 分 化 も進. 構 造 の 分 析 か ら逆 に推 測 して,VH,Vk,Vλ. Fig.. Fig.. ‑10‑. 2. Phylogenic evolution of immune system represent immunological characteristics.. の.

(3) Vol. 22. No. 1. 1978. (11). 3種 の可 変 部 の グル ー プが サ ブ グル ー プに な り,さ らに. 数 少 な いC遺 伝 子 の接 合 に は好 都 合 で あ っ て,実 際 にV. 総 数104〜5を 数 え る個 々 の抗 原 に 対 応 す る遺 伝 子 に ま で. 遺 伝 子 とC遺 伝 子 は 胎仔 と して 別 々の と ころ に あ る も の. 分 化 す る(Fig.3).従 はFig.3に. っ てFig.2のBな 細 胞 の分 化 の 内容. が,個 体 発 育 の過 程 で接 合 して1つ に な る と,骨 髄 腫 の mRNAを. あ らわ され てい る.. 用 い た ハ イ ブ リッ ド形 成 に よっ て 確 か め られ. て い る.12)特 定 の抗 原 に対 して,ク. そ れ に 加 え てβ2‑ミク ログ ロブ リン の構 造 がCγ1のCH3. ラス また はサ ブ クラ. の1次 構 造 に類 似 して,免 疫 グ ロブ リン と共 通 の先 祖 の. ス の限 定 され た 抗 体 産生 が お こ る こ とは,V領. 遺 伝 子 か ら由 来 した と考 え られ,T細. 域 の 接 合 にそ れ ぞ れ のpalihdromが. 胞 レセ プ ター蛋 白. のL鎖 の 不 変部 を β2‑ミク ログ ロブ リ ンが 占 め る こ とが 明 らか に な り,10)ま たT細 胞 の レセ プ タ ー に 免疫 グ ロ ブ リ ンのV領 域 め抗 原 性,イ は,か. つ てIgTと. デ ィオ タ イ プが 存 在 す る こ と. 呼 ば れ たT細 胞 上 のIaの 蛋 白 の構 造. も免 疫 グ ロブ リ ンに 類 似 してい て,T細. 胞Iaの. 可変部. 域 とC領. あ っ て対 応 して い る. た め と考 え られ る. IV.免. 疫 グ ロブ リン の 正 常 値 と疾 患 時 変 動. 免 疫 グ ロ ブ リンの起 源 と進 化 に つ い て の基 礎 に 立 っ て,ヒ. トの 免疫 グ ロ グ リンの ク ラス 別 の 濃 度 とそ の疾 患. は 免 疫 グ ロブ リ ンのV領 域 遺 伝 子 か ら発 してい る と も推. 時 の 変 動 を 問題 に す る と,従 来 測 定 して もそ の解 釈 が 困. 測 され る.Burnetの. 難 で あ っ た 点 に 多 少 の 意 味 づ け が 可 能 に な り,診 断 や予. 先 の洞 察 に沿 っ た 方 向に 将 来 解 明. され るか も しれ ない.. 後 の判 定 に 役 立 つ か も しれ な い.. 次 に数 万 か ら数 十 万 とい う可 変 部 の分 化 が,ど. うお こ. 先 ず 正 常 値 の年 齢 別,性 別 の値 に つ い ては,私 共 の 測. っ て 不 変 部 に 結 合 す るか は,他 の蛋 白 に は な い 免 疫 グ ロ ブ リ ン独 特 の分 化 で あ るが,そ. れ に 関 して 従 来germ. line説 と体 細胞 突 然 変 異説 の2説 が あ った.最 近 は ウイ ル スや プ ラス ミ ドの遺 伝 子 挿 入 と類 似 に,V領. 域 の なか. の超 可 変 部 位 に あ た る部 分 が,環 状 の プ ラ ス ミ ドと して 多 数 準 備 され て い て(germ 殊 な配 列,palindromを. line説),そ. れ がDNAの. 特. 介 して 挿 入 さ れ る(突 然 変 異 説). とい う,両 説 を合 わ せ た 仮 説 が 提 唱 され てい る.11)こ れ は ウ イ ル ス で見 られ た現 象 が 哺 乳 動 物 に も適 合 で き るか とい う問 題 も含 ん で,注 目 され て い る.Palindromと うのは,2重. 鎖DNAの. 5'GAC 塩基配列が 3'CTG. よ うに 交 差 対 称 に な っ た と こ ろ で,ヘ. GTC3' CAG5'. い の. ア ピン構 造 に な. り,切 断 され や す く,環 状 配 列 とな っ て,別. の と こ ろに. 移 動 して,挿 入 され や す い13).従 っ て 数 多 いV遺 伝 子 と. Fig.. 4. Immunoglobulin human. Fig.. Mean and age and sex.. 3. Dif f erenciation of immunoglobulin gene by gene duplication according to phylogenic. process. concentration. in normal. sera. standard deviation, its changes by male; closed circle, female; open. circle, vertical axis; percentage to the standard lyophilized serum, horizontal axis; ages.. of B cell. ‑11‑.

