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パーキンソン病に対する新規手術療法:淡蒼球視床路手術の可能性

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Academic year: 2021

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(1)

パーキンソン病に対する新規手術療法:淡蒼球視床

路手術の可能性

著者名

堀澤 士朗, 平 孝臣, 川俣 貴一

雑誌名

東京女子医科大学雑誌

88

2

ページ

69-70

発行年

2018-04-25

URL

http://hdl.handle.net/10470/00032049

(2)

1.小児交互性片麻痺で発症しATP1A3遺伝子変異が 同定された 21 歳女性 (東京女子医科大学小児科) 西川愛子・伊藤 進・小国弘量・永田 智   〔はじめに〕小児交互性片麻痺(alternating hemiplegia of childhood:AHC)は 1971 年に症例提示をされ,2012 年に病因として ATP1A3 遺伝子の変異が報告された希少 難治疾患である.今回,C927Y 変異を持つ症例について 臨床経過を報告する.〔症例〕21 歳女性.生後 2 か月時 に異常眼球運動,6 か月時から眼球偏位を伴う片側強直 発作を反復し重度精神遅滞を認めた.1 歳 2 か月時に当 科を初診し,AHC と診断した.有効治療薬とされた塩酸 フルナリジンは無効で,アマンタジン塩酸塩,抗てんか ん薬の調整を行った.発作型は片側麻痺から全身麻痺も 伴うようになり,発作頻度は 2 週間に 1 回,数分から 4 日 間 持 続 し て い る.16 歳 の 時 に 遺 伝 子 変 異 解 析 で ATP1A3遺伝子において C927Y 変異が同定された.〔考 察〕同変異の報告は少なく,臨床型の多様性については 引き続き症例の蓄積が必要である. 2.パーキンソン病に対する新規手術療法:淡蒼球視 床路手術の可能性 (東京女子医科大学脳神経外科) 堀澤士朗・平 孝臣・川俣貴一   淡蒼球視床路破壊術(pallidothalamic tractotomy: PTT)は,従来パーキンソン病に対して行われてきた視 床下核(STN)または淡蒼球内節(GPi)への脳深部刺 激術(DBS)のそれぞれの利点(レボドパ減薬が可能, かつ直接的なジスキネジアを抑制する効果がある)を持 つ可能性が,スイスの Jeanmonod らによって報告され た.我々は,パーキンソン病患者に対して,同様に PTT を一側に行い,レボドパ減薬,かつジスキネジアの抑制 が得られた症例を経験したので報告する.  症例は 68 歳女性で,小刻み歩行で発症し,内服治療開 始後14年が経過していた.Peak dose dyskinesiaとwear-ing off が顕著となり,手術を行うこととした.ジスキネ ジアは右半身に優位であった.術前レボドパ 1 日投与量 は 300 mg であった.OFF 時の UPDRS part 2:21,part 3:36 であった.左 PTT を行い,翌日より著明なジスキ ネジアの改善と,OFF 時の運動症状の改善を認めた. OFF 時の UPDRS では part 2:75%改善,part 3:82% 改善を示した.特に合併症は認めなかった.PTT は,

第 50 回東京女子医科大学・神経懇話会

日 時:2017 年 7 月 25 日(火)18:00~20:00 場 所:東京女子医科大学 中央校舎 地下 1 階 臨床講堂(II) 一般演題 18:15~19:00 座長(脳神経外科)藍原康雄 1.小児交代性片麻痺で発症し ATP1A3 遺伝子変異が同定された 21 歳女性 (東京女子医科大学小児科)西川愛子,伊藤 進,小国弘量,永田 智 2.パーキンソン病に対する新規手術療法:淡蒼球視床路手術の可能性 (東京女子医科大学脳神経外科)堀澤士朗,平 孝臣,川俣貴一 3.Embolic stroke of unditermined source(ESUS)における血管内皮機能について

