体育授業実践構築のための教師の指導性の検討 : 授業のアセスメントモデルに基づく指導の在り方
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(2) 〈目 次〉. 授業実践における教師の指導性の文献による検討 1) 対象 2︶. 分析の方法 一一一一一一一一一一…一…一…一一一……一一一一…一…一一一一. 文献の検討から導き出された教師の指導性の授業実践による検証 1) 対象. 2) 実施期間 3︶. 調査■測定項目及びその方法 一一一一一一一……一一一一一一一一一一一一一・. 4︶. 結果の処理の手続き ・一一一…一一…一一一一一一一一…一一一一一一一一一一一. . 皿 W. 結果と考察. 授業実践における教師の指導性の文献による検討. 文献の検討から導き出された教師の指導性の授業実践による検証. 総括. 〈引用・参考文献〉 一一一一一一一…一一一””一一一”””−』甲騨””一一一一…一一一・. 4 4 4 4 4 3 1 4 4 4 4 8 110 10 5 3 . ’緒言. 研究の方法. 6.
(3) 1. 緒言. これまで現職小学校教諭として,学習指導要領の趣旨や内容を踏まえ,体育科を中心に 目々の授業実践に取り組んできた.そこでは,子どもたちが運動の特性にふれ,自らの課 題に全力で取り組む姿や,記録や技能が向上して喜ぶ姿,仲間と協力したり教え合ったり. する姿を目の当たりにし,教師としての営みの楽しさや奥深さといった授業実践の意義を 実感した.その中で,一人一人の思いや願いを把握し,課題の明確化,高度化を図るとい う個に応じた指導が大切であることや,個に応じた指導の延長として集団における課題が. 共有化されることを認識するとともに,そのためには,子どもの学習状況を読み取り,そ. れに対応しながら教師が意図的な指導を行うという,柔軟的かっ弾力的な学習過程や授業 設計が必要であることが明らかとなった.. このような個に応じた指導を実現するにあたって,個々の学習成果を導き出すことを意 図した詳細な子ども把握に基づく綿密な授業計画によって,子どもの自発的な学習を保障 しながら授業実践を行うとともに,そこで得られた授業成果から自身の指導を見直し,さ. らによりよい授業実践を目指すことを心掛けてきた.また,子どもの自発的な学習を保障. するためには,1単位時問の多様化する内容や課題,場の設定への対応や,子ども把握に 多くの時間や労力を費やさなければならず,それらを授業間に行うことは必然であった.. 具体的には,授業での活動時間を保障するためのマネージメントや,授業評価などを参考 にしたフィードバック情報の整理,さらには,それらをもとにした授業計画の修正など,. 授業間に周到な準備を行った.そして,自身としては,授業間における詳細な子ども把握 とそれに基づく綿密な授業計画からすれば,教師の指導性は大いに授業に反映されていた. と言え,何よりも,学習成果であるところの前述の生き生きと学習に取り組む子どもの姿 からも,そのことは明らかであると思われた.. しかし,いくら授業間に周到な準備を行っていても,授業中には個別に対応する教師行 動しか顕れないため,授業を参観した他の教師や助言者からは,「個の多様性に応じて, 課題や場を多様に設ける指導は真似できない(批判的にとらえれば放任である)」とか「も っと教師の指導性を前面に出した方がよい」という感想や意見が少なくなかった.これは,. 自身と第三者の間に教師の指導や指導性のとらえ方にズレがあり,教師が子どもに直接関. わる指導場面が少ない授業は,教師の指導性を授業中に顕れる教師行動だけで判断しがち な第三者には理解されていなかったと考えられる.これらの指摘の背景から,教育現場に. 1.
(4) おける指導性の概念が曖昧かつ広義なものであり,研究者や教師自身に概念規定が委ねら れ,明確にされていないことや,自身の授業実践における反省も踏まえると,本来発揮さ れていたであろう教師の指導性の内実が,第三者に対して具体的に示されていなかったこ とが課題として挙げられよう.. 同様の課題は,新学力観が提唱されて以後の教育現場の混迷からもうかがえる.子ども の側に立っという教育の見方についてのパラダイム転換として新学力観が提唱され,豊か な人間性や自ら学び自ら考える力などの「生きるカ」の育成を図ることを基本的なねらい とした学習指導要領の改訂などの流れの中で,とりわけ小学校現場では,従来の教師主導. 的な印象のあるr指導」よりも,r支援」やr援助」という立場で授業を行うべきである という風潮が流れた.そのこと自体は,教育を見直すという点で有意義であったと思われ る.しかし,その表向きの形式にばかり振り回され,内実が具体的に示されなかったため. に,教育現場では,教師の指導性の発揮や,その顕れであるところの指導や支援・援助の. 在り方に混乱と迷いが生じ,その結果,教師の指導性を見えにくくしたり,一方では,子 ども任せの「放任」を許してしまったりしたのではないだろうか.. 以上のことを踏まえると,吉本18)が,r自発性信仰でもなく,統制,命令でもない『指 導』とは何か.それこそが,いま,わたしたちに求められている.その指導の性格を究明. するところに,子どもたちを真に主体に育てていく道がある」と指摘しているように,改 めて教師の指導性の内実を究明することが求められていると考えられる.. ところで,授業は,図1に示すように3つの段階でとらえられ,授業実践に有効なフィ ードバック情報を得るために,それぞれの段階で評価・改善点の指摘が繰り返し行われて いる.このアセスメントモデルに基づく指導のとらえ方は,1単位時間の授業のみならず, 授業のまとまりとしての単元全体あるいは,授業の一場面における指導についても言え, このモデルに基づく指導がスパイラルに繰り返し行われ,授業は成立している.ここで, 授業過程(process). 授業計画(plamlng). 教師の授業過程生徒の学習過程 (教師行動) (生徒行動). 授業成果(product). 長期の成果 短期の成果. 図1 アセスメントモデル(竹田ほか15),1997). 前述の自身の授業実践と照らし合わせてみたとき,授業間に周到な準備を行う授業であっ. ても,詳細な子ども把握に基づく綿密な授業計画によって,授業実践を行うとともに,授. 一2一.
(5) 業成果から指導を見直し,よりよい授業実践を目指すという,アセスメントモデルに基づ く指導が感覚的に行われていたと考えられる.すなわち,自身のとらえる教師の指導性と は,アセスメントモデルに基づく指導のことであると言えるのではないだろうか.また,. 計画・過程・成果をつながりとしてとらえるアセスメントモデルに基づく指導において は,授業過程の授業中に顕れる教師行動だけで授業実践の善し悪しや教師の指導性を判断 することができないのは当然のことと言えよう.つまり,このアセスメントモデルに基づ く指導の詳細を明らかにすることによって,教師の指導性の内実を具体的に示すことが可. 能になると考える. 噺 そこで本研究では,授業実践の中で実体としてとらえにくい教師の指導性の内実を具体 的に示すために,授業のアセスメントモデルに基づく指導の在り方を明らかにし,体育授 業実践構築のための教師の指導性を検討することを目的とする.. 一3一.
