• 検索結果がありません。

信楽窯業に於ける燃料費の研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "信楽窯業に於ける燃料費の研究"

Copied!
19
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

信楽窯業に於ける燃料費の研究

信楽窯業に於ける燃料費の研究

小 倉 栄 一 郎

    嗣 素    描 ◎基本設備  製陶業は一般に中小規模であるが、就中、信楽にあ っては登窯を基準として組織された中小規模業者が主体である。   第一表   設   備   歌   況   ︵数字は企業数︶ 】 基

こ∼三基

四基以上

車ト電ド土足手機平i登

 ラ ロ 二二械

  動ン練ロロロ地

 ツ ミ ククク

輔ク機ル機ロロロ窯窯

八一三三三三三一三五

〇三八〇三〇〇〇〇八

ニ ニー一四二六 一

〇〇五八五QOOOO

  一  一 四

二〇〇四三〇〇〇〇〇

       六四  右の中平地窯は小物と呼ばれる異種製品に多く、従業員は男六〇 入女二〇人、一企業平均二・六人の家・内工業︵個人形態︶で、当地 の一部に集中存在する異業種として対象外とすべきものである。成 形用ロクロに開する企業数が多いのは素地製造を専業とするナマ屋 を三三含んでいるからである。一般に部分工程を専業とする独立業 者は専属または自由契約で、窯を設備している業者の下誌系列に参 加するものである。ドロンミルは四極設備であるが、自工場用原土 を自給する能力はなく、繁忙期には協同組合製土工場や他工場の余 裕によって補はれるもの多く、場合によっては全部購入原土によっ ている工場もある。  表によれば登窯一基を中心に、これを反複使用するための製土、 成形設備を配したものが最も多くあることが知られよう。手廻pク ロ足躇ロクロは衰退しつつあり.機械Pクロが成形能力の主力であ る。二∼三戸の中にはナマ屋が多く、一貫作業の工場の多くは四基 以上に属する。十基未満二企業十∼二十基五企業二十基以上五企業 が十二の法人企業の設備状況である。これらのものは登窯二基また は三基を有しているものである。この種のものは一基を直焼に、一 基を素焼に専用することによって、施粕乾燥の期聞に窯を空ける無 駄を省き、窯の廻転を増し生産量を上昇せしめる効果を狽5ことが

(2)

駄を省き.窯の廻転を増し生産量を上昇せしめる効果を狙うことが 出来るが.そのためにはロクロと人員は一基の窯の場合に比べて、 逓増することになる。このように窯一基の場合と二基以上の場合と では設備の組合せは異る筈である。第=表では平均従業負数に差が 生じていることが知られよう。この理由の大半は以上の事唐旧による 但し需要側からの規定もあって窯の稼働ほ常時完全ではないので、 隠金機業の場合の軸出語⋮人員所要旦里から幾分低いめに押えてあり、繁 忙期の生産能力の不足は外注や購入によって補っている。   第二表  從  業  員  数

    企三線入数露茎翫融業勇語営籾

窯二 三一 一〇 五八

三ユ

四六〇

=八

︵一八︶ 四五〇 ︵七五︶ ︵一 ︵一

■八LX二

   六 ︵○・九︶    八 ︵一・三︶  三二基の場含は一基の重視規模とは断じ得ないばかりでなく.夫 々の設猟状況は生産能力の計算から出ているのではなく、企業の資 太力に依っていると見るべき点が多く、法人形態の企業は絡毅の設 備… もっている点からもこのことが肯かれる。従って適正な勃収備⋮を 現存する実例から発見することは困難であるσ      信楽窯業に於ける燃料費の研究  殊に、一貫作業を行うところの所謂焼成業九五に対して、素地製 造業三三、石膏型製造業八、陶土製造業二六、その他の附随業者が あって、工場の自給能力の不足は購入によって補はれているのでこ の事情ほ一層強い。  各工程のもつ生産能力を測定して、均衡ある組合せを知ることは 将来の看守である。当面はその近似的実例が存しないばかりでなく 生産能力の即今統計も揃っていない。現状の平均点醸備台数は次の通 りである。   スタンプミル  一・ニムロ    土繍⋮機    一・五ムロ   ドロンミル   一・九台    ポットミル  ○・七台   機械ロクロ  四・八台   手ロクロ  三・一台   コンプレッサー ○・七ムロ    登 窒蝋     二基 ◎人的規模  第二表の示す企業当り平均従業員数は窯三瓶の場合 一二人︵中家族一・八人︶窯一基の場合は八人︵・甲家族一二二人︶ となっているが、これもあくまで平均であって、その詳細は次のご とし。 家族のみで営んでいるもの 一雇傭入を含むもの  中 五入以下    三三    十一∼二十人   五  二八︵小物業︶  六七   六∼+入   二+人以上 六五

八一

(3)

     信楽窯業に於ける燃料費の研究  筒.法人企業はいつれも五十入以上を算している。 一時置大一〇 〇人を超えた。戦時中の企業整備による合同の結果規模は大きくな ったが、結局は登窯を中心として組合せるのが作業態様としては合 理的であって、戦後再度窯一基について分散する結果となった。 ◎作業態様  一貫作業の内容は次のごとし。   第ハ三表   他・企業㌍依存歌況  ︵数字ぽ企業数の%︶

