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博 士 ( 医 学 冫 吉 本 尚

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 冫 吉 本    尚

     学位論文題名

Kinematic Evaluation of Atlantoaxial Joint Instability :     An In Vivo Cineradiographic Investigation

(環軸椎不安定症の動態学的評価:シネラジオグラフイーを用いた生体内研究)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

環 軸 椎不 安 定 性 を評 価 す る 最良 の 指 標 は可 動 域(ROM)で あると 考えら れてい るが、 動的に そ の不 安定性 を評価 する指 標はなぃ 。本研 究の目 的は、 正常お よび不 安定で病的な環軸椎の動態 解析を、シネラジオグラフイーを用いて行い、環軸椎不安定性を動的に定量化することを目的とす る。12名の正 常成人 と15名の環軸椎亜脱臼症例の矢状面動態解析を、シネラジオグラフイーを用 いて 行った 。Cl‑2矢状 面回旋 とCl並進 と測定 し、時 間変位 曲線を 求めた。環軸椎亜脱臼症例全 例 、正常 例7例で 、その時 間変位 曲線はsigmoid型で あった 。そのsigmoid型曲線 におい て、急 激に 運動を 開始す る点が、屈曲、伸展双方において異なる肢位において生じることに着目した。

屈曲 運動の 際、急 激に運動を開始する点(A点)はより頚椎伸展位に位置し、伸展運動の際、それ (B点) はより 屈曲位 に位置していた。屈曲、伸展運動におけるそれらの急激な運動を開始する点 と点 との差(zone A‑B)をもとめ、それを全環軸椎可動域により除したものを%zone A‑Bとし、正 常 例 と環 軸 椎 亜 脱臼 例 に おいて 比較検 討した 。正常 例にお いて%zone A‑Bは37.1土13.9%、

環軸 椎亜脱 臼例に おいて は57.1土12.1% であり 、統計 学的に 有意差 を持って環軸椎亜脱臼例が zone A‑Bが広かった。

生体 外(in vitro)に おける 実験で は、そ の標本 の不安定 性を評 価する 指標として、Panabiによ り提 唱され たneutralzoneが 頻用さ れてい る。よ り不安 定な標本 ではneutralzoneは広くなる。

しか し、そ れは標 本にある負荷をかけ、その結果生じる標本の変位を測定し、負荷変位曲線を求 めることにより決定される指標であり、さまざまな因子が絡み合う生体内では測定は困難とされてき た 。neutralzoneと同 様 の 性質を 持つzoneA.Bは、neutralzoneの存 在を初め て生体 内で証 明 するものであり、これまで頻用されてきた不安定性のどの指標よりも、より包括的な環軸椎不安定性 の評価を可能にする。

今後 、この 指標が 臨床応 用され、 より厳 格な手 術適応 の決定 や環軸 椎不安定症の病態分析など に極めて有用な指標となることが期待される。

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学位論文審査の要旨

     学位論文題名

Kinematic Evaluation of Atlantoaxial Joint Instability :     An In Vivo Cineradiographic Investigation

(環軸椎不安定症の動態学的評価:シネラジオグラフイーを用いた生体内研究)

環 軸 椎 不 安 定 性 を 評価 する 最 良の 指標 は可 動 域(ROM)で あ ると 考え られ て いる が、 動的 にそ の 不安 定性 を 評価 する 指標 はな ぃ 。本研究の目的は、正常お よび不安定で病的な環軸椎 の動態 解析を、 シネラジオグラフイーを用いて行い、環軸椎不安定性を動的に定量化することである。12 名 の正 常成 人 と15名の 環軸 椎亜 脱 臼症例の矢状面動態解析を 、シネラジオグラフイーを 用いて 行 った 。環 椎(Cl) ‑軸 椎(C2)矢 状 面回旋とCl並進と測定し、 時間変位曲線を求めた。環 軸椎亜 脱 臼症 例全 例 、正 常例7例 で、 その 時間 変 位曲 線はsigmoid型であった。そのsigmoid型 曲線に おいて、 急激に運動を開始する点が、 屈曲、伸展双方において異 なる肢位において生じることに 着目した 。屈曲運動の際、急激に運動 を開始する点(A点)はより 頚椎伸展位に位置し、伸展運動 の際、そ れ(B点)はより屈曲位に位置 していた。屈曲、伸展運動 におけるそれらの急激な運動を 開 始す る点 と 点と の差(zone A‑B)をもとめ、それを全環軸椎 可動域により除したものを %zone A‑Bと し、 正常 例と 環 軸椎 亜脱 臼例 にお い て比 較検 討し た。 正常例において%zone A‑Bは37.1 土13.9%、 環 軸椎 亜脱 臼例 にお い ては57.1土12.1%であり、 統計学的に有意差を持って 環軸椎 亜脱臼例のzone A‑Bが広かった。

生 体外(in vitro)にお ける 実験 で は、その標本の不安定性を 評価する指標として、Panabiによ り提唱さ れたneutralzoneが頻用され ている。より不安定な標本で はneutralzoneは広くなる。し かし、そ れは標本にある負荷をかけ、 その結果生じる標本の変位 を測定し、負荷変位曲線を求め ることにより決定される指標であり、さまざまな因子が絡み合う生体内では測定は困難とされてきた。

Neutralzoneと 同 様 の 性 質 を 持 つzoneA.Bは 、neutralzoneの 存在 を初 め て生 体内 で証 明す るものであり、これまで頻用されてきた不安定性のどの指標よりも、より包括的な環軸椎不安定性の 評価を可能にする。

今 後、 この 指 標が 臨床 応用 され 、 より厳格な手術適応の決定 や環軸椎不安定症の病態分 析など に極めて有用な指標となることが期待される。

こ の論 文に 対して、副査杉原教授 より、1)環軸椎単椎間のみ の分析であり、他椎聞や頭 位など

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男 樹

明 平

原 田

三 杉

授 、

教 教

査 査

主 副

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を勘案する必要はなぃか、との質問があった。これに対し、発表者は1)極めて重要なことであり、

分 析を進 めている が、一論文に包括するには膨大な情報量となるため、今回の論文よりは割愛し た旨回答した。副査安田教授よりは1)筋収縮の影響を勘案しているか否か、2)正常例のパターン は 厳密に2っに大 別してよいものか否かについて質問があり、発表者は1)筋電図を同時に記録し つ つ、動 態解析を する意義を回答し、また、2)正常例を便宜的に2つのグループに大別したのみ であり、ひとつのそのグループの中間にあるものも存在しうる旨回答した。また、主査の三浪教授よ り1) 測 定 誤 差の 問 題 、 特にinterexaminer 8errorに ついて 、2)neutral zoneとzone A‑Bの parameterの違い をいか に考慮す るか、3)zone A‑Bにより手術適応を決定しうるか否かに関し、

質問があり、発表者は1)今後の課題であること、2)根本的に違う事象であるが、その概念の相同 性に関して今後も研究が必要なこと、3)あくまでも不安定性のーつの指標である旨、回答した。

こ の論文 は、脊椎 生体力 学の生 体内研 究にお いて、新たな視点を見出した研究であり、Journal of Spinal Disordersのrewewerや、そ の他の 脊椎外科 の研究 者より 高く評価され、多大な興味 を 示され ている。 今後、全頚椎動体内でのzone A‑Bの意義や、その妥当性に関してより研究が進 み、脊椎不安定性の研究に貢献することが期待される。

審 査員― 同は、こ れらの成果を高く評価し、申請者が博士(医学)の学位を受けるのに十分な資 格を有するものと判定した。

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参照

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