(6) 皿 研究の方法. 1. 授業実践における教師の指導性の文献による検討 1)対象. 授業実践における教師の指導性や教師の思考に関わった研究の学術論文,著書を対象と した.. 2) 分析の方法. それぞれの学術論文及び著書を読解,分析し,授業実践における教師の指導性の概念を. 規定するとともに,教師の指導性の内実を具体的に示すために,授業のアセスメントモデ ルに基づく指導を行う際の教師の思考のメカニズムを導き出した.. 2。 文献の検討から導き出された教師の指導性の授業実践による検証. 1) 対象. 愛媛県内の公立小学校5年生で,教職経験25年の女性教諭が担任して1年目の1学級39 名(男子20名,女子19名)の児童を対象に,文献による検討から導き出された教師の指導. 性を発揮することができると想定される教職経験13年の男性教諭が授業者となり,ボール 運動領域のフラッグフットボールを教材とする,教室でのオリエンテーション1時間,ま. とめ1時問を含む1単元全9時間の体育授業を分析の対象とした. 2) 実施期間. 平成17年10月初旬∼下旬 3) 調査・測定項目及びその方法. アセスメントモデルに基づくと,計画・過程・成果のそれぞれの段階における教師の指 導は,単元や1単位時間の授業,あるいは授業の一場面での指導として取り出してとらえ られるものではなく,一連のつながりの中で行われるものであるため,調査・測定項目及. びその方法については,教師の把握に関する項目と子どもの把握に関する項目に分けて示. すことにする.また,これらは全て,本研究で明らかにしたい教師の指導性を検討する方 法であると同時に,授業者自身の授業実践における指導のための方法でもある.. (1)教師の把握に関する調査・測定項目及びその方法. 教師の意思決定の詳細と授業間及び授業中の教師行動を把握し,相互の関連性を明らか にするために,以下の手法を用いて観察・記録及び調査・測定を実施した.. 一4一.
(7) ①教師の意思決定 単元前後を含む授業間及び授業中の教師の意思決定の詳細を把握するために,計画・過 程・成果の全ての段階において,子ども把握の解釈,指導方針の決定,授業間及び授業中 に行われた教師行動の意図などについて,授業者への再生刺激法7)による調査を実施した.. ②授業間の教師行動 単元前後を含む授業間の教師行動を把握するために,指導計画の作成やチーム編成,授 業のための準備,子どもの学習成果の把握,学習カードヘの記述などについて,授業間に 教師が行った活動を記録した.. ③ 授業中の教師行動. 授業中の教師の言語行動を把握するために,ワイヤレスマイク及びビデオカメラを用い て収録し,岡澤ら9)による言語行動分析法に若干の修正が加えられたものを用いて分析し た.なお,カテゴリーとその定義は表1に示した通りである.また,分析はカテゴリーの. 定義に従い,第1次元で教師の言語行動,第2次元でその内容,第3次元でその内容の種 類を分析した.また,逐語記録を作成し,言葉掛けによる子どもへの具体的な教師の関わ りとして記録した.. (2)子どもの把握に関する調査・測定項目及びその方法. 教師の意思決定に基づく指導と,子どもの実態や学習成果との関連性を明らかにするた めに,以下の手法を用いて観察・記録及び調査・測定を実施した.なお,尺度構成法に基 づき作成された調査票による調査は,それぞれの調査法の手続きに従い宰施した。. ①学級担任への聞き取り調査 単元開始前,単元計画の作成とチーム編成にあたって,目頃の学級における子どもの実 態を把握するために,学力,生活行動,運動技能,体育学習に対する意欲,所属の社会体 育,性格特性,対人関係,生活全般における配慮事項について,学級担任への聞き取り調 査を実施した.. ②性格特性 単元開始前,単元計画の作成とチーム編成にあたって,子どもの性格特性を把握するた めに,「向性」(支配的・社会的外向),「活動性」(のんき・一般的活動性・思考的活動性),. 「社会性」(主観的・非協調的・攻撃的),「情緒性」(神経質・劣等感・回帰性傾向・抑. 欝性)の4観点からなる子ども用Y・G性格検査(矢田部ギルフォード性格検査)を実施 した.なお,アイゼンク(R.」.Eysench)5)の理論に基づき,性格は先天的で変容しないもの. 一5一.
(8) 表1 教師の言語行動分析法カデゴリーとその定義 一. プ. 次. 体人ル 元全個グ. 1①②③. 第. ・教師が全体に向かって話すこと. ・教師が個人,指名した個人に向かって話すこと, ・教師がグループに向かって話すこと.. 第2次元. ①行動面 ②運動技術面. ③その他. ・教師の言語が児童の行動面にっいて行われること.(例:整列,準備, 片付け,移動,話しを聞くときなど). ・教師の言語が,児童の運動技術面について行われる場合,また,運動 に従事しているときに行われる場合もこれとする. ・教師の言語が,児童の行動面・運動技術面以外に行われるもので,児 童の体調や授業に関係のないことなどにっいて行う場合である.. 第3次元. ①単純動作指示. ・命令的な口調で,r集合!」「行け!」「来い!」「座れ!」などの指示 である,. ②学習関与指示. ・何らかの形で学習に関わりながら児童の行動を方向付けることで,「向 こうの高い方のゴールで練習しなさい」rOO君をよく見ていてごらん」 などの指示である.. ③説明. ・教師が児童に対して,学習活動やその内容,また運動技術などにっい. ④発問. て具体的に伝えることである. ・「どうすればいいのかな」「なぜだろう」などと,問い掛けの中でも狭 義なもので,児童の思考を促すものである.. ⑤助言1. ・児童の行動や運動技術に伴った言葉を添えて手助けしてやること。未 熟な技術に対して指摘すると同時に,具体的にどのようにしたらよいの かを教えることによって,次の技術に結びつくように方向付けることで ある。. ⑥助言2. ⑦掛け声. ⑧賞賛 ⑨励まし ⑩代償的賞賛. ・児童の行動や運動技術にっいて,未熟な部分を指摘してやること.指 摘したことに対しての方向付けは含まないものとする. ・r頑張れ一!」rいけ一!」という具合に,特に活動中に児童に対して, 声を掛けてやることである. ・rよくやった一」r上手だね一」「今のよかったよ」「そうだよそうだよ」 などとほめたたえることである. ・「もう少しだ,頑張れ」「その調子だぞ」というように,児童の行動や 運動に対して,励まし力付けることである. ・技術的に未熟な児童に対して,まず,どの様な行動に対しても肯定的 な働き掛けを行う.そして,自信をもたせると同時に,頑張って欲しい 未熟な箇所についての助言や励ましを与えてやることである,(例:「お 一,今のはすごく元気があっていい動きしていたね.それじゃあ今度は … をもっと… にして頑張ってごらん,そうすればとってもきれ いな動きになるよ.」). ⑪問い掛け. ⑫確認 ⑬応答 ⑭注意. ⑮叱責. ・児童に,何かを問うように声を掛けること.. ・rOO君わかった?」rどうしたの?」などや,点数や記録の確認,ま た簡単な質問も含む ・教師が児童の発言に対して答えること. ・児童の行為や望ましくない行動や運動に対して,それを正すために指 摘するもので,感情は伴わない. ・児童の問違った行動に対して,強く否定し叱るものである.. 注)諸定義は,下記の論文に基づき,若干の修正が加えられたものである. 岡澤祥訓・三村忠・高橋健夫・伊東正信「小学校体育授業における教師の言語行動に関する研究」 文部省科学研究費(一般B)研究成果報告書:1991.3. 一6一.