完全自給

原土外部依存 成形外部依存 焼成外部依存 耳玉外部依存 販売外部依存 比  率

  %

二〇 八○ 二五

 五

一〇Q 五〇 摘 要 他の企紫叩は成∬〃、原土竺可を地艶計 業者に依存。 組合、二二陶土業者供給。 地許成形業者が供給。 臨時燈成工を用いる。 .組合が過半量を供給。 地許問屋が捲営する。  依存の伏況は企業によって異り、季節により異るが完全自給は殆 ど稀であって士衣・甲の二〇%というのも、適正設備の例とはならない  原土は沖辺の持山から手掘りされ、自然乾燥の上でミルにかけて 粉砕する。漉土を採るには水節にかけるが、この作業は原始的で、 多くは購入土によっている。加水練直して後pクpに乗せた石膏型 に入れて成形する。鋳込注は行はれていない。自然乾燥して棄焼窯        六六 に窯詰めする。この作業が続けられて窯に千五百本乃至二千本の素 地が詰められると焼成に入る。焼成富山昼夜冷却一命夜にして窯出 しの上、施虚し乾燥する。乾燥するにつれて本.焼窯に詰めるのであ るが、襲弊は登窯の傾斜ある道を肩医して運び.窯の部位によって 火度が異るので下方にも工夫が必要であるから、身心ともに過重な 労働である。取焼に入ると五尽夜焚き続け七昨夜程冷却して窯出し する。即ち.本焼笙巴回の焼成によって完了する一運のロット作業 をなしている。 ◎主力品種  ↓一大製品とは火鉢と蚕糸鍋である。第二次大戦直前 から大戦中の期間を例、外として、火鉱は年産額の六〇∼七〇%、蚕 糸鍋は五∼一〇%を産している。植木鉢、花掴類台所用品は大型製 品の問隙を利用して燵高ざれる場合が多く、従って主力製品の推移 にかかわらず三〇%前後を恒常的に維持している。  また四%前后の衛生陶器が特定の企業で生産されている。  火鉱も商品としての品種は極めて多い。 ユ、形態別 型駒、鉄鉢、雪丸、椅子、手焙、並丸、天爵、鉄砂紋チ      様、瓶掛、足焙 2、直径別 五寸・六寸・:⊥尺・一尺三寸・::一尺七寸等と呼ぶ       四ッ掛・三ッ掛こヲ掛二半掛・﹁ッ入・八五・七

(4)

      五・ニッ入・尺椅子・.九寸椅子・八寸椅子・手焙・足       焙と別けることもある。 3、良品別 上・シ・ガ・ラ・キ・等外の六等級とする。 4、色・絵付により呼ぶ。 5、用途により.木炭用、煉炭用とする。  しかし生産面からはこれらの品種分類は局部的特徴を示すにすぎ ない。直径別に多種に分たれる点は原価計算必至に注意を要する。  火鉢は現在に於ける主力製品であるが、製法上は他の大物、例え ば、蚕糸鍋や壷類と基本的に異るものではない。元来信楽は壷の産 地として発展したもので、明治初年以来薄鉄板に駆遂された業者が 海鼠粕の発明と、石腎型による機械成形の完成、及び、製糸業の発 達によって新に開拓した活路が、現在の二大製品である。小物類は いつれも独立の商品としては取扱はれ難いものであるから、この二 大製品とて過去に於て品種が不安定であったと同じく、将来も微紬 な改良によって新品種に転換する可能性は若しく大である。建築用 陶器、化学用工業用陶器等は相当期待されているものの例である。  品種がいかに変らうとも、信楽の特色は大形製品である点であら う。これは原料陶土の粘性と耐火性が大型焼成に適することが決定 的要因であって焼成中に形崩れしないのである。登窯という焼成手       信楽窯業に於ける燃料費の研究 段ぽ大形製品に適していて信楽の特徴の一半をなしているが.この 点は技術上絶対要件でなく、功罪半する。 ◎生産要素と原価構成  古来伝承的見解があって、いつの場合も これに基いて見積られて来た。その基本的特色は全原価要素を直径 に比例するものと考える点であって、これは計算を簡易化しはする が、箪大な逼誤を犯す原因となる,この問題はとにかくとして、現 実を概観する手がかりとして原価計算の一・二例を引用しよう。  年間消費する原材料とその消費量の百分率は都詰の平均物量構成 と見ることが出来る。

紬燃陶

藥料土

 信楽陶器工業藩論組合 係︶が生産老価絡決定の基礎として用いた原価構成は第四衰の通り        六七 並 土 四六・六%  漉 土 四・七% 松割太 四四・四% 石川長石○・七%  三雲長石○・二%  宇戸、大石、 豊島、その弛○・四%  藁灰一・五%  木友○・八% 硅石○・〇一%  石茨○・○二%  白玉真珠等等○・ ○〇七%  來待石同上%強   コバルト○・○〇七% 満々○・〇三六%  鉄○・〇二三%  銅、クローム亜 鉛、その煙夫々○・○二%        第﹁部︵低火度燵成業を除く一貰作業國四

(5)

 月扁回焼成した場合の一匹について計算しているということのほ か計算の基礎は明瞭でない。雨計算の見積に於て明らかに異るのは 次の諸点である。 1、費目が一定しない。特に経費に於て。 2、 一窯の焼成量が異る。 3.消費原材料量が異る。

 第四表 原 便 構 成

   昭和26年3月   昭和26年7月

素地費

  1,600−o @ ss.oo sB,ooo.oo i,soo2@ 6s.oe go,75c. OO !.:t.

不良損  1・%8,80㈹    9,・75.・・蕪

陞代蜷    …〆@・2…3,….。・誉

粕藥費      馨

渥 友  27俵@550.OQ 14,850.00 30俵@500。0015,000.00 る

      燃

藁茨 20俵@220. 004,400。QO 25俵@280.007,000. QO料 石川石・石@1・.・・3,….・….・石@1α・・3,・・α・・鷺

上石 8俵@450.003,500.00’7俵@380.002,660.QO研

      究

三号釆由       3俵(璽ン400.OO  ユ,440. OQ 來待粕      2俵@250.OQ 500.00 コバルト1。5貫@22,00033,000.00 1.8貫@30,00045,000.00 クロム酸 2@25.OQ 500.00 鉄・マンガン     2,000.00 亜  鉛     4kg(動400.00  1,600.00

硅石 5@250.OQ I,250。QO

ゼpゲル         500.00 捨ノ・マ         1,500.00 その他

燃料費

労 難 1 @ 15.00 1,500.00

   2,000.OO

4kg@Aoo. oo 1, 600. oo

   工,500.00

    500.00

   3, OOO. OO    2, OOO. OO 1600東@55。0088,000. OO 1500束@70. 00100,500.00 賃 250人 @230.OO 57,500.00250人乗240.0060,000.00 費 生活費     40,000・00 器具修理費  3,0GO. OQ 不良費   0.8 77・000・00 建物償却費  3, OOO. OO

      錦

窯償却費     10・ OOO. OO 窯償却費   ユ5,000. QO 入 粉  金      30,000.00   税  金       40,000.00

