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2.免 疫 電 気 泳 動 法 に よ る新 しい分 析 法*

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Academic year: 2022

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(1)Vol. 15.No. 1.1970. (65). 〔シ ンポ ジ ウム:電 気 泳 動 法 の 医 学 ・生 物 学 へ の応 用〕. 2.免. 疫 電 気 泳 動 法 に よ る新 しい分 析 法* 右. 田. 免 疫 電 気 泳 動 はGrabarとWilliamsに. 俊. 介**. よ って,1953年. に発 表1)さ れ て 以 来,電 気 泳 動 に免 疫. 拡 散 法 を 組合 せ た す ぐれ た方 法 と して,血 清 蛋 白 そ の他 の分 析 に広 汎 に用 い ら れて きて い る.私 共 も ヒ トお よ び 動 物 の血 清 の分 析 に今 迄12年. 間,免 疫 電 気 泳 動 を 使 用 し て き た が,そ れ に伴 っ. て い くっ か の 欠 点 が 次 第 に 目に つ い て き た. 1). 定 量 性 を 欠 くこ と.. 2). い くつ もの 沈 降線 が あ らわ れ る 時 に,同 定 が 困難 で あ る こ と.. 3). 少 量 のM成 分 を 証 明 す るの に 感度 が 低 い こ と.. 4). あ らわ れ た 結 果 を 表 現 す るの に 困難 が あ る こ と.. な どが そ の 主 な もの で あ る.私 共 は これ に対 応 す る解 決 法 と して 夫 々 1). 定 量 免 疫 電 気 泳 動 の 考 案.. 2). 特 異 抗 血 清 を 少 量 用 い る新 同 定 法 の 採用.. 3). 長 距離 免 疫 電 気 泳 動 と抗 部 分 蛋 白血 清 に よ る同 定 と感 度 の 改 善.. 4). プ ロ グ ラム と コ ン ピュ ー ター に よ る新判 定 法 の 導入.. とい う対 策 に よ って,欠 点 を 補 い,新. しい 局 面 を 開 い て い る.こ こ に概 略 を の べ る.. I.定 1.従. 量免疫電気泳動法. 来 の 免 疫 電 気 泳 動 に よ る定 量 性 の 検 討. ヒ ト血 清 の 免 疫 電 気 泳 動 に お い て,定 量 を行 な う試 み は 既 に い くつ か あ った が2,3,4),広 く行 な わ れ て い な い の は検 討 が まだ 不 十 分 で あ るた め と思 わ れ る.最 近 で は標 準 血 清 と し て17種 の血 清 蛋 白成 分 の 濃 度 が 既 知 の 標 品***が,容. 易 に 利用 出 来 るの で,免 疫 電 気 泳 動 図 と 試 料 濃度 の 関. 係 が 明 らか に な る と,対 照 に この 標 準血 清 を用 い て定 量 す る こ とが 可 能 に な る 筈 で あ る.免 疫 電 気 泳 動 図 にお い て,試 料 の 量 的 変 動 を あ らわ す に は ど こを 測 定 す れ ば よい か を 検 討 した.正 ト血 清 の 階 段 稀 釈 した 系 列 各 々0.0025ml,あ. る い は標 準 血 清 の 稀 釈 系 列各 々0.005mlに. 従 来 の 方 法5,6)に 従 って 電 気 泳 動 し,一 定 量0.15mlの. 常ヒ. つ い て,. 山羊 抗 ヒ ト血 清 を用 い た 免 疫 電 気 泳動 図. (Fig.1)を5倍 に引 伸 した 写 真 につ い て,次 の 諸 点 を 測 した. a.沈 降 線 の 位 置 を あ らわ す β/α(但 し泳 動 の 中 心 線 よ り,抗 血 清 を 満 す 溝 まで の 距離 を α,沈 降 線 の 内 縁 まで の 距 離 を β とす る) b.沈. 降 線 の 内縁 の線 を 円 弧 とす る 曲率 半 径r(透. で 書 い た もの を 物 指 と して,写 真 の 上 に あ て,最. 明 な ビニ ール 板 に1mmご. と γG,γMな ど以外 は 沈 降線 の両 端 部 が少 し開 い たが,殆 c.沈. 降 線 の 巾W(沈. フェ リン,γG免 * A new ** ***. Shunsuke. 降線 の 内縁 と外 縁 の最 大 距 離,但. ど円 弧 とみ な して差 支 え な か った. しwの. 測 定 は アル ブ ミン,ト ラ ンス. 疫 グ ロ ブ リンの 沈 降線 に つ い て,つ ま り抗 原 過 剰 域 に お け る抗 原 抗 体 反 応 の 沈. method. of quantitative. analysis. by. immunoelectrophoresis.. Migita. Behringwerke:. と の 半 円 を黒 線. も よ く一 致 す る円 弧 の 半 径 を 読 み と った).α2M. ,金 沢 大 学 が ん 研 究 所 分 子 免 疫 部 standard serum . ‑65‑.

(2) (66)生. 物 物理 化 学. Fig.. 1.. Immunoelectrophoretic. patterns. of sequentially. diluted. normal. human. serum.. 降 線 に お い て の み 可 能 で あ っ た). これ ら と 試 料 濃 度 と の 関 係 を 検 討 した(Fig.2,3).試 1/2稀. 釈,1/4稀. 釈 は 夫 々75%,50%,25%の. 料 濃 度 は 原 血清 を100%と. 濃 度 と し て あ ら わ し た .そ. 動 の プ レ ー トが 違 え ば 連 続 性 が な い.こ. 適 当 に と れ ば 改 善 さ れ る と して も,再. 現 性,直. れ に 反 してwは. Fig.. 2.. between. の点 は反 応 時 間を. 線 性 の点 で標 準 曲線 と して用 い る に は 不 十 分 で あ. 沈 降 線 の 外 縁 の 不 明 な と こ ろ は,明. Relation. 釈,. の 結 果 β/α,お よ びr. は 濃 度 の 増 大 に よ っ て 増 加 す る が,泳. っ た.こ. し,3/4稀. concentration. and. 瞭 な 部 分 の 延 長 と し て 仮 定 した点. α/β ratio×10‑1. (above),. and. con‑. centration and radius (cm) of ppt line (below) in immunoelectrophoresis. を とっ てwを. 測 定 す れ ば,対 数 で あ らわ した 濃 度 と よ く直 線 関 係 が あ る こ と が 判 明 し た(Fig.. 3).こ の こ とは免 疫 学 的 定 量 に用 い られ る放 射 状 単 純 免 疫 拡 散 法 と類 似 の関 係 が,免 に おい て も成 立 して い る こ とを 推察 させ た.そ ‑66‑. 疫電気泳動. こか ら出発 して,寒 天 電気 泳動 と 放 射 状 単 純 免 疫.

