• 検索結果がありません。

特 集 脳梗塞超急性期診療 5. 移動型血栓除去チーム (Kanazawa mobile embolectomy team: KMET) による急性期再開通治療 内山尚之 金沢大学 脳神経外科 Treatment Result of Kanazawa Mobile Embolectomy Team

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "特 集 脳梗塞超急性期診療 5. 移動型血栓除去チーム (Kanazawa mobile embolectomy team: KMET) による急性期再開通治療 内山尚之 金沢大学 脳神経外科 Treatment Result of Kanazawa Mobile Embolectomy Team"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

脳梗塞超急性期診療

5.移動型血栓除去チーム(Kanazawa mobile embolectomy team:

KMET)による急性期再開通治療

内山 尚之

金沢大学 脳神経外科

はじめに

2014年末より、脳主幹動脈閉塞に対する血管内治療 による急性期再開通療法は、tPA静注療法を含む保存的 加療に比して明らかに患者予後を改善することが、5つ

のrandomized controlled trial(RCT)によって示され

た1~5)。それを受けて本邦では、20154月に日本脳卒 中学会、日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学 会から合同で、「経皮経管的脳血栓回収用機器適正使用 指針第2版」6)が出された。その指針では、実施医につい て「日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医、 またはそれに準ずる経験を有する医師」とし、機器使用 を学ぶ講習会受講を義務付け治療にあたるように促して いる。しかしながら、脳主幹動脈閉塞に起因する急性期 脳梗塞患者が搬送され得る全国の二次救急病院のすべて に、上記条件を満たし本治療が施行可能な医師が常勤し ているわけではない。2016年の日本脳神経血管内治療 学会学術総会においても吉村紳一会長(兵庫医科大学脳 神経外科学主任教授)が、全国調査の結果として、本邦 で急性期再開通治療を行える地域は限られていることを 報告し、今後、この治療を地域格差なく広めていく ことを、「神戸宣言」として報告した。石川県では県内全

Treatment Result of Kanazawa Mobile Embolectomy Team for Acute

Ischemic Stroke

Naoyuki Uchiyama, M.D., Ph.D. Summary

Five recent multicenter randomized controlled trials (RCTs) have clearly shown the superi-ority of mechanical thrombectomy over systemic thrombolysis in large-vessel-occlusion acute ischemic stroke. Although 14 hospitals in Ishikawa prefecture provide uninterrupted availability of systemic thrombolysis, mechanical thrombectomy is not available at all of these hospitals. Therefore, we established a Kanazawa mobile embolectomy team (KMET), which travels to these hospitals as a team of experts to perform acute reperfusion therapy. In this article, we report the early treatment outcomes and validate the effectiveness of the net-working between the affiliated hospitals and the KMET. Between January 2014 and May 2017, the KMET performed acute reperfusion therapy in a hundred patients aged 45 to 92 years (mean: 71.8 years) at 13 hospitals affiliated to the Kanazawa University Hospital. The ptreatment NIHSS scores ranged from 5 to 39 (mean: 19.5). The ASPECTS-DWI ranged from 0 to 11 (mean: 7.1). Successful re-vascularization, defined as thrombolysis in cerebral infarction (TICI) 2b or 3, was achieved in 79/100 cases (79%), and a good out-come, defined as a modified Rankin Scale (mRS) score of 0 to 2 at 90 days after the treatment, was achieved in 51/100 cases (51%). There were 4 cases of intracranial bleeding (4%). The mean time from onset to recanalization was 284 min. These results, which are similar to those of the five RCTs reported previously, suggest that the collaborative network between the affiliated hospitals and the KMET is effective for acute reperfusion therapy in local areas with insufficient availability of experienced neuroendovascular special-ists.