(9) としてとらえ,単元終了時には実施しなかった.(付表1). ③ 運動に対する有能性. 単元開始前,単元計画の作成とチーム編成にあたって,子どもの運動に対する有能性を 把握するために,岡澤ら8)の作成した“運動ができる”という自信に関わった「身体的有能 さの認知」,“努力すればできる”という「統制感」,“仲問や教師に受け入れられている”. という「受容感」の3因子からなる運動有能感に関する調査を実施した.また,単元を通 した子どもの学習成果を把握するために,単元終了時にも同様の調査を実施した.(付表2). ④体育授業に対する態度 単元開始前,単元計画の作成とチーム編成にあたって,子どもの体育授業に対する態度 を把握するために,高田ら12)の作成した「たのしむ」「できる」「まもる」「まなぶ」の体. 育の目標領域に対応した4因子からなる小学校高学年用の態度測定による体育授業評価法 を用いた調査を実施した.また,単元を通した子どもの学習成果を把握するために,単元 終了時にも同様の調査を実施した.(付表3). ⑤ 単元開始時の子どもの感想文. 単元開始時のオリエンテーションにおいて,子どもの教材に対する学習意欲を把握する ために,運動に対する知識の理解度,学習への期待や不安,授業者への要望といった側面 から,自由記述の感想文による調査を実施した.(付表4). ⑥ 授業中の学習行動. 授業中の全ての子どもの学習行動としで,ゲームヘの出場回数(攻撃と守備),攻撃得 点数,攻撃獲得数,フラッグを奪った回数(守備得点数),各ポジションの回数(センタ. ー及びクォーターバック)を把握するために,10台のビデオカメラを用いて観察・記録を 実施した.. ⑦授業毎の学習成果 毎授業後,授業毎の子どもの学習成果を把握するために,高橋ら13)の作成した9項目か らなる質問紙法による形成的授業評価を実施した.加えて,この質問紙の中には,ルール. の理解や作戦を考えた動きについての実態を把握するための質問項目を設け,合わせて実 施した.(付表5). ⑧ 子ども相互の関係についての調査. 毎授業後,授業中の子ども相互の関係を把握するために,友だちとの言葉掛けの内容と. その時の気持ち,チーム内での発言の有無とその内容,チームヘの愛着度とその理由にっ. 一7一.
(10) いて,記述形式による調査を実施した.(付表6). ⑨ 単元終了時の子どもの感想文. 単元終了時のまとめにおいて,単元を通した子どもの学習成果と意識の変容を把握する ために,心に残ったことや学んだこと,気持ちの変化について,自由記述の感想文による 調査を実施した.(付表7). ⑩保護者の感想文 単元終了後,家庭で表れる単元中の子どもの意識の変容を把握するために,体育の学習 について話したことや,子どもの様子で気付いたことについて,保護者への自由記述の感 想文による調査を実施した.(付表8) 4) 結果の処理の手続き. (1)授業者への再生刺激法による調査. 授業者への再生刺激法による調査は,教師の意思決定に基づく指導の詳細を授業者が回 顧し,その内容を分析した.. (2)授業間の教師行動. 授業間の教師行動は,授業間に教師が行った活動としてとらえられる内容を分析した. (3)授業中の教師行動. 収録された言語行動は,言語行動分析法の各カテゴリーにあてはまる言語行動の頻度を 集計し,その頻度を言語行動の総数に対する割合(%)で求め,内容毎に示した.また, 逐語記録の内容を分析した.. (4)学級担任への聞き取り調査. 学級担任への聞き取り調査は,子どもの実態としてとらえられる内容を分析した. (5)尺度構成法に基づき作成された調査票. Y−G性格検査,運動有能感に関する調査,態度測定による体育授業評価法を用いた調 査及び,形成的授業評価は,それぞれの調査法の手続きにしたがい得点化し,パーソナル. コンピュータの所定の計算プログラムを用いて処理した.なお,回答形式として,Y−G 性格検査,態度測定による体育授業評価法を用いた調査,形成的授業評価については,3. 段階評定法を用いて得点化し,運動有能感に関する調査については,5段階評定法を用い て得点化した.. (6)自由記述の感想文による調査. 子どもと保護者への感想文による調査は,子どもの実態や学習成果としてとらえられる. 一8一.
(11) 記述内容を分析した.. (7)授業中の学習行動. 授業中の学習行動は,ビデオカメラの映像から,ゲームヘの出場回数(攻撃と守備), 攻撃得点数,攻撃獲得数,フラッグを奪った回数(守備得点数),各ポジションの回数(セ ンター及びクォーターバック)にっいて,出現した回数を数量化した. (8)ルールの理解や作戦を考えた動きについての質問項目による調査. 形成的授業評価と合わせて実施した,ルールの理解や作戦を考えた動きについての質問 項目は,それぞれの質問に対して「はいjと答えた人数を授業に参加した(欠席や見学を 除く)学級全体の割合(%)で求め,内容毎に示した. (9)子ども相互の関係についての調査. 子ども相互の関係についての調査は,チーム内の対人関係としてとらえられる記述内容 を分析した.. 一9一.
(12) 皿 結果と考察. 1. 授業実践における教師の指導性の文献による検討. 本研究の目的は,授業実践の中で実体としてとらえにくい教師の指導性の内実を具体的 に示すために,授業のアセスメントモデルに基づく指導の在り方を明らかにし,体育授業 実践構築のための教師の指導性を検討することである.. そこで,授業実践における教師の指導性の概念を規定するとともに,授業のアセスメン トモデルに基づく指導を行う際の教師の思考のメカニズムを文献の分析によって明らかに することとした.. 安彦1)は,教育における指導性の概念を教師の子どもに対する教育上のリーダーシップ と規定した上で,「時代を経て教育の中からいろいろな『権威』がなくなっていくことが,. 『教育』から『指導』へ,さらに『指導』から『援助』へ教師の指導性のあり方を変えね ばならないという主張の背景にあるのではないか」と今日の教育の在り方を危惧している.. つまり,安彦の指摘は,教師の指導性は時代とともに失われているのではなく,教師の指 導性にっいての見方や考え方を見直し,時代にあった教師の指導性の発揮が重要であるこ とを示唆しており,単に「指導」から「援助」へという形式の転換でなく,「援助」によ. り授業を行うととらえれば,r指導」はそのr援助」による授業の予め準備された内容に 包括されていると考えることができよう. さらに,阪田10)が,「子どもの自発性と教師の指導性とは決して矛盾しないもの,いや,. 教師の本来の指導性によってこそ,子どもの自発性は開花していくものであると考える」 と述尺ているように,教師の指導性に裏付けられた子どもの自発性を引き出す「援助」と,. 子どもまかせの「放任」とは全く異なるものであり,先の安彦と同様に,予め準備された 内容に「指導」が含まれていることを説くものであると言えよう.. 加えて,このような教師の指導性についての見方や考え方は,近年の先行研究”)や授業 実践の事例報告“)16)を見ても,一定した考え方があるとは言い難い.例えば,学校体育に. 関連した雑誌で,新学力観に対応した授業実践が盛んに行われるようになった1992年頃か ら,「子どもの自発性と教師の指導性」が特集として取り上げられるなど,教師の指導性. の在り方が吟味されている.しかし,その内容を見てみると,授業全体を総合的な視点か らとらえようとはしているものの焦点が定まらず,教師の指導性が抽象的な事例報告4)16). にとどまっている。一方で,鈴木1Dの研究に見られるような,教授スタイルに限定し,そ. 一10一.
(13) の中で示すことのできる部分的な教師の指導性については語られている.. このような中で,永島5}は,単元における教師の指導性の在り方として,「単元におけ る子どもの自発性と教師の指導性の調整は,単元計画から始まり,計画の実施,評価に至 る全過程を通して問題にされなくてはならない.」と述べている.この永島の考え方は,. 単元における自発性と指導性の関係を述べているだけで,教師の指導性の内実を具体的に 示しているとは言い難いが,教師の指導性を授業全体という総合的な視点によって計画・ 実施・評価というつながりとしてとらえている点で参考にできる.. ここで改めて永島のとらえる教師の指導性とアセスメントモデルに基づく指導を比較し てみると,永島の計画・実施・評価のそれぞれの段階は,アセスメントモデルの計画・過 程・成果に対応していると考えられ,非常に関連が深いことが理解できる.. 以上のことから,教師の指導性は,子どもに対する教育上のリーダーシップと規定する ことができ,それは,子どもの自発的な学習を保障するためのものであると言える.また,. 教師の指導の形式に関わらず常に発揮されるべきものであり,この教師の指導性に裏付け られて指導は行われる.そして,永島の指摘のように,教師の指導性を授業全体という総. 合的な視点でとらえるならば,アセスメントモデルの計画・過程・成果のそれぞれの段階 で教師の指導性は発揮されるものと考えることができよう.また,教師の指導性は,教授 意図に基づき子ども把握を行い,意思決定を経て指導を行い,学習成果から新たな子ども. 把握を行うといった一連の過程で発揮されるものであり,そこでの教師の思考が強く反映 されるものであると考えられる.つまり,授業中の目に見える子どもを対象にした教授行. 為としての限定した意味での指導と,その指導を実現するための教師の思考といった目に 見えない対象を含む指導性とは,区別して考える必要があるだろう.. そこで,教師の指導性の内実を具体的に示すためには,アセスメントモデルに基づく指 導における教師の思考と活動の全容が示されなければならない.ここで,改めて授業の構 造を見てみると,児島3)がとらえているように教材・教具の開発や子どもの実態把握とい った授業方略と,活動・方法・組織・メディアといった授業形態などの複雑な要素や次元 から成り立っている.そして,授業に臨む教師は,さまざまな判断とそれに基づく行為,. すなわち教師の意思決定によって,生田2)がとらえているように授業における設計力や実 践力を発揮している.つまり,アセスメントモデルに含まれる3っの段階のそれぞれで前 述した思考がめぐらされており,この教師の思考を詳細に見ていくことにより,教師の指 導性の内実を具体的に示すことが可能になると考えられる.. 一11.
