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粒径分布の異なる飽和した砂の非排水せん断挙動

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅲ-A35. 粒径分布の異なる飽和した砂の非排水せん断挙動 名古屋大学. 正会員. 名古屋大学. 中野 正樹. 浅岡 顕. 野田利弘. 岩瀬大典. 1.はじめに 砂の力学特性は粒径分布の影響を受けると言われる。本研究では (1)均等係数が同じで粒径の異なる 3 種類 の砂、(2)砂の粒度範囲内で粒径分布の異なる 3 種類の砂、(3) 細粒分も含むシルト質砂を用いて、ゆる詰め、 中間詰め、密詰めの 3 種類の相対密度に対し、非排水 3 軸圧縮試験を実施し、粒径分布が砂の非排水せん断に 及ぼす影響を考察した。. Percent passing (%). 100. 2.均等径で粒径の異なる砂の非排水せん断挙動 表1. 試験に用いた砂は三河珪 砂と呼ばれ、粒径分布の特. 三河珪砂の粒径分布に関するパラメータ. TEST 50%粒径 均等係数 曲率係数 最大間隙比最小間隙比 4. 0.473. 2.219. 0.921. 1.136. 0.748. 徴を表 1、図 1 に示す。均等. 5. 0.292. 2.124. 1.036. 1.139. 0.714. 係数は 2 程度で平均粒径の. 6. 0.103. 1.833. 0.982. 1.014. 0.611. 80 60 40. TEST4 TEST5 TEST6. 20 0 -2 10. -1. 図1. 0. 10 size (mm) 10 Grain. 1. 10. 三河珪砂の粒径分布. 異なる 3 種類とした。砂供試体は直径 5.0cm、高さ 10.0cm の相対密度を設定し、等方圧 294kPa で等方圧密した後、 側圧一定のもと軸ひずみ速度 1.0%/min で非排水せん断試 験を行った。図 2 には相対密度が 0 に近いゆる詰めの非 排水せん断試験結果を示す。全ての供試体でせん断初期. 500 Deviator stress q (kPa). の円柱形で、それぞれ密詰め、中間、ゆる詰めの 3 種類. 400. TEST4-L TEST5-L TEST6-L. 300 200 100 0. に軸差応力がピークを示した後軟化している。粒径が大. 0. 5. 図2. きい (TEST4-L) ほどピーク荷重は大きくなっている。図. 10 15 20 Axial strain εa (%). 25 0 100 200 300 400 500 Mean effective stress p' (kPa). 均等径のゆる詰め砂の非排水せん断挙動. 3 には相対密度 0.3 程度の中間密度の結果を示す。軸差応力はせん断初期にピークを示した後軟化し、再び硬 化する。粒径の大きい TEST4-M は、ピーク荷重が大きく、軟化も顕著であるが、その後の硬化は僅かである。 粒径が小さくなるにつれ、軟化の程度が小さくなり、逆にその後の硬化の程度が増す。特に小粒径の TEST6M は過剰水圧が減少しながら硬化し続け、最終の軸差応力は 1000kPa を越える。図 4 には相対密度 0.8 程度の 密詰めの結果を示す。どの供試体も初期に軟化は示さず硬化が卓越する。粒径が小さくなるにつれ、最大軸差 応力は大きくなり、小粒径の TEST6-D は、6000kPa 近くまで達する。 1000. Deviator stress q (kPa). Deviator stress q (kPa). 4000. TEST4-D TEST5-D TEST6-D. 3000 2000. 500. TEST4-M TEST5-M TEST6-M 0 0. 5. 図3. 10 15 20 Axial strain εa (%). 25. 1000. 30 0 500 1000 Mean effective stress p' (kPa). 均等径の中間密度砂の非排水せん断挙動. 0 0. 5. 図4. 10 15 20 Axial strain εa (%). 25. 30 0 1000 2000 3000 4000 Mean effective stress p' (kPa). 均等径の密詰め砂の非排水せん断挙動. 3.粒径分布の異なる砂の非排水せん断挙動 表 2、図 5 に示す 4 種類の異なる粒径分布の砂供試体を、粒径の異なる砂の混合率を変えることにより作製 した。設定した相対密度や試験方法は 2.に準じた。図 6 に相対密度 0 に近いゆる詰めの試験結果を示す。 砂、粒径分布、三軸圧縮試験、非排水せん断、相対密度 〒464-8603 名古屋市千種区不老町 TEL 052-789-4622. FAX 052-789-4624.