賄費   4,000.00賄費  4,000.00

雑 費     10,000.OO エ組賦課金  1, 500.00 利益金      30,000.OO 道具取替費   5, OOO.00

計 539,400・00計 424,625・QO

単f面    (÷1,60e=) 318・00 (÷(1,50D×0・8)=) 354・00

(6)

三月は操業低下初期、七月は上昇初期であるから窯使用頻度が 変り、品種も変る。従って諸生産関係が変化する。この実情を そのまま山表現したもの。   第五表   修正漂贋構成  (百分率平均構成比率) 原材料費       △印補充  ( )創除  素地 1,6002尺88,000.OO 1,5002尺90,750,00 19・3%  附帯費       8,800.00     コ2,675.00  2.3%  粕  薬      64,100.00      83,700900    16.0%  燃料費  1,600束 88,000.OO 1,500束100,500。00 20.3%  昼甘帯費       16,000。00         29,500げQO    4.9% 労 務 費  賃:銀   250人 57,500.00  250人 60, OOO. OO  12.7% 経   費

難_ i;iii…ig・ ! ,.,./.

利   潤 /},),,,E#,. i,giogg・i:・i “.i,giosiiio:i/,,.,.,.  不良損       (77,000.00)   計      432,4GO.00         494,625.00

      @ 338.00 @ 412.QQ

信楽窯業に於ける燃料費の研究 4、三月は利潤要素が算入されている。 5、三月は仕損費を別置した。   若しこの点を共通にして見積直すと.利潤込良品単費は一層差   が大きくなる。 ︵第五表 参照︶  同年夏の四工場の原価は次頁の第六表の通り。  計算原則が砦干不統一であったと思はれるが、大勢を知るには差 支えない。     二 見積原価の検討 ◎性絡の吟味  前掲の見積原価の基礎となっているのは製品の直 径に対して費用が比例するという仮定である。尺物に換算した箇数 に対して常数を乗じて主要な費用を積算している。例えば燃料費は 尺物一本目つき松割木一束として見積っているが、別の例に見るよ うに,それは三割方過大である。古くからこの方式は常識となって いた・もののようで、嘉永四年安政三年文久元年慶応こ年明治四年の 更料は一窯二千本詰とし,一本当り○・四束の建で計算している。 今日の火鉢とは違うであらうし.松割木の束も同一でないから、今 日の一本当り一束というのとは違っているのが当然であるとはいえ 比例性を仮定している点では軋を二にしている。この仮定は正しく ないとい5点は後述するが、焼成費は焼成箇数に比例する事情は少        六九

(7)

(一二}こっき・)

下原償比較表

第六蓑 信楽窯業に於け燃料る費の研究

8議憲1轟i姦「農1’題

目 費 30.3 17.2 6.2 ユ90,322 127,429  3,670 27.8’ 19.3P O.51 53.7i 321,421f 47.6 146,7161 96,513 32. 5 21.5[ 147,829i 36.4  91,0001 22.4 240,ユ57 136,494 49,010 i 425,661 1 238,8291 58.B 54.0 244. 229    ’ 原材料

燃料

消耗品

小計

材料費

97,s43P 21.71 lo2,1231 2s.ll lsg, isol 24.o 14g,s431 22.o 費

労務

6 8 4  0 0 1 2  2

    7

9 0 9  4 経 費 電力費 雑 費 小 計      1 2,678 31,426 34, 104[      ’ O.6 7.0 7. 6 i,s341 o.s1 18,767 20. 601   ’ 4.6 5.エ 7. 322   , 42,260 49,582 O.9 5.3 6.2 4, 62 ユ1,84 エ6,46 製造原:価 i375,876i 83.3i 36L553 89.01 664.393       ’ 83.9堰@487.73 10.3 6.7 ユ.6I   I 2.6i 6.8[ gl?[ :1] 5.5 69, 165 45.566   , 10,544 18,070 45,624 188 , 96 91 28.0 16.1 4. 1

m

2. 91 35,498 24.624 24,624  5,536 18,639 42,956 127,253 O.2 0. 71 2. 7 10.61 16,0eo 13,三〇2    636 2,566 コ0,676 42,980 7.8 4.5 0.6 2.2 1.6 16.7 34,800 19,795 2,487 9,776 6,394 73,252

料税関費他計

   売の

給租金販そ小

一般管理販売費 計 449, ]28 ・・。・・・…533い・…レ91・6461・…7・…311・… 費 」,879 61,464 49, 829 4,389 便 451,007 465, 997

P

841,475 / 6Sユ・092

仕損

面 癖

    七〇

く、むしろ他の条件に支配され、著しく固定 費的である。  原土の消費量について亀同様にして直径に 比例するものではない。燃料費の場合と異り ﹁窯には三尺のもののみを詰めることはなく 大小とり混ぜて火度を均一にする仕組を採っ ているので.平均を尺物にとり比例的に計算 すれぼ実際値からの過大過小が平均せられて 妥当な数値となるかも知れないが、これを立 証する実験例は存しない。今後の研究に待つ べきところであら.う。  次に、市価を決定指導せしめようという意 図が顕著に現はれている。三月度の原価が利 潤項目を入れているのはその一例である。三 月は売行下降初期であって、市価は著しく下 落するばかりでなく.この時期の製晶は永く ストックする必要があるので資金の少い企業 は問屋に買叩かれる運命にある。業者間では 価格を協定して切崩しを防止しようとするが

(8)