(14) 吉崎且9)は,この教師の意思決定をr(狭義の)教師の意思決定とは,各代替策(対応策). の中から,それぞれの代替策が子どもにあたえる影響を予想しながら,教師自身が設定し た評価基準にもとづいて,そのうちの最良のもの(または,満足できるもの)を選択する ことです.また広義には,各代替策(対応策)を創出する過程をも含むことになります.」. と定義した上で,授業状況におけるキュー(手がかり)の観察から,授業計画と授業実態 との比較を行い,ズレとその原因を判断するとともに,教材内容と授業構造についての知. 識や教授ルーチンからの代替策を呼び出し,その中から満足できる代替策を選択すること. によって教師の反応(対応行動)を決定していく過程を,教師の意思決定モデルとして提 案している.. この吉崎の意思決定を踏まえ,田中17)は,授業設計について,「教師の独自なアイデア. と子どもの即時的な反応を生かすために,授業のラフイメージから始めて数回の書き直し. を経て作成した指導案を,授業中の子どもの反応に応じて変更し,さらに授業後にもう一. 度反省を加えて修正を行う一連の授業改善の過程」と定義した.そして,単元と個々の授 業とのダイナミックな関係を授業デザイニングという考え方に基づき,単元開始前の事前 の計画づくりである「計画デザイニング」,単元学習中の子どもの反応を見ながら計画案.. を修正する過程である「実践デザイニング」,単元終了後に授業を反省して行われる「改. 訂デザイニング」に分け,授業の計画・過程・成果という段階に合わせた,図2のような 授業再設計の3段階モデルとして提案している. 1 計画デザイニング. 単元開始前. ⇒. II 実践デザイニング 単元学習中. (Pre・unit). (ln・unit). ・単元イメージの着想. ・子どもの反応を生か した計画案の変更 ・計画案には書かなか った細かな指導の実 行(学習運営,学習. と洗練. ・学習指導要領,教科 書,指導書の再検討 ・教材研究 ・指導計画案の作成. ・過去の教授経験の再 検討 ・子どもの反応予測 (7割出発). 訓練). ・各時のスムーズなっ なぎ方の考案 ・Pre・unit段階での未 設計部分の設計. ⇒. 皿 改訂デザイニング 単元終了後 (Post・unit). ・全授業の反省に基づ く改善案の作成 ・子どもの反応に合わ せた変更可能部分の 明示. ・設計意図や変更理由 の書き込み ・教師の自己成長の確 認. 図2 授業再設計の3段階モデル(田中17),1995). さらに,田中’7)は,実際の授業を開始して,子どもの反応を見ながら計画案を修正する. 12一.
(15) 過程である実践デザイニングにっいて,授業中だけでなく授業間における教師の意思決定 にも着目し,より具体的に図3のようなモデルで示すとともに,実践デザイニング段階で 授 業 1 ①授業中のリデザイニング. 子どもの反応を生かした スムーズな学習の流れ. 授 業 2 ③授業中のリデザイニング 変更案に基づく教師行動. 教師の予定された行動 授業間 1. 子 ど も の 反応 即時的な判断による 計画案の変更. ② 授業間のリデザイニング. 授業1での問題点の把握. 子 ど も の 反応 即時的な判断による 新たな変更. 授業2での問題の予想. 授業1と授業2のつな. 授業間2へ. 方の工夫. 熟慮的な計画案の変更 図3 実践デザイニング段階での再設計ステップ(田中’7),1995). 行われる修正の特色として,次の表2に示した5つを挙げている.. 表2 実践デザイニングにおける修正の特色 a デザインの変更は,子どもの反応や実態,教師の教授意図そして資料の入手可能性と 関連して行われる.. b 計画段階で未設計部分として残しておいた指導や活動のあり方を,授業での即時的な 判断で作りだしたり,授業間での教材準備,計画案の修正などによって明確にする. 一度計画案の変更を決めていても,子どもの反応によっては,再変更をすることがある.. 指導レベルの変更は授業中に行い,単元案レベルの変更は授業間に行うことが多い.. 授業の終了部分と次時の導入部分をつなぐための修正が最も重要視される. そして,田中17)は,この特色の中でも授業の終了部分と次時の導入部分をっなぐための. 修正を重要視し,「現実の授業で生起する状況に応じて臨機応変に授業案を変更し七いく. ことが大切である.」と述べるとともに,「授業中の瞬問的判断によって変更や生成が可 能なものと,授業の合間での熟慮的な意思決定によって初めて可能になるものとをうまく 使い分けることが大切である.」と述べている.. っまり,この田中の指摘は,実施段階においては,授業中だけでなく授業間における教 師の意思決定も詳細に見ていく必要があることを示唆していると考えられる.ここでは,. 授業間における教師の意思決定1と基づく教師の営みとして,具体的には,子どもの学習成. 一13一.
(16) 果を把握するための調査や記述などから修正点を読み取ったり,子ども一人一人のノー.ト. や学習カードにコメントを記述することによって助言や称賛を与えたり,あるいは,授業 前に次時の授業への取り組み方を直接伝えたり,休み時間に子どものつまずきに対する指 導を行ったりすることも含んでいる. 加えて,田中は,「デザインの変更は,子どもの反応や実態,教師の教授意図そして資料の. 入手可能性と関連して行われる.」と述べていることから,教師の意思決定は,子ども把握. や教授意図などに基づく教師の思考と関連して行われていると考えられ,意思決定を経て. 指導に至る教師の一連の思考過程にも段階があり,教師の指導性の内実を具体的に示すた めには,意思決定が行為となって顕れる前の段階での,子ども把握や教授意図などに関わ る思考の詳細を明らかにする必要があると考える.. 以上のことから,教師の指導性を授業全体という総合的な視点でとらえ,アセスメント. モデルに基づき,子ども把握や教授意図などに関わる思考を含めた教師の意思決定の詳細 を見ていくことにより,教師の指導性の内実を具体的に示すことが可能になると考えられ る.さらに,授業中と合わせて授業問における教師の意思決定も詳細に見ていく必要があ ることが理解できる.つまり,授業間における教師の意思決定を詳細に見ていくことは,』. その前後の授業のつながりを見ることに他ならず,授業中に発揮されるであろう教師の指 導性と綿密にかかわり合っているものと考えられる.. そこで次に,授業実践の中で教師の意思決定を詳細に見ていくことによって,授業のア セスメントモデルに基づく指導の在り方を明らかにし,体育授業実践構築のための教師の 指導性を検討していくことにする.. 一14:一.
