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学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

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ふ り が な

氏 名

ふじた あつこ

藤田 敦子

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 815 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 3 月 9 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Increased Expression of 11β-Hydroxysteroid Dehydrogenase Type 1 in Experimental Periodontitis Induced by

Lipopolysaccharide from

Porphyromonas gingivalis

(

Porphyromonas gingivalis

由来の LPS を用いた歯周炎モデル ラットにおける 11β-HSD1 発現の増加)

学 位 論 文 掲 載 誌 Open Journal of Stomatology 第 7 巻 第 10 号 平成 29 年 9 月

論 文 調 査 委 員 主 査 梅田 誠 教授 副 査 三宅 達郎 教授 副 査 富永 和也 教授

論文内容要旨

細胞内グルココルチコイド活性化酵素である

11β-hydroxysteroid dehydrogenase type1(以下11β -HSD1)は、不活性型であるコルチゾンを活性型であるコルチゾールに変換する酵素であり、メタボリ

ックシンドローム、関節リウマチおよび潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性疾患に影響を与えることが分 かっている。慢性歯周炎患者の歯肉組織、および絹糸結紮による歯周炎モデルラットの歯肉組織にお いて、11β-HSD1 の発現が増加することを報告してきた。そこで、本研究では

11β-HSD1

の慢性歯 周炎への関与をさらに解明するために、

Porphyromonas gingivalis(以下P. gingivalis)由来のLPS

を 歯周組織に注射することにより誘導した歯周炎モデルラットにおいての

11β-HSD1

発現を検討した。

生後

7

週齢の

Wistar

系雄性ラットに実験的歯周炎を惹起させるため、上顎左側第二臼歯口蓋側歯肉 に

P. gingivalis

LPS

を注射したものを実験群、上顎右側第二臼歯口蓋側歯肉に

Endotoxin Free Water

を注射したものを対照群とした。実験群および対照群の口蓋側歯肉を採取し、 歯肉組織より

total RNA

を抽出し、11β-HSD1、11β-HSD2(活性型のコルチゾールを不活性型のコルチゾンに変換する 酵素)、TNF-α、GAPDH のプライマーを用いて

Real-time PCR

を行い、それぞれの

mRNA

発現を 比較、測定した。また、X 線

CT

像における歯槽骨吸収、および組織学的評価も行った。

歯槽骨吸収は、LPS 注射の

2

週間後に観察され、対照群と比較して、実験群での水平的骨吸収が認

められた。また、Real-time PCR による

11β-HSD1

mRNA

発現は、対照群と比較して実験群で有

意に増加していることが認められた。11β-HSD2 の

mRNA

発現は、実験群と対照群の間に有意な差

は認められなかった。11β-HSD1 と

TNF-αのmRNA

発現との間に有意な相関が認められた。また、

(2)

11

β

-HSD1

のタンパク質発現は、抗

11

β

-HSD1

抗体を用いた免疫組織化学染色にて、対照群と比較 して、実験群で増加していることが認められた。これらのことより、歯周炎モデルラットにおける

11

β

-HSD1

の関与及び慢性歯周炎部位でのグルココルチコイドの活性化が示唆された。以上のことより、

グルココルチコイドの活性化制御による、歯周治療の可能性があると考えられる。

論文審査結果要旨

メタボリックシンドロームや他の慢性炎症性疾患において、細胞内グルココルチコイドを、不活性 型のコルチゾンから活性型のコルチゾールに変換する酵素

11

β

-HSD1

が関与していることが明らか にされている。本論文は、

Porphyromonas gingivalis

(以下

P. gingivalis

)由来の

LPS

を歯周組織に 注射することにより誘導した歯周炎モデルラットを用いることによって、歯周組織の慢性炎症である 歯周炎での

11β-HSD1

の役割を解明することを目的としたものである。

上顎左側第二臼歯口蓋側歯肉に

P. gingivalis

LPS

を注射することで、歯周炎を惹起させたものを 実験群、上顎右側第二臼歯口蓋側歯肉に

Endotoxin Free Water

を注射したものを対照群とし、それぞ れより 歯肉組織を採取した。Real time PCR を用いて

11β-HSD1、11β-HSD2、TNF-αmRNA

発 現量を調べた。また、歯周組織を一塊とし摘出後マイクロ

X

CT

で撮影、摘出した組織を脱灰した 後に組織切片を作製し、HE 染色、抗

11β-HSD1

抗体を用いた免疫組織化学染色を行い、光学顕微鏡 にて観察した。

結果として、X 線

CT

画像の所見で

LPS

注射による歯槽骨吸収が認められた。Real time PCR の結 果では、11β-HSD1mRNA の発現量は対照群と比較して実験群で有意に増加していた。また、11β

-HSD1mRNA

の発現量と

TNF-αmRNA

の発現量には有意な正の相関関係があり歯周組織の炎症と

11β-HSD1

の関与が示唆された。また、11β-HSD2mRNA の発現量は実験群と対照群での間に有意 な差は認められなかった。組織所見では、接合上皮および結合組織への炎症細胞の浸潤が認められ、

免疫組織化学染色では

11β-HSD1

は対照群と比較して実験群の方に多く発現していた。

これらの結果から、11β-HSD1 の発現量の増加、及び慢性歯周炎部位でのグルココルチコイドの活 性化が実験的歯周炎の病態に関与することが示唆された。

以上、

P. gingivalis

の由来の

LPS

を用いたラットの実験的歯周炎と

11β-HSD1

の関与を明らかに

した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

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