(4) (12)生. 物 物理 化 学. 定 した170例. に つ い て,正 常 プー ル血 清 を100と. で あ らわ す と,Fig.4の. ブ リンの 測 定 は1回 だ け の 測 定 で は,余 程 著 しい変 動 が. して%. よ うに な る.個 体 発 生 は系 統 発. あ るか,単. ク ロー ン成 分 の 出 現 を 見 る以 外 は あ ま り意 義. 生 を 繰 返 す ので,幼 年 期 に 増 加 して くる 免疫 グ ロ ブ リン. が ない 々 しか し経 過 を 追 っ て2回 以 上 測 定 す れ ば,個 体. の順 序 はIgM,IgG,IgAで. 差 の要 因 は 除 外 で き る ので,意 味 の あ る も のに な る.免. あ っ たが,60歳. 期 に はIgM,IgG,IgAの. 以上 の老 年. 順 に 低 下 が み られ た.IgDは. 疫 グ ロブ リン の半 減 期 はIgGが長. 近 い パ タ ー ンで あ っ て,発. IgGの. 中間 に 入 る順 序 に 一 致 した.た だ 正 常 値 とい っ て. 白 血病,皮 膚 科,泌 尿 器 科疾 患 を含 め て,経 過 を追 っ て. も個 人 差 が 大 き く,個 人 の遺 伝 的,環 境 的 背 景 に よ っ て. 2回 以 上 測定 して,比 較 的 変動 の あ っ た場 合 で,感 染 な. 変 り,60歳 以 上 でIgM,IgDの. 生 の段 階 で もIgMと. い の で,経 過 は1か 月. IgMに. 増 加 は,あ. 以上 とっ た方 が よい.私 共 の と ころ で,各 種 の癌 患 者,. るい は 両 免 疫. どの 合併 が 少 な く,そ の 後 の 経過 が 明 確 に 追 跡 で きた 例. グ ロブ リン の低 い 人 は60以 前 に 死 亡 す る とい う選 別 の影. に つ い て の 集積 した デ ー タをTable. 響 も加 わ っ て い るか も しれ ない.性 別 は 更 年 期 以 前 の女. は 正 常 プー ル 血 清 を100に. 性 にIgMが. つ い て,2回. 高 値 を 示 した.IgMとIgGは. 補体結合性免. 疫 グ ロ ブ リンで,生 体 防衛 上 意 義 が あ る.IgMは. 原始 的. な免 疫 グ ロ ブ リ ンで,細 胞 性 免 疫 に 近 い 起 源 を もつ こ と は,IgMの. 高 値 は免 疫 的 年 齢 評 価 か らは 若 年 型 の免 疫 能. し,good/badは. 例 数 を そ の ま ま記 した.こ. こで い え る. のは1)IgM側. の増 加aは. の増 加hは. よ くな い.2)免. 疫 グ ロ ブ リソの 変動 に 発 生 学 的 な調 和. 力 を持 ち,細 胞 性 免疫 の機 能 も保 存 され た 状 態 で あ る と 考 え られ る.一 方IgAは. f,老. て サ プ レ ッサ ーT細 胞 の機 能 が低 下 し,ヘ ルパ ーT細 胞. よ いが,IgA側. よい が,調 和 の見 られ な い場 合. 齢 化 の調 和 が 見 られ る場 合iで. 4)薬. 加 した ク ラス で あ る が,IgAの. Steroid使 用 に よ り幼 若T細 胞(サ. る と き発 揮 され,血. 清 中 のIgAの. 機 能 は,判. 明 しな い. る.一. れ な い.. T)が. わ る い.. 剤 を使 用 した時 に は 特 異 的 な パ ター ン と な る.. 害 され,ヘ. こ とは,増 加 して もそ れ 程 防 衛 に有 効 で あ る とは考 え ら. 疾 患 時 の免 疫 グ ロ ブ リン の変動 は,以 上 の 正 常 値 の背. は よ くな い.3). し 免疫 グ ロ ブ リン全 体 が 低 下 す る場 合giは. との バ ラン ス が くず れ て,ヘ ルパ ー機 能 の充 進 に よ り増 機能は分泌液に分泌 され. こで. 