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厳しい塩害環境において架替え後 15 年が経過した PC 橋の健全度調査

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Academic year: 2022

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厳しい塩害環境において架替え後 15 年が経過した PC 橋の健全度調査

日本大学工学部 学生会員 ○渡部裕貴 日本大学工学部 正会員 子田康弘 日本大学工学部 正会員 岩城一郎

1.はじめに

近年,道路橋の撤去・架替えの事例が徐々に増えつつある1)。しかし、架替えに要する費用や迂回路の確保など を考慮すると、経年劣化した道路橋を補修し、さらに長期間にわたって供用せざるを得ない現状にあると考えら れる。更新が厳しい昨今の社会情勢を考えると、橋梁の状態を定量的に調査することにより、状況に応じた対策 を施すことが必要となる。本研究では、実道路橋の実状を把握することを目的とし、1)塩害環境下にある架替え後 15年が経過した道路橋の健全度調査を行った。

2.調査概要

調査対象橋梁は、山形県鶴岡市温海地区に架かるA橋である。本橋梁は、道路橋であり、1965年に建設され、

供用開始後34年で架替えに至った。架替えに至った経緯は、冬季の日 本海側からの非常に強い季節風で飛来塩分や風浪により海岸から波し ぶきが直接橋梁にかかるという厳しい塩害環境にあり、著しい塩害に よって架替えを余儀なくされたものである。そして、架替え後15年が 経過した新橋においても塩害の影響を受けている現状にある。本橋梁 の構造形式は、上部が単純PCポステン箱桁橋、下部は逆T式橋台であ る。図-1に、一般図、図-3に、断面図をそれぞれ示す。図より、橋長 は35000mm、支間長34100mmであり、箱桁内部は 2 室の構造になって いる。調査項目は、実験室における橋台(旧 A1 橋台、現A1橋台)と下 フランジのコアの圧縮強度とヤング率の測定、および現地における 上部工外面と箱桁内面のリバウンドハンマーによる推定圧縮強度測

定とTorrent法による透気試験による透気係数測定とした。なお、透

気試験結果は、測定値に基づきグレーディング評価とした。

3.調査結果及び考察

図-3に、圧縮強度とヤング係数の関係を示す。図中には設計 用値も合わせて示した。一般に圧縮強度が高くなるにつれ、ヤ ング係数も高くなる。しかし、静弾性試験を行った結果、圧縮

強度が40MPaを超えると、ヤング係数が設計用値に満たない結

果を示した。この原因としては、本橋コンクリートの粗骨材に 低品質の粗骨材が混じっており、モルタル分のヤング係数が増 しても粗骨材がそれに見合ったヤング係数を発揮することがで きないためと考えられる。図-4と図-5に推定圧縮強度分布を示

す。図より、上部工外面は、下フランジ、側面において橋梁中心部分の強度が低い値を示した。

10000

2100 d ca bd’ c’ b’a’ 2100 2000

海側 山側

図-2 橋梁断面図

橋長35000mm 桁長34900mm 支間長34100mm

橋長35000mm 桁長34900mm 支間長34100mm

図-1 一般平面図

20 25 30 35 40

20 25 30 35 40 45 50 55 60

グ係数(GPa )

圧縮強度(N/mm2) 旧A1橋台 現A1橋台 下フランジ

図-3 圧縮強度とヤング係数の関係

キーワード: 静弾性試験 圧縮強度 ヤング係数 リバウンドハンマー 透気係数 連絡先:福島県郡山市田村町徳定字中河原 1 電話:024(956)8721

V-10

土木学会東北支部技術研究発表会(平成24年度)

(2)

また、箱桁内面は、両桁端部と下面の強度が比較的低く、全体的には山側箱桁内面の方が海側箱桁内面よりも強 度が低い傾向であった。このように強度分布にムラがあるのは、本橋の目視観察よりコールドジョイントが多数 発生していることから、コンクリートの品質低下が施工時においても生じた可能性がある。次に、図-6と図-7に、

透気試験結果に基づくグレード評価結果を示す。なお、図左側のアルファベットは位置関係を示しており、図-2 を参照されたい。図中の数値がグレードであり、5段階評価で数値が大きい程表層品質が劣ることを意味している。

図より、上部工外面では、山側にグレードが低い箇所が見られ、側面の 1 箇所は測定が不能であった。また、箱 桁内面は、桁端面、下面にグレード4という低い箇所が測定された。一般的にPC橋は、圧縮強度が高く密実であ り、コンクリートの透気性が低いと言われており、通常グレードは1か2である。しかし、本橋梁は、低品質骨 材の使用と施工時の締固め不足などで総じてグレードが低い傾向といえ、今後の維持管理上、塩分といった劣化 因子の侵入には十分留意する必要があるといえる。透気試験に関しては、グレードの低い箇所(初回測定で4以上 の箇所)を中心に再調査を実施した。その結果、初回よりも1〜2ランクグレードが良くなる傾向となり、透気試験 による表層評価では変動を考慮して品質を評価する必要があると考えられた。ただし、上部工外面の測定不能箇 所は再測定しても結果が変わらず、本橋梁における脆弱箇所の可能性があり、管理の上では注視箇所と考えられ た。

4.まとめ

本研究では、厳しい塩害環境下にある橋梁の健全度調査を行った。その結果、圧縮強度40MPa以上でヤング率 は設計用値よりも明らかに低く、低品質骨材の使用が原因と考えられた。さらに、推定圧縮強度分布および透気 グレードからも脆弱箇所が点在(特に山側)していることが分かった。今後の維持管理上の注視箇所と考えられる。

参考文献1)山田瞬,子田康弘,岩城一郎:融雪剤の影響を受けて劣化した実PC橋の劣化度診断,土木学会第65

回年次学術講演会,pp.375-376,2010.

図-5 リバウンドハンマー 箱桁内面

CL 3

3 3

3 3

33 3

3

3 22

2 22

2 2

2 2

2 2 2

2

2 2

2 2

3

1

1 21 3

2

22 2

2

2 2 2

2

2 2

2 2

2

2 2

33

3

3 3

3

3 3 3

4 2

13 2

2

1 3

2

新潟側 鶴岡側2

a b c d a’

b’

d’

c’

海側山側

図-7 透気グレード 箱桁内面 図-6 透気グレード 上部工外面 図-4 リバウンドハンマー上部工外面

62 59 56 53 50 47 44 41 38

張出床板張出床板主桁側面 (海側)主桁側面 (山側)主桁下面 10000mm

35000mm

新潟側 鶴岡側

CL

張出床板出床主桁側面 (海側)主桁側面 (山側)主桁下面 10000mm

35000mm 3

不 2

2

2 2

2 22 2

3 3

3 3

3 3 3

3 3

3 3

3 3 3 3

3 3 4 4

2

5 3 3 33

4 2 2 2

2 22 3

3 2

新潟側 鶴岡側

CL

a b c d a’

b’

d’

c’

新潟側 鶴岡側

海側山側

CL

土木学会東北支部技術研究発表会(平成24年度)

参照

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