• 検索結果がありません。

無症候性2型糖尿病患者における頸動脈maximum-IMTの冠動脈病変予測能に関する検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "無症候性2型糖尿病患者における頸動脈maximum-IMTの冠動脈病変予測能に関する検討"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Utility of maximum carotid intima-media

thickness for predicting coronary artery

plaque in asymptomatic patients with type 2

diabetes

著者

藤原 和哉

発行年

2014

その他のタイトル

無症候性2型糖尿病患者における頸動脈maximum-IMT

の冠動脈病変予測能に関する検討

学位授与大学

筑波大学 (University of Tsukuba)

学位授与年度

2014

報告番号

12102甲第7170号

URL

http://hdl.handle.net/2241/00125671

(2)

氏 名 ( 本 籍 )

EA

藤原 和哉(福岡県)

A

学 位 の 種 類

EA

博士(医学)

A

学 位 記 番 号

EA

博甲第 7170 号

A

学 位 授 与 年 月

EA

平成26年11月30日

A

学位授与の要件

EA

学位規則第4条第1項該当

A

審 査 研 究 科

EA

人間総合科学研究科

学 位 論 文 題 目

Utility of maximum carotid intima-media thickness

for predicting coronary artery plaque in asymptomatic

patients with type 2 diabetes

(無 症 候 性

2 型 糖 尿 病 患 者 に お け る 頸 動 脈 maximum-IMT

の 冠 動 脈 病 変 予 測 能 に 関 す る 検 討 )

A

EA

筑波大学教授

医学博士 青沼 和隆

A

EA

筑波大学教授 薬学博士 橋本 幸一

A

EA

筑波大学教授 医学博士 柳 健一

副 査

筑波大学講師

博士(医学) 岡田 昌史

論文の内容の要旨

(目的) 糖尿病患者では、冠動脈疾患がより早期から出現し、生活の質にとって極めて重要な問題となるが、 無症候性が多いこと、既存のリスク因子での推定が困難であること、診断に冠動脈造影検査が必要で あることから、早期発見が困難である側面をあわせ持つ。これまでに、様々な心血管疾患に関するリ スクスコアが発表され、日常臨床に活用されている。しかしながら、一般的にリスクスコアは未来の 心血管疾患の予測能として使用され、必ずしも対象の現在の冠動脈の状態を評価できるかは明らかで はない。頸動脈内膜中膜複合体厚 (intima-media thickness, IMT) は非侵襲的に計測でき、その IMT をリ スクスコアに追加することで、心血管疾患の予測能が向上することが示されており、なかでも、IMT の最大値である maximum IMT (max-IMT) の有用性が報告されている。そこで、無症候性 2 型糖尿病患 者を対象に、 冠動脈 Computed Tomography (冠動脈 CT) で評価した冠動脈病変と IMT の 最大値

(max-IMT) を含む各臨床指標の関連を明らかにし、有用であった max-IMT を 既存のリスクスコアに加

えることで冠動脈狭窄病変の予測能が向上するかを検討する。 (対象と方法)

Max-IMT を含む各臨床指標の冠動脈病変予測能の検討、リスクスコア、max-IMTによる冠動脈狭窄

(3)

病変予測能の検討に関して、それぞれ 101 例、116 症例を対象とした。冠動脈 CT において 50%以上

の狭窄病変を冠動脈狭窄病変、また CT 値<50HU、かつポジティブリモデリングインデックス (>1.10)

を有する病変を冠動脈不安定プラークと定義した。冠動脈狭窄病変、または冠動脈不安定プラークを

独立変数とし、max-IMT、低比重リポ蛋白 (low-density lipoprotein, LDL) コレステロール (LDL-C) /

高比重リポ蛋白 (high-density lipoprotein, HDL)コレステロール (HDL-C) 比 (LDL/HDL) を含む各臨床

指標を従属変数とした多変量解析を施行した。また max-IMT、LDL/HDL の三分位における冠動脈病変

を有する患者の割合に関して検討を行った。Max-IMT、LDL/HDL、またこれらの臨床指標の組み合わ せにおける冠動脈狭窄病変、または冠動脈不安定プラークの予測能を Receiver operating characteristic

curve (ROC 曲線) を用い、ROC 曲線の曲線下面積 (AUC) にて評価した。リスクスコアと冠動脈狭窄

病変の検討に関しては、Framingham risk score (FRS)、UKPDS risk engine (UKPDS)、Japan Atherosclerosis Longitudinal Study (JALS) の各リスクスコアを使用した。リスクスコア単独、もしくはリスクスコアと