(17) 2. 文献の検討から導き出された教師の指導性の授業実践による検証. アセスメントモデルに基づくと,計画・過程・成果のそれぞれの段階における教師の指 導は,単元や1単位時間の授業,あるいは授業の一場面での指導として取り出してとらえ られるものではなく,一連のつながりの中で行われるものであるため,単元を通した授業 間及び授業中の教師の意思決定を中心に分析した.. 単元計画の作成においては,5年生という発達段階を想定した子ども把握に基づき,授 業実践のために次のような様々な意思決定が行われていた.まず,小学校6年間における. 学習経験の保障という観点から,運動に対する関心・意欲,運動の学び方や,運動技能な どの個人差が顕著になる高学年という時期の子どもを想定し,ボール運動領域のフラッグ. フットボールを学習材として選ぶことを決定していた.フラッグフットボールではプレー. ヤーの役割,つまり,それぞれのポジションでの動きが明確に分担されており,一人一人 がそれぞれに適した動き方ができる役割に配置されれば,最大限に自分の能力を発揮でき ると言われており14),また,鬼遊びの要素を含む陣取り型のゲームで,ボールを持って走. ることができるため,ボール操作の技能が比較的易しく,運動が苦手な子どもや男女混合. でも抵抗なくゲームに参加できることを意図し,学習材として選んでいた.加えて,攻守 交代制のため全員の子どもが作戦を意識しやすく,プレーの1回毎に作戦を考えて実行で きることや,その作戦の中で自分に与えられた役割を発揮して,集団で勝敗を競い合う楽 しさや喜びを味わわせることができることが意図として挙げられていた.さらに,仲問と. 一緒に学習する中で社会性の獲得を目指すとともに,全力で走る機会が多く,瞬発力や持 久力,判断力などの豊かな学習経験が保障できることも意図として挙げられており,これ らの意図に基づけば,全ての子どもが楽しんで活動できると判断し,フラッグフットボー ルが最適の学習材であると決定していた.. この学習材の決定に伴い,低・中学年におけう鬼遊びやボール運びの学習経験はあるも のの,フラッグフットボールという運動に対する知識や経験が乏しい子どもの実態を考慮 し,初めて行うボールゲームであることと,ルールが少し複雑であることから,簡単なル. ールのミニゲームによる段階的な指導の必要性を感じ,単元前半は,基本的なルールや動. き方を理解させるとともに,仲間と教え合う楽しさを味わわせたいと考え,rねらい1: チーム内で教え合い,簡単なルールでゲームをしよう.」という学習課題が設定されてい た。そして,具体的な活動内容として,理解させたい内容と授業時数を考慮し,1時間の. 授業の中で表3のような2つのミニゲームを行うことが決定されていた.. 一15一.
(18) 表3 ねらい1の活動計画 時. 第2時 第3時 第4時 第5時. ゲーム2. ゲーム1. ボール運びゲーム(1対1). ボール運びゲーム(3対2). ランゲーム(3対2). パスゲーム(3対2). パスゲーム(3対2). ラン&パスゲーム(3対2). ラン&パスゲーム(3対2). ハーフコートゲーム(5対5). また,この2っのミニゲームを行うとなると,ルール説明に時間を要するだけでなく,. 学習活動に混乱を来したりすることが考えられ,ミニゲームの内容を十分理解させるため に,ミニゲームのルールをイラストと短い文章で説明した学習資料を作成したり,授業の 中でルールを説明する際に使う掲示資料を作成したりするなどの準備が,子どもの実態を 想定して行われていた.さらに,ミニゲームでのポジションや出場順などを事前に決めさ. せ,ゲーム時間を充分に確保し,混乱なくゲームが進められるように,それぞれの授業で 行うゲーム内容に応じて毎時間違うチームカードを作成し,子どもに記述させていた.こ. れらのように,ねらい1の活動を行う第2時から第5時までは,1時間の授業での学習を 円滑に進めることができるように考慮して,想定した子ども把握に基づき,明確な意図に より意思決定し,単元計画の作成と合わせ,様々な準備が行われていた.. 単元後半のリーグ戦では,仲間と協力しながら作戦を実行する楽しさを味わわせたいと. 考え,rねらい2:チーム全員の動きを考えた作戦でゲームを楽しもう。」という学習課 題が設定されていた。初めて行うボールゲームであることから,単元後半でのリーグ戦を 見据え,単元前半から簡単なルールのミニゲームによる段階的な指導を行っており,さら. に,このねらい2では,リーグ戦でのルールを適用し,そのルールの中でどのように作戦 を立て,ゲームに勝利するかを考えて実行できるように,教師が公式ルールに若干の簡易 化の工夫を加え,具体的に考えて提示することとしていた.. 次に作戦であるが,一般的に子どもたちが立てたボールゲームの作戦では,ボールの動 きに合わせて人が動くということが多く,その結果,ボールをコントロールできる運動技. 能の高い子どもが中心に活躍することになってしまう.しかし,このフラッグフットボー ルは攻守交代制のため,攻撃での活躍だけでなく守備でも活躍でき,さらに,作戦を立て ることで一人一人が活躍できる機会が多くなる.つまり,攻撃ではボールを最初に動かす ポジションやパスを出すポジション,ボールを持って走るポジションなどの役割があり,. 作戦によってはボールを持っているフリをして騙したりすることもでき,守備では個々に. 一16一.
(19) フラッグを奪いに行ったり,相手をマークしたりと活躍することができる.そこで,個々. に応じたポジションとチーム全員の動きを考えた作戦を意識させるために,事前に自分の. ポジションやチームの作戦を明確にさせておくことを意図して,チームカードや作戦カー ドなどが作成されていた.. さらに,ゲームのルールや作戦の例を説明した学習資料を作成したりするなど,ねらい 1の場合と同様に,想定した子ども把握に基づき,明確な意図により意思決定し,単元計. 画の作成と合わせ,様々な準備が行われていた.ここで,学習資料の中に提示した公式ル ールに準じて若干の修正をしたゲームのルールについてであるが,公式ルールでは得点や 罰則に関わったルールが複雑なため,そのルールを用いるとゲームが混乱したり,技能の. 低い子どもの不安が増大したりしかねず,さらに,子ども相互でレフリーができないと想 定し,ボーナス(エキストラ)ポイントやセーフティーによる得点は設けないこと,反則. 後に5ヤード下げる罰則の代わりに攻撃回数を増減することなどの変更が加えられてい た.また,ラインやゾーンに関しても,子どもの運動能力を考えて,フラッグを奪ったり. ボールを進めたりできるように,スクリメージラインから3m離れた地点にディフェンス ラインを設けること,ノーランニングゾーンは設けないことなどの変更が加えられ,子ど もの混乱を未然に防ぐ工夫がなされていた.. 以上の子どもを目の前にしない計画段階での意思決定を踏まえて,設定したルールや動 き方を理解させようという教授意図による教師の意思決定に基づく授業過程段階に顕れる. 教師行動と,子どもの学習成果の関連を,授業間及び授業中の意思決定を中心に分析する こととする.. 運動活動場面に入る前に教室で単元開始時のオリエンテーションを行い,ゲームの概要 説明やルールなどの全容を示し,そこで,ルール理解などの子どもの様子を把握すると,. 子どもの感想文の記述からは,「ルールがよく分からなかったので,ファイルを見ておき. たいです(F子)」「あまりルールが分かりません(L男)」などのルールに対する不安を 挙げた子どもが,学級全体の40%以上を占めるという結果がみられ,フラッグフットボー ルという運動に対する知識や経験が乏しいこどを踏まえ,計画段階で教師が想定した通り の子どものルール理解の状況であった.. この結果を受け,計画段階でのルール定着を意図した単元構成で授業過程を進めること が決定され,ねらい1の学習活動を行わせた単元前半の教師の言語行動の分析結果(表4). をみてみると,第2時は,準備や学習の進め方等に関するr行動面」の言語行動の割合が. 一17一.