(3) Vol. 15.No. 1.1970. Fig.. 3.. Relation line. between. concentration. and. width. of. ppt. in immunoelectrophoresis. 拡 散 法 を 積極 的 に 組合 せ て,定 量 性 の あ る免 疫 拡 散 電 気 泳 動法 を考 案 した.そ 2.新. (67). れ に つ い て のべ る.. 方法. 再 現 性 の あ る寒天 電気 泳 動法 と して,ま ず 一 定 の厚 さの寒 天 板 を 作 る方 法,水. 分 の蒸 発 を 防止. した 泳動 槽の 考 案,電 気 滲透 を少 な く し,寒 天 の変 形 を 防 ぐた め の ア ガ ロー ス 製 品 の選 択 な どが 基 礎 に な って い る7).方 法 の手 順 はFig.4に. Fig.. 4.. Procedures in detail. (1). for under. quantitative. 示 した .. immunoelectrophoresis.. the corresponding. 免 疫 電 気 泳 動 の オ ブ ジ ェ ク ト台(萱. numbers. of paragraph. Numbers. in the. 垣 製 オ ブ ジ ェ ク ト グ ラ ス4枚 ‑67‑. figure. are explained. in the text.. 用)の. 中 隔 を け ず り,2.

(4) (68)生. 物物理化学. 倍 巾 オ ブ ジ ェ ク ト グ ラ ス2枚 2枚 を の せ る.寒. 用 の 台 に 改 造 した.こ. ロ ナ ー ル 緩 衝 液pH8.6,μ=0.025(ベ 衝 液pH8.6,μ=0.1を4倍 (2). ロ ナ ー ル ソ ー ダ18.0g,1N塩. に 稀 釈 す る)に. 天 を 固 ま ら せ,隙. ガ ラ ス 板 を の せ て,そ. ガ ラ ス板. 酸13ml,蒸. ベ. 留 水1l迄. の原 緩. と か し た も の を 用 い た.. 間 を 埋 め て 後,10mlメ. ブ ジ ェ ク ト台 の 上 に ひ ろ が らせ た.直. さ1.5mmの. ル 強 度1,200g/cm2)を1%に. 最 初 に ガ ラ ス 板 と オ ブ ジ ェ ク ト台 の 接 触 す る 隙 間 に1ml程. ぎ,寒. cmの. こ に5.2×7.5cm,厚. 天 は 同 仁 薬 化 学 製 ドー タ イ トア ガ ロ ー スI(ゲ. と け た 寒 天 を ピ ペ ッ トに て 注. ス ピ ペ ッ トを 用 い20mlの. ち に ガ ラ ス 板 の 寒 天 の 上 に,シ. の ま ま 寒 天 を 固 ま ら せ た .そ. 寒天 を ガ ラス 板 と オ. リ コ ン処 理 を し た5.5×15. の 後 シ リ コン処 理 ガ ラス 板 は 横 に ず ら. す こ と に よ り除 い た. (3). 次 に ガ ラ ス 板 の 陰 極 側 よ り2cm,左. り あ け,こ 製)を. こ にBPBを. 右 の 縁 よ り0.8cmの. 加 え た 血 清2μl(標. 所 に 直 径2mmの. 準 曲 線 用 に は3〜1μl)を. 穴を吸 引によ. ハ ミ ル ト ン 注 射 器(仁. 丹. 使 っ て 正 確 に 入 れ た.. (4). こ れ を 裏 返 し に してWiemeの. 用 い,石. 高 圧 寒 天 電 気 泳 動 装 置 を 大 型 に し た 特 製 の 装 置(Fig.4)を. 油 工 ー テ ル の 代 り にIsopar(エ. さ せ た.電. 流 値 は30〜60mAと. ッ ソ 石 油)を. な っ た.ア. 冷 媒 に して,450V定. 電 圧 で15分. ル ブ ミ ンが 原 点 よ り4.5cm移. 間 泳動. 動 した と こ ろで泳動. を 止 め た. (5). ま ず ア ル ブ ミ ン の ス ポ ッ トの 中 心 に あ た る 点 を 裏 か ら ガ ラ ス 板 の 上 に 歯 科 用 の ア ブ ラ シ ブ. ポ ィ ン トを 用 い て 傷 を つ け て お く,次 剃 刀 で 切 っ て 取 除 く.2枚. に オ ブ ジ ェ ク ト台 上 の 寒 天 の ガ ラ ス 板 上 以 外 の 部 分 を 安 全. の ガ ラ ス 板 の 接 す る 部 分 は5mm巾. 位 に 寒 天 を 残 し て お い た.. (6). そ の 上 に 再 び シ リ コ ン 処 理 を した ガ ラ ス 板 を 被 い,ゴ. (7). 次 に 同 じ緩 衝 液 に と か し た1%のIBFの. 45℃. に な っ た 時 こ れ に 抗 ピト 血 清 と し てBehringwerke製. 羊 抗 ヒト血 清 で は0.32mlを. 加 え,駒. 板 の 隙 間 か ら注 入 し て,ガ. ム バ ン ドで3ヵ. ア ガ ロ ー ス(半. 所 を と め て 固 定 した .. 井 化 学)8mlを. 試 験 管 に と り,. 馬 抗 ヒ ト血 清 で は0,25ml. 込 ピ ペ ッ トに て攪拌. し て,(+)極. 側 と(‑)極. ,私 共 の 山 側 の ガ ラス. ラ ス 板 上 の 取 除 い た 寒 天 板 に 相 当 す る 空 間 を み た し た.. Fig. 5. Precipitation pattern in quantitative. immunoelectro-. phoresis (QIEP). (8). ゴ ム バ ン ドを は ず し,シ. 防 腐 剤 と し て チ モ ー ル2gを 棚 を 沈 め,37℃ (9). リ コ ン 処 理 ガ ラ ス 板 は そ の ま ま,オ. と か し た ブ タ ノ ー ル10mlを. 孵 卵 器 に5日. 間,中. 中 に 保持. 間 お い て 放 射 状 免 疫 拡 散 反 応 を 行 な わ せ た.. オ ブ ジ ェ ク ト台 よ り シ リ コ ン 処 理 ガ ラ ス 板 を 取 は ず し,附. 油 工 ー テ ル に10分. ブ ジ ェ ク ト台 の 保 持 棚 に の せ,. 加 え た 流 動 パ ラ フ ィ ン1lの. 性 洗 剤 に30分. 間 浸 した 後,水 ‑68‑. 着 し た 流 パ ラ を 除 く た め に,石. 道 水 で 洗 い,こ. れ を1lの. 生 理 食塩水 中.