(2) Ⅲ-A35. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). の影響はほとんど見られず、. 表2. 100. 混合砂の粒径分布に関するパラメータ. Percent passing (%). せん断挙動に及ぼす粒径分布. TEST 50%粒径 均等係数 曲率係数 最大間隙比最小間隙比 A. 0.258. 3.522. 1.086. 1.066. 0.626. 均等径の TEST5*-L のみ大き. B. 0.140. 2.909. 0.702. 0.974. 0.560. なピーク荷重を示している。. C. 0.098. 1.832. 1.067. 1.037. 0.627. 80 60 TEST5 TESTA TESTB TESTC. 40 20 0 -2 10. 図 7 には相対密度 0.4 程度の中間密度を示している。粒径分布の違いの影響は ほとんど見られないが、小粒径を多く含む TESTC-M の方が、せん断後半の硬. 図5. 10-1 100 Grain size (mm) 混合砂の粒径分布. 101. 化過程が卓越する。ここでは示さないが密詰めにおいても、中間密度と同じように、せん断後半の硬化過程を 除いて粒径分布の影響は見られない。砂の粒径範囲で粒径分布を変化させると、ゆる詰めでは影響なく、密詰 めではせん断後半の硬化過程に影響を及ぼす。 600. 500 TEST5*-L TESTA-L TESTB-L TESTC-L. 400 300 200 100 0 0. 5. 10 15 20 25 Axial strain εa(%). 図6. 500 400 300. TEST5*-M TESTA-M TESTB-M TESTC-M. 200 100 0. 30 0 100 200 300 400 500 600 Mean effective stress p' (kPa). 0. 5. ゆる詰め混合砂の非排水せん断挙動. そこで、細粒分を含むシルト質砂である. 10 15 20 25 Axial strain εa (%). 図7 表3. 野間砂と TEST6 を比較した。野間砂の粒 径分布は図 8、表 3 のように良配合である。. 野間砂の粒径分布に関するパラメータ TEST 50%粒径 均等係数 曲率係数 N. 0.07. 27.8. 31.5. 図 9 にゆる詰めの試験結果を示す。均等径の砂が軟化を示すのに対し、野間砂 は軟化せず硬化のみしている。図 10 には中間密度の試験結果を示すが、有効. 100 80 60 40. 0 -3 10. 10-2 10-1 100 Grain size (mm). 図8. の砂の方が顕著に現れている。. 101. 野間砂の粒径分布. 500 Deviator stress q (kPa). 500 Deviator stress q (kPa). TESTN. 20. 応力パスにおける平均有効応力の増加を伴う硬化過程は、野間砂よりも均等径. 400. TEST6-L TESTN-L. 300 200 100 0. 30 0 100 200 300 400 500 600 Mean effective stress p' (kPa). 中間密度混合砂の非排水せん断挙動 Percent passing (%). Deviator stress q (kPa). Deviator stress q (kPa). 600. 400 300 200. 0 0. 5. 図9. 10 15 20 Axial strain εa (%). 25 0 100 200 300 400 500 Mean effective stress p' (kPa). ゆる詰め野間砂の非排水せん断挙動. TEST6-M TESTN-M. 100 0. 5. 10 15 20 Axial strain εa (%). 図 10. 25 0 100 200 300 400 500 Mean effective stress p' (kPa). 中間密度野間砂の非排水せん断挙動. 4.おわりに 構造が高位で しかも過圧密. 得られた結論は以下の通りである。(1)中間、密詰め供試体のせん断後半の硬 化現象は、粒径の小さい砂が多いほどその程度は大きくなる。(2)細粒分を含む 粒径分布のなだらかなシルト質砂は粘土に近い挙動を示す。構造を有する土を 記述する上負荷面カムクレイモデル 1)により、図 11 のように砂と粘土の違いを、. 「砂」. 構造が低位 しかし過圧密. 「粘土」. ほとんど正規圧密 だが構造は高位. 初期構造と過圧密の劣化過程から記述することができる 2)。本試験結果につい ても、初期構造と過圧密の劣化過程の影響から説明できると考えている。 参考文献 1)Asaoka, A. et al.(2000): Superloading yield surface concept for highly. 正規圧密で 構造も喪失. 図 11 典型的な砂と粘土の推移. structured soil behavior, Soils and Foundations, Vol.40,No.2. 2)浅岡顕他(2000):「砂 と粘土の違い」に関する構造・過圧密の劣化過程から見た一考察,第 35 回地盤工学研究発表会講演集.

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