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学位論文題名Cytoplasmic express10nofCD133iSanimportantriSkf・aCtorf6rOVera11SurViValinhepatOCe11ularCarCinoma

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 佐 々 木 彩 実

     学位論文題名

Cytoplasmic express10nofCD133iSanimportantriSk f ・ aCtorf6rOVera11SurViValinhepatOCe11ularCarCinoma

(CD133 細胞質発現は肝細胞癌における重要な予後因子である)

学位論文内容の要旨

【背 景と 目的 】

肝 細 胞 癌 の 患 者 数 は2002年 の 統 計 に よ る と 全 世 界 で626000人 で , 皮 膚 を 除 く 悪 性 腫 瘍 の 5.7%を 占め てい る ,手 術等 の治 療 を行 っても高率で局所 再発,転移を来し予後不良の 疾患で ある .近 年悪 性腫 瘍 にお いて 腫瘍 細 胞の 中に 自己 複製 能 と多 分化 能を 持つ 少 数の 癌幹 細胞 が 存 在 す る と い うcancer stem cell theoryが提 唱さ れ ,癌 幹細 胞は 治療 の 本質 的な 標的 と考 えら れ研 究が 進め ら れて いる .癌 幹 細胞 は乳 癌, 膵癌 , 肺癌 ,大 腸癌 など 種 々の 癌に おい て 同定 され てい る. CD133はCD34陽 性 の造 血幹 細胞 から 同 定さ れた 幹細 胞マ ー カー であ るが , 脳腫 瘍な ど種 々の 癌 幹細 胞の 同定 に も用 いら れて おり , 肝細 胞癌 にお いて は CD133陽 性の 腫 瘍細 胞が 癌幹 細胞 の 性質 を有 する と いう 報告 が見 られ る ,そ こで 我々 は肝 細 胞癌 にお いて 癌 幹 細 胞 マ ー カ ー と さ れ るCD133を発 現 する 腫瘍 細胞 を 検索 し, 組織 型, 脈 管侵 襲な どの 臨床 病理 学的 因子 およ ぴ 再発 ,予 後と の 関連 につ いて 検討 し た,

【 対象 と方 法】

2000年 か ら2005年 の 間 に 北 海 道 大 学 病 院 第 一 外 科 で 初 回 根 治 的 肝 切 除 を 受 け た 肝 細 胞 癌 136例 を 対 象 と し た . 観 察 期 間 の 中 央 値 は58.5カ 月 , 平 均 値 は60.1カ 月 であ る. 各 肝細 胞 癌 切 除 病 理 検 体 の , 腫 瘍 部/ 非腫 瘍 部を 含む 代表 的1切片 を選 択 し,HE染 色で 組織 像 を確 認 しCD133の 免 疫 組 織 化 学 染 色 を 施 行 , 切 片 の 全 視 野を 観 察し ,1強拡 視野(x400)当 た りの 腫 瘍 細 胞 数 に 占 め る 染 色 陽 性細 胞数 を 計測 .細 胞1個以 上染 色さ れ る場 合染 色陽 性と し た. さ ら に細 胞内 染色 パ ター ンを 細胞 質陽 性 ,細 胞膜 陽性 に分 類 し臨 床病 理学 的 因子 との 関連 につ き 統 計 学 的 検 討 を 行 っ た .統 計はx2 test,ttestを用 い ,生 存曲 線はKaplan―Meier法を , 比 較 はlog rank testで 行 っ た . 多 変 量 解 析 に はCox比 例 ハ ザ ー ド モ デ ル を 用 い た .

【結果 】

肝 細 胞 癌136例 中30例 (22% ) でCD133陽 性 を 示 し ,CD133細 胞質 陽性 群22例 (16%),CD133 細胞膜 陽性群20例(15%)であった ,CD133陽性はAFP高値(p― −O.034),分化度が低分化 であ る こと(p=0. 00003)と 有意 に 関連 した ,CD133細胞 膜陽 性 は遠 隔再 発(p=0. 028),分化度が低 分 化で あ るこ と(p‑ニO. 0007)と ,CD133細胞質陽性 はAFP高値(p=O. 009),分化 度が低分化で あ るこ と (p― −0. 00006)と関連した.CD133陽性は 再発,生存には関与しなかっ たが、CD133 細胞質 陽性群は陰性群に比べて予後 不良であった(p:ニO.04),  CD133細胞膜発現は再発, 生存 と の 関 連 は な か っ た .stage3,4A症 例 で はCD133細 胞 質 陽 性 群 は 単 変 量 解 析 で有 意 に予 後 不良(p=0. 0092)で,多変量解析で はp=0. 068,Risk Ratio:ニ2.604,95%CI=O. 931―7.299であ っ た が , 単 変 量 解 析 で 有 意 で あ っ た 腫 瘍 因 子 のAFP, 腫 瘍径 ,組 織学 的門 脈 侵襲 ,CD133細 胞質発 現のうち最も有カな予後不良 因子であった,