(5) Vol. 15. No. 1. 1970. に 移 し,1日. 間 放 置 して余 分 の蛋 白を 拡 散 させ て 除 い た.. (10) 寒 天 板 の 上 に,濡 5%酢. (69). れ た 戸 紙 を あ て て 乾 燥 さ せ,次. 酸 水 に て 脱 色 を 行 な っ た.そ. い で ア ミ ドブ ラ ッ ク10Bに. て 染 色 し,. の 結 果 従 来 の免 疫 電 気 泳 動 と異 な る沈 降 反 応 の 図形 を う る こ. と が 出 来 た(Fig.5). 3.抗. 血清 につ い て の 検 討. 抗 血 清 寒 天 混 合 物 を 作 る 時 の 抗 血清 の 濃 度 は,濃 薄 い と 面 積 は 大 と な る が,沈. い と 沈 降 帯 の 密 度 が 高 く,面. 降 帯 の 密 度 が 低 く な っ て 輪 郭 が 認 め に く く な る .そ. 認 め う る 範 囲 で,面 積 を 出 来 る だ け 大 に し た 方 が,定 し抗 ヒ ト全 血 清 を 用 い る 際 は,す る.一. 般 に ア ル ブ ミ ン,ト. ラ ン ス フ ェ リ ン,γG免. い 抗 血 清 の 濃 度 を 用 い,そ. 6.. ま た は 馬 抗 ヒ ー 血清0.06ml単 た.そ. Effect. of mixed. 4.寒. 独 で あ っ て,人. on. ヒ ト γG0.02ml. pattern. と 抗BJL型. の 混 合 物,な. ど に よ って 免 疫 グ ロ. ブ ク ラ ス の 同 時 定 量 も可 能 で あ る こ と が 判 明 し た.. 天 板 の ど こを 切 断す る か. す る 場 合 と,原 が あ る.し. 点 か ら 少 し は な れ て 切 断 す る 場 合 で,沈. か し面 積 を 測 定 す る 際 に,沈. 方 法 の(5)項)に. 原点 す れ す れで切断. 降 帯 の 面 積 が 異 な り,再. 降 帯 の 面 積 だ け で な く,原. を 結 ぶ 線 の 上 の 面 積 を 測 定 す る よ う に す れ ば,寒 原 点 か ら は な れ て 切 断 し た 場 合 も,面. 現 性 を 欠 く欠 点. 点 の 中心 と アル ブ ミンの 中 点. 天 板 を 切 断 す る 時,原. 点 に 近 く切 断 し た 場 合 も,. 積 に 差 が あ ま り な い こ と が 判 明 し た(Fig.7).こ. 以 後 は 原 点 と ア ル ブ ミ ン の ス ポ ッ トの1mm外. Fig.8に. precipitation. 抗 ヒ. 体 免 疫 電 気 泳 動 と 同 じ位 の 抗 血 清 量 で 十 分 で あ っ. 抗 血 清 寒 天 混 液 を 流 し こ む 前 に 寒 天 板 を 切 断 す る 時(新. 5.定. 体 を 一 度 で 測 定 出来 る抗. 料 あ た り 抗 ヒ ト血 清0.08ml,抗. antibodies. 積 も. え ば 抗 γG特 異 抗 血 清 な ど を 抗 ヒ. 者 ら の 用 い た 条 件 は 山 羊 抗 ヒ ト血 清 を1:25,兎. の ほ か 抗 ヒ ト免 疫 グ ロ ブ リ ン,抗BJK型. ブ リ ン の 各 ク ラ ス,サ. が 量 的 に も 多 く,面. 分 の あ る も の は 面 積 が 大 き く な りす ぎ た り,. 応 す る 特 異 抗 血 清,例. 混 合 した 寒 天 で あ っ て,1試. Fig.. .し か. 分 以 外 の分 画の 濃 度 が 十 分 測 定 出来 る く. 体 価 を 補 強 した 条 件 に す る こ と に よ り,全. 血 清 寒 天 板 を 作 る こ と が 出 来 た(Fig.6).著 ト γGを1:100に. 疫 グ ロ ブ リ ン の3つ. こ で3成. の た あ に3成. 密 度 が 不 足 し た りす る よ うで あ れ ば,対 ト全 血 清 に 少 量 混 合 し て,抗. の 中間 で輪 郭 を. 量 の 感 度 を 上 げ る こ と に な る(Fig.5). べ て の分 画 に最 適 の抗 血 清 濃 度 と い うの は求 め るの が 困 難 で あ. 大 で そ れ 以 外 の 成 分 は 少 な く面 積 が 小 さ い.そ ら い に,薄. 積 は少 と な る.. れによ り. 側 を 直 線 で 結 ん で 寒 天 板 を 切 断 す る こ と に し た.. 量 免 疫 電気 泳動 に よ る定 量 法 示 す ご と く,濃. 度 既 知 の 試 料 と してBehringwerke製 ‑69‑. 標 準 血 清3μl,2μl,1μlを. 用 い,.

