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Head downおよびHead up Tiltがウサギ脳循環に及ぼす影響 -- 生理学的および薬理学的研究 --

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Academic year: 2021

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Title

Head downおよびHead up Tiltがウサギ脳循環に及ぼす影響 --

生理学的および薬理学的研究 --( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

加藤, 正巳

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1260号

Issue Date

2000-12-20

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15012

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

[42]帥

氏名 (本籍)

学位の種琴

学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 加

巳(岐阜県)

士(医学)、

乙第 1260

平成.12

年12

月 20 日

学位規則第4条第2項革当

Head downおよびHead up Tirtがウサギ脳循環に及ぼす影響

一生理学的および薬理学的研究-(主査)教授

一 (副査)教授 坂

昇 教授

田 啓 之 論 文 内

へ容

の 要 旨 体液シフトは微少重力環境下で起こる心循環反応の主因であるとともに,宇苗酔いの発症を説明する仮説と関 連づけられている。多くの研究者は,体液シフトによる末梢循環系ゐ反応を研究してきた。しかしながら;脳循

環系動態を研究した論文は多くない。そこで,

宇宙酔いに対する体液シフト説を検証する■ために受動的な体位傾

斜による体液移動を覚醒ウサギに起こし,体液移動七よる脳循環反応を調べた。 はじめに,様々な角度(±150,±300,±450,±600)の体位傾斜がもたらす脳循環動態の反応を調べた。そ

の結果,Head-downTiltini(HDT)では傾斜角度が大きくなるにつれて変化が認められ,内頚動脈血流量(ICF)

は,-450tbHDTで変化が最大となった。血圧(BP)と心拍数(HR)も増加が認められた。しかし,Head-uP

Tilting(HUT)ではどの角度においても脳循環動態に明らかな変化はは主んど認められなかった。

この結果から,傾斜角度を±450に限定して要理学的実験を実施した。すなわち,atenOlol(選択的β1受容体

ブロッカー,1mg/kg,i.v.)を投与して,体位傾斜時ゐ脳循環反応に対する交感神経の関与を検討した。Atenolol

の投与により,コントロールHDTに認あられた耳介動脈血流量(ABF)とHRの増加,ICFの減少が抑えられた。 また,コントロールHUTで認められたHRの増加,ABFの減少が抑えられた。 以上の結果から,HDTとHUTに対する体の反射機構が異なること,さらにある一定レベル以上の体液シフト が起こらなければ生体の防御機構は働かないと思われた。また,HDTとHUT時に起こる脳循環反応に対して, 体液移動の影響だけでなく交感神経の関与があると思われた。 研究方法 ウサギ19羽(2.86∼3.20kg)を使用した。 Pentobarbitalsodium(30mg/kg,i.p.)にて麻酔後,左内頸動脈に血流センサー(パルスドップラー)を, 左大腿動脈に血圧センサー(テレメトリーシステム)を埋め込んだ。実験は手術後1週間以上経過した動物を使 用し,L覚醒下で行った。ウサギの右肩甲骨上部と剣状軟骨部の皮膚にステンレス線を通して心電図(Apex-Base 誘導)を導出,これより心拍数を計測した。また耳介動脈上に血流測定用ブループ(レーザー・ドップラー)を 装着し⊥,ワイヤーストレイシゲージによって呼吸をモニターした。 (》実験1 体位傾斜がもたらす脳循環動態の反応を時系列的に調べた。 ウサギ7羽(3.12±0.12kg)を使用した。覚醒下でウサギを固定箱に入れ,腹臥位姿勢で受動的な体位傾斜 (HUTおよびHDT)を00,±150,±300,±45Oおよび±600(+:HUT,-:HDT)で15分間継続して行った。 それぞれの体位傾斜の前後に15分間のコントロール姿勢(00)を設定した。傾斜方向および傾斜順序を無作為に 決め,全ての傾斜角をそれぞれ1回ずつ経験するようにした。 ②実験2

(3)

ー83-体位傾斜時の脳循環反応に対する自律神経の影響を調べるために,選択的交感神経β1受容体遮断薬(atenolol)

を投与して実験を行った。 ウサギ12羽(3.35±0.27kg)を使用し,実験1とほぼ同様の方法で行云たが,実験1の結果か、ら傾斜角は450 と限定した。まず,atenOlol投与前に±450のHDTおよびHUTをそれぞれ1度ずつ行って対照データとし,.次に

atenolol(1.Omg/kg,i.v.)を右耳介動脈より投与し,再び±450のHDT串よ如Ufを1虔ずつ実施した。な

お,傾斜順序は対照群(atenolol未投与群),寧tenQlol投与群とも無作為とした。

③統計方法

それぞれの測定項目について時系列データから1分毎の平均値李求め,さらた体位傾斜期間15分間を平均値で

表した。実験1では,・体位傾斜前(00)に対する変化率(%)を算出した。実験2では,実験1と同様にatenolol 未投与,あるいはatenolol投与後において傾斜角00と±450の2角度間でpairedt一検定を行っ七。また,傾斜角 00と±450の体位傾斜においてatenoloi未投与とatenolol投与群の2群間でF一検定による等分散性の検雇を行い, 等分散の場合はStudentのt一検定を,不等分散の場合はAspinTWelchのt一枚定を行った。 結 果 ①実験1 HDTでは一300以上で内頚動脈血流量の減少,心拍数の増加が認められた。これらの反応は-450で最大に

なったものの,-600では小さくなった。HUTでは,脳循環唇応の傾斜角への依存は認やられなかった。

(診実験2

内頸動脈血流量は,atenOlol未投与群ではHDTによって減少した。しかし,この反応は.atenolol投与により抑

えられた。HUTでは禾投与群,投与群とも明らかな変任は認められなかった。耳介動脈血流量はatenolol未投与

では豆DT,HUTともに減少tJた。これらの反応は?tenOlo嘩与によって変化が抑えられた。体位傾斜時事こおこ

る血圧変動は,atenOlol投与によ卑影響を受けなかった。HDTおよびHUT時におこる心拍数の変化は,atenOlol

投与により抑えら.れた。耳介動脈すなわち外頚動脈血流量はatenolol未投与群において!HDTでは増加し,HUT

では減少した。これらの反応はatenolol投与により抑えられた。体位変換時に見られる循環動態の変化には,交 感神経元進によるものが認められた。 以上の結果か-ら,∵HDTに対する起立耐性の反射機構が確立されているのに対し,微少重力環境やHUTによろ

頭部方向への体液移動にたいする防御機構は,体液移動がある一定以上のレベルにならなければ働中ないと翠わ

れた。また,HDT時に頭部循環血流量が増加,HUT時に頭部循環血流量が減少するという反応は,休位変換時の 体液移動による影響のみならず,交感神経系の関与があると考えられた。さらに,HDTおよびHUT時に起こる 生体の防御機構は異なると思われた。 論文審査の結果の要旨 申請者

加藤車巳は,宇苗酔いに対する休液シフト説を検証するために,体液移動に皐る脳循環反応を検討し,

一定レベル以上の体液シフトが起こらなければ生体の防御鱒構は働かないことを明らかにした。また,HDTと

HUT時に起こる脳循環反応に対し,休液移動の影響だけでなく交感神経の関与があることを示した。こ甲研究 成果は,宇宙生理学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]

Head downおよびHead up Tiltがウサギ脳循環に及ぼす影響 一生理学的および薬理学的研究一

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