所詮は資金手当のない業界では苦しい業者から崩してかかるもので ある。協定すべき希望価格の基準となる原価を算出してこれを周知 せしめ値崩れを防止するところの一種の刺戟を狙ったものではなか らうか。即ち、これは利子計上に代るものであると考えられる。  中三は限界経営の原価と考えられることである。脇定価格の基準 として限界的能率にある原価をもつてするのは利点もあるが.反面 名目的空文と化する冠、れも多分にある。事実舌頭として価格協定を 堅持する可能性は少い。  その原因は種々あるが.製造業と呼ばれる全企業の半数以上、焼 成業者の六五%が販売磯構をもたず、問屋に依存していることは、 最大の難点である。  第四は時価で評価されている点である。二十六年から七年にかけ てコバルトは著聾したし、一般的に騰貴傾向にあった。 ◎効果の判定  元来期待されていた効果は価格の切崩を防ぎ、組 合の共同販売を有利に導くことであったが、事実は一つの標識とな ったにすぎず、依然として価絡は崩されているようである。見積原 価は生活費即ち企業者貨銀をも含む全部図牧のための最低能率経営 の最高原価であるから、これが補償される価格を維持することは望 ましいが.そのためには販売に於ける生産者の優位が必要であるが       信楽窯業に於ける燃料費の研究 製品の性質上、需給関係でも金融関係でも生産者が不利な地位に立 つことが多く。組合の共販機構外にはみ出した部分から問屋の切鵬 しがはじまる。完全に企業化していない過半数の小工場は家族労働 の廉売が出来るから、容易に価格を引下げるし、高能率工場では余 裕が大きいので易々として協定線を破るであらう。見積原価を示す ことが直に価絡維持の供給多占とは結びつかず.見積原価が実状を 離れていればそれだけ空文化すことが早い。  尺物を基準として算出した単位原価に基いて大小製品の価格の目 安を得るという方式は詳細な検討を要するであらうが、結局は適当 ではないであらう。大勢としては長尺物程割安になるのではなから うか。今回の研究に引続いてこの点を検討したい。とにかく原価は 直径に比例しないであらう。加うるに、価格がまた原価によって走 まらないので,品種規格に応じる異った牧益率があるに違いない。 この事情を正しく算卸するには、原価計算の方式についての再検討 が必要であるは論を待たない。そして.合理的に算定された原価に 基いてこそ、はじめて品種選択が正しく行はれるのである。この研 究は個別企業が夫々行うこともよいが、産地としての標準計算でも 充分間に合う。  固定費を無視した点は操業度の選定や販売政策に直接の碍となつ        七一

(9)

      信楽窯業に於ける燃料費の研究 ている。火鉢は季節性の著しく高い品種であるが、大量焼成用の登 窯と自然乾燥による成形工程の組み合せでは閑散.時に生産を避けて 需要期に集中生産することは不可能である。むしろ通年平均的生産 を持続して固定費の温言に努める方策が望ましい。この場合に資金 需要が多くなるという点は品種に闘係が深いもので、一応条件から 離した方がよい。閑散期には意識すると否とにかかわらず生産を手 控えているのが実状であら5が、これが一窯の使用状況としては多 少異って現はれてくる。  閑散期には素地の外註や購入を避けて、充分の期間を置いて、充 分の命毛をした上で焼成にかかる。繁忙期には窯の回転を増加させ るため、外注、購入が増え.且つ、窯は満されずに火入されるとい う事惰が生じる。即ち、焼成費の吸牧については逆の条件となる。 従って繁忙期の単費はこの面では高くなる傾向を含んでいる。一方 成形費の面では閑散期の生産量に合はせてある傾向が大きいので、 繁忙期といえども前の空費を相殺しない。このように撮業度の平準 化とこれに対する設備能力の調整によって原価を引下げる余地が存 するのであるが、例示した見積原価では焼成費を比例費と仮定して いるので、この事情が現われていない。ストック生産を基調として 操業度を均斉にする効果は産地としても費用の価格変動を平均し、        七二 産地経済を安定せしめる効果をもつ等、裏付けのない価格維持政策 に代るべきものであるとい5ことが出来る。   5  実際原価の発生状況を研究し、これに基いて標準的生産を考え、 標準原価を知り得たならば、経営の管理は極めて科学的合理性を持 つに至るであらう〇     三 焼.成作業の素描  陶器製造は一般に原始的であるといわれるが、特に信楽の方式は 経験と勘によって居り、多様複雑を極めている。就中、焼成作業は 熱を管理して.陶土を熔解冷固せしめる愚論変化と、糟越中の金属 塩を酸化還元せしめる化学変化を生起せしめる作業であるが、実際 上は高温度計さえも用いずに、外部から視察による焔の色調でもつ て温度を判断している。  たとえ温度計を用いたとしても、不整形の窯室と、自然のままの 松割木をもつてすることであるから、焼成管理は結果を基準にして 行うほかなく。カpリー計算その他によって原因的に管理方式を立− てることは困難なようである。視察による判断に基き臨機応変に処 置するという管理方式が今日依然として唯一の方式である所以はこ こにある。また、しかるが故に焼成工こそは最も熟達した経験者で なくてはならないのである。

(10)

 焼成作業は製造原価の三三%以上を必要とする工程であること。 ︵第五・六下︶及び、仕損傘は乾燥五%素焼五%、本焼目〇%であ って、しかも焼成の仕損は原料として還元不能のものであるから、 仕損費率は一層高率となる関係があるので、完成品製造原価中に占 める焼成工程の割合は四〇%に達するという事情があって。焼成工 程は研究さるべきであり且つ研究の効果を期待するに足る条件を具 えた工程であるといえよう。 ◎窯の構造  山裾の傾斜地を利用して、約十八度の上り勾配に二 〇〇立方尺から一五〇〇立方尺の容積を持つ窯室を設状に十乃至十 二室並べ、基部を連通する。最下部に小室あり.これを火袋と呼ぶ ここから焚きはじめ.その熱で一ノ闇剛以上が乾燥されつつ発火点に 達する。室は一ノ問ニノ問と順次上え呼ぶ。基部に連通部があって 下の室の熱を上に導く作用をする。遊休時は両側が大きく開かれる が、素地を窯詰めすると、この口を土で固めて閉じる。その際に視 察と補充の投薪のための径尺足らずの小口を残すが、これも結局は 焼成の濱み次第に閉塞される。煙は全室を貫いて流れ、最上室で空 聾に放散させられる。室の容積は上部に進むにつれて大きくなる。 その一例を第七表に示す。 ◎窯詰  素地が完成するといふのは乾燥状態になることであって       信楽窯業に於ける燃料費の研究 第七表  登窯各室容積  235立方尺  448立方尺  617立方尺  753立方尺  977立方尺 1,059立方尺 1,006立方尺 1,041立方尺 1,044立方尺 1,500立方尺 8,680立方尺 一ノ問 ニノ問 三ノ問 四ノ当

