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白鳥大橋主塔に生じた風方向振動に関する実験的検証

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Academic year: 2022

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白鳥大橋主塔に生じた風方向振動に関する実験的検証

東京大学工学部社会基盤学科 学生会員 ○稲陰 亮介 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 正会員 水谷 司 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 フェロー 藤野 陽三 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 学生会員 古宇田 剛史

1.はじめに

北海道室蘭市に位置する白鳥大橋では常時,風速・風向および主塔加 速度のモニタリングが行われている.著者らのグループの既往研究によ り,橋軸直角方向の風に対して,主塔面外方向にはバフェッティング振動 が生じるのに対し,主塔面内方向,つまり風方向には風速約 13~17m/s で は 0.6Hz が,風速約 17~24m/s では 0.8Hz の振動数が卓越する調和振動 が発生していることがわかった.本研究では新たに観測したデータを加 えて分析し,この風方向振動の発生条件を明らかにするとともに,風洞 実験を行いそのメカニズムを解明することを試みた.

2.観測データとその分析

本研究で対象とする観測データは,既往研究で分析さ れている 6 日間分と今回新たに追加した 5 日間分の合計 11 日間分の風向・風速データである.また得られた 10 分間の観測データを細かく分割し,その時間区分での平 均風速・平均風向および面内方向の調和振動特性の関係 を分析した.その結果を図-2 に示す.

風速については約 20m/s を境に,卓越振動数が 0.6Hz から 0.8Hz に遷移しており,遷移領域において混合型の 振動が確認できる.風向については,およそ±10°の範 囲内でランダム振動が支配的になっているのに対して,

それより外側の領域で卓越振動数をもつ調和振動が発 生していることが確認できる.

3.風洞実験

分析の結果に基づき白鳥大橋主塔の1/30ス ケールの 2 次元弾性模型を用いた風洞実験を 行い,風方向振動のメカニズムを調べた.図-3 に示すように模型はアルミ板バネで支持し,塔 面内方向にのみ振動するよう設計した.風速0

~約6m/s,風向0~40°で風を吹かし下流側

主塔模型の変位を計測し,得られた風速・風向と振動変位RMS との関係を実観測データと比較した.結果を図-4に示す.なお

風洞風速は実風速に換算し比較した.これを見ると実主塔観測データ・風洞実験結果ともに風速約17m/s,風

向約17°で振動振幅が最大になっており,風洞実験の整合性が確認できた.

キーワード 白鳥大橋,風向方向振動,調和振動,追加データ

連絡先 〒113-0033 東京都文京区本郷 7 丁目 3 番 1 号 東京大学本郷キャンパス一号館 TEL03-5841-6099 図-1 白鳥大橋

-2平均風速・平均風向および面内方向の調和振動特性

図-3 模型概要とバネ支持部 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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また,風向 15°のときの振動変位のパワースペクトルを図-5 に,

下流側主塔模型を取り除き上流側主塔のみで風を吹かして振動変位 を計測した結果を図-6 に示す.図-5 を見ると模型の固有振動数の他 に風速と共に大きくなる渦の振動数が確認できる.また図-6 を見る と主塔模型単独時の実験では振動は起きていない.以上のことから,

白鳥大橋主塔に生じた風方向振動は上流側主塔の後流に発生した渦 による渦励振であることがわかった.

次に,実際の主塔に接続されているケーブルなどの影響を考慮する ために模型の質量を大きくして同様の実験を行った.2 つの模型を接 続しているアルミ板の上に重りをのせ,全体の質量が 1.5 倍・2 倍に なるよう調整し風による振動変位を計測したところ図-7 のようにな った.風向 10°以外(代表として風向 15°時のものを図示)では模 型質量を大きくすると振幅が小さくなるものの振動は残っており,質 量を大きくしても執拗に残る振動であることがわかる.また風向 10°

のときの結果を見ると振動が残っているどころか大きくなっている.

風向 10°のときのみこのような結果となることは不自然であり再実験の 必要がある.

4.まとめ

本研究では以下の結論を得た.

1)風速約 13~24m/s で風方向の調和振動が発生しており,その卓 越振動数は風速 20m/s 以下で 0.6Hz,以上で 0.8Hz,中間の風 速帯では 2 つの振動数が混在する.また,橋軸直角方向を中心 に±約 10°の風向のとき調和振動は発生していない.

2) 風洞実験によりこの風方向の調和振動が上流側主塔の渦によ る渦励振であることがわかった.実験結果は観測データと一致 しており実験の整合性が示せた.

参考文献

1) 岡内功, 伊藤学, 宮田利雄: 耐風構造, 丸善.

2) 藤野陽三, Dionysius Siringoringo, 古宇田剛史: 振動モニタリ ングデータに見られた吊橋主塔の風向方向調和的振動, 日本風 工学研究会誌(127), pp147-148, (2011-4).

-4 風速・風向と振動振幅の関係

図-5 風向15°のときの変位パワ ースペクトル

図-6 上流側主塔単独実験時の振 動変位RMS

-7 模型質量による振動変位 RMS 変化(上:風向15° 下:風向10°)

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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参照

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