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クロウ・深瀬症候群

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Academic year: 2021

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51:1019

<シンポジウム 17―3>難治性末梢神経疾患の治療戦略

クロウ・深瀬症候群

桑原

(臨床神経 2011;51:1019) Key words:クロウ・深瀬症候群,POEMS症候群,血管内皮増床因子,自己末梢血幹細胞移植,サリドマイド クロウ・深瀬症候群は末梢神経障害を必発とし,浮腫・胸 腹水,骨硬化性病変,皮膚症状,M 蛋白血症などを呈する全 身性疾患であり,その基盤には形質細胞の単クローン性増殖 とそれにともなう VEGF(血管内皮増殖因子)の上昇が存在 する.したがって治療の標的は形質細胞異常増殖である.1980 年代までは,形質細胞腫が組織学的には良性であるために積 極的な化学療法はおこなわれず,副腎皮質ステロイド中心の 治療がおこなわれ,生命予後は平均 33 カ月と非常に不良で あった. 1990 年代に長期メルファラン療法が導入され生存期間は 延長したが,アルキル化薬の長期投与は二次性発ガンなどの 重篤な副作用が問題となるとともに再発の頻度が高いことが 大きな問題点であった. 2000 年代に入り新規治療として(1)自己末梢血幹細胞移植 をともなう大量化学療法,(2)サリドマイド療法,(3)抗 VEGF モノクローナル抗体,(4)プロテアゾーム阻害剤などがおこな われ,本症候群の治療は大きく転換された.移植療法は症状改 善と長期寛解を目指す新規治療法として第一選択となりつつ ある.この治療法によりとくに神経症状の著明な改善がえら れることは特筆に値する.しかし約 4% でおこる治療関連死 は大きな問題であり,移植後 5 年以上の長期予後や再発につ いては今後の検討が必要である.移植療法は高齢者や多臓器 病変(腎障害,大量胸腹水)を有する患者には施行できないた め,そのばあいにはサリドマイド療法が試みられている.サリ ドマイドは抗腫瘍効果を有するとともに,VEGF をふくめた サイトカインの抑制作用を有すること,化学療法剤とことな り骨髄抑制作用はないことなどの複数の利点があり,期待さ れる治療といえる.抗 VEGF 抗体治療は亜急性増悪時のオプ ションとして位置づけられるが,本症においては複数のサイ トカインが上昇しており,VEGF 単独を抑制して臨床効果に つながるかに関しては議論がある.現在千葉大学医学部附属 病院で診療している 37 名の患者における治療法は移植療法 21 名,サリドマイド 15 名,放射線療法 1 名であり,これらの 治療の効果と問題点,および国際的な治療の現状と展望につ いて紹介する.本症候群は稀少疾患ではあるが有病率は本邦 において高く,臨床試験はおそらく日本でしかおこなえない と思われる.現在サリドマイドの有効性を検証する多施設共 同プラセボ対照医師主導治験が開始されており,エビデンス のある国際的治療ガイドラインが日本から発信されることが 期待される. Abstract

Treatment for Crow-Fukase (POEMS) syndrome

Satoshi Kuwabara, M.D.

Department of Neurology, Graduate School of Medicine, Chiba University

(Clin Neurol 2011;51:1019) Key words: Crow-Fukase syndrome, POEMS syndrome, vascular endothelial growth factor, Peripheral blood stem cell

transplantation, thalidomide

千葉大学病院神経内科〔〒260―8670 千葉市中央区亥鼻 1―8―1〕 (受付日:2011 年 5 月 19 日)

参照

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