Department of Neurosurgery, Kanazawa University Hospital NICHIDOKU-IHO

(2)

ての医療圏でこの治療を施行可能とするために、2014

年2月に移動型血栓除去チーム(Kanazawa mobile

em-bolectomy team: KMET)を組織し、脳主幹動脈閉塞患 者が搬送された初療病院に、血管内治療専門医チームが 出向いて治療を行う取り組みを始めた。本稿ではこれま でのKMETの活動の治療成績を振り返り、今後の課題を 明らかにする。

方法

金沢大学脳神経外科に所属する、日本脳神経血管内治 療学会指導医3名でKMETを組織した。石川・富山県内 の教室関連病院より、急性期再開通療法の要請があれば、 KMETのうち原則2名が出向いて治療を行った。出張治 療は2014年2月よりまず金沢市内の病院で開始したが、 2015年3月にあらためてKMETによる出張治療を希望す る施設を募り、各施設1~2名の脳神経外科専門医を集め て、血栓除去器具の使用講習会を開催した。治療適応は 患者が搬入された初療病院の担当医が、①発症6時間以

内の脳主幹動脈閉塞、②NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)5点以上、③ASPECTS(Alberta Stroke Program Early CT Score)-DWI(diffusion weighted image)5点以上であることを目安に判断し、 KMETに出張治療を依頼した。年齢制限は定めず、また tPA静注療法が可能な場合はそれを優先した。実際に治 療を行った患者について、年齢、性別、初診時NIHSS、 ASPECTS-DWI、発症時刻、病院到着時刻、MRI撮影 時刻、KMETへの連絡時刻、tPA静注療法開始時刻、大 腿動脈穿刺時刻、再開通時刻を記録した。再開通は、

TICI(Thrombolysis In Cerebral Infarction)gradeで 評価し、臨床的予後は90日後のmodified Rankin Scale

(mRS)で評価した。mRS 0~2を予後良好群、3以上を 予後不良群とし、各種時間的経過を比較した(t検定)。ま た、12項目(年齢70歳未満、男性、NIHSS 18点未満、 ASPECTS-DWI 8点以上、動脈硬化性病変、tPA静注療 法あり、TICI 2b or 3、金沢大学から半径20km以内の 施設での治療、血管内治療専門医の常勤施設、発症から 3時間以内の穿刺、発症から4時間以内の再開通、後期 50症例)について、予後良好を期待できる因子か否かを 検討した(多変量解析)。さらに大学病院から20km以内 にある近郊病院と、より遠方の病院での治療成績、患者 背景、時間経過を比較した。

結果

2014年2月から2017年5月末までに、金沢大学から半 径20km以内の石川中央医療圏7病院(浅ノ川総合病院、 石川県立中央病院、金沢医療センター、金沢市立病院、 金沢脳神経外科病院、JCHO金沢病院、公立松任石川中 央病院)、半径20km以上80km以内の南加賀医療圏1病 院(小松市民病院)、能登中部医療圏2病院(恵寿総合病院、 公立能登総合病院)、富山県2病院(富山市民病院、富山 労災病院)、さらに半径80km以上の能登北部医療圏1病 院(珠洲市総合病院)の計13病院でKMETによる出張治 療が行われた(図1)。患者は全100名(男性69名、女性31 名)、年齢は45~92歳(平均71.8歳)、初診時のNIHSS は5~39点(平均19.5点)、ASPECTS-DWIは0~11点(平 均7.1点)であった。閉塞血管は内頚動脈39例、中大脳動 脈47例、後方循環系の閉塞も14例あった(表1)。治療は

5例にCAS(carotid artery stenting)、1例にPTA( per-cutaneous transluminal angioplasty)が施行され、その 他94例にはstent型血栓除去器具もしくは吸引型血栓除