量問間問問間

ノ ノノノノ ノ計

五六七八九+

既に運搬に耐える硬度 を保っている。これを 一旦素焼するための窯 詰と焼成があるがここ ではこの方は触れない 素焼されると次に表面 に粕薬を施して乾燥の 上.本焼窯に詰める。窯は広いので火の廻りは不均一である。従っ て部分的に異る火度に応じるように大小や粕薬の性質が考慮されて いる。窯詰の良否は良品肇に大きな影響がある。後述するごとく仕 損原因の大半が窯詰の不適当に原因している。また窯詰の良否は燃 料費に関係が深い。  晶種規絡が極めて多いので窯詰の標準類型を定めることは相当に 困難な仕事であるが経験のみに委ねて放置するのは好ましくない。  この研究に際して軽視してはならないのは非科学的経験則の中に いつしか、合理的な窯の形状と製晶の形状規模の調和がとれて、知 られざる諸要因の相関々係を一切考慮に入れた合理的配置が行はれ ていることである。このような現在の技術を結果的に考察して窯詰 標準を設定するのは一法であらう。       七三

(11)

      信楽窯業に於ける燃料費の研究  製品は詰問の多い形状をもつているので、出来るだけ空聞を利用 して、小物を挿み、牧面して窯詰総量を増加する必要がある。この 際窯詰量の増加に対応して燃料所要量が増加するのは当然であるが その率は大きくないと想像される。既ち、小物の添加による利用空 問の塔加は熱効率を堰呈し、燃料費を引下げる一方途である。因に 現在の技術では、窯の平均空問利用率は三〇%乃至四〇%であると 推定されたこともある︵昭和二十四年六月三日滋賀県・大阪府能研 による調査︶がその根基は明瞭でなく、むしろ誤認と考えられる。  尺五換算で一五〇〇乃至一八○○個を詰めるから立方体として計 算して三八・八%乃至四六・六%に相当するが、火鉢は球形である からといってこれ以上接近せしめると仕損の原因が贈加するから、 間隙は必要である。また火鉢は空洞が大きいけれども、立さやが入 れられるので最上段の空洞のみが利用可能であるにすぎない。かく てこの計算から若干低くなるとしても大きな数字ではない。次に火 前の列の前部空問は投書余地として製品を置くことが出来ないし. 天井との寸隙は倒焔余地として必要であるから、実利用可能容積は 二〇%以上減ずべきである。結局、実利用可能容積の利用率︵実効 利用率︶は五〇%乃至六〇%と推定出来る。  天秤積と呼ばれる現在の詰め方が改められるか、燃料が液体にで        七四 もなれば飛躍的に牧容力が増大するであらうが、現状では小物の添 加による利用率増加が無難であるQ利用率が増大すれば原価引下は 顕著なものがある。  一登の窯に詰める素焼生地は約一ケ月かかつて製造される。 ︵ロ クロ一台一日成形能力は三五螢乃至五五箇︶従って焼成は月一回の 間欺作業となる。三管めは十八度の傾斜地を登って行うもので、製 品の性質上運搬車その他が利用し難いので、殆ど人力によっている この時期が最繁忙期で工場を動員しても労力が不足し、臨時工が用 いられるのもこの時期である。破損を防ぎ労力を節約する改良が望 ましい。 ◎焼成  火袋二十四時問松葉三十五束薪百六十束、 一ノ問二時聞 三十束、こノ問三時間四十束、三ノ聞四時問六十束、四ノ問六時聞 八十束、五ノ聞七時問九十束、六ノ間八時問百束、七ノ問八時聞百 束九年間八時間百束、十ノ問九時間百十束、十一ノ聞九時間百十束、 計九六時間千八十束といわれている。  窯の容績は漸増するので絶対量も漸増するが、︷時間当燃焼量は 十二束乃至十三束であって、燃焼速度は均斉であるということにな る。後出の実測表に見るごとく実際はこれ程均斉ではないが.大様 を知ることが出来るo

(12)

 燃.料は松島木一蕃書・七貫のものであるQ  熱は次の諸効果を果す。 イ、乾燥  初期の加熱によって、残 している水分が蒸発し去る。 素地からは勿論のこと、窯壁からも多大の水分が蒸発し.内壁天井 から水滴が滴下する程である。水分が含まれている聞に熱が急瀕に 加えられると製品は亀裂するので、徐々に熱を上げなくてはならな い。火袋二十四時聞百六十束の燃焼は主としてこのためのものであ る。水分は一登︸挙に乾燥し終るものではなく.爾後の上聞の燃焼 はその上の聞の乾燥に役立つことになる。  乾燥のために消費される熱は少くない。雨季は乾.季よりも燃焼時 夜と燃料消費量が大となるo P、予熱効果  登窯の長所は燃料節約をもつて第一とする。それ は下段の間の余熱が上殺に及び.上駿の薪を発火せしめる態のもの である。この効果は次の間を越えて更に上段にも及ぶのであるが、 火袋近くではこの効果が大きいが、また水分も多いので遠くまで は及ばず三ノ間と四ノ問の辺りで犬体気化熱の必要がなくなり、六 年間で余熱が不足し薪の所要量が増加するが、七ノ問は余熱を利用 し入ノ問で再び所要量が増す。九ノ問は余熱が働くが、十ノ問は煙 突に近く捕熱が不十分となるので薪を増加しなくてはならない。即       信楽窯業に於ける燃料費の研究 ち気化熱の問題を別にすると.燃料消費量は隔間に増減する。次に 時問の点から見れば、局様にして乾燥に影響している間は長時間を かけるが、四ノ間辺りから容積当時間は急減し五・六ノ問と若干延 長されつつ十ノ間では空費熱量を減ずるために著しく延長して焼成 することになる。 ハ、焼成効果  陶土が溶融状態となり.粕薬が発色する効果は火 度が頂点に達して後、終漁して行く過程で現はれるもので、温度で 示すことは出来るけれども、各界毎に時点で示すことは不可能であ る。同一の聞に於ても、部位によって火度とその経過が異るからで ある〇一般に火前が最も強く奥程低くなる。  先の聞から障子と呼ばれる火道を通って熱が還り、火焔は薪を発 火させる。火勢が高まるのを待って、側壁に設けられた壷から一本 つづ薪を投入する。この作業は決して等しいピッチのものでなく、 常に火度を観測しながら、燃料の不足の部分に投入するものであっ て、また全体としての温度の上昇にも注意しなくてはならぬので、 臨機応変の動作である。 ︵投薪を規幽するのにタイム・レコーダー を使用せよという意見もあるが、実情に着しないこと、原理的に誤 りであること注意を要する︶この動作を規制するものは一に観察で ある。       七五

