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砂と粘土の互層凍土梁の曲げ実験 精研 技術本部 正会員 ○姜 仁超

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Academic year: 2022

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(1)

三等分点載荷

100 100 100

400

歪ゲージ 100

h1h2 100

粘土 粘土

変位計

図1 互層凍土梁の曲げ実験の模式図   (砂引張型合成凍土梁の場合)

ε=0.12~0.17%/min 実験温度:-10℃

図2 荷重~たわみ曲線の例(1)

0 1 2 3 4 5

0 10 20 30 40 50

たわみ(mm) 砂100

砂65/粘土35 砂50/粘土50

砂35/粘土65

重ね梁 砂50/粘土50

粘土100

荷重(kN)

図3 荷重~たわみ曲線の例(2)

0 1 2 3 4 5

0 10 20 30 40 50

粘土65/砂35 粘土50/砂50 粘土35/砂65

たわみ(mm) 砂100

粘土100 重ね梁

荷重(kN)

砂と粘土の互層凍土梁の曲げ実験

精研 技術本部 正会員 ○姜 仁超 精研 技術本部 正会員 上田 保司 精研 技術本部 正会員 生頼 孝博

1.はじめに

地盤凍結工法において、砂と粘土の互層地盤での造成凍土厚みを設 計する場合は、均質な砂質土凍土または粘性土凍土として扱っている。

このような設計でも適切な安全率を用いることによって、凍土の安全 を確保できるが、より合理的な設計の為には、互層凍土の力学特性を 十分反映できる実験および解析手法の開発が望まれる。その第1段階 として、実験により互層凍土梁の力学特性を調べた。

2.供試体作製と実験方法

供試体としては、豊浦硅砂凍土と藤の森青粘 土凍土(以下、砂・粘土と略称)を凍着させた 合成凍土梁、凍着させずに両者を重ねただけの 重ね凍土梁、そして砂または粘土単独の凍土梁 である。合成凍土梁の砂層と粘土層は層厚の占 める割合(砂/粘土)(%)が 65/35、50/50、35/65 の三種類とした。

図1に、互層凍土梁の曲げ実験を模式的に示す。図のように砂凍土を引張 側に配置した場合を砂引張型合成凍土梁、逆の場合を粘土引張型合成凍土梁 と呼ぶ。供試体の上端面と下端面および側面にひずみゲージを貼付け、経時 変化を計測した。支持台に設置した変位計で、梁中央部たわみを計測した。

なお、曲げ実験結果分析の際の参考にする為に、合成凍土梁の砂凍土層と 粘土凍土層の境界面のせん断実験を追加した。

3.実験結果

写真1に合成凍土梁、写真2に重ね凍土梁の破壊状況の例を示す。合成凍 土梁は2つの層を貫通する1本のクラックが生じて破壊したが、重ね凍土梁 は砂凍土及び粘土凍土それぞれで別々の箇所にクラックが生じて破壊した。

図2に砂引張型合成凍土梁の荷重~たわみ曲線の実験結果の例、図3に粘 土引張型合成凍土梁の荷重~たわみ曲線の実験結果の例を示す。両図には、

比較のために砂凍土梁、粘土凍土梁、重ね凍土梁の曲線も記入した。印で 比例限界点(合成凍土梁は粘土凍土か砂凍土のどちらかの応力が比例限界応 力に達した時点)を、印で最大荷重点を示す。最大荷重及び比例限界荷重 を比較すると、大きい方から砂凍土梁、合成凍土梁、粘土凍土梁、重ね凍土 梁の順となった。

図4に粘土引張型合成凍土梁(粘土 65/砂 35)の横断面におけるひずみ

計測値の分布例を荷重別に示す。例示した荷重 19.90kN は最大荷重、9.01kN は比例限界荷重である。

キーワード 互層凍土,曲げ実験,降伏応力,ひずみ,たわみ

連絡先 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町2丁目11番16号 ㈱精研 技術本部 TEL06-6768-5031

(曲げ破壊) 歪ゲージ 粘土

変位計

写真1 合成凍土梁の破壊状況 三等分点載荷

(曲げ破壊) 粘土 歪ゲージ

変位計

写真2 重ね凍土梁の破壊状況 三等分点載荷

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-695- 3-348

(2)

(引張側) (圧縮側)

図心軸 中立軸

粘土 粘土

2.65

2.50 1.06

4.49 2.65

1.06 0.45

4.15 2.65

0.20 0.46

4.09 (65/粘土35) (50/粘土50) (砂35/粘土65)

図6 砂引張型合成凍土梁の断面応力分布

(降伏応力値) (N/mm2)