(20) 表4 教師の言語行動分析法による分析結果 13時間目 :4時間目 :5時間目 :6時間目 :7時間目 :8時間目. 2時間目. : :28,811. 第1次元(対象〉. 全体 個人 ループ. 29.66 :. 第2次元(活動場面). ;. 5:: 15、99 ::: 28.28. 」:: 24,66. ::1 24.60 :11 31.58. 1 27.66:1 56。85. : 12.22:1 62.22. : 33.94:1 41.63. 1 30.67;1 4473. ::: 26.65. ;:: 76,02. ::: 46.61. ::1 45,79 ::: 49.31. 28.05. :41,53・. 29.19. : 27.98:・ 41.00. 1.53 :61,86 :. 行動面. 44.12. 37,71:. 運動技術面 その他. ; .42 :. 5226. : 26/47. Il O.23. : 53.39 =1 0.23. 【: 1.60. : 49.86 ξ1 1.39. ::: 18.27. ::: 23.98. ::: 16.06. ::: 13.42. ::: 20.05. : 9.36:: 23.35. 1 7.24:: 34.16. 1 7.01:: 34.39. : 5.11:: 22.04. 1 4.99:: 26.32. 3.17. :. 第3次元(言語内容). : 72.08 :: 1.78. : 53∫)4. :. 単純動作指示 学習関与指示 説明 発問. 7,611. 7.47. 12,92:. 7.47. : 5,85:. 0.32. 10.00 :. 1.36. 助言1 助言2. 1,48:. 3.62 : 6.85 : 0.00 1 0.23. :1.06 :. : 13.74. : 3.32. : 5.08:: 3.55. : 8.47:: 0.45. : 1.81:: 1,53. : 0.64:: 0.32. : 6.37:: 2.49. : 14.72:: 3.55. : 2.941: 1.36. 」 8.601: 0.90. 3 11.50:: 1.92. 3 7.48:: 2.49. 2.26. け声. ,64:. .26. :3.18 :. 賞賛. 6.33. まし. ,641. .71. 13.35 1. 10.63. :0.00 :. 代償的賞賛 問い掛け 確認 応答. 0.00. 1 4.06 : 2.26 1 2.94 1 3.83 1 2.77. :10.17 :. 15.38 5,72:. 7.24 : 2.28 : 6.79 : 3.62 : 7.03 : 3.60. :3.39 ;. 注意 叱責. 2.49 0,00:. 0.00 : 0.00 : 0,00 1 0.45. +感動 一△・・できる ・・. 一〇一一発見. ・精一杯 一・o…一楽しい 一日一一自主的 ム・. 一+一めあて 一一△一協力. 教え. 、 馬. 一 ■. ノ.. ヘコじ ドノ . 1,. !二. 殊・.」・一・。・’冒’一. α×. 3,00. ン .”. \ 、『.!’ 9.9、’ 2.75. 1 6.09 : 0.00. ’■『. ... 亀. ___一一一●__ .・●. の, ,. ●, / 辱 ○. .・9 、、●. . 一〆F. と /. 9’A、〆. ●. 2,50. 2.25. 2,00. 一 一_ 2時. 3時. 4時. 5時. 図4 形成的授業評価の学級平均値の推移. 一18一. 6時. 7時. 8時.
(21) 61.86%と発言内容の半分以上を占めており,さらに,言語内容は,』“あっちでやりなさ. い”“こう書きなさい”などの「単純動作指示!や,“こんなことをやるんですよ”とい った「説明」の割合だけで発言内容の半分以上を占めているという結果がみられた.この. 結果は,ルールを理解させる前にグループでの取り組み方や学習資料の使い方などの学習 の進め方を理解させたいという教授意図を踏まえ,マネージメントに関わった指示や説明. に関わった言語行動であることが推察できる.実際には,形成的授業評価(図4,表5) と合わせて実施したルールの理解や作戦を考えた動きにっいての質問項目(表6〉で,「ゲ. ームのルールや動き方がわかりましたか」の項目に「はい」と答えた子どもの割合が90%. 以上であったことから,授業が教師の意図通りに進められていたと言えよう.この第2時 での簡単なゲームのルールや学習の進め方が子どもに理解できたという学習成果を受け,. 第2時と第3時の授業間に計画段階で意図された単元後半でのリーグ戦を見据え,ルール について段階的に指導していくことが改めて意図され,第3時に入ることとされた.. 第3時は,教師の言語行動の分析結果(表4)の「行動面」や「単純動作指示」の割合 が前時よりも低くなり,逆に「運動技術面」や「説明』の割合が高くなっているという結 果がみられた.「運動技術面」に関わった言語行動が増えたことは,運動場面での関わり. が増えたことであり,さらに,言語内容の「単純動作指示」が減り,「説明」が増えたこ とは,その運動場面でルールや動き方といった内容への関わりが増えたためと考えられる.. っまり,計画段階だけでなく授業間にも再考した,単元後半のリーグ戦を見据えた単元前 半での基本的ルールの理解という教授意図を踏まえた言語行動であることが推察できる.. 以降第4時まで,計画段階での意図を踏まえ,授業問に子どもの実態(学習成果)を受 け,意図を再考し,次時の授業に臨む,という計画・過程・成果の段階に沿って,それぞ れの段階での教授意図に基づく意思決定の分析が繰り返し行われ,授業が進められた.そ の結果,第2時から第4時において,教師の言語行動では「運動技術面」と「賞賛」やr助 言』の割合が右上がりに増加しており,動き方に対しての賞賛や具体的な助言ができる程,. 子どもに学習成果がみられ,これ以上の成果獲得をねらい,さらに肯定的に関わろうとす る教授意図を踏まえた言語行動が推察できる.このことは,形成的授業評価の学級平均値. の推移(図4)にも顕れ,第2時から第4時の問で「精一杯の運動」の項目が高い値で推 移するという結果がみられ,ルールや動き方を理解して自分の思い通りに体を動かすこと ができた子どもの様子が推察できる.. 第5時は,教師の言語行動の分析結果(表4)の「行動面」の割合が70%以上と極端に. 一19一.