max-IMT との組み合わせによる指標における冠動脈狭窄病変の予測能を AUC、net reclassification

improvement (NRI) にて評価した。 (結果) Max-IMT を含む各臨床指標の冠動脈病変予測能の検討に関して、冠動脈狭窄病変、冠動脈不安定プ ラークを有する患者は、それぞれ 63 人、30 人であった。男性、糖尿病罹患期間、収縮期血圧、LDL/HDL は冠動脈狭窄病変の独立した関連因子であり、LDL/HDL は冠動脈不安定プラークの独立した関連因子 であった。Max-IMTを 3 分位にして検討すると、max-IMTが増加すると、冠動脈狭窄病変を有する患 者の割合が有意に増加した。Max-IMT、LDL/HDL の冠動脈狭窄病変予測の AUC は0.711、0.618 であ り、組み合わせると 0.732 と向上した。Max-IMT、LDL/HDL の冠動脈不安定プラーク予測の AUC は 0.655、0.629 であり、組み合わせると 0.710 と向上した。リスクスコア、max-IMTによる冠動脈狭窄病 変予測能に関する検討に関しては、68 人が冠動脈病変を有した。FRS、UKPDS、JALS の AUC はそれ ぞれ 0.763、0.785、0.767 であり、max-IMT を加えると、AUC はそれぞれ 0.788、0.800、0.786 と向上 し た 。 Max-IMT の 三 分 位 を 加 え る と 、 い ず れ の リ ス ク ス コ ア に お い て も 予 測 能 が 向 上 し 、 max-IMT≧1.9mm を追加することで、FRS、UKPDS、JALS の NRI はそれぞれ 32.4%、19.9%、51.7% と有意に改善した。 (考察) 先行研究と一致して、無症候性 2 型糖尿病患者における冠動脈 CT にて診断した冠動脈狭窄病変と max-IMT の肥厚の関連が明らかとなり、さらに、三分位の検討により、第 1 三分位と第 2 三分位で狭 窄病変を有する割合が大きく増加し、第 2 三分位と第 3 三分位では変わらなかったことから、冠動脈 狭窄病変検出に閾値を持つ可能性が示された。これまでの研究により、IMT をリスクスコアに追加す ることで、心血管疾患発症の予測能が改善することが報告されているが、本研究により、欧米だけで はなく、本邦のリスクスコアも冠動脈病変の存在を予測することができ、また max-IMT を使用するこ とで、各リスクスコアの予測能が向上することが示された。さらに比較的リスクスコアの低い集団に おいて、予測能の改善が高いことが明らかとなり、同集団における早期介入に期待できることが示唆 された。今後は前向きな検討を行い、max-IMT の有用性を検討することが必要である。

審査の結果の要旨

-

(4)

(批評) 本研究は、日本人における 無症候性 2 型糖尿病患者の CT による冠動脈病変と頸動脈内膜中膜肥厚 の 最大値 (max-IMT) を含む各臨床諸指標の関連を明らかにした。更に max-IMT を 既存のリスクスコ アに加えることで冠動脈狭窄病変の予測能が向上するかを検討し、max-IMT の 冠動脈狭窄病変予測に 対する有用性を明白にした。更に max-IMT の三分位による検討により、冠動脈狭窄病変検出に対す る max-IMT の 閾値を算出しており、独自性のある臨床的意義の高い研究である。 平成 26 年 9 月 18 日の学位論文審査委員会において、審査委員全員出席のもと論文について説明を 求め、関連事項について質疑応答を行い、最終試験を行った。その結果、審査委員全員が合格と判定 した。 よって、著者は博士(医学)の学位を受けるのに十分な資格を有するものと認める。

-

参照

関連したドキュメント

どにより異なる値をとると思われる.ところで,かっ

F1+2 やTATが上昇する病態としては,DIC および肺塞栓症,深部静脈血栓症などの血栓症 がある.

信心辮口無窄症一〇例・心筋磁性一〇例・血管疾患︵狡心症ノ有無二關セズ︶四例︒動脈瘤︵胸部動脈︶一例︒腎臓疾患

10例中2例(症例7,8)に内胸動脈のstringsignを 認めた.症例7は47歳男性,LMTの75%狭窄に対し

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

〈下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症 抑制〉

いメタボリックシンドロームや 2 型糖尿病への 有用性も期待される.ペマフィブラートは他の

ターゲット別啓発動画、2020年度の新規事業紹介動画を制作。 〇ターゲット別動画 4本 1農業関係者向け動画 2漁業関係者向け動画