(東京女子医科大学神経内科)白井優香,遠井素乃,久保田愛,安達有多子,北川一夫 4.前頭葉神経膠腫摘出術後に幻覚妄想状態を呈した 1 例 (東京女子医科大学神経精神科)松井聡子, 河野敬明,松井健太郎,稲田 健,高橋一志,西村勝治 特別講演 19:00~20:00 座長(脳神経外科)川俣貴一 臨床および基礎からみる脳脊髄液の機能と動態 (山王病院脳神経外科)高橋浩一 当番世話人:(東京女子医科大学脳神経外科学) 川俣貴一 共   催:東京女子医科大学・エーザイ(株)      学会・研究会抄録

東女医大誌 第 88 巻 第 2 号 頁 69~70 平成 30 年 4 月 ―69― 27

(3)

STN-DBS と GPi-DBS の効果を併せ持つことが示唆され た.

3.Embolic stroke of undetermined source(ESUS) における血管内皮機能について (東京女子医科大学神経内科) 白井優香・ 遠井素乃・久保田愛・安達有多子・北川一夫   ESUS を含めた脳梗塞病型ごとの血管内皮機能を明ら かにすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は 40 歳 以上で過去 1 年以内に頭部 MRI を行い,脳血管病変を有 する当科外来通院患者を対象とした前向き登録研究より 選出した.対象群を,非脳卒中(No stroke),アテロー ム血栓性脳梗塞(LAA),ラクナ梗塞(SVO),心原性脳 塞栓症(CE),塞栓源不明の塞栓性脳梗塞(ESUS),そ の他(Other stroke)に分け,上腕動脈の flow mediated dilation(FMD)検査を用いて各病型における血管内皮 機能を評価した.統計は,ANOVA 検定を用いた.〔結 果〕対象は 166 人,年齢 69.0±10.6 歳,男性 61.5%であっ た.既往症は,高血圧 69.3%,糖尿病 27.1%,脂質異常 症 52.4%,慢性腎臓病 48.0%,心房細動 10.2%であった. % FMD は全体で 5.69±2.70 であり,No stroke(n=70), 5.78±0.32;LAA(n=15),5.03±0.70;SVO(n=34), 5.90±0.46;CE(n=12),5.08±0.78;ESUS(n=15), 3.39±0.70;Other stroke(n=20),6.87±0.60 であった. ESUS は No stroke,SVO,Other stroke と比較し% FMD

が有意に低下し,LAA,CE とは有意差はなかった.ま た,LAA は Other stroke と比較し% FMD は有意に低 かった.ESUS の血管内皮機能は LAA と同様に低下し ていることが示唆された. 4. 前頭葉神経膠腫摘出後に幻覚妄想状態を呈した1例 (東京女子医科大学神経精神科) 松井聡子・ 河野敬明・松井健太郎・ 稲田 健・高橋一志・西村勝治   症例は 50 歳の女性.精神疾患の既往歴はない.X 年 Y -2 月,左前頭葉神経膠腫と診断され,Y 月 Z-12 日, 覚醒下腫瘍摘出術を施行された.術翌日,せん妄と診断 されリスペリドンでの薬物治療が開始された.せん妄は 速やかに消退し,Y 月 Z-9 日,リスペリドンを中止し たところ,Y 月 Z-4 日に幻聴,被害妄想が出現したた め,Y 月 Z 日,加療目的に当科転科となった.リスペリ ドンを 4 mg まで増量したところ幻聴,被害妄想は消失 した.しかし,錐体外路症状が顕在化したため,入院第 24 病日よりリスペリドンを漸減した.入院第 49 病日に リスペリドン中止したところ,錐体外路症状は消失し, またその後も幻覚妄想状態は再燃しなかった.入院第 74 病日に当科退院,その後も少なくとも 1 か月は幻覚妄想 状態の再燃を認めていない.本症例は,前頭葉神経膠腫 摘出術後に精神症状が出現した初めての報告である.        ―70― 28

参照

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