(22) 表5−1. 形成的授業評価の結果. V子. H E E. 2. 1 1 2. 1B. 4B 2A 1B 1B. 感動. 汲平均 平. 女子平 チー ’〆 チー 8. チー 平 チー も チー ’ ,. テー 平, チー 平, チー ’. できる. 発見 糟一. 2.06 2.66 2.71 2.89 2.21 2.68 289 300 1.88 2.63 2.50 2.75 1.40 2.60 2.60 2.60 3.00 3.00 3.00 3.00 2.20 3.00 3.00 3.00 2.20 2.80 2.80 3.00 2.25 2.50 3.00 3.00 2.50 2.50 3.00 3.00 1.33 2.00 2.67 3.00 で,60 2.60 1.80 2.60. 楽しい 自主的 めあて. 協力 敏え合. 感勤. きる. できる. 一. 発見 糟一. しい. 主. あて. 楽しい 自主的 めあて. え含. 協力. 教え合. 2. 1. 勤. 3 2 3. 2 1 1. 3 1. 3 2 1. 2. 懸動. 10 4. 4 5. 6. 7. 9. 8. 1. さる. 一. しい. 主的. あて. 力. え合. 勧. 3 2 3. 2. できる. 兜見 精一. 楽しい 自主的 めあて. 協力. 教え合. 感動. 2. 10 12日 4. 5. 5 6. 7. 8協力. Q D. 3. 9. 9. 323333233332333333333333333 333333233332333333333323323 333333223332333333333323313 323333333332333333233333333 333333323332333333333323333 333333233332333333333333333 323333233332333333233323333 323333133332333333233323333. T. ∪子 L子. え含. 7. 3発見. 1子. J子 N子. 力. 6. 席 3 3 1 3 3 3 2欠席 2 3 2 3 3 3 2 2 3 3 2 2 3 3 3 3 2 1 1 2 2 3 1 3欠席 3. NO. F子. N C R S O G. 1A. 2B 4A 2A 3B 3A 2B 2A 3B 1A 4B 4B 3B 2A 2B 2B 3B 4B 4B 3A 4A. あて. 5. 11日. H. 冒B. 主. 3. 6日. 3免見. M L. 3A 2B. しい. 4. 3333233333332333333333333333 3333233333232333333333333333 3333233323132323333233323133 3333133332332333333333323333 2333233333332333233333333333 3333133333332333333333333333 3233233232232333333233323133 3333233233132333333333333333. P G. 1A 2A. 31. 一. 10. 席 2 3 2 3 3 3 3 2 1 3 2 3 3 1 3 3 2 1 2 3 1 1 3 3欠席 3. 」. 4A. きる. 2. 33333122333、23332333333233332113233333. B子. 1A. 9. 8. 8協力. B F K 1 D. 3A 4A 3B. 7. 3333323232333333333333333333 3333313331323233233333333331 3333322333323333333333333333 3333313233333332333333333332 3333323333323333333333333333 3333322332321333333333233333 3333321333223333333333323331. Q子. 1B. 6. 3発見. M A. 4A. 1. 5. 学 3 2 3 1 1 1 3 3 2 3欠席 2 3 2 3 3 2 3 2 3 3 2 2 3 3 3 2 1 1 1 2 1 3 1 3 3 3. P. 1A. 2 ). 4日. 4. 1感動. K子. 2 2 2 2 2 2 1 2 1 1 1 1 2 2 1 1 1 1 1 2 2 1 1 1 1 1 2 2 2 2 1 2 2 1 1. 勤 学 3 2見学 3 2 2 1 3 3 2欠席 1 2 1 3欠席 2 2 1 2 2 3 2 3 1 3 2 2 1 1 2 1 3 1 3 3 3. A o C. 性 チーム. 10. 33333233331313323333331333 13333333331323333333331333 33323333231333333333321233 33333333331333333333223332 33333333331333333333333333 33333333331333333333333333 33333233331333333333333233 33232333213232333333233332. 名前. 3発見. 2. 1. きる. 一. できる. 発見 精一. 主. あて. え合. 楽しい 自主. めあて. 協力 教え含. しい. 259 273 289 2フ8 286 259 281 265 224 284 268 292 289 286 259 289 295 244 278 281 283 289 286 278 283 281 300 284 279 289 274 245 265 270 290 275 295 255 275 260 226 289 274 300 295 289 253 289 300 263 289 284 289 289 295 284 295 289 2.89 2.83 2.69 2.77 2.63 2.30. 2.75 2.81 2.56 2.60 2.60 2.60 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 2.60 3.00 3.00 2.80 3.00 3.00 2.50 3.00 2.50 2.50 3.00 3.00 2.67 2.60 2.60 2.80. 2.63 2.20 3.00 2.60 3.00. 2.50 2.60 3.00 2.20 2.80. 2.12 2.53 2.76 2.40 2.60 2.60 3.00 3.00 3.00 2.80 3.00 3.00 2.80 2.80 2.60. 2.88 2.82 2.76 2.65 2.88 2.71 2.22 2.78 2.61 2.83 2.83 2.83 2.67 2.89 2.89 2.24 2.65 2.76 2.76 2.88 2.76 2.71 2.71 2.71 2.60 2.40 2.60 2.40 2.60 2.20 2.80 2.80 2.80 2.80 2.60 2.80 2.60 2.80 2.80 2.80 2.80 2.80 2.80 2.60 2.80 2.60 2.80 2.80. 300 300 300 300 300 300 233 300 233 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 280 240 300 300 280 280 280 300 300 280 300 300 300 300 3.00 3.00 3.00 3.00 2.60 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 2.60 2.80 3.00 300 300 200 275 275 300 300 300 200 275 300 225 225 275 300 300 300 250 275 300 250 275 300 300 300 300 300 300 300 3.00 300 300 300 300 300 220 300 220 300 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 2.80 3.00 3.00 3.00. 3.00 3.00 2.20 2.40 3.00 3.00 2.60 3.00 2.60 3.00 2.60 2.00 3.00 3.00 3.00 2.80 3.00 2.80 3.00 3.00 2.80 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 2.33 1.67 1.75 2.00 2.75 300 3.00 275 225 300 250 140 260 240 260 280 260 220 260 280 175 225 250 275 300 275 275 275 250 3.00 2.60 1.40 2.20 2.20 2.60 2.40 2.60 240 220 200 220 3.00 2.80 3.00 300 280 240 300 300 140 260 240 220 260 2.60 240 240 220.
(23) 表5−2 形成的授業評価の結果. 楽しい 自主的 めあて. 289 290 289 300 3.00 300 300 300. 2.89. 295 283 280. 3.00. 300. 289 295 283 280 300 300. 協力. 教え合. 292 290 295 289 289 260 280 3.00 300 300 300 2.89. 3.00 3.oo 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 2.25 2.50 2.75 2.50 3.00 2.50 3.00 2.75 2.75 2.75 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 2.20 240 200 260 260 220 280 300 300 300 300 300 300 300 300 300. 300 300 300 300 275 300 300 180 260 240 280 280 260 260 280 280 260 300 300 300 280 300 300 220 260 260 280 240 280 280 280 280. 5.. 6.. 7.. 8. 2.24 2.44 2.38 2.32 2.66. 9教え合. 2.66 2.71 2.89 2.89 2.83 2.69 2.77 2.63 2.81 2.65 2.84 2.68 2.92 2.89 2.86 2.59 2.89 2.95 2.78 2.81 2.83 2.89 2.86 2.78 2.83 2.81. 2.78 2.76 2.89 2.95 2.84 2.76 2.84 2.84 2.62 2.54 2.76 2.78 2.81 2.76 2.81 2.95 2.84 2.82 2.92 2.89 2.89 2.89 2.89 2.92. 33. 230 2.59 273 2.89 2.78 2.86 2.59 4.. 8協力. 7めあて. 6自主的. 5楽しい. 4精一. 凸 ’ の. 3亮見. 206. 2できる. 2、. 1感動. 332333333323333333333333333. 9教え台. 8協力. 292 295 289 280. 7めあて. 発見 精一. 282 290 272 280 3.00 300 300 300. 6自主. できる. 284 290 278 280. 8、. 2333333333332333333333333333 3333233233332333333333333333 3333233233332333333333333333 3333233333333333333333333333 3333233333332333333333333333. 266 275 256 260 300 300. 25日. 5楽しい. 感勤. 295 280 300 282 288 280 280 300 3.00 300 300 281. 33331−332333323333333333333333132333333. 協力 教え合. 楽しい 自主. 10. 4精一. めあて. 276 2.78 281 276 260 275 280 280 285 24フ 276 276 282 265 260 280 280 280 260 2.00 2.25 2.75 250 2.50 260 300 300 300 280. 発見 精一. 2.54. 3333233233332333333333333333. 3’. 3発見. できる. 2できる. 感動. 力. 323223323333欠席1323333333333333113133333. チー ’. 教え含. 1感勤. チー ’, チー 平, チー 平, チー 平. 協力. r8. 9教え含. チー ’ チーム ’ 、. 楽しい 自主的 めあて. 7めあて. 女子平均 チー w. 発見 精一. 2.38 2.78 2.76 2.89 2.95 2.84 2.76 2.84 2.84 2.32 262 260 2.90 285 300 300 290 290 295 285 235 270 2.12 2.65 265 2.76 288 276 259 271 282 229 253 2.40 2.40 260 2.60 260 2.60 260 240 260 260 280 2.50 2.50 2.50 3.00 3.00 2.50 2.75 3.00 2.50 2.00 2.00 2.80 3.00 2.80 2.60 3.00 2.80 240・ 260 300 2.60 280 2,∠旧 3.00 2.80 3.00 3.oo 3.00 2.80 3.00 3.00 2.60 3.oo 1.75 2.50 2.75 3.00 3.00 2.75 300 3.00 3.00 2.00 2.25 2.40 3.oo 3.00 3.00 3.00 3.00 280 3.00 300 2.00 260 2.25 2.75 2.75 3.00 3.00 3.00 300 3.00 300 225 275 2.40 3.00 2.80 3.00 300 3.00 280 280 260 2.40 2’60. 6自主的. 平,. できる. 1.. 7時. 3333333333323333333333333332 3333233331323331333333333332 2333232333323333332333333332 3333333331323331333333333333 3333233332323331333333333331. 感動. 学級平均. 3『. 見. 33333333313233313.33333333332333323331. 1B 1B. 20日. 5楽しい. E子. 1B. 4B 2A. 4精一. L Q D V H E. 10 ・3. 2333333331323331331333333331 333323233132333333233333333. τ. u子. 1A. 4B 4B 3B 2A 2B 2B 3B 4B 4B 3A 4A. 3 .. 2332欠席1333312欠席2223133133333333212211333霊. 1子. 」子 N子. 1 1 1 1 1 2 2 2 2 1 2 2 1 1 2 1 1 2. しい. 2できる. G子. 2. 1感動. N一. F子. N C R S Q. 4A 2A 3B 3A 2B 2A 3B. 9教え合. L H. 1A』 2B. 8協力. 5. 2B 1B. 7めあて. M. 3A. 6.. 2333333333323333333333233333 2333333233323333333333331333 2333333333323333332333331232 2333333333323333332333333333 2333333333323333333333333333. P G. 1A 2A. ’5. 6自主的. 」. 4A. 19日(. 23333333332333333333333133. B子. 1A. 4精一. B F K 1 D. 1 2 1 1 1 1 2 2 1 1 1 1 1 2. 3発見. Q子. 2. 1B. 3A 4A 3B. 2333332333323333332333233233 1332332333323333333333333333. A. 2. 2231欠席1322312欠席23233332332333132312313333. M子. 2 2. 2でき筍. C子 K子 P子. 性 チーム 2 1A 2 4A. 1懸勘. 名前 A子 Q子. 10.