(13)

間 時 要 所 山 焼 第八表 信楽窯業に於ける燃料費の研究 玉 山

[・月螂中津1鯛全月

容積

(尺・)・副5副・月レ月

日 時 七六  時 分 50.04 2. 82 4. 68 7,09 6. 27 6. 48 8. 89 8. 40 8. 50 9. 03 9. 45 ユ22.05  時 分 45.45 2. 00 4. 50 5. 00! 5.35 7.00 6. 35 6. 40 7, 40 :1:,51 時 分 52.ユ7 2. 58 4.451 6. 57 5. 50 7. CO 8.17 8. 22 8.22 8.22 9. 03

4駐5君i4翻

    r 2.03     I g・.:s81 6.13 6.15 8.08 7.40 8. 03 9. 03 エ0.20 2. 38 4. 43 7. 28 7. 03 5. 50 9. 58 8. 28 8. 53 10.05 エ0.081 2. 05

P

5. 05i 5.55 6. 35i 2.00i 2.58 4.501 4.451 5.00! 6.57 5.351 5.50i 122.ユ211工5・03]12ユ.55      1  1 ユ08.35 時 分 48. 00 時 6ト!    ト 時 分 38.50i 45.30 4. 35 7. 55 5. 50 7. 20 8.35 9.30 8.25 8.玉0 10. 20 9−fgI     l    ’ 3. 10 4. 00 9. 00 7.30 6. 10 10.15 8.J5 9. 20 10. 10 9. 00 6. 10 10.15 8.J5 9. 20 10. 10 9. 001 5. 30 9. 40 8. 40 8.25 10.00 ユ1.15 i122. 301121.30  時 分 72.15 3.ユ5 4. 50 7. 55 6. 05 6. 40 9.40 8. 55 9. 00 8. 50 1113. 10   235   448   617   753   977 1.059  ’ 1,006 1,041 1,044 ユ,000. 3.ユ5 4. 5C 7. 55 6. 05 6. 4C 9.4C 8.55 9. 00 8. 50 7. 25 8, i801144. 50

火袋

一ノ問 ニノ間 三ノ間 四ノ間 門ノ間 口ノ団 七ノ間 八ノ聞 九ノ問 十ノ間 計 丁 丁 要 所 二 丁 第九表 均 6・7月i全・ 實 数 平 ・月・nl・月・月・・El 14.5.8A 平

卵朋

容 積 (尺3)    刺 ユ89・O :gl:’i     i g,31,5i 80. 5i    束 181.4 30.2 49.8 85.4 80.6 90.6 138.0[ 120.6 ユ08.51 134.51 125.0,i     I 123.51 1ユ3.0 124.2 JJ7.6 ユ30.0 ユ9 41 54 66 83 83 92 ユ08

3LO

50.0 86。6 76.0 97.3 工09.0      116.d    I

2L5

50. 0 6」.5 73. 5 79,0 ユ10.5 101. 5 117. 31 122. 5’ 1,148.5jJ,123.4    束 19ユ,0  束   束 1741 176.3 1ξ1麗1:91二1:: 1. 10711,055.5

束蹴2459698175鵬m窟切燭

954

束芯℃3440989486鵬鵬麗m雌

。撤38娼%ηゆ即伽郡∬雛

1, 140

P

工,157

束捌3661柵83鵬窟雌α伽紹

1,129   235   448   617   753   977 ユ,059 1,006 1.041  ’ 1. 044  ’ 1,0001 8,1801 1,237

火袋

一ノ問 ニノ間 三ノ問 四ノ間 五ノ問 六ノ間 引ノ間 八ノ間 九ノ間 間ノ間 八 白熱化すると一面 霞がかかったよ5 に見えはじめる。 この時をもつて加 熱を止める。 熱管理は計算に 基かず.観察をも つて結果を判断し て処置するのであ るから、技術とし ては原始的であり 無規則のようであ るが、後に綜括す るごとく、不思議 にも実に規則的な 作業を結果するも のであって、自ら 標準化される傾向 を有している。

(14)

二、徐冷効果  製品が急激に冷却すると、ひび割れ、その他の仕 損となるので、極めて徐々に冷却しなくてはならない。当該.問室に 残る燃料が燃焼を終るまでと、上の間の燃焼とが、功妙に急冷から 守ることになる。やがて壷も土で閉塞されて、自然的冷却に入る。 このために如何程のカロリーが消費されるかは明確な計算が出来な いが、この過程は重要である。自然的冷却は窯の部厚い壁によって 熱の発散を防ぐことにも大いに依存している。 三、綜括  窯の構造、窯詰、方式、焼成、熱管理、そのいつれも 決して計算に基いているのではないから、一見非科学的原始的方法 といふ判定を受けなくてはならないようである。また、いかに諸要 因を組み合せて見ても,容易に熱⋮力学の原理に合致させ得ないであ らうと思う。しかし、との経験の集成が、全く自然な熱管理を可能 ならしめているのである。  幾何かの水分を含んだ製品を徐々に脱水し徐熱し、やがて焼成発 色温度にまで上昇せしめ.また,仕損の出ないよ5に徐々に冷却せ しめる。これは陶器焼成の一般則に外ならない。登窯の経験的焼成 方式は、三々の製品について一様にこのような経過を辿らせしめる ことになる。  統計によれば.蒔肥により条件が異るので若干つつ異った経過と       信楽窯業に於ける燃料費の研甕 なるけれども、その分析は後に示さうQ一端は既に触れたごとく、 一応理解し得る原因によっている差異である。このような若干の差 異を除けば、何回の焼成も殆ど同一の型をなしていることに気がつ くであらう。期せずして達成された標準作業と言うことが出来よう これ標準管理方式の立脚点である〇     四 焼成作業の分析  焼成時聞、燃料消費量に季節的変化が生じる主因は気温と湿度で あらうという仮定に立って、低温時として四月、高温時として七.・ 八月多湿時として六・七月の状況を観察する。窯詰法が一定である 限りに診ては、窯容積と時間または燃料消費量の相関々係を見れば よい。 ◎消費時問  容積との而関係から固定時問と比例、時言に分つことが出来る。火袋 での消費時報が固定時間である以外に、各間にも固定分がある。こ れは大体等しい値と仮定出来る。 ︵第十表︶ ︵第一図︶また細部に 亘って次のことが分る。 1.低温の影響は全面的に時闘を延長せしめる。三ノ問六ノ問九ノ  問十ノ問が夫々例外なく延長されるのは余熱効果が続く玄室に及  ぶということである。十ノ聞は所謂すえの間であって、無効放熱        七七