実験によって得られた砂凍土層と 粘土凍土層の層境面のせん断強度は 1.46~1.65N/mm2であった。

4.考察

1)層厚割合及び配置位置の影響 図5に図2~3で示した合成凍土 梁の砂層層厚割合と最大荷重及び比 例限界荷重の関係を示す。同図に単 体及び重ね凍土梁のデータも記入し た。合成凍土梁の比例限界荷重は粘

土凍土梁よりも大きいので、設計的には、全層厚みを弱土層(粘土) と考えるよりも大きな耐力が期待できる。

また、合成凍土梁は砂層層厚割合が大きいほど荷重は大きく、強 度的に強い土層(砂層)の影響が現れている。同じ層厚割合の場合は、

砂引張型合成凍土梁の荷重は粘土引張型合成凍土梁より大きく、弱 土層が圧縮側に配置された方が耐荷能力は増すことが分かる。

2)合成凍土梁の最弱部位の把握

合成凍土梁の断面にある粘土凍土と砂凍土のうち、どちらかの 応力が比例限界応力に達した時点での応力解析を行った。図6は 砂引張型互層凍土梁の層厚割合別の断面応力分布状況であり、全 ての層厚割合において粘土凍土が先に(圧縮)比例限界応力に達 したことが分かる。図7は粘土引張型互層凍土梁の層厚割合別の 断面応力分布状況であり、全ての層厚割合において粘土凍土が先 に(引張)比例限界応力に達する。すなわち、合成凍土梁の降伏は 粘土凍土の降伏から起こると考えられ、合成凍土梁の耐荷能力は 強度的に弱い土層(粘土)の方の影響が大きいといえる。

図4に示したひずみ計測値によって、比例限界荷重以下の荷重を受ける場合、梁断面のひずみが直線分布で あること、図6及び図7の解析による中立軸位置はひずみがゼロとなる点を中立軸位置として決めた実験結果 とほぼ一致することを確認した。なお、図5に示した合成凍土梁の比例限界荷重が、同じ砂層層厚割合では砂 引張型の方が粘土引張型よりも大きくなった理由は、粘土凍土の降伏応力値が図6~7に示したように引張側 が圧縮側よりも小さいためであることが分かる。

3)砂層と粘土層との境界面でのせん断応力及びせん断強度の比較

前項2)で示した比例限界荷重を受ける時点での合成凍土梁境界面に生じたせん断応力の解析値は 0.17~

0.22N/mm2の範囲内であり、実験によって得られたせん断強度よりもはるかに小さい。従って、合成凍土梁で の曲げ破壊は、異なる土質の境界面でのせん断破壊に起因するものではない。すなわち、互層凍土梁は重ね凍 土梁ではなく、合成凍土梁とみなせることが確認できる。

5.まとめ

互層凍土梁の特性は次の通りである:1)異なる土層の境界面でのせん断破壊は生じないので、互層凍土梁 を合成凍土梁とみなすことができる。2)降伏は粘土凍土の降伏から起こる。つまり互層凍土梁の最弱部位は、

強度的に弱い土層である。3) 強度的に弱い土層が梁の圧縮側に配置された方が、合成凍土梁の耐荷能力は増 す。4) 強度的に強い土層の層厚割合が大きいほど、合成凍土梁の耐荷能力は増す。また、全層厚みを弱土層 と考えるよりも大きな耐力が期待できる。

図5 荷重~砂層層厚割合 0

10 20 30 40 50

0 20 40 60 80 100

砂100(最大) 砂100(比例)

砂引張型(最大) 砂引張型(比例)

粘土100(最大) 粘土100(比例) 粘土引張型(最大) 粘土引張型(比例) 重ね梁(最大) 重ね梁(比例)

砂層層厚割合(%)

荷重(kN)

(粘土65/35) (粘土50/50)

(粘土35/65) 図心軸

中立軸

粘土 粘土

(引張側) (圧縮側)

3.41

0.39 0.16

2.21 3.46

0.88 0.37

2.21 3.75

2.08 0.88 2.21

図7 粘土引張型合成凍土梁の断面応力分布

(降伏応力値)

(N/mm2) -0.75 -0.25 0.25 0.75

-50 -25 0 25 50

(図心軸)

9.01kN 19.90kN

粘土65/35

断面位置(mm)

ひずみ(%)

(引張縁)

(圧縮縁)

(砂側)

(粘土側)

0

歪ゲージ

 図4 荷重と横断面位置別のひずみ      (粘土引張型合成凍土梁)

-0.75 -0.25 0.25 0.75 -50

-25 0 25 50

(図心軸)

9.01kN 19.90kN

粘土65/35

断面位置(mm)

ひずみ(%)

(引張縁)

(圧縮縁)

(砂側)

(粘土側)

0

歪ゲージ

 図4 荷重と横断面位置別のひずみ      (粘土引張型合成凍土梁)

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-696- 3-348

参照

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