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【考察】

本研 究では肝 細胞癌 においてCD133陽 性はAFP高値,低分化腫瘍と関連が見られた.Song らは 肝細胞癌60例の検討でCD133陽性は再発,予後に関する独立した因子であるとしてい るが,Salnikovらの報告では肝細胞癌12例の検討に韜いて臨床病理学的因子との関連は認 められない.従来の報告と今回の結果の乖離の原因としては使用した抗体や染色法の違い,

検体の質,対象とした症例のtumor gradeやStageの違いなどが考えられる.しかし臨床検 体を用いた検討はまだ少数であり,CD133陽性の臨床的意義についてはさらなる検討が必要 である,

CD133の 染色 パ タ ーン と 予 後に 関 し ては 細胞 質全体に 瀰漫性に 染色さ れるパタ ーンが Gastrointestinal stromal tumorや正常網膜細胞に,核周囲にdot状に染色されるパター ンが神経膠芽腫や膵管癌,卵巣癌,骨髄性自血病に見られるという報告がある,染色パター ンと予後についての検討がなされているのは卵巣癌で検討した1文献のみであり,本症例は 肝細胞癌においてCD133細胞質発現パターンと予後との関連を示した初めての報告である,

CD133の細胞質 発現に 関しては ,Mawらによる と常染色 体劣性 網膜変性 疾患ではCD133の frameshift mutationを認め,合成された蛋白は細胞表面に輸送されないとの報告がある.

CD133と同様に 本来は膜発現するEGFRは肺の扁平上皮癌や前癌病変において細胞質発現が 見ら れ,Golgi装置から細胞膜への輸送が阻害されているか,膜にあるEGFRが急速に分解 されている過程を観察しているものとかんがえられている,CD133の機能は明らかとされて おらず,細胞質発現の意義も確立されていないが,膜発現しているCD133の急速分解の過程 を見ている,細胞膜への輸送傷害がある,もしくは不完全に翻訳された蛋白が細胞質に留ま っているなどの可能性が考えられさらなる研究が必要である.

肝細胞癌の再発形式には多中心性発生と,肝内転移があげられる.腫瘍径の小さい肝細胞癌 の切除後再発は殆どがde novo発癌の多中心性発生であり,大きな肝細胞癌に関しては血管 侵襲が度々認められその再発には血行性転移がより多く関わっていると考えられる. Cancer stem cell theoryから考えると血行性転移がより癌幹細胞に関連していると思われるが,

本研究ではAFP値,低分化腫瘍,血管侵襲など腫瘍の悪性度がより高い,っまりStageの高 い腫瘍においてCD133細胞質陽性と予後に強い関連が見られておりCD133細胞質陽性は肝細 胞癌における癌幹細胞のマーカーとして有用である可能性が考えられる.CD133の細胞内局 在 と 種々 の 腫 瘍に お け る癌 幹 細 胞と の 関 係に つ い ては さ ら な る検 索が必 要である ,

【結論】

肝 細胞癌 に茄いてCD133発現はAFP高値,低分化に関連が見られた,CD133細胞質発現は肝 細胞癌における予後不良因子であり,進行したstageが高い症例でその傾向を強く認めた.

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学 位 論 文 審 査 の 要 旨

     学 位 論 文 題 名

Cytoplasmic express10nofCD133iSanimportantriSk      ●

faCtorforOVerallSurVlValinhepatOCe11ularCarClnoma

(CD133 細胞質発現は肝細胞癌における重要な予後因子である)

  初 回 根 治 的 肝 切 除 を 行 っ た136例 の 病 理 検 体 の 代 表 的 一 切 片 を 用 い てCD133免 疫 染 色 を施 行し 腫 瘍細 胞の 染色 陽性 率 ,バ ター ンを 検索 . 染色 性陽 性検 体をさらに細胞膜陽性 群,

細胞 質陽 性 群に 分類 し, 臨床 病 理学 的因 子, 再発 , 予後 との 関連 を 検討 .30/136例(22% ) でCD133陽 性 を 示 し , 細 胞 質 陽 性 群22例(16% ) , 細 胞 膜 陽 性 群20例(15% ) で あ っ た , CD133陽 性 はAFP高 値(p=0.034), 低分 化(pニ ニ0.00003)と有 意に 関連 した , 細胞 膜陽 性は 遠 隔 再 発(p=ニ0.028),低 分 化(p一0.0007)と ,細 胞質 陽 性はAFP高 値(p:ニ0.009),低 分化 (p=0.00006)と 関 連 し た .CD133細 胞 質 陽 性 群 は 陰 性 群 に 比 べ て 予 後 不 良 で あ っ た (p=0.04). stage3,4A症 例 で はCD133細 胞 質 陽 性 群 は 単 変 量 解 析 で 有 意 に 予 後 不 良 (p=0.0092)で,多変量 解析ではp二ニニ0.068,Risk Ratio=ニ2.604,95%CI=0.931‑ 7.299であっ た が , 単 変 量 解 析 で 有 意 で あ っ た 腫 瘍 因 子 のAFP, 腫 瘍 径 , 組 織 学 的 門 脈 侵 襲 ,CD133 細胞質発現のうち最も 有カな予後不良因子であった .