(6) (70)生. 物物理化学. Fig.. 7.. Effect. Fig. 8. Quantitative. of position. of cut. line. on area.. analysis of serum protein components.. ‑70‑.

(7) Vol. 15.No. 1.1970 同 時 に 被 検 血 清2μlと ガ ロ ー ス に よ り,放 う ち11の. 共 に 泳 動 し,山. 抗 ヒ ト γG1:100を. 標 準 血 清 に つ い て は16の. 成 分 は 容 易 に 同 定 す る こ と が 出 来 た(同 定 法 の 項p.74参. 容 易 に23の. 沈 降 線 を 識 別 す る こ と が 出 来 た が,標. γA2,β1E,が 同 定 可 能 で あ っ た.標 ン,コ. 羊 抗 ヒ ト血 清1:25,兎. 射 状 免 疫 拡 散 法 を 行 な っ た.3μlの. 蛋 白,βIEグ. の 成 分,プ. ロ ブ リ ン,セ. ル ロ プ ラ ス ミ ン を 認 め た.ま. つ は ま だ 同 定 出 来 な か っ た が,今. 沈 降 線 を 認 め,. 成 分 以 外 は αIL,α2L,. レ ア ル ブ ミ ン,Gcグ. ル ロ プ ラ ス ミ ン,は. 抗 ヒ ト血 清 で は 明 瞭 な 沈 降 線 と し て は 認 め る こ と が 出 来 な か っ た が,馬 ブ ミ ン,α2HS,セ. 混 じ た1%ア. 常 ヒ ト血 清 に つ い て は. 準 血 清 で 同 定 出 来 た11の. 準 血 清 に 含 ま れ る6種. リ ン エ ス テ ラ ー ゼ,おα2‑HS糖. 照),正. (71). ロブ リ. 著 者 等 の 山羊. 抗 ヒ ト血 清 で は プ レ ア ル. た 正 常 ヒ ト血 清 で 識 別 出 来 る 沈 降 線 の な か で8. 後 再 現 性 お よ び 疾 患 時 の 増 減 の 検 討,お. よ び他 の 同定 法 の併 用. に よ り明 ら か に な る と 思 わ れ る.こ. こで は標 準 血 清 お よ び被 検 血 清 で共 通 に 同定 す る こ と の 出来. た11の. リプ シ ン イ ン ヒ ビ タ ー(TI),α2M,ハ. 成 分,ア. ル ブ ミ ン,α1G,ト. ン ス フ ェ リ ン(Tf),β1A,ヘ. モ ペ キ シ ン(HX),IgM,IgA,IgGに. 面 積 を 測 定 す る に は 染 色 して 乾 燥 した ガ ラ ス 板 を,引. Fig.. 9.. Standard ponents. ア ー ト紙 上 に 引 伸 し た1つ1つ 結 果 をFig.9に 外 は,よ. 示 し た.標. curve. for. quantitation. by quantitative. 準 血 清1μl,2μl,3μlの3点. 伸 器 の フ ィ ル ム を 置 く 台 に の せ て7倍. of. serum. protein. に. com-. 動 化 学 天 秤 に よ り重 量 法 で 測 定 した .そ. の. の 間 に ア ル ブ ミンと トラ ンス フ ェ リン以. ル ブ ミ ン ま た は トラ ン ス フ ェ リ ン で 試 料 が3μlの. 待 値 よ りや や 少 と な っ て い る の は.5日. ラ. immunoelectrophoresis.. の 図 形 を 切 抜 い て,自. く直 線 性 が あ る が,ア. プ トグ ロ ビ ン(Hp),ト. つ い て定 量 した成 績 を の べ る.. 時 は 面 積 が 期. 間 の反 応 時 間 が 免疫 拡散 反 応 の 終 了す る に は ま だ 短 か く ‑71‑.