(15)

億楽窯業に於ける燃料費の研究 第十表  時 問 分 析 表

二諭斐墜」・月・月・月・月・月

蝦工醐

  48 1彦 O. 45 45% 1% O. 45 385/6   2 0.5

㎎2面

火    袋 室當固定時間 (単位・時間) 尺3當比例時間 (単位 ・分) 第囲図 焼成時間・容積相関図   消費時間 2    1   時聞 8月7月4月5月  X N N N 20

@消費量

10 5  束  があるから.である。 2.多湿の影響はピッチを擬乱せしめるが.全体の消費時問を贈加  せしめることはない。加熱による乾燥効果は次の問に多く表れ、  その先にはあまり及ばない。従ってひと間おきにピッチが変化す  る。 3.比例時問の単位容積当数値は近似しているしたがって季節的に        七八     [國一疋時醜同を卓にめれば.所 要時間の総時副因は予め篁茜疋出来     る。また室毎の所要時問は多少面倒で規則性に乏しいが     大体の型は六・七月の雨期と、その他の季節とに分けれ     ば類似形が得られる。     ◎消費燃料量     時間との閣係が多いが考察の便宜上燃料単独の消費型を

響同様の方肇蓼出してみ。。固定的消費量というの鐘

国運 品量、従って窯室容積に関係なく発生するもので、その原 瀞  因は水分の齢照発︵乾燥︶大気温の上昇︵予熱効果︶に國閻係

脚 すると仮定出来考・この両者は塞容積に関係するよう

    にも見えるが、温度は全体として一定の乾燥状態になり、     且つ平均した温度になるまでは伝導して他室に及ぶのであ     つて所謂潜伏的部分になる。従って、容積に関係があって も、これを無視してよからう。  殊に、ここで問題にしているのは、予め積算する基礎を求めると いう点から現象的定型を設定するにあるので、熱効果の真の判定で はない。比例的消費量というのは、同様にして、現象的に容積比例 となる分であって、それは主として、焼成効果と徐冷効果に起因し ていると想像出来るo

(16)

第+一表 消費量分析表

替癩一墨」側・小月・月・月

174 12.O O.11 208 4.9 0. 11 170 7.O G.1ユ  164 6,5 D. 11 」91 14.6 0. 11 袋 火

室當固定量

 (単位・束) 尺3當比例量  (単位・束) 相関図表を作成した結 果第十一表のごとく判定 出来る。 ︵第二図︶  燃料消費量は時間の場     第三図 焼成作業類型図

. 溺遼ミ禦調《ご驚・

壕i嚢彰診こ苓読補講

.st“ t /

︷隅翫

  脚

影.

δ塞3 2

 脚    尺3 1,000

 十 1,044 九 1, 041   八  1・059  1,056

 六     七 壱筒容健筋り翻 977

聾凝

       四 合よりもはるかに比例的である。八月に固定量が負数となるのは火 袋での消費量を各室に割掛けていないからである。いつれにしても       信楽窯業に於ける燃料費の研究 この量は固定的所要量を形成ずるものであるQ  さらに細部に亘って考察すれば次のことが分る。 工、低温の影響は全面的に消費量を一大せしめるばかりでなく、焚  き方も変化が著大となる。焼成初期には逓鞍的に消費量を増加せ  しめ、三ノ間まで焚き上げて四・五問が中休みとなる。六ノ間で  再び飛躍的に増加せしめ、以後九ノ聞に及ぶまでは上下反憎し、  十ノ間ではすえの間の特徴として放熱を補う増大がある。気温が  高くなると、火袋の余熱効果が遠く及び.総体に消費量が小とな  るが、傾向としては初期燃焼の逓増性は少くなり、比例的に順調  に進み、四または五ノ聞に至って中休みの逓減を見せるが、六ま  たは七の問以後では低温時と同型となる。即ち、ここまで来れば  予熱効果は大気の影響に勝ることになり、人工的均斉条件を形成  するのである。低温時の方が、変化条件が多く、管理が困難であ  る0 2、湿度の影響はやはり擬乱要素として表はれる。乾燥効果は余熱  効果よりも早く出現し、永続性を持っているのであら5。雨季で  あっても焚方が巨立って変調になる.ことはない。三ノ問から四ノ  問にかけて多少増量して蒸発を助ける点が異り、以後の窯の中は  やはり人工的に均斉な条件となるらしい。        七九

(17)

(燃料)

作業管理数値表

信楽窯業に於ける燃料費の研究 10 9 8 ユ24.60 14S.OO 十18.40 十ユ0.00 十 9. 00 143.60 523. 4」 129.44 125. 00 一 4.44 H 10. 00 十 6. 00 ユ25.44 ユ29,ユ1 ユ21.00 −B.ll −7. 00 122。ユエ 7 125.26 ユ32.00 十6. 74 十7.00 132.26   09

