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長大吊橋における主ケーブル形状管理法の提案

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Academic year: 2022

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長大吊橋における主ケーブル形状管理法の提案

復建調査設計㈱ ○正会員 梅本 幸男

NEXCO西日本北九州高速道路事務所 正会員 山下 恭敬

復建調査設計㈱ 野村 正和、山本 浩一

1.概要

供用後41年を経過した関門橋(写真-1:L=178+712+178m)においては、今後の健全性を維持していく目 的で、4年前から約10ヶ年計画で全面塗装工事を実施している。この工事においてはブラスト時の塵芥飛散 防止として補剛桁全体を足場で覆うことにしたが、その重量が4.4tf/mになり、足場の設置範囲によっては風 の影響だけでなく補剛桁のたわみ量や主塔の倒れ量が大きくなるなど異常な変形を示し安全性をも脅かす可 能性も予想された。そのため、同時施工可能な範囲を事前に検討し工事を実施するとともに、施工中の安全確 認のために足場により遮蔽されない主ケーブル位置で標高等の形状測定を行い管理している。

一方、解析検討の結果によれば、主ケーブルは補剛桁に比べ異常時に標高変化が大きく出現することも確認 できたことから、主ケーブルの形状管理は吊橋の管理手法として有効であるものと考え提案するものである。

2.塗装足場設置範囲の検討結果と安全性確認の手法

いくつかのケースを想定し解析した結果、図-2に示す足場設置範囲であれば同時施工であっても過大な応 力を発生させないことが確認できた。施工時には形状管理をすることにより安全性を確認することにしたが、

従来から測定してきた補剛桁部は足場で完全に覆われてしまい計測できない(図-1)。そこで、新たな試みと して、主ケーブル格点バンド位置の標高を測定して形状管理をすることを検討した。

キーワード 長大吊橋,主ケーブル形状計測,維持管理手法,変状検知手法

連絡先 812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東3-12-24(博多駅東QRビル) 復建調査設計㈱ TEL092-471-8324

(塗装足場)

従来の 形状測定箇所

写真-1 関門橋(下関側より)

図-1 断面・足場設置状況

図-2 塗装足場設置状況と補剛桁のたわみ変位量 712m

178m 178m

たわ(㎜

塗装足場

Lc/4

断面図 26,000 形状測定箇所

26,000 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑673‑

Ⅰ‑337

(2)

3.主ケーブル形状の測定法

主ケーブル格点にはケーブルバンドが取り付いており、主ケー ブルの中心軸位置を容易には計測できない。そこで、ケーブルバ ンドに取り付けられているハンドロープ支柱にプリズムを設置 し、基準点から自動追尾測距儀で視準して標高を含む3次元座標 を測定することにした(写真-2)。

測定は1格点当り約 10 分とし東西主ケーブルを同時に行い、

MAT-S法1)により活荷重無載荷標高値を算出した。

4.主ケーブルと補剛桁の標高変化の比較

主ケーブルと補剛桁の同一格点を同時測定した結 果、両者は載荷活荷重によってほぼ同じようなたわ み変位をしていることが確認できた(図-3)。

この結果は、これまで形状管理してきた補剛桁の 標高の代わりに主ケーブルの標高を確認することに より、形状管理したとしても問題ないことを示して いる。

5.主ケーブル形状を測定する意義

中央径間中央点(Lc/2点)付近のハンガーロー プが破断した状態(活荷重無載荷時)を想定したシ ミュレーション結果によれば、近傍の主ケーブルと 補剛桁の標高変化は図-4のようになった2)

この図から、当該格点直下の補剛桁には9mmのたわみ(下方 向)が発生するものの、当該格点の主ケーブルでは補剛桁の約5 倍に相当する43mmの浮き上がりを示していることがわかる。桁 のたわみは極めて微小であることから、この変化量が計測できた としても異常値と判別することは困難であることが想定できる。

しかし、これに比べ主ケーブルの標高変化量は大きいことから、

確実に検知でき異常値と判断できる可能性も高いといえる。

このことから主ケーブル標高計測は、吊橋の異常を検知しやすい可能性を有していることが確認できた。

6.まとめ

塗装工事の足場は補剛桁死荷重(中央径間:19.8tf/m)の約22%に相当する重量になるため、段階的な部分 施工で実施し、さらに形状変化を確認することにより施工期間中の安全性を確保している。今回採用した主ケ ーブル計測においては、主ケーブルの標高変化が補剛桁の標高変化とほとんど同じ動きをしていることが確認 できた。一方、解析値ではあるが、ハンガーロープその他吊部材や吊点部に異常が発生した場合には、主ケー ブル標高が補剛桁に比べ大きく変化することも確認できた。これらのことから、今後の形状管理の一手法とし て、異常を検知しやすい可能性を有している主ケーブルの形状計測を提案するものである。

参考文献

1) 楠根、山下、梅本:MAT-J計測法による長大吊橋の維持管理手法の提案、平成25年度年次学術講演会 Ⅰ-384

2) 楠根、河野、梅本:MAT-S計測法による長大吊橋主ケーブルの形状管理法の提案、平成26年度年次学術講演会 Ⅰ-539

198kN 大型車

破断

図-4 ハンガー破断の想定解析図 43.3mm

9.0mm

写真-2 主ケーブル形状の計測状況

図-3 Lc/4点の主ケーブルC・補剛桁Kの標高計測値 プリズム

基準点 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑674‑

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参照

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