去器具を用いた再開通治療が行われた。TICI 2b or 3は

79例(79%)、90日後のmRS 0~2は51例(51%)で、死 亡例が7例(7%)であった(図2)。

全100例の時間経過の平均は、発症から病院到着が69

分、到着からMRIが53分、MRIからKMETへの連絡が

33分、KMETへの連絡からtPAが11分、tPAから穿刺ま

でが51分、穿刺から再開通までが67分で、発症から再 開通までは284分であった(図3)。予後良好群と不良群 での比較では、発症から再開通までの全時間が、良好群 298分、不良群317分と不良群でやや長かったが有意差 はなかった。 予後良好因子の検討(多変量解析)では、男性、NIHSS 18点未満、ASPECTS-DWI 8点以上、動脈硬化性病変、 金沢大学から半径20km以内の病院での治療、発症から4 時間以内での再開通、の6項目が抽出された(表2)。 半径20km以内の病院(近郊病院)での治療成績と、より 遠方の病院での治療成績の比較では、予後良好率は59% と35%であり有意差があった。近郊病院と遠方病院の患 者背景を比較すると、遠方病院において、年齢、女性比 率、NIHSSが高かったが、統計学的有意差はなかった(表 3)。また時間経過において、発症から穿刺までの時間は、 近郊病院213分、遠方病院220分と有意差はなかったが、 穿刺から再開通までの時間は、63分、76分と遠方病院

(3)

図1 移動型血栓除去チーム(KMET)が出張治療を行った関連13病院 半径20km以内の7病院は20~40分で,80km以内の5病院には自動車 専用道路で60~70分で到着可能.80km以上の珠洲市総合病院へは 100分で到着. 表1 患者背景 患者数 100 年齢(平均±標準偏差) 71.8±11.2 男性数(%) 69(69) NIHSS(平均±標準偏差) 19.5±7.5 ASPECTS-DWI(平均±標準偏差) 7.1±2.4 原因─数(%)  心原性脳塞栓 79(79)  動脈硬化性閉塞 15(15)  動脈解離 6(6) 閉塞部位─数(%)  内頚動脈 39(39)  中枢側中大脳動脈 24(24)  末梢側中大脳動脈 23(23)  椎骨動脈 1(1)  脳底動脈 13(13) 図2 治療結果

(4)

図3 全100例の時間経過平均値

D2P: door to puncture, call: 初療病院からKMETに電話連絡がなされた時間.

表2 予後良好因子 n Odds 95%CI(min〜max) P Age < 70 33 1.484 0.640〜3.440 0.3570 Male 69 4.214 1.301〜13.648 0.0164 NIHSS<18 44 4.343 1.403〜13.444 0.0109 ASPECTS-DWI>8 51 8.186 2.485〜26.968 0.0005 動脈硬化性病変 15 8.911 1.540〜51.558 0.0146 tPA(+) 61 1.162 0.520〜2.596 0.7152 TICI 2b or 3 79 1.807 0.436〜7.484 0.4147 半径20km以内 66 3.843 1.170〜12.619 0.0265 専門医常勤 34 1.125 0.491〜2.576 0.7805 発症3時間以内の穿刺 36 1.331 0.586〜3.022 0.4948 発症4時間以内の再開通 34 3.849 1.104〜13.418 0.0344 後期症例 50 1.083 0.494〜2.374 0.8415 表3 地域による比較 近郊病院 遠方病院 P mRS 0〜2 59% 35% 0.0344** Age 70.4±11.6 74.6±9.9 0.0633* M :F 50 :16 19 :15 0.0677** NIHSS 18.6±6.9 21.4±8.5 0.1114* ASPECTS-DWI 6.8±2.5 7.5±2.1 0.2425* Atherothrombotic occlusion 15% 15% >0.9999** TICI 2b or 3 79% 79% >0.9999** 発症4時間以内の再開通 39% 24% 0.1254 *Mann-Whitney, **Fisher’s exact test.

(5)

図4 金沢近郊病院と遠方病院での時間経過の比較

全経過時間に有意差はなかったが,穿刺から再開通までの治療時間は遠方病院で有意に長かった.