6 肱

5 4 ユ27.00 m4.09 .5. 00 ユ26.09 317.59 ユ22.07 ユ08.00 p14.07 . 1e. oo 一 4. 00 108.07   97.43   83.00 一 14. 43 −10. OO 一 4. 00  83.43 3、比例量は毎月殆ど=疋  であることから考えて、  固定量の用法の理相噸的方  式を確立すれば.消費量  は相当に低下出来るので  はなから・5か0 4、季節的固定量が定れば  胤燃料所要量の予定は困難  ではない。 ◎時問と燃料の相闘々係  これは具体的に親察理解 するに困難を感じる程に複 雑である。ここに掲げた数, 例は多くの組み合せの一種 にすぎないが、仮定的に次 の様に言うことが出来.ま た、引用の例では一応立︸証 可能な・点である。 ユ.⋮般論、消費量に比例        八○ して時間が伸縮される。し呑も.容積との比例も一部存在する。 2.特異関係、乾燥効果は燃料轡加と時間延長によって得られるこ  とは勿論であるが、山雪延長がより効果的である。   予熱効巣.徐冷効果はむしろ消費量の増加により多く支配され  る。 3、全体の類型化、四段に分けることが出来よう。第唱段は火袋に  於ける準備燃焼、第二段は三ノ聞位までの初期焼焼、第三段は五  ノ聞位までの中期燃焼、窮四段は後期焼焼であって、中期燃焼以 後は季節の麦配が少い。季節変化ほ低温、高温、多湿の三型とす  る。     五 焼成作業標準の設定  前項の分一称は作業実繕ハに基いたものであって噺実緒旧のよって立つ 作業が技術的に改善の余地を持っているかも知れない。特に火袋の 焚き方には研究課題が存していると想像されるが、この辺は明確で ない。方法としては右のごときが妥当しさうである。そして第十、 十︸表によって算定出来るのは︸登通算の値である。通算の限りに 於てはこの算式が利用出来る。  焼成は四買血に亘り、冷却は四乃至七日に亘る長期間の作業であ って.管理の機会を間断なく得るのが望ましい。このためには.通算

(18)

言忌別僥成

第+二表 2つ。 3 2 1 番 目  82. 47 110.OO 十27. 53 +25.00 63.88 61. eo −2. 88 40.45 36. 00 ”4. 45 107.47 204.80 v2.00 6エ.88 一5.00 35. 45

値値異止止値計

    防防目合

三際

       平

    降昇正階

平筆差下上修段

による総額標塗・でなく。さ らに細部に及ぶところの段 階標准を立てるとよい。こ れは季節的に異る型をもつ ている。次一の図は三つの類 型に分けて消費旦里と焼成時 間の変化を観察している。  太点線で描かれている四 月に闘する前表横算による ラインが綺麗な断物線であ るのは各段階の個別性を均 した結果によるから..四月 平均線と呼ぶことが出来よ 湿度が少く. 季節の特徴に応じた並走甥修正数が必要となる。 例は次のごとし  即ち、四月は低温期型であって、分析の項で述べた予熱効果を上 げるための繰上燃焼とその余熱の利用があるので、これを修正すれ       信楽窯業に於.ける燃料費の研究 この線に対して.細点線で描かれた実際線は多分に乱れている    気温が上る程実際線は平均的盛物線に接近するここに        四月についての一 ばよい。例示の修正値は雪曇に裁可で.厳密にはヵ戸リー計算に基く 熱管理計算二於ける熱精算に相当する。時間についても同様である     六 実際作業の比較、差異分析 ◎差異絶対傭胴の分課。  段階に分けて帆走された標準値を評価して焼成原価の形で実際原 価と比較する方法により,段階毎の標澁差異を算出すると、不能率 の原因の所在が限定されて発見の手がかりとなる。前述の方式はこ の目的を狙ったものである。原因の種類は差異の大いさによって、 熱効果の一般的仮定的状況を考え併せることによって確定出来る。 ◎製品単位宛標準による相対的差異の分析。  焼成作業の艮否は仕損率の大小を麦配することが大である。即ち 良品傘が低下すると単価が贈魅する関係にあるので、良品率の向上 を図ることは原価財の消費節約と同様に重要である。  仕損は次のごとくに発生する。 ユ、冷割  急冷による亀裂である。平均二三・︸%0 2、キレ  成型工程に於いて接着不充分なりしため、及び、急熱  急冷による。平均二一・二%。 3、ブリモノ  窯の天井.上積製晶、サヤ等から雑物が落下する  ので、製品上面が汚損されるもの。窯詰不良が主因といわれる。        八一

(19)

      信楽窯業に於ける燃料費の研究  平均一八・一%。 4、ノゲ  施糟に起因するものか。平均一一・五%。 5、色落  施粕及び焼成の影響。平均七・九%。 6、ツキ  主として詰め、次で焼成に因がある。この平均六・八%。 7、緬飛び  施粘と温度に支配されるところ大である。平均四.  八%。 8、タレ  焼成に於ける過熱で粕薬が不充分であったとき。平均  三・七%。 9生焼  混度調整を誤ったことによる。平均二・九%。  右のA口計一〇〇%は製品総量の二〇%に相当し、仕損品総量の三 三%になる。  仕損晶の大半は手直しによって商品として販売せられる。従って 補修養が仕損費として計上され,仕損品の原価は製品原価に算入さ れるQ差異原因は大体に於て仕損区分によって明瞭であるので、仕 損原因を含む工程に仕損品原価を振替えるとよい。焼成費について もこの処置をするので焼成費の単位宛額は仕損分の割掛を含まぬこ とになる。      ︵完︶ 八こ      参 考 丈 献  図Φ富尾夢しd鴛器雰90Q霊b勉騨愚Oo奄・駐ピ§①O冨唄団目.&琴審H弓 曾q。誓鴇■客b。ρ鋭ヒdロに9富冥。話筥び霧ご﹂拐一・  菅原菅雄 熱管理計算法 ρ

参照

関連したドキュメント

の知的財産権について、本書により、明示、黙示、禁反言、またはその他によるかを問わず、いかな るライセンスも付与されないものとします。Samsung は、当該製品に関する

2 E-LOCA を仮定した場合でも,ECCS 系による注水流量では足りないほどの原子炉冷却材の流出が考

燃焼室全周が完全に水冷壁と なっています。そのため、従 来の後煙室がなくなりボイラ

燃料デブリを周到な準備と 技術によって速やかに 取り出し、安定保管する 燃料デブリを 安全に取り出す 冷却取り出しまでの間の

モノづくり,特に機械を設計して製作するためには時

テナント所有で、かつ建物全体の総冷熱源容量の5%に満

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