(8) (72)生. 物物理化学. て,不 十 分 で あ った ことを 示 して い る.Vaerman8)ら. が 放射 状 免 疫 拡散 反 応 を 終 着 さ せ る の に. 25日 間,孵 卵 器 に放 置 した成 績 が あ るが,標 準 曲 線 の直 線 性 を よ く して,定 量 の 精度 を上 げ るた め に は,a)反. 応 時 間 を5日 以 上 長 く して,拡 散 を 十 分 に行 な わせ るか,b)抗. 血清のなかの抗ア. ル ブ ミン の濃 度 を も う少 し高 く して,ア ル ブ ミンの 面 積 が も う少 し小 さい と こ ろで 反 応 が 完 了 す る よ うにす るか,の. いず れ か を とれ ば よい と思 わ れ る.. 被 検 血 清 中 の各 成 分 の濃 度 を 求 め る に は,対 応 す る成 分 の面 積 が,標 した と き の何%に. 準 血 清 の2μlを100と. な るか を 求 め,そ れ に標 準 血 清 の そ の成 分 の 濃 度 を 乗 じて,求. 来 る.そ の成 績 をTab.1に. 示 した.同. め る ことが 出. じ試 料 血 清 を,定 量 法 と して 現 在 最 も信 頼 性 の あ る放 射. Table 1. Comparison between serum protein components as obtained by QIEP and single radial immunodiffusion.. 状 単 純 免 疫 拡 散 法Behringwerke製Partigenに ず し もす ぐれ た一 致 で は なか ったが,こ. よ る各 成 分 の定 量 値 と比 較 した.そ. の時 は2つ の方 法 と も不 慣 れ で あ っ て,ハ. 射 器 の代 りに ミク ロ ピペ ッ トを使 用 して い る.術 者 の慣 れ に よ る技 術 向上 の上,比. の成 績 は必 ミル トン の注. 較 す れ ば,原. 理 的 に は も う少 しよ い一 致 が 得 られ る の で は な いか と考 え られ る. 面 積 を 測定 す るの に,重 量 法 の代 りに,引 伸 した写 真 を プ ラニ メ ー タ ー に よ り測 定 す る.ま. た. は各 成分 の 図形 は,成 分 毎 に相 似 形 と仮 定 して,沈 降 帯 の基 線 か らの高 さと 巾 の 積 で沈 降帯 の面 積 の 代 り と して も用 い う る こ とが判 明 した. 6.定. 量 免 疫 電 気 泳 動 の 半定 量 法 と して の使 用. も し面 積 の 測 定,標 清2μlを,同 1例 をFig.10に. 準 曲 線 の 作 製 な ど の 手 間 を 省 い て,簡. 時 に 正 常 ヒ ト血 清2μlと 示 した.こ. の 例Hodgkin氏. α112%,α216%,β10%,γ37%と. 単 に こ の 方 法 を 用 い る に は,被. 病 で は,寒. 著 増,α2MとHp,β1Aが. の. 天 電 気 泳 動 に お い て も ア ル ブ ミ ン25%,. 量 免 疫 電 気 泳 動 を し て み る と,ア. 明 の α1成 分,γMが. 検血. 量 免 疫 電 気 泳 動 を 行 な っ て み る と よ い.そ. 明 ら か に ア ル ブ ミ ン の 低 下,α1,α2の. 加 が 見 ら れ る の で あ る が,定 α1TI,αIG,不. 並 べ て,定. 増 加,β. ル ブ ミ ン とTfの. 中 等 度 増 加,γGは. の 減 少,γ. の増. 減 少 が 著 し く, や や 増 加,γAは. 正 常 と 変 ら な い な ど の 変 動 を 明 確 に 捉 え る こ と が 出 来 た.. こ. 7.定 量 免 疫 電気 泳動 と従 来 の方 法 と の比 較 こに のべ た定 量 免 疫 電 気 泳動 を 従 来 の免 疫 電 気 泳 動 と比 較 す る と,新 a.定. 量 性 が あ る.. b.従. 来 の方 法 で は 反 応 の おこ る区 画 が,せ いぜ い0.7×6.0cm2で. 方 法 は2.0×6.0cm2と. しい方 法 は. あ っ た の に 比 べ,新. しい. 拡 大 され た た め,沈 降 線 の 重な り合 い も少 くな り,従 来 の 方 法 よ り多 く ‑72‑.

(9) Vol. 15. No. 1. 1970. の 成分 を 同 定 す る こ とが 出来 る.そ の結 果 は寒 天電 気 泳 動後,片. (73). 側 に従 来 の免 疫 電 気 泳 動 を 行 な. い,他 側 に定 量 免 疫 電 気 泳 動 を行 な った場 合 に 明確 に な った(Fig.11).. Fig. 10.. Fig.. 11.. Comparison between QIEP pattern of normal and abnormal (Hodgkin's disease) serum.. Comparison. between. immunoelectrophoresis. and. quantitative. immunoelectrophoresis.. c.抗. 血 清 の 使 用 量 は,両 者 同 じか,或 い は 新 しい 方 法 が少 な くて済 む か も しれ な い が,新. し. い 方 法 で は 抗 血 清 を 組 合 せ て 使 用 す る な ど,面 倒 な 操 作 を 必要 と す る. d.泳. 動 時 間 は新 しい方 法 が 短 く,15分:40分. で あ る が,反 応 時 間 は5日 間:1日. 間 で,新. し. い方 法 が 長 くか か る. e.操. 作法 は新 しい方 法 が 複 雑 で あ る.. 定 量 免 疫 電 気 泳 動(QIEP)を a.QIEPで RIDよ. 放 射 状 単 純 免 疫 拡散 法 に よ る定 量 法(RID)と. 比 較 す ると,. は使 用 した 試 料 の 半分 の 拡 散 で,片 側 の み で 判定 す るの で,全 周 の 拡 散 を 用 い る. り精 度 が 落 ち る.. b.QIEPで. は血 清 全 成 分 を 一 挙 に定 量 出来 るの に,RIDで. c.QIEPで. は抗 全 血 清 で定 量 可 能 で あ るが,RIDで. は1度 に1成 分 しか 測 定 出 来 な い.. は特 異 抗 血清 を 準 備 しな い と 定 量 出来 な. い. d.操. 作法 はQIEPの. 方 が 簡 単 で あ る.. 要 約 す る と定 量 免疫 電 気 泳動 は従 来 の 免 疫 電 気 泳 動 と放 射 状 単 純 免 疫 拡 散 法 の 中 間 に あ た る方 ‑73‑.

