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砂・粘土互層造成地盤の支持力特性に関する基礎的研究

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Academic year: 2022

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砂・粘土互層造成地盤の支持力特性に関する基礎的研究

佐賀大学大学院工学系研究科 学生会員 ○永尾悠希 佐賀大学低平地研沿岸海域究センター 正会員 末次大輔

1.はじめに

江戸末期に建設された三重津海軍所跡(佐賀市川副町)の遺構に おいて,船渠(ドック)側壁部と推定される護岸遺構や稽古場跡な どから砂と粘土を交互に積み重ねた互層造成地盤が発見された(写 真-1)1).また同時期に建設された築地反射炉(佐賀市多布施)の基 礎部でも同様の造成地盤が発見されている.この工法は有明粘土が 多く堆積している佐賀平野においての明治期以前の軟弱地盤対策 技術の一種と考えられる.そこで,本研究では模型砂・粘土互層地 盤を作製して,その支持力特性を室内貫入実験で検討した.

2.実験概要

発掘調査時の観察により,現位置での砂ならびに粘土の状態はと もに硬質であった1)ため,両材料ともに締め固めて造成されたと推察さ れる.そこで今回の実験では,砂ならびに粘土を層状にかつ交互に締め 固めて造成した砂・粘土互層模型地盤を作製した.実験には真砂土と有 明粘土を使用した.それぞれの物理的性質を表-1 に示す.両試料土と も十分に締め固めて使用されていたと考えられるが,締固め条件は不明 である.そのため事前に締め固めエネルギーを変えた締固め試験をそれ ぞれ行い,条件を決定した.真砂土は標準の締固め試験に準じて試験を 行った.一方で,有明粘土は自然含水比(180%)状態では締固めがで きないので,当時は締固めができる状態にまで乾燥させて使用したと推 察される.そこで,本研究では締固めができる状態まで乾燥させた有明 粘土を用いることとした.今回は一度試料を乾燥させて徐々に含水比を 増やす湿潤法で締固め試験を行った(写真-2).真砂土ならびに有明粘 土の締固め試験結果を図-1 に示す.最適含水比はそれぞれ真砂土

wopt=14%,有明粘土 wopt=45%となったのでこれを締固め時の含水比

とした.作製した模型地盤は砂(Sand)と粘土(Clay)それぞれ単体 の供試体(SおよびC)と,砂・粘土の2層で作成した互層模型地盤(S2

およびC2),4層で作成した互層模型地盤(S4および C4)の6ケース

である(表-2).互層供試体の4ケースでは,砂と粘土の体積割合は すべて1:1とし,供試体6ケースすべて締め固めエネルギーは同じ

(1650kJ/m3) と し た . 載 荷 試 験 は ,CBR 試 験 用 モ ー ル ド

(15cm×17.5cm)内で作製した模型互層地盤に,変位速度(1mm/min)

で標準寸法の貫入ピストン(直径50mm)を貫入する方法で行った.

それぞれのケースで3回本ずつ試験を行った.

表-1 物理的性質

写真-1 三重津海軍所跡で発見され た砂・粘土互層造成地盤

写真-2 乾燥後の粘土 (含水比45%)

III‑029 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3)

‑329‑

(2)

3.試験結果と考察

載荷荷重と貫入量の関係を図-2 に片対数グラフで示 す.最上層が粘土層(C,C2,C4)の結果を比較すると,

粘土単体の供試体(C)と粘土が上層になる2層の互層供 試体(C2)は,降伏荷重は殆どかわらなかった.4層の互 層供試体(C4)は,単体供試体よりも2倍ほど大きくなっ た.これは強度が小さい粘土に比較的強度が大きい砂を挟 んだことにより全体の強さが増したと考えられる.

次に,最上層が砂層(S,S2,S4)の結果を比較すると,

粘土の場合と同様,降伏荷重は砂単体の供試体よりも互層 の条件の場合が大きく,4層の供試体で約 1.5倍,2層の 供試体で約2倍も大きくなった.これは剛性の大きい砂の 下に剛性の小さい粘土を置くことにより,荷重分散が生じ たためと考えられる.

粘土単体供試体の降伏荷重を砂単体供試体の降伏荷重と比 較すると,粘土単体供試体はとても小さいが,砂を挟み 4 層の互層にすることで砂単体の供試体以上の降伏荷重にな っており,互層にすることで十分な強度を得ることができ ると分かった.

4.まとめ

本研究では,砂・粘土互層地盤が支持力特性に及ぼす影響を調べた.その結果,砂・粘土互層地盤には粘土の みの軟弱地盤の支持力を高める効果があることがわかった.

5.参考文献

1)佐賀氏教育委員会:幕末佐賀藩三重津海軍所跡,佐賀市重要産業遺跡関係調査報告書第 1 集,pp.1-

6,p.61,p.79,p.99,p.110,p.118,p.125,2012

図-1 締固め曲線

図-2 荷重-貫入量曲線 表-3 降伏荷重 表-2 供試体ケース

III‑029 土木学会西部支部研究発表会 (2016.3)

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参照

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