で優位に長かった(図4)。

考察

2014年 末 のMR CLEANを 皮 切 り に、2015年 に は

EXTEND-IA、ESCAPE、SWIFT PRIME、REVASCAT

と5つのR C Tで急性期再開通療法の有効性が示され

た1~5)。これらの研究は、発症6時間以内(REVASCAT

のみ8時間以内)の内頚動脈および中大脳動脈閉塞(MR

CLEANのみ前大脳動脈閉塞も含む)を対象として行わ

表4 KMETと5つのRCTとの比較

MR CLEAN EXTEND-IA ESCAPE SWIFT PRIME REVASCAT KMET 地域 オランダ 豪州,ニュージーランド 北米,カナダ USA, EU スペイン 石川県

症例数 233 35 165 98 103 100

血管 ICA, M1 ICA, M1 ICA, M1 ICA, M1 ICA, M1 ICA, M1 M2, A1, A2 M2 M2, VA, BA 時間 6h 6h 12h 6h 8h 6h O2P(min) 260 210 200 224 269 200 TICI 2b or 3 59% 86% 72% 88% 66% 79% mRS 0〜2 33% 71% 53% 60% 44% 49% Mortality 21% 9% 10% 9% 18% 7%

O2P: onset to puncture(median).

れ、血管内治療で再開通させた群では、TICI 2b or 3が

59~88%で3か月後のmRS 0~2は33~71%(表4)と、

tPA静注療法のみで治療した群よりも1.6~1.8倍予後良

好患者が増加した。これらの報告を受けて、米国では

American Heart Association(AHA)がガイドラインを

改訂し7)18歳以上で発症前mRS 01の内頚動脈およ

び中枢側中大脳動脈閉塞症例に対しては、NIHSS 6点以

上、ASPECTS 6点以上で6時間以内に血管内治療が開

始可能であれば、tPA静注療法に加えて血管内手術によ

(6)

