• 検索結果がありません。

腐食した実鋼橋部材の曲げ耐荷力実験

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "腐食した実鋼橋部材の曲げ耐荷力実験"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

腐食した実鋼橋部材の曲げ耐荷力実験

東京都立大学大学院 学生会員 ○塚田 祥久 東京都立大学大学院 正会員 山沢 哲也 東京都立大学大学院 正会員 野上 邦栄

法政大学 正会員 森 猛

1. 背景・目的

 鋼構造部材が腐食減厚すると強度や剛性が低下し,構造物の保有性能が低下する.このとき腐食した構造物 の保有性能が要求性能を上まわっているかどうか適切に評価する必要があるが,このような鋼橋の健全度の評 価方法は未だ確立されていない.

 このような研究状況において,実際に数十年もの間,腐食環境下におかれた鋼部材について腐食形状を計測 し,実験的に部材の残存耐荷力を把握した例は極めて少ない.そこで本研究では,腐食が鋼部材の耐荷力に及 ぼす影響を把握することを目的に,架設供用後40年を経過した実橋梁を対象とし,実験的に検討を行うことと した.

 まず,本研究室が新たに開発した腐食形状の計測装置(表面粗さ自動計測機)を用いて,腐食状況を調査し た.次に,油圧式試験機を用いて,四点曲げ耐荷力実験を実施し,曲げ部材としての残存耐荷力を把握した.

以上の腐食形状計測と耐荷力実験により,残存耐荷力と腐食量・腐食形状との関係について明らかにする.

2. 供試体

 銚子大橋は,

5径間の連続トラス橋部(407.4m)と

両 取 り 付 け 部 の 鈑 桁 部

(

波 崎 側

[email protected]

・銚子側138.6m+134.7m) とからなる橋長1203mの長大橋である.設置環境 は,利根川の最下流(河口部)に位置しているこ とよって,常時海岸風が強く,塩害などの影響に

より腐食環境が厳しい.架け替えにより撤去された部材は,溶接

I

型断面(外法高さ

200×フランジ幅 180

×板

9mm)を有する全長 6m

の部材である.実験を行うにあたり,それらを全長

2.4m

に切断し,曲げ供試体とし

た.

 6体の供試体を表

1 のように,塗装上からの目視で腐食の程度によって,塗装上からでもフランジに波状の

腐食がみられる

Aランクから,中庸の腐食が認められる Bランク,ほとんど腐食が見られない Cランクの 3

段 階に分類した.

A

ランク部材の

1体(A51sd)は横支材,その他の 5

体は上横構である.なお,表中の部材の「数 字」は格点番号を,「u」,「d」は各々上流側および下流側を意味する.

3. 表面腐食形状および残存板厚計測

 曲げ耐荷力実験に先立ち,はじめにケレンおよびブラスト処理の塗装剥離を行った上で,各腐食部材の腐食 形状・残存板厚特性を表面粗さ自動計測機によって計測した.この表面粗さ自動計測機は,1000mm(X)×

1000mm(Y)× 30mm(Z)の立体空間の表面形状を分解能 3mm

のレーザー変位計により計測可能である.本研究

では,供試体の長さが

2400mm

のため,800mmずつ3分割して,1mm間隔で計測を行った.

 レーザー変位計は,所要の計測範囲外となると,測定範囲外の旨の電流値をとる.断面欠損部分については,

この異常値部分を用いて評価した.フランジの残存板厚については,ポイントマイクロメータによる板厚の計 測も行った1)

 全

6

体の計測,算出結果を表

2 にまとめる.各供試体のフランジ約 480

データ・ウエブ約

436,800

データの 残存板厚の平均値を平均残存板厚ta

とし,各部材全体の平均残存板厚を t

a とする.上下フランジの残存板厚は ポイントマイクロメータの計測値で表記している.一方,表面腐食深さは,健全時表面を基準とした表面深さ

Key Words: 腐食,曲げ部材,耐荷力,曲げ耐荷力実験

192-0364 東京都八王子市南大沢 1-1

Tel:0426-77-1111(Ext.4562), Fax:0426-77-2772

Aランク 著しい腐食 A5051d A51sd

Bランク 中庸の腐食 B1617u B5354d B5554d Cランク ほとんど腐食なし C1516u

腐食程度 供試体名

1 腐食供試体の分類

(2)

を示している.各供試体のフラ ンジ約

432,000データ・ウエブ約 436,800データの表面腐食深さの

平均値を平均表面腐食深さ

t

d

し,各部材全体の平均表面腐食 深さを

t

dとした.また,各供試体 の標準偏差も示した.

 図

1 ,

2 は,供試体のランク

ごとに横軸に ta

,t

d

,

を,縦軸にそ れらの標準偏差をとったもので ある.図1 は,標本数が少ないた め,バラツキが大きくなってい

るが,図

1 ,

2 とものいずれも t

a および td とそれらの標準偏差とが線形関係にあることがわかる.また,腐

食の激しいAランク材は,腐食量,標準偏差ともに高い値を示しており,腐食速度は部位によって大きく異な る.

4. 曲げ耐荷力実験

 実験供試体および測定装置類の設置を図3 に示す.実験は,

800mmの等曲げ区間を有する四点曲げ実験を行った.載荷点

および支承部には,それぞれ載荷板・支承版および補剛材を 設け,支承版・補剛材についてはエポキシ系接着剤にて固定 した.載荷装置には,載荷容量1000kN,ストローク

400mmの

サーボ式ジャッキを用い,変位制御にて漸増載荷した.