目か ら最初 の 値 を 引 い た 差 を そ の ま ま表 示. が 見 られ る場 合a,dは. 老 齢 型 の免 疫 能 で,加 齢 に よっ. 1に 示 した.こ. した 時 の,患 者 の 測 定 結果 に. ル パ ーTの. 優 勢 に よ り,cの. 方cyclophoshamideで 傷 害 され,IgAの. トマ シ ンCと5FUで. プ レ ッサ ーT)が. 傷. パ ター ン とな. は 成 熟T細 胞(ヘ ル パ ー. 低 下 した パ タ ー ン とな る.マ イ は む し ろ一 部 のB細 胞 が 傷 害 を 受. 景 の上 に,疾 患 時 の変 動 が 追 加 され るが,正 常 値 の変 動. け る よ うで,正. の幅 が 大 きい と こ ろか ら,そ の人 が病 気 に な る前 の測 定. が,こ. 値 が ない と,ど こ まで が 遺 伝,年 齢,環 境 に よ る影 響 で. び つ か な い.こ の判 定 基 準 もな お再 検 を要 す るが,免 疫. あ っ た の か を分 離 す る こ とが で きな い,そ れ で 免 疫 グ ロ. グ ロ ブ リンは 単 に 増 加 す れ ば よい とい うので は な く,産. Table. 1. Change of 3 immunoglobulin Classification and evaluation. 常 の 調 和 とは ち が った 変 動 が み られ る. こに のべ た パ タ ー ンに と どま る時 は,悪 化 に は 結. classes that were sequentially measured in each patients. for prognosis were made by these results.. ‑12‑.

(5) Vol. 22. No. 1. 1978 生 の 基 盤 に 立 つ 分 析 が 望 ま れ る.. 文. (13). 6) Marchalonis, J. J. and Edelman, G. M.: J. Exp. Med., 127: 891, 1968. 7) Papermaster, B. W. et al.: J. Exp. Med., 119: 105, 1964. 8) Burnet, F. M.: Nature, 226: 123, 1970. 9) Natsuume-Sakai, S. et al.: Immunol., 32: 861, 1977. 10) Bach, M. L. et al.: Science, 182: 1350, 1973. 11) Wuilmart, C. et al.: Proc. Nat. Acad. Sci., 74: 2526, 1977. 12) Tonegawa, S. et al.: Cold Spr. Harbor Symp. XLI, 877, 1976.. 献. 1) Marchalonis, J. J. and Edelman, G. M.: J. Mot. Biol., 32: 453, 1968. 2) Hammarstrom, S. and Kabat, E. A.: Biochem., 8: 2696, 1969. 3) Cushing, J. E. et al.: Biol. Bull., 125: 69, 1963. 4) Gingrich, R. E.: J. Insect Physiol. 10: 179, 1964. 5) Leclerc, M.: Ann. Immunol., 124 C: 363, 1973.. 13). ‑13‑. 右 田 俊 介:日. 本 臨 躰35:1611,1977.

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