で2015年6月 に 出 さ れ た「脳 卒 中 治 療 ガ イ ド ラ イ ン 2015」には、このエビデンスの取り込みが間に合わず推 奨される治療としての記載はないが、2015年4月に先に 示された3学会合同の適正指針により6)、国内での治療件 数は徐々に増加している。石川県では二次救急病院のす べてに血管内治療専門医が常勤していない。血管内治療 医がいない病院に患者が搬送された場合、tPA静注療法 を開始しながら治療可能な病院に転送して再開通治療を 行う、drip、ship and retrieveという考え方がある。当 初はそのシステムの構築を考えたが、当院での血管撮影 室に急患対応の余裕があまりないこと、また転送までの 時間がかなりかかることが予想され、はじめは金沢市内 の病院に我々が出向いて治療を行った。初めの10例での 成績が悪くなかったことから、正式に移動型血栓除去チ ーム(KMET)を組織し、参加希望病院を募り、デバイス 講習会の開催、画像転送システムの稼働を経て、本格的 な出張治療での対応を開始した。今回の100例では、発 症から再開通までの平均時間は284分で、TICI 2b or 3 は79%、mRS 0~2は51%であった。この結果はこれま でのRCTとほぼ同等の結果であり、ある一定の距離およ び時間的範囲においては出張治療による急性期血栓除去 療法が有効であることが示された。 今回の解析で予後良好が期待できる要因は、男性で、 虚血範囲がせまく(ASPECTS-DWI 8点以上)、神経学 的により軽症な(NIHSS 20点未満)な症例であり、これ らの因子はこれまでの報告と同様であった。また時間的 要因については、発症から4時間以内に再開通できた症 例は有意に予後良好であった。 北米では、到着後25分以内にCTもしくはMRI撮影を 開始し45分までに解釈を終え、60分以内のtPA開始を目 標とし、さらに血管内治療の適応であれば、到着から 120分以内に動脈穿刺を開始することが推奨されてい る8、9)KMETによる治療時間経過では、病院到着から 穿刺まで148分と、推奨時間より28分遅い。現時点での 遅延の最大原因は、MRI撮影までに53分を要している ことである。初療病院に患者が到着すると、救急部の医 師が診察し、脳卒中が疑われるとまずCTを撮影する。 出血がない場合に“脳梗塞疑い”になり、その時点で神経 内科もしくは脳神経外科に連絡が取られMRIがオーダー される。CTのみで主幹動脈閉塞を診断し、虚血範囲を ASPECTSで正しく評価できればMRIを省略できるが、 すべての救急担当医、当直医が脳卒中に精通しているわ けではなく、現時点ではMRI検査を必須としている。 我々はKMETによる治療の開始後36例の時点で初期 治療成績を発表した10)。その時点の病院到着からMRI 影までの時間は60分であり、現在は53分にまで短縮し ており、各病院での患者フローの見直しは徐々に進んで いるものと考えられる。さらなる短縮を目指すのであれ ば、麻痺、失語などで脳卒中が疑われる患者には、CT を省略して直接MRIで評価を行うことも検討してもよい かもしれない。また活動当初はtPA静注療法開始後に KMETに出動要請があった。最近ではMRI撮影終了時 点で連絡が入るようになり、病院到着からKMET連絡ま での時間は、初期36例で105分であったのが、現在は86 分と約20分短縮している。このように、脳卒中の急性期 患者が搬送される病院においては、患者到着後の画像診 断をいかに速やかに行うかが重要であり、さらに診断後、 直ちにKMETへの連絡を行う体制づくりが時間短縮には 欠かせない。 今回の検討では、金沢近郊の病院と、より遠方の病院 では治療成績に有意な差が存在した。遠方病院の患者背 景は、金沢近郊に比べて、統計学的有意差はないものの、 高齢で、より重症の患者が多い。その患者背景において 予後を改善するためには、金沢近郊病院以上に治療時間 の短縮が必要である。発症から再開通までの全体時間は、 遠方病院がやや長かったが統計学的有意差はなかった。 ただし、穿刺から再開通までの時間は遠方病院群で有意 に長かった。これは遠方病院においては、KMET到着前 に穿刺まで行っていたが、その後の操作を進めることが できずKMET到着を待つ必要があったことを意味する。 初療病院においても、KMET到着までに単独でguiding catheterを留置したりデバイスの準備をすることができ れば、治療時間を短縮し成績を改善できる可能性がある。 能登北部医療圏には4つの公的病院が存在するが、脳神 経外科医が常勤なのは珠洲市総合病院のみで、他の3病 院には神経内科医も常勤ではない。珠洲市総合病院以外 の病院に脳主幹動脈閉塞患者が搬入された場合、現段階 では珠洲市総合病院か七尾市の公立能登総合病院に搬送 し、 そ こ にKMETが 出 向 い て 治 療 を 行 っ て い る。 KMETの移動は自家用車によるものであるため、連絡を 受けてから能登地区の病院到着までは1時間以上を要す るため、これ以上の時間短縮は困難な状況である。平成 30年度には石川県にもドクターヘリが導入される予定で ある。今後は、能登北部医療圏の脳主幹動脈閉塞患者に

(7)

対してはtPA静注治療を開始しつつ、金沢大学病院もし くは石川県立中央病院へ搬送し、血管内治療を行うこと も検討していく必要がある。

結語

KMETの出張治療による再開通療法は、100例に対し て発症から再開通まで平均284分で行われ、再開通率79 %、予後良好率51%であった。初療病院での病院到着か ら穿刺までの時間短縮により、さらなる治療成績の向上 が期待できる。今後は能登地区での患者搬送システムを 改善することで、治療成績の地域格差改善を目指したい。 【参考文献】 1) Berkhemer OA, Fransen PS, Beumer D, et al; MR C L E A N I nve st ig at or s : A r a ndo m i z e d t r i a l of intraarterial treatment for acute ischemic stroke. N Engl J Med 372: 11-20, 2015