(24) 6. ,. t ,. ,L-, O). !tb(. ; t_,- I. [:1)L, C(D. F*1J. l.
(25) 増え,また,それまでの言語行動と比べ「説明」の割合が高くなった.この時間は,次時 以降にゲームのコートを広げて活動できるように,それまで体育館で行っていた活動を運. 動場での活動に移し,さらにゲームもリーグ戦に備えて広いコートで行うことが計画され ていたため,体育館から運動場への活動場所の変更に伴う学習の進め方の再確認と,ねら. い2のリーグ戦では,ねらい1のミニゲームよりも人数が多くなること,リーグ戦でのル ールの内容を理解させたいという教授意図を踏まえたため,このような結果になったと推 察できる.さらに,この教師行動を行ったとしても,子どもに多少の混乱があることが計. 画段階でも想定され,単元計画でもねらい1とねらい2の活動をスムーズにつなぐためだ けに,この第5時が設定されており,この時間の学習成果としての形成的授業評価(図4). やそれに合わせて実施した調査(表6)が低い値を示すことも予想されていた.逆に,想 定していたよりも数値の落ち込みは少なく,第4時までの指導が効果的であったと考える ことができよう.. この第5時以後も同様に,授業毎の子どもの学習成果と授業中の教師の意思決定を受け, 各授業問に計画段階での教授意図を踏まえ,繰り返し意思決定を行い,授業が実践された.. 改めて単元全体をみても,授業時数の経過に伴い,学習内容がねらい1における学習の 進め方からミニゲームのルールや動き方,そして,ねらい2における学習の進め方,リー グ戦でのルールや動き方と変化し,それに合わせ,教師の言語行動の分析結果(表4)や 形成的授業評価と合わせて実施した質問項目(表6)のそれぞれの数値が推移しており,. 授業中の教師の活動やその成果が,計画段階での子どもの実態を踏まえた教授意図に基づ く,授業中の意思決定とそれをっなぐ授業間の意思決定の,一連のつながりにより導き出 されていることは明らかであろう.さらに,このことは,単元終了時の子どもの感想文の 記述に,rやっていく中にだんだんルールが分かってきたから楽しかったです(Q子)j r最. 後の方になるとゲームのルールを覚えてできるようになって,みんなが1つになった気分 でした(J男)」などのルールの理解に関する内容を挙げた子どもが,学級全体の60%以 上を占めるという結果がみられ,単元を見通した教師の意思決定に基づく指導によって, 学習成果が顕れたことからも理解できる.. 次に,授業中において,子ども相互に考えたり教え合ったりできるチーム編成という側 面から,教師の意思決定と実際の教師行動や子どもの学習成果との関連を分析すると,学 習前の子どもの実態を可能な限り詳細に把握するために,1学期の成績及び行動の記録, スポーツテストの結果,学級担任への聞き取り調査が行われていた.さらに,性格検査,. 一23一.
(26) 運動有能感,体育授業評価などの調査法を用い,より詳細な子ども把握も行われていた.. これらの子ども把握を用い,チーム編成が次に示す意図でなされていた.まず,ゲームで. の勝敗の不確定要素,つまり,ゲームを始める前に結果が予想でき,子どもの意欲を失わ. せないことや,そこで勝つための工夫としてチームの仲間の上達や作戦といった活動が積 極的に行われることが意図され,集団で勝敗を競う楽しさや喜びを味わわせることができ るように運動技能における等質なチーム編成が行われていた.また,仲間の上達や作戦の ことを考えれば・教え合いや認め合いという社会性の発揮が必要となり,そのことも学習. 成果として獲得できるように,学力,生活行動,運動技能,性格特性,対人関係などの総. 合的な観点から,表7に示すようなチーム編成が行われていた. この表7に示したチーム編成に至るまでは,いろいろな検討が行われていたが,その見 直しの一例を挙げてみると,チーム2B.の1男は,調査票による調査では他の児童に比べ 神経質であることがうかがえ,学級担任への聞き取り調査でのr友だちにちょっかいを出 し好かれていない」という結果からも,対人関係でトラブルを引き起こす可能性があるこ. とが把握されていた。そこで,当初のチーム編成では,同じチームに大人しい女児しかい. なかったため,1男によるトラブルの解決に向けての話し合いができるように,1男に対 して意見が言えるJ子を同じチームにする方がよいと考え,さらに,J子の運動技能を考. 慮し,チーム1Bとチーム2Bの女子を全員入れ替えることが判断・決定されていた.こ のように,チーム編成においても,明確な教授意図に基づく教師の意思決定が行われてい た.このような編成に基づき授業が進められ,形成的授業評価の学級平均値の推移(図4). をみてみると,単元を通して「協力」の項目が高い値で推移し,「教え合い」の項目が右. 上がりで推移しているという結果がみられ,当然,単元過程や授業過程においても教授意 図をもって関わっているとはいえ,チーム編成における教師の意思決定が学習成果の一端 を担っていることを裏付けるものであろう.. 次に,授業過程中の教師の活動を教師の意思決定と実際の教師行動や子どもの学習成果. との関係から,その一例を具体的にみてみると,第2時にチーム4Bの子どもは,ルール の説明を聞いていないために,ゲームヘの取り組みに時間がかかったり,使うボールの数 が少なかったりするなど,チームでの活動状況が悪いと教師に把握されていた。そのこと. は,毎授業後に実施した子ども相互の関係についての調査からも明らかで,キャプテンの R男の記述には,『友だちに「早くしろ」と言った』『友だちから「お前きらいよ」と言. われた』『チームの中で「自分勝手に意見を出した」』という結果がみられた.この活動. 一24一.
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