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塩酸デクスメデトミジンの体循環および肺循環に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)一67一.

(2) 一68一. 論. 文. 内. 容. の. 要. 旨. 【目的】 塩酸デクスメデトミジン(1)ex)は,集. 中治療 領域 における鎮 静薬として使 用されているα2受 容 体作動 薬である.. α2受容体 は中枢 神経,特 に脳 幹に高密度に存在 し,脳 幹 部および 脊髄 の α2受容 体が刺 激されると鎮 静作 用お よび鎮痛 作用が 発現すると考えられている.そ のため.Dexは. 重症患 者の鎮 静に用いられており,低 酸 素血症 を. 誘発する可能性 がないことを確 かめておく必 要がある.多'弔. 肺 循環 への作 用を明確 にする目的 で,家 兎循 環. 動 態標 本ならびに定 流 羅再灌流標 本を作成 し,Dexの. 持続投 与による全身の循環 動態へ の影響 および低 酸素性. 肺血 管収 縮 反応(hypoxlcpuimonaryvasf)αmstriction・HPV)な. らびに肺 循 環 に及 ぼす 影 響 を検 討 した.. ざらに,臨 床研 究として心臓 手術 後の集中治療 室 人室患 昔に対し,Dex持. 続 投 与による循環 動態 の変化 を検討. した. 【方法】 雄性家 兎30羽. を対象に,家 兎循環動態 標本を作 製し,Dexの. 持 続投 与による循環 動態 に及 ぼす影響 をみた.. また,雄 性家 兎36羽 を対 象に肺動 脈送 血,左 心 房脱 血の定流量 再灌流 標本を作 成 し,DexのHPV反. 応なら. びに肺 動脈灌 流圧の変 化をみた.次 に,集中治療 室に入室する心 臓外 科手術 後患 者10名 を対 象に,麻酔覚 醒後, Dexを 持続 投 与し,鎮 静状態,循 環 動態,呼 吸状 態に及ぼす影響 を観察 した. 【 結剰 高用 量のDexを. 家 兎に持 続投与 したところ,平 均 動脈圧は投 与初期 に低 下したが,平 均 肺動 脈圧 は変 化しな. かった.心 拍 数。心拍 出量 は投 与後速 やかに減 少したが,一 回拍 出量の減 少は認められなかった.血 中濃度 は 投 与後 約60分. で定常状態 に達 すると推測 された.HPV反. 応はDex投. 与により増強 も減弱 もしなかった.し か し,. 臨床使 用濃度の約400倍 と考えられる高濃度では肺動 脈圧の ヒ昇が認 められた.心 臓 手術 後患 者に初期 負荷投 与を行わずDexを. 持 続投 与したところ,急 激 な高 血圧,低 血圧 などの循 環動 態の変動 は認められず,鎮 静レベ. ルも良好であった. 【考察】 家 兎の体 循環 で,平 均血 圧,心 拍数の低 下は交感 神経の遮 断効 果による影響で,心 拍 出量の低 下は心拍 数 の低 ドによるものと考えられた,肺 循 環は,高濃 度のDexに よりα2受容 体刺 激により肺動 脈圧の 上昇がみられたが, 肺 動脈 の収縮 は主に α1受 容体 の関 与が 考えられており,Dexの HPV反. 肺 血管 に対す る作 用は 少ないものと考えられ,. 応 に及ぼす 影響もみられなかった.ヒ トの臨床使用 においても,PaO2,PaCO2は. 変 化せず,肺 循 環に及. i. ぼす 影響は弱かった.臨 床 使用濃 度における肺循 環に'チえる影響 は,極 めて少ないといえる.. l公. 臨床使 用濃度のDexは,早. 表. 年. 月. 日. 出版 物 の 種 類 及 び名 称. 博. 【 結謝. 士 期から持続 投与を行うことで過 度の循環 動態 の変動を抑 え,ま た,HPV反. 与える影響がないため.低 酸素 血症を引き起こす可能 性は極めて少ないものと考えられた.. 応に. 論 文 の 印 刷 公. 平成19年10月. 日. 公表 予 定. 出 版 物 名 近 畿大 学 医学 雑 誌. 公. 表. 内. 容. 表. 第32巻 平 成19年. 全. 文. 第4号 月. 日. 発行 予定.

(3) 論. 文. 審. 査. 結. 果. 辺. 要. 旨. 一69一.

(4) 一70一.

(5)

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