  公 開 発 表 後 , ま ず 松 野 教 授 か ら @ 本 研 究 でCD133の 検 出 率 は20% で あ っ た が こ れ は 肝 臓 に 特 異 的 な も の で あ る か, アッ セイ に よる もの か, ◎ 臨床 検体 を用 いた 他 の報 告で は螢 光染 色を 用 しゝ てい るが 本研 究 と直 接比 較して遜色なし〕か ,◎CD133の陽性感度が低い が今 後 ど の よ う に 臨 床 応 用 し たら よい かに つ いて 質問 があ っ た, それ らに 対し , @肝 臓に おい て は 培 養 細 胞 を 用 い た 場 合CD133の 分 画 は 多 い も の で40% 程 度 で あ る が 臨 床 検 体 で は 不 詳 で あ り , ア ッ セ イ の 違 いに よる 結果 と も考 えら れる . ◎凍 結標 本を 用い て 螢光 染色 を行 っ て い る も の の 使 用 し て いる 抗体 はほ ぽ 同様 のも ので あ り結 果の 比較 には 大 きな 問題 はな い と 思 わ れ る . ◎ 血 管 侵 襲な どで 染色 性 に差 が得 られ な いか 検討 した が有 意 な染 色性 は得 られなかったため,今 後検体数を増やして検討した いと回答した.

  ま た 田 中 教 授 か ら , @ 肝 細 胞 癌 に お け るCD133の 癌 幹 細 胞 と し て の 位 置 づ け , ◎ 臨 床 検 体 に お け るCD133の 特 徴 的 な 局 在 の 有 無 , 染 色 陽 性 率 に つ い て , ◎ 脳 腫 瘍 に お い て は CD133の プ 口 モ ー タ ー 解 析 で メ チ ル 化 が 関 連 し て い る と 報 告 し て い る が 肝 細 胞 癌 に お い て は ど う か に つ い て 質 問 が あ っ た . こ れ ら に 対 し て 申 請 者 は 、 CD133陰 性 細胞 の中 にも 腫 瘍 形 成 能 が 見 ら れ ,CD90+CD44+な ど 別 の マ ー カ ー も 候 補 と さ れCD133の み が 癌 幹 細 胞 の マ ー カ ー で は な い と考 えら れる . ◎血 管侵 襲や 肝 内転 移な どを 含む 検 体も 検討 して い る が 局 在 に つ い て 特 徴 的 な 結 果 は 得 ら れ な か った .陽 性率 は多 い とこ ろで も9%程 度で

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博 宏

哉 省

正 吉

香 野

中 堂

浅 松

田 藤

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

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非 常に 少 な かっ た . ◎2010年のH epatologyでHuH7細 胞 にお い てTGFBがDNA methyl transferasesを阻 害してCD133の発 現を増強させることが証明されていると回答した.

  主査の 浅香教授より, CD133は幹細胞そのものというよりは幹細胞マーカーとして考 えてい いのか ,CDCD133陽 性癌幹 細胞に対 する治 療の位置 づけは ,◎CD133の細胞質,

細胞膜 発現の 意義,@CD133とAFPの関 連は, ◎今後ど のように 臨床応用するか等の質 問があ り,こ れらに対しては CD133は幹細胞のマーカーであると考えている,◎培養細 胞にお いてはAkt/PKB pathwayな どを通じ て5FU等に耐性 を示す ことが示されているが 薬剤に よって その耐性活性が下がることが報告されている,◎膜発現に関しては通常の

CD133発現バターンであるが,細胞質発現については不完全に翻訳された蛋白が細胞質に

留まっている,膜発現蛋白の急速分解過程を観察している可能性などのほかに神経細胞に おいてはCD133が一部細胞質にも見られているという報告があり,それがanti‑apoptotic な 働き を し てい る 可 能性 も 考 え られ る,@培 養細胞 において はCD133陽性分画 でAFP mRNA発現 レベルが 高いとい う報告 がある, ◎FACSなど 他のモダ リテイを用いて検出率 を上げることで予後不良症例を分類し治療応用にっなげたい等と回答した.また藤堂教授 からは外科においてもbasic scienceに基づいた治療が必要であること,肝細胞癌に関して はEpCAM,AFPで分類し た予後 不良因子 も報告 されてお り今後さ らに研究を進めていく 必要があるとのコメントがあった.

  本論文 はCD133の細胞質 発現が 肝細胞癌の予後不良因子で,癌幹細胞マーカーとして 有用である可能性を報告した論文であり,今後の臨床応用が期待される。審査員一同は、

これらの成果を高く評価し、申請者が博士(医学)の学位を受けるのに充分な資格を有す るものと判定した。

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