2) Ca mpbell BC, Mitchell PJ, K leinig TJ, et a l; the EXTEND-IA Investigators: Endovascular therapy for ischemic stroke with perfusion-imaging selection. N Engl J Med 372: 1009-1018, 2015 3) Goyal M, Demchuk AM, Menon BK, et al; ESCAPE Trial Investigators: Randomized assessment of rapid endovascular treatment of ischemic stroke. N Engl J Med 372: 1019-1030, 2015

4) Saver J L , G oya l M , Bona fe A , et a l ; t he SW I F T PRIME Investigators: Stent-retriever thrombectomy after intravenous t-PA vs. t-PA alone in stroke. N Engl J Med 372: 2285-2295, 2015 5) Jovin TG, Chamorro A, Cobo E, et al; the REVASCAT Trial Investigators: Thrombectomy within 8 hours after symptom onset in ischemic stroke. N Engl J Med 372: 2296-2306, 2015 6) 日本脳卒中学会,日本脳神経外科学会,日本脳神経血管 内治療学会:経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第2版 2015年4月. 脳卒中 37: 259-279, 2015 7) Powers WJ, Derdeyn CP, Biller J, et al; American Heart Association Stroke Council: 2015 American Heart Association/American Stroke Association Focused Update of the 2013 Guidelines for the Early Management of Patients With Acute Ischemic Stroke Regarding Endovascular Treatment: A Guideline for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association. Stroke 46: 3020-3035, 2015 8) Sun CH, Ribo M, Goyal M, et al: Door-to-puncture: a practical metric for capturing and enhancing system processes associated with endovascular stroke care, preliminary results from the rapid reperfusion regis-try. J Am Heart Assoc 3: e000859, 2014

9) Sacks D, Black CM , Cog nard C, et a l; America n Society of Neuroradiology; Canadian Interventional Radiology Association; Cardiovascular and Interven- tional Radiological Society of Europe, et al: Multisoci- ety consensus quality improvement guidelines for in-traarterial catheter-directed treatment of acute ischemic stroke, from the American Society of Neuro- radiology, Canadian Interventional Radiology Associa-tion, Cardiovascular and Interventional Radiological Society of Europe, Society for Cardiovascular Angiog- raphy and Interventions, Society of Interventional Ra- diology, Society of NeuroInterventional Surgery, Euro-pean Society of Minimally Invasive Neurological Therapy, and Society of Vascular and Interventional Neurology. J Vasc Interv Radiol 24: 151-163, 2013 10) 内山尚之,毛利正直,見崎孝一,他:Kanazawa mobile embolectomy team(KMET)による石川・富山県内の急 性期再開通治療の初期成績 急性期脳梗塞治療.The Mt. Fuji Workshop on CVD 34: 156-161, 2016

参照

関連したドキュメント

CT 所見からは Colon  cut  off  sign は膵炎による下行結腸での閉塞性イレウ スの像であることが分かる。Sentinel  loop 

Department of Cardiovascular and Internal Medicine, Kanazawa University Graduate School of Medicine, Kanazawa (N.F., T.Y., M. Kawashiri, K.H., M.Y.); Department of Pediatrics,

 CTD-ILDの臨床経過,治療反応性や予後は極 めて多様である.無治療でも長期に亘って進行 しない慢性から,抗MDA5(melanoma differen- tiation-associated gene 5) 抗 体( か

7 Photomicrograph in Case 5 upper showing the accumulation of many fibroblasts in the superficial layer of the fibrinous clot adhering to the subdural granulation tissue.. HE stain x

[r]

The Family Van は、The Mobile Healthcare Association(移動クリニック協会)と組んで WEB サイ ト「Mobile

この小論の目的は,戦間期イギリスにおける経済政策形成に及ぼしたケイ

雑誌名 金沢大学日本史学研究室紀要: Bulletin of the Department of Japanese History Faculty of Letters Kanazawa University.