 図

4 は,各供試体の最大荷重 P

u

と式(1)のように定義した

有効板厚の関係を表わしたものである.本研究では,補正係 数を腐食において一般的に使われる

2.0

を用いた.

( ) t

e

= − t

a

β β s ( : = 2.0 )

有効板厚 補正係数 ・・・・

(1)

線形関係を得た.よって,曲げ耐荷力は,有効板厚を用いることで評 価できる.

5.

まとめ

(1) 平均残存板厚および平均表面腐食深さとそれらの標準偏差とは,

形関係になる.

(2) 曲げ耐荷力と有効板厚との間に, P

u

= 27.71t

e

+ 197.68 という線形関

係を得た.

6. 参考文献

1) 塚田祥久・佐々木信智・山沢哲也・野上邦栄:表面粗さ計測機によ

る腐食形状の計測に関する一考察

,

土木学会年次学術講演会

,

59

,

-126,2004.9

L= 2400

=80

200

P/2 P/2

200 600 800 600 200

200

180

99

9

182

85.5 85.5

Displacement transducer (vertical) Displacement transducer (out-plane)

φ

3 供試体設置図

上フランジ 下フランジ ウェブ 平均 t(s) 上フランジ 下フランジ ウェブ(上流) ウェブ(下流) 平均 t(s)

A5051d 5.154 (1.740) 4.916 (2.149) 8.578 (0.403) 6.216 (1.431) 1.915 (1.787) 1.374 (1.228) 0.311 (0.438) 0.110 (0.368) 0.928 (0.955) A51sd 5.522 (2.216) 6.575 (1.915) 8.322 (0.900) 6.806 (1.677) 1.195 (1.001) 0.786 (1.100) 0.601 (1.170) 0.077 (0.630) 0.665 (0.975) (B1617u) - - 8.906 (0.237) 8.906 (0.237) 0.186 (0.530) 0.102 (0.555) 0.065 (0.247) 0.029 (0.226) 0.096 (0.390) B5453d 8.642 (0.990) 7.342 (2.110) 8.691 (0.524) 8.225 (1.208) 0.401 (0.667) 0.667 (0.861) 0.112 (0.356) 0.197 (0.691) 0.344 (0.644) B5554d 8.476 (1.117) 7.829 (1.382) 8.189 (0.596) 8.165 (1.032) 0.325 (0.700) 0.298 (0.476) 0.049 (0.410) 0.762 (0.781) 0.358 (0.592) (C1516u) 9.123 (0.135) 8.642 (1.242) 8.893 (0.262) 8.886 (0.546) 0.146 (0.240) 0.470 (1.029) 0.094 (0.278) 0.013 (0.246) 0.181(0.448)

平均残存板厚 ta (標準偏差 s) [mm] 平均表面腐食深さ td (標準偏差 s) [mm]

表2 各供試体の平均残存板厚と平均表面腐食深さおよび標準偏差

1 標準偏差と残存板厚の関係

s = -0.4383ta + 4.5113 R2 = 0.7177

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 平均残存板厚 ta  [mm]

標準 s [mm]

Aランク Bランク Cランク

s = 0.7332td + 0.3531 R2 = 0.8163

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 平均表面腐食深さ td [mm]

偏差 s [mm]

Aランク Bランク Cランク

2 標準偏差と表面腐食深さの関係

Pu = 27.71te  + 197.68 R2 = 0.996

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 有効板厚t:β=2.0 [mm]

大荷重 Pu [kN]

A5051d A51sd B5453d B5554d (C1516u)

4 最大荷重と有効板厚の関係

参照

関連したドキュメント

石川工業高等専門学校  正会員 ○三ツ木  幸子 綜合技術コンサルタント    正会員    金銅    晃久 巴コーポレーション  正会員    酒井    武志 大阪市立大学大学院    正会員    山口   

○東北大学大学院工学研究科 学生会員 山口 裕矢  東北大学大学院工学研究科 正会員 高瀬 慎介  東北大学災害科学国際研究所 正会員 森口 周二  東北大学災害科学国際研究所 正会員

(株)コムスエンジニアリング 正会員 ○土屋 智史 東京大学大学院 正会員 本庄 勇治 東京大学大学院 正会員 石原

東京大学大学院 学生会員 ○山地 毅彦 東京大学大学院 正会員 布施 孝志 東京大学大学院 正会員 清水

首都高速道路公団 正会員 臼井 恒夫 首都高速道路技術センター 正会員 木ノ本 剛 JFE技研 正会員○栗原 康行 首都高速道路技術センター 正会員 津村 直宜

西日本高速道路株式会社    正会員    緒方  辰男  西日本高速道路株式会社    正会員  ○福田  雅人  三井住友建設株式会社    正会員    永元  直樹  三井住友建設株式会社    正会員    浅井 

室蘭工業大学大学院 博士後期課程 ○正 員 赤代恵司 (Keiji Shakushiro) 独立行政法人土木研究所寒地土木研究所 正 員 三田村浩 (Hiroshi

宇都宮大学 学生員 笠松 正樹 宇都宮大学 正会員 中島 章典 宇都宮大学 正会員 斉木 功.