(10) (74)生. 物物理化学. 法 で,従 来 の免 疫 電気 泳動 と くらべ る と操 作 法 が 複 雑 で あ るが,臨 った方 法 で,広. 床 検 査 の 目的 に は よ りよ く合. く行 な わ れ る こと に よ り血 清 蛋 白質 各 分 画 の病 態 生 化 学 的 意 義 を 明 らか にす る方. 法 で あ る と 思 わ れ る.. II.血 免 疫 雷 気 泳 動 に お い て,沈 利 用 す る 方 法,特. 降 線 を 同 定 す る 方 法 と し て は,特. 異 抗 血 清 の 使 用,既. 利 用 法 な ど,様. 清 蛋 白成 分 の 新 同定 法. 々 な 方 法 が あ り,総. 異 的 染 色 法,抗. 原 の特 異 的 活 性 を. 知 抗 原 を 近 く に お い て 比 較 す る 方 法,そ. の 他 ア イ ソ トー プ. 括 的 に は 既 に 述 べ た6).そ. 比 較 す る 方 法 が 最 も 確 実 な 方 法 で あ り,特 高 価 で あ る こ と と,同. 異 抗 ヒ ト血 清 蛋 白 分 画 は 市 販 さ れ て い る.た. 定 の た め の 手 数 が,特. れ で 顕 微 鏡 オ ブ ジ ェ ク トグ ラ ス に2試. に お い て も,試. と に10μl程. こ の 方 法 を 屡 々用 い る こ と に よ り,疾. 定 の 能 力 を 向 上 さ せ て,よ. 疫 グ ロ ブ リ ン の3成. ト リプ シ ン イ ン ヒ ビ タ ー(α1TI)が (Hp),γA,γM免. 切. な れ て,巾2mmの. 患 時 血 清 で 量 的 変 動 の た め に相 対 位 置 が 入 れ か わ って い. α1‑酸 性 糖 蛋 白(α1AG)の. 12.. た 自 分 の 用 い て い る 抗 ヒ ト 血清 の 性 質 を 明 ら か に す る. 分 は 誰 が 見 て も 容 易 に 同 定 が 可 能 で あ る.次. 域 に1つ. ラ ンス. に α2Mと α1 プ トグロ ビン. ロ ブ リン な ど が 見 た だ け で ほ ぼ 同 定 可 能 で あ る.た. for identification. of ppt. れ と α1リ ポ 蛋 白(α1L)の. 区 別 な ど が 困 難 な こ と が あ る.そ. lines. in IEP.. 区 別,α2領. 域 で はHpと. セル ロプ. の方 法 は定 量 免疫 電 気 泳 動. の 方 法 に よ っ て 側 溝 の 方 で 同 定 し な が ら,中. ‑74‑. 域,. 類 ず つ 採 用 し て 同定 の 参 考 にす. 変 望 ま し い こ と で あ る と 考 え る.こ. 法 に お い て も 同 様 に 適 用 す る こ と が 出 来 て,こ. だ. 区 別,α1TIと. こ で そ の 人 の 能 力 や 必 要 に 応 じ て,α1領. ず つ 小 さ な 溝 を 作 っ て 特 異 抗 血吸 清 を1種. る こ と を ル チ ン化 す る こ と は,大. れ を 基 準 に し て,ハ. 達 し た 人 で も β1A‑cと ヘ モ ペ キ シ ン(Hx)の. A method. 区 別,そ. 極 的 に採 用 す. ト血 清 蛋 白 の 免 疫 電 気 泳 動 に お い て ア ル ブ ミ ン,ト. 疫 グ ロ ブ リ ン,β1A‑cグ. Fig.. α2領 域,β1領. の 結 果 は 試 料 か ら8mmは. 位 置 関 係 か ら 同 定 さ れ,そ. 疾 患 時 の 変 動 が 加 わ っ て くる と,練. ラ ス ミ ン(Cp)の. の 刃 で 長 さ1〜1.5cmの. 囲 の 緩 衝 液 を 少 し吸 取 った あ. り深 い 読 み と りの 能 力 を 習 得 す る 上 に も,積. べ き 方 法 で あ る と の 結 論 に 達 した .ヒ フ ェ リ ン,γG免. こ に 安 全 剃刀. 特 異 抗 血 清 を 入 れ た 場 合 と 変 りが な か っ た.. る 沈 降 線 を 同 定 す る こ と が 容 易 と な り,ま 上 に も,同. 央 に溝 を 作 る通 常 の 免疫 電 気 泳動. こ に 戸 紙 片 を 添 入 して,周. の 特 異 抗 血清 を 毛 細 管 で 入 れ た.そ. 溝 を 用 い,0.1mlの. 降 線 を 形 成 す る 能 力 に 変 りが な い こ とを確. 料 を の せ,中. 料 の 外 側 の 余 分 の 空 間 を 利 用 し て,こ. り こ み を 泳 動 方 向 に 並 行 して 作 り,そ. だ そ れが. 異 抗 血 清 に よ る 同 定 法の 活 用 を 妨 げ て い る.. 私 共 は 近 距 離 で 用 い る と 少 量 の 特 異 抗 血 清 で も,沈 か め た.そ. の な か で は 特 異 抗 血 清 を 使 用 して. 央の.

(11) Vol. 15. No. 1. 1970. Fig.. 13.. A method zones in. by. for a. identification. small. quantitative. amount. of of. (75). precipitation. specific. antisera. immunoelectrophoresis.. 部 分 で 定 量 化 を 行 な う こ と が 可 能 で あ っ た(Fig.12,13).. III.M成 免 疫 グ ロ ブ リ ン に 少 量 のM成 少 せ ず に存 在 す る こ と が 多 い.そ. 分 判定 用免 疫 電 気泳 動9). 分 が 存 在 す る 時 は,M成. 分 以 外 のresidual免. の 存 在 は 周 囲 の 免 疫 グ ロ ブ リ ン の 拡 散 に よ る沈 降 線 に 重 な っ て,沈 な い こ と が 多 い.こ. 分 を 認 あ る の に,免. 泳 動 か ら判 定 ま で の 時 間 の短 い(20分)寒 residual免. ちFig.14に. 疫 電 気 泳 動 で は64倍. 疫 グ ロ ブ リ ン の 影 響 が 少 な い 点 が 有 利 で あ る が,一. だ け の 判 定 で あ る の で,免 白 を 免 疫 グ ロ ブ リ ンM成. 疫 グ ロ ブ リ ン以 外 の 蛋 白 で も,易 分 と認 め る 可 能 性 が あ る.そ. 出 来 る の で す ぐれ て い る.免 重 要 で あ る.そ. お い て,512倍. 疫 電 気 泳 動 に よ るM成. こ ま でM成. 分. 稀 釈 まで 寒天 電 気. 稀 釈 ま で 可 能 で あ る に す ぎ な い .こ. 天 電 気 泳 動 で は,M成. 分. 降 線 の彎 曲 と し て は 認 め ら れ. の こ と は ミエ ロ ー マ 血 清 を 正 常 人 血 清 で 稀 釈 した 系 列 で,ど. の 存 在 が 検 出 可 能 で あ る か 検 討 して 判 明 し た .即 泳 動 で はM成. 疫 グロ ブ リン も減. う す る と 抗 原 過 剰 域 で 行 な う通 常 の 免 疫 電 気 泳 動 で はM成. 分 の 拡 散 が 少 な く,周. れ は 囲 の. 方 寒 天 電 気 泳 動 の 欠 点 は ,易. 動度. 動 度 が 同 じで あ れ ば バ ン ドを 作 る 蛋. の 点 は免 疫 電気 泳 動 で は 抗 原 性 の 確 認 が. 分 判 定 法 の 感 度 を 高 め る こ と は,そ. の意味で. れ を 実 現 す るた め には 免 疫 拡 散 法 自体 を 短 時 間 で 行 な え るよ うに 変 え る ことが 出. 来 れ ば 一 番 よ い が,現. 在 は 不 可 能 で あ っ て,現. 細 い 沈 降 線 に して,抗. 血 清 に 免 疫 グ ロ ブ リ ン の 一 部 分 と 反 応 す る よ う な 特 異 抗 血 清 を 用 い る と,. M成. 分 が 抗[血清 と 反 応 す る か 否 か で,residual免. 策 で 多 少 は 改 善 す る こ と が 出 来 た,そ. 在 の 方 法 で は 沈 降 線 を 抗 原 過 剰 で な い,最. 疫 グ ロ ブ リン の 影 響 を 切 下 げ る ,な. の た め に は 長 距 離 の 泳 動 と 抗L鎖,ま ‑75‑. 適比 の. どの解 決. た は抗 ア ロタ イ プ.

(12) (76)生. 物物理化学. Fig. 14.. Sensitivity. of agar electrophoresis. and immunoelectrophoresis. in the detection of small amount of serum M-component that was experimentally made by sequentially diluting myeloma serum with normal human serum.. Fig. 15.. Schematic. representation. of a method. for identification. of. M-component.. Fig.. 16.. An. example. present. of. detection. of. M-component. method.. ‑76‑. in patient's. serum. by. the.

(13) Vol. 15.No. 1.1970. (77). 抗 血 清 に よ る 沈 降 図 形9)の 比 較 を 行 な っ て い る(Fig.15).. この 方 法 を 応 用 して,ミ エ ロー マ の 初 期 で あ る とか,良 性 単 ク ロー ン免疫 グ ロブ リン症 の境 界 例 な どの確 認 に 役立 て る こと が 出来 る.通 常 の免 疫 電 気 泳動 で はM成 この方 法 に よ って 証 明 出 来 た1例 をFig.16に って,定 量 免 疫 電 気 泳 動 はM成. 分 が 確認 出 来 な い の に,. 示 す10).こ れ は 従 来 の免 疫 電気 泳動 の改 良 法 で あ. 分 の存 在 につ いて の感 度 は従 来 の方 法 よ り 低 い.こ れ は5日 間. の 反 応 時 間 が長 い た め で あ る.. IV.脚 免 疫 電 気 泳 動 の コ ン ピ ュ ー タ ー に よ る 判 定 法 免 疫 電 気 泳 動 の パ タ ー ン が 表 現 して い る も の を 正 確 に 読 み と る こ と は 熟 達 と 経 験 だ け で は 困 難 で あ る.正. 常 の と り う る 様 々 な パ タ ン の 範 囲,そ. ン が 超 え て い る か,い. な い か,た. カ ン だ け で は す ま さ れ な い も の が あ る.そ タ ー ン を 得 る こ と と,パ め て,そ. れ を 特 定 の 患 者 の 血 清 の 免 疫 電 気 泳動 の パ タ ー. く さ ん の 沈 降 線 の1本1本. に つ い て そ れ を 行 な う に は,個. れ を 行 な う に は 第1に. 再 現 性 の あ る免疫電気泳動 パ. タ ー ン を 数 字 に あ ら わ し て コ ン ピ ュ ー タ ー に 記 憶 さ せ,正. れ に よ っ て 異 常 を 読 み と る こ と,究. 人の. 常の範囲を決. 極 的 に はパ タ ー ンそ の ものを コン ピ ュ ー ター に 直 接. 読 ま せ て 判 定 さ せ る こ と が 将 来 達 成 さ れ る で あ ろ う と 思 わ れ る10,11).そ の 一 つ の 段 階 と し て,免 疫 グ ロ ブ リン が 多 ク ロ ー ン型 の 増 加 を 示 す 場 合 に そ の ク ロ ー ン の 分 布 が,正 か ど うか を 見 る1例. 常 と 異 な って い る. と し て 免 疫 グ ロ ブ リ ン の 各 ク ラ ス の 増 減 と 沈 降 線 の 起 点,終. 点,最. もふ く ら. ん だ 点 な どが ど の よ う に 相 関 を 示 す か を コ ン ピ ュ ー タ ー に よ っ て 検 討 し た 私 共 の デ ー タ が あ る. こ れ は γG免 疫 グ ロ ブ リ ン が1,700mg/dl以 肝 炎6例,肝. 癌3例,強. 上 に 増 加 し た44例. 皮 症9例,SLE9例. 疫 拡 散 法 に よ り 測 定 し た(Table. Table. 2).こ. 2.. に つ い て,ま. ず γG,γA,γM,γDの. れ に よ り,γGを1,000mg/dlに. Data. used. for. ‑77‑. analysis. の 疾 患,肝. by. computor.. 硬 変 症17例,慢. 性. 各濃度を単純免. 調 整 して 免 疫 電 気 泳 動.

(14) (78)生. 物物理化学. を 行 な っ て10),抗 の べ た 方 法)に Fig.17の. 各 点 のXY座. した(Table あ る.そ. γGFC,抗BJK,抗BJLを. よ る パ タ ー ン を3倍. 2).こ. 標 上 の 数 値 を 読 ん だ.こ. こ で はKx2以. れ ら の 間 の 相 関 係 数 を2230NARC型. 17.. Schematic. さ ん 孔 テ ー プ に 入 れ て,84の. representation. of the. 下 お よ びLx2以. 度 と抗 γGFCを た はIgAの. 用 い た 時 のyの 濃 度 と 抗BJLを. points. used. for. 抗BJKを. 疾 患(肝. 間 の 相 関 が‑0.5871で1%以 用 い た 時 のx1の ‑78‑. 下 は 記 載 を省略. analysis. に て 作 り,こ. 硬 変,慢. れを. by computor.. 相 関 係 数 を 数 分 間 で 求 め る こ と が 出 来 た(Table. 下 の 危 険 率 で 有 意,肝. 項IIIに. 点 を 零 点 と し て,. コ ン ピ ュ ー タ ー に よ り計 算 した も の で. の 結 果 か ら 有 意 な も の を 選 ぶ と 肝 硬 変 症 のIgAと. 数 が‑0.7406で1%以. IgGま. ラ フ用 紙 上 に 投 影 し て,原. の た め に 任 意 の 行 の 間 の 相 関 係 数 を 求 め る プ ロ グ ラ ム を,NARC語. Fig.. そ. 用 い た 時 の 長 距 離 免 疫 電 気 泳 動(前. に 引 伸 し,グ. 3).. 用 い た と き のx1の 性 肝 炎,肝. 間 の 相 関係. 癌 の 総 括)のIgG濃. 下 の 危 険 率 で 有 意,SLEの. 間 の 相 関 係 数‑0.7639と‑0.7470が. 時の いず.

(15) Vol. 15.No. 1. 1970 れ も5%以. 下 の 危 険 率 で 有 意 で あ っ た.こ. る な か に も,増. (79). れ ら は 多 ク ロ ー ン 性 高 γ‑グ ロ ブ リ ン血 症 と 一 括 さ れ. 加 の 各 ク ラ ス と 易 動 度 の 間 に 少 しず つ 特 徴 が あ る こ と を 示 して い る. Table. 3.. Correlation. こ れ ら の 点 は 更 に 検 討 し て,発. coefficients. obtained. by. computor. analysis.. 展 さ せ て ゆ くつ も り で あ る.. これ らの4つ の 改 良 は免 疫 電 気 泳 動 を 血 清 の 分 析 に適 用 して ゆ く うち に,必 対 策 で あ って,0.002mlの. 然 的 に生 れ て き た. 血 清 を分 析 して得 られ る情 報 を,出 来 るだ け有 効 に 利 用 し て,血 清. 蛋 白分 画 の 変 動 よ り疾 患 の意 味 をつ か み と ろ うとす る,一 つ の方 向 に沿 った もの で あ る.こ 究 のIに. 対 して は 谷 垣 信行(ニ. 誠(三 重 大 ・医 ・宮 地 内 科),沢. ュ ー ヨ ー ク州 ロズ ウ エル パ ー ク記 念 研 究 所)III,IVに 武 祐 子,IVに. 関 して 大 山. の研. 関 して 柳 田. 浩(金 沢 大 ・医 ・生 理 学 教 室)諸. 氏. の 御 助 力 に負 うと ころが 大 で あ った こ とを 付 記 して,感 謝 の 意 を 表 した い. 最 後 に この講 演 の機 会 を得 た こと を電 気 泳 動 学 会 担 当 の方 に感 謝 す る.. 文. 献. 1) Grabar, P., & Williams, C. A.: Methode permettant l'etude conjuguee des proprietes electrophoretiques et immunochemiques d'un melange de proteines. Bioch. Biophy. Acta, 10, 193-194 (1953) 2) West, C. D., Hinrichs, V., & Hinkle, N. H.: Quantitative determination of serum globulins beta-2A and beta-2M by immunoelectrophoretic analysis J. Lab. & Clin. Med., 58, 137-148 (1961) 3)伊. 藤 直 彦,井. 林. 淳:血. 清 蛋 白Subfractionの. 電 気 泳 動 的 研 究,生. 物 物 理 化 学10,144‑145(1964). 4). Afonso, E.: (1966). Quantitative immunoelectrophoresis of serum proteins, Clin. Chim. Acta. 13, 107-112. 5). 右 田 俊介:免 疫 電気 泳 動 法 の手 技 と応 用:日 本 臨牀:17,574‑587(1959) ‑79‑.

(16) (80)生. 物物理化学. 6). 右 田 俊 介:免. 疫 電 気 泳 動 の 実 施,臨. 床 病 理11,434‑441(1963). 7). 右 田 俊 介:血. 清 蛋 白 の 臨 床,第1回. 北 陸 内 科 懇 話 会,昭44年5月21日,講. 8). Vaerman, J. P., Verheyden, A. M. L., Scolari, L., & Heremans, J. F.: Further studies on single radial immunodiffusion. Immunochemistry, 6, 279-285 (1969) Migita, S.: Homogeneous immunoglobulins in humans and in experimental animals, Acta Hemat. J ap, in press.. 9) 10). 右 甲 俊 介,柳. 11). Schwick,H.G.:ヒ. 田 誠:免. 潭 グロ ブ リ ン の 臨 床,皮. 膚 科 綿 要64,65‑80,(1969). ト血 漿 蛋 白 質 研 究 の 現 況,講. ‑80‑. 演 要 旨,昭43年6月12日(1968). 演 抄 録